以下に、本発明の実施形態に係る係止構造および電気接続箱につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1から図9を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、係止構造および電気接続箱に関する。図1は、第1実施形態に係る被支持部材および第一係止部を示す斜視図、図2は、第1実施形態に係る支持体および第二係止部を示す斜視図、図3は、第1実施形態に係る被支持部材および第一係止部の平面図、図4は、第1実施形態に係る被支持部材の側面図、図5は、第1実施形態に係る支持体および第二係止部の平面図、図5は、第1実施形態に係る支持体および第二係止部の平面図である。
本実施形態に係る係止構造1は、図1に示す被支持部材2および第一係止部10と、図2に示す支持体3および第二係止部20とを有する。第一係止部10は、被支持部材2および支持体3の互いに対向する面の一方である第一面に設けられる。第二係止部20は、上記互いに対向する面の他方である第二面に設けられる。本実施形態では、被支持部材2が、相互に連結される部材の一方である第一部材に対応している。被支持部材2の側面2a,2bが第一面であり、第一面である側面2a,2bに第一係止部10が配置されている。支持体3は、相互に連結される部材の他方である第二部材に対応している。支持体3の内側の壁面31a,32aが第二面であり、第二面である壁面31a,32aに第二係止部20が配置されている。
本実施形態の被支持部材2は、略直方形状の部材であり、例えば、合成樹脂で形成されている。被支持部材2は、図示しない電子部品(例えば、コネクタ、ヒューズ、リレー、分岐部、電子制御ユニット)を保持しており、当該電子部品と共に電子部品ユニット40を構成している。図2に示す支持体3は、被支持部材2を支持する。本実施形態の支持体3は、電気接続箱100のボディ(枠体)である。支持体3は、壁部によって仕切られた複数の収容空間部(第一収容空間部3a,第二収容空間部3b,…)を内部に有する。より具体的には、支持体3は、外周壁部31および仕切り壁部32を有する。仕切り壁部32は、外周壁部31の内部を複数の収容空間部3a,3b,…に仕切っている。本実施形態の仕切り壁部32は、互いに直交する二方向に延在しており、平面形状が矩形の収容空間部3a,3b,…を形成している。支持体3は、例えば、合成樹脂で一体成形されている。各収容空間部3a,3bに被支持部材2(電子部品ユニット40)を収容した支持体3の開口部は、電気接続箱100の図示しないアッパーカバーおよびロアカバーによって閉塞される。本実施形態では、第一収容空間部3aに被支持部材2が収容される場合を例にして、係止構造1について説明する。
支持体3の第一収容空間部3aは、外周壁部31および仕切り壁部32によって四方から囲まれた空間部である。第一収容空間部3aの軸方向の両端は、それぞれ開放している。言い換えると、第一収容空間部3aは、両端が開放した筒状の壁部によって囲まれている。第一収容空間部3aには、軸方向に沿って被支持部材2が挿入される。本実施形態の第一係止部10と第二係止部20とは、支持体3に対して被支持部材2を相対的にスライドさせることで係合する。本実施形態では、支持体3に対する被支持部材2の挿入方向、すなわち筒状の壁部の軸方向がスライド方向となっている。
本実施形態では、第一収容空間部3aに対して、スライド方向の何れの側からも被支持部材2を挿入可能である。第一収容空間部3aに被支持部材2が挿入されると、第一係止部10と第二係止部20とが係合して、被支持部材2が第一収容空間部3aに保持される。第一係止部10と第二係止部20とが互いに係合すると、スライド方向において第二係止部20が係止され、被支持部材2のスライド方向への移動が規制されるロック状態となる。
図1および図3に示すように、被支持部材2の互いに平行な側面2a,2bには、それぞれ第一係止部10が設けられている。被支持部材2と本実施形態の第一係止部10とは、一体形成されている。第一係止部10は、被支持部材2の側面2a,2bにそれぞれ配置されている。なお、以下の説明では、側面2aと側面2bを区別しない場合、「第一面2a,2b」と称する。
図3および図4に示すように、第一係止部10は、第一板状部11と、第一柱状部12を有する。第一板状部11は、第一面2a,2bと対向する板状の構成部である。第一柱状部12は、第一面2a,2bと第一板状部11とを接続する柱状の構成部である。本実施形態の第一柱状部12の断面形状は、スライド方向が長手方向となる矩形である。第一面2a,2bには、幅方向に沿って所定の間隔で複数の第一係止部10が配置されている。なお、第一面2a,2bの幅方向は、スライド方向と直交する方向である。
