〔実施例1〕
(1) 画像形成装置
本発明に係る画像形成装置について説明する。
図1は本実施例にて用いた画像形成装置Pを示したもので、記録材Sの搬送経路3と、略直線状に配列された4つの画像形成ステーション3Y、3M、3C、3Kと、を備えている。4つの画像形成ステーション3Y、3M、3C、3Kのうち、3Yはイエロー(以下Yと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Mはマゼンタ(以下Mと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Cはシアン(以下Cと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。
各画像形成ステーション3Y、3M、3C、3Kは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)4Y、4M、4C、4Kと、帯電手段としての帯電ローラ5Y、5M、5C、5Kを有している。また、各画像形成ステーション3Y、3M、3C、3Kは、露光手段としての露光装置6と、現像手段としての現像装置7Y、7M、7C、7Kと、クリーニング手段としてのクリーニング装置8Y、8M、8C、8Kを有している。ビデオコントローラ300は、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、画像形成動作が開始する。画像形成に際し、画像形成ステーション3Yでは感光体ドラム4Yが矢印方向に回転される。まず感光体ドラム4Yの外周面(表面)は帯電ローラ5Yにより一様に帯電され、その感光体ドラム4Y表面の帯電面に露光装置6により画像データに応じたレーザ光が照射されることによって露光され静電潜像が形成される。その潜像は現像装置7YによりYトナーを用いて顕像化されYトナー像となる。これにより、感光体ドラム4Y表面にYトナー像が形成される。画像形成ステーション3M、3C、3Kにおいても同様の画像形成プロセスが行なわれる。これにより、感光体ドラム4M表面にMトナー像が、感光体ドラム4C表面にCトナー像が、感光体ドラム4K表面にKトナー像が、それぞれ形成される。
画像形成ステーション3Y、3M、3C、3Kの配列方向に沿って設けられているエンドレスの中間転写ベルト9は、駆動ローラ9aと、従動ローラ9bと、従動ローラ9cとに張架されている。駆動ローラ9aは、図1中矢印方向に回転する。これにより、中間転写ベルト9は、各画像形成ステーション3Y、3M、3C、3Kに沿って100mm/secのスピードで回転移動される。この中間転写ベルト9の外周面(表面)には、中間転写ベルト9を挟んで感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kと対向配置されている一次転写手段10Y、10M、10C、10Kにより、各色のトナー像が順次重ね転写される。これによって、中間転写ベルト9表面に4色のフルカラートナー像が形成される。
一次転写後に感光体ドラム4Y、4M、4C、4K表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置8Y、8M、8C、8Kに設けられている不図示のクリーニングブレードにより除去される。これにより感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kは次の画像形成に備える。
一方、画像形成装置P下部に設けられた給送カセット11に積載収納されている記録材Sは、給送ローラ12によって給送カセット11から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対13に給送される。レジストローラ対13は、給送された記録材Sを、中間転写ベルト9と二次転写ローラ14との間の転写ニップ部に送り出す。二次転写ローラ14は、中間転写ベルト9を挟んで従動ローラ9bと対向するように配置される。二次転写ローラ14には、記録材Sが転写ニップ部を通過する際に不図示の高圧電源からバイアスが印加される。これにより転写ニップ部を通過する記録材Sに中間転写ベルト9表面からフルカラーのトナー像が二次転写される。以上説明した記録材にトナー像が形成するための構成を画像形成部とする。
トナー像を担持した記録材Sは定着装置F1に搬送される。その記録材Sは、定着装置F1を通過することにより加熱及び加圧され、そのトナー像が記録材S上に加熱定着される。そしてその記録材Sは、定着装置F1から画像形成装置(プリンタ)P外部の排出トレイ25へ排出される。
二次転写後に中間転写ベルト9表面に残った転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置26により除去される。これにより中間転写ベルト9は次の画像形成に備える。
レジストローラ対13近傍に設けられたトップセンサ40と、定着装置F1と排紙トレイ15の間に設けられた排紙センサ41によって、記録材Sの動きを検知できる。
連続したプリントにおいて、先行する記録材Sと、後に続く記録材Sの間隔(紙間)は、トップセンサ40を記録材Sが通過する間隔から推定できる。
また、記録材Sが定着装置F1へ到達するタイミング、排出されるタイミングは、トップセンサ40を記録材Sが通過したタイミングと、記録材Sの送り速度から推定できる。排紙センサ41によって、記録材Sが定着装置F1から排出トレイへ排出された事が確認できる。
(2) 定着装置F1(定着部)
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。長さとは長手方向の寸法である。幅とは短手方向の寸法である。
図2は本実施例に係る定着装置F1の概略構成を表す模式断面図である。図3は本実施例に係る定着装置F1に用いられるセラミックヒータ15の概略構成を表す模式断面図である。図4はセラミックヒータ15と通電制御系とを表す説明図である。 本実施例に示す定着装置F1は、外部加熱方式の定着装置である。定着装置F1は、定着回転体としての定着ローラ(ローラ部材)30と、加熱手段としての加熱ユニット10と、バックアップ手段としての加圧ユニット50などを有している。定着ローラ30は長手方向に長い部材である。
定着ローラ30は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる丸軸状の芯金30Aを有している。そしてこの芯金30Aの外周面上にシリコーンゴムなどを主成分とする弾性層30Bが形成され、この弾性層30Bの外周面上にPTFE、PFA又はFEPなどを主成分とする離型層30Cが形成されている。この定着ローラ30は、芯金30Aの長手方向両端部が装置フレーム(不図示)の長手方向両側の側板(不図示)に軸受(不図示)を介して回転可能に支持されている。
加熱ユニット10は、加熱源としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)15と、加熱部材としての筒状の加熱フィルム(エンドレスフィルム)16と、第1の支持部材としての加熱フィルムガイド19などを有している。加熱フィルムガイド19は、所定の耐熱性材料を用いて横断面略凹字形状に形成されている。そして、加熱フィルムガイド19の長手方向の両端部が装置フレームの長手方向両側の側板に支持されている。ヒータ15は加熱フィルムガイド19の長手方向に沿って加熱フィルムガイド19の平坦面に設けられた溝に支持され、ヒータ15を支持させた加熱フィルムガイド19に加熱フィルム16をルーズに外嵌させている。ヒータ15と、加熱フィルム16と、加熱フィルムガイド19は、何れも長手方向に長い部材である。
ヒータ15は、アルミナ、窒化アルミ等のセラミックを主成分とする薄板状のヒータ基板15Aを有している。このヒータ基板15Aの加熱フィルム16側の基板面には、銀、パラジウム等を主成分とした発熱抵抗体15Bがヒータ基板15Aの長手方向に沿って設けられている。またこの基板面には、ガラス又はフッ素樹脂、ポリイミド等の耐熱樹脂を主成分とする保護層15Cが発熱抵抗体15Bを覆うように設けられている。
