JP6530276B2 - ベルトシステムおよびその歯付きベルト - Google Patents
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Description
前記背部及び歯部はウレタン樹脂組成物を含み、
前記心線は、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコード、又は、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードであり、
前記心線が、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
前記歯部のピッチは、0.45〜0.60mm、
前記ガラス繊維フィラメントの直径が6〜9ミクロン、
前記心線の線径が0.14〜0.20mmであり、
前記心線が、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
前記歯部のピッチは、0.45〜0.71mm、
前記心線の線径が0.14〜0.28mmである。
また、心線を、ガラス繊維フィラメント群(フィラメントの直径が6〜9ミクロン)からなる、線径0.14〜0.20mmの撚りコードにすることにより、線径0.20mmよりも大きいものに比べて歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルトを、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線の線径を小さくしているため、歯付きベルトの背部を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。
また、心線にガラス繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルトの寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルトの寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルトを低張力で巻き掛けたベルトシステムでも、歯付きベルトの走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができるとともに、静音性に優れたものにすることができる。
また、心線を、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる、線径0.14〜0.28mmの撚りコードにすることにより、線径0.28mmよりも大きいものに比べて歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルトを、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線の線径を小さくしているため、歯付きベルトの背部を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。
また、心線にポリアリレート繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルトの寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルトの寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルトを低張力で巻き掛けたベルトシステムでも、歯付きベルトの走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができるとともに、静音性に優れたものにすることができる。
また、歯付きベルトの寸法安定性・屈曲性を高めることにより、(駆動プーリの軸に取り付けた駆動モータの)起動トルクを低くすることができ、起動時の動力伝達性を高めることができる。
また、軸荷重を、比較的低い5〜15Nに設定しているため、歯付きベルトの耐久性(寿命)も高めることができる。
また、軸荷重を、比較的低い5〜15Nに設定しているため、駆動モータ等の振動に起因するベルトを介したベルトシステムの共振等による発音を抑制することができる。
なお、軸荷重が、5〜15Nで使用される理由としては下記理由が挙げられる。まず、軸荷重が5N未満ではベルト張力が弱すぎて、歯付きベルトをプーリ間に掛架できず、プーリ間における同期伝動性能を十分に発揮できない。一方、15Nは、低出力・小型タイプのモータを装置の駆動用に採用し得る軸荷重の最大値とされ、軸荷重が15Nより大きいと、低出力・小型タイプのモータ軸に過剰な負荷がかかり、モータのトルク性能を十分に発揮できない。
第1実施形態に係るベルトシステム10では、歯付きベルト1が、図1に示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に巻き掛けられて使用される。これにより、駆動プーリ5と従動プーリ6との間で同期伝動が可能となる。当該ベルトシステム10で使用する歯付ベルト1は、ベルト歯の種別(例えば、直歯、ハス歯)、またはベルト歯と噛み合うプーリ歯の種別(例えば、直歯、ハス歯)を明示することなく記載した場合、「直歯歯付きベルト」のことを指す。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の要素については、適宜その説明を省略する。すなわち、以下に具体的に説明されない要素については、上記第1実施形態において対応する要素と同様の説明が適用される。
速度変動率試験では、図3に示す二軸レイアウトにて歯付きベルト1を走行させたときの速度むらをレーザードップラ計にて測定し、周波数分析により、かみ合い1次周波数でのベルト速度変動率(%)を求めた。
具体的には、図3で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に歯付きベルト1を掛架し(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が同じ歯付きプーリである)、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、15N、20N)を与え固定した。次に、駆動プーリ5を1200rpmにて回転させた。そして、軸荷重が所定の数値で安定した後、レーザードップラ計にて歯付きベルト1の速度むらを測定して、ベルト速度変動率(%)を算出した。
ベルト速度変動率=(ΔV/V0)×100(%)
耐久走行試験では、図4に示す二軸レイアウトにて歯付きベルト1にプリンターキャリッジ等を想定したワーク(錘)を装着し、歯付きベルト1の往復動作を繰り返し、歯付きベルト1の機能特性(歯欠け・歯元クラック・摩耗・切断などの有無、ベルト張力強さの残存率)を評価した。
