JP6524835B2 - フルオロスルホニル基含有モノマー、フルオロスルホニル基含有ポリマー、スルホン酸基含有ポリマー、液状組成物および膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
フルオロスルホニル基含有モノマー、フルオロスルホニル基含有ポリマー、スルホン酸基含有ポリマー、液状組成物および膜電極接合体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
[1]下式(m1)で表される、フルオロスルホニル基含有モノマー。
[2]前記Xがフルオロスルホニル基である、[1]のフルオロスルホニル基含有モノマー。
[3]前記nが1である、[1]または[2]のフルオロスルホニル基含有モノマー。
[4]前記Rf1が−CF2CF2−である、[1]〜[3]のいずれかのフルオロスルホニル基含有モノマー。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかのフルオロスルホニル基含有モノマーに由来する構成単位を有する、フルオロスルホニル基含有ポリマー。
[6]テトラフルオロエチレンに由来する構成単位をさらに有する、[5]のフルオロスルホニル基含有ポリマー。
[7]前記[5]または[6]のフルオロスルホニル基含有ポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換した、スルホン酸基含有ポリマー。
[8]前記[7]のスルホン酸基含有ポリマーと、液状媒体とを含む、液状組成物。
[9]触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、前記カソードの触媒層、前記アノードの触媒層および前記固体高分子電解質膜からなる群から選ばれる少なくとも1つが、[7]のスルホン酸基含有ポリマーを含む、膜電極接合体。
[10]下式(14)で表される化合物とペルフルオロアリル化剤とをあらかじめ混合した液にフッ化物塩を添加して下式(m1)で表される化合物を得る、フルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
[11]前記ペルフルオロアリル化剤が、下式(12)で表される化合物である、[10]のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
CF2=CFCF2−Z (12)
ただし、Zは−OSO2F、−OSO2Rf2、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Rf2はペルフルオロアルキル基である。
[12]前記Xがフルオロスルホニル基である、[10]または[11]のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
[13]前記nが1である、[10]〜[12]のいずれかのフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
[14]前記Rf1が−CF2CF2−である、[10]〜[13]のいずれかのフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
[15]前記[10]〜[14]のいずれかの製造方法によってフルオロスルホニル基含有モノマーを製造し、該フルオロスルホニル基含有モノマーを含むモノマー成分を重合して前記フルオロスルホニル基含有モノマーに由来する構成単位を有するフルオロスルホニル基含有ポリマーを得る、フルオロスルホニル基含有ポリマーの製造方法。
[16]前記モノマー成分が、テトラフルオロエチレンをさらに含む、[15]のフルオロスルホニル基含有ポリマーの製造方法。
[17]前記[15]または[16]の製造方法によってフルオロスルホニル基含有ポリマーを製造し、該フルオロスルホニル基含有ポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換することによってスルホン酸基含有ポリマーを得る、スルホン酸基含有ポリマーの製造方法。
[18]前記[17]の製造方法によってスルホン酸基含有ポリマーを製造し、該スルホン酸基含有ポリマーと、液状媒体とを混合して液状組成物を得る、液状組成物の製造方法。
[19]触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、[18]の製造方法によって液状組成物を製造し、該液状組成物と触媒とを混合して触媒層形成用塗工液を調製し、該塗工液を用いて前記カソードおよび前記アノードのいずれか一方または両方の触媒層を形成する、膜電極接合体の製造方法。
[20]触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、[18]の製造方法によって液状組成物を製造し、該液状組成物を用いて前記固体高分子電解質膜を形成する、膜電極接合体の製造方法。
