JP6514911B2 - 優れた香味と旨味が持続する容器詰茶飲料の製造方法 - Google Patents
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本発明で、茶飲料の製造に用いる原料溶液は、通常の方法に従い茶葉から抽出した茶抽出液を用いて調製することができる。原料となる茶葉は特に限定されないが、Camellia sinensisに属する茶葉等を用いることができ、緑茶葉のような不発酵茶に限らず烏龍茶のような半発酵茶や紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶なども用いることができる。本発明の効果がより発揮できるという点で緑茶葉が好ましい。なお茶抽出液の代わりに市販の茶エキスやパウダーを用いてもよく、茶抽出液とエキスやパウダーを混合して用いてもよい。茶飲料に含有される茶由来の総ポリフェノール量は任意に決めることができるが、好ましくは20〜150mg/100mL、より好ましくは40〜100mg/100mLのとき、加熱殺菌処理後の容器詰茶飲料において、より旨味が強く、緑茶らしい自然な風味を得ることができる。そのほか、通常の茶飲料を製造する際に使用する食品添加物などは適宜使用することができる。
本発明の茶飲料で、該茶飲料に含有させるメチルメチオニンスルホニウム塩は、キャベツジュース中の潰瘍抑制効果を研究する中でその有効成分の一つとして見出された化合物群であり、キャベツなどのアブラナ科植物に含有される。メチルメチオニンスルホニウム塩は、メチルメチオニンスルホニウムと、無機酸、有機酸、酸性アミノ酸、および5’−ヌクレオタイドから選択された化合物との塩であることが好ましい。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。また、有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などが挙げられる。さらに、酸性アミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギン酸などが挙げられる。加えて、5’−ヌクレオタイドとしては、5’−イノシン酸、5’−アデニル酸、5’−グアニル酸、などが挙げられる。メチルメチオニンスルホニウム塩の添加量は、茶飲料中に含まれる茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.001〜0.15重量部、好ましくは0.007〜0.06重量部、より好ましくは、0.01〜0.06重量部添加するのがよい。
メチルメチオニンスルホニウム塩は、飲料に用いることができる化合物であれば特に限定されないが、好ましくは、メチルメチオニンスルホニウムと無機酸との塩であり、さらに好ましくは、メチルメチオニンスルホニウムクロライドである。メチルメチオニンスルホニウムクロライドは、ケールやキャベツ、及びブロッコリー等に含まれるアミノ酸の一種であり、それらの植物体の抽出物若しくはその抽出物から分画濃縮したものを使用することができる。メチルメチオニンスルホニウムクロライドは食品添加物として市販されており、本発明では該市販のメチルメチオニンスルホニウムクロライドを使用することができる。該市販のメチルメチオニンスルホニウムクロライドを使用することで、香味の調整やコストの面で有利となることがある。メチルメチオニンスルホニウムクロライドの添加量は、茶飲料中に含まれる茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.001〜0.15重量部、好ましくは0.007〜0.06重量部、より好ましくは、0.01〜0.06重量部添加するのがよい。
ここで茶由来の総ポリフェノールとは、茶由来成分のうち、以下に示す酒石酸鉄法で定量されたものを指す。茶由来ポリフェノールには、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等や、カテキン類の酸化2量体であるテアフラビン類、さらにはカテキン類やテアフラビン類を構成単位とする多量体のタンニン類などが含まれる。茶由来の総ポリフェノール量は、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p.252に記載の公定法(酒石酸鉄試薬法)にしたがって測定する。
本発明の容器詰茶飲料の製造方法においては、メチルメチオニンスルホニウム塩の含有に加えて、特定量のエタノール、若しくは、プロピレングリコールを含有させることにより、殺菌条件の適正範囲を広げることができる。具体的には、エタノール又はプロピレングリコールを0.001〜0.1v/v%の範囲で含有させる。該エタノール及びプロピレングリコールは、茶飲料調合の際に抽出液に対して添加すればよく、メチルメチオニンスルホニウム塩と同時に添加してもよい。なお、これらエタノール及びプロピレングリコールの両者を併用して添加することもできる。
