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JP6532792B2 - プレキャスト床版及び橋梁 - Google Patents
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JP6532792B2 - プレキャスト床版及び橋梁 - Google Patents

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Description

本発明は、主桁の上方に設けられるプレキャスト床版及びこれが取り付けられる橋梁に関する。
従来、橋梁を構築することを目的として、例えば、特許文献1〜3の開示技術が提案されている。
特許文献1に開示された橋梁は、プレキャスト床版等の下面に、H型鋼からなる主桁上のスタッドジベルに嵌合する溝部が橋軸方向に沿って形成される。特許文献1に開示された橋梁は、該溝部の前後両端から床版の上面に達する一対の連通孔がその床版に貫設され、その一方の連通孔から溝部内に無収縮性モルタルが充填され、他方の連通孔から空気を抜くようにしている。特許文献1に開示された橋梁は、前記溝部の橋軸方向に沿う両側面が平面視蛇行状(テーパー状)に曲面に形成されており、その両側面を挟んで該溝部内に充填したモルタルと床版とが一体化されている。
特許文献2に開示された既設床版の補強構造は、既設床版を切削することにより上面が凹凸面に形成された床版本体と、この床版本体の上面と隙間をあけて対向するプレキャスト製の板状部材と、床版本体と板状部材との間に充填された充填材とにより構成されている。板状部材は、その下面に凹凸面が形成されて、かつ、上下方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。貫通孔は、板状部材に所定の間隔を有して複数形成されている。また、貫通孔は、板状部材の高さ方向中間付近からテーパー状に貫通孔の内径が漸増するように形成されている。そして、貫通孔は、床版本体の上面に配置されたずれ止め部材を内挿可能な形状に形成されている。
特許文献3に開示された桁と床版との接合構造は、プレキャスト桁と、プレキャスト床版との間に、経時硬化性材が設けられる構成となっている。このプレキャスト床版は、プレキャスト桁を橋台又は橋脚等に載置するように設置して、プレキャスト桁の上部に設けられる。このプレキャスト床版の下端面は、粗面となるように洗い出しが行われている。また、プレキャスト床版には、挿入孔が穿設されている。この挿入孔は、主桁の上フランジの上面から上方へ突出されてなるずれ止め部材が下側から挿入される。また、このずれ止め部材が挿入される挿入孔の内部には、モルタル等の経時硬化性材が充填される。
特開平11−264115号公報 特開2007−092456号公報 特開2014−015753号公報
しかし、特許文献1に開示された橋梁は、一対の連通孔が両端に設けられる溝部の高さが橋軸方向において略水平に形成される。このため、特許文献1に開示された橋梁は、溝部にモルタルが充填されたとき、連通孔と連通孔の間に気泡が発生した場合、溝部の上方に溜まった気泡を連通孔に向けて排出されにくく、モルタルが十分に充填されないという問題点があった。
特許文献2に開示された既設床版の補強構造は、あくまで床板を板状部材で補強するものであって、主桁と床板を接合させるものではない。加えて、特許文献2に開示された既設床版の補強構造は、板状部材の下方にモルタルが充填されたとき、テーパーの設けられた挿入孔において気泡が発生した場合には、テーパーに沿って気泡を移動させ、上方に向けて排出させやすくできるものの、挿入孔から離れた板状部材の下面に気泡が発生した場合、その気泡が板状部材の下面に溜まり、モルタルが十分に充填されないという問題点があった。
特許文献3に開示された桁と床版との接合構造は、床版の下面が平面状に形成されているため、経時硬化性材を充填させたときに、床版の下面に気泡が溜まり、経時硬化性材が十分に充填されない可能性があるため、更なる改善の余地があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、主桁と接合するために埋め込まれるモルタル等の経時硬化性材の十分な充填が可能であり、気泡の除去が可能であるプレキャスト床版及びこれが用いられる橋梁を提供することにある。
第1発明に係るプレキャスト床版は、主桁の上方に設けられるプレキャスト床版であって、前記主桁の上フランジと対向させて設けられる下端面と、前記下端面から上方に向けて貫通させて形成される挿入孔とを有し、前記下端面は、前記主桁の橋軸方向に向けて前記挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部を有し、前記テーパー部は、橋幅方向に複数に設けられ、前記テーパー部の橋幅方向の幅は、前記上フランジの橋幅方向の幅以下であることを特徴とする。
第2発明に係るプレキャスト床版は、主桁の上方に設けられるプレキャスト床版であって、前記主桁の上フランジと対向させて設けられる下端面と、前記下端面から上方に向けて貫通させて形成される挿入孔とを有し、前記下端面は、前記主桁の橋軸方向に向けて前記挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部を有し、前記テーパー部は、橋幅方向に複数に設けられ、前記挿入孔は、橋軸方向に間隔を空けて設けられ、橋軸方向に隣接する他の前記挿入孔との間に形成された一の前記テーパー部及び他の前記テーパー部は、橋軸方向に向けた傾斜の下端部において互いに連続して設けられることを特徴とする。
