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JP6521874B2 - フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠 - Google Patents
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Description

本発明は、フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠に関する。
口腔内崩壊錠は、口腔内において口腔内の唾液のみ又は少量の水で約30秒前後、もしくはそれ以下の時間で速やかに崩壊する経口固形製剤である。口腔内で速やかに崩壊することから、口腔内崩壊錠は患者にとって服用しやすい製剤であり、特に嚥下力の弱い高齢者や小児にそのニーズが高まっている。
しかしながら、口腔内崩壊錠は、崩壊性を高めるために配合された糖類や崩壊剤などの影響により、製造直後であっても通常の経口固形製剤と比較して一般に錠剤の硬度が低く、また吸湿性を有するものが多い。そのため、口腔内崩壊錠は高湿度条件下での保存や一包化包装が困難なものが多い。
また、一般的に、錠剤や顆粒剤等の経口固形製剤において、硬度の維持や吸湿性の抑制を目的として、フィルムコーティングを施すことが広く行われている。フィルムコーティングは、例えば湿度や光といった環境因子から有効成分を保護ないし安定化する目的で適用される。あるいは、フィルムコーティングによって錠剤に耐湿性を付与して錠剤の硬度を維持する目的でも行われる。フィルムコーティングはまた、薬剤の苦味や匂いをマスクする目的でも行われることが多い。さらに、有効成分が抗がん剤やホルモン作用剤などの高活性成分である場合は、流通過程はもちろんのこと、医療現場における医療従事者への高活性成分の曝露は避けられるべきであり、患者本人についても不必要な曝露は望ましくない。このような曝露に対する安全対策面でもフィルムコーティングは有用と考えられている。患者は、適量の水と共に、このような従来からあるフィルムコーティングされた経口固形製剤をそのままの状態で服用する。つまり、従来からあるフィルムコーティングされた経口固形製剤は、患者の口腔内でフィルムコーティング層が完全に溶解することなく服用される。
前記したように口腔内崩壊錠は、通常の経口固形製剤と比較して一般に錠剤の硬度が低く、また吸湿性を有するものが多いため、口腔内崩壊錠への上記フィルムコーティング技術の適用が期待され、実際いくつかの試みがなされている。しかしながら、口腔内崩壊錠にこのフィルムコーティングの技術を適用する場合には、口腔内崩壊錠特有の問題が存在する。フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、患者の口腔内において、フィルムコーティング層がすぐに溶解し、引き続いて錠剤本体も速やかに崩壊しなければならない。また、当然、患者の口腔内におけるフィルムコーティング口腔内崩壊錠のフィルムコーティング層の溶解に際し、その味や口当たりも考慮されなければならない。
さらには、フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠では、わずかな水分により速やかに崩壊するという口腔内崩壊錠の特性ゆえに、フィルムコーティング工程中での錠剤の崩壊を防止する工夫が必要となるなど、口腔内崩壊錠へのフィルムコーティングの検討は困難を極めている。
特許文献1には、メチルセルロースとアクリル系ポリマーの配合重量比を5:95〜60:40としたフィルムコーティング剤でコーティングされた経口固形製剤が提供されることが記載されている。また、特許文献1には、該フィルムコーティング剤で造粒粒子を被覆した後に、未被覆の口腔内崩壊錠を成形する技術が記載されている。しかしながら、特許文献1には口腔内崩壊錠そのものにフィルムコーティングする技術については開示されていない。また、特許文献1の実施例の記載によると、この方法で被覆した実施例に記載の粒子は、苦味を感じるまでの時間、すなわちフィルムコーティング層が溶解するまでの時間が30秒以上であったことが記載されている。このことから、仮に特許文献1の実施例に記載のフィルムコーティング剤を口腔内崩壊錠の素錠全面にフィルムコーティングを施した場合にも、口腔内崩壊錠表面のフィルムコーティング層が速やかに溶解するとは考えにくい。したがって、特許文献1のフィルムコーティング剤を口腔内崩壊錠に適用したとしても、結果として速やかな崩壊性を備えたフィルムコーティング口腔内崩壊錠を得ることは困難と考えられる。
また、特許文献2には、内核と被覆層からなる口腔内崩壊性の有核錠に、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体にマクロゴール6000や酸化チタンを添加したコーティング剤をコーティングすることが記載されている。
そして、特許文献3には、識別性向上を目的として、口腔内崩壊錠の表面に文字等をUVレーザー印刷するために、ポリビニルアルコール系重合体から選ばれた化合物と変色誘起金属酸化物とが分散したコーティング液で口腔内崩壊錠をフィルムコーティングする技術が記載されている。
しかしながら、特許文献2の明細書によれば、特許文献2の発明者らはそもそも一般的な口腔内崩壊錠では十分な硬度がないためにフィルムコーティングを施すことは不可能であるなどと考え、口腔内溶解用有核錠なる新たな製剤を作成したものである。そして、特許文献2はその口腔内溶解用有核錠に対し、前記コーティング剤をコーティングしたものであって、一般的な口腔内崩壊錠に適用できる技術とは異なる。また、特許文献3の実施例の口腔内崩壊錠では、素錠の口腔内崩壊錠の口腔内崩壊時間が約30秒であったのに対し、コーティングを施した口腔内崩壊錠では約60秒であったことが記載されている。特許文献3のコーティング液では、フィルムコーティングによってその口腔内崩壊時間が約30秒も延長されており、実用面では問題がある。
特許文献4には、マルトース、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ブドウ糖、ラクチトール、イソマルトース、乳糖、エリスリトール、マンニトール、トレハロースおよびショ糖の少なくとも1種である20℃において10mL未満の水に1g以上溶け、かつ分子内にヒドロキシ基を有し単位ヒドロキシ基当たりの分子量が200以下の水溶性物質と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含有し、被覆層中のポリビニルアルコール系樹脂と、水溶性物質の重量比が1:0.1〜1:9である被覆層により被覆された、ナルフラフィン又はその薬理学的に許容される塩を除く薬物を含有する安定な口腔内崩壊性被覆錠剤が記載されている。
