以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.第1の実施の形態>
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置1の構成の概略を示す模式側面図である。図2は、液滴吐出装置1の構成の概略を示す模式平面図である。なお、以下においては、ワークWの主走査方向をX軸方向、主走査方向に直交する副走査方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する鉛直方向をZ軸方向、Z軸方向回りの回転方向をθ方向とする。
また、本発明で用いられるワークWには、図3に示すように区画壁であるバンク100が形成される。バンク100は、例えばフォトリソグラフィー処理やエッチング処理等を行うことによって所定のパターンにパターニングされる。バンク100には、略矩形状の開口部101が行方向(X軸方向)と列方向(Y軸方向)に所定のピッチで複数並べて形成されている。この開口部101の内部は、液滴吐出装置1により吐出された液滴が着弾する着弾領域となる。なお、バンク100には、例えば感光性ポリイミド樹脂が用いられる。
ワークWの端部には、基準マーク102がX軸方向に沿って開口部101と同じピッチで複数形成されている。基準マーク102は、例えばインクジェット方式の描図方法などを用いてワークWの上面に描図されている。なお、図3では、基準マーク102として略十字形のマークを描図しているが、基準マーク102の形状は本実施の形態の内容に限定されるものではなく、例えば円形や三角形であってもよく、識別可能なものであれば任意に設定できる。また、図3ではワークWのY方向負方向側の端部に基準マーク102が形成された状態を描図しているが、基準マーク102はワークWのY方向正方向側の端部に形成されていてもよい。
液滴吐出装置1は、主走査方向(X軸方向)に延在して、ワークWを主走査方向に移動させるX軸テーブル10と、X軸テーブル10を跨ぐように架け渡され、副走査方向(Y軸方向)に延在する一対のY軸テーブル11、11とを有している。X軸テーブル10の上面には、一対のX軸ガイドレール12、12がX軸方向に延伸して設けられ、各X軸ガイドレール12には、X軸リニアモータ(図示せず)が設けられている。各Y軸テーブル11の上面には、Y軸ガイドレール13がY軸方向に延伸して設けられ、当該Y軸ガイドレール13には、Y軸リニアモータ(図示せず)が設けられている。なお、以下の説明では、X軸テーブル10上において、Y軸テーブル11よりX軸負方向側のエリアを搬入出エリアA1といい、一対のY軸テーブル11、11間のエリアを処理エリアA2といい、Y軸テーブル11よりX軸正方向側のエリアを待機エリアA3という。
X軸テーブル10上には、ワークステージ20が設けられている。一対のY軸テーブル11、11には、キャリッジユニット30と撮像ユニット40が設けられている。
ワークステージ20は、例えば真空吸着ステージであり、ワークWを吸着して載置する。ワークステージ20は、当該ワークステージ20の下面側に設けられたステージ回転機構21によって、θ方向に回転自在に支持されている。ワークステージ20とステージ回転機構21は、ステージ回転機構21の下面側に設けられたX軸スライダ22に支持されている。X軸スライダ22は、X軸ガイドレール12に取り付けられ、当該X軸ガイドレール12に設けられたX軸リニアモータによってX軸方向に例えば所定の速度Vで移動させるように構成されている。したがって、ワークWを載置した状態でワークステージ20をX軸スライダ22によってX軸ガイドレール12に沿ってX軸方向に移動させることで、ワークWをX軸方向(主走査方向)に速度Vで移動させることができる。
なお、搬入出エリアA1におけるワークステージ20の上方には、ワークステージ20上のワークWの基準マーク102を撮像するワークアライメントカメラ(図示せず)が設けられている。そして、ワークアライメントカメラで撮像された画像に基づいて、X軸スライダ22及びステージ回転機構21により、ワークステージ20に載置されたワークWのX軸方向及びθ方向の位置が必要に応じて補正される。これにより、ワークWがアライメントされて所定の初期位置に設定される。
X軸スライダ22は、X軸スライダ22の移動量、即ちワークステージ20に載置されたワークWの移動量を検出する移動量検出機構23を有している。移動量検出機構23としては、例えば所定の距離移動するごとにパルス信号を発するリニアエンコーダが用いられる。移動量検出機構23で検出された移動量に関する情報(パルス信号)は、後述する制御部150に入力される。
キャリッジユニット30は、Y軸テーブル11において、複数、例えば10個設けられている。各キャリッジユニット30は、キャリッジプレート31と、キャリッジ保持機構32と、キャリッジ33と、液滴吐出ヘッド34とを有している。キャリッジ保持機構32は、キャリッジプレート31の下面の中央部に設けられ、当該キャリッジ保持機構32の下端部にキャリッジ33が着脱自在に取り付けられている。
キャリッジプレート31は、Y軸ガイドレール13に取り付けられ、当該Y軸ガイドレール13に設けられた図示しないY軸リニアモータによってY軸方向に移動自在になっている。したがって、キャリッジプレート31をY軸方向に移動させることにより、Y軸方向に沿って、液滴吐出ヘッド34とワークWとを相対的に移動させることができる。なお、複数のキャリッジプレート31を一体としてY軸方向に移動させることも可能である。また、X軸スライダ22とX軸ガイドレール12(X軸リニアモータ)、ステージ回転機構21、及びキャリッジプレート31とY軸ガイドレール13(Y軸リニアモータ)が、本発明においてワークWと液滴吐出ヘッド34とをX軸方向(主走査方向)、Y軸方向(主走査方向と直交する方向)及び回転方向(θ方向)に相対的に移動させるワーク移動機構として機能する。