第3発明に係るプレキャスト床版は、主桁の上方に設けられるプレキャスト床版であって、前記主桁の上フランジと対向させて設けられる下端面と、前記下端面から上方に向けて貫通させて形成される挿入孔とを有し、前記下端面は、前記主桁の橋軸方向に向けて前記挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部を有し、前記テーパー部は、橋幅方向に複数に設けられ、前記下端面は、一の前記テーパー部と橋幅方向に隣接する他の前記テーパー部との間に設けられる平面部を有し、前記テーパー部は、下端部の高さが前記平面部の高さ以上となって形成されることを特徴とする。
第4発明に係るプレキャスト床版は、第1発明〜第3発明において、前記挿入孔は、上端側に形成される上端側開口部と、下端側に形成される下端側開口部とを有し、前記上端側開口部は、前記下端側開口部よりも拡径させて形成されることを特徴とする。
第5発明に係る橋梁は、主桁を備えた橋梁であって、前記主桁の上方に第1発明〜第4発明に係るプレキャスト床版が取り付けられることを特徴とする。
第1発明〜第4発明によれば、経時硬化性材の充填時にその表面等に自然に混入される気泡が生じたとき、テーパー部が挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜させて形成されるため、経時硬化性材の充填に伴って、気泡をテーパー部の高さの低い方から高い方へ移動させることが可能となる。
第1発明〜第4発明によれば、橋軸方向に向けて傾斜させたテーパー部が、橋軸方向に間隔を空けて形成される挿入孔の下端側開口部に設けられるため、気泡を挿入孔まで到達させ、気泡を除去することが可能となり、経時硬化性材を十分に充填することが可能となる。
第2発明によれば、特に、挿入孔が、互いに橋軸方向に間隔を空けて複数設けられ、橋軸方向に隣接する前記挿入孔間に形成された前記各テーパー部は、橋軸方向に向けた傾斜の下端部において互いに連続して設けられることによって、経時硬化性材の表面等の如何なる場所に気泡が発生したとしても、経時硬化性材の充填に伴って、気泡をテーパー部に接触させることができる。
また、第2発明によれば、特に、気泡をテーパー部に沿うようにして移動させることができ、挿入孔に向けて排出することが可能となる。
第3発明によれば、特に、テーパー部の下端部の高さが平面部の高さ以上で設けられることによって、積み重ねて運搬や保管がなされるとき、高さ方向への嵩張りを防止することができ、省スペース化を実現することが可能となる。
また、第3発明によれば、特に、運搬や保管がなされるとき、平面状に形成される平面部が最下方に形成されることによって、安定した状態を維持させて積み重ねることができ、安全性を向上させることが可能となる。
第4発明によれば、特に、打設完了後に挿入孔を設けるための型枠を下方から上方に向けて容易に取外すことが可能となる。また、第4発明によれば、引き抜きに対する抵抗力を向上させることが可能となる。
第5発明によれば、特に、プレキャスト床版の挿入孔に経時硬化性材を充填させたときに、テーパー部が形成されることによって、下端面の下方に入り込ませるようにして充填することができ、プレキャスト床版と経時硬化性材とのずれ剛性を向上させることが可能となる。
本発明を適用した橋梁の第1実施形態を示す斜視図である。 本発明を適用した橋梁の第1実施形態を橋幅方向に直交する橋軸方向から見た状態を示す正面図である。 本発明を適用した橋梁の第1実施形態のうち、主桁を示す斜視図である。 本発明を適用した橋梁の第1実施形態のうち、主桁を橋軸方向から見た状態を示す正面図である。 本発明を適用した橋梁の第1実施形態を橋幅方向から見た状態を示す側面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を下方から見た状態を示す斜視図である。 本発明を適用したプレキャスト床版の変形例を下方から見た状態を示す斜視図である。 本発明を適用したプレキャスト床版と主桁とを下方から見た状態を示す斜視図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を下方から見た状態を示す底面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を橋幅方向から見た状態を示す側面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を橋幅方向から見た状態を示す側面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を橋幅方向から見た状態を示す側面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版を橋幅方向から見た状態を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用したプレキャスト床版の挿入孔を上方から見た状態を示す平面図であり、(b)は、それを橋幅方向から見た状態を示す側面図であり、(c)は、それを橋軸方向から見た状態を示す正面図であり、(d)は、その変形例を上方から見た状態を示す平面図である。 本発明を適用したプレキャスト床版の挿入孔から主桁の上フランジの上端面に向けて経時硬化性材を充填している状態を橋幅方向から示す側面図である。 本発明を適用した橋梁の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明を適用した橋梁の第2実施形態のうち、主桁を示す斜視図である。 