また、特許文献5には、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水溶性ビニル誘導体及びデンプン類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子と、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、プロピレングリコール、トリアセチン及びクエン酸トリエチルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の可塑剤を含有するフィルムコーティング層を含む口腔内崩壊性フィルムコーティング錠が記載されている。
しかしながら、特許文献4乃至5は、フィルムコーティング層の溶解時間や可塑性には考慮しているものの、口腔内崩壊錠にとって最も重要な、味や口当たりなどの服用感や、製造のしやすさについて詳細な検討がなされていない。
また、本願の基礎となる特許出願後に、甘味料の少なくとも1種を含有する、メチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルから選択される少なくとも1種であるセルロース系樹脂のフィルムコーティングが施された口腔内崩壊性フィルムコーティング錠が、特許文献6として公開された。
特開2001−192344号公報 特開2008−280316号公報 特開2013−155148号公報 国際公開第2010/113841号 特開2010−248106号公報 国際公開第2014/157264号
前述したように、口腔内崩壊錠にフィルムコーティングを施す場合、フィルムコーティング層が素早く溶解するだけでなく、服用時における味、口当たりが良好なものでなければならない。一方で、いわゆる一包化包装にも対応出来るよう、無包装の状態でもフィルムコーティング層の割れ等の錠剤の外観の変化、錠剤硬度の低下などを防ぐ必要がある。さらには、その製造方法が、特殊な機器や、煩雑な製造工程を必要としない、できるだけ簡便なものであることが望まれる。
しかし、上述したとおり、口腔内崩壊錠に慣用のフィルムコーティングを施したときは口腔内崩壊時間が延長することが多く、上記の課題をすべて解決することは容易ではない。このため、現時点に至るまで、フィルムコーティングを施した口腔内崩壊錠は実用例が僅かであり、さらなる検討が必要であった。
本発明は、フィルムの溶解時間が短く、服用感の良好な、かつ容易に大量生産しうるフィルムコーティング口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤と、プロピレングリコールならびに室温で液状又は半固形のポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤と、を含むフィルムコーティング用組成物でコーティングされたことを特徴とするフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠が提供される。
本発明の一実施形態によると、水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤と、プロピレングリコールならびに室温で液状又は半固形のポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤と、を含み、フィルムコーティング基剤の重量に対して、前記可塑剤を10重量%より多く含有するフィルムコーティング用組成物でコーティングされたことを特徴とするフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠が提供される。
前記口腔内崩壊錠において、前記フィルムコーティング用組成物に賦形剤及び/又は崩壊剤をさらに含んでもよい。
前記口腔内崩壊錠において、前記フィルムコーティング基剤がヒプロメロースであってもよい。
前記口腔内崩壊錠において、前記ポリエチレングリコールは、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500又はマクロゴール1540であってもよい。
本発明によると、フィルムの溶解時間が短いフィルムコーティング口腔内崩壊錠が提供される。また、味や口当たりを含め、患者が服用しやすいフィルムコーティング口腔内崩壊錠が提供される。さらに、容易に大量生産しうるフィルムコーティング口腔内崩壊錠が提供される。
本発明の一実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠のフィルムコーティング基剤の検討結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠の可塑剤の検討結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠のフィルムコーティング基剤と可塑剤の含有割合の検討結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠のフィルムコーティング基剤と可塑剤の含有割合の検討結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠の賦形剤の検討結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠の崩壊剤の検討結果を示す図である。 実施例に係るフィルムコーティング口腔内崩壊錠のフィルムコーティング基剤であるヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はHPMCとも称す)のグレードの検討結果を示す図である。
本発明者らが検討した結果、水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤と、室温で液状又は半固形の可塑剤と、を含み、フィルムコーティング基剤の重量に対して、可塑剤を所定の割合で含有するフィルムコーティング用組成物を用いて、口腔内崩壊錠をコーティングすることにより、フィルムコーティング層の溶解時間を十分に短くすることが可能となることを見出した。その結果、フィルムコーティングの利点を保持しつつ口腔内での良好な崩壊性と口当たりを同時に達成できることを見出し、発明を完成させた。