図4に示すように、スライド方向における第一板状部11の長さは、スライド方向における第一面2a,2bの長さと同じとされている。第一板状部11は、本体部13と、第一係合突起14と、第一支持部15とを有する。本体部13は、第一柱状部12によって直接支持されている部分である。第一係合突起14は、第一柱状部12から離間する方向に幅方向に突出した部分である。第一係合突起14は、後述するように、被支持部材2が支持体3の第一収容空間部3aに挿入されたときに第二柱状部22(図7参照)に係合する突起である。第一係合突起14は、係止面141を有する。係止面141は、幅方向と平行な面であり、スライド方向における第二柱状部22の端面に当接して第二係止部20と第一係止部10との挿入方向の相対移動を規制する。第一係合突起14は、傾斜面142を有する。傾斜面142は、スライド方向における係止面141とは反対側に設けられている。傾斜面142は、基端側から先端側へ向かうに従って係止面141に近づくように傾斜している。言い換えると、第一係合突起14は、基端側から先端側へ向けて幅が狭くなるテーパ形状に形成されている。傾斜面142は、第一係止部10と第二係止部20とが相対的にスライドして係合するときに、第二柱状部22をガイドするガイド部として機能する。
第一支持部15は、第一係合突起14を支持する構成部であり、可撓性を有している。第一支持部15は、本体部13における幅方向の端部から、スライド方向の端部側に向けて延在している。本体部13と第一支持部15とは、切り欠き部16によって幅方向に隔てられている。切り欠き部16は、第一板状部11のスライド方向の一端から他端に向けて挿入方向に延在している。切り欠き部16は、スライド方向の中間部よりも手前まで延在している。第一支持部15は、可撓性を有しており、第一係合突起14がスライド方向と交差する方向へ移動するように撓むことが可能である。第一支持部15は、例えば、第一係合突起14がスライド方向と直交する方向へ移動するように撓むことができる。
本実施形態では、それぞれの第一係止部10に第一係合突起14および第一支持部15が二組設けられている。第一係合突起14は、一方側係合突起14a、および他方側係合突起14bを有する。一方側係合突起14aは、幅方向の一方側に向けて突出しており、他方側係合突起14bは、幅方向の他方に向けて突出している。一方側係合突起14aは、スライド方向の一方側の端部に配置され、他方側係合突起14bは、スライド方向の他方側の端部でかつ一方側係合突起14aに対して対角上に配置されている。一方側支持部15aは、一方側係合突起14aを支持し、他方側支持部15bは、他方側係合突起14bを支持する。すなわち、一方側支持部15aは、本体部13から挿入方向の一方側に向けて延在しており、他方側支持部15bは、本体部13から挿入方向の他方側に向けて延在している。第一係止部10は、第一柱状部12の中心軸線周りに180度回転させた場合に同一形状となる回転対称性を有している。
第一板状部11の幅方向の端面は、スライド方向と平行である。幅方向において隣接する第一板状部11の端面同士の間隔W1は、第二柱状部22の厚さt2(図5参照)よりもわずかに広い。つまり、第一係止部10と第二係止部20とが係合した状態(図7参照)において、互いに隣接する第一板状部11は、スライド方向と直交する方向の両側から第二柱状部22を係止することができる。図4に示すように、一つの第一係止部10の一方側係合突起14aが有する係止面141と、隣接する第一係止部10の他方側係合突起14bが有する係止面141とは、スライド方向において対向している。対向する係止面141,141のスライド方向における間隔W2は、第二柱状部22の長さL2(図7参照)よりもわずかに広い。従って、第一係合突起14は、スライド方向の両側から第二柱状部22を係止することができる。
図2および図5に示すように、支持体3の第一収容空間部3aにおいて、互いに対向する壁面31a,32aには、それぞれ第二係止部20が設けられている。支持体3と第二係止部20とは、一体形成されている。壁面31aは、外周壁部31の内側面であり、壁面32aは、仕切り壁部32における壁面31aと対向する面である。なお、以下の説明では、壁面31aと壁面32aとを区別しない場合、「第二面31a,32a」と称する。
図5、図6および図8に示すように、第二係止部20は、第二板状部21と、第二柱状部22を有する。第二板状部21は、第二面31a,32aと対向する板状の構成部である。第二柱状部22は、第二面31a,32aと第二板状部21とを接続する柱状の構成部である。本実施形態の第二係止部20は、第一係止部10と同一の形状および寸法を有している。すなわち、第二柱状部22の断面形状は、第一柱状部12の断面形状と同様に、スライド方向が長手方向となる矩形である。また、第二板状部21は、第一板状部11の本体部13と同様の本体部23、第一係合突起14と同様の第二係合突起24、および第一支持部15と同様の第二支持部25を有する。