本発明を適用した橋梁の第2実施形態を橋軸方向から見た状態を示す正面図である。 本発明を適用した橋梁の第2実施形態を橋幅方向から見た状態を示す側面図である。 (a)は、本発明例を橋幅方向から見た状態を示す側断面図であり、(b)は、本発明例を橋軸方向から見た状態を示す正断面図である。 (a)は、比較例を橋幅方向から見た状態を示す側断面図であり、(b)は、比較例を橋軸方向から見た状態を示す正断面図である。 本発明例を用いて載荷試験を行った結果を示し、(a)は、試験体の破壊が生じるまでの載荷荷重と主桁の支間中央のたわみの関係を示したものであり、(b)は、接合面の破壊であるずれ破壊が生じる前までの載荷荷重と主桁の支間中央のたわみの関係を示した図である。 比較例を用いて載荷試験を行った結果を示し、(a)は、試験体の破壊が生じるまでの載荷荷重と主桁の支間中央のたわみの関係を示したものであり、(b)は、接合面の破壊であるずれ破壊が生じる前までの載荷荷重と主桁の支間中央のたわみの関係を示した図である。
以下、本発明を適用した橋梁を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した橋梁1の第1実施形態を示す斜視図である。本発明を適用した橋梁1は、主として、新設として施工される場合や、既設取替として施工される場合に用いられる。
橋梁1は、図1に示すように、第1実施形態において、特に、橋幅方向Zに向けて間隔を空けて併設された主桁30と、主桁30の上方に設けられる平板状のプレキャスト床版40と、主桁30とプレキャスト床版40との間に設けられる経時硬化性材50とを備える。
主桁30は、橋脚又は橋台等の上方に設けられる。主桁30は、上フランジ31並びに下フランジ32間にウェブ33を有するプレキャストコンクリートが用いられる。主桁30は、これに限らず、プレキャストプレストレストコンクリートが用いられてもよい。主桁30は、例えば、断面略I型で形成される。主桁30は、断面略I型に限らず、断面略T型等で形成されてもよく、その形状に限定されない。
図2は、本発明を適用した橋梁1を橋幅方向Zに直交させた橋軸方向Xから見た状態を示す正面図である。
主桁30は、図2に示すように、その上フランジ31の橋幅方向Zの寸法が幅寸法Wfで形成される。主桁30は、橋幅方向Zに向けて鉄筋等で構成されるスターラップ37が配設され、スターラップ37と交差するように鉄筋等で構成される主筋36が配設される。主桁30は、その他の鉄筋が配設される場合があるが、図示は省略する。
主桁30は、その上フランジ31の上端面31aとプレキャスト床版40の下端面41との間に充填された経時硬化性材50が硬化する前に漏れ出るのを防止するためのシーリング材61が設けられてもよい。シーリング材61は、ゴムのような止水性を有する弾性体が用いられる。シーリング材61は、上フランジ31の上端面31aの縁部に設けてられてもよい。
図3は、主桁30を示す斜視図である。図4は、主桁30を橋軸方向Xから見た状態を示す正面図である。
主桁30は、図3に示すように、その上フランジ31の上端面31aから鉄筋等で構成されるずれ止め部材34がその長手方向である橋軸方向Xに間隔をおいて設けられる。主桁30は、橋軸方向Xに向けて水平に設けられる。
主桁30は、その上フランジ31の上端面31aが洗い出し処理による粗面となって形成される。洗い出し処理とは、いわゆる粗面処理であり、例えば、薬液等を接触させることで表面粗さを所定レベルまであらかじめ調整されるものである。実際に、この洗い出し処理では、例えば硬化遅延材を散布させ、これを高圧洗浄水で洗い出しすることにより、粗面処理を施すことが可能となる。この他、粗面処理を行う方法として、剛性のある凹凸を有した樹脂シートを打設前に型枠面に取り付け、コンクリート硬化後、脱型と同時にこのシートを外すことによって、粗面が形成されてもよい。このシートは、エンボス加工が施されることによって凹凸が形成され、例えば、ポリプロピレン樹脂等から構成される。この方法により粗面処理を施すことをエンボス加工樹脂シートによる粗面処理とする。
ずれ止め部材34は、図4(a)に示すように、主桁30に埋め込み固定されている。ずれ止め部材34は、上フランジ31の上端面31aから上方に突出させて形成される縦材34aと、縦材34aの上端から橋幅方向Zに向けて延びて形成される横材34bとで形成される。
ずれ止め部材34は、図4(b)に示すように、縦材34aのみで構成され、横材34bの構成が省略されてもよい。ずれ止め部材34は、図4(c)に示すように、横材34bの橋幅方向Zの両端にそれぞれ縦材34aが構成されてもよい。
ずれ止め部材34は、これに限らず、如何なる形状で形成されてもよい。ずれ止め部材34は、上フランジ31の上端面31aから如何なる数量で突出して設けられてもよい。
プレキャスト床版40は、図1に示すように、橋軸方向Xに間隔を空けて複数並べて設けられる。プレキャスト床版40は、主桁30の橋軸方向Xに隣接するプレキャスト床版40との間を埋めるために充填される場所打ちコンクリートからなる場所打ち接合部63が設けられる。プレキャスト床版40は、橋軸方向Xに向けて主筋49が配設される。
プレキャスト床版40は、床版の全てを、現場でコンクリートを打設するいわゆる現場打ちではなく、プレキャスト製とするために配設されるものである。