加熱フィルム16は、加熱フィルム16の内周長が加熱フィルムガイド19の外周長より所定長長くなるように形成され、加熱フィルムガイド19に無張力にてルーズに外嵌されている。加熱フィルム16の層構成として、ポリイミドを主成分とする無端帯状のフィルム基層の外周面を、PFAを主成分とする無端帯状の表面層により被覆するという二層構造が採用されている。
この加熱ユニット10は定着ローラ30の図3における上方で定着ローラ30と並列に配置されている。加熱フィルムガイド19の長手方向の両端部は、加圧バネ(不図示)によって定着ローラ30の母線方向と直交する方向へ付勢される。そして、ヒータ15の保護層15Cと加熱フィルムガイド19の外表面で加熱フィルム16を定着ローラ30の外周面(表面)に加圧状態に接触(当接)させている。これにより定着ローラ30の弾性層30Bがヒータ15の保護層15Cの外表面と対応する位置で潰れて弾性変形し、定着ローラ30表面と加熱フィルム16の外周面(表面)とで所定幅の加熱ニップ部(圧接部)N2が形成される。従って定着ローラ30は加熱フィルムガイド19およびヒータ15と共に加熱フィルム16を挟んで加熱ニップ部N2を形成する。
加圧ユニット50(バックアップ部材)は、加圧回転体としての筒状の加圧フィルム(エンドレスフィルム)51と、第2の支持部材としての加圧フィルムガイド52などを有している。加圧フィルムガイド52は、所定の耐熱性材料を用いて横断面略凹字形状に形成されている。そして加圧フィルムガイド52の長手方向両端部が装置フレームの長手方向両側の側板に支持されている。そしてこの加圧フィルムガイド52に加圧フィルム51をルーズに外嵌させている。加圧フィルム51と、加圧フィルムガイド52は、何れも長手方向に長い部材である。
加圧フィルム51は、加圧フィルム51の内周長が加圧フィルムガイド52の外周長よりも長くなるように形成され、加圧フィルムガイド52に無張力にてルーズに外嵌されている。加圧フィルム51の層構成として、ポリイミドを主成分とする無端帯状のフィルム基層の外周面を、PFAを主成分とする無端帯状の表面層により被覆するという二層構造が採用されている。
この加圧ユニット50は定着ローラ30の図3における下方で定着ローラ30と並列に配置されている。そして加圧フィルムガイド52の長手方向両端部を加圧バネ(不図示)によって定着ローラ30の母線方向と直交する方向へ付勢して、加圧フィルムガイド52の平坦面52Aで加圧フィルム51を定着ローラ30表面に加圧状態に接触(当接)させている。これにより定着ローラ30の弾性層30Bが加圧フィルムガイド52の平坦面52Aと対応する位置で潰れて弾性変形し、定着ローラ30表面と加圧フィルム51の外周面(表面)とで所定幅の定着ニップ部N1が形成される。従って定着ローラ30は加圧フィルム51と共に定着ニップ部N1を形成する。加圧ユニット50は、定着ローラ30の回転方向において定着ローラ30のうち加熱ユニット10と異なる位置に接触しニップ部N1を形成する。
図2及び図4を参照して、定着装置F1の加熱定着動作を説明する。制御手段31は、プリント指令に応じて実行される画像形成シーケンスに従い駆動源としての駆動モータ(不図示)を回転駆動する。この駆動モータの出力軸の回転は所定のギア列(不図示)を介して定着ローラ30の芯金30Aに伝達される。これにより定着ローラ30は矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転する。定着ローラ30の回転駆動は定着ニップ部N1において定着ローラ30表面と加圧フィルム51表面との間に生じる摩擦力によって加圧フィルム51に伝わる。これにより加圧フィルム51は加圧フィルム51の内周面(内面)が加圧フィルムホルダ52の平坦面52Aと接触しながら定着ローラ30の回転に追従して矢印方向へ回転する。また定着ローラ30の回転駆動は加熱ニップ部N2において定着ローラ30表面と加熱フィルム16表面との間に働く摩擦力によって加熱フィルム16に伝わる。これにより加熱フィルム16は加熱フィルム16の内周面(内面)がヒータ15の保護層15Cの外表面と接触しながら定着ローラ30の回転に追従して矢印方向へ回転する。
またCPU23(制御部)は、画像形成シーケンスに従ってトライアック20をオンする。トライアック20はAC電源21から印加される電力を制御しヒータ15の発熱抵抗体15Bへの通電(電力供給)を開始する。この通電により発熱抵抗体15Bが発熱してヒータ15は急速に昇温し加熱フィルム16を加熱する。ヒータ15の温度はヒータ基板15Aの加熱フィルムガイド19側の基板面に設けられた温度検知部材(温度検知部)としてのサーミスタ18により検知される。CPU23は、サーミスタ18からの出力信号(温度検知信号)をA/D変換回路22を介して取り込み、この出力信号に基づいてヒータ15を所定の定着温度(目標温度)に維持するようにトライアック20を制御する。これによりヒータ15はサーミスタ18の検知温度が目標温度になるように温調(制御)される。
回転動作している定着ローラ30表面は加熱ニップ部N2でヒータ15により加熱フィルム16を介して加熱される。これにより定着ローラ30表面には記録材Sが担持する未定着のトナー像Tを定着ニップ部N1で加熱定着するために必要十分な熱量が与えられる。駆動モータを回転駆動し、かつヒータ15を温調している状態において、未定着のトナー像Tを担持した記録材Sがトナー像担持面を上向きにして定着ニップ部N1に導入される。この記録材Sは定着ニップ部N1で定着ローラ30表面と加圧フィルム51表面とにより挟持されその状態に搬送(挟持搬送)される。この搬送過程においてトナー像Tが定着ローラ30表面で加熱されて溶融すると共にこの溶融したトナー像Tに定着ニップ部N1によるニップ圧が印加され、これによりトナー像Tは記録材Sの面上に加熱定着される。
(トナーコンタミネーション問題)
上述の加熱定着動作において、定着ニップ部N1にて、記録材S上のトナー像Tを加熱定着する際に、記録材S上のトナーの一部が定着ローラ30外周面(表面)に転移するオフセットという現象が発生する。定着ローラ30表面に付着したオフセットトナーは定着ローラ30の回転に伴い加熱ニップN2部で加熱フィルム16表面に接触し、加熱フィルム16表面にも付着する。また、記録材Sに含まれる紙繊維や、炭酸カルシウム、タルクなどの無機物からなる填料(充填剤)などの紙粉が脱落して定着ローラ30表面に付着し、加熱フィルム16表面にも転移する。加熱フィルム16上のトナーと紙粉は混ざって、加熱フィルム16表面上に蓄積する(図5参照)。この加熱フィルム16表面に付着、蓄積したトナーを、以後、コンタミネーショントナーTcと呼ぶ。
コンタミネーショントナーTcは加熱フィルム16表面の非粘着性を低下させ、トナーや紙紛を集めてさらに成長する。加熱フィルム16表面に蓄積したコンタミネーショントナーTcは、条件によっては定着ローラ30表面へ移り、記録材Sへ転移して画像不良を発生させる。
(実験1)
本実施例にて説明した画像形成装置Pおよび定着装置F1で実験を行い、加熱フィルム16上に蓄積したコンタミネーショントナーTcが、記録材S上に吐き出される条件を確認した。実験に用いた画像形成装置のプロセススピードは100mm/sで、先行する記録材Sと次の記録材Sの間隔(紙間)は30mmである。定着装置F1は、本実施例にて用いた定着装置F1で、ヒータ15の温調温度は200℃である。
実験は以下の手順で行った。
(実験手順(1))
画像形成装置および定着装置F1で、250枚の連続プリントを行う。
(実験手順(2))
連続プリントが終了し、最後の記録材Sが定着ニップを排出されて排紙センサが検知後に、ヒータ15を所定の目標温度に維持するように制御しながら、定着装置F1を回転駆動し、定着ローラ30と、加熱フィルム16と、加圧フィルム51と、を回転させる。定着装置F1を、記録材Sを定着ニップで挟持搬送していない状態で回転させる事を以後、空回転と呼称する。後述するメカニズムにより、加熱フィルム16に付着したトナーが定着ローラ30へ転移し、加熱フィルム16上から除去される。5秒後、ヒータ15の通電を停止し、定着装置F1の回転駆動を停止する。
この、目標温度に加熱しながら、記録材Sを定着ニップで挟持搬送していない状態で回転させる加熱空回転動作を、以後クリーニングシーケンスと呼称する。
(実験手順(3))
加熱フィルム16上から除去されたコンタミネーショントナーTcを確認するために、画像形成部でトナーを載せない記録材Sを1枚プリントする。