以下、本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠について詳細に説明する。但し、本発明のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤と、室温で液状又は半固形の可塑剤と、を含有するフィルムコーティング用組成物でコーティングされたことを特徴とする。また、本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤と、室温で液状又は半固形の可塑剤と、を含み、フィルムコーティング基剤の重量に対して、可塑剤を10重量%より多く含有するフィルムコーティング用組成物でコーティングされたことを特徴とする。
(フィルムコーティング用組成物)
本明細書において「エタノール不溶性」とは、第十六改正日本薬局方の溶解性の項目に基づき、エタノールに対して溶けにくい、極めて溶けにくい、又はほとんど溶けない性状を意味する。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はHPMCとも称す)、ポリビニルアルコール(PVAとも称す)、ポリビニルアルコールとポリエチレングリコールのグラフトコポリマーであるコリコート(登録商標)IR等を用いることもできるが、これらに限定されるものではない。水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤を使用することにより、本発明に係るフィルムコーティング用組成物は、必要な錠剤硬度とフィルムコーティング層の短い溶解時間を両立させることができる。一方、水溶性であってもエタノール可溶性のフィルムコーティング基剤は、本発明に係るフィルムコーティング基剤には適さない。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に使用するフィルムコーティング基剤としては、ヒプロメロースが最も好ましい。
また、本発明に係るフィルムコーティング用組成物は、フィルムコーティング基剤としてヒプロメロースを用いる場合、フィルムコーティングを施した口腔内崩壊錠に求められる品質に応じて、異なるヒプロメロースのグレード(20℃、2%水溶液における粘度、又は分子量)から、適宜選択することができる。例えば、粘度:3.0mPa・s/分子量:16000のヒプロメロース(例えば、信越化学工業のTC-5E)を用いることにより、速やかなフィルムの溶解性を得ることができる。また、粘度:4.5mPa・s/分子量:22000(例えば、信越化学工業のTC-5M)及び粘度:6.0mPa・s/分子量:35600(例えば、信越化学工業のTC-5R)を用いることにより、速やかなフィルムの溶解性と、硬度上昇などの優れた製剤物性を同時に得ることができる。これらヒプロメロースのグレードの種類と量を適宜組み合わせることによって、幅広い品質のフィルムを得ることができる。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する可塑剤としては、例えば、プロピレングリコール(PGとも称す)ならびに室温で液状又は半固形のポリエチレングリコール(PEGとも称す)からなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤を用いることができる。本明細書において「半固形」とは、滑らかなワセリン様の固体の性状を意味する。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加するポリエチレングリコールとしては、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500又はマクロゴール1540を用いることができる。
一方、本発明に係るフィルムコーティング用組成物には、服用時の口当たりの観点から、室温で固体の可塑剤は適さない。本明細書において、「口当たり」とは、服用時のぬめり感や、フィルムの硬さなどを意味する。また、室温で液状又は半固形の可塑剤であっても、トリアセチンやクエン酸トリエチルは味が悪く、グリセリンは口当たりが悪いため、可塑剤として単独で用いるのは好ましくない。しかしながら、トリアセチンやクエン酸トリエチルやグリセリンは、室温で液状又は半固形のポリエチレングリコール又はプロピレングリコールと組合せて添加してもよい。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物において、フィルムコーティング基剤の重量に対して、可塑剤を10重量%より多く含有することにより、十分に短いフィルムの溶解時間を達成することができ、100重量%以上含有することがさらに好ましい。フィルムコーティング基剤に対する可塑剤の含有量が少ないと、フィルムの溶解時間が長くなり好ましくない。また、本発明に係るフィルムコーティング用組成物において、フィルムコーティング基剤と可塑剤の合計重量は、フィルムコーティング用組成物の構成成分の合計重量に対し80重量%程度にすることが好ましいが、これらに限定されるものではない。フィルムコーティング基剤と可塑剤の合計重量は、フィルムの形成が可能な範囲内で任意に調整が可能である。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物においては、一般に用いられる賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤及び着色剤の少なくとも1種の薬理学的に許容可能な添加剤をさらに含有することができる。賦形剤としては水溶性の糖類が好ましく、例えば、エリスリトール、D−マンニトール、乳糖水和物、キシリトール、イソマルト及びマルトース等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、本発明に係るフィルムコーティング用組成物には、2種以上の賦形剤を組合せて添加してもよい。これらの賦形剤を添加することにより、フィルムコーティング層に清涼感等を付与するだけでなく、服用時の水分導入を促進することが可能となる。その結果、さらに速やかなフィルム溶解が可能となる。本発明に係るフィルムコーティング用組成物において、賦形剤の含有量に特に制限はなく、フィルムの形成が可能でかつ所望のフィルムの強度を得られる範囲で任意に調整可能である。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する崩壊剤は、薬理学的に許容可能なものであればよい。