第二係合突起24は、被支持部材2が支持体3の第一収容空間部3aに挿入されたときに第一柱状部12に係合する突起である。第二係合突起24は、一方側係合突起14aと同様の一方側係合突起24a、および他方側係合突起14bと同様の他方側係合突起24bを有する。第二係合突起24は、第一係合突起14の係止面141と同様の係止面241を有する。係止面241は、第一柱状部12のスライド方向の端面を係止して第一係止部10と第二係止部20との挿入方向の相対移動を規制する。
第二支持部25は、一方側支持部15aと同様の一方側支持部25a、および他方側支持部15bと同様の他方側支持部25bを有している。第二支持部25は、可撓性を有しており、第二係合突起24が幅方向へ移動するように撓むことが可能である。第二面31a,32aには、幅方向に沿って所定の間隔で複数の第二係止部20が配置されている。
第二板状部21の幅方向の端面は、スライド方向と平行である。幅方向において隣接する第二板状部21の端面同士の間隔W3(図8参照)は、第一係止部10の第一柱状部12の厚さt1(図3参照)よりもわずかに広い。つまり、第一係止部10と第二係止部20とが係合した状態(図8参照)において、互いに隣接する第二板状部21は、スライド方向と直交する方向の両側から第一柱状部12を係止することができる。
一つの第二板状部21の一方側係合突起24aが有する係止面241と、隣接する第二板状部21の他方側係合突起24bが有する係止面241とは、挿入方向において対向している。対向する係止面241,241の挿入方向における間隔W4は、第一柱状部12の長さL1よりもわずかに広い。従って、第二係合突起24は、スライド方向の両側から第一柱状部12を係止することができる。
被支持部材2は、第一面2a,2bと第二面31a,32aとが互いに対向するようにして、第一収容空間部3aに挿入される。ここで、図6乃至図8を参照して説明するように、第一係止部10と第二係止部20は、互いに係合可能なように幅方向の位置がずらされている。図6は、第一係止部10と第二係止部20とが係合した状態を示す要部平面図、図7は、図6のVII−VII断面図、図8は、図6のVIII−VIII断面図である。図7は、第一板状部11と第二柱状部22との係合状態を示す断面図であり、図8は、第二板状部21と第一柱状部12との係合状態を示す断面図である。
図6に示すように、幅方向において、第一柱状部12と第二柱状部22は、交互に並ぶ。第一柱状部12は、隣接する第二板状部21の間に進入し、二つの第二板状部21によって係止される。一方、第二柱状部22は、隣接する第一板状部11の間に進入し、二つの第一板状部11によって係止される。
図6に示すように、第一係止部10の第一板状部11は、第二係止部20の第二板状部21と壁面31a(第二面)との間に挿入される。第二板状部21と壁面31aとの隙間の大きさは、第一板状部11の厚さよりもわずかに大きい。従って、第二板状部21は、壁面31aとの間に第一板状部11を挟み、被支持部材2のがたつきを抑制することができる。また、第二板状部21は、第一板状部11と被支持部材2の側面2a(第一面)との間に挿入される。第一板状部11と側面2aとの隙間の大きさは、第二板状部21の厚さよりもわずかに大きい。従って、第一板状部11は、側面2aとの間に第二板状部21を挟み、被支持部材2のがたつきを抑制することができる。
図7に示すように、第一係止部10の一方側係合突起14aは、第二柱状部22におけるスライド方向の一方側(図7の上側)の端部に対して、当該一方側(図7の上側)から係合する。一方側係合突起14aの係止面141は、第二柱状部22の端面22aとスライド方向において対向する。一方側係合突起14aの係止面141は、第二柱状部22がスライド方向の一方側(図7の上側)へ向けて移動することを規制する。一方、他方側係合突起14bは、第二柱状部22におけるスライド方向の他方側(図7の下側)の端部に対して、当該他方側(図7の下側)から係合する。他方側係合突起14bの係止面141は、第二柱状部22の端面22bとスライド方向において対向する。他方側係合突起14bの係止面141は、第二柱状部22がスライド方向の他方側(図7の下側)へ向けて移動することを規制する。このように、第一係止部10は、一対の係合突起14a,14bによってスライド方向の両側から第二柱状部22を挟み込み、支持体3に対して被支持部材2がスライド方向に相対移動することを規制する。