具体的には、図4で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に、350gのワーク(錘)を装着した歯付きベルト1を掛架し、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、15Nの軸荷重を与え固定した。次に、駆動プーリ5を600rpmにて回転させ、ワーク移動距離が140mmに達したところで、駆動プーリ5を600rpmで逆回転させることによりワークを装着した歯付きベルト1を往復動作させた。そして、この往復動作を100万回(200万パス)行い、歯付きベルト1の機能特性(歯欠け・歯元クラック・摩耗・切断などの有無、ベルト引張強さの残存率)を評価した。なお、使用する駆動プーリ5の歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径は表4及び11に記載している。また、従動プーリ6は、平プーリ(φ10mm)を使用した。評価基準としては、歯付きベルトに歯欠け・歯元クラック・異常な摩耗・切断などが有れば、不良(×)とし、更に、歯付きベルトに歯欠け・歯元クラック・異常な摩耗・切断などがない場合において、ベルト引張強さの残存率(耐久走行試験前の歯付きベルトに対する残存率)を測定し、85%以上であれば最良好(◎)と評価し、80%以上85%未満であれば良好(〇)と評価し、80%未満であれば、不良(×)と評価した。
ベルト寸法安定性試験では、比較例及び実施例の歯付きベルト1を室温40℃、湿度90%の環境下でフリーの状態で保管し、経過日数とベルトの寸法変化率を測定した。
具体的な寸法変化率の測定としては、保管時と同一環境下で2個の歯付きプーリに歯付きベルト1を掛架し、軸荷重12Nを与えてプーリの軸間距離を測定し、当初のプーリの軸間距離と比較した軸間距離変化率を測定した。また、評価基準としては、経過日数10日で軸間距離変化率(絶対値)が0.02%以下である場合を良好(〇)とし、0.02%を超えた場合を不良(×)とした。
ベルト屈曲性試験では、歯付きベルト1の屈曲性、及び、起動のし易さ(起動時の動力伝達性)、の代用試験として起動トルクを測定した。
具体的には、図3で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に歯付きベルト1を掛架し(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が同じ歯付きプーリである)、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、歯付きベルト1に所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、20N、30N)を与えた。その後、駆動プーリ5に糸を巻き掛け、糸の先端に装着したロードセルを引っ張った。この時、従動プーリ6が回転を始める時のトルク値(起動トルクN・m)を測定した。また、評価基準としては、軸荷重が10N時における比較例(第1実施例、及び第2実施例ともに比較例7)の起動トルクの水準と比較し、同等の場合は評価を可(△)とし、この水準より低い場合には良好(○)と評価した(なお、顕著に低ければ最良好(◎)と評価)。
音圧測定試験では、図14に示すベルトシステムの駆動プーリ5と従動プーリ6との間にベルトを掛架し、ベルトを走行させたときの、駆動プーリ側入り口近傍の音圧レベルを測定し、供試体間(歯形別)の静音性の優劣を比較評価した。
(1)駆動プーリ5と従動プーリ6(アイドルプーリ)との間に歯付ベルト1を掛架する(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯形、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が、掛架した歯付ベルト1に対応した歯付きプーリである)。
(2)歯付ベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、15N、20N)を与え固定した。
(3)供試体間(歯形別)でベルト線速度が一定(300mm/秒)となるよう、供試体ごとに駆動プーリ5のプーリ回転数を調整し、駆動プーリ5を回転させた。
(4)軸荷重が所定の数値で安定した後、騒音計にて駆動プーリ側入り口近傍(図14の、●の位置)での、かみ合い1次の音圧(かみ合い1次の周波数成分)(dB(A))を測定し、供試体間のプーリ及びモータ回転数が異なるので、各供試体ごとにモータ暗騒音(dB(A))を差し引いた、モータ暗騒音からの音圧増加量(dB(A))を算出して、このモータ暗騒音からの音圧増加量(dB(A))をベルトからの音圧レベル(dB(A))とした。ここで、かみ合い1次の音圧とは、かみ合い1次の周波数成分のことであって、具体的には、単位時間当たりのかみ合い回数(かみ合い1次の周波数)における音圧のピーク値のことである。また、dB(A)は、A特性による補正を施して測定された音圧レベルであって、A特性音圧レベルのことである(A特性とは、騒音計による測定に使われる、人間の聴覚を考慮した周波数重み付け特性であって、JIS C 1502-1990「普通騒音形」に定められている)。また、モータ暗騒音とは、ベルトをプーリ間に巻き掛けない状態で、各供試体別に上記駆動プーリ5の回転数になるよう、モータを駆動させたときの駆動プーリ側入り口近傍での音圧(dB(A))のことである。
(5)静音性の優劣評価は、ベルトからの音圧レベル(dB(A))を供試体間で比較することにより行った。なお、音圧測定試験時の室温は、25±2℃であった。
本発明の第1実施形態に係る構成を具備する歯付ベルト1を第1実施例とし、評価を行った。
従って、実施例の歯付きベルト1は、軸荷重を5N〜15Nにした場合であってもベルト速度変動率の評価を良好(〇)とすることができたことにより、例えば、駆動プーリ5に取り付ける駆動モータに、低出力・小型タイプのものを採用しやすいというメリットが生じる。
従って、屈曲性に優れ、起動トルクが低いベルトは、(駆動プーリ5の軸に取り付けた駆動モータを)起動し易く、起動時の動力伝達性に優れるとともに、より小型で低出力の駆動モータの採用、ひいては、駆動モータの小型・軽量化、省電力化に貢献することができる。
上記1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、4.ベルト屈曲性試験、及び、5.音圧測定試験の結果、速度変動率試験でのベルト速度変動率の評価を良好(〇)とし、耐久走行試験での評価を最良好(◎)とし、ベルト寸法安定性試験の結果を良好(○)とし、ベルト屈曲性試験で良好(○)とし、音圧測定試験の結果を良好(○)と評価された歯付きベルト1の条件をまとめると、歯部と歯部との間のピッチは0.45〜0.60mmであり、心線3は、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードとして、フィラメントの直径が6〜9ミクロン、心線3の線径が0.14〜0.20mmであることが分かる。