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する崩壊剤として、例えば、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPCとも称す)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する滑沢剤は、薬理学的に許容可能なものであればよい。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する滑沢剤として、例えば、タルク、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。本発明に係るフィルムコーティング用組成物において、滑沢剤の含有量に特に制限はなく、フィルムの形成が可能な範囲で任意に調整可能である。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する矯味剤は、薬理学的に許容可能なものであればよい。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する矯味剤として、例えば、ショ糖、乳糖、ブドウ糖などの糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールなどの糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、タウマチン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。本発明に係るフィルムコーティング用組成物において、矯味剤の含有量に特に制限はないが、フィルムコーティング用組成物を構成する添加剤の合計重量に対し数重量%程度の少量を添加すればよい。
本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する着色剤は、薬理学的に許容可能なものであればよい。本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加する着色剤として、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、アナターゼ型若しくはルチル型の酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等の金属酸化物、食用黄色5号、食用青色2号等の水溶性食用タール色素等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(未被覆の口腔内崩壊錠)
本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠の錠剤本体、すなわち、未被覆の口腔内崩壊錠は、特に限定されるものではなく、一般的な口腔内崩壊錠である。また、その製造方法も公知の技術を用いることができ、特に限定されない。
(製造方法)
精製水などの溶媒にフィルムコーティング基剤及び可塑剤を溶解してフィルムコーティング用組成物を調製する。この時、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤及び着色剤の少なくとも1種の薬理学的に許容可能な添加剤をさらに添加してもよい。特に、賦形剤である糖類及び崩壊剤は、フィルムコーティング層に清涼感を付与し、服用時の水分を導入しやすくすることで速やかな溶解が可能となるため、本発明に係るフィルムコーティング用組成物に添加することが好ましい。
未被覆の口腔内崩壊錠に、フィルムコーティングを施す方法は、特に限定されず、汎用されるコーティング機や糖衣パンに未被覆の口腔内崩壊錠を投入し、本発明に係るフィルムコーティング用組成物を添加して行うことができる。
以上説明したように、本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、特定の組成のフィルムコーティング用組成物でコーティングすることにより、口腔内崩壊錠に十分な錠剤強度と安定性を付与し、取り扱いの利便性を向上させることができる。それと同時に、本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、フィルムコーティング部分が素早く溶解し、良好な口当たりを示すと共に、口腔内での良好な崩壊性が維持される。また、未被覆の口腔内崩壊錠に有効成分として高活性成分を含む場合にも、本発明のフィルムコーティング用組成物でフィルムコーティングすることにより、高活性成分が錠剤の表面に露出しないため、不必要な曝露が阻止され、安全対策面でも有用である。さらに、本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠は、特殊な工程や設備を用いることなく、広く一般に用いられるフィルムコーティングの工程や設備で製造することが可能である。
上述した本発明に係るフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠について、具体例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。
(参考例)未被覆の口腔内崩壊錠の製造方法
フェキソフェナジン塩酸塩3.8g、D−マンニトール(P、三菱商事フードテック)294.5g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC(21)、信越化学工業)45.0g、アスパルテーム(味の素)7.5g、粉末還元麦芽糖水飴(アマルティMR-50、三菱商事フードテック)1.4gを高速撹拌練合機(FLS-GS-2J、深江工業)に入れ混合後、精製水100gを投入し練合した。練合品を篩8号で篩過した後、棚式乾燥機(40C、日空工業)に入れ乾燥した。乾燥品を整粒機(P-04-S、ダルトン)に入れ整粒した。整粒品にクロスポビドン(CL-F、BASF)11.3g、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業)3.8g、香料0.4g、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS Pharma)7.5gを混合し、打錠用混合品とした。打錠機(VELA5、菊水製作所)を用い、重量250mgおよび硬度6.0kgとなるよう打錠用混合品を打錠し未被覆の口腔内崩壊錠を得た。
(実施例1)