図8に示すように、第二係止部20の一方側係合突起24aは、第一柱状部12におけるスライド方向の一方側(図8の上側)の端部に対して、当該一方側(図8の上側)から係合する。一方側係合突起24aの係止面241は、第一柱状部12の端面12aとスライド方向において対向する。一方側係合突起24aの係止面241は、第一柱状部12がスライド方向の一方側(図8の上側)へ向けて移動することを規制する。一方、他方側係合突起24bは、第一柱状部12におけるスライド方向の他方側(図8の下側)の端部に対して、当該他方側(図8の下側)から係合する。他方側係合突起24bの係止面241は、第一柱状部12の端面12bとスライド方向において対向する。他方側係合突起24bの係止面241は、第一柱状部12がスライド方向の他方側(図8の下側)へ向けて移動することを規制する。このように、第二係止部20は、一対の係合突起24a,24bによってスライド方向の両側から第一柱状部12を挟み込み、支持体3に対して被支持部材2がスライド方向に相対移動することを規制する。
被支持部材2が第一収容空間部3aに挿入される際には、一方側支持部15aまたは他方側支持部15bが撓み変形して第二柱状部22の通過を許容する。例えば、図9に矢印Y1で示すように、支持体3に対して第一係止部10がスライド方向の上側に向けて挿入される場合、一方側係合突起14aの傾斜面142が第二柱状部22に接触する。第一係止部10が更にスライド方向の上側に向けて挿入されると、傾斜面142が第二柱状部22によって幅方向に押圧される。第二柱状部22からの押圧力により、一方側支持部15aが撓み変形する。一方側支持部15aの撓み変形により、矢印Y2で示すように、一方側係合突起14aが第二柱状部22から離間する方向に向けて幅方向に移動する。第二柱状部22は、一方側支持部15aを変形させ、一方側係合突起14aと摺動しながら、一方側係合突起14aと他方側係合突起14bとの間のスペースまで挿入方向に移動する。第二柱状部22が当該スペースに到達すると、一方側支持部15aの弾性復元力によって一方側係合突起14aが矢印Y2方向と反対方向に移動し、第二柱状部22に係合する。これにより、第二柱状部22は、スライド方向の両側から係合突起14a,14bによって係止され、第一収容空間部3aに保持される。
これとは逆に、支持体3に対して第一係止部10がスライド方向の下側に向けて挿入される場合、他方側係合突起14bの傾斜面142が第二柱状部22に接触することになる。この場合、他方側係合突起14bが幅方向へ移動するように他方側支持部15bが撓み変形して第二柱状部22の通過を許容する。
また、第一柱状部12に対して第二板状部21の係合突起24a,24bが係合するときの動作は上記と同様である。被支持部材2が第一収容空間部3aに挿入される際には、第二板状部21の一方側支持部25aまたは他方側支持部25bが撓み変形して第一柱状部12の通過を許容する。
以上説明したように、本実施形態の係止構造1および電気接続箱100は、第一係止部10と、第二係止部20とを有する。第一係止部10は、第一板状部11と、第一柱状部12とを有する。第一板状部11は、スライド方向において第二柱状部22を係止する第一係合突起14と、第一係合突起14を支持する可撓性の第一支持部15とを有する。第一支持部15は、第一係合突起14が第一面2a,2bと平行でかつスライド方向と交差する方向へ移動するように撓む。第一係合突起14は、スライド方向の一方側から第二柱状部22を係止する一方側係合突起14a、およびスライド方向の他方側から第二柱状部22を係止する他方側係合突起14bを有する。
よって、本実施形態の係止構造1および電気接続箱100によれば、支持体3に対して被支持部材2をスライド方向の何れの向きからも挿入して係合させることが可能である。従って、本実施形態の係止構造1および電気接続箱100は、被支持部材2を支持体3とを連結する組付け工程(連結工程)の自由度を向上させる。
また、本実施形態の第二板状部21は、スライド方向において第一柱状部12を係止する第二係合突起24と、第二係合突起24を支持する可撓性の第二支持部25とを有する。第二支持部25は、第二係合突起24が第二面31a,32aと平行でかつスライド方向と交差する方向(例えば、第二面31a,32aの幅方向)へ移動するように撓む。第二係合突起24は、スライド方向の一方側から第一柱状部12を係止する一方側係合突起24a、およびスライド方向の他方側から第一柱状部12を係止する他方側係合突起24bを有する。
よって、本実施形態の係止構造1および電気接続箱100によれば、第一柱状部12と第二係合突起24との係合、および第二柱状部22と第一係合突起14との係合のそれぞれによって被支持部材2が支持体3に係止される。このように二重のロック構造によって被支持部材2が係止されることで、係止状態の安定性が向上する。
また、本実施形態の第一係止部10および第二係止部20は、それぞれ係止構造のオス部(係合突起14,24)およびメス部(柱状部12,22)を有している。従って、第一係止部10および第二係止部20は、係止の相手側部材の構成に応じてオス側として機能することも、メス側として機能することも、これらの両方として同時に機能することも可能である。よって、本実施形態の係止構造1は、連結工程の自由度を向上させる。例えば、第一係止部10(または第二係止部20)を有する支持体3は、オス部あるいはメス部の何れの係止構造を有する被支持部材2であっても受け入れ可能である。