図5は、本発明を適用した橋梁1を橋幅方向Zから見た状態を示す側面図である。プレキャスト床版40は、主桁30の上フランジ31の上端面31aと対向させて設けられる下端面41と、下端面41から高さ方向Yの上方に向けて貫通させて形成される挿入孔42と、下端面41の橋軸方向Xの両端部に形成される側面部43とを有する。
図6は、本発明を適用したプレキャスト床版40を下方から見た状態を示す斜視図である。
下端面41は、図6に示すように、橋軸方向Xに向けて挿入孔42に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜させて平面状に形成されるテーパー部45と、一のテーパー部45と橋幅方向Zに隣接する他のテーパー部45との間に設けられる平面部44とを有する。
下端面41は、図2に示すように、上フランジ31の上端面31aから離間させて設けられる。
テーパー部45は、洗い出し処理又はエンボス加工樹脂シートにより粗面となって形成される。テーパー部45は、これに限らず、粗面となる構成が省略させた平滑状に形成されてもよい。
テーパー部45は、図6に示すように、その橋軸方向Xにおいて、傾斜されたテーパー部45の上端である上端部45aと、傾斜されたテーパー部45の下端である下端部45bとを有する。テーパー部45は、その上端部45aの高さが平面部44の高さと略同一に位置するように形成される。テーパー部45は、その下端部45bにおいて橋軸方向Xに隣接する他のテーパー部45が連続して設けられる。
図7は、本発明を適用したプレキャスト床版40の変形例を下方から見た状態を示す斜視図である。テーパー部45は、これに限らず、図7に示すように、上端部45aが平面部44の高さよりも上方に位置し、下端部45bの高さが平面部44の高さと略同一に位置するように形成されてもよい。
この他、図示はしていないが、例えば、テーパー部45は、上端部45a及び下端部45bのそれぞれの高さが、平面部44の高さよりもそれぞれ上方に位置するように形成されてもよい。テーパー部45は、上端部45a及び下端部45bのそれぞれの高さが、平面部44の高さよりもそれぞれ下方に位置するように形成されてもよい。また、テーパー部45は、上端部45aの高さが平面部44よりも上方に位置し、下端部45bの高さが平面部44より下方に位置するようにして形成されてもよい。
図8は、本発明を適用したプレキャスト床版40と主桁30とを下方から見た状態を示す斜視図である。
テーパー部45は、図8に示すように、その橋幅方向Zの寸法である幅寸法Wtが主桁30の上フランジ31の幅寸法Wfと略同一で形成される。幅寸法Wtは、これに限らず、幅寸法Wfと略同一であることに限定されない。
図9は、本発明を適用したプレキャスト床版40を下方から見た状態を示す底面図である。
テーパー部45は、図9に示すように、下方から見て矩形状に形成される。テーパー部45は、橋幅方向Zに複数に列状に設けられる。
図10(a)は、本発明を適用したプレキャスト床版40を橋幅方向Zから見た状態を示す側面図であり、図10(b)、図11、図12、図13は、その変形例を示す図である。
テーパー部45は、図10(a)に示すように、橋軸方向Xにおいて、挿入孔42から遠ざかるにつれて高さが低くなるように形成され、下端部45bでその勾配が上方に向けて変化し、下端部45bが先鋭化させて形成され、隣り合う他の挿入孔42に近づくにつれて高さが高くなるように形成される。
テーパー部45は、水平方向に向けて延びた橋軸方向Xに対する勾配とのなす角である傾斜角θで傾斜して形成される。傾斜角θは、5°以上で形成されることが望ましいが、これに限らず、如何なる角度で形成されてもよい。テーパー部45の長さは、橋軸方向Xにおける傾斜した部分の延長方向の距離である斜距離Sで形成される。
テーパー部45は、これに限らず、図10(b)に示すように、橋軸方向Xにおいて、挿入孔42から遠ざかるにつれて高さが低くなるように形成され、下端部45bでその勾配が略水平方向に向けて変化し、隣り合う他の挿入孔42に近づくにつれて高さが高くなるように形成されてもよい。このとき、テーパー部45は、その下端部45bにおいて略水平方向に向けて延びて形成される水平部46が設けられる。
テーパー部45は、これに限らず、平面状に形成された勾配が段階的に変化して形成されてもよい。すなわち、テーパー部45は、図11(a)に示すように、橋軸方向Xに対するなす角である傾斜角θ1で形成されるテーパー部45―1と、橋軸方向Xに対するなす角である傾斜角θ2で形成されるテーパー部45―2と、テーパー部45―1とテーパー部45―2との勾配が変化する勾配変化部P1とで構成されるものとなる。このとき、傾斜角θ1は、傾斜角θ2よりも大きな角度で形成される。
テーパー部45は、図11(b)に示すように、傾斜角θ1は、傾斜角θ2よりも小さな角度で形成されてもよい。
テーパー部45の長さは、図11(a)及び(b)では、テーパー部45―1の橋軸方向Xにおける傾斜した部分の延長方向の距離である斜距離S1と、テーパー部45―2の橋軸方向Xにおける傾斜した部分の延長方向の距離である斜距離S2とで形成される。このとき、斜距離S1は、斜距離S2と略同一であることが望ましいが、これに限らず、斜距離S2との大小関係によって限定されることはない。
テーパー部45は、図12(a)に示すように、勾配変化部Pが複数に形成されていてもよい。すなわち、テーパー部45は、n個の勾配変化部P1、P2・・・Pnを有していてもよい(nは自然数とする)。このとき、テーパー部45は、テーパー部45―1、45―2、・・・、45―i、・・・45―n+1で形成される。あるテーパー部45―iは、橋軸方向Xに対するなす角である傾斜角θiで傾斜して形成される(iは、1以上n+1以下の自然数とする)。このとき、傾斜角θiは、傾斜角θi+1よりも常に大きくなるように形成されるものとなる。勾配変化部Piの高さは、勾配変化部Pi+1の高さよりも常に高くなるように形成される。
