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JP6529495B2 - 肥満の治療 - Google Patents
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Description

優先権の供述
本出願は、2013年7月18日に出願された米国の仮出願第61/847,593号の利益を主張し、その全ての内容は参照としてここに組み込まれる。
技術分野
本発明は、特定のカーバメート化合物の治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象において肥満を治療又は予防するための方法に関する。本発明は更に、特定のカーバメート化合物の治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象において体重を減少する及び/または食物摂取を減少するための方法に関する。
肥満は、全世界的な健康問題であり、伝染病規模に及んでいる。2008年現在、WHO(World Health Organization)は少なくとも5億人の成人が肥満であると推定した。米国は、世界先進国の中で最も高い肥満率を有する。2010年には米国成人の35.7%が肥満であると報告された。過体重及び肥満は世界における死亡危険因子の第5位である。
肥満は遺伝、食事、運動及び複雑な生命活動(biology)の影響を受ける複合的な疾病である。胃の大きさを減少するための肥満手術(胃バイパス手術:gastric
bypass surgery)は、病的に肥満である人に体重減少をもたらす唯一効果的な治療である。肥満治療のための薬は3グループに分けられることができる:食物摂取を減少させるか又は食欲を抑制するグループ;脂肪の代謝を変えるか又は脂肪の吸収を妨げるグループ;及び熱産生(thermogenesis)を増加させるグループである。現在は、2種類の薬だけが肥満の長期治療用としてFDAの承認を受けている:脂肪吸収遮断剤のオルリスタット(orlistat)(XENICAL(登録商標)、ALLI(登録商標))及び食欲抑制剤のシブトラミン(siburtramine)(MERIDIA(登録商標))である。
従来の薬は、深刻な副作用を誘発し、わずかな(modest)体重減少の結果をもたらすに過ぎない。したがって、新しい肥満治療の発見が至急求められている。
本発明は、肥満を治療または予防するための及び人々が体重及び/又は食物摂取を減少するのを手助けするために効果的且つ便利な方法を提供する。
よって、1つの観点において、本発明は、化学式(I):
Figure 0006529495
(式中、Rは炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び炭素原子数1ないし3のチオアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーであり;
xは0ないし3の整数であり、xが2または3である場合、Rは同一または相違することができ;
1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択されるか;またはR1及びR2は結合して、未置換であるか又は一つ以上のアルキル基若しくはアリール基で置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、該ヘテロ環は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、ここで、前記窒素原子は互いに直接連結されないか又は酸素原子と連結されない。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における肥満を治療する方法であって、前記対象は体重が減少し、それにより肥満を治療する方法に関する。
別の観点において、本発明は、化学式(I):
Figure 0006529495
(式中、Rは炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び炭素原子数1ないし3のチオアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーであり;
xは0ないし3の整数であり、xが2または3である場合、Rは同一または相違することができ;
1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択されるか;またはR1及びR2は結合して、未置換であるか又は一つ以上のアルキル基若しくはアリール基で置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、該ヘテロ環は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、ここで、前記窒素原子は互いに直接連結されないか又は酸素原子と連結されない。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における体重を減少する方法であって、前記対象は体重が減少する方法に関する。
別の観点において、本発明は、化学式(I):
Figure 0006529495
(式中、Rは炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び炭素原子数1な
いし3のチオアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーであり;
xは0ないし3の整数であり、xが2または3である場合、Rは同一または相違することができ;
1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択されるか;またはR1及びR2は結合して、未置換であるか又は一つ以上のアルキル基若しくはアリール基で置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、該ヘテロ環は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、ここで、前記窒素原子は互いに直接連結されないか又は酸素原子と連結されない。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における食物摂取を減少する方法であって、前記対象は食物摂取が減少する方法に関する。
本発明の幾つかの態様において、本方法は、他の鏡像体が実質的に存在しない化学式Iで表される鏡像体または化学式Iで表される一つの鏡像体が優勢である鏡像体混合物の治療的有効量を対象に投与する段階を含む。
幾つかの態様において、化学式Iで表される化合物は、化学式Ia:
Figure 0006529495
で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルである:
幾つかの態様において、化学式Iで表される化合物は、化学式Ib:
Figure 0006529495
で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルである。この化合物は、(R)−(ベータ−アミノ−ベンゼンプロピル)カーバメートまたはO−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールと称され、或いはADX−N05、SKL−N05、SK−N05、YKP10A、及びR228060と言及されることができる。
本発明の態様は、それを必要とする対象における肥満を治療するための化学式Iで表される化合物の使用を含む。本発明の他の態様は、それを必要とする対象における体重及び/または食物摂取を減少するための化学式Iで表される化合物の使用を含む。
本発明の態様は、肥満治療用医薬の製造のための化学式Iで表される化合物の使用を含む。本発明の他の態様は、それを必要とする対象における体重及び/または食物摂取を減少するための化学式Iで表される化合物の使用を含む。
本発明の態様の詳細な記載
本発明は、本発明の態様を示す、添付の図面及び実施例を参照して以降に記載される。しかし、本発明は、多様な他の形態で具現されることができ、ここに開示された態様に限定するものと解釈されるべきでない。むしろ、このような態様が提供されることによって、この開示は詳細且つ完全になり、そして、本発明の範囲を当業者に十分に伝達するだろう。
特段の規定がない限り、ここで用いられるすべての技術的及び科学的用語は本発明が属する当該技術分野の当業者に一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本発明の詳細な説明で用いられる用語は、特定の態様を記述するためだけの目的に用いられたものであり、本発明を制限するために意図されたものではない。
特段の文脈指示がない限り、本明細書に開示された本発明の多様な特徴はいかなる組み合わせによっても用いられることができるということが特に意図される。さらに、本発明のいくつかの態様において、本発明は、本明細書に羅列されたいかなる特徴または特徴の組み合わせも除外されたり、省略されることができるものと考えられる。説明のために、明細書に構成成分A、B及びCが含まれた組成物が記載されている場合、A、B、またはCのいずれかまたはその組み合わせが単独で、またはいずれかの組み合わせで省略または排除されることができる。
定義