本発明のフルオロスルホニル基含有ポリマーによれば、イオン交換容量が高いスルホン酸基含有ポリマーを得ることができる。
本発明のスルホン酸基含有ポリマーは、イオン交換容量を高くできる。
本発明の液状組成物によれば、イオン交換容量が高いポリマーを含む膜を形成できる。
本発明の膜電極接合体は、発電性能に優れる。
本発明のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法によれば、イオン交換容量が高いスルホン酸基含有ポリマーを得ることができるフルオロスルホニル基含有モノマーを少ない合成ステップで製造できる。
本発明のフルオロスルホニル基含有ポリマーの製造方法によれば、イオン交換容量が高いスルホン酸基含有ポリマーを得ることができるフルオロスルホニル基含有ポリマーを製造できる。
本発明のスルホン酸基含有ポリマーの製造方法によれば、イオン交換容量が高いスルホン酸基含有ポリマーを製造できる。
本発明の液状組成物の製造方法によれば、イオン交換容量が高いポリマーを含む膜を形成できる液状組成物を製造できる。
本発明の膜電極接合体の製造方法によれば、発電性能に優れる膜電極接合体を製造できる。
本明細書においては、式(u1)で表される構成単位を、構成単位(u1)と記す。他の式で表される構成単位も同様に記す。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「ポリマー」とは、複数の構成単位から構成された構造を有する化合物を意味する。
「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。構成単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「モノマー」とは、重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「ペルフルオロアリル化剤」とは、CF2=CFCF2−で表される構造を他の化合物に導入し得る化合物を意味する。
本発明のフルオロスルホニル基含有モノマーは、化合物(m1)である。
Rf1としては、−CF2CF2−、−CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)OCF2CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−等が挙げられ、より短いステップでの合成が可能であり、より高いイオン交換容量が得られる点から、−CF2CF2−が好ましい。
化合物(m1)の製造方法は、化合物(14)とペルフルオロアリル化剤とをあらかじめ混合した液にフッ化物塩を添加して化合物(m1)を得る方法である。
従来のペルフルオロ−β−サルトン骨格を有する化合物とペルフルオロアリル化剤との反応においては、まず、ペルフルオロ−β−サルトン骨格を有する化合物とフッ化物塩(MF)とを混合してペルフルオロ−β−サルトン骨格を開環させてMO−CF2−CF(SO2F)−とし、ついで、ペルフルオロアリル化剤を添加していた。しかし、化合物(14)とペルフルオロアリル化剤との反応にこの手順を適用すると、MO−CF2−CF(SO2F)−構造の分解が生じ、化合物(m1)をまったく得ることができない。本発明においては、化合物(14)とペルフルオロアリル化剤とをあらかじめ混合した液にフッ化物塩を添加することによって、化合物(m1)を得ることができる。
非プロトン性の極性溶媒としては、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、アセトニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、ベンゾニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ニトロエタン等が挙げられる。
フッ化物塩は、化合物(14)とペルフルオロアリル化剤とを混合した液に、一括で添加してもよく、断続的または連続的に添加してもよい。
反応温度は、化合物(m1)の収率が比較的よい点から、−70〜0℃が好ましく、−50〜−20℃がより好ましい。
ペルフルオロアリル化剤としては、原料の入手性、ペルフルオロアリル化の反応性の点から、化合物(12)が好ましい。
CF2=CFCF2−Z (12)
ただし、Zは−OSO2F、−OSO2Rf2、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Rf2はペルフルオロアルキル基である。
CF2=CFCF2−OSO2F (12−1)
化合物(12−1)の製造方法は、後述する。
化合物(14)は、たとえば、化合物(13)と三酸化硫黄とを反応させることによって得られる。三酸化硫黄としては、たとえば、濃硫酸に三酸化硫黄を吸収させた発煙硫酸が用いられる。また、市販の安定化無水硫酸、前記発煙硫酸、または安定化無水硫酸を蒸留して得られる三酸化硫黄も用いられる。