また、第一係止部10および第二係止部20は、オス部およびメス部の両方を有していることから、自分自身と同形状の係止部と嵌合可能である。すなわち、第一係止部10(または第二係止部20)を1種類のロックの標準形状とすることができ、オス側とメス側を別々に設計することが不要となる。
また、本実施形態の第一係止部10および第二係止部20は、以下に説明するように、T字リブの強さを持ち合わせている。なお、「T字リブ」は、リブが延在する方向と直交する断面形状が略T字型であるリブを示す。例えば、図7の破線R1で囲まれた部分は、隣接する第二柱状部22が第一板状部11を幅方向の両側から挟み込んでいる。つまり、第二面31a,32aから突出する複数の第二柱状部22が、第一板状部11によって互いに連結された構成となっている。このR1部分の構成は、幅方向の外力に対して強度を持ち、T字リブと同様の強度向上を実現できる。なお、第一柱状部12と第二板状部21とが交互に隣接している部分も同様の強度向上を実現できる。
スライド方向の外力に対しては、第一係合突起14と第二柱状部22との係り代、および第二係合突起24と第一柱状部12との係り代が強度を持つ。なお、この強度は、係り代の幅や面積、支持部15,25の首部の寸法等によって調整可能である。第一面2a,2bと直交する方向、および第二面31a,32aと直交する方向の外力に対しては、第一係止部10および第二係止部20自身がT字リブと同様の強度を持つ。
図8を参照して、ねじれに対する強度について説明する。第二係止部20に対して、図8に矢印Y3で示す方向(図8の反時計回り方向)の外力が作用した場合、第二板状部21と第一柱状部12との接触部が強度を持つ。第二板状部21と第一柱状部12とは幅方向を向く端面同士が面接触している。この面接触する部分において、ねじれ方向の外力に抗して第一柱状部12が第二板状部21の本体部23を支持する。一方、第二係止部20に対して、図8に矢印Y4で示す方向(図8の時計回り方向)の外力が作用した場合、支持部25a,25bが撓んで多少のねじれが発生するものの、第二係合突起24と第一柱状部12との係り代が増えることで、この係止部が強度を持つ。なお、少なくとも一部の第二板状部21において係合突起24a,24bの配置を回転対称(対角線上)の位置から左右対称(線対称)の位置に変更するか、T字配置とすることで、ねじれ方向の外力による撓みを規制することが可能である。
次に、図6を参照して、曲げに対する強度について説明する。図6等からわかるように、VII−VII断面では、第二柱状部22と第一板状部11が交互にかつ隣接して配置され、VIII−VIII断面では、第一柱状部12と第二板状部21が交互にかつ隣接して配置されている。従って、本実施形態の係止構造1は、図6に矢印Y5で示す曲げ方向の外力、および矢印Y6で示す曲げ方向の外力の何れが作用した場合にも、T字リブと同様の強度を発揮する。
また、本実施形態に係る係止構造1および電気接続箱100では、被支持部材2が支持体3に挿入される際に、支持部15,25は、第一面2a,2bおよび第二面31a,32aと直交する方向ではなく、これらの面と平行な方向に撓む。従って、第一面2a,2bと第二面31a、32aとの隙間を設定する際に、支持部15,25が撓むための余剰のスペースが不要となる。よって、第一面2a,2bと第二面31a、32aとの隙間を狭くする省スペース化が可能である。また、本実施形態の第一係止部10および第二係止部20は、孔部等が無いため、製造時に金型のスライドが不要である。
[第2実施形態]
図10乃至図14を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第2実施形態の係止構造1において、上記第1実施形態と異なる点は、例えば、第二係止部50の第二板状部51が二分割されている点である。図10は、第2実施形態に係る第二係止部の正面図、図11は、第2実施形態に係る第二係止部の斜視図、図12は、第2実施形態に係る係止構造の係合状態を示す平面図、図13は、第2実施形態に係る係止構造の係合状態を示す断面図、図14は、第2実施形態に係る係止構造の係合状態を示す他の断面図である。図13には、図12のXIII−XIII断面が示されており、図14には、図12のXIV−XIV断面が示されている。
図10および図11に示すように、第2実施形態に係る第二係止部50の第二板状部51は、第一構成部51aおよび第二構成部51bを有する。第一構成部51aと第二構成部51bとは、第二面31a、32aの幅方向において所定の間隔で隣接して配置されている。第一構成部51aは、第一本体部53a、一方側支持部55a、および一方側係合突起54aを有する。第一本体部53aは、第二柱状部52を介して第二面31a,32aによって支持されている。一方側係合突起54aは、第二構成部51b側に向けて幅方向に突出している。一方側支持部55aは、一方側係合突起54aと第一本体部53aとを接続する可撓性の構成部である。一方側支持部55aは、一方側係合突起54aが幅方向に移動するように撓むことができる。