本明細書で用いられる冠詞(a、anまたはthe)は、一つまたはそれ以上を意味する。例えば、「a cell」とは、単一の細胞または複数の細胞を意味することができる。
また、本発明で用いられる「及び/または」は、羅列された項目と関連し、一つまたはそれ以上のいかなる組み合わせ、及びすべての可能な組み合わせを含むことを示すだけでなく、択一的に(「or」)解釈される場合は組み合わせが除外されると解釈されることもできる。
用語「約」とは、本明細書に記載された投与量(例えば、化合物の量)などのように測定可能な数値で言及される場合、特定の量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または±0.1%の変動を含むことを意味する。
本明細書で用いられる用語である「含む(comprise、comprises、comprising)」は、言及された特徴、整数、段階、作用(operation)、要素(element)、及び/または構成(components)の存在を特定するが、一つまたはそれ以上の特徴、整数、段階、作用、要素、構成、及び/またはこのグループの存在または追加を不可能にするものではない。
本明細書で用いられる移行句である「必須的に〜からなる(consisting essentially of)」は、請求項の範囲が請求項に言及された特定の材料または段階、「及び基本的且つ新しい特徴に実質的に影響を及ぼさないもの」を含むように解釈されなければならないことを意味する。In re Herz,537 F.2d 549,551−52、190 U.S.P.Q.461,463(CCPA 1976)(emphasis in the original)参照;また、MPEP§2111.03参照。したがって、上記用語「必須的に〜からなる」が本発明の請求項及び詳細な説明で用いられる場合、「含む」と同等に解釈されることを意図しない。
本明細書で用いられる用語である「増加(increase、increases、increased、increasing)」及びこれと類似した用語は、少なくとも約25%、50%、75%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、またはそれ以上の増加を示す。
本明細書で用いられる用語である「減少(reduce、reduces、reduced、reduction)」及びこれと類似した用語は、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、35%、50%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、またはそれ以上の減少を示す。特定の態様において、上記減少は、活性または量が発見されないか、本質的に発見されない(即ち、例えば、約10%または5%未満のわずかな量)という結果をもたらす。
本明細書において、「有効量(effective amount)」は、治療的及び/または有利な効果であることができる所望の効果を発生させるために十分な本発明の化合物、組成物及び/または製剤(formulation)の量を示す。上記有効量は、年齢、対象の一般症状、治療される症状の重症度、投与された特定の製剤、治療期間、同時に行われるいかなる治療の特性、用いられた薬学的に許容される担体などの因子によって当該技術分野における当業者の知識及び経験範囲内で異なることができる。「有効量」は、いかなる個別的な場合においても、関連教科書及び文献、及び/または一般的な実験を参考にして当該技術分野の当業者が適切に決定することができる。
用語「治療(treat、treating、treatment of、及びこの文法的な変形)」とは、対象において症状の重症度が低減、少なくとも部分的に向上したり、改善したりすること、及び/または少なくとも一つの臨床的症候(symptom)の軽減、緩和、減少が達成されること、及び/または疾病または障害の進行が遅延されることを意味する。肥満に関して、上記用語は、例えば、肥満指数(BMI)の減少、体重の減少及び/または体脂肪の減少を意味する。一部の実施形態において、治療は体重を少なくとも約5%、例えば、約10%、15%または20%減少させることができる。
本明細書で用いられる「治療的に有効な(treatment effect)」量、即ち、治療的有効量とは、対象を治療(本発明で定義されているような)するのに十分な量を意味する。当該技術分野における当業者は、いくつか(some)の有益な効果が対象に提供されれば、治療の効果が完璧である必要はなく、または治癒力がある(curative)必要もないことを理解する。
用語「予防(prevent、preventing、prevention、及びこの文法的な変形)」とは、対象において疾病、障害及び/または臨床的症候の始まりを予防及び/または遅延させたり、及び/または本発明の方法がない際に発生する可能性がある場合に比べて疾病、障害及び/または臨床的症候の始まりにおける重症度を低減させることを意味する。上記予防は、例えば、疾病、障害及び/または臨床的症候がまったくない完全なものであってよい。また、本発明は、対象において疾病、障害及び/または臨床的症候の発生、及び/または本発明の方法がない際に発生する可能性がある場合に比べて疾病、障害及び/または臨床的症候の始まりにおける重症度が部分的なものであってもよい。肥満に関して、上記用語は、例えば、もし治療が肥満の症状が始まる前に施されると、肥満の発生を予防することを意味する。いくつかの実施形態において、予防は、本発明の化合物の投与がない状態における体重増加量と比較する際、増加した体重が減少することを意味する。
本明細書で用いられる「予防的に有効な」量とは、本発明の方法がない状態と比較する
際、対象において疾病、障害及び/または臨床的症候の始まりを予防及び/または遅延させたり、及び/または対象において疾病、障害及び/または臨床的症候の始まりの重症度を低減及び/または遅延させたりするのに十分な量を意味する。当該技術分野の当業者は、いくつか(some)の有益な効果が対象に提供されれば、予防の水準が完璧である必要がないことを理解する。
本明細書において、「対象(subject)」は、肥満であったり、または肥満が疑われたり、または体重、体重増加の減少、及び/または食物摂取の減少が必要ないかなる動物をも含む。このような対象は、一般的に、哺乳類対象(例えば、ラット、マウス、ギニーピッグ、ウサギ、霊長類などの実験動物)、農場または商業的動物(例えば、牛、馬、ヤギ、ロバ、羊など)、または家畜(例えば、猫、犬、フェレットなど)である。特定の実施形態において、上記対象は霊長類対象、非ヒト霊長類対象(例えば、チンパンジー、ヒヒ、猿、ゴリラなど)または人間である。対象は、あらゆる年齢のメス及び/またはオスを含み、新生児、青少年、成人、及び老人対象を含む。
本発明の方法において、「必要とする対象(subject in need)」は、過体重または肥満を有すると知られている対象、過体重または肥満を有すると疑われる対象、または過体重または肥満の進行が増加するおそれがある対象であることができる。
本明細書で用いられた「肥満指数(body mass index、BMI)」とは、体重(Kg)を身長(m)の2乗で割った割合を意味する。
本明細書で用いられた「過体重(overweight)」とは、成人においてBMIが25〜30である場合を意味する。20歳以下の人の場合、「過体重」は同一年齢比でBMIが85番目〜95番目の百分位数(percentile)である場合と定義される。
本明細書で用いられる用語である「肥満(obesity)」とは、成人においてBMIが30〜40である場合を意味する。20歳以下の人の場合、「肥満」は同一年齢比でBMIが95番目の百分位数(percentile)を超える場合と定義される。本明細書で用いられた通り、上記用語は肥満及び病的(morbid)肥満をともに含むことができる。
本明細書で用いられた「病的(morbid)な肥満」とは、成人においてBMIが40を超える場合を意味する。
本明細書で用いられた「体重(body weight)」とは、対象の身体の重さを意味する。
本明細書で用いられる用語である「体重増加(body weight gain)」とは、対象の身体の重さが時間に伴って増加することを意味する。
本明細書で用いられる用語である「食物摂取(food intake)」とは、食物、飲料、静脈内投与、または経腸栄養を含み、これに制限されないいかなる形態のカロリーを摂取することを意味する。
用語「薬学的に許容される塩またはエステル」とは、本発明で用いられる化合物の非毒性の塩またはエステルを意味する。一般的に、遊離酸を適切な有機または無機塩基と反応させるか、または遊離塩基を適切な有機または無機酸と反応させて製造される。このような塩の例としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、
酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウム、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレソルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、メチル硫酸塩、ムケート、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド、及び吉草酸塩を含むが、これに制限されるものではない。