化合物(14)としては、原料の入手性、化合物(14)の蒸留精製のしやすさ、合成の簡便さ、コストの点から、化合物(14−1)〜化合物(14−10)が好ましく、化合物(14−1)がより好ましい。ただし、xは1以上の整数である。
化合物(13)としては、原料の入手性、化合物(13)の蒸留精製のしやすさ、合成の簡便さ、コストの点から、化合物(13−1)〜化合物(13−10)が好ましく、化合物(13−1)がより好ましい。
CF2=CF−CF2−O−CF2CF2−SO2F (13−1)
CF2=CF−CF2−CF2CF2−F (13−2)
CF2=CF−(CF2CF2)x−F (13−3)
CF2=CF−CF2−CF2−SO2F (13−4)
CF2=CF−CF2−CF2CF2CF2−SO2F (13−5)
CF2=CF−CF2−O−CF2−F (13−6)
CF2=CF−CF2−O−CF2CF2−F (13−7)
CF2=CF−CF2−O−CF2CF2CF2−F (13−8)
CF2=CF−CF2−O−CF2CF(CF3)OCF2CF2CF2−F (13−9)
CF2=CF−CF2−O−CF2CF(CF3)−SO2F (13−10)
ただし、xは1以上の整数である。
以上説明した化合物(m1)にあっては、比較的分子量が低い化合物であるため、化合物(m1)に由来する構成単位を有するフルオロスルホニル基含有ポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換したスルホン酸基含有ポリマーにおいて、スルホン酸基の1つあたりの分子量を低くすることができる。特に、化合物(m1)のXがフルオロスルホニル基の場合は、スルホン酸基含有ポリマーにおけるスルホン酸基の1つあたりの分子量をさらに低くすることができる。そのため、イオン交換容量が高いスルホン酸基含有ポリマーを得ることができる。
また、以上説明した化合物(m1)の製造方法にあっては、比較的少ない合成ステップで得られる化合物(14)を用いている。たとえば化合物(11)から化合物(14−1)までの合成ステップが3ステップである。そのため、化合物(m1−1)を少ない合成ステップ(4ステップ)で製造できる。
本発明のフルオロスルホニル基含有ポリマー(以下、ポリマー(F)とも記す。)は、化合物(m1)に由来する構成単位(u1)を有する。
構成単位(u1)としては、原料の入手性、化合物(m1)の蒸留精製のしやすさ、合成の簡便さ、コストの点から、構成単位(u1−1)〜構成単位(u1−10)が好ましく、構成単位(u1−1)がより好ましい。ただし、xは1以上の整数である。
他のモノマーとしては、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ペルフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)、ペルフルオロ(アリルビニルエーテル)、ペルフルオロα−オレフィン(ヘキサフルオロプロピレン等)、(ペルフルオロアルキル)エチレン((ペルフルオロブチル)エチレン等)、(ペルフルオロアルキル)プロペン(3−ペルフルオロオクチル−1−プロペン等)、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、国際公開第2011/013578号に記載の5員環を有するペルフルオロポリマー等が挙げられる。
TQ値は、ポリマーの分子量の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマー(F)の溶融押出しを行った際の押出し量が100mm3/秒となる温度である。
ポリマー(F)の製造方法は、上述した化合物(m1)の製造方法によって化合物(m1)を製造し、化合物(m1)、必要に応じてTFE、他のモノマーを含むモノマー成分を重合してポリマー(F)を得る方法である。
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。ラジカルを生起させる方法としては、紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、ラジカル開始剤を添加する方法等が挙げられる。
重合温度は、通常、10〜150℃である。
非イオン性のラジカル開始剤としては、ビス(フルオロアシル)ペルオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)ペルオキシド類、ジアルキルペルオキシジカーボネート類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエステル類、ジアルキルペルオキシド類、ビス(フルオロアルキル)ペルオキシド類、アゾ化合物類等が挙げられる。