第二構成部51bは、第二本体部53b、他方側支持部55b、および他方側係合突起54bを有する。第二本体部53bは、第二柱状部52を介して第二面31a,32aによって支持されている。他方側係合突起54bは、第一構成部51aに向けて幅方向に突出している。他方側支持部55bは、他方側係合突起54bと第二本体部53bとを接続する可撓性の構成部である。他方側支持部55bは、他方側係合突起54bが幅方向に移動するように撓むことができる。図10および図11に示すように、一方側係合突起54aは、第一構成部51aにおいて、スライド方向の一方側の端部に配置されている。他方側係合突起54bは、第二構成部51bにおいて、スライド方向の他方側の端部に配置されている。
図13に示すように、第一構成部51aおよび第二構成部51bは、第一柱状部12を間に挟んで、第一柱状部12を係止する。より詳しくは、第一柱状部12は、幅方向において、第一本体部53aおよび一方側支持部55aと、第二本体部53bおよび他方側支持部55bとの間に挟まれる。また、一方側係合突起54aは、スライド方向の一方側から第一柱状部12を係止する。他方側係合突起54bは、スライド方向の他方側から第一柱状部12を係止する。スライド方向における一方側係合突起54aと他方側係合突起54bとの間隔は、第一柱状部12の可動範囲が所定以下となるように設定されている。一方側係合突起54aと第一柱状部12とのスライド方向の隙間、および他方側係合突起54bと第一柱状部12とのスライド方向の隙間はそれぞれわずかであり、支持体3に対する被支持部材2のがたつきが抑制されている。
第2実施形態の第二係止部50は、複数の第一柱状部12に対して、一つおきに設けられている。第二係止部50の配置は、これに限定されるものではなく、被支持部材2を保持する保持力を確保する観点や、係止構造1を軽量化する観点等に基づいて適宜決定される。
図14に示すように、第一係止部10は、上記第1実施形態と同様の構成となっている。第一板状部11の一方側係合突起14aは、スライド方向の一方側から第二柱状部52を係止し、他方側係合突起14bは、スライド方向の他方側から第二柱状部52を係止する。
[第3実施形態]
図15乃至図19を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記第1実施形態および第2実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第3実施形態の係止構造1において、上記第1実施形態および第2実施形態と異なる点は、例えば、第二係止部60が係合突起を有していない点である。図15は、第3実施形態に係る第二係止部の正面図、図16は、第3実施形態に係る第二係止部の斜視図、図17は、第3実施形態に係る係止構造の係合状態を示す平面図、図18は、第3実施形態に係る係止構造の係合状態を示す断面図、図19は、第3実施形態に係る係止構造の係合状態を示す他の断面図である。図18には、図17のXVIII−XVIII断面が示されており、図19には、図17のXIX−XIX断面が示されている。
図15および図16に示すように、第3実施形態に係る第二係止部60の第二板状部61は、第一構成部61aおよび第二構成部61bを有する。第一構成部61aと第二構成部61bとは、第二面31a、32aの幅方向において隣接して配置されている。第一構成部61aおよび第二構成部61bは、それぞれ第二柱状部62を介して第二面31a,32aによって支持されている。第一構成部61aは、幅方向において第二構成部61bと対向する対向面63aを有する。対向面63aの両側には、端部へ向かうに従って第二構成部61bから遠ざかる傾斜面64aが設けられている。また、第二構成部61bは、幅方向において第一構成部61aと対向する対向面63bを有する。対向面63bの両側には、端部へ向かうに従って第一構成部61aから遠ざかる傾斜面64bが設けられている。傾斜面64a,64bは、対向面63a,63bの間に第一柱状部12をガイドする案内部として機能する。
図18に示すように、第一構成部61aおよび第二構成部61bは、第一柱状部12を間に挟み、幅方向への被支持部材2の移動を規制する。第一構成部61aの対向面63aと第二構成部61bの対向面63bとの隙間の大きさは、第一柱状部12の幅よりもわずかに大きい。言い換えると、第一構成部61aは、幅方向の一方側から第一柱状部12を係止し、第二構成部61bは、幅方向の他方側から第一柱状部12を係止する。これにより、幅方向における被支持部材2のがたつきが規制される。