本明細書に用いられた化合物、治療剤または公知の薬物と本発明の化合物の「併用投与(concomitant administration)」または「組み合わせ投与(combination administration)」とは、公知の医薬または薬物と、これに追加で本発明の化合物のうち一つ以上を、上記公知の薬物と上記本発明の化合物のすべてが治療効果を有することができる時間内で投与することを意味する。いくつかの場合において、この治療効果は相乗的である。このような併用投与は、本発明の化合物の投与と関連して、公知の薬物の同時、事前または後続的な投与であることができる。当該技術分野の当業者は、特定の薬物と本発明の化合物の投与のために適切な時期、順序、及び投与量を容易に決定することができる。
さらに、いくつかの態様において、本発明の化合物は、単独で、またはそれぞれとの組み合わせで、または上述の他の治療剤のうち少なくとも一つの組み合わせとともに、またはこれらの塩またはエステルの形態で、治療を必要とする患者または対象に対して、肥満治療を提供することを目的とする医薬の製造に用いられる。
本発明は、化学式Iで表されるフェニルアルキルアミノカーバメートが新規で且つ独特な薬理学的特性を有することを発見したことにある程度基づく。正確な作用メカニズムが完璧に理解されたわけではないが、上記化学式Iで表される化合物はドーパミンのレベルを増加することによりある程度機能していると考えられる。神経伝達物質であるドーパミンは食物の報酬値(reward value)を媒介し、肥満個体は減少したドーパミン受容体D2の有用性を有することが示された。ドーパミンは動機付け及び報酬回路(reward circuit)を調節し、そのため、肥満個体においてドーパミンの欠如はこのような回路の減少した活動に対する報酬手段として病的な食事を長続きさせる可能性がある。したがって、ドーパミン作用の向上を目標とする戦略は肥満の治療に有益になり得る。アンフェタミン及びアンフェタミン類似薬物はドーパミン信号の刺激に起因して食欲を抑制し、数十年間にわたって肥満治療のための食欲抑制剤として使用されてきたが、これらの食欲抑制の効果は中毒のリスクが高いことと関連している。マウス、ラット、及び犬に対する非臨床実験では、化学式Ibの化合物の投与が、体重の減少及び/または体重の増加だけでなく、食物消費の減少とも関連している。しかし、本発明の化合物は乱用の可能性をはっきり示さず、上記化学式Ibで表される化合物は古典的なラット自己投与モデルで補強せず(not reinforcing)、場所嗜好性(place preference)モデルにおいて顕著な報酬特性を示さなかった。化学式Ibで表される化合物の抗うつ効果を検討する大うつ病性障害患者に対する6週間の臨床研究において、上記化合物は、プラセボ群に比べて用量依存的な体重の減少と関連している。また、上記化合物処理群で食欲不振(anorexia)が増加すると報告された。このような理由で、上記化学式Iで表される化合物は体重減少及び肥満治療に特に適する。
1つの観点で本発明は、化学式I:
Figure 0006529495
(式中、Rは炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び炭素原子数1ないし3のチオアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーであり;
xは0ないし3の整数であり、xが2または3である場合、Rは同一または相違することができ;
1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択されるか;またはR1及びR2は結合して、未置換であるか又は一つ以上のアルキル基若しくはアリール基で置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、該ヘテロ環は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、ここで、前記窒素原子は互いに直接連結されないか又は酸素原子と連結されない。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における肥満を治療する方法であって、前記対象は体重が減少し、それにより肥満を治療する方法に関する。
別の観点において、本発明は、化学式I:
Figure 0006529495
(式中、Rは炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び炭素原子数1ないし3のチオアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーであり;
xは0ないし3の整数であり、xが2または3である場合、Rは同一または相違することができ;
1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択されるか;またはR1及びR2は結合して、未置換であるか又は一つ以上のアルキル基若しくはアリール基で置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、該ヘテロ環は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、ここで、前記窒素原子は互いに直接連結されないか又は酸素原子と連結されない。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における体重または体重増加を減少する方法であって、前記対象は体重が減少する方法に関する。
別の観点において、本発明は、化学式I:
Figure 0006529495
(式中、Rは炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、及び炭素原子数1ないし3のチオアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーであり;
xは0ないし3の整数であり、xが2または3である場合、Rは同一または相違することができ;
1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択されるか;またはR1及びR2は結合して、未置換であるか又は一つ以上のアルキル基若しくはアリール基で置換された5ないし7員のヘテロ環を形成することができ、該ヘテロ環は1ないし2個の窒素原子及び0ないし1個の酸素原子を含むことができ、ここで、前記窒素原子は互いに直接連結されないか又は酸素原子と連結されない。)で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルの治療的有効量を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における食物摂取を減少する方法であって、前記対象は食物摂取が減少する方法に関する。
いくつかの態様において、上記対象は、肥満または病的肥満であり、体重の減少またはさらなる体重増加の減少/予防を必要とする。いくつかの態様において、上記対象は、過体重であり、正常範囲への体重の減少、及び/または体重のさらなる増加、または肥満になることの減少/予防を必要とする。いくつかの態様において、上記対象は、正常体重であり、体重増加の減少/予防を所望する。
上記方法の幾つかの態様において、Rは炭素原子数1ないし3のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし3のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、及びトリフルオロメチル基からなる群より選択されるメンバーである。上記方法の幾つかの態様において、Rは炭素原子数1ないし3のアルキル基、ハロゲン原子、及び炭素原子数1ないし3のアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーである。
上記方法の幾つかの態様において、R1及びR2は、水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、及び炭素原子数3ないし7のシクロアルキル基からなる群より独立して選択される。上記方法の幾つかの態様において、R1及びR2は、水素原子、及び炭素原子数1ないし8のアルキル基からなる群より独立して選択される。上記方法の幾つかの態様において、R1及びR2は、水素原子、及び炭素原子数1ないし3のアルキル基からなる群より独立して選択される。
本発明の化合物の置換基及び置換パターンが、化学的に安定しており、当技術分野において既知の技術並びに本明細書において提供される方法により容易に合成され得る化合物を提供するために当業者により選択され得ると理解される。
1つの態様において、上記化学式Iで表される化合物は、化学式Ia:
Figure 0006529495
で表される化合物、その薬学的に許容される塩またはエステルである。
1つの態様において、上記化学式Iで表される化合物は、R1及びR2が水素原子で、xが0である(D)鏡像体(enantiomer)(化合物Ib)、その薬学的に許容される塩またはエステルである。
Figure 0006529495
この化合物は、(R)鏡像体であり、このような構造によって命名される場合、(R)−(ベータ−アミノ−ベンゼンプロピル)カーバメートである。この化合物は、右旋性(dextrorotary)鏡像体であり、したがって、O−カルバモイル−(D)−フェニルアラニノールとも命名され得る。これらの名称は、本明細書において、相互交換的に用いられ得る。