実施例1として、フィルムコーティング基剤にヒプロメロース(HPMC)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。図1の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、賦形剤としてエリスリトール(日研化成)、崩壊剤としてクロスポビドン(CL-F、BASF)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)と微量の黄色三二酸化鉄及び青色2号Alレーキを溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例1のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例2)
実施例2として、フィルムコーティング基剤にポリビニルアルコール(PVA)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ポリビニルアルコール(EG-05、日本合成化学工業)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例3)
実施例3として、フィルムコーティング基剤にコリコート(登録商標)IRを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、コリコート(登録商標)IR(BASF)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例1)
比較例1として、フィルムコーティング基剤にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ヒドロキシプロピルセルロース(SSL、日本曹達)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例2)
比較例2として、フィルムコーティング基剤にポリビニルピロリドン(PVP)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ポリビニルピロリドン(K-30、第一工業製薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例1〜3及び比較例1及び2のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠について、目視による製造性、官能試験、硬度測定及びフィルムの溶解時間の測定を行った。
(目視による製造性の確認)
未被覆の口腔内崩壊錠へのコーティング時の錠剤同士のペアリング(貼りつき)を目視で評価した。ペアリングを確認したものについては、コーティング工程としての適性に著しい問題があると考えられるため、コーティング性(製造性)は不可と判断した。
(官能試験によるフィルムの苦みおよび口当たりの評価)
フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を用いた官能試験を実施し、(1)苦みの有無、および、(2)フィルムの溶解過程における口当たりを不快・やや不快・問題なしの3段階から評価を行った。
(錠剤硬度)
錠剤硬度計(DC-50、岡田精工)を用いて錠剤の硬度を測定した。
(官能試験によるフィルムの溶解時間の評価)
フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠および未被覆の口腔内崩壊錠を用いた官能試験を行い、それぞれの口腔内崩壊時間を測定した。フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠の口腔内崩壊時間と未被覆の口腔内崩壊錠の口腔内崩壊時間との差をフィルムの溶解時間として評価した。
実施例1〜3、比較例1及び2のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠の評価結果を図1にまとめる。図1の結果から、水溶性且つエタノール不溶性のフィルムコーティング基剤を用いた実施例1〜3においては製造性や服用時の口当たりも良好であり、フィルムコーティングによる硬度上昇とフィルムの良好な溶解性を示した。一方、水溶性であってもエタノール可溶性のフィルムコーティング基剤を用いた比較例1及び2においては、コーティング時にペアリングが生じ、フィルム層を形成することができなかった。
(実施例4)
次に、可塑剤の検討を行った。実施例4として可塑剤にマクロゴール1500を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、マクロゴール1500(ポリエチレングリコール#1500、ナカライテスク)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例5)
実施例5として可塑剤にプロピレングリコール(PG)を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、プロピレングリコール(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例3)
比較例3として可塑剤にマクロゴール6000を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、マクロゴール6000(日油)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例4)
比較例4として可塑剤にトリアセチンを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、トリアセチン(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例5)
比較例5として可塑剤にクエン酸トリエチルを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、クエン酸トリエチル(森村商事)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例6)
比較例6として可塑剤にグリセリンを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、グリセリン(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例7)
比較例7として可塑剤にD−ソルビトールを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、D−ソルビトール(和光純薬)を添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(比較例8)