本発明では、容器詰茶飲料の製造において用いられる加熱殺菌手段として、UHT殺菌が用いられる。UHT殺菌は、超高温短時間で殺菌する方法であり、PETボトル詰清涼飲料製造の際などの殺菌方法として広く用いられている。本発明の容器詰茶飲料の製造方法においては、このUHT殺菌をおこなう際に、特定のF値範囲で加熱殺菌することが必要となる。F値とは、基準温度で一定数の微生物を死滅させるのに要する加熱時間(分)であって、通常121.1℃における加熱時間をいう。たとえば、F=1と同等の殺菌条件とは、111.1℃では10分、121.1℃では1分、F=20と同等の殺菌条件とは、121.1℃では20分、137.2℃では30秒のように設定できる。なお本発明でUHT殺菌をおこなう際には、加熱温度は110℃〜145℃程度に設定することが好ましく、124℃〜145℃程度に設定することがより好ましい。UHT殺菌機を用いて上記条件で殺菌を行う場合は、上記条件を実際に担保できる温度と時間を設定する。
本発明の容器詰茶飲料の製造においては、以下のUHT殺菌条件において、加熱殺菌が行われる。
(1)メチルメチオニンスルホニウム塩添加(エタノール、プロピレングリコール無添加):F値10〜20の条件で、加熱殺菌。
上記加熱殺菌の範囲以外では、保存するに従い、旨味が漸減するほか、同時に劣化臭が増加するので、製造後、長期間に渡って流通、販売される容器詰茶飲料としては相応しくない。
(2)メチルメチオニンスルホニウム塩添加+エタノール(0.001〜0.1v/v%)添加:F値1〜20の条件で、加熱殺菌。
上記加熱殺菌の範囲以外では、保存するに従い、旨味が漸減するほか、同時に劣化臭が増加するので、製造後、長期間に渡って流通、販売される容器詰茶飲料としては相応しくない。
(3)メチルメチオニンスルホニウム塩添加+プロピレングリコール(0.001〜0.1v/v%)添加:F値1〜20の条件で、加熱殺菌。
上記加熱殺菌の範囲以外では、保存するに従い、旨味が漸減するほか、同時に劣化臭が増加するので、製造後、長期間に渡って流通、販売される容器詰茶飲料としては相応しくない。
UHT殺菌した茶飲料を、常法に従って、PETボトル、紙容器、ビン容器、缶容器などの容器に充填することで、容器詰茶飲料を製造することができる。本発明方法で製造した茶飲料は、長期間保存しても、劣化臭が増加しにくく、香味、旨味に優れている。なお、UHT殺菌の特性を生かす面からPETボトルに充填することが最も好ましい。
緑茶葉200gに対して70℃の熱水8000gを添加し、適宜攪拌しながら6分間抽出した。固液分離し、10℃まで冷却した後に遠心分離処理を行った後、イオン交換水で8000gに調整して緑茶抽出液を得た。さらに、この得られた緑茶抽出液1000gに対して、L−アスコルビン酸を40mg/茶飲料100mLとなるように添加してから、炭酸水素ナトリウムでpHを6.5に調整後、最終的に2500gとなるようにイオン交換水を添加して、茶飲料調合液(対照)を調製した。一方、使用する緑茶抽出液を6000gにする点、メチルメチオニンスルホニウムクロライド(MMS)(浜理薬品工業株式会社製)を0.001w/w%となるように添加する点、最終液量を15000gとする点以外は全く同様にして茶飲料調合液(試験区)を調製した。これら茶飲料調合液の総ポリフェノール量は70mg/100mlであり、メチルメチオニンスルホニウムクロライドの添加量は茶飲料中に含まれる茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.0143重量部に相当する。
得られたそれぞれの茶飲料調合液を用いて、表1に示す条件でUHT殺菌をおこなった。UHT殺菌機の条件は、表1の殺菌条件を実際に担保できるように温度と時間を設定した。UHT殺菌はF値が1〜40の範囲で行い、殺菌後は、PETボトルに充填して容器詰茶飲料とした。
得られた茶飲料調合液(試験区)をレトルト缶に充填した後、表2に示す条件でレトルト殺菌をおこなった。レトルト殺菌機の条件は、表2の殺菌条件を実際に担保できるように温度と時間を設定した。
製造した容器詰緑茶飲料を訓練されたパネリスト5名により官能評価を行った。また、45℃保存庫に保存して、製造2週間後、4週間後にも同様に官能評価をおこなった。香味評価(旨味)は、比較例1の製造後保存0週間を対照(5点満点中の1点)として、緑茶飲料の香味を構成する旨味の強度を評価した。すなわち、評価素点は次の通りである:1点は「旨味が対照と同等である」、2点は「旨味が対照より若干強い程度」、3点は「旨味が対照より強いまたは優れている」、4点は「旨味が対照より明らかに強いまたは優れている」、5点は「旨味が対照より著しく強いまたは優れている」とした。これらの評価素点はさらに、下記の評価基準でレベル分けした。香味の評価基準は次の通りである:◎が最も緑茶飲料としての旨味が優れており、○、△、及び×の順に従って、旨味の強度が弱くなり、△及び×は、緑茶飲料として旨味増強効果が不十分なものである。また、香味評価(劣化臭)は、比較例1の製造後保存0週間を対照(5点満点中の1点)として、保存期間中に生成される緑茶飲料の劣化臭の強度を評価した。