分散媒には、助剤として前記溶媒;懸濁粒子の凝集を防ぐ分散安定剤として界面活性剤;分子量調整剤として炭化水素系化合物(ヘキサン、メタノール等)等を添加してもよい。
以上説明したポリマー(F)にあっては、比較的分子量が低い化合物(m1)に由来する構成単位(u1)を有する。また、以上説明したポリマー(F)の製造方法にあっては、比較的分子量が低い化合物(m1)を含むモノマー成分を重合してポリマー(F)を得ている。そのため、ポリマー(F)のフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換したスルホン酸基含有ポリマーにおいて、スルホン酸基の1つあたりの分子量を低くすることができる。特に、化合物(m1)のXがフルオロスルホニル基の場合は、スルホン酸基含有ポリマーにおけるスルホン酸基の1つあたりの分子量をさらに低くすることができる。そのため、イオン交換容量が高いスルホン酸基含有ポリマーを得ることができる。
本発明のスルホン酸基含有ポリマー(以下、ポリマー(H)とも記す。)は、ポリマー(F)のフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換したポリマーであり、構成単位(u’1)を有する。
構成単位(u’1)としては、原料の入手性、化合物(m1)の蒸留精製のしやすさ、合成の簡便さ、コストの点から、構成単位(u’1−1)〜構成単位(u’1−10)が好ましく、構成単位(u’1−1)がより好ましい。ただし、xは1以上の整数である。
ポリマー(H)の製造方法は、ポリマー(F)の製造方法によってポリマー(F)を製造し、該ポリマー(F)のフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換することによってポリマー(H)を得る方法である。
酸型化は、たとえば、スルホン酸塩を有するポリマーを、塩酸、硫酸等の水溶液に接触させて行う。
加水分解および酸型化は、通常、0〜120℃にて行う。
以上説明したポリマー(H)にあっては、ポリマー(F)のフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換したポリマーであるため、イオン交換容量を高くできる。
また、以上説明したポリマー(H)の製造方法にあっては、ポリマー(F)のフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換しているため、イオン交換容量が高いポリマー(H)を製造できる。
本発明の液状組成物は、ポリマー(H)と、液状媒体とを含む。
本発明の液状組成物は、液状媒体中にポリマー(H)が分散したものであってもよく、液状媒体中にポリマー(H)が溶解したものであってもよい。
液状媒体としては、水と、有機溶媒とを含むものが好ましい。
水は、液状媒体に対するポリマー(H)の分散性または溶解性を向上させる。
有機溶媒は、割れにくい触媒層や固体高分子電解質膜を形成しやすくする。
炭素数が1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール等が挙げられる。
有機溶媒の割合は、水と有機溶媒との合計(100質量%)のうち、1〜90質量%が好ましく、1〜80質量%がより好ましい。
水および有機溶媒の割合が前記範囲内であれば、分散媒に対するイオン交換基を有するポリマーの分散性に優れ、かつ割れにくい触媒層や固体高分子電解質膜を形成しやすい。
本発明の液状組成物は、膜電極接合体における触媒層や固体高分子電解質膜の形成に好適に用いられる。また、他の膜(水電解、過酸化水素製造、オゾン製造、廃酸回収等に用いるプロトン選択透過膜、塩化アルカリ電解用陽イオン交換膜、レドックスフロー電池の隔膜、脱塩または製塩に用いる電気透析用陽イオン交換膜等)の形成にも用いることができる。
本発明の液状組成物の製造方法は、ポリマー(H)の製造方法によってポリマー(H)を製造し、ポリマー(H)と、液状媒体とを混合して液状組成物を得る方法である。
撹拌時の温度は、0〜250℃が好ましく、20〜150℃がより好ましい。必要に応じて、超音波等のせん断を付与してもよい。
以上説明した本発明の液状組成物にあっては、イオン交換容量を高くできるポリマー(H)を含むため、イオン交換容量が高いポリマーを含む膜を形成できる。
また、以上説明した本発明の液状組成物の製造方法にあっては、イオン交換容量を高くできるポリマー(H)と、液状媒体とを混合して液状組成物を得るため、イオン交換容量が高いポリマーを含む膜を形成できる液状組成物を製造できる。
図1は、本発明の膜電極接合体の一例を示す断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置される固体高分子電解質膜15とを具備する。
触媒層は、触媒と、イオン交換基を有するポリマーとを含む層である。
