JP6521874B2 - フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠 - Google Patents
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Description
本明細書において「エタノール不溶性」とは、第十六改正日本薬局方の溶解性の項目に基づき、エタノールに対して溶けにくい、極めて溶けにくい、又はほとんど溶けない性状を意味する。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はHPMCとも称す)、ポリビニルアルコール(PVAとも称す)、ポリビニルアルコールとポリエチレングリコールのグラフトコポリマーであるコリコート(登録商標)IR等を用いることもできるが、これらに限定されるものではない。水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤を使用することにより、本発明に係るフィルムコーティング用組成物は、必要な錠剤硬度とフィルムコーティング層の短い溶解時間を両立させることができる。一方、水溶性であってもエタノール可溶性のフィルムコーティング基剤は、本発明に係るフィルムコーティング基剤には適さない。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に使用するフィルムコーティング基剤としては、ヒプロメロースが最も好ましい。
本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠の錠剤本体、すなわち、未被覆の口腔内崩壊錠は、特に限定されるものではなく、一般的な口腔内崩壊錠である。また、その製造方法も公知の技術を用いることができ、特に限定されない。
精製水などの溶媒にフィルムコーティング基剤及び可塑剤を溶解してフィルムコーティング用組成物を調製する。この時、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤及び着色剤の少なくとも1種の薬理学的に許容可能な添加剤をさらに添加してもよい。特に、賦形剤である糖類及び崩壊剤は、フィルムコーティング層に清涼感を付与し、服用時の水分を導入しやすくすることで速やかな溶解が可能となるため、本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加することが好ましい。
フェキソフェナジン塩酸塩3.8g、D−マンニトール(P、三菱商事フードテック)294.5g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC(21)、信越化学工業)45.0g、アスパルテーム(味の素)7.5g、粉末還元麦芽糖水飴(アマルティMR-50、三菱商事フードテック)1.4gを高速撹拌練合機(FLS-GS-2J、深江工業)に入れ混合後、精製水100gを投入し練合した。練合品を篩8号で篩過した後、棚式乾燥機(40C、日空工業)に入れ乾燥した。乾燥品を整粒機(P-04-S、ダルトン)に入れ整粒した。整粒品にクロスポビドン(CL-F、BASF)11.3g、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業)3.8g、香料0.4g、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)7.5gを混合し、打錠用混合品とした。打錠機(VELA5、菊水製作所)を用い、重量250mgおよび硬度6.0kgとなるよう打錠用混合品を打錠し未被覆の口腔内崩壊錠を得た。
実施例1として、フィルムコーティング基剤にヒプロメロース(HPMC)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。図1の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、賦形剤としてエリスリトール(日研化成)、崩壊剤としてクロスポビドン(CL-F、BASF)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)と微量の黄色三二酸化鉄及び青色2号Alレーキを溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例1のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例2として、フィルムコーティング基剤にポリビニルアルコール(PVA)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ポリビニルアルコール(EG-05、日本合成化学工業)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例3として、フィルムコーティング基剤にコリコート(登録商標)IRを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、コリコート(登録商標)IR(BASF)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例1として、フィルムコーティング基剤にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ヒドロキシプロピルセルロース(SSL、日本曹達)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例2として、フィルムコーティング基剤にポリビニルピロリドン(PVP)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ポリビニルピロリドン(K-30、第一工業製薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
未被覆の口腔内崩壊錠へのコーティング時の錠剤同士のペアリング(貼りつき)を目視で評価した。ペアリングを確認したものについては、コーティング工程としての適性に著しい問題があると考えられるため、コーティング性(製造性)は不可と判断した。
フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を用いた官能試験を実施し、(1)苦みの有無、および、(2)フィルムの溶解過程における口当たりを不快・やや不快・問題なしの3段階から評価を行った。
錠剤硬度計(DC-50、岡田精工)を用いて錠剤の硬度を測定した。
フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠および未被覆の口腔内崩壊錠を用いた官能試験を行い、それぞれの口腔内崩壊時間を測定した。フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠の口腔内崩壊時間と未被覆の口腔内崩壊錠の口腔内崩壊時間との差をフィルムの溶解時間として評価した。
次に、可塑剤の検討を行った。実施例4として可塑剤にマクロゴール1500を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、マクロゴール1500(ポリエチレングリコール#1500、ナカライテスク)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例5として可塑剤にプロピレングリコール(PG)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、プロピレングリコール(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例3として可塑剤にマクロゴール6000を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、マクロゴール6000(日油)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例4として可塑剤にトリアセチンを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、トリアセチン(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例5として可塑剤にクエン酸トリエチルを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、クエン酸トリエチル(森村商事)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例6として可塑剤にグリセリンを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、グリセリン(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例7として可塑剤にD−ソルビトールを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、D−ソルビトール(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
比較例8として可塑剤にD−ソルビトールを用い、ヒプロメロースに対してD−ソルビトールが1:3の割合になるように、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、D−ソルビトール(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
次に、フィルムコーティング基剤に対する可塑剤の割合について、さらに検討した。フィルムコーティング基剤としてヒプロメロースを用い、可塑剤としてマクロゴール400又はプロピレングリコール、さらに、それらにグリセリンを組合せたものについて検討した。実施例6として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例7として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例8として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例9として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例10として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例11として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例12として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)を添加し、賦形剤としてマルトース(PH、林原)をさらに添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例13として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
次に、賦形剤の検討を行った。フィルムコーティング基剤にヒプロメロース(HPMC)を用い、可塑剤としてマクロゴール400を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。図5の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例14のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例15として、図5の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例15のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例16として、図5の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、賦形剤としてD−マンニトール(P、三菱商事フードテック製)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例16のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例17として、賦形剤としてエリスリトールを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、エリスリトール(日研化成)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例18として、賦形剤として乳糖水和物を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、乳糖水和物(200M、DMV製)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例19として、賦形剤としてキシリトールを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、キシリトール(ROQUETTE製)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例20として、賦形剤としてイソマルトを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、イソマルト(galenIQ810、BENEO-Palatinit製)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
Claims (5)
- ヒプロメロースと、プロピレングリコールと、を含むフィルムコーティング用組成物でコーティングされたことを特徴とするフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
- 前記フィルムコーティング用組成物は、前記ヒプロメロースの重量に対して、前記プロピレングリコールを100重量%より多く含有することを特徴とする請求項1に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
- 前記フィルムコーティング用組成物に賦形剤及び/又は崩壊剤をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
- 前記賦形剤は、エリスリトール、D−マンニトール、乳糖水和物、キシリトール及びイソマルト及びマルトースから選択される1以上であることを特徴とする請求項3に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
- 前記ヒプロメロースは、20℃、2%水溶液における粘度が4.5mPa・s且つ分子量が22000のヒプロメロース、及び2%水溶液における粘度が6.0mPa・s且つ分子量が35600のヒプロメロースから選択されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
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