(実験手順(4))
プリント後、記録材S上に吐き出されたコンタミネーショントナーTcの濃度を、濃度計(X−Rite社製 X−Rite504測定モードStatus−I)で測定する。
(実験手順(5))
手順(4)終了後、定着装置F1から加熱フィルム16を取り出し、加熱フィルム16表面上に残っているコンタミネーショントナーTcの量を測定する。コンタミネーショントナーTcの付着した加熱フィルム16表面にセロハン粘着テープ(ニチバンCT−18)を貼った後、コンタミネーショントナーTcを剥ぎ取る。セロハン粘着テープに付着したコンタミネーショントナーTcを、濃度計(X−Rite社製 X−Rite504測定モードStatus−I)で測定する。プリントした画像Tは、Yellowトナー(Yトナー)、Magentaトナー(Mトナー)、Cyanトナー(Cトナー)、Blackトナー(Kトナー)それぞれで、12ポイント文字を7行ずつ印字したテキストパターンである。印字率としては各色1%となる。上下左右5mmを余白とした。実験には、一般的なLBP印刷用紙、坪量80g/m2、A4(幅210mm縦297mm)サイズ紙を用いた。実験手順(2)のクリーニングシーケンス時の温調温度を振って実験を行った。温調温度(目標温度)は、プリント条件と同じ200℃と、それより高い210℃、220℃、230℃の条件で、実験を行った。実験手順(3)終了後、プリントされた記録材Sには、図6のようにトナーが付着していた。実験手順(4)では、記録材Sに付着したトナーを複数点測定し、濃度の最も濃い部分を測定する。
実験結果を図7、図8に示す。図7は実験手順(4)で測定した記録材S上の吐き出し量を示したグラフである。グラフの横軸はクリーニングシーケンスの温調温度、縦軸はクリーニングシーケンス後に記録材S上に付着したトナーの濃度である。実線は記録材Sの表側の濃度測定結果、点線は記録材Sの裏側の濃度測定結果である。クリーニングシーケンスの温調温度が高いほど、記録材S上に付着したトナー濃度は高くなった。特に記録材Sの裏側のトナー濃度が濃くなった。図8は、実験手順(5)で測定した加熱フィルム16上に付着していたトナーの濃度測定値を示したグラフである。グラフの横軸はクリーニングシーケンスの温調温度、縦軸は、クリーニングシーケンス後に残っていた加熱フィルム16上のトナー濃度である。クリーニングシーケンスの温調温度が高いほど、加熱フィルム16上に残っているトナー濃度は低くなった。
(実験2)
実験1と同様の画像形成装置Pおよび定着装置F1で、実験1の手順2で行ったクリーニングシーケンスの時間を変えて実験を行った。温調温度は230℃、加熱回転時間は、0秒(無し)、5秒、10秒の条件で、実験を行った。それ以外の実験手順は同様である。実験結果を図9と、図10に示す。図9は、実験手順2の手順(4)で測定した記録材S上に付着したトナーの濃度を示したグラフである。グラフの横軸はクリーニングシーケンスの加熱回転時間、縦軸は、クリーニングシーケンス後に記録材S上に付着したトナーの濃度である。実線は記録材Sの表側の濃度測定結果、点線は記録材Sの裏側の濃度測定結果である。図10は、実験2の手順(5)で測定した加熱フィルム16上に付着していたトナーの濃度測定値を示したグラフである。グラフの横軸はクリーニングシーケンスの加熱空回転時間、縦軸は、クリーニングシーケンス後に残っていた加熱フィルム16上のトナー濃度である。
クリーニングシーケンスの加熱回転時間が長いほど、記録材S上のトナー濃度は高くなった。また、加熱フィルム16上に残っているトナー濃度は低くなった。クリーニングシーケンスの後にプリントすることで記録材へトナーが付着する。記録材へ付着したトナーの濃度が高くなると、逆に加熱フィルム16へ付着していたトナーの濃度が減少している。
実験手順(1)の連続プリントによって、コンタミネーショントナーTcが加熱フィルム16上に蓄積する。実験手順(2)のクリーニングシーケンスによって、加熱フィルム16のコンタミネーショントナーTcが定着ローラ30や加圧フィルム51に転移する。そして、次回のプリント時に定着ローラ30や加圧フィルム51に転移したコンタミネーショントナーTcは記録材Sに転移し装置外に輩出される。クリーニングシーケンスの目標温調温度が高く、加熱回転時間が長いほど、加熱フィルム16からの排出量が大きくなっている事がわかる。
(メカニズム)
クリーニングシーケンスによって、加熱フィルム16表面上のコンタミネーショントナーTcが、定着ローラ30表面に転移し、更に加圧フィルム51表面へ転移するメカニズムを説明する。
樹脂を主成分とするトナーは、熱を与えると軟化して接触している部材に対して付着しやすくなるが、さらに温度を上げると溶融し、トナー同士の凝集力が低下して、接触している部材から剥がれやすくなる。加熱ニップN2において、加熱フィルム16に密着しているコンタミネーショントナーTcが剥離し、定着ローラ30へ転移するメカニズムを図11で説明する。
(1)加熱フィルム16表面に付着していたコンタミネーショントナーTcは、加熱フィルム16の回転に伴い、加熱ニップN2へ到達する。加熱ニップN2において、加熱フィルム16との定着ローラ30の両方に挟まれた状態で加熱フィルム16側から加熱される。
(2)加熱ニップN2において、加熱フィルム16によってコンタミネーショントナーTcが過剰な熱を加えられ、過度に溶融すると、界面で凝集破壊しやすくなり、コンタミネーショントナーTcが加熱フィルム16から剥離しやすくなる。
(3)定着ローラ30とコンタミネーショントナーTcとの接触面においても、コンタミネーショントナーTcが加熱されると、軟化して定着ローラ30へ密着する。
(4)加熱フィルム16表面とコンタミネーショントナーTcとの界面では、定着ローラ30表面とコンタミネーショントナーとの界面に比べてコンタミネーショントナーTcが溶融し、凝集力も低くなる。界面でのトナーの凝集力の差によって、コンタミネーショントナーTcは温度が高い側から低い側へ転移する。加熱フィルム16表面の温度と、定着ローラ30表面の温度に温度差が大きいほど、転移しやすくなる。
(5)同様のメカニズムで、定着ローラ30上に転移したコンタミネーショントナーTcは、さらに温度の低い加圧フィルム51へ転移する。
(6)転移したコンタミネーショントナーTcは、定着ローラ30から記録材S表面へ、加圧フィルム51から記録材S裏面に転移し、汚れトナーとして定着される。
コンタミネーショントナーTcは、加熱フィルム16表面で加熱されるうちに、ワックス成分や低分子量分が揮発し、記録材S上のトナーTよりも溶けにくくなっていく。
クリーニングシーケンスで、通常プリント時よりも高い温度にする事で、また、長時間加熱する事で、加熱フィルム16上に蓄積したコンタミネーショントナーTcを溶融させる事ができる。トナー同士の凝集力を低下させ、通紙中に剥離しなかったコンタミネーショントナーTcを加熱フィルム16上から剥離しやすくする事ができる。
(実験3)
実験1と同様の画像形成装置Pおよび定着装置F1で、連続プリント終了後からクリーニングシーケンスを開始するまでの時間を変えて実験を行った。実験手順(2)において、連続プリントが終了し、最後の記録材Sが定着ニップを排出され、排紙センサが記録材Sの通過を検知してから、クリーニングシーケンスを開始するまでの待機時間を、1秒、180秒、600秒と変えて検討を行った。それ以外の実験手順は同様である。
実験結果を図12と、図13に示す。図12は、実験3の手順(4)で測定した記録材S上に付着していたトナーの濃度を示したグラフである。グラフの横軸はクリーニングシーケンスの加熱空回転時間、縦軸は、クリーニングシーケンス後に記録材S上に付着したトナーの濃度である。実線は記録材Sの表側の濃度測定結果、点線は記録材Sの裏側の濃度測定結果である。
図13は、実験1の手順(5)で測定した加熱フィルム16上に残っているコンタミネーショントナーTcの量を示したグラフである。加熱フィルム16上に付着していたトナーの濃度測定値を示したグラフである。グラフの横軸はクリーニングシーケンスの加熱空回転時間、縦軸は、クリーニングシーケンス後に残っていた加熱フィルム16上のトナー濃度である。図12、図13に示すように、加熱フィルム16から記録材Sへ吐き出されたコンタミネーショントナーTcの量は、クリーニングシーケンスを開始するまでの待機時間によって変化した。待機時間1秒が最も多い結果となった。