第3実施形態の第二係止部60は、複数の第一柱状部12に対して、一つおきに設けられている。第二係止部60の配置は、これに限定されるものではなく、被支持部材2を保持する保持力を確保する観点や、係止構造1を軽量化する観点等に基づいて適宜決定される。
図19に示すように、第一係止部10は、上記第1実施形態と同様の構成となっている。第一板状部11の一方側係合突起14aは、スライド方向の一方側から第二柱状部62を係止し、他方側係合突起14bは、スライド方向の他方側から第二柱状部62を係止する。
[第4実施形態]
図20乃至図24を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記第1実施形態乃至第3実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。第4実施形態の係止構造1において、上記第3実施形態と異なる点は、例えば、一つの第二板状部71が隣接する二つの第一柱状部12をそれぞれ係止する点である。図20は、第4実施形態に係る第二係止部の正面図、図21は、第4実施形態に係る第二係止部の斜視図、図22は、第4実施形態に係る係止構造の係合状態を示す平面図、図23は、第4実施形態に係る係止構造の係合状態を示す断面図、図24は、第4実施形態に係る係止構造の係合状態を示す他の断面図である。図23には、図22のXXIII−XXIII断面が示されており、図24には、図22のXXIV−XXIV断面が示されている。
図20および図21に示すように、第4実施形態に係る第二係止部70の第二板状部71は、略矩形の板状である。第二板状部71は、第二柱状部72を介して第二面31a,32aによって支持されている。第二板状部71の四隅には、傾斜面73が設けられている。傾斜面73は、スライド方向の端部へ向かうに従って隣接する第二板状部71から遠ざかるように傾斜している。傾斜面73は、隣接する二つの第二板状部71の間に第一柱状部12をガイドする案内部として機能する。
図23に示すように、隣接する2つの第二板状部71は、第一柱状部12を間に挟み、幅方向への被支持部材2の移動を規制する。幅方向における第二板状部71の隙間の大きさは、第一柱状部12の幅よりもわずかに大きい。これにより、第二板状部71は、幅方向の両側から第一柱状部12を係止して、被支持部材2の幅方向のがたつきを抑制する。
図24に示すように、第一係止部10は、上記第1実施形態と同様の構成となっている。第一板状部11の一方側係合突起14aは、スライド方向の一方側から第二柱状部72を係止し、他方側係合突起14bは、スライド方向の他方側から第二柱状部72を係止する。
[上記各実施形態の第1変形例]
上記第1実施形態乃至第4実施形態の第1変形例について説明する。第一係止部10の第一板状部11において、一方側係合突起14aと他方側係合突起14bが分離して設けられていてもよい。例えば、上記第2実施形態の第二板状部51(図10参照)と同様にして、第一板状部11が、一方側係合突起14aを有する部分と、他方側係合突起14bを有する部分とに分離されていてもよい。
第一板状部11において、一方側係合突起14aと他方側係合突起14bが、幅方向の同じ側に設けられていてもよい。この場合には、第一板状部11において、幅方向の一方側に一方側係合突起14aおよび他方側係合突起14bが設けられ、幅方向の他方側には係合突起14a,14bの何れも設けられないようにしてもよい。第一板状部11の幅方向の一方側に一方側係合突起14aおよび他方側係合突起14bが設けられる場合、第一支持部15は2つの係合突起14a,14bに対して共通であっても別個に設けられてもよい。例えば、本体部13から幅方向に突出した1つの第一支持部15によって2つの係合突起14a,14bが支持されてもよい。この場合、例えば、第一支持部15におけるスライド方向の一端に一方側係合突起14aが設けられ、他端に他方側係合突起14bが設けられる。なお、第一板状部11において、幅方向の片側だけでなく、両側に一方側係合突起14aおよび他方側係合突起14bがそれぞれ設けられてもよい。
第一面2a,2b(または第二面31a,32a)に複数の第一板状部11が配置される場合において、一部の第一板状部11が一方側係合突起14aあるいは他方側係合突起14bの一方のみを有していてもよい。例えば、一部の第一板状部11が一方側係合突起14aのみを有するようにしてもよい。この場合、第一板状部11には、この一方側係合突起14aと対になって第二柱状部22,52,62,72を一方側係合突起14aとは反対側から係止する係止部が設けられることが好ましい。
[上記各実施形態の第2変形例]
上記第1実施形態乃至第4実施形態の第2変形例について説明する。上記各実施形態において、第一係止部10が支持体3に設けられ、第二係止部20,50,60,70が被支持部材2に設けられてもよい。