比較例8として可塑剤にD−ソルビトールを用い、ヒプロメロースに対してD−ソルビトールが1:3の割合になるように、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、D−ソルビトール(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
実施例1、4及び5、比較例3〜8のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠の評価結果を図2にまとめる。図2の結果から、室温で液状又は半固形の可塑剤を用いた実施例1、4及び5においては製造性が良好であり、フィルムコーティングによる硬度増加とフィルムの良好な溶解性を示した。また、実施例1、4及び5では服用時の口当たりも良好であった。一方、室温で固体の可塑剤を用いた比較例3ではフィルムの口当たりが悪かった。また、室温で液状又は半固形の可塑剤であっても、トリアセチンやクエン酸トリエチルを用いた比較例4及び5では苦味があり、口当たりが悪かった。グリセリンを用いた比較例6では口当たりが悪かった。さらに、D−ソルビトールを用いた比較例7では口当たりが悪く、ヒプロメロースに対するD−ソルビトールの配合比率を変更すると、コーティング時にペアリングが生じ、フィルムの形成ができなかった(比較例8)。
次に、マクロゴール400を例に、可塑剤の含有量の下限を検討した。図3の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)をそれぞれ添加した。滑沢剤としてタルク(富士タルク)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、未被覆の口腔内崩壊錠に調製したフィルムコーティング用組成物をコーティングしてフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
可塑剤の含有量の検討結果を図3にまとめる。図3の結果から、可塑剤の含有量を多くすることで、用量依存的にフィルムの溶解性が向上することが明らかとなった。フィルムコーティング基剤の重量に対して、可塑剤を10重量%より多く含有することにより、フィルムの溶解時間は10秒以内に抑えられた。
(実施例6)
次に、フィルムコーティング基剤に対する可塑剤の割合について、さらに検討した。フィルムコーティング基剤としてヒプロメロースを用い、可塑剤としてマクロゴール400又はプロピレングリコール、さらに、それらにグリセリンを組合せたものについて検討した。実施例6として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例7)
実施例7として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例8)
実施例8として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例9)
実施例9として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例10)
実施例10として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例11)
実施例11として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)及びグリセリン(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例12)
実施例12として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)を添加し、賦形剤としてマルトース(PH、林原)をさらに添加したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例13)
実施例13として、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)を添加し、その配合比率を変更したこと以外は実施例1と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
可塑剤の含有量の検討結果を図4にまとめる。図4の結果から、フィルムコーティング基剤に対して、可塑剤の含有量を増量することにより、速やかなフィルムの溶解が実現可能であることが明らかとなった。なお、可塑剤として単独での使用は好ましくないグリセリンもポリエチレングリコール又はプロピレングリコールと組合せて用いる場合には、口当たりに支障をきたさないことが明らかとなった。さらに、可塑剤と同量のマルトースを添加した場合、溶解が速やかで口当たりや服用感も良好なフィルムコーティング層が得られた。さらに、実施例13の結果から、フィルムコーティング基剤の重量に対して、可塑剤を20重量%より多く含有するフィルムコーティング用組成物を用いることにより、製造性が良好であり、フィルムコーティングによる硬度増加と良好なフィルムの溶解性を有するフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠が得られることが判明した。
(実施例14)
次に、賦形剤の検討を行った。フィルムコーティング基剤にヒプロメロース(HPMC)を用い、可塑剤としてマクロゴール400を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。図5の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例14のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例15)
実施例15として、図5の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例15のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例16)
実施例16として、図5の処方比率となるよう、精製水に、ヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、賦形剤としてD−マンニトール(P、三菱商事フードテック製)、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)を溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を参考例に従って準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、所定の重量になるよう未被覆の口腔内崩壊錠にフィルムコーティング用組成物をコーティングして実施例16のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例17)