次に、連続プリント終了後からクリーニングシーケンスを開始するまでの時間によって、加熱フィルム16上のトナーの吐き出し量が変わった理由を考察する。そのために、連続プリント中と、連続プリント後にクリーニングシーケンスを開始するまでと、クリーニングシーケンス中の、加熱フィルム16表面温度と定着ローラ30表面温度、加圧フィルム51の表面温度を測定した。それぞれの実験結果について考察する。
待機時間1秒で、クリーニングシーケンスを開始した場合について、図14で説明する。図14は、連続プリント1秒後に加熱動作を開始した場合の温度推移を示しており、実線は加熱フィルム16表面温度、破線は定着ローラ30表面温度、点線は加圧フィルム51表面温度である。縦軸は各部材の温度、横軸は時間を示しており、プリント終了時を0としている。連続プリント中は、定着ニップN2にて記録材Sの加熱定着動作中は、定着ローラ30表面から記録材Sに熱を与えているため、定着ローラ30表面の温度が下がっている。加熱フィルム16表面から定着ローラ30表面の温度差が大きい状態から、クリーニングシーケンスが開始される。よって、クリーニングシーケンス中の加熱フィルム16表面と定着ローラ30表面の温度差も大きくなる。加熱フィルム16表面の温度は高い状態から、クリーニングシーケンスが開始されるため、加熱フィルム16表面は短時間で目標温度まで到達し、コンタミネーショントナーTcを溶融させる事ができる。
待機時間180秒で、クリーニングシーケンスを開始した場合について、図15で説明する。図15は、連続プリント180秒後に加熱動作を開始した場合の温度推移を示しており、実線は加熱フィルム16表面温度、破線は定着ローラ30表面温度、点線は加圧フィルム51表面温度である。縦軸は各部材の温度、横軸は時間を示しており、プリント終了時を0としている。プリント終了後は、放熱によって各部材の温度は低下していく。加熱フィルム16表面から定着ローラ30表面に熱が伝わっていき、加熱フィルム16表面から定着ローラ30表面の温度差は徐々に小さくなっていく。
加熱フィルム16表面から定着ローラ30表面の温度差が、プリント直後に比べて小さい状態からクリーニングシーケンスが開始される。加熱動作中の加熱フィルム16表面から定着ローラ30表面の温度差は大きくない。加熱フィルム16表面が目標温度に達するまでも時間がかかる。よって、加熱フィルム16から定着ローラ30へのコンタミネーショントナーTcの転移は、待機時間1秒に比べて少なかった。
待機時間600秒で、クリーニングシーケンスを開始した場合について説明する。クリーニングシーケンス開始時、加熱フィルム16表面と定着ローラ30表面の温度差は待機時間180秒の場合よりも大きいものの、加熱フィルム16表面が目標温度に達するまで時間を要する。その結果、加熱フィルム16から定着ローラ30へのコンタミネーショントナーTcの転移は、待機時間1秒に比べて少なかった。
以上説明したように、クリーニングシーケンスの温度、タイミングを変える事で、加熱フィルム16上に蓄積したコンタミネーショントナーTcを、加熱フィルム16上から排出する量を制御する事ができる。かつ、温度は高い方が効果的であり、タイミングは加熱フィルム表面と定着ローラ表面の温度差が大きくなる記録材Sの排出直後がより効果的である。記録材Sの排出直後というタイミングは、プリントジョブの最後の紙が排出された後以外には連続プリント中の毎回の紙間が考えられる。ここで言う紙間は、複数の記録材を連続的に定着処理する場合において先行する記録材と後続する記録材とのインターバルになる期間(第1の期間)のことである。紙間に対して定着ニップ部N2で記録材を搬送している期間を第2の期間とする。図16は連続プリント中の紙間を含む温度推移を示しており、実線は加熱フィルム16表面温度、破線は定着ローラ30表面温度、点線は加圧フィルム51表面温度である。縦軸は各部材の温度、横軸は時間を示している。紙間の前の記録材S(先行紙)が定着ニップN2を通過することによって定着ローラ30表面の温度は下がり、加熱フィルム16表面の温度との差は大きくなっている。このタイミングでクリーニングシーケンスを実施することによって、次のようなメリットがある。それは、コンタミネーショントナーTcの定着ローラ30への転移を促進させ、連続プリントの毎ページ毎にクリーニングすることができるので、少量ずつコンタミネーショントナーTcを排出することができる。本実施例では連続プリント中において定着ニップ部N2が紙間となる期間においてクリーニングシーケンスを実施する。
(クリーニングシーケンス動作タイミング)
前述したように外部加熱定着方式の定着器では定着ローラ30を加熱するための加熱ニップN2と記録材S上の未定着トナーを定着させるための定着ニップN1が存在する。紙間で定着ローラ30から加圧フィルム51へコンタミネーショントナーTcを転移させるためには、次のようにする。定着ニップN1が紙間になるタイミングに合うように加熱ニップN2での加熱フィルム16から定着ローラ30へのコンタミネーショントナーTcの転移を行う。つまり、コンタミネーショントナーTcを加熱フィルム16から定着ローラ30へ転移させるための温調温度切り替えタイミングは実際の定着ニップN1における紙間タイミングよりも早いタイミングにする必要がある。
図17は紙間にクリーニングシーケンスを実施する場合のタイミングチャートである。
(1) 先行する記録材Sの後端がトップセンサ40に到達する(センサOFF)
(2) トップセンサ40がOFFになった後、所定時間後に温調温度を通紙時の温調温度からクリーニング用の温調温度に切り替える
(3) 更に所定時間後に温調温度をクリーニング用の温調温度から通紙時の温調温度に切り替える
本実施例における加熱ニップN2は回転方向で定着ニップN1と180度ずれた位置に配置されている。よって、加熱ニップN2で定着ローラ30に転移したコンタミネーショントナーTcは定着ローラ30の約半周分の時間が経過したのちに定着ニップN1に到達する。本実施例で用いた画像形成装置Pではプロセススピードは100mm/sで、先行する記録材Sと次の記録材Sの間隔(紙間)は30mmである。トップセンサ40から定着ニップN1までの距離は100mmであり、先行する記録材Sの後端がトップセンサ40で検知されてから1000msec後に、定着ニップN1を抜け、紙間に突入する。ローラ外周が54mm(540msec)であることから、トップセンサ40がOFFになった後、1000msec−(540msec/2)=730msec後に通紙時の温調からクリーニング用の温調温度に切り替える。また、後続する記録材S先端の画像にクリーニング用に高く設定した温調温度の影響が出ないように、本実施例における紙間30mm(300msec)後に再度、通紙時の温調温度に切り替わり、後続する記録材Sの定着処理のための制御に入る。クリーニング用の温度で温調する時間は紙間時間よりも短くすることは可能であるが、時間は長い方がコンタミネーショントナーTc排出の効果が大きいため本実施例では紙間時間の全てをクリーニング用温度で温調する。
(クリーニング用の温調温度)
クリーニング用の温調温度は高い方がコンタミネーショントナーTcの排出効果が大きくなる。したがって、温度は可能な限り高く設定した方が良いが、高くし過ぎると画像形成装置内の温度の過度な上昇や急峻な温調温度変化による制御のばたつきが発生し定着性が悪化することがある。
本実施例においては画像形成装置内の部品の耐熱性、定着性確保の観点からクリーニングシーケンス時の温調温度を通紙時温調温度200℃よりも10℃高い210℃に設定した。
(実験4)
本実施例における画像形成装置でクリーニングシーケンスによる加熱フィルム16のコンタミネーショントナーTc蓄積抑止効果を確認した。本実施例としての画像形成装置として、紙間タイミングでクリーニングシーケンスを210℃温調で実施する画像形成装置Aを用意し、比較例としての画像形成装置としてクリーニングシーケンスを実施しない画像形成装置Bとを用意した。
また、画像形成装置A、Bともにプロセススピードは100mm/sで、先行する記録材Sと後続の記録材Sの間隔(紙間)は30mmである。定着装置F1でのヒータ15による通紙時温調温度は200℃である。