本発明は、化学式Iで表される化合物の単離された(isolated)鏡像体(例えば、化学式IaまたはIbで表される化合物)の使用を含む。1つの態様において、化学式Iで表される単離されたS−鏡像体を含む医薬組成物は、対象に治療を提供するために使用される。別の態様において、化学式Iで表される単離されたR−鏡像体を含む医薬組成物は、対象に治療を提供するために使用される。
本発明はまた、化学式Iで表される鏡像体の混合物の使用を含む。本発明の1観点において、一つの鏡像体が優勢である(predominate)。混合物内で優勢な鏡像体は、混合物内に存在するいかなる他の鏡像体よりも多くの量、例えば、50%より多い量で存在する鏡像体である。1観点において、一つの鏡像体は、90%程度または91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または98%、またはそれ以上の程度まで優勢なものである。1つの態様において、化学式Iで表される化合物を含む組成物内で優勢な上記鏡像体は化学式Iで表されるS−鏡像体である。
本発明は、化学式Iで示される化合物の鏡像体及び鏡像体混合物の使用方法を提供する。化学式Iで表されるカーバメート鏡像体は、ベンジル位に非対称の不斉炭素を含むが、これはフェニル環に隣接した2番目の脂肪族炭素である。
単離された一つの鏡像体は、対応する鏡像体が実質的に存在しない鏡像体である。よって、単離された鏡像体は、分離技術を通じて分離されたか又は対応する鏡像体が存在せずに製造された化合物を言及する。
本明細書で用いられる用語である「実質的に存在しない(free)」は、上記化合物が、一つの鏡像体が非常に大きな比重を占めることを意味する。好ましい態様において、上記化合物は少なくとも約90質量%の一つの鏡像体を含む。本発明の他の態様において、上記化合物は少なくとも約99質量%の一つの鏡像体を含む。
化学式Iで表される化合物は、当該技術分野の当業者に既知の方法によって合成され得る。化学式Iで表される化合物の塩及びエステルは、適切な溶媒内において上記化合物を適切な無機酸または有機酸(HX)で処理するか又は当業界に周知の他の手段によって製造され得る。
化学式Iで表される化合物並びに特定の化合物の製造における代表的な例を合成のための反応スキームの詳細は、米国特許第5,705,640号、米国特許第5,756,817号、米国特許第5,955,499号、及び米国特許第6,140,532号に記述されているが、それらの全内容は全てここに参照として組み込まれる。
化学式1により、本発明の化合物のいくつかが少なくとも一つの及びもしかするとそれ以上の非対称炭素原子を有することが明確である。本発明の化合物の立体化学的に純粋な異性体だけでなく、これらのラセミ体(racemate)も本発明の範囲内に含まれるように意図される。立体化学的に純粋な異性体は、当該技術分野で既知の原理を適用して得られ得る。ジアステレオ異性体は分別結晶化及びクロマトグラフィ技術のような物理的分離方法によって分離され得、鏡像体は光学的活性酸または塩基を用いたジアステレオマー(diastereomeric)塩の選択的結晶化またはキラルクロマトグラフィーによって互いに分離され得る。純粋な立体異性体はまた、立体化学的に純粋である適切な出発物質からまたは立体選択的反応を使用することにより製造され得る。
本発明の化合物を製造するためのいかなる製造工程の間も、考慮されるいかなる分子上の不安定な基または反応基も保護することが必須及び/または望ましいものであり得る。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.w.McOmie,Plenum Press,1973;及びT.W.Green&P.G.M.Wuts,Protective Groups in
Organic Synthesis,3版,John Wiley&Sons、1999に記述されているような従来の保護基の手段により達成され得る。。上記保護基は、便宜上、当該技術分野において既知の方法を用いて後続の段階で除去され得る。
上記化合物は、経口(oral)、口腔(buccal)、局所(topical)、全身(systemic)(例えば、経皮、鼻腔又は座薬により)または非経口(例えば、筋肉内注射、皮下注射、または静脈注射)を含むが、これらに限定されないあらゆる従来の投与経路により対象に投与され得る。上記化合物を直接神経系に投与する方法も含まれることができる。神経系への直接的な本化合物の投与は、例えば、頭蓋内ニードルまたは脊椎内ニードル、またはポンプ装置を用いるか又は用いないカテーテルを介した送達による大脳内、脳室内、脳血管内(intracerebralventricular)、脊椎腔内、大槽内(intracisternal)、脊髄内または脊髄周辺(peri−spinal)の投与経路への投与を含み得る。投与経路に依存して、化学式Iで表される化合物はあらゆる形態に構成され得る。例えば、経口投与に適切な形態は、丸薬(pills)、ジェルキャップ(gelcaps)、錠剤、カプレット(caplets)、カプセル、グラニュール、及び粉末(それぞれ即時放出、時限放出、及び持続放出製剤を含む)のような固体形態を含む。経口投与に適切な形態はまた、溶液、シロップ、エリキシル、エマルション、及び懸濁液のような液体形態を含む。さらに、非経口投与に有用な形態は、滅菌溶液、エマルション、及び懸濁液を含む。
特定の態様において、本発明の医薬組成物は、いかなる医薬担体または賦形剤も伴うことなく、一つ以上の化学式Iで表される化合物またはその塩またはエステルを含む。他の態様において、本発明の医薬組成物は、従来の薬剤配合技術に従って医薬担体と密接に混合された一つ以上の化学式Iで表される化合物またはその塩またはエステルを含む。。担体は、バインダー、懸濁化剤、潤滑剤、香料、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティング剤を含むが、これらに制限されない不活性医薬賦形剤である。経口投薬形態における組成物調製において、いかなる一般的な医薬担体も利用され得る。例えば、液体経口調剤薬のために、適切な担体及び添加剤は、水、グリコール、オイル、アルコール、香料、保存剤、着色剤などを含み;固体経口調剤薬のために、適切な担体及び添加剤は、澱粉、糖、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを含む。
組成物は、錠剤、丸薬、カプセル、半固体、粉末、持続放出製剤(sustained
release formulations)、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、エリキシル、エアロゾル、またはいかなる他の適切な組成物の形態をも取り得;そして、少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤との任意の組み合わせにおける少なくとも一つの本発明の化合物を含む。適切な賦形剤は、当該技術分野の一般の当業者に周知であり、それら及び組成物の配合方法は、Alfonso AR:Remington’s
Pharmaceutical Science,17版 ed.,Mack Publishing Company,Easton PA,1985のような標準参考文献で発見することができるが、その全体の内容及び目的は本明細書に参考文献として組み入れられる。適切な液体担体、特に注入可能な溶液のための適切な液体担体としては、水、水性塩水、水性デキストロース溶液、及びグリコールを含む。
上記カーバメート化合物は水性懸濁液として提供され得る。本発明の水性懸濁液は、カーバメート化合物を水性懸濁液の製造に適切な賦形剤とともに混合して含むことができる。このような賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムのような懸濁化剤、及び天然由来のリン脂質(例えば、レシチン)、アルキルレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノ−オレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−オレエート)のような分散剤または湿潤剤を含み得る。
上記水性懸濁液はまた、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエートのような一つ以上の保存剤、一つ以上の着色剤、一つ以上の香料、及びスクロース、アスパルテームまたはサッカリンのような一つ以上の甘味料も含有し得る。製剤は浸透圧で調節され得る。
本発明の方法における使用のためのオイル(oil)懸濁液は、カーバメート化合物をアラキスオイル、オリーブオイル、胡麻オイルまたはココナツオイルのような植物性オイルに、または液体パラフィンのような鉱油に;またはこれらの混合物中に懸濁することにより配合し得る。上記オイル懸濁液は、蜜蝋(beeswax)、ハード(hard)パラフィンまたはセチルアルコールのような増粘剤を含有し得る。口当たりがいい経口調剤薬を提供するために、グリセロール、ソルビトール、またはスクロースのような甘味料が添加され得る。これらの製剤は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存され得る。注入可能なオイルビヒクルの例として、Minto,J.Pharmacol.E