上述した場合において、テーパー部45―iの長さは、その橋軸方向Xにおける傾斜した部分の延長方向の距離である斜距離Siで形成される。このとき、斜距離Siは、斜距離Siとは異なる斜距離Skと略同一であることが望ましいが、これに限らず、斜距離Siが斜距離Skとの大小関係によって制限されることはない(kは、iとは異なる1以上n+1以下の自然数とする)。
また、テーパー部45は、n個の勾配変化部P1、P2・・・Pnを有している場合、あるテーパー部45―iの傾斜角θiが、図12(b)に示すように、傾斜角θi+1よりも常に小さな角度となるように形成されてもよい。
テーパー部45は、平面状に限らず、図13(a)に示すように、勾配が連続的に変化するような曲面状に形成されてもよい。このとき、テーパー部45は、挿入孔42におけるその曲面の接線が傾斜角θで形成され、挿入孔42から遠ざかるにつれてその勾配が小さくなり、その下端部45bにおいて略水平に形成されるものとなる。
若しくは、テーパー部45は、図13(b)に示すように、曲面状に形成される場合、下端部45bにおいてその曲面の接線が傾斜角θで形成されて、挿入孔42に近づくにつれてその勾配が小さくなり、挿入孔42において略水平に形成される。このとき、下端部45bは、略水平方向に向けて延びて形成される水平部46が設けられてもよい。
平面部44は、図6に示すように、下端面41の橋幅方向Zの端部に形成されてもよい。平面部44は、粗面となる構成が省略された平滑状に形成される。
挿入孔42は、図1に示すように、橋幅方向Zに間隔を空けて設けられる複数の主桁30の上フランジ31の上方に位置するように設けられる。挿入孔42は、主桁30の配置数量に応じて、橋幅方向Zに如何なる数量で設けられてもよい。
挿入孔42は、図5に示すように、橋軸方向Xに間隔を空けて複数に設けられる。挿入孔42は、橋軸方向Xに如何なる数量で設けられてもよい。挿入孔42は、橋軸方向Xに隣接する他の挿入孔42との間にテーパー部45が設けられる。
挿入孔42は、その内部にずれ止め部材34が挿入される。挿入孔42は、上端側に形成される上端側開口部42aと、下端側に形成される下端側開口部42bと、上端側開口部42aと下端側開口部42bとの間に形成される内面部42cを有する。
挿入孔42は、上端側開口部42aが下端側開口部42bよりも拡径させて上下方向に貫通させて形成される。挿入孔42は、その内部にセメント等を主成分とする経時硬化性材48が充填される。
図14(a)は、挿入孔42を上方から見た状態を示す平面図であり、図14(b)は、挿入孔42を橋幅方向Zから見た状態を示す側面図であり、図14(c)は、挿入孔42を橋軸方向Xから見た状態を示す正面図である。図14(d)は、挿入孔42の変形例を上方から見た状態を示す平面図である。
上端側開口部42aは、図14(a)に示すように、その橋幅方向Zの寸法である長径Laと、その橋軸方向Xの寸法である短径Maで形成される。下端側開口部42bは、その橋幅方向Zの寸法である長径Lbと、その橋軸方向Xの寸法である短径Mbで形成される。
上端側開口部42aは、図14(b)に示すように、その短径Maが下端側開口部42bの短径Mb以上となるように形成され、かつ図14(c)に示すように、その長径Laが下端側開口部42bの長径Lb以上となるように形成されることが好適であるが、これに限定されない。
上端側開口部42aは、例えば、その短径Maが下端側開口部42bの短径Mb以上で形成され、その長径Laが下端側開口部42bの長径Lbと略同一で形成されてもよい。この他、上端側開口部42aは、その短径Maが下端側開口部42bの短径Mbと略同一で形成され、その長径Laが下端側開口部42bの長径Lb以上となるように形成されてもよい。
上端側開口部42a及び下端側開口部42bは、図14(a)に示すように、上方から見た場合、長穴形状で形成される。上端側開口部42a及び下端側開口部42bは、これに限らず、円形状に形成されてもよい。上端側開口部42a及び下端側開口部42bは、長穴形状に限らず、図14(d)に示すように、四角形状で形成されてもよく、その形状に限定されることはない。
下端側開口部42bは、図2に示すように、橋幅方向Zにおいて、その長径Lbが上フランジ31の上端面31aの幅寸法Wfよりも小さくなるように設けられる。下端側開口部42bは、図6に示すように、テーパー部45の上端部45aに設けられる。
内面部42cは、図14(b)及び(c)に示すように、上端側開口部42aから下端側開口部42bに向けて、縮径させて同一の傾きで傾斜して形成される。内面部42cは、これに限らず、その傾斜の傾きを変化させるようにして形成されてもよい。内面部42cは、これに限らず、曲面状に形成されてもよい。
側面部43は、図6に示すように、鉄筋等で構成される主筋49が橋軸方向Xに向けて突出するように設けられる。主筋49は、エポキシ樹脂塗装が施されていてもよい。主筋49は、その先端に場所打ち接合部63との付着を向上させるための補強部材49aが取り付けられてもよい。補強部材49aは、鋼材等の金属が用いられる。主筋49は、図示はしないが、側面部43から橋軸方向Xに向けて突出させ、その途中で半円形状に形成させ、側面部43に向けて延びて形成されてもよい。
経時硬化性材48は、モルタル、グラウト、コンクリートといった水和によって硬化するもの等、一定時間が経過すると硬化する材料である。経時硬化性材48は、膨張性を有するセメント系材料であってもよい。