触媒としては、カーボン担体に白金または白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。
カーボン担体としては、カーボンブラック粉末が挙げられる。
イオン交換基を有するポリマーとしては、ポリマー(H)、公知のイオン交換基を有するペルフルオロポリマー等が挙げられる。
ガス拡散層は、触媒層に均一にガスを拡散させる機能および集電体としての機能を有する。
ガス拡散層としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散層は、ポリテトラフルオロエチレン等によって撥水化処理されていることが好ましい。
図2に示すように、膜電極接合体10は、触媒層11とガス拡散層12との間にカーボン層16を有してもよい。
カーボン層を配置することにより、触媒層の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の発電性能が大きく向上する。
カーボン層は、カーボンと非イオン性含フッ素ポリマーとを含む層である。
カーボンとしては、カーボン粒子、カーボンファイバー等が挙げられ、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。
非イオン性含フッ素ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
固体高分子電解質膜は、イオン交換基を有するポリマーを含む膜である。
イオン交換基を有するポリマーとしては、ポリマー(H)、公知のイオン交換基を有するペルフルオロポリマー等が挙げられる。
膜電極接合体がカーボン層を有しない場合、膜電極接合体は、たとえば、下記の方法にて製造される。
・固体高分子電解質膜上に触媒層を形成して膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み込む方法。
・ガス拡散層上に触媒層を形成して電極(アノード、カソード)とし、固体高分子電解質膜を該電極で挟み込む方法。
・基材フィルム上に、カーボンおよび非イオン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗布し、乾燥させてカーボン層を形成し、カーボン層上に触媒層を形成し、触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせ、基材フィルムを剥離して、カーボン層を有する膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み込む方法。
・ガス拡散層上に、カーボンおよび非イオン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗布し、乾燥させてカーボン層を形成し、固体高分子電解質膜上に触媒層を形成した膜触媒層接合体を、カーボン層を有するガス拡散層で挟み込む方法。
触媒層の形成方法としては、下記の方法が挙げられる。
・触媒層形成用塗工液を、固体高分子電解質膜、ガス拡散層、またはカーボン層上に塗布し、乾燥させる方法。
・触媒層形成用塗工液を基材フィルム上に塗布し、乾燥させて触媒層を形成し、該触媒層を固体高分子電解質膜上に転写する方法。
固体高分子電解質膜は、たとえば、液状組成物を基材フィルムまたは触媒層上に塗布し、乾燥させる方法(キャスト法)により形成できる。
液状組成物は、水および有機溶媒を含む分散媒に、イオン交換基を有するポリマーを分散させた分散液である。液状組成物として、本発明の液状組成物を用いてもよい。
以上説明した本発明の膜電極接合体にあっては、カソードの触媒層、アノードの触媒層および固体高分子電解質膜からなる群から選ばれる少なくとも1つが、イオン交換容量を高くできるポリマー(H)を含むため、発電性能に優れる。
また、以上説明した本発明の膜電極接合体の製造方法にあっては、カソードの触媒層、アノードの触媒層および固体高分子電解質膜からなる群から選ばれる少なくとも1つの形成に、イオン交換容量が高いポリマーを含む膜を形成できる本発明の液状組成物を用いているため、発電性能に優れる膜電極接合体を製造できる。
本発明の膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝が形成されたセパレータを配置することにより、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、膜電極接合体を適用できる。
例1、2は製造例であり、例3、4、10〜12は実施例であり、例5は参考例であり、例6〜9は比較例である。
19F−NMRは、282.7MHz、溶媒:CDCl3、化学シフト基準:CFCl3の条件にて測定した。生成物の定量は、19F−NMRの分析結果および内部標準試料(1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン)の添加量から行った。