気温15℃、湿度15%の環境下において、画像形成装置画像形成装置A、Bを用いて連続で合計10000枚プリントする実験を行い、画像不良発生の有無の確認、加熱フィルム16の外観観察を実施した。
プリントした画像Tは、Yellowトナー、Magentaトナー、Cyanトナー、Blackトナーそれぞれで、12ポイント文字を20行ずつ印字したテキストパターンであり、印字率としては各色1%となる。実験結果を表1に示す。
本実施例における画像形成装置であり、クリーニングシーケンスを行った画像形成装置Aでは、10000枚プリントを行っても画像不良は発生せず、加熱フィルム16表面にもコンタミネーショントナーTcは付着しなかった。
一方、比較例としてのクリーニングシーケンスを行わなかった画像形成装置Bでは、8000枚プリントしたところで、プリントされた記録材Sの定着トナー像に定着不良がみられるようになった。定着装置内部を観察したところ、加熱フィルム16表面にコンタミネーショントナーTcが付着していた。
以上述べたように、本実施例によると、加熱フィルムにおけるコンタミネーショントナーTcの蓄積を抑制ことができる。
本実施例では、定着装置F1の一例として、加熱フィルム16内部に、加熱源としてのセラミックヒータ15を内蔵した外部加熱部材構成で説明した。
外部加熱部材としては、ハロゲンヒータなどの加熱源を内蔵した薄肉の熱ローラでも良く、外部加熱部材内部、または外部の誘導加熱装置によって外部加熱部材表面が発熱する構成であってもよい。また、加圧部材として加圧フィルム51を用いた加圧フィルム構成で説明したが、芯金外側にゴム層を設けた加圧ローラ構成であってもよい。
〔実施例2〕
本発明が適用される画像形成装置の基本構成は、実施例1のものと同じであるため、実施例1のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例における画像形成装置は、プリントする画像に応じてクリーニングシーケンスの温度を変更する。クリーニング用の温調温度は高い方がコンタミネーショントナーTcの排出効果が大きくなる。しかしながら、温調温度が高すぎると画像形成装置内の温度が過度に上昇したり、紙間での電力投入によりエネルギーが多く消費される。
ところで、プリントする画像においては、加熱定着動作においてオフセットが発生しやすいパターンとそうでないものがある。したがって、コンタミネーショントナーTcが蓄積しやすい画像の場合にはクリーニングシーケンスの目標温度を高く設定することでコンタミネーショントナーTcの蓄積を抑制し、オフセットし難い画像の場合は紙間での目標温度をアップさせることを抑える。これによって、画像易姓装置内の昇温やエネルギーの消費量の増大を抑制できる。
(実験5)
本実施例にて用いた画像形成装置で実験を行い、記録材S上の未定着トナー画像の画像濃度を変えて、オフセットのし易さを確認した。実験に用いた画像形成装置のプロセススピードは100mm/sで、先行する記録材Sと次の記録材Sの間隔(紙間)は30mmである。定着装置は、本実施例にて用いた加熱定着装置で、ヒータ15の温調温度は200℃である。実験には、一般的なLBP印刷用紙、坪量80g/m2、A4(幅210mm縦297mm)サイズ紙を用いた。図18のように、用紙の先端より10mm〜70mmに未定着トナー画像tを形成した。未定着トナー画像で定着ローラ30に付着したオフセットトナーToffは、定着ローラ30の外周長57mm下流側の67mm〜127mmの領域X1に再付着する。用紙の先端より67mm〜127mmの領域X1にオフセットした画像の濃度を濃度計(X−Rite社製 X−Rite504 測定モードStatus−I)で測定する。また、画像が形成されていない記録材Sの濃度も測定し、それらの濃度差を、オフセットトナー濃度とした。
未定着トナー画像TはYellowトナー(Yトナー)、Magentaトナー(Mトナー)、Cianトナー(Cトナー)の3色のトナーで、合わせて12〜240%の画像濃度となるように形成した。
実験結果を図19に示す。横軸は、未定着画像tの画像濃度で、縦軸はオフセットした画像の濃度である。画像濃度が20%から80%(所定の濃度レンジ)の中間調領域で、オフセットの発生量が多かった。中間調領域画像ではトナーの密度が低く、トナー同士の結びつきが希薄なため記録材Sから定着ローラへのオフセットが多くなっていると考えられる。
したがって、画像の濃度が所定の濃度レンジ内である中間調領域でクリーニングシーケンスの目標温度を高く設定し、画像の濃度が所定の濃度レンジ外の場合は紙間での温度変化を少なく設定する。これによってヒータの制御の安定化を図り、後続の記録材Sの画像への影響を低減する。
(画像処理手段)
画像処理手段としてのビデオコントローラ300について、図20に示す図を用いて説明する。ビデオコントローラ300は、CPUバス301を介して相互に接続されたホストインタフェース部302、画像形成装置インタフェース部303、ROM304、RAM305、及びCPU306等の各デバイスを備えている。CPUバス301は、アドレス、データ、コントロールバスを含む。
ホストインタフェース部302は、ネットワークを介してホストコンピュータ等のデータ送信装置と双方向に通信接続する機能を有する。画像形成装置インタフェース部303は、画像形成装置Pと双方向に通信接続する機能を有する。
ROM304は、後述する画像データ処理や、その他の処理を実行するための制御プログラムコードを保持する。RAM305は、画像形成装置インタフェース部303で受信した画像データをレンダリングした結果のビットマップデータや画像濃度情報を保持したり、一時的なバッファエリアや各種処理ステータスを保持したりするためのメモリである。CPU306は、ROM304に保持された制御プログラムコードに基づいて、CPUバス301に接続された各デバイスを制御する。
(画像データ処理と画像濃度情報の検出)
画像データ処理について説明する。図21に画像データ処理フローを示す。ホストコンピュータからは画像情報として画像データとともに、紙サイズ、動作モード等のコマンドが送られてくる(処理S10)。画像データがカラー画像に関するものである場合には、RGB(レッド、グリーン、ブルー)データによる色情報の形式となっており、それぞれの色情報が本装置で再現可能なデバイスRGBデータに割り付けられ変換される(処理S11)。続いて画像データの色情報は、デバイスRGBデータからデバイスYMCK(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)データに変換される(処理S12)。本YMCKデータは、各色画像形成ステーションのレーザが全点灯した場合に転写材上に得られるトナー量に対する、トナー量の比を表すものと定義され、0%〜100%の幅を持つ。データ値0%とは、レーザが全消灯され、トナー量が0となる場合である。
ここでは、YMCKデータに対して、各色の露光量と実際に使用されるトナー量との関係を示す階調テーブルを用いて、YMCK各色の露光量が算出される。画像濃度はYMCKデータから計算され、たとえば、あるピクセルにおける画像データが、Y=50%、M=70%、C=20%、K=0%である場合には、画像濃度は140%(=50+70+20+0)となる。その後、各ピクセルに対して、各色の露光量を実際に用いる露光パターンに変換し(処理S14)、露光出力となる(処理S15)。
次に、本実施例におけるクリーニングシーケンスの決定方法について詳しく説明する。