キャリッジ33の下面には、複数の液滴吐出ヘッド34がX軸方向及びY軸方向に並べて設けられている。本実施の形態では、例えばX軸方向に3個、Y軸方向に2個、すなわち合計6個の液滴吐出ヘッド34が設けられている。液滴吐出ヘッド34の下面、すなわちノズル面には複数の吐出ノズル(図示せず)が形成されている。そして、当該吐出ノズルからは、液滴吐出ヘッド34直下の液滴吐出位置に対して機能液の液滴が吐出されるようになっている。
撮像ユニット40は、X軸リニアモータによってワークステージ20をX方向に移動させたときの、ワークW上の基準マーク102の軌跡と、平面視において概ね重なる位置に配置される。具体的には、例えば図2に示すように、Y方向の負方向側の下から2番目のキャリッジプレート31aの配置が、ワークWをW軸方向に移動させたときの基準マーク102の軌跡と概ね重なっている場合、撮像ユニット40はキャリッジプレート31aに設けられる。撮像ユニット40は、キャリッジ33(液滴吐出ヘッド24)を挟んでX軸方向に対向して設けられた撮像部41と、一対のY軸テーブル11、11のうち、X軸正方向側のY軸テーブル11の側面に設けられ、撮像部41を支持するベース42を有している。撮像部41としては、例えばCCDカメラが用いられる。撮像部41は、例えばキャリッジ33とX軸方向に所定の距離Lだけ離れて配置されている。なお、距離Lの設定については後述する。
撮像部41は、液滴吐出ヘッド34により液滴が吐出されたワークWを撮像する。具体的には、ワークWが搬入出エリアA1から処理エリアA2に向けて移動し、処理エリアA2で液滴が吐出された後、ワークWが待機エリアA3に移動する最中のワークWを撮像する。取得された撮像画像Fは、後述する制御部150に入力される。なお、撮像部41による撮像のタイミングは例えば移動量検出機構23で検出されるパルス信号に基づいて決定され、撮像の周期Tは、制御部150において撮像画像Fの処理に要する時間Tsよりも長く設定されている。また、
以上の液滴吐出装置1には、制御部150が設けられている。制御部150は、例えばコンピュータであり、データ格納部(図示せず)を有している。データ格納部には、例えばワークWに吐出される液滴を制御し、当該ワークWに所定のパターンを描画するための描画データ(ビットマップデータ)などが格納されている。また、制御部150は、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、液滴吐出装置1における各種処理を制御するプログラムなどが格納されている。
なお、前記データや前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部150にインストールされたものであってもよい。
また、制御部150は、バンク100内に液滴を吐出した後、さらに基準マーク102に対して液滴を吐出するように液滴吐出ヘッド34を制御すると共に、上述の撮像周期Tで、図4に示すような撮像画像Fを取得し、当該撮像画像Fから、基準マーク102に対して吐出された液滴120の中心位置と、基準マーク102の中心位置CTと相関関係として、両者のずれ量を算出する。なお、図4では、X軸方向に沿って基準マーク102の中心位置CTと液滴120の中心位置とにずれが生じた場合を描図している。そして制御部150では、このずれ量に基づいて、次回以降の液滴吐出ヘッド34からの液滴の吐出において、算出されたずれ量に基づいて、液滴吐出位置におけるワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置を補正する、即ちずれ量が所定の閾値内に収まるように、上記の各駆動系の動作を制御して、例えばワークステージ20の移動速度を調整する。
上記の相関関係に基づく、液滴吐出ヘッド34とワークWとの相対的な位置の補正について具体的に説明する。既述の通り、搬入出エリアA1においてワークWのアライメントを行っても、ワークステージ20を処理エリアA2の液滴吐出ヘッド34に向けて移動させる過程で、ワークステージ20を移動させる各駆動系の機械的な精度や温度変化等の要因により、液滴吐出ヘッド34とワークW上のバンク100との相対的な位置関係が、所望の状態からずれてしてしまう場合がある。かかる場合、ワークWに対して精度よく描画を行うことができないため問題となる。
そこで、制御部150では、液滴が吐出されたワークWの撮像画像Fにおいて、基準マーク102の中心位置CTと、基準マーク102に対して吐出された液滴120の中心位置との差分を求める。そして、求めた差分がゼロ、または所定の閾値以内であれば、ワークステージ20上のワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係が所望の位置にあるものと判断される。即ち、アライメント後、ワークWにずれが生じることなく搬送された場合、液滴120の中心は基準マーク102の中心位置CTと一致するため、ワークステージ20上のワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係が所望の状態にあるといえる。