xp.Ther.281:93(1997)を参考することができる。本発明の上記医薬製剤はまた、水中油エマルション(oil−in−water emulsion)の形態であり得る。上記オイル相(phase)は、上述の植物性オイルまたは鉱油、またはこれらの混合物であり得る。
適切な乳化剤は、アカシアゴム及びトラガカントゴムのような天然由来のゴム、大豆レシチンのような天然由来のリン脂質、ソルビタンモノ−オレエートのような脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分エステル、及びポリオキシエチレンソルビタンモノ−オレエートのようなこれらの部分的エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物を含む。上記エマルションはまた、シロップ及びエリキシル剤の製剤として甘味剤及び香味剤も含有し得る。このような製剤はまた、粘滑剤(demulcent)、保存剤、または着色剤も含有し得る。
上記選択された化合物は、単独でまたは他の適切な成分との組み合わせにおいて吸入を介して投与されるエアロゾル製剤(即ち、これらは「噴霧(nebulized)」され得る)にされ得る。。エアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などのような加圧された許容される推進剤内に入れられ得る。
例えば、関節内(intraarticular)(in the joint)、静脈内、筋肉内、表皮内、腹腔内、及び皮下内経路のような非経口投与に適切な本発明の製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び上記製剤を対象となる受容者の血液と等張状態になるようにする溶質を含有し得る水性及び非水性の等張滅菌注射溶液、及び懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、及び保存剤を含み得る水性及び非水性の滅菌懸濁液を含み得る。許容されるビヒクル(vehicle)及び溶媒の中で利用され得るものは、水及びリンゲル(Ringer’s)溶液、等張の塩化ナトリウムである。さらに、滅菌の固定油(fixed oils)は、溶媒または懸濁媒質として通常的に利用され得る。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌性(bland)の固定油が利用され得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸も注射可能な物質の配合物において同様に使用し得る。これらの溶液は滅菌され、一般的に有害物質を含まない。
上記化合物が十分に可溶性である場合、これらはプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのような適切な有機溶媒とともに、またはこれを使用せずに通常の塩水に直接溶解され得る。微粉化された化合物の分散液が水性澱粉またはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液、またはアラキスオイルのような適切なオイルによって製造され得る。これらの製剤は、従来の、周知の滅菌技術で滅菌され得る。上記製剤は、生理的条件に近づけるために必要なものとして、pH調節剤及び緩衝剤、毒性調節剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどのような薬学的に許容される補助物質(auxiliary substance)を含有し得る。
これらの製剤におけるカーバメート化合物の濃度は非常に広範であり得、選択された特定の投与様式及び患者の必要性に応じて、主に液量、粘度、体重などに基づいて選択され得る。IV投与のために、上記製剤は、滅菌の注射可能な水性または油性懸濁液のような滅菌注射用配合物であり得る。上記懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤と懸濁化剤を用いて公知の技術によって配合され得る。上記滅菌注射用配合物はまた、1,3−ブタンジオールの溶液のような、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒における滅菌の注射可能な溶液または懸濁液でもあり得る。推薦される上記製剤は、アンプル及びバイアル(vial)のような、単位用量(unit−dose)または複数回用量(multi−dose)の密封容器で存在し得る。注射溶液及び懸濁液は、上述の種類の滅菌粉末
、グラニュール、及び錠剤から製造され得る。
本発明の実施における使用のために適切なカーバメート化合物は、経口で投与され得る。組成物内の本発明の化合物の量は、組成物のタイプ、単位用量のサイズ、賦形剤の種類、及び当該技術分野の当業者に周知の他の要素により広範に変化し得る。一般的に、上記最終組成物は、残りが賦形剤(単数)又は賦形剤(複数)であることを伴って、例えば、0.000001質量%(%w)ないし100%w、例えば、0.00001%wないし50%wのカーバメート化合物を含み得る。
経口投与のための医薬製剤は、経口投与に適切な当該技術分野において周知の薬学的に許容される担体を用いて配合され得る。このような担体は、医薬製剤が錠剤、丸薬、粉末、糖衣錠、カプセル、リキッド(liquids)、トローチ剤(lozenge)、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして、患者が摂取するのに適切な単位用量形態で配合されることを可能にする。他の態様において、経口投与のための医薬製剤はいかなる薬学的に許容される担体も使用せずに配合され得る。
経口投与に適切な製剤は、(a)水、塩水またはPEG 400のような希釈剤に懸濁された有効量の医薬製剤のような液体溶液;(b)液体、固体、グラニュールまたはゼラチンとして、予め決められた量の活性成分をそれぞれ含有するカプセル、サシェ(sachet)または錠剤;(c)適切な液体における懸濁液;及び(d)適切なエマルションから構成され得る。
経口使用のための医薬配合物は、本発明の化合物を固体賦形剤と混合し、得られた混合物を任意に粉砕し、所望により適切な追加の化合物を添加した後、グラニュールの混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コア(core)を得ることを介して得られ得る。適切な固体賦形剤は、炭水化物またはタンパク質フィラー(filler)であり、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;トウモロコシ、小麦、米、じゃがいも、または他の植物からの澱粉;メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース;及びアラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム;並びにゼラチン及びコラーゲンのようなタンパク質を含むが、これらに制限されるものではない。
所望により、架橋結合したポリビニルピロリドン、寒天(agar)、アルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムのようなその塩のような、崩解剤または可溶化剤が添加され得る。錠剤形態は、一つまたはそれ以上のラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、トウモロコシ澱粉、じゃがいも澱粉、微晶質セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及び他の賦形剤、着色剤、フィラー、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香料、染料、崩解剤、及び薬学的に相溶性のある担体(compatible)を含み得る。トローチ剤(lozenge)形態は、スクロースのような香味料(flavor)内に活性成分を含むことができ、同様に、トローチは、ゼラチン及びグリセリンまたはスクロース及びアカシアエマルション、ゲルなどのような非活性塩基内に活性成分を含み、該活性成分に加えて当該技術分野において公知の担体を含む。
本発明の化合物はまた、薬剤の直腸投与のための座薬の形態でも投与され得る。これらの製剤は、該薬剤を、通常の温度では固体であるが直腸の温度では液体であり、そのため直腸で溶けて薬を放出する適切な非刺激(nonirritating)賦形剤と混合することにより製造され得る。このような物質としては、ココアバター及びポリエチレングリコールがある。
本発明の化合物はまた、座薬、吸入、粉末及びエアロゾル製剤を含む鼻腔内、眼球内、膣内、及び直腸内の経路でも投与され得る(ステロイド吸入器の例として、Rohatagi,J.Clin.Pharmacol.35:1187(1995);Tjwa,Ann.Allergy Asthma Immunol.75:107(1995)参考)。
本発明の化合物は、アプリケータースティック(applicator stick)、溶液、懸濁液、エマルション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、ペイント、粉末、及びエアロゾルとして配合されて局所の経路によって経皮的に送達され得る。