実施例17として、賦形剤としてエリスリトールを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、エリスリトール(日研化成)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例18)
実施例18として、賦形剤として乳糖水和物を用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、乳糖水和物(200M、DMV製)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例19)
実施例19として、賦形剤としてキシリトールを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、キシリトール(ROQUETTE製)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
(実施例20)
実施例20として、賦形剤としてイソマルトを用いて、フィルムコーティング用組成物を調製した。精製水に、イソマルト(galenIQ810、BENEO-Palatinit製)を添加したこと以外は実施例16と同様にフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
賦形剤の検討結果を図5にまとめる。図5の結果から、賦形剤として用いた何れの糖又は糖アルコールも、製造性が良好であり、フィルムコーティングによる硬度増加とフィルムの良好な溶解性を示した。やや吸湿性の高いキシリトールやイソマルトを用いた場合でも、製造性や製造直後の物性に問題がないことが確認された。
次に、崩壊剤の含有量について検討した。図6の処方比率となるように、精製水に、フィルムコーティング基剤としてヒプロメロース(TC-5E、信越化学工業)、可塑剤としてマクロゴール400(日油)、賦形剤としてエリスリトール(日研化成)を溶解した。崩壊剤としてクロスポビドン(CL-F、BASF)を所定量添加した。さらに、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)と微量の黄色三二酸化鉄及び青色2号Alレーキを溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、未被覆の口腔内崩壊錠に調製したフィルムコーティング用組成物をコーティングしてフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
崩壊剤の含有量の検討結果を図6にまとめる。図6の結果から、崩壊剤を添加することにより、フィルムの溶解性が向上することが明らかとなった。
最後に、ヒプロメロースのグレードについて検討した。ヒプロメロースとして、信越化学工業のTC-5E(20℃、2%水溶液における粘度:3.0mPa・s/分子量:16000)、TC-5M(20℃、2%水溶液における粘度:4.5mPa・s/分子量:22000)及びTC-5R(20℃、2%水溶液における粘度:6.0mPa・s/分子量:35600)の3種類を用いた。図7の処方比率となるように、精製水に、フィルムコーティング基剤としてヒプロメロース、可塑剤としてプロピレングリコール(和光純薬)、賦形剤としてエリスリトール(日研化成)を溶解した。崩壊剤としてクロスポビドン(CL-F、BASF)を添加し、さらに、滑沢剤としてタルク(富士タルク)、矯味剤としてスクラロース(P、三栄原エフエフアイ)、着色剤として酸化チタン(KA-10M、チタン工業)と微量の黄色三二酸化鉄及び青色2号Alレーキを溶解・分散し、フィルムコーティング用組成物を得た。重量250mgの未被覆の口腔内崩壊錠(硬度:6.0kg)を準備し、コーティング機(HC-LABO20、フロイント産業)を用いて、未被覆の口腔内崩壊錠に調製したフィルムコーティング用組成物をコーティングしてフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠を製造した。
ヒプロメロースのグレードの検討結果を図7にまとめる。図7の結果から、TC-5Eを用いることにより、速やかなフィルムの溶解性を得られることが明らかとなった。また、TC-5M、TC-5Rを用いることにより、優れた製剤物性も同時に得られることが明らかとなった。さらに、フィルムコーティング用組成物中の酸化チタンを増加させても、フィルムの溶解性および製剤物性については問題ないことが明らかとなった。

Claims (5)

  1. ヒプロメロースと、プロピレングリコールと、を含むフィルムコーティング用組成物でコーティングされたことを特徴とするフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
  2. 前記フィルムコーティング用組成物は、前記ヒプロメロースの重量に対して、前記プロピレングリコールを100重量%より多く含有することを特徴とする請求項1に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
  3. 前記フィルムコーティング用組成物に賦形剤及び/又は崩壊剤をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
  4. 前記賦形剤は、エリスリトール、D−マンニトール、乳糖水和物、キシリトール及びイソマルト及びマルトースから選択される1以上であることを特徴とする請求項3に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
  5. 前記ヒプロメロースは、20℃、2%水溶液における粘度が4.5mPa・s且つ分子量が22000のヒプロメロース、及び2%水溶液における粘度が6.0mPa・s且つ分子量が35600のヒプロメロースから選択されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のフィルムコーティングされた口腔内崩壊錠。
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