その一方、液滴120の中心位置と基準マーク102の中心位置CTとの差分が所定の閾値を超えていれば、ワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係にずれが生じているものと判断される。したがって、制御部150では、次回以降の液滴の吐出の際に、この差分がゼロまたは所定の閾値以内となるような補正位置を算出し、この補正位置にワークステージ20が移動するように制御することで、ワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係を補正する。なお、撮像部41による撮像のタイミングは例えば移動量検出機構23で検出されるパルス信号に基づいて決定され、撮像の周期Tは、制御部150において撮像画像Fの処理に要する時間Tsよりも長く設定されている。ここで、撮像画像Fの処理に要する時間Tsとは、例えば撮像部41で撮像画像Fを生成する時間、撮像部41から制御部150に撮像画像Fを伝送する時間、基準マーク102と液滴120のずれ量を算出する時間、補正位置を算出する時間といった、撮像画像Fの取得から補正位置の算出に至るまでの時間を意味している。
また、撮像部41での撮像画像Fの取得から補正位置の算出までには所定の時間Tsを要するため、撮像周期Tは、時間Tsよりも大きく設定される。また、撮像周期Tは、ワークWの基準マーク102の描画間隔と主走査方向の描画速度で設定される。なお、撮像部41とキャリッジ33との間の距離Lは、ワークWが液滴吐出位置から撮像部41による撮像位置まで移動する間の時間と、時間Tsとの和が、撮像周期Tよりも短くなるように設定される。
次に、以上のように構成された液滴吐出装置1を用いて行われるワーク処理について説明する。
先ず、搬入出エリアA1にワークステージ20を配置し、搬送機構(図示せず)により液滴吐出装置1に搬入されたワークWが当該ワークステージ20に載置される。続いて、ワークアライメントカメラによってワークステージ20上のワークWのアライメントマークが撮像される。そして、当該撮像された画像に基づいて、ステージ回転機構21により、ワークステージ20に載置されたワークWのθ方向の位置が補正され、ワークWのアライメントが行われる(ステップS1)。また、例えばY軸方向への補正が必要であれば、適宜Y軸リニアモータを移動させることで、ワークステージ20とキャリッジユニット30とのY軸方向に沿った相対的な位置関係が補正される。
その後、X軸スライダ22によって、ワークステージ20を搬入出エリアA1から処理エリアA2に移動させる。処理エリアA2では、液滴吐出ヘッド24の下方に移動したワークWに対して、当該液滴吐出ヘッド24から液滴を吐出する。さらに、図5に示すようにワークWの全面が液滴吐出ヘッド24の下方を通過するように、ワークステージ20をさらに待機エリアA3側に移動させる。この際、撮像部41により撮像周期Tで適宜撮像画像Fが取得される。そして、ワークをX軸方向に往復動させると共に、キャリッジユニット30を適宜、Y軸方向に移動させて、ワークWに所定のパターンが描画される(ステップS2)。
撮像部41で撮像された撮像画像Fは制御部150に出力され、制御部150では、撮像された画像に基づいて、基準マーク102の中心位置CTと液滴120の中心位置との差分を算出する。そして、差分が所定の閾値を超えている場合、ワークWの補正位置が算出され、次回以降の液滴の吐出において、ワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係が、この補正位置に基づいて修正される。(ステップS3)。これにより、次回以降の液滴の吐出において、液滴吐出ヘッド34とワーク上のバンク100を高精度に位置合わせすることができる。
ワークステージ20が搬入出エリアA1に移動すると、描画処理が終了したワークWが液滴吐出装置1から搬出される。続いて、次のワークWが液滴吐出装置1に搬入される。次いで、上述したステップS1のワークWのアライメントが行われ、引き続きステップS2、ステップS3が行われる。
以上のように各ワークWに対してステップS1〜S3が行われ、一連のワーク処理が終了する。
以上の第1の実施の形態によれば、ワークWの撮像画像Fを取得する撮像部41と、撮像部41により液滴吐出位置で液滴が吐出された後のワークWの撮像画像Fを取得し、撮像画像Fに基づいて、液滴吐出ヘッド34から吐出された液滴120の位置を検出し、検出された液滴120の中心位置と、基準マーク102の中心位置CTとの相関関係として両者の差分を求め、この差分をゼロにするように液滴吐出位置におけるワークWと前記液滴吐出ヘッド34との相対的な位置を補正する制御部150と、を有するので、液滴吐出位置においてワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係にずれが生じている場合であっても、ワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置を補正することができる。これにより、液滴吐出ヘッド34とワークW上のバンク100を高精度に位置合わせすることができる。その結果、ワークW上に精度よく所定のパターンを描画することができる。
以上の実施の形態では、X軸方向に沿って基準マーク102の中心位置CTと液滴120の中心位置とにずれが生じた場合について説明したが、例えばY軸方向やθ方向に対してずれが生じている場合も、同様に補正を行うことで、液滴吐出ヘッド34とワークW上のバンク100を高精度に位置合わせすることができる。