上記各実施形態では、被支持部材2が支持体3の内部の第一収容空間部3aに挿入されて係止されたが、これに代えて、被支持部材2が支持体3の外壁面等に係止されてもよい。この場合、支持体3の外壁面に配置された第一係止部10(または第二係止部20,50,60,70)に対して被支持部材2に配置された第二係止部20,50,60,70(または第一係止部10)が係合する。つまり、上記各実施形態の係止構造1は、被支持部材2が支持体3によって四方から囲まれる場合に限らず、被支持部材2が少なくとも支持体3の一つの面と対向し、かつこの面に係止される場合に適用可能である。
上記各実施形態では、第一係止部10が互いに平行な二つの面2a,2bに設けられたが、第一係止部10が設けられる面の数および組み合わせは、これには限定されない。例えば、第一係止部10は、一つの面のみに設けられても、三以上の面に設けられてもよい。第一係止部10は、互いに隣接する面に配置されてもよい。第二係止部20,50,60,70が配置される面の数および組み合わせは、第一係止部10が配置される面の数および組み合わせに対応する。
[上記各実施形態の第3変形例]
上記第1実施形態乃至第4実施形態の第3変形例について説明する。係止構造1によって連結される2つの部材は、一方が他方を支持する関係になくてもよい。例えば、電気接続箱100を構成する複数の筐体が係止構造1を介して連結されてもよい。図25は、各実施形態の第3変形例に係る筐体を示す平面図である。第3変形例の筐体102は、電気接続箱100を構成するユニットであり、電子部品104が装着されて電子部品ユニットを構成する。筐体102の形状は、例えば、略直方体であり、その一つの面(以下、「装着面」と称する。)102aに複数の電子部品104が装着される。
筐体102の長辺に沿った側面102b,102cには、複数の第一係止部10が長辺方向に沿って所定の間隔で配置されている。複数の筐体102は、一方の筐体102の第一係止部10を他方の筐体102の第一係止部10と係合させることで連結されている。電気接続箱100は、複数の筐体102を組み合わせて構成される。電気接続箱100を構成する筐体102には、筐体102ごとに異なる機能の電子部品104が集約されてもよい。例えば、一つの筐体102にはヒューズが集約されてヒューズブロックを構成し、他の一つの筐体102には電源コネクタが装着されて電源ブロックを構成し、更に他の筐体102にはコネクタが集約されてコネクタブロックを構成していてもよい。電気接続箱100は、同種のブロックを複数含んでもよい。
第一係止部10を有する筐体102は、相互に連結させる場合の組付け方向の自由度が高い。より詳しくは、一方の筐体102に対して、他方の筐体102をスライド方向の何れの向きからも組み付けることができる。よって、筐体102同士を連結させる連結工程の自由度が高い。また、一方の筐体102と他方の筐体102とを装着面102aが互いに逆方向を向くようにして連結することも可能である。
連結された複数の筐体102は、ケース103に収容されてもよい。図26は、筐体102を収容するケース103の一例を示す平面図である。ケース103は、中空もしくは有底の筒状部材である。互いに連結された複数の筐体102は、ケース103の内部に収容され、ケース103によって保持される。ケース103の長辺に沿った内面103a,103bには、複数の第二係止部20が長辺方向に沿って所定の間隔で配置されている。筐体102の第一係止部10とケース103の第二係止部20とが係合することにより、筐体102がケース103によって保持される。筐体102とケース103との連結では、筐体102およびケース103の一方が第一部材に対応し、他方が第二部材に対応する。
なお、筐体102は、長辺に沿った側面102b,102c以外の側面、例えば短辺に沿った側面102dに第一係止部10が設けられてもよい。このようにすれば、長辺方向に沿って複数の筐体102を連結することも可能である。また、ケース103は、短辺に沿った内面103c,103dに第二係止部20が設けられてもよい。また、筐体102に第二係止部20が設けられてもよく、ケース103に第一係止部10が設けられてもよい。
筐体102は、第一係止部10だけでなく、第二係止部20を有してもよい。例えば、筐体102の側面102bに第一係止部10が設けられ、側面102cに第二係止部20が設けられてもよい。この場合、一方の筐体102の第一係止部10と、他方の筐体102の第二係止部20とが係合することにより2つの筐体102が連結される。この連結では、一方の筐体102が第一部材として機能し、他方の筐体102が第二部材として機能する。なお、第一係止部10と第二係止部20とが同じ構成である場合には、図25に例示する筐体102と実質的に同じとなる。
係止構造1は、筐体102同士の連結や筐体102とケース103との連結に限らず、複数の部材を連結する用途に広く適用可能である。
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。