カプセル化物質(Encapsulating materials)がまた、本発明の化合物とともに利用され得るが、上記用語「組成物(composition)」は、担体を伴うか又は伴わない、製剤としてカプセル化物質と組み合わせた活性成分を含み得る。例えば、本発明の化合物はまた、体内でゆっくり放出させるために、微小球体(microsphere)として送達され得る。1つの態様において、微小球体は、生物分解性及び注射ゲル製剤として(例えば、Gao,Pharm.Res.12:857(1995)参考);または経口投与用微小球体として(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669(1997)参考);微小球体含有薬(例えば、ミフェプリストン)の皮内(intradermal)注入を通じて投与されることができ、上記微小球体は皮下に徐々に放出される(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623(1995))。経皮及び皮内の経路の両方が数週または数ヶ月間にわたる持続性の送達をもたらす。カシェー(cachet)がまた、本発明の化合物の送達において使用され得る。
別の態様において、本発明の上記化合物は、細胞膜と融合するか又は取り込まれる(endocytosed)リポソームの利用により、即ち、結果として飲食作用(endocytosis)を生じる細胞の膜タンパク質受容体の表面に結合するリポソームに付随するリガンドを利用することにより送達され得る。上記活性成分はまた、小さい単層ラメラ小胞、大きい単層ラメラ小胞、及び多層ラメラ小胞のようなリポソーム送達システムの形態でも投与され得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンのような多様なリン脂質から形成されることができる。
リポソームの使用により、特にリポソームの表面が標的細胞に特定のリガンドを運搬したり、もしくは優先的に特定の器官に向かう場合、生体内におけるカーバメート化合物の標的細胞内への送達に着目し得る(Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293(1996);Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698(1995);Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576(1989)参考)。
活性薬剤(active drug)はまた、化合物分子が結合する個別の担体としてモノクローナル抗体を用いても送達され得る。活性薬剤はまた、標的可能な薬剤担体として可溶性ポリマーと結合し得る。このようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシ−プロピル−メタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチル−アスパルタミド−フェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリシンを含むことができる。さらに、活性薬剤は薬剤の調節放出(controlled release)を得るのに有用な生分解性ポリマー類、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリイプシロン
カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋結合または両親媒性のブロック共重合体と結合することができる。
特定の態様において、上記組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下または直腸投与、または吸入(inhalation)または吹送(insufflation)による投与のための錠剤、丸薬、カプセル、粉末、グラニュール、滅菌非経口溶液または懸濁液、計量(metered)エアロゾルまたは液体スプレー、ドロップ(drops)、アンプル、自動注入装置または座薬のような単位用量形態(unit dosage form)である。
或いは、上記組成物は、週に1回または月に1回の投与に適切な形態で存在し得;例えば、デカン酸塩のような活性化合物の不溶性塩が採用されて筋肉内注入のためのデポー(depot)製剤を提供することができる。
本明細書において、上記医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、粉末、注射剤、茶さじ一杯(teaspoonful)、座薬などの用量単位(dosage unit)当たりに、上記されたような有効量(effective dose)を送達するのに必要な活性成分の量を含有する。例えば、本明細書における上記医薬組成物は、単位用量当たりに約10ないし約1000mgの活性成分を含有することができ、例えば、約25ないし約600mgの活性成分、例えば、約75ないし約400mgの活性成分、例えば、約25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575または600mg、またはそれ以上、またはそのいずれかの様々な範囲である。
本発明のいくつかの態様において、この本発明の実施における使用のために適切なカーバメート化合物は、単独で、または少なくとも一つの他の化合物または治療剤、例えば、肥満を治療し、及び/または体重もしくは食物摂取の減少を手助けする他の製剤と併用して投与されることができる。肥満治療、及び/または体重もしくは食物摂取の減少を手助けする上記治療剤の例は、レプチン、レプチンアゴニスト(agonists)、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オルリスタット、神経ペプチドYlまたはY5拮抗薬(antagonists)、カンナビノイドCB1受容体拮抗薬または逆アゴニスト(inverse agonist)(例えば、リモナバン(ACOMPLIA)、オテナバン、イビナバン、スリナバン)、メラノコルチン受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリン拮抗薬、メラニン凝集ホルモン(MCH)受容体拮抗薬、CD38阻害剤(inhibitors)、RP105阻害剤、MD−1阻害剤、PYY(3−36)またはPYY(3−36)アゴニスト、アミリンまたはアミリンアゴニスト、CCKまたはCCKアゴニスト、エキセンジンまたはエキセンジンアゴニスト、CNTFまたはCNTFアゴニスト、セロトニン再摂取阻害剤、セロトニン輸送阻害剤、5HT2cアゴニスト、GLP−lまたはGLP−1アゴニスト、DPP−IV阻害剤、オピオイド拮抗薬、オレキシン拮抗薬、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5の拮抗薬、ヒスタミン3拮抗薬/逆アゴニスト、及びトピラマートを含むが、これに制限されるものではない。
本発明のいくつかの態様において、この本発明の実施における使用のために適切なカーバメート化合物は、栄養制限食、及び/または運動のような行動修正と一緒に投与され得る。
上記方法は、治療または予防が必要な患者に対し、本発明の化合物の効果を増加させる能力のような有利な複合効果を提供する能力を有する一つ以上の他の化合物または治療剤の有効量との組み合わせにおける本明細書に開示された上記カーバメート化合物の一つの有効量を投与する段階を含む。
薬学的に許容される塩及びエステルは、薬学的に許容され、所望する薬学的特性を有する塩及びエステルを言及する。このような塩は、化合物内に存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応できる場合に形成されることができる塩を含む。適切な無機塩は、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムと形成されたものを含む。適切な有機塩は、アミン塩基のような有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、Nメチルグルカミンなどと形成されたものを含む。薬学的に許容される塩はまた、親化合物内のアミン部が無機酸(例えば、塩酸及び臭化水素酸)及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸、並びにメタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸のようなアルカン−及びアレン−スルホン酸)との反応から形成された酸付加塩も含むことができる。薬学的に許容されるエステルは、化合物内に存在するカルボキシ基、スルホニルオキシ基、及びホスホノオキシ基から形成されたエステルを含む。2つの酸性基が存在する場合、薬学的に許容される塩またはエステルは、モノ−酸−モノ−塩またはエステルまたはジ−塩またはエステルであることができ;同様に2つ以上の酸性基が存在する場合、このような基の一部またはすべてが塩にされたり又はエステル化されることができる。
本発明で命名された化合物は、塩にされていないかまたはエステル化されない形態、または塩にされた及び/またはエステル化された形態で存在することができ、そして、このような化合物の命名は、本来の化合物(塩にされておらず及びエステル化されないもの)とその薬学的に許容される塩及びエステルの両方を含むことが意図される。本発明は、化学式Iの薬学的に許容される塩及びエステルの形態を含む。化学式Iで表される鏡像体の一つ以上の結晶形態が存在することができ、これも本発明に含まれる。
本発明の医薬組成物は、カーバメート化合物に加えて、肥満の治療、及び/または体重及び/または食物摂取の減少に有用な少なくとも一つの他の治療剤を任意に含有することができる。例えば、化学式Iで表されるカーバメート化合物は、多剤混合薬(fixed