また、以上の実施の形態では、Y軸リニアモータによりY軸方向の相対的な移動を、ステージ回転機構21によりθ方向の移動を、X軸リニアモータによりX軸方向の移動をそれぞれ制御していたが、X軸方向、Y軸方向及びθ方向への移動の手法については本実施の内容に限定されるものではない。例えばワークステージ20にX軸方向、Y軸方向及びθ方向への移動機能をすべて備えるようにしてもよい。また反対に、ワークステージ20を固定して、キャリッジプレート31にX軸方向、Y軸方向及びθ方向への移動機能を備えるようにしてもよい。いずれの場合であっても、上述した本発明の液滴吐出方法を実現できる。
以上の実施の形態では、ワークW上に予め基準マーク102が形成されていたが、基準マーク102は必ずしも必要ではなく、例えば撮像部41で撮像した撮像画像Fにより、バンク100の濃淡が識別できれば、このバンク100の位置と液滴120の位置に基づいて、ワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係を求めるようにしてもよい。
即ち、本発明は、ワークWの実際の移動量と想定される移動量との差分を算出し、その差分をゼロにするようにワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係を補正するものであるので、ワークWと液滴吐出ヘッド34との相対的な位置関係を算出できれば、その手法は本実施の形態の内容に限定されるものではない。例えば、移動量検出機構23により検出されるワークWの位置に基づいて、制御部150における液滴吐出位置におけるワークWの位置を推定する共に、この液滴吐出位置におけるワークWの位置から液滴120の位置を推定し、この推定された液滴120の位置と、撮像画像Fから検出される液滴120の位置との差分を求めるようにしてもよい。いずれの場合においても、搬入出エリアA1でアライメントを行った後に、液滴吐出位置までの移動の間にワークWに位置ずれが生じれば、基準マーク102やバンク100の位置にはずれが生じ、基準マーク102やバンク100の位置を検出することは、ワークWの位置を検出することを意味することとなるので、広義には、基準マーク102と液滴120とのずれ量を検出するための撮像画像Fを取得する撮像部41も、移動量検出機構23と同様の機能を果たすと言える。
<2.液滴吐出装置の適用例>
次に、以上のように構成された液滴吐出装置1の適用例について説明する。図6は、液滴吐出装置1を備えた基板処理システム200の構成の概略を示す説明図である。基板処理システム200では、有機発光ダイオードの有機EL層が形成される。
先ず、有機発光ダイオードの構成の概略及びその製造方法について説明する。図7は、有機発光ダイオード300の構成の概略を示す側面図である。図7に示すように有機発光ダイオード300は、ワークWとしてのガラス基板G上で、陽極(アノード)310及び陰極(カソード)320の間に有機EL層330を挟んだ構造を有している。有機EL層330は、陽極310側から順に、正孔注入層331、正孔輸送層332、発光層333、電子輸送層334及び電子注入層335が積層されて形成されている。
有機発光ダイオード300を製造するに際しては、先ず、ガラス基板G上に陽極310が形成される。陽極310は、たとえば蒸着法を用いて形成される。なお、陽極310には、たとえばITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極が用いられる。
その後、陽極310上に、図8に示すようにバンク340が形成される。バンク340は、例えばフォトリソグラフィー処理やエッチング処理等を行うことによって所定のパターンにパターニングされる。そしてバンク340には、スリット状の開口部341が行方向(X軸方向)と列方向(Y軸方向)に複数並べて形成されている。この開口部341の内部において、後述するように有機EL層330と陰極320が積層されて画素が形成される。なお、バンク340には、例えば感光性ポリイミド樹脂が用いられる。
その後、バンク340の開口部341内において、陽極310上に有機EL層330が形成される。具体的には、陽極310上に正孔注入層331が形成され、正孔注入層331上に正孔輸送層332が形成され、正孔輸送層332上に発光層333が形成され、発光層333上に電子輸送層334が形成され、電子輸送層334上に電子注入層335が形成される。
本実施の形態では、正孔注入層331、正孔輸送層332及び発光層333は、それぞれ基板処理システム200において形成される。すなわち、基板処理システム200では、インクジェット方式による有機材料の塗布処理、有機材料の減圧乾燥処理、有機材料の焼成処理が順次行われて、これら正孔注入層331、正孔輸送層332及び発光層333が形成される。
また電子輸送層334と電子注入層335は、それぞれ例えば蒸着法を用いて形成される。
その後、電子注入層335上に陰極320が形成される。陰極320は、例えば蒸着法を用いて形成される。なお、陰極320には、例えばアルミニウムが用いられる。
このようにして製造された有機発光ダイオード300では、陽極310と陰極320との間に電圧を印可することによって、正孔注入層331で注入された所定数量の正孔が正孔輸送層332を介して発光層333に輸送され、また電子注入層335で注入された所定数量の電子が電子輸送層334を介して発光層333に輸送される。そして、発光層333内で正孔と電子が再結合して励起状態の分子を形成し、当該発光層333が発光する。