図22は、画像形成装置が画像情報を検知し、クリーニングシーケンスの温度設定を決定するフローチャートである。ビデオコントローラ300は、画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、先行する記録材S上への画像形成動作を開始する(S21)。これと同時に、取得部は、記録材S上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し(S22)、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知する(S23)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがない場合は、その直後の後続する記録材Sとの紙間は、通紙時の温調温度から5℃アップさせた205℃に設定する(S24)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある場合は10℃アップさせた210℃に設定する(S25)。そして、定着ニップにおける紙間にコンタミネーショントナー到達が合うタイミングで温調温度の切り替えを実行する(S26)。後続する記録材Sがジョブの最後の紙であるかどうかの判断をする(S27)。最後の紙である場合、クリーニングシーケンスを終了し(S28)、更に後続の記録材がある場合、再度、画像濃度情報を取得し(S23)、後続の記録材Sの画像形成を開始する。そして、同時にS上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知し、次の温調温度を決定する。
(実験6)
本実施例における画像形成装置で、クリーニングシーケンスによる画像不良の発生の有無と、クリーニングシーケンスの効果を確認した。本実施例としての画像形成装置として、プリントする画像濃度に応じてクリーニングシーケンスの温度を変更する画像形成装置Cを用意した。本実施例に対する比較例として、実施例1と同様に画像濃度に依らず常にクリーニング用の温調温度を210℃に設定した画像形成装置Dとクリーニングシーケンスを実施しない画像形成装置Eを用意した。また、画像形成装置C〜Eは実験1で用いたものと同一で、プロセススピードは100mm/sで、先行する記録材Sと後続の記録材Sの間隔(紙間)は30mmである。定着装置F1でのヒータ15による通紙時の温調温度は200℃である。気温15℃、湿度15%の環境下において、画像形成装置C、DおよびEを用いて連続で合計500枚プリントする実験を行った。プリントした画像Tは、実験5で使用したYellowトナー、Magentaトナー、Cyanトナー、Blackトナーそれぞれで、12ポイント文字を20行ずつ印字したテキストパターンを用いた。更に、本実施例では、Blackトナーで形成された60%の画像濃度の全面ハーフトーン(HT)パターンも使用した。このテキストパターンと全面HTパターン交互にプリントした場合の、例えば8ページ目までのクリーニング用の紙間温調温度と画像不良の有無、加熱フィルム16の外観確認結果を表2に示す。
本実施例の画像形成装置Cと、画像形成装置Dと、は500枚連続プリントを行っても、加熱フィルム16表面にコンタミネーショントナーTcは付着しなかった。
一方、比較例の画像形成装置Eでは、300枚プリントしたところで、プリントされた記録材Sの定着トナー像に、定着不良がみられるようになった。定着装置内部を観察したところ、加熱フィルム16表面にコンタミネーショントナーが付着していた。
以上述べたように本実施例によると、画像形成装置内の過度な昇温や必要以上のエネルギー消費を抑制しつつ加熱フィルムのコンタミネーショントナーTc蓄積を抑制することができる。
〔実施例3〕
本発明が適用される画像形成装置の基本構成は、実施例1と実施例2のものと同じであるため、実施例1と実施例2のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。本実施例における画像形成装置は、プリントする画像に応じて紙間時間を変化させる。クリーニングにおける加熱の時間は長いほどコンタミネーショントナーTcの排出に効果的である。そこで、中間調画像が形成された場合は、紙間を広げて、コンタミネーショントナーTcが、加熱フィルム上に溜まりにくくし、中間調以外の画像が形成された場合は、紙間を狭く、速いスループットを維持できるようにする。
紙間延長の決定方法について詳しく説明する。図23は、画像形成装置が画像情報を検知し、紙間延長を決定するフローチャートである。画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、先行する記録材S上への画像形成動作を開始する(S31)。
同時に、取得部(CPU)は記録材S上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し(S32)、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知する(S33)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがない場合は、後続する記録材Sとの紙間は通常の紙間長さに設定する。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある場合は通常の紙間長さよりも長い紙間長さに設定し(S34、S35)、定着ニップでの紙間にクリーニングシーケンスを実行する(S36)。後続する記録材Sがジョブの最後の紙であるか否かの判断をする(S37)。それが最後の紙である場合にはクリーニングシーケンスを終了し(S38)、更に後続の記録材がある場合には、再度、画像濃度情報を取得して(S32)、後続の記録材Sの画像形成を開始する。そして、同時にS上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知し、次の紙間時間を決定する。
(実験7)
本実施例における画像形成装置で、クリーニングシーケンスによる画像不良の発生の有無と、クリーニングシーケンスの効果を確認した。本実施例の画像形成装置として、プリントする画像に応じてクリーニングシーケンスを実施する紙間の時間を延長する画像形成装置F、Gを用意した。先行する記録材に形成される画像濃度が20〜80%の範囲にある場合、画像形成装置Fでは紙間を450msecに延長し、画像形成装置Gでは紙間を600msecに延長する。また、本実施例に対する比較例としての画像形成装置として紙間時間を通常時間の300msecで固定する画像形成装置Hを用意した。気温15℃、湿度15%の環境下において、画像形成装置F、GおよびHを用いて連続で合計1000枚プリントする実験を行った。プリントした画像Tは、実験6で使用したテキストパターンと全面HTパターンであり、これらを交互にプリントした。
紙間時間600msecに延長した画像形成装置Gでは1000枚連続プリントを行っても画像不良は発生せず、加熱フィルム16表面にもコンタミネーショントナーTcは付着していなかった。紙間時間450msecに延長した画像形成装置Fでは1000枚連続プリントを行った結果、加熱フィルム16表面にはコンタミネーショントナーTcがわずかに付着していたものの画像不良は発生せず問題なかった。
一方、比較例として紙間を延長しなかった画像形成装置Hでは、750枚プリントしたところで、プリントされた記録材Sの定着トナー像に定着不良が見られるようになった。定着装置内部を観察したところ、加熱フィルム16表面にコンタミネーショントナーTcが付着していた。紙間を広げていくと加熱フィルム16へのコンタミネーショントナー蓄積を抑制できており、特に、紙間を加熱フィルム16や定着ローラ30の外周長よりも長くすると効果が大きくなった。紙間を加熱フィルム16と定着ローラ30のうち外径の大きい方の外周長よりも長く設定することによって、加熱フィルム16の一周分のコンタミネーショントナーTcを定着ローラ30に転移させることができる。更に、定着ローラ30に転移させたコンタミネーショントナーTcを更に加圧フィルム51へ転移させる事ができる。これによりコンタミネーショントナーTcを毎回の紙間で記録材Sの裏に排出しているので、連続プリント枚数が多くなっても定着フィルム上にコンタミネーショントナーTcは溜まり難くなる。
以上述べたように、本実施例によると、プリントした画像の濃度によらず、加熱フィルムのコンタミネーショントナーTc蓄積の抑制することが可能である。
〔実施例4〕
本発明が適用される画像形成装置の基本構成は、実施例1から実施例3のものと同じであるため、実施例1から実施例3のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