dose combination)で他の化合物と物理的に結合して投与を単純化することができる。
医薬組成物の配合方法は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets.第2版.Revised and Expanded.Volumes 1−3,Liebermanなどが編集;Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications.Volumes 1−2,Avis等が編集;及びPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems.Volumes 1−2,Lieberman等が編集;Marcel Dekker,Incで出版された多様な文献に記述されており、これらの全体の内容及びすべての目的は本明細書に参考文献として組み入れられる。
上記医薬組成物は、一般的に、滅菌され、実質的に等張性であり、米国の食品医薬品局の優秀医薬品製造管理基準(Good Manufacturing Practice(GMP))の規則を徹底的に遵守して配合される。
本発明は、カーバメート化合物を用いて対象において肥満を治療または予防し、及び/または、体重及び/または食物摂取の減少を提供する方法を提供する。肥満の治療または予防を提供するために必要なカーバメート化合物の量は、治療的または薬学的有効量として定義される。上記投薬(dosage)スケジュール及びこのような用途に効果的な量、即ち、調剤(dosing)または投与計画(dosage regimen)は、疾病の段階、患者の肉体的状態、年齢などを含む多様な要素に依存する。患者のための投与
計画(dosage regimen)を計算するにあたり、投与形態も考慮される。
当該技術分野における当業者は、不要な実験をせずに、技術及び本明細書とともに本発明の実施のために、特定の置換カーバメート化合物の治療的有効量を決定することができる(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(Vols.1−3,1992);Lloyd,1999,The art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding;及びPickar,1999,Dosage Calulations参考)。治療的有効量はまた、治療的に有益な効果が、活性成分のいかなる毒性または有害な副作用よりも臨床的観点において大きい。さらに、それぞれの特定の対象、特定の投与計画は、個別のニーズ、及び上記化合物の投与を管理または監督する人の専門的な診断に従って、時間と共に評価及び調整されるべきことが補足説明される。
治療の目的として、本明細書に開示された上記組成物または化合物は、単回のボーラス(bolus)送達において、長期間にわたる連続的な送達を介して、または反復的な投与プロトコルにおいて(例えば、毎時間、毎日、または毎週繰り返される投与プロトコル)患者に投与されることができる。本発明の医薬製剤(剤形)は、例えば、毎日1回、またはそれ以上、1週間に3回、または1週間に1回投与されることができる。本発明の1つの態様において、本発明の上記医薬製剤は、経口で毎日1回または2回投与される。
このような文脈において、生物活性剤の治療的有効量は、臨床的に注目すべき結果をもたらす脱力発作(cataplexy)に対する治療を提供するために、長期の治療計画内における反復的な投薬を含むことができる。このような文脈における投与量の決定は、人間の臨床試験にてフォローされる動物モデルの典型的な研究に基づくものであり、対象で目標とする症候または症状の発現または深刻性を顕著に減少させる有効量及び投与プロトコルを決定することにより導かれる。このような点で適切なモデルは、例えば、ネズミ科の動物(murine)、ラット、豚、猫、人間ではない霊長類、及び当該技術分野において知られている他の許容される動物モデルの対象を含む。さもなくば、有効量は、試験管内(in vitro)のモデルを用いて決定されることができる(例えば、免疫学的及び組織病理学的解析)。
このようなモデルを用いて、生物活性剤の治療的有効量(例えば、所望する反応を誘導するために、経口投与に有効な、または鼻腔内投与に有効な、経皮内の投与に有効な、静脈内投与に有効な、または筋肉内の投与に有効な量)を投与するための適切な濃度及び投与量を決定するために、通常の計算及び調節が一般的に求められる。しかし、上記有効量は、用いられた特定の化合物、投与方式、製剤(preparation)の強度、投与モード及び疾病の症状の進行程度によって変化し得る。さらに、患者の年齢、体重、食事、及び投与時間を含む治療される特定の患者と関連する要素は、結果として用量を調整することを必要とする。
本発明の例示的な態様において、標準投与方法(standard administration regimens)のために本化合物の単位用量形態が調製される。このようにして、上記組成物は、医者の指示に従ってより少ない投与量で適切に細分化されることができる。例えば、単位用量は、包装された粉末、バイアル、またはアンプル、また、好ましくは、カプセルまたは錠剤形態に作られ得る。
本発明のカーバメート化合物の効果的な投与は、例えば、経口または非経口投与用量で約0.01mg/kg/用量(dose)ないし約150mg/kg/用量で投与されることができる。例えば、投与は、約0.1mg/kg/用量ないし約25mg/kg/用量、例えば、約0.2ないし約18mg/kg/用量、例えば、約0.5ないし約10m
g/kg/用量である。したがって、上記活性成分の治療的有効量は、例えば、平均体重70kgの対象に対して約1mg/日ないし約7000mg/日、例えば、約10mg/日ないし約2000mg/日、例えば、約50mg/日ないし約600mg/日、例えば、約10、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575または600mg/日、またはそれ以上またはこのような範囲内のいずれかの範囲であることができる。1つの態様において、上記化学式(I)で表される化合物は、カプセル形態でいかなる賦形剤も無く約150mg〜約300mgの用量(dose)で投与される。
本発明の方法はまた、肥満の治療または予防及び/または、体重及び/または食物摂取の減少の提供における使用のためのキットも提供する。治療に有意義な一つまたはそれ以上の化合物の追加とともに、一つまたはそれ以上の本発明のカーバメートを含む医薬組成物は、適切な担体に配合した後、適切な容器に配置され得、肥満の治療または予防及び/または、体重及び/または食物摂取の減少を提供するために表示(labeled)され得る。さらに、少なくとも一つの他の治療剤を含む他の薬も同様に容器に入れられ、指示された疾病の治療のために表示され得る。このような表示は、例えば、各薬に対する量、頻度、及び投与方法に関する指示を含むことができる。
本明細書で言及されている通り、同一の内容が下記実施例を通じてより詳細に説明されるが、それは本発明を説明する目的のためだけに本明細書に含まれるもので、本発明を制限することを意図するものではない。
実施例1
ラットにおける体重及び食物消費に対するR228060の効果
R228060(化学式Ib)に対して3ヶ月間の回復期間を伴う6ヶ月間の反復経口投与毒性試験をラットにおいて行った。研究が行われる間、体重及び食物消費をモニタリングした。
体重
35mgのHCl塩/kg体重/日でR228060を投与したオスの体重及び体重増加が対照群のラットと比較してやや低く、8週ないし12週(体重の増加:p<0.05)及び10週ないし12週(体重:p<0.05)で統計的有意性に及んだ。体重増加は13週に6%減少し、26週に5%減少した。6ヶ月連続の35mgのHCl塩/kg体重/日におけるR228060の経口投与はメスのラットの体重及び体重増加に悪影響を及ぼさなかった。
300mgのHCl塩/kg体重/日で投与されたオスにおいて、投与の第1週から体重及び体重増加に顕著な減少(P<0.001)が表れた。体重増加は13週に27%減少し、26週に24%減少した。同一の用量レベルにおけるメスにおいて、体重増加は特に投与期間の終わりに近づくにつれて緩やかな(moderate)な減少から顕著な減少(p<0.05−0.001)が表れた。体重増加は13週に対照群と比較して15%減少したのに対して、26週に23%減少した。これは、体重の緩やかな減少をもたらした(p<0.05−0.001)。
600/450mgのHCl塩/kg体重/日でR228060が投与されたオスは第1週以降から体重及び体重増加に顕著な減少を表した(p<0.001)。体重増加は13週に33%減少し、26週に32%減少した。メスにおいて体重増加の緩やかな減少から顕著な減少(p<0.05−0.001)が投与第1週から記録された。体重増加は13週に18%減少し、26週に21%減少した。これは、体重の緩やかな減少をもたらし
た(p<0.05−0.001)。回復第1週の始まりにおける体重増加から立証されたように、オスのラットは治療の中断後にそれらの正常(対照)体重の部分的回復を示した。3ヶ月の回復期間の終わりに対照群の動物と比較したとき、体重は依然として適度に低かった。類似した発見がメスでも記録され、正常体重の部分的回復の結果をもたらした。対照群の動物と比較するとき、600/450mgのHCl塩/kgが投与されたメスにおいて回復期間後に残っている体重との差異はやや低いものに過ぎなかった。