次に、図6に示した基板処理システム200について説明する。なお、基板処理システム200で処理されるガラス基板G上には予め陽極310とバンク340が形成されており、当該基板処理システム200では正孔注入層331、正孔輸送層332及び発光層333が形成される。
基板処理システム200は、複数のガラス基板Gをカセット単位で外部から基板処理システム200に搬入し、カセットCから処理前のガラス基板Gを取り出す搬入ステーション201と、ガラス基板Gに対して所定の処理を施す複数の処理装置を備えた処理ステーション202と、処理後のガラス基板GをカセットC内に収納し、複数のガラス基板Gをカセット単位で基板処理システム200から外部に搬出する搬出ステーション203とを一体に接続した構成を有している。搬入ステーション201、処理ステーション202、搬出ステーション203は、X軸方向にこの順で並べて配置されている。
搬入ステーション201には、カセット載置台210が設けられている。カセット載置台210は、複数のカセットCをY軸方向に一列に載置自在になっている。すなわち、搬入ステーション201は、複数のガラス基板Gを保有可能に構成されている。
搬入ステーション201には、Y軸方向に延伸する搬送路211上を移動可能な基板搬送体212が設けられている。基板搬送体212は、鉛直方向及び鉛直周りにも移動自在であり、カセットCと処理ステーション202との間でガラス基板Gを搬送できる。なお、基板搬送体212は、例えばガラス基板Gを吸着保持して搬送する。
処理ステーション202には、正孔注入層331を形成する正孔注入層形成部220と、正孔輸送層332を形成する正孔輸送層形成部221と、発光層333を形成する発光層形成部222とが、搬入ステーション201側からX軸方向にこの順で並べて配置されている。
正孔注入層形成部220には、第1の基板搬送領域230と、第2の基板搬送領域231と、第3の基板搬送領域232とが、搬入ステーション201側からX軸方向にこの順で並べて配置されている。各基板搬送領域230、231、232はX軸方向に延伸して設けられ、当該基板搬送領域230、231、232にはガラス基板Gを搬送する基板搬送装置(図示せず)が設けられている。基板搬送装置は、水平方向、鉛直方向及び鉛直周りにも移動自在であり、これら基板搬送領域230、231、232に隣接して設けられる各装置にガラス基板Gを搬送できる。
搬入ステーション201と第1の基板搬送領域230との間には、ガラス基板Gを受け渡すためのトランジション装置233が設けられている。同様に第1の基板搬送領域230と第2の基板搬送領域231との間、及び第2の基板搬送領域231と第3の基板搬送領域232との間にも、それぞれトランジション装置234、235が設けられている。
第1の基板搬送領域230のY軸方向正方向側には、ガラス基板G(陽極310)上に正孔注入層331を形成するための有機材料を塗布する塗布装置240が設けられている。塗布装置240は、液滴吐出装置1と同様の構成を有し、塗布装置240では、インクジェット方式でガラス基板G上の所定の位置、すなわちバンク340の開口部341の内部に有機材料が塗布される。なお、本実施の形態の有機材料は、正孔注入層331を形成するための所定の材料を有機溶媒に溶解させた溶液である。
第1の基板搬送領域230のY軸方向負方向側には、複数のガラス基板Gを一時的に収容するバッファ装置241が設けられている。
第2の基板搬送領域231のY軸方向正方向側とY軸方向負方向側には、塗布装置240で塗布された有機材料を減圧乾燥する減圧乾燥装置242が複数積層されて、全部で例えば5つ設けられている。減圧乾燥装置242は、例えばターボ分子ポンプ(図示せず)を有し、当該ターボ分子ポンプによって内部雰囲気を例えば1Pa以下まで減圧して、有機材料を乾燥するように構成されている。
第3の基板搬送領域232のY軸方向正方向側には、減圧乾燥装置242で乾燥された有機材料を熱処理して焼成する熱処理装置243が複数、例えば20段に積層されて設けられている。熱処理装置243は、その内部にガラス基板Gを載置する熱板(図示せず)を有し、当該熱板によって有機材料を焼成するように構成されている。
第3の基板搬送領域232のY軸方向負方向側には、熱処理装置243で熱処理されたガラス基板Gを所定の温度、例えば常温に調節する温度調節装置244が複数設けられている。
なお、正孔注入層形成部220において、これら塗布装置240、バッファ装置241、減圧乾燥装置242、熱処理装置243及び温度調節装置244の数や配置は、任意に選択できる。
正孔輸送層形成部221には、第1の基板搬送領域250と、第2の基板搬送領域251と、第3の基板搬送領域252とが、正孔注入層形成部220側からX軸方向にこの順で並べて配置されている。各基板搬送領域250、251、252はX軸方向に延伸して設けられ、当該基板搬送領域250、251、252には、ガラス基板Gを搬送する基板搬送装置(図示せず)が設けられている。基板搬送装置は、水平方向、鉛直方向及び鉛直周りにも移動自在であり、これら基板搬送領域250、251、252に隣接して設けられる各装置にガラス基板Gを搬送できる。