経時硬化性材50は、図4に示すように、主桁30の上フランジ31の上端面31aとプレキャスト床版40の下端面41との間に充填される。経時硬化性材50は、経時硬化性材48の代替として充填可能なものである。
経時硬化性材50は、無収縮モルタルや無収縮グラウト等といった水和反応によって硬化するもの等、一定時間が経過すると硬化する材料である。経時硬化性材50は、望ましくは、流動性の高いセメント系材料が選定されるとよい。
図15は、本発明を適用したプレキャスト床版40の挿入孔42から上フランジ31の上端面31aに向けて経時硬化性材50を充填している状態を橋幅方向Zから示す側面図である。
本発明を適用したプレキャスト床版40は、図15に示すように、経時硬化性材50の充填時にその表面等に自然に混入される気泡80が生じたとき、テーパー部45が挿入孔42に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜させて形成されるため、経時硬化性材50の充填に伴って、気泡80を図15の矢印の方向に向けてテーパー部45の高さの低い方から高い方へ移動させることが可能となる。
このとき、本発明を適用したプレキャスト床版40は、橋軸方向Xに向けて傾斜させたテーパー部45が、橋軸方向Xに間隔を空けて形成される挿入孔42の下端側開口部42bに設けられるため、気泡80を挿入孔42まで到達させることが可能となる。
このため、本発明を適用したプレキャスト床版40は、経時硬化性材50を充填することによって、表面等に発生した気泡80を挿入孔42まで到達させることができ、気泡80を除去することができるものとなる。従って、本発明を適用したプレキャスト床版40は、経時硬化性材50を十分に充填することが可能となる。
本発明を適用したプレキャスト床版40は、挿入孔42が互いに橋軸方向Xに間隔を空けて複数に設けられ、橋軸方向Xに隣接する挿入孔42間に形成された各テーパー部45は、橋軸方向Xに向けた傾斜の下端部45bにおいて互いに連続して設けられることによって、経時硬化性材50の表面等の如何なる場所に気泡80が発生したとしても、経時硬化性材50の充填に伴って、気泡80をテーパー部45に接触させることができる。
このため、本発明を適用したプレキャスト床版40は、その下方に経時硬化性材50を充填したときに、気泡80をテーパー部45に沿わせて移動させることができ、挿入孔42に向けて排出することが可能となる。
本発明を適用したプレキャスト床版40は、図12(a)及び(b)に示すように、テーパー部45が勾配変化部Pを複数に形成された場合、勾配変化部Piの高さが、勾配変化部Pi+1の高さよりも常に高くなるように形成される。
これにより、本発明を適用したプレキャスト床版40は、その下方に経時硬化性材50を充填したときに、気泡80をテーパー部45に沿わせて移動させることができ、挿入孔42に向けて排出することが可能となる。
本発明を適用したプレキャスト床版40は、その下方に経時硬化性材50を充填したときに、テーパー部45が粗面となって形成されることによって、その粗面の凹凸の間から気泡80をテーパー部45に沿わせて移動させることができ、挿入孔42に向けて排出することが可能となる。
本発明を適用した橋梁1は、コンクリートで構成される主桁30とプレキャスト床版40とで接合される場合、上フランジ31の上端面31aとテーパー部45とが粗面となって形成される。
このとき、本発明を適用した橋梁1は、プレキャスト床版40の下端面41を主桁30の上フランジ31から離間させて空隙を形成させ、その空隙に経時硬化性材50を充填される。
これにより、本発明を適用した橋梁1は、その粗面の凹凸に経時硬化性材50を噛み合わせることができ、プレキャスト床版40のテーパー部45及び上フランジ31の上端面31aが経時硬化性材50と強固に固定させることができ、ずれせん断耐力を向上させることが可能となる。
本発明を適用したプレキャスト床版40は、プレキャスト製であるため、工場から施工現場への運搬や、施工するまで空間的に制限のある施工現場付近等での保管が必要となる。
このため、本発明を適用したプレキャスト床版40は、施工現場への運搬や施工現場付近等で保管がなされるときに、積み重ねておく必要がある。本発明を適用したプレキャスト床版40は、テーパー部45の下端部45bの高さが平面部44の高さ以上で設けられることによって、積み重ねて運搬や保管がなされるとき、高さ方向Yへの嵩張りを防止することができ、省スペース化を実現することが可能となる。
また、本発明を適用したプレキャスト床版40は、運搬や保管がなされるとき、平面状に形成される平面部44が最下方に形成されることによって、安定した状態を維持させて積み重ねることができ、安全性を向上させることが可能となる。
本発明を適用したプレキャスト床版40は、工場等で製作されるときに、挿入孔42を設けるための型枠をあらかじめ設置してからコンクリートが打設されるものである。このため、本発明を適用したプレキャスト床版40は、挿入孔42の上端側開口部42aがそれの下端側開口部42bよりも拡径させて上下方向に貫通させて形成されることによって、打設完了後に挿入孔42を設けるための型枠を下方から上方に向けて容易に取外すことが可能となる。
また、本発明を適用したプレキャスト床版40は、図5に示すように、挿入孔42の上端側開口部42aがそれの下端側開口部42bよりも拡径させて上下方向に貫通させて形成されることによって、上方に向けて引き抜かれる力が作用したときに、内面部42cが硬化した経時硬化性材48に係止されるため、引き抜きに対する抵抗力を向上させることが可能となる。