ポリマー(H)の膜を120℃で12時間真空乾燥して、ポリマー(H)の膜から水分を除去した。ポリマー(H)の膜を0.85モル/gの水酸化ナトリウム溶液(溶媒:水/メタノール=10/90(質量比))に浸漬して、ポリマー(H)のスルホン酸基を中和しスルホン酸ナトリウム塩に変換した。中和後の水酸化ナトリウム溶液を0.1モル/Lの塩酸で逆滴定することによってポリマー(H)のイオン交換容量を求めた。
化合物(12−1)および化合物(13−1)の製造:
化合物(14−1)の製造:
化合物(m1−1)の製造:
化合物(m1−1)の製造:
化合物(12−1)の118.0g、化合物(14−1)の210.4g、ジグライムの313.0g、フッ化カリウムの31.3gを用い、1Lの反応器を用い、添加後内温を−50〜−30℃とした以外は例3と同様にして反応を行った。分液操作により回収した下層(249.8g)の定量分析から、目的の化合物(m1−1)が収率20%で生成しているのを確認した。主生成物は化合物(13−1)(収率35%)だった。結果を表1に示す。
化合物(14−1)の異性化体:
本発明により目的物の化合物(m1−1)の収率が著しく向上する理由は以下の通りと考えられる。
化合物(14−1)または化合物(15−1)とフッ化物塩(MF)との反応により、ペルフルオロアリル化における活性種であるMO−CF2−CF(SO2F)−構造が生成するが、置換基が比較的大きい化合物(14−1)または化合物(15−1)由来の活性種は安定性が乏しいものと考えられる。すなわち、あらかじめ化合物(14−1)とフッ化物塩とを混合する従来の方法の場合、活性種がペルフルオロアリル化剤の添加前に分解してしまい、目的物の化合物(m1−1)を得ることができないものと考えられる。一方、本発明に示す通り、あらかじめ化合物(14−1)とペルフルオロアリル化剤を混合した状態でフッ化物塩を加えると、生成した活性種が速やかにペルフルオロアリル化剤と反応することができるため、目的物の化合物(m1−1)の収率が著しく向上するものと考えられる。
ジグライムの代わりにテトラグライムの5.25gを用い、温度を表2に示すように変更した以外は例6と同様に反応を行った。分液操作後の定量分析からは、目的の化合物(m1−1)は痕跡量しか確認できなかった。結果を表2に示す。
ジグライムの代わりにテトラグライムの11.57gを、フッ化カリウムの代わりにフッ化銀の2.27gを用い、温度を表2に示すように変更した以外は例6と同様に反応を行った。分液操作後の定量分析からは、目的の化合物(m1−1)は痕跡量しか確認できなかった。結果を表2に示す。
撹拌機、コンデンサ、温度計、滴下ロートを備えた50mLの4つ口フラスコに、窒素シール下、フッ化ナトリウムの0.77gおよびジグライムの4.06gを仕込んだ。フラスコを冷媒にて冷却し、内温が−20℃まで下がった後に化合物(14−1)の6.98gを滴下した。冷却を停止し内温を室温まで昇温させた。内温が25℃に達した後、化合物(12−1)の3.91gを滴下した。発熱は確認されなかった。その後反応液をガスクロマトグラフ分析にて確認しながら70℃まで加熱したが、目的の化合物(m1−1)の生成は確認されなかった。結果を表2に示す。
ポリマー(F)の製造:
オートクレーブ(内容積30mL、ハステロイ製)に、化合物(m1−1)の23.0gを入れ、液体窒素で冷却して脱気した。オートクレーブにTFEの1.44gを導入し、内温が100℃になるまでオイルバスにて加温した。この時の圧力は0.475MPaG(ゲージ圧)であった。重合開始剤であるペルフルオロ−ジ−tert−ブチルペルオキシドの0.017gと化合物(m1−1)の0.921gとの混合液をオートクレーブ内に圧入した。さらに圧入ラインから窒素ガスを導入し、圧入ライン内の圧入液を完全に押し込んだ。この操作により気相部のTFEが希釈された結果、圧力は0.90MPaGまで増加した。圧力を0.90MPaGで維持したままTFEを連続添加し重合を行った。6.5時間でTFEの添加量が4.2gになったところでオートクレーブ内を冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。反応液をHFC−52−13p(CF3(CF2)5H)で希釈後、HFE−347pc−f(CF3CH2OCF2CF2H)を添加し、ポリマーを凝集してろ過した。その後、HFC−52−13p中でポリマーを撹拌して、HFE−347pc−fで再凝集する操作を2回繰り返した。120℃で真空乾燥して、TFEと化合物(m1−1)との共重合体であるポリマー(F−1)の7.7gを得た。
ポリマー(H)の製造:
ポリマー(F−1)の膜を、20質量%の水酸化カリウム水溶液中に80℃で20時間浸漬させることによって、ポリマー(F−1)中のフルオロスルホニル基(−SO2F)を加水分解し、−SO3Kに変換した。さらに該ポリマーの膜を、3モル/Lの塩酸水溶液に室温で1時間浸漬した後、室温の超純水に30分間浸漬した。塩酸水溶液への浸漬と超純水への浸漬のサイクルを合計5回実施し、−SO3Kをスルホン酸基(−SO3H)に変換した。その後ポリマーの膜を浸漬している水のpHが7となるまで超純水洗浄を繰り返した。最後にポリマーの膜をろ紙に挟んで風乾し、ポリマー(H)の膜を得た。
ポリマー(H)の膜からイオン交換容量を求めところ、1.55ミリ当量/g乾燥樹脂であった。イオン交換容量から算出されるポリマー(F−1)中のTFEに由来する構成単位および化合物(m1−1)に由来する構成単位の割合は、それぞれ88.0モル%および12.0モル%であった。
液状組成物の製造:
200mLのガラス製オートクレーブに、細かく切断したポリマー(H)の膜の3.6g、ならびに1−プロパノール、1−ブタノールおよび水の混合溶媒(24/33/43(質量比))の49.9gを加えた。撹拌しながらオートクレーブを加熱した。溶解状態を見ながら100℃から徐々に温度を上げていき、180℃まで昇温したところでポリマー(H)が混合溶媒に分散したことを確認した。加温時間は合計27時間であった。冷却後、加圧ろ過(ろ紙:アドバンテック東洋社製、PF100)を行い、ポリマー(H)が混合溶媒に約7質量%の濃度で分散した液状組成物を得た。
液状組成物をシャーレ上にキャストし、乾燥器中で溶媒を揮散させることで、ポリマー(H)からなる厚さ300μmの固体高分子電解質膜を得た。
また、本発明のフルオロスルホニル基含有モノマーは、レドックスフロー二次電池用の隔膜に含まれるポリマーの原料としても有用である。
Claims (11)
- 前記ペルフルオロアリル化剤が、下式(12)で表される化合物である、請求項1に記載のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
CF2=CFCF2−Z (12)
ただし、Zは−OSO2F、−OSO2Rf2、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Rf2はペルフルオロアルキル基である。 - 前記Xがフルオロスルホニル基である、請求項1または2に記載のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
- 前記nが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
- 前記Rf1が−CF2CF2−である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフルオロスルホニル基含有モノマーの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法によってフルオロスルホニル基含有モノマーを製造し、該フルオロスルホニル基含有モノマーを含むモノマー成分を重合して前記フルオロスルホニル基含有モノマーに由来する構成単位を有するフルオロスルホニル基含有ポリマーを得る、フルオロスルホニル基含有ポリマーの製造方法。
- 前記モノマー成分が、テトラフルオロエチレンをさらに含む、請求項6に記載のフルオロスルホニル基含有ポリマーの製造方法。
- 請求項6または7に記載の製造方法によってフルオロスルホニル基含有ポリマーを製造し、該フルオロスルホニル基含有ポリマーのフルオロスルホニル基をスルホン酸基に変換することによってスルホン酸基含有ポリマーを得る、スルホン酸基含有ポリマーの製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法によってスルホン酸基含有ポリマーを製造し、該スルホン酸基含有ポリマーと、液状媒体とを混合して液状組成物を得る、液状組成物の製造方法。
- 触媒層を有するアノードと、
触媒層を有するカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜と
を備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、
請求項9に記載の製造方法によって液状組成物を製造し、該液状組成物と触媒とを混合して触媒層形成用塗工液を調製し、該塗工液を用いて前記カソードおよび前記アノードのいずれか一方または両方の触媒層を形成する、膜電極接合体の製造方法。 - 触媒層を有するアノードと、
触媒層を有するカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜と
を備えた固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を製造する方法であって、
請求項9に記載の製造方法によって液状組成物を製造し、該液状組成物を用いて前記固体高分子電解質膜を形成する、膜電極接合体の製造方法。
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