なお、第3の基板搬送領域252には後述する熱処理装置263及び温度調節装置264が隣接されて設けられており、これら各装置263、264の内部は低酸素且つ低露点雰囲気に維持される。このため、第3の基板搬送領域252においても、その内部が低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。以下の説明において、低酸素雰囲気とは大気よりも酸素濃度が低い雰囲気、例えば酸素濃度が10ppm以下の雰囲気をいい、また低露点雰囲気とは大気よりも露点温度が低い雰囲気、例えば露点温度が−10℃以下の雰囲気をいう。そして、かかる低酸素且つ低露点雰囲気として、例えば窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。
正孔注入層形成部220と第1の基板搬送領域250との間、及び第1の基板搬送領域250と第2の基板搬送領域251との間には、それぞれガラス基板Gを受け渡すためのトランジション装置253、254が設けられている。第2の基板搬送領域251と第3の基板搬送領域252の間には、ガラス基板Gを一時的に収容可能なロードロック装置255が設けられている。ロードロック装置255は、内部雰囲気を切り替え可能、すなわち大気雰囲気と低酸素且つ低露点雰囲気に切り替え可能に構成されている。
第1の基板搬送領域250のY軸方向正方向側には、ガラス基板G(正孔注入層331)上に正孔輸送層332を形成するための有機材料を塗布する、液滴吐出装置としての塗布装置260が設けられている。塗布装置260は、液滴吐出装置1と同様の構成を有し、塗布装置260では、インクジェット方式でガラス基板G上の所定の位置、すなわちバンク340の開口部341の内部に有機材料が塗布される。なお、本実施の形態の有機材料は、正孔輸送層332を形成するための所定の材料を有機溶媒に溶解させた溶液である。
第1の基板搬送領域250のY軸方向負方向側には、複数のガラス基板Gを一時的に収容するバッファ装置261が設けられている。
第2の基板搬送領域251のY軸方向正方向側とY軸方向負方向側には、塗布装置260で塗布された有機材料を減圧乾燥する減圧乾燥装置262が複数積層されて、全部で例えば5つ設けられている。減圧乾燥装置262は、例えばターボ分子ポンプ(図示せず)を有し、その内部雰囲気を例えば1Pa以下まで減圧して、有機材料を乾燥するように構成されている。
第3の基板搬送領域252のY軸方向正方向側には、減圧乾燥装置262で乾燥された有機材料を熱処理して焼成する熱処理装置263が複数、例えば20段に積層されて設けられている。熱処理装置263は、その内部にガラス基板Gを載置する熱板(図示せず)を有し、当該熱板によって有機材料を焼成するように構成されている。また、熱処理装置263の内部は、低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。
第3の基板搬送領域252のY軸方向負方向側には、熱処理装置263で熱処理されたガラス基板Gを所定の温度、例えば常温に調節する温度調節装置264が複数設けられている。温度調節装置264の内部は、低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。
なお、正孔輸送層形成部221において、これら塗布装置260、バッファ装置261、減圧乾燥装置262、熱処理装置263及び温度調節装置264の数や配置は、任意に選択できる。
発光層形成部222には、第1の基板搬送領域270と、第2の基板搬送領域271と、第3の基板搬送領域272とが、正孔輸送層形成部221側からX軸方向にこの順で並べて配置されている。各基板搬送領域270、271、272はX軸方向に延伸して設けられ、当該基板搬送領域270、271、272には、ガラス基板Gを搬送する基板搬送装置(図示せず)が設けられている。基板搬送装置は、水平方向、鉛直方向及び鉛直周りにも移動自在であり、これら基板搬送領域270、271、272に隣接して設けられる各装置にガラス基板Gを搬送できる。
なお、第3の基板搬送領域272には後述する熱処理装置283及び温度調節装置284が隣接されて設けられており、これら各装置283、284の内部は低酸素且つ低露点雰囲気に維持される。このため、第3の基板搬送領域272においても、その内部が低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。
正孔輸送層形成部221と第1の基板搬送領域270との間、及び第1の基板搬送領域270と第2の基板搬送領域271との間には、それぞれガラス基板Gを受け渡すためのトランジション装置273、274が設けられている。第2の基板搬送領域271と第3の基板搬送領域272の間、及び第3の基板搬送領域272と搬出ステーション203との間には、それぞれガラス基板Gを一時的に収容可能なロードロック装置275、276が設けられている。ロードロック装置275、276は、内部雰囲気を切り替え可能、すなわち大気雰囲気と低酸素且つ低露点雰囲気に切り替え可能に構成されている。
第1の基板搬送領域270のY軸方向正方向側には、ガラス基板G(正孔輸送層332)上に発光層333を形成するための有機材料を塗布する、液滴吐出装置としての塗布装置280が例えば2つ設けられている。塗布装置280は、液滴吐出装置1と同様の構成を有し、塗布装置280では、インクジェット方式でガラス基板G上の所定の位置、すなわちバンク340の開口部341の内部に有機材料が塗布される。なお、本実施の形態の有機材料は、発光層333を形成するための所定の材料を有機溶媒に溶解させた溶液である。
第1の基板搬送領域270のY軸方向負方向側には、複数のガラス基板Gを一時的に収容するバッファ装置281が設けられている。