実施例3では、中間調画像(画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある画像)が形成された場合において、直後の紙間を広げる画像形成装置について説明した。本実施例では、プリント枚数が少ないジョブにおいても生産性(スループット)が低下しないように次のようにする。つまり、中間調画像の枚数をカウントし、カウント値(カウント数)が一定の値(所定枚数)に達した場合に、紙間時間(第1の期間)を延長して延長クリーニングシーケンスを実行するのである。
紙間延長の決定方法について詳しく説明する。図24は、画像形成装置が画像情報を検知し、紙間延長を決定するフローチャートである。画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、先行する記録材S上への画像形成動作を開始する(S2401)。同時に、取得部(CPU)が記録材S上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し(S2402)、カウント部(CPU)が画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知する(カウントする)(S2403)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある場合は、枚数カウンタYcに+1を加算する(S2404)。
枚数カウンタYcが閾値Yth以上の場合(S2405)、後続する記録材Sとの紙間時間を延長して紙間でのクリーニングシーケンスを実行し(S2406、S2408)、枚数カウンタYcを0にする(S2410)。閾値Ythは、紙間時間を延長するか否かを決定するものである。枚数カウンタYcが閾値Yth未満の場合(S2405)、後続する記録材Sとの紙間時間を通常のまま紙間でのクリーニングシーケンスを実行する(S2407、S2409)。後続する記録材Sがジョブの最後の紙であるかどうかの判断をする(S2411)。それが最後の紙である場合にはクリーニングシーケンスを終了し(S2412)、更に後続の記録材がある場合には、再度、濃度情報を取得し(S2402)、後続の記録材Sの画像形成を開始する。
尚、ジョブの最後の紙が定着ニップ部N2を抜けた後に、クリーニングを実施するのであれば、紙間でのクリーニング実行(S2409)の後に枚数カウンタYcを0にしてからシーケンスの終了(S2412)としても良い。
図25は、枚数カウンタYcが閾値Yth以上の場合における紙間時間をS1とした時のクリーニングシーケンスのタイミングチャートである。クリーニングシーケンスの開始タイミングは、記録材Sの後端が排紙センサ41を通過したことが検知されたタイミングである(C2501)。クリーニングシーケンスでは、通紙時の温調温度(T1)よりも高いクリーニング温調温度(T2)に変更されてクリーニングシーケンスが開始される。クリーニング温調温度(T2)に変更されてからS2が経過したら、後続する記録材S先端の画像にクリーニング用に高く設定した温調温度の影響が出ないように、通紙時温調温度(T1)よりも低い通紙前温調温度(T3)に変更される。通紙前の温調温度(T3)に変更されてからS3が経過したら、後続する記録材Sのために通紙時の温調温度(T1)に変更する。
枚数カウンタYcが閾値Yth未満の時は、中間調画像の直後に紙間時間を延長せずにクリーニングシーケンスを実行するため、加熱フィルムにコンタミネーショントナーTcが蓄積する可能性がある。そのため、閾値Yth、クリーニング温調時間S2、クリーニング温調温度T2は、枚数カウンタYcが閾値Ythに達するまでの間に加熱フィルムに蓄積したコンタミネーショントナーTcを記録材Sに排出できるような値に設定する必要がある。
以上述べたように、実施例4によると、生産性の維持と、加熱フィルムのコンタミネーショントナーTcの蓄積を抑制と、を両立することができる。
〔実施例5〕
本発明が適用される画像形成装置の基本的な構成は、実施例1から実施例4のものと同じであるため、実施例1から実施例4のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
これ以降、紙間を延長して実行するクリーニングシーケンスを延長クリーニングシーケンスと呼び、紙間を延長せずに実行するクリーニングシーケンスを通常クリーニングシーケンスと呼ぶ。ここで言う紙間を延長しない場合の紙間は、生産性(スループット)で決定される通常の紙間のことである。
ビデオコントローラ300は、画像情報を受信すると、図21で説明した画像データ処理を実施してから制御手段31にプリント信号を送信する。しかしながら、画像データが大きい場合などに画像データ処理に時間がかかることがある。画像データ処理に時間がかかると、制御手段31が決定した紙間時間で後続の画像形成を開始する事ができず、ビデオコントローラ300から制御手段31にプリント信号を送信したタイミングで後続の画像形成を開始する事ができる。
本実施例には、実施例4で説明した枚数カウンタYcの値が閾値Ythに満たない場合でも、次のようにしてクリーニングシーケンスを実行する。つまり、記録材の後端が排紙センサ41を通過してから後続の記録材の先端が定着装置F1に到達するまでの時間に応じて、延長クリーニングシーケンスの実行有無を判断するのである。以下、本実施例における延長クリーニングシーケンスの時間は5secとする。
画像形成装置Pにおいて、フルカラープリントの場合、感光体ドラム4Y表面の露光装置6によって露光される位置から排紙センサ41までの距離に相当する時間は5.5secとなる。つまり、フルカラープリントの場合、記録材Sの後端が排紙センサ41を通過するタイミングで紙間時間が5sec以上になるかならないかを判断することができる。
しかし、モノカラープリントの場合、感光体ドラム4K表面の露光装置6によって露光される位置から排紙センサ41までの距離に相当する時間は3.5secとなる。つまり、モノカラープリントの場合、記録材Sの後端が排紙センサ41を通過するタイミングで紙間時間が5sec以上になるかならないかを判断することができない。
図26は、紙間タイミングで実行するクリーニングシーケンスを決定するフローチャートである。画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、先行する記録材S上への画像形成動作を開始する(S2601)。同時に、記録材S上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し(S2602)、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知する(S2603)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある場合は、枚数カウンタYcに+1を加算する(S2604)。
枚数カウンタYcが閾値Yth以上の場合(S2605)、後続する記録材Sとの紙間時間を延長して(S2606)、紙間クリーニング開始タイミングになったら(S2608)、延長クリーニングシーケンスを実行する(S2612)。そして、枚数カウンタYcを0にする(S2613)。
枚数カウンタYcが閾値Yth未満の場合(S2605)、後続する記録材Sとの紙間時間を通常のままとし(S2607)、紙間クリーニング開始タイミングになったら(S2609)、フルカラープリントか確認する(S2610)。フルカラープリントの場合、後続の画像形成を開始していないか確認し(S2610)、後続の画像形成を開始していない場合は、延長クリーニングシーケンスを実行し(S2612)、枚数カウンタYcを0にする(S2613)。モノカラープリントの場合、もしくは、フルカラープリントの場合で後続の画像形成を開始している場合は、通常クリーニングシーケンスを実行する(S2614)。
後続する記録材Sがジョブの最後の紙であるかどうかの判断をする(S2615)。最後の紙である場合にはクリーニングシーケンスを終了し(S2616)、更に後続の記録材がある場合、再度、画像濃度情報を取得し(S2602)、後続の記録材Sの画像形成を開始する。
以上述べたように、本実施によると、生産性の低下を抑制しつつ延長クリーニングシーケンスを実行することができる。
尚、本実施例においては、画像形成が遅れる要因として、ビデオコントローラ300の画像データ処理を一例としたものの、これに限られるものではない。
