JP6523980B2 - てん充道床軌道の施工方法 - Google Patents
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Description
そこで、バラスト軌道において、保守や管理を低減するための省力化軌道として、バラスト道床内にグラウト材(以下、てん充材という)を注入してバラスト道床を固化するてん充道床軌道が知られている。
すなわち、使用中のバラスト軌道では、上述したような繰り返し荷重によりバラストに割れた細粉化した粒子が混在しているので、バラストに充填するてん充材の流動性が低下し、注入性能が低下するという問題があった。そのため、既存のバラストを取り出して、てん充材の流動性の高い新しいバラストに入れ替える作業を行っていた。また、てん充材の充填前の工程において、シートを敷きつめるため、一旦、既設のバラストを取り出す必要があった。
つまり、従来の施工方法では、シートの設置範囲における全ての既存のバラストを新しいものに入れ替えており、多大な作業手間や作業時間がかかり、施工効率が低下するうえ、新たなバラストにかかる部材コストが増大するという問題があった。
バラスト道床3Aには、まくらぎ4が敷き並べられ、これら複数のまくらぎ4、4、…に2本のレール5、5が規定の間隙にレール締結装置51で締結されている。本実施の形態では、まくらぎ4としてプレキャストコンクリート製のPCまくらぎが採用されている。
先ず、図5(a)に示すように、バラスト3のうち複数配列されるまくらぎ4の両側に位置する一部のバラスト3を、まくらぎ4の配列方向Xに沿って溝状に取り出す(ステップS1)。このときの掘削部分(以下、掘削溝31という)は、平面視でまくらぎ4の両端4a、4aから所定の間隔をあけた位置であり、路盤2に到達する掘削深さで掘り下げられる。掘削により掘り出したバラスト3は、後で掘削溝31において埋戻しができるように掘削溝31の近くに仮置きしておくことがよい。
なお、遮水シート7の材料としては、この遮水シート7が設置された後の工程(後述するステップS4)でバラスト3に注入されたてん充材6が固化するまでの間、てん充材6が前記注入領域Pより外方に流出しない程度に遮水できる材料であれば良い。
また、遮水シートの配設が完了した後に、遮水シート7が挿入された掘削溝31の隙間部分に、掘削溝31の掘削によって取り出し仮置きしておいたバラスト3を埋め戻す。つまり、掘削溝31において遮水シート7の姿勢を埋め戻したバラスト3によって安定させる。
この場合、てん充材6は、高流動性のため、割れや細粉化された既存のバラスト3でも十分に浸透する。そして、所定位置に遮水シート7A、7Bが設けられているので、注入したてん充材6が遮水シート7A、7Bの外側に流出することが阻止される。
なお、てん充材6は、その液面が例えばまくらぎ4の下端4bより1〜2cm程高くなるまで注入する。
本実施の形態では、図1〜図3に示すように、まくらぎ4の両側部分に路盤2に到達した遮水シート7A、7B同士の間のバラスト3に高流動性のてん充材6を注入しても、遮水シート7A、7Bが配設されているので、これら両側の遮水シート7A、7Bの外側に流出させることなくてん充材6を注入することができる。そのため、使用により細粉化したバラスト3からなる既存のバラスト道床3Aに対して、自然流下により良好な注入性能を発揮する例えば超微粒子セメントを用いた高流動性のてん充材6を効果的に用いることが可能となる。しかも、高流動性のてん充材6を使用することで、広範囲のバラスト道床3Aに対して注入することが可能となるので、注入箇所を減少することができる。
このようにして、高流動性のてん充材6を注入することで所定領域(注入領域P)のバラスト道床3Aを固化し、軌道の沈下を抑制するてん充道床軌道1を施工することができ、点検や管理にかかる手間や時間を低減することが可能な省力化軌道を実現することができる。
本実施例は、上述した実施の形態のてん充材として採用した超微粒子セメントの既存のバラストに対する注入性能について試験により確認したものである。ここでは、既存のバラストと同等の粒度分布を示す試験バラストを作製し、この試験バラストに対して超微粒子セメントのグラウト材(てん充材)を注入し、グラウト注入比を算出するとともに、硬化体からコアを採取して圧縮強度試験を行った。
新品バラストの粒度分布と比較すると、現地で採取したバラストは、経年によりバラストが細粉化し、小粒径の砕石の割合が高いことが分かる、そして、上述した実施の形態によるてん充道床軌道の施工方法では、細粒土混入率の高いバラストに対して良好な注入性能を有するグラウト材(てん充材)を使用することから、現地バラストの粒度分布に近いバラストに再現したものを試験バラストとして作製し、てん充材の注入性能試験を行った。
実施例1、2で使用する超微粒子セメントは、超微粒子地盤注入材のスーパーファインを含有している。ここで、超微粒子セメントの配合例を表1に一例として示す。なお、本実施例1では、表1に示す配合において、配合No.3のスーパーファインが600kg含有された配合のものを使用した。
そして、てん充材の注入性能試験では、枠寸法が縦500mm×横500mm×高さ300mmの型枠を使用し、この型枠内に試験用のバラストを投入し、所定の密度で締め固めることにより作成したバラスト供試体を使用した。実施例1、2および比較例1、2では上述した試験バラストを投入した供試体を作製し、各供試体に対応する上述したグラウト材を注入して試験を行った。
このことから、超微粒子セメントの注入および硬化性能が優れていることを確認することができた。
例えば、本実施の形態では、まくらぎ4の周囲近傍に設けた注入孔32からてん充材6を注入する方法としているが、注入孔32を設けずに、バラスト道床3Aの上面から直接、てん充材6を注入するようにしてもよい。また、注入孔32の位置、設置数なども適宜設定することが可能である。
2 路盤
2A 路床
3 バラスト
3A バラスト道床
4 まくらぎ
5 レール
6 てん充材
7、7A、7B 遮水シート
7a 下端部
10 バラスト軌道
31 掘削溝
32 注入孔
P 注入領域
X 配列方向
Claims (4)
- 路盤上にバラストを敷きつめたバラスト道床にまくらぎ及びレールを敷設したバラスト軌道に、てん充材を注入することによって前記バラスト道床を固化するてん充道床軌道の施工方法であって、
前記まくらぎの両側部分に、前記まくらぎの配列方向に沿って延びるとともに、下端部が前記路盤の上端部分に埋まった状態で到達させた遮水シートを設ける工程と、
前記遮水シート同士の内側の前記バラストに高流動性のてん充材を注入する工程と、
を有し、
前記まくらぎの両側部分に設けられる前記遮水シートは、それぞれの下端部が互いに対向する内向きに折曲げられた状態で配置されていることを特徴とするてん充道床軌道の施工方法。 - 前記バラストのうち前記まくらぎの両側に位置するバラストを、前記まくらぎの配列方向に沿って取り出し、
前記バラストを取り出した前記まくらぎの両側部分の掘削溝に、下端部を前記路盤に到達させた状態で前記遮水シートを配設するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のてん充道床軌道の施工方法。 - 前記まくらぎの周囲近傍のバラストに、前記まくらぎの下端よりも下方の位置まで掘削された注入孔が設けられ、当該注入孔から前記てん充材が注入されることを特徴とする請求項1又は2に記載のてん充道床軌道の施工方法。
- 前記注入孔は、当該注入孔を掘削して取り出した既存のバラストによって埋め戻されることを特徴とする請求項3に記載のてん充道床軌道の施工方法。
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