JP6521806B2 - アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明に係るアルミニウム箔の製造方法において用いる電解について説明する。この電解は、電解液を入れた電解槽を用意し、電解液中にカソードとなるチタン製カソードドラムと、ドラムの曲面と一致する曲面を有するアノードとなるアルミニウム板を配置し、チタン製カソードドラムを回転させながら両電極間に直流電流を通電することにより、回転するチタン製カソードドラム表面にアルミニウムを電析させるものである。
本発明に係るアルミニウム箔の製造方法において用いる電解用カソードには、チタン製カソードドラムが用いられる。チタンは耐食性に優れるので、電析銅箔や電析アルミニウム箔の製造において、カソードドラムとして用いることができる。チタン製カソードドラムの表面の一部に高い山部や深い谷部が存在すると、アルミニウムの電析ではこの谷部に電析したアルミニウムが食い込む。そして、食い込んだ電析アルミニウムを剥離する際に大きな剥離抵抗が発生し、これによって電析アルミニウム箔が破損したり、切断したりする。
アルミニウムの標準電極電位が−1.662 V vs. SHEであることから理解されるように、通常はアルミニウムを水溶液から電析させることは不可能である。そのため、アルミニウムを電析させる電解液としては、アルミニウム塩との混合物としての溶融塩、或いは、アルミニウム塩を溶解した有機溶媒が用いられる。
アルミニウム箔表面の平滑性向上のために、例えば1、10−フェナントロリン等の有機化合物を電解液に添加してもよい。このような有機化合物は、チタン製カソードドラム上に電析するアルミニウム箔の表面形状を制御する作用を発揮するので、その結果、アルミニウム箔表面の平滑性が向上する。なお、電解液における有機化合物の濃度は、0.2〜2.0g/L(1.1〜11mmol/L)とするのが好ましい。
次に、電析条件について説明する。まず、電析温度、すなわち、電析における電解浴の温度は、10〜150℃の範囲内とするのが好ましい。電析温度が10℃未満の低温では電解浴の粘度及び抵抗が増大するため、最大電流密度が小さくなる。その結果、電析効率が低下し、アルミニウムの析出が不均一になり易いといった不具合が生ずる。一方、電解浴温度が150℃を超えると、塩化アルミニウムの揮発やEMI+カチオンの分解が顕著になり、電解液組成が不安定になる。更に、温度保持のためのエネルギーも増大し、電解槽の劣化も促進されるため生産効率が低下する。より好ましい電解浴の温度は、室温付近の25℃〜100℃の範囲内である。
上記のようにして、チタン製カソードドラム表面に電析させたアルミニウム箔は、剥離して回収用ドラムに巻き付け、連続的に回収される。回収方法としては、例えば、最初にカソードドラムを停止させた状態で所定の箔厚に成長させた後に電析を一旦中断し、カソードドラムを回転させ、露出したアルミニウム箔を剥離して回収用ドラムに貼り付け、積層させながら巻き取る方法や、剥離と同時に剥離片として回収する方法が挙げられる。なお、本発明によって得られるアルミニウム箔の厚さは、通常、1μm〜20μmの広範囲にわたるが、用途によってその厚さを適宜選択すればよい。例えば、リチウムイオン電池の正極集電体として用いる場合には、8〜12μmとするのが好ましい。
次に、チタン製カソードドラムの表面粗さRa及びRzを上記のように調整するために、本発明においては電解研磨が用いられる。ここで、電解研磨とは、研磨液中に浸漬した金属に電流を流した際に、金属表面の凸部と凹部とで溶解速度に差異が生じることを利用して金属表面を平滑化する技術である。
チタン棒を電解研磨することにより、種々の表面粗さ(Ra、Rz)を有するチタン製カソードドラムを作製した。具体的には、アノードとして、純度99.9%、直径10mmφ、長さ100mmのチタン棒を用い、カソードとして、幅100mm、長さ100mmのSUS316板を用い、電解液として、エチレングリコール150mLに10gのNaClを溶解した溶液を用いた。なお、カソードのSUS316板は、アノードのチタン棒の曲面とほぼ一定距離をもって離間するように配設した。
以下の手順に従って、上記電解研磨したチタン製カソードドラム表面にアルミニウム箔を電析により形成した。
レーザー顕微鏡により、チタン製カソードドラムの表面粗さ(Ra、Rz)を測定した。Ra及びRzはそれぞれ、JIS B 0601−1994で規定された算術平均粗さ及び十点平均粗さを表す。結果を表1に示す。
アルミニウム箔の特性として、剥離性、外観性及び均一性を以下のように評価した。
まず剥離性については、チタン製カソードドラム表面に電析したアルミニウム箔試料をアセトンと純水で洗浄し、手を触れずにドラムから剥離できたものを剥離性が合格(○)とし、剥離できなかったものを剥離性が不合格(×)とした。以下の評価においても、合格を○とし不合格を×とする。
以上のアルミニウム箔の特性についての評価結果を、表1に示す。
チタン棒を電解研磨してチタン製カソードドラムを得る際の電解研磨効率を、以下のようにして評価した。目標の表面粗さを達成するために、上述の低電圧電解の好ましい処理時間の上限60分を超える場合を電解研磨効率に劣る×とし、それ以外を○と判断した。結果を、表1に示す。
上記チタン製カソードドラムの表面粗さ、アルミニウム箔の特性及び電解研磨効率の各評価結果により、以下のようにして総合評価を判定した。剥離性、外観性、均一性及び電解研磨効率が全て○と判断される場合を総合評価○とし、それ以外を×と判断した。結果を、表1に示す。
2・・・ピンホール
Claims (3)
- 溶融塩を電解液として、回転するチタン製カソードドラム上にアルミニウム箔を電析させる工程と、電析させたアルミニウム箔を剥離回収する工程とを備え、前記チタン製カソードドラムが、0.10〜0.40μmの算術平均粗さ(Ra)及び0.20〜0.70μmの十点平均粗さ(Rz)の表面粗さを有することを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
- 前記チタン製カソードドラムの表面粗さが電解研磨により調整されている、請求項1に記載のアルミニウム箔の製造方法。
- 前記溶融塩が、アルキルイミダゾリウムクロリド又はアルキルピリジニウムクロリドと、塩化アルミニウムとを含有する、請求項1又は2に記載のアルミニウム箔の製造方法。
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