次に、本発明を適用した橋梁1は、図16に示すように、第2実施形態において、特に、鋼材等の金属で構成される主桁70と、主桁70の上方に設けられるプレキャスト床版40とを備える場合について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
主桁70は、上フランジ71並びに下フランジ72間にウェブ73を有し、H型鋼等の鋼材が用いられる。主桁70は、例えば、断面略I型等で形成される。主桁70は、これに限らず、如何なる形状で形成されてもよい。
図17は、主桁70を示す斜視図である。主桁70は、その上フランジ71の上端面71aが、粗面としての構成が省略された平滑状に形成される。主桁70は、その上フランジ71の上端面71aからスタッドジベル等で構成されるずれ止め部材74が橋軸方向Xに間隔をおいて設けられる。
ずれ止め部材74は、上フランジ71の上端面71aから突出させて形成される。ずれ止め部材74は、その上方の先端に頭部74aが設けられる。なお、頭部74aの構成は、省略させてもよい。
図18は、本発明を適用した橋梁1の第2実施形態を橋軸方向Xから見た状態を示す正面図である。図19は、本発明を適用した橋梁1の第2実施形態を橋幅方向Zから見た状態を示す側面図である。
プレキャスト床版40は、図18に示すように、主桁70の上フランジ71の上端面71aから突出して取り付けられたスタッドジベル等から構成されるずれ止め部材74が挿入孔42にその下側から挿入される。
プレキャスト床版40は、図19に示すように、テーパー部45の下端部45bを主桁70の上フランジ71の上端面71aの上方に設けられる。プレキャスト床版40は、そのテーパー部45の下端部45bと主桁70の上フランジ71の上端面71aとの間及び挿入孔42の内部に経時硬化性材48が充填される。プレキャスト床版40は、その下端面41が粗面として構成が省略された平滑状に形成される。
本発明を適用した橋梁1の第2実施形態は、プレキャスト床版40の挿入孔42に経時硬化性材48を充填させたときに、テーパー部45が形成されることによって、下端面41の下方に入り込ませるようにして充填することができる。
このため、本発明を適用した橋梁1の第2実施形態は、プレキャスト床版40にテーパー部45が設けられることによって、プレキャスト床版40と経時硬化性材48とのずれ剛性を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
以下、本発明を適用した橋梁1は、桁と床版との間に十分なずれせん断耐力を有していることを確認した実施例について説明する。
本発明を適用した橋梁1に対して、載荷試験を行い、載荷荷重と桁の支間中央のたわみの関係から、床版と桁とのずれせん断耐力を確認した。
試験体は、以下の表1に示すように、床版の下面にテーパーを有しているか否かが異なるものを製作した。
Figure 0006532792
図20(a)は、本発明例を橋幅方向Zから見た状態を示す側断面図であり、図20(b)は、本発明例を橋軸方向Xから見た状態を示す正断面図である。図21(a)は、比較例を橋幅方向Zから見た状態を示す側断面図であり、図21(b)は、比較例を橋軸方向Xから見た状態を示す正断面図である。
本発明例は、プレキャストプレストレストコンクリートが用いられた主桁30と、主桁30の上方に設けられたプレキャスト床版40と、主桁30とプレキャスト床版40との間に経時硬化性材50とを備える。
主桁30は、主筋36が橋軸方向Xに向けて配設され、主筋36と交差するようにスターラップ37が配設される。主桁30の上端面30aは、表面処理剤により洗い出され、粗面となって形成される。主桁30は、プレストレスを与えるための鋼棒39が橋軸方向Xに向けて2本配設される。鋼棒39の径は32mmで、シース管の径は38mmが用いられる。主桁30は、その上端面30aにずれ止め部材34が橋軸方向Xに間隔を置いて配設される。
ずれ止め部材34は、日本工業規格(JIS G 3112)で定められたSD295AのD10の鉄筋コンクリート用棒鋼が用いられる。ずれ止め部材34は、主桁30の上端面30aの面積に対するずれ止め部材34の断面積の比である、いわゆるずれ止め鉄筋比(用心鉄筋比)が0.2%となるように配設させる。
プレキャスト床版40は、その下端面41が粗面となって形成される。プレキャスト床版40は、挿入孔42にずれ止め部材34が下方から挿入されて主桁30の上端面30aに対向させて設けられる。
本発明例及び比較例は、主桁30の上端面30aとプレキャスト床版40の下端面41との間の形成される空隙に、挿入孔42から無収縮モルタルで構成される経時硬化性材50を充填される。本発明例及び比較例は、主桁30の上端面30aと経時硬化性材50の最下層と接触する下接合面と、プレキャスト床版40の下端面41で経時硬化性材50の最上層と接触する上接合面を有して接合される。
本発明例及び比較例は、挿入孔42の内部には膨張コンクリートで構成される経時硬化性材48が打設される。
本発明例は、特に、図20(a)に示すように、プレキャスト床版40の下端面41に、主桁30の橋軸方向Xに向けて挿入孔42に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部45を有し、特に、5%の勾配で傾斜して形成され、主桁30と接合される。
比較例は、特に、図21(a)に示すように、プレキャスト床版40の下端面41に、テーパー部45の構成が省略され、粗面とされた平面部44のみを有して主桁30と接合されるものである。