第2の基板搬送領域271のY軸方向正方向側とY軸方向負方向側には、塗布装置280で塗布された有機材料を減圧乾燥する減圧乾燥装置282が複数積層されて、全部で例えば5つ設けられている。減圧乾燥装置282は、例えばターボ分子ポンプ(図示せず)を有し、その内部雰囲気を例えば1Pa以下まで減圧して、有機材料を乾燥するように構成されている。
第3の基板搬送領域272のY軸方向正方向側には、減圧乾燥装置282で乾燥された有機材料を熱処理して焼成する熱処理装置283が複数、例えば20段に積層されて設けられている。熱処理装置283は、その内部にガラス基板Gを載置する熱板(図示せず)を有し、当該熱板によって有機材料を焼成するように構成されている。また、熱処理装置283の内部は、低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。
第3の基板搬送領域272のY軸方向負方向側には、熱処理装置283で熱処理されたガラス基板Gを所定の温度、例えば常温に調節する温度調節装置284が複数設けられている。温度調節装置284の内部は、低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。
なお、発光層形成部222において、これら塗布装置280、バッファ装置281、減圧乾燥装置282、熱処理装置283及び温度調節装置284の数や配置は、任意に選択できる。
搬出ステーション203には、カセット載置台290が設けられている。カセット載置台290は、複数のカセットCをY軸方向に一列に載置自在になっている。すなわち、搬出ステーション203は、複数のガラス基板Gを保有可能に構成されている。
搬出ステーション203には、Y軸方向に延伸する搬送路291上を移動可能な基板搬送体292が設けられている。基板搬送体292は、鉛直方向及び鉛直周りにも移動自在であり、カセットCと処理ステーション202との間でガラス基板Gを搬送できる。なお、基板搬送体292は、例えばガラス基板Gを吸着保持して搬送する。
また、搬出ステーション203の内部は、低酸素且つ低露点雰囲気に維持されているのが好ましい。
以上の基板処理システム200には、上述した制御部150が設けられている。したがって、塗布装置240、260、280は、制御部150によって制御される。但し、この制御部150のプログラム格納部(図示せず)には、塗布装置240、260、280を制御するためのプログラムに加えて、基板処理システム200におけるガラス基板Gの処理を制御するプログラムも格納されている。
次に、以上のように構成された基板処理システム200を用いて行われるガラス基板Gの処理方法について説明する。
先ず、複数のガラス基板Gを収容したカセットCが、搬入ステーション201に搬入され、カセット載置台210上に載置される。その後、基板搬送体212によって、カセット載置台210上のカセットCからガラス基板Gが順次取り出される。
カセットCから取り出されたガラス基板Gは、基板搬送体212によって正孔注入層形成部220のトランジション装置233に搬送され、さらに第1の基板搬送領域230を介して塗布装置240に搬送される。そして塗布装置240では、インクジェット方式でガラス基板G(陽極310)上の所定の位置、すなわちバンク340の開口部341の内部に、正孔注入層331用の有機材料が塗布される。この塗布装置240における処理は、上述したステップS1〜S6と同様の処理である。
一方、塗布装置240での塗布処理が終了したガラス基板Gは、第1の基板搬送領域230を介してトランジション装置234に搬送され、さらに第2の基板搬送領域231を介して減圧乾燥装置242に搬送される。そして減圧乾燥装置242では、その内部雰囲気が減圧され、ガラス基板G上に塗布された有機材料が乾燥される。
次にガラス基板Gは、第2の基板搬送領域231を介してトランジション装置235に搬送され、さらに第3の基板搬送領域232を介して熱処理装置243に搬送される。そして熱処理装置243では、熱板上に載置されたガラス基板Gが所定の温度、例えば280℃に加熱され、当該ガラス基板Gの有機材料が焼成される。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域232を介して温度調節装置244に搬送される。そして温度調節装置244では、ガラス基板Gが所定の温度、例えば常温に温度調節される。こうして、ガラス基板G(陽極310)上に正孔注入層331が形成される。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域232を介して正孔輸送層形成部221のトランジション装置253に搬送され、さらに第1の基板搬送領域250を介して塗布装置260に搬送される。そして塗布装置260では、インクジェット方式でガラス基板G(正孔注入層331)上に、正孔輸送層332用の有機材料が塗布される。この塗布装置260における処理は、上述したステップS1〜S6と同様の処理である。
次にガラス基板Gは、第1の基板搬送領域250を介してトランジション装置254に搬送され、さらに第2の基板搬送領域251を介して減圧乾燥装置262に搬送される。そして減圧乾燥装置262では、その内部雰囲気が減圧され、ガラス基板G上に塗布された有機材料が乾燥される。