また、心線3を、ガラス繊維フィラメント群(フィラメントの直径が6〜9ミクロン)からなる、線径0.14〜0.20mmの撚りコードにすることにより、線径0.20mmよりも大きいものに比べて歯付きベルト1の屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルト1を、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線3の線径を小さくしているため、歯付きベルト1の背部4を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルト1の屈曲性を高めることができる。
また、心線3にガラス繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルト1の寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルト1の寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルト1を低張力で巻き掛けたベルトシステムでも、歯付きベルト1の走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができるとともに、静音性に優れたものにすることができる。
また、軸荷重を、比較的低い5〜15Nに設定しているため、駆動モータ等の振動に起因するベルトを介したベルトシステムの共振等による発音を抑制することができる。
本発明の第2実施形態に係る構成を具備する歯付ベルト1を第2実施例とし、評価を行った。
従って、実施例の歯付きベルト1は、軸荷重を5N〜15Nにした場合であっても、ベルト速度変動率の評価を良好(〇)とすることができたことにより、例えば、駆動プーリ5に取り付ける駆動モータに、低出力・小型タイプのものを採用しやすいというメリットが生じる。
従って、屈曲性に優れ、起動トルクが低いベルトは、(駆動プーリ5の軸に取り付けた駆動モータを)起動し易く、起動時の動力伝達性に優れるとともに、より小型で低出力の駆動モータの採用、ひいては、駆動モータの小型・軽量化、省電力化に貢献することができる。
上記1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、4.ベルト屈曲性試験、及び、5.音圧測定試験の結果、速度変動率試験でのベルト速度変動率の評価を良好(〇)とし、耐久走行試験での評価を最良好(◎)とし、ベルト寸法安定性試験の結果を良好(○)とし、ベルト屈曲性試験で良好(○)とし、音圧測定試験の結果を良好(○)と評価された歯付きベルト1の条件をまとめると、歯部と歯部との間のピッチは0.45〜0.71mmであり、心線3は、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードとして、心線3の線径が0.14〜0.28mmであることが分かる。
また、心線3を、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる、線径0.14〜0.28mmの撚りコードにすることにより、線径0.28mmよりも大きいものに比べて歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルト1を、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線3の線径を小さくしているため、歯付きベルト1の背部4を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルト1の屈曲性を高めることができる。
また、心線3にポリアリレート繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルト1の寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルト1の寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルト1を低張力で巻き掛けたベルトシステムでも、歯付きベルト1の走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができるとともに、静音性に優れたものにすることができる。
また、歯付きベルト1の寸法安定性・屈曲性を高めることにより、(駆動プーリの軸に取り付けた駆動モータの)起動トルクを低くすることができ、起動時の動力伝達性を高めることができる。
また、軸荷重を、比較的低い5〜15Nに設定しているため、駆動モータ等の振動に起因するベルトを介したベルトシステムの共振等による発音を抑制することができる。
プーリ間における同期伝動が可能なベルトシステムとして、実施例では、二軸レイアウトで、かつ各プーリの、歯形(歯の種別)、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径は同一としたが、これに限定することなく、二軸以上の多軸レイアウトであってもよく、また、各プーリは、歯形(歯の種別)、歯ピッチが共通であればよく、歯数、ピッチ円直径が異なっていてもよい。
2 歯部
3 心線
4 背部
5 駆動プーリ
6 従動プーリ
Claims (2)
- 背部、歯部、及び前記背部に埋設された心線を備える歯付きベルトと、前記歯部と噛み合う歯溝部が設けられたプーリとを備え、ベルト張力によって小径のプーリ間に巻き掛けられた際の前記プーリの軸にかかる荷重である軸荷重が、5〜15Nとなる条件で使用される、ベルトシステムであって、
前記背部及び歯部はウレタン樹脂組成物を含み、
前記心線は、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコード、又は、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードであり、
前記心線が、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
ピッチ円直径が、5.730〜5.821mmのプーリ間に巻き掛けられる歯付きベルトであり、
前記歯部のピッチは、0.45〜0.60mm、
前記ガラス繊維フィラメントの直径が6〜9ミクロン、
前記心線の線径が0.14〜0.20mmであり、
前記心線が、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
ピッチ円直径が、5.730〜5.840mmのプーリ間に巻き掛けられる歯付きベルトであり、
前記歯部のピッチは、0.45〜0.71mm、
前記心線の線径が0.14〜0.28mmであり、
平均的な回転速度V0に対する回転速度の変動量ΔVの百分率として、下記(1)式によって定義されるベルト速度変動率が0.40%以下である、
ことを特徴とする、ベルトシステム。
ベルト速度変動率=(ΔV/V0)×100(%)・・・(1) - 請求項1に記載のベルトシステムに用いられることを特徴とする歯付きベルト。
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