◎:(5段階評価で3.5点以上)
○:(5段階評価で3点以上3.5点未満)
△:(5段階評価で2.5点以上3点未満)
×:(5段階評価で2.5点未満)
◎:(5段階評価で2.5点未満)
○:(5段階評価で2.5点以上3.0点未満)
△:(5段階評価で3.0点以上3.5点未満)
×:(5段階評価で3.5点以上)
エタノールを最終液量に対して0.001v/v%となるように添加した以外は、調製例(1)の茶飲料調合液(試験区;MMS0.001w/w%添加)と同様に調合液を調製した。
エタノールを最終液量に対して0.01v/v%となるように添加した以外は、調製例(1)の茶飲料調合液(試験区;MMS0.001w/w%添加)と同様に調合液を調製した。
エタノールを最終液量に対して0.1v/v%となるように添加した以外は、調製例(1)の茶飲料調合液(試験区;MMS0.001w/w%添加)と同様に調合液を調製した。
得られた茶調合液について、表4の条件でUHT殺菌を行ってPETボトルに充填して容器詰茶飲料を製造した。UHT殺菌機の条件は、表4の殺菌条件を実際に担保できるように温度と時間を設定した。
実施例3〜14および比較例6〜8の容器詰茶飲料について官能評価(1)と同様に官能評価をおこなった。結果を表5に示す。エタノールを0.001v/v%、0.01v/v%若しくは0.1v/v%添加すると、F値が1〜10であっても、エタノールを添加しない場合のF値10〜20と同様に、メチルメチオニンスルホニウムクロライド添加により増強された優れた香味、旨味が製造直後だけでなく、一定期間保存後も持続していた。また劣化臭の増加も抑えられていた。
プロピレングリコール(PG)を最終液量に対して0.1v/v%となるように添加した以外は、調製例(1)の茶飲料調合液(試験区;MMS0.001w/w%添加)と同様に調合液を調製した。
得られた茶調合液について、表6の条件でUHT殺菌を行ってPETボトルに充填して容器詰茶飲料を製造した。UHT殺菌機の条件は、表6の殺菌条件を実際に担保できるように温度と時間を設定した。
実施例15〜18及び比較例9の容器詰茶飲料について官能評価(1)及び(2)と同様に官能評価を行った。結果を表7に示す。プロピレングリコールを添加すると、F値が1〜10であっても、プロピレングリコールを添加しない場合のF値10〜20と同様に、メチルメチオニンスルホニウムクロライド添加による増強された優れた香味および旨味が製造直後だけでなく、一定期間保存後も持続していた。また、劣化臭の増加も抑えられていた。
Claims (6)
- 容器詰茶飲料の製造方法において、(1)茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.001〜0.15重量部のメチルメチオニンスルホニウム塩を含有させ、該茶飲料を、UHT殺菌により、F値10〜20の条件で、加熱殺菌を行うか、或いは、(2)茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.001〜0.15重量部のメチルメチオニンスルホニウム塩を含有させ、更に、茶飲料に対して、0.001〜0.1v/v%のエタノール、又は、0.001〜0.1v/v%のプロピレングリコールを添加して、該茶飲料を、UHT殺菌により、F値1〜20の殺菌条件で、加熱殺菌を行うことを特徴とする容器詰茶飲料の製造方法。
- メチルメチオニンスルホニウム塩が、メチルメチオニンスルホニウムクロライドであることを特徴とする請求項1に記載の容器詰茶飲料の製造方法。
- メチルメチオニンスルホニウムクロライドが、ケール、キャベツ、又は、ブロッコリー由来の抽出物であることを特徴とする請求項2に記載の容器詰茶飲料の製造方法。
- UHT殺菌による加熱温度が、110℃〜145℃の範囲で設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰茶飲料の製造方法。
- 茶飲料が緑茶飲料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰茶飲料の製造方法。
- 容器詰茶飲料の製造において、(1)茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.001〜0.15重量部のメチルメチオニンスルホニウム塩を含有させ、該茶飲料を、UHT殺菌により、F値10〜20の条件で、加熱殺菌を行うか、或いは、(2)茶由来の総ポリフェノール1重量部に対して、0.001〜0.15重量部のメチルメチオニンスルホニウム塩を含有させ、更に、茶飲料に対して、0.001〜0.1v/v%のエタノール、又は、0.001〜0.1v/v%のプロピレングリコールを添加して、該茶飲料を、UHT殺菌により、F値1〜20の条件で、加熱殺菌を行うことにより、保存時の劣化臭の増加を抑えつつ、優れた香味と旨味を持続させることを特徴とする容器詰茶飲料における飲料の香味及び旨味の増強方法。
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