次にガラス基板Gは、第2の基板搬送領域251を介してロードロック装置255に搬送される。ロードロック装置255にガラス基板Gが搬入されると、その内部が低酸素且つ低露点雰囲気に切り替えられる。その後、ロードロック装置255の内部と、同様に低酸素且つ低露点雰囲気に維持された第3の基板搬送領域252の内部とが連通させられる。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域252を介して熱処理装置263に搬送される。この熱処理装置263の内部も低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。そして熱処理装置263では、熱板上に載置されたガラス基板Gが所定の温度、例えば200℃に加熱され、当該ガラス基板Gの有機材料が焼成される。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域252を介して温度調節装置264に搬送される。この温度調節装置264の内部も低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。そして温度調節装置264では、ガラス基板Gが所定の温度、例えば常温に温度調節される。こうして、ガラス基板G(正孔注入層331)上に正孔輸送層332が形成される。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域252を介して発光層形成部222のトランジション装置273に搬送され、さらに第1の基板搬送領域270を介して塗布装置280に搬送される。そして塗布装置280では、インクジェット方式でガラス基板G(正孔輸送層332)上に、発光層333用の有機材料が塗布される。この塗布装置280における処理は、上述したステップS1〜S6と同様の処理である。
次にガラス基板Gは、第1の基板搬送領域270を介してトランジション装置274に搬送され、さらに第2の基板搬送領域271を介して減圧乾燥装置282に搬送される。そして減圧乾燥装置282では、その内部雰囲気が減圧され、ガラス基板G上に塗布された有機材料が乾燥される。
次にガラス基板Gは、第2の基板搬送領域271を介してロードロック装置275に搬送される。ロードロック装置275にガラス基板Gが搬入されると、その内部が低酸素且つ低露点雰囲気に切り替えられる。その後、ロードロック装置275の内部と、同様に低酸素且つ低露点雰囲気に維持された第3の基板搬送領域272の内部とが連通させられる。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域272を介して熱処理装置283に搬送される。この熱処理装置283の内部も低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。そして熱処理装置283では、熱板上に載置されたガラス基板Gが所定の温度、例えば260℃に加熱され、当該ガラス基板Gの有機材料が焼成される。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域272を介して温度調節装置284に搬送される。この温度調節装置284の内部も低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。そして温度調節装置284では、ガラス基板Gが所定の温度、例えば常温に温度調節される。こうして、ガラス基板G(正孔輸送層332)上に発光層333が形成される。
次にガラス基板Gは、第3の基板搬送領域272を介してロードロック装置276に搬送される。このロードロック装置276の内部は、低酸素且つ低露点雰囲気に維持されている。そして、ロードロック装置276の内部と、同様に低酸素且つ低露点雰囲気に維持された搬出ステーション203の内部とが連通させられる。
次にガラス基板Gは、搬出ステーション203の基板搬送体292によってカセット載置台290上の所定のカセットCに搬送される。こうして、基板処理システム200における一連のガラス基板Gの処理が終了する。
以上の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態と同様の効果を享受できる。
なお、以上の実施の形態の基板処理システム200のレイアウトは、図6に示したレイアウトに限定されず、任意に設定できる。
また、以上の実施の形態の基板処理システム200では、正孔注入層331、正孔輸送層332及び発光層333を形成したが、同様に有機発光ダイオード300の他の電子輸送層334と電子注入層335も形成するようにしてもよい。すなわち、電子輸送層334と電子注入層335に用いられる有機材料に応じて、当該電子輸送層334と電子注入層335は、それぞれインクジェット方式による有機材料の塗布処理、有機材料の減圧乾燥処理、有機材料の焼成処理を行ってガラス基板G上に形成される。そして、これら電子輸送層334と電子注入層335の塗布処理においても、液滴吐出装置1を用いてもよい。
また、液滴吐出装置1の適用例として、有機発光ダイオード300の有機EL層330を形成する基板処理システム200を説明したが、液滴吐出装置1の適用例はこれに限定されない。例えばカラーフィルタ、液晶表示装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)等の電気光学装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)を製造する際にも液滴吐出装置1を適用してもよい。また、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成、及び光拡散体形成等を製造する際にも液滴吐出装置1を適用してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。