図22は、本発明例を用いて載荷試験を行った結果を示し、(a)は、試験体の破壊が生じるまでの載荷荷重と主桁30の支間中央のたわみ(図中の凡例ではD3で表記する)関係を示したものであり、(b)は、接合面の破壊であるずれ破壊が生じる前までの載荷荷重と主桁30の支間中央のたわみ(D3)関係を示したものである。ずれ破壊とは、上接合面又は下接合面における破壊のことである。
また、図23は、引用例を用いて載荷試験を行った結果である。図22及び図23に示す凡例のうち、安全率無(50N/mm2)は、コンクリートの設計基準強度が50N/mm2の場合において、国土交通省により定められた道路橋示方書(平成24年度)で示される許容値を安全率1.7で除した値を示すものである。
本発明例は、図22に示すように、載荷荷重が安全率無(50N/mm2)を上回った後に、ずれ破壊が生じた。その後、本発明例は、主桁30の圧縮破壊により耐力が低下した。
これに対し、比較例は、図23に示すように、載荷荷重が200kNを上回った付近でずれ破壊が生じた。比較例は、主桁30とプレキャスト床版40自体は破壊していないため、載荷を続けると荷重が増加し、最終的には主桁30のせん断破壊が生じ、耐力が低下した。
以上により、本発明例は、引用例よりも大きな載荷荷重において、ずれ破壊が生じたことから、引用例よりも優れたずれせん断耐力を有することが確認された。これは、本発明例が、プレキャスト床版40の下端面41にテーパー部45を有することによって、経時硬化性材50を充填したときに、空気溜り等を除去でき、内部の空気を押し出すようにして充填されるため、主桁30とプレキャスト床版40とがより強固に接合されるものと推察された。
また、本発明例は、載荷荷重が道路橋示方書(平成24年度)で示される許容値を安全率1.7で除した値を上回ってずれ破壊が生じたことから、優れたずれせん断耐力を有することが示唆された。
1 :橋梁
30、70 :主桁
30a、31a、71a :上端面
31、71 :上フランジ
32、72 :下フランジ
33、73 :ウェブ
34、74 :ずれ止め部材
34a :縦材
34b :横材
36、49 :主筋
37 :スターラップ
39 :鋼棒
40 :プレキャスト床版
41 :下端面
42 :挿入孔
42a :上端側開口部
42b :下端側開口部
42c :内面部
43 :側面部
44 :平面部
45 :テーパー部
45a :上端部
45b :下端部
46 :水平部
48、50 :経時硬化性材
49a :補強部材
61 :シーリング材
63 :場所打ち接合部
74a :頭部
80 :気泡
La、Lb :長径
Ma、Mb :短径
P :勾配変化部
S :斜距離
Wf、Wt :幅寸法
X :橋軸方向
Y :高さ方向
Z :橋幅方向
θ :傾斜角

Claims (5)

  1. 主桁の上方に設けられるプレキャスト床版であって、
    前記主桁の上フランジと対向させて設けられる下端面と、前記下端面から上方に向けて貫通させて形成される挿入孔とを有し、
    前記下端面は、前記主桁の橋軸方向に向けて前記挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部を有し、
    前記テーパー部は、橋幅方向に複数に設けられ
    前記テーパー部の橋幅方向の幅は、前記上フランジの橋幅方向の幅以下であること
    を特徴とするプレキャスト床版。
  2. 主桁の上方に設けられるプレキャスト床版であって、
    前記主桁の上フランジと対向させて設けられる下端面と、前記下端面から上方に向けて貫通させて形成される挿入孔とを有し、
    前記下端面は、前記主桁の橋軸方向に向けて前記挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部を有し、
    前記テーパー部は、橋幅方向に複数に設けられ、
    前記挿入孔は、互いに橋軸方向に間隔を空けて複数に設けられ、
    橋軸方向に隣接する前記挿入孔間に形成された前記各テーパー部は、橋軸方向に向けた傾斜の下端部において互いに連続して設けられること
    を特徴とするプレキャスト床版。
  3. 主桁の上方に設けられるプレキャスト床版であって、
    前記主桁の上フランジと対向させて設けられる下端面と、前記下端面から上方に向けて貫通させて形成される挿入孔とを有し、
    前記下端面は、前記主桁の橋軸方向に向けて前記挿入孔に近づくにつれて高さが高くなるように傾斜したテーパー部を有し、
    前記テーパー部は、橋幅方向に複数に設けられ、
    前記下端面は、一の前記テーパー部と橋幅方向に隣接する他の前記テーパー部との間に
    設けられる平面部を有し、
    前記テーパー部は、下端部の高さが前記平面部の高さ以上となって形成されること
    を特徴とするプレキャスト床版。
  4. 前記挿入孔は、上端側に形成される上端側開口部と、下端側に形成される下端側開口部
    とを有し、
    前記上端側開口部は、前記下端側開口部よりも拡径させて形成されること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のプレキャスト床版。
  5. 主桁を備えた橋梁であって、
    前記主桁の上方に請求項1〜4の何れか1項記載のプレキャスト床版が取り付けられる
    こと
    を特徴とする橋梁。
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