〔実施例6〕
本発明が適用される画像形成装置の基本構成は、実施例1から実施例5のものと同じであるため、実施例1から実施例5のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
実施例5では、枚数カウンタYcの値が閾値Ythに満たない場合においても、次の場合にはクリーニングシーケンスを実行する。つまり、ビデオコントローラ300から受信した画像データ処理予告時間が、所定時間以上のとき、延長クリーニングシーケンスを実行するのである。尚、本実施例における延長クリーニングシーケンスの時間は、実施例5と同様に5secとする。
図27は、画像形成装置が画像データ処理予告時間を用いて3枚分の画像形成を実行する場合のタイミングチャートである。ビデオコントローラ300は、1枚目の画像情報を受信し、1枚目の画像データ処理に必要な時間Tp1を画像データ処理予告時間として制御手段31に通知し(C2701)、画像データ処理が完了したらプリント信号を送信する(C2702)。制御手段31は、プリント信号を受信したら画像形成を開始する(C2702)。ビデオコントローラ300は、2枚目の画像情報を受信し、2枚目の画像データ処理に必要な時間Tp2を画像データ処理予告時間として制御手段31に通知し(C2703)、画像データ処理が完了したらプリント信号を送信する(C2705)。制御手段31は、1枚目の画像形成が終了したら(C2704)、通常の紙間時間Tkが経過してから2枚目の画像形成を開始する(C2706)。2枚目のプリント信号を受信しているものの(C2705)、通常の紙間時間Tkが経過するまで画像形成を開始しない。ビデオコントローラ300は、3枚目の画像情報を受信し、3枚目の画像データ処理に必要な時間Tp3を画像データ処理予告時間として制御手段31に通知し(C2707)、画像データ処理が完了したらプリント信号を送信する(C2710)。制御手段31は、2枚目の画像形成が終了して(C2708)、通常の紙間時間Tkが経過したら(C2709)、画像データ処理予告時間に合わせて、3枚目の画像形成の準備を行う。そして、画像データ処理予告時間が経過して、ビデオコントローラ300からプリント信号を受信した後、3枚目の画像形成を開始する(C2710)。
以上のように、制御手段31は画像データ処理予告時間によって、画像形成を開始するタイミングを事前に知る事ができる。
図28は、紙間タイミングで実行するクリーニングシーケンスを決定するフローチャートである。画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、先行する記録材S上への画像形成動作を開始する(S2801)。同時に、記録材S上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し(S2802)、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知する(S2803)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある場合は、枚数カウンタYcに+1を加算する(S2804)。枚数カウンタYcが閾値Yth以上の場合(S2805)、後続する記録材Sとの紙間時間を延長する(S2806)。そして、紙間クリーニング開始タイミングになったら(S2808)、延長クリーニングシーケンスを実行し(S2812)、枚数カウンタYcを0にする(S2813)。
枚数カウンタYcが閾値Yth未満の場合(S2805)、後続する記録材Sとの紙間時間を通常のままとし(S2807)、紙間クリーニング開始タイミングになったら(S2809)、後続の画像データ処理予告時間が5sec以上か確認する(S2810)。後続の画像データ処理予告時間が5sec以上の場合、延長クリーニングシーケンスを実行し(S2812)、枚数カウンタYcを0にする(S2813)。後続の画像データ処理予告時間が5sec未満の場合、通常クリーニングシーケンスを実行する(S2811)。後続する記録材Sがジョブの最後の紙であるかどうかの判断をする(S2814)。それが最後の紙である場合、クリーニングシーケンスを終了し(S2815)、更に後続の記録材がある場合には、再度、画像濃度情報を取得し(S2802)、後続の記録材Sの画像形成を開始する。
以上述べたように、本実施例によると、生産性の低下を抑制しつつ延長クリーニングシーケンスを実行することができる。
〔実施例7〕
本発明が適用される画像形成装置の基本構成は、実施例1から実施例6のものと同じであるため、実施例1から実施例6のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像データ処理予告時間に応じて実行できるように複数の延長クリーニングシーケンスを有する画像形成装置について説明する。本実施例においては、延長クリーニング1〜3の3種類の延長クリーニングシーケンスを有する形態について説明する。表3に延長クリーニングシーケンス1〜3の詳細を示す。
延長クリーニングシーケンス1は、枚数カウンタYcが閾値Yth以上になった場合に実行するシーケンスである。延長クリーニングシーケンス2は、紙間時間、温調時間が延長クリーニングシーケンス1よりも短くなっており、排出できるコンタミネーショントナーTcの量も延長クリーニングシーケンス1よりも少なくなる。本実施例においては、枚数カウンタYcを半分の値にしている。延長クリーニングシーケンス3は、紙間時間、温調時間が延長クリーニングシーケンス2よりも短くなっており、クリーニング温調温度も低くなっている。本実施例においては、枚数カウンタYcから1だけ減算する。
図29は、紙間タイミングで実行するクリーニングシーケンスを決定するフローチャートである。画像情報を受信すると、制御手段31にプリント信号を送信し、先行する記録材S上への画像形成動作を開始する(S2901)。同時に、記録材S上に形成する画像の各ピクセル濃度情報を取得し(S2902)、画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがあるかどうかを検知する(S2903)。画像濃度が20〜80%の範囲にあるピクセルがある場合は、枚数カウンタYcに+1を加算する(S2904)。
枚数カウンタYcが閾値Yth以上の場合(S2905)、後続する記録材Sとの紙間時間を延長し(S2906)、紙間クリーニング開始タイミングで(S2908)、延長クリーニングシーケンス1を実行する(S2911)。その後、枚数カウンタYcを0にする(S2912)。
枚数カウンタYcが閾値Yth未満の場合(S2905)、後続する記録材Sとの紙間時間を通常の紙間に設定する(S2907)。そして、紙間クリーニング開始タイミングにおいて(S2909)、後続の画像データ処理予告時間を確認する(S2910、S2913、S2916)。後続の画像データ処理予告時間が5sec以上の場合、延長クリーニングシーケンス1を実行し(S2911)、枚数カウンタYcを0にする(S2912)。後続の画像データ処理予告時間が3sec以上5sec未満の場合、延長クリーニングシーケンス2を実行し(S2914)、枚数カウンタを半分にする(S2915)。後続の画像データ処理予告時間が1sec以上3sec未満の場合、延長クリーニングシーケンス3を実行し(S2917)、枚数カウンタから1引く(S2918)。後続の画像データ処理予告時間が1sec未満、もしくは、後続の画像データ処理予告時間を受信していない場合、通常のクリーニングシーケンスを実行する(S2919)。
そして、後続する記録材Sがジョブの最後の紙であるかどうかの判断をする(S2920)。最後の紙である場合にはクリーニングシーケンスを終了し(S2921)、更に後続の記録材がある場合、再度、画像濃度情報を取得し(S2902)、後続の記録材Sの画像形成を開始する。
以上述べたように、本実施例によると、生産性の低下を抑制しつつ延長クリーニングシーケンスを実行することができる。
尚、本実施例においては、画像形成装置が有する延長クリーニングシーケンスの数を3種類とし、温調時間、温調温度、枚数カウンタ計算を表3に示す値としたものの、定着装置F1の構成によって変わるものであり、これに限られるものではない。