結果的に、体重及び体重増加は、オスで35mgのHCl塩/kg体重/日、また、メスで300mgのHCl塩/kg体重/日で用量依存的な減少が始まることを示した。処理期間の終わりにおいて体重増加がオス及びメスに対してそれぞれ32%及び21%まで減少する結果をもたらした。3ヶ月の回復期間後の体重減少は部分的に(オス)ないしほぼ完全に(メス)元に戻った(regained)。
食物消費
特に投与第1週目の間、両方の性種(sexes)のための食物消費における用量依存的な減少は、オスで35mgのHCl塩/kg体重/日、メスで300mgのHCl塩/kg体重/日で始まることを表した。これは、300及び600/450mgのHCl塩/kg体重/日のレベルで統計的に有意な減少をもたらした。投与量のレベルに依存して、正常な食物消費のレベルが時間とともに(in time)回復した。オスで600/450mgのHCl塩/kg体重のレベルで食物摂取が治療開始以降約12週後に正常に回復した。メスではさらに早まって食物摂取が治療開始以降約4週後に正常に回復した。一般的に、正常な食物消費レベルを回復した後は、食物摂取において関連する変化がこれ以上表れなかった。メスの35、300及び600/450mgのHCl塩/kg体重のレベルの食物消費において上記表れた統計的に有意な増加は毒物学上(toxicologically)無関係なものと見なされた。
結果的に、食物消費において用量依存的な減少が両方の性種ともに表れ、特にオスで35mgのHCl塩/kg体重/日及びメスで300mgのHCl塩/kg体重/日の治療第1週の始まりにおいて表れた。300及び600/450mgHCl塩/kg体重のレベルで、このような減少は統計的に有意であった。用量レベルと性別に依存して、正常な食物消費のレベルが時間とともに(in time)回復した。オスにおける食物消費はメスと比較して正常レベルへの回復が遅かった(それぞれ治療開始後の約12または4週)。
実施例2
犬における体重及び食物消費に対するR228060の効果
R228060(化学式Ib)に対して13週の回復期間を伴う52週間の反復経口投与毒性試験をビーグル(犬)において行った。研究が行われる間、体重及び食物消費をモニタリングした(表1参考)。
体重
25または50mg/kg bw/日で投与されたすべてのオスの体重減少が開始以降4日間で表れ、それぞれ0.3kg及び0.7kgの平均体重が減少した。上記平均体重の減少は、高用量のオス群で21日に0.8kgに達し、体重が126日に初期値に回復したのに対して、25mg/kg bw/日が投与されたオス群は35日に初期重量に回復した。
体重減少はまた、治療開始4日間10、25または50mg/kg bw/日で投与されたすべてのメスで同様に表れ、それぞれ0.4kg、0.5kg及び0.7kgの平均体重が減少した。上記平均体重の減少は、高用量のメス群で21日に0.8kgに達し、
77日に初期重量に回復したのに対して、10または25mg/kg bw/日が投与されたメス群は28日及び42日にそれぞれ初期重量に回復した。
より低い用量(lower doses)と関連する平均体重の増加は、一般的に、対照群と比較して治療群で182日及び364日に表された。
グループ4のメス群は、対照群と比較して無治療期間で高い体重増加を表したのに対して、グループ4のオス群では僅かに高い体重増加だけを表した。
Figure 0006529495
食物摂取
25mg/kg bw/日が投与された一匹のオスは治療第1週間の間で対照群と比較して食物消費の減少(約−40%)を表した。
50mg/kg bw/日が投与されたオスらは主に治療第1週間で減少した食物消費(1日分(daily portion)の約−50%)を表し、一部はさらに影響を受けて42日まで、また、いくつかの場合は治療期間の最後まで依然として低い食物消費を表した。
10mg/kg bw/日が投与されたメス4匹のうち3匹は治療第1週で僅かに低い食物消費(1日分(daily portion)の約−25%)を表した。25mg/kg bw/日が投与されたメスも治療第1週間は低い食物消費(1日分(daily portion)の約−25%ないし約−50%)を表した。このことは、治療期間全体に亘る2匹のメスで更に何度も言及された。3/6の動物で記録された低い食物消費は、治療第1週間で50mg/kg bw/日が投与されたすべてのメスで観察された。その後、食物消費は、残りの治療期間の間で散発的な(sporadic)変化だけを伴って、一般的に正常数値に回復した。無治療期間では食物消費に対するいかなる影響もないことがすべての動物に表れた。
実施例3
ヒトの体重に対するR228060の効果
6週間の無作為の、二重盲検(double blind)、並列群(parallel−group)、活性及びプラセボ対照の研究を、大うつ病性障害(MDD)を有する
成人対象においてR228060の効能を評価するために実施した。研究が行われる間、体重をモニタリングした。
表2は治療群の基準値(baseline)から終点(endpoint)までの体重の変化を纏めたものである。R228060が投与された対象は200mg群で0.6kg及び400mg群で0.9kgの平均体重の減少を経験したのに対して、プラセボまたはパロキセチンが投与された対象はそれぞれ0.7kg及び0.1kgの平均体重の増加を経験した。
Figure 0006529495
表3は治療群の基準値から終点までの重量のパーセント変化の分布を示す。R228060が投与された4名の対象(200mg群のうち1[0.9%]、400mg群のうち3[2.5%])は7%以上の重量減少を示す。重量に変化がないか、7%未満減少した対象のパーセントはプラセボ群またはパロキセチン群よりR228060で大きかった。これに相応して、7%未満の重量増加を表した対象のパーセントはR228060群よりプラセボ群及びパロキセチン群で高かった。
Figure 0006529495
基準値から終点までのBMIの平均変化は少なかった(R228060の200mg及び400mgのそれぞれに対して−0.23kg/m2及び−0.3kg/m2VSプラセボ及びパロキセチンのそれぞれに対して0.2kg/m2及び0)。
本明細書で提示されたすべての出版物、特許出願、特許、及び他の引用文献は、上記引用文献に存在する文章及び/または段落と関連する教えのために、また、適用可能ないかなる他の目的のために全体的に参考文献として組み入れられる。

Claims (12)

  1. 他の鏡像体(enantiomer)が実質的に存在しないか又は化学式(Ib)で表される化合物が優勢(predominates)な鏡像体の混合物である化学式(I):
    Figure 0006529495
    表される化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を含む、体重の減少により肥満を治療するための薬剤。
  2. 他の鏡像体(enantiomer)が実質的に存在しないか又は化学式(Ib)で表される化合物が優勢(predominates)な鏡像体の混合物である化学式(I):
    Figure 0006529495
    表される化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を含む、体重または体重増加を減少するための薬剤。
  3. 他の鏡像体(enantiomer)が実質的に存在しないか又は化学式(Ib)で表される化合物が優勢(predominates)な鏡像体の混合物である化学式(I):
    Figure 0006529495
    表される化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を含む、食物摂取を減少するための薬剤。
  4. 前記化学式(I)で表される鏡像体は、約90%以上の程度まで優勢である、請求項1ないし3の何れか一項に記載の薬剤。
  5. 前記化学式(I)で表される鏡像体は、約98%以上の程度まで優勢である、請求項1ないし3の何れか一項に記載の薬剤。
  6. 前記化学式(Ib)で表される化合物は、約90%以上の程度まで優勢である、請求項1ないし5の何れか一項に記載の薬剤。
  7. 前記化学式(Ib)で表される化合物は、約98%以上の程度まで優勢である、請求項1ないし5の何れか一項に記載の薬剤。
  8. 前記化学式(I)で表される化合物の有効量は、約0.01mg/kg/用量(dose)ないし約150mg/kg/用量である、請求項1ないしのいずれか一項に記載の薬剤。
  9. 前記化学式(I)で表される化合物の有効量は、約1mg/kg/日ないし約7000mg/kg/日である、請求項1ないしのいずれか一項に記載の薬剤。
  10. 前記薬剤は、経口で投与される、請求項1ないしのいずれか一項に記載の薬剤。
  11. 前記薬剤は、カプセルまたは錠剤の形態で投与される、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の薬剤。
  12. 前記薬剤は、いかなる賦形剤(excipients)も伴わず、約10mgないし約
    1000mgの前記化学式(I)で表される化合物をカプセルの形態で含む、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の薬剤。
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