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JP6534566B2 - 心疾患診断装置、心疾患診断プログラム及び媒体 - Google Patents
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JP6534566B2 - 心疾患診断装置、心疾患診断プログラム及び媒体 - Google Patents

心疾患診断装置、心疾患診断プログラム及び媒体 Download PDF

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Description

本発明は、心疾患診断装置、心疾患診断プログラム及び媒体に関する。
図1は、心臓200の内部構造を示す。心臓200の内部は、右心室202、左心室204、右心房206、左心房208の4室に仕切られた構造を有する。右心室202、左心室204、右心房206、左心房208の各室の出口には、逆流を防ぐ、肺動脈弁210、大動脈弁212、三尖弁214、僧帽弁216がそれぞれ設けられる。
図2は、2心拍分の心音信号の波形の一例を示す。横軸は時間[秒]、縦軸は心音信号の強度を示す。通常、健常者の心音信号には、I音及びII音が含まれる。I音は、三尖弁214及び僧帽弁216が閉じる際に生じる心音である。II音は、肺動脈弁210及び大動脈弁212が閉じる際に生じる心音である。
I音、II音の大きさは、弁の硬さや、弁の閉鎖速度などにより変化する。I音、II音が大きくなる場合を亢進、小さくなる場合を減弱と呼ぶ。I音またはII音の亢進または減弱は、心疾患の種類に応じて生じる場合があり、診断の手がかりとして利用される。例えば、リウマチ性の僧帽弁狭窄症では、リウマチ性変化で硬くなった僧帽弁が高速で閉鎖することによりI音が亢進する。また、肺高血圧症では、右心室と肺動脈間の圧力差拡大により肺動脈弁の閉鎖速度が上昇してII音が亢進する。従来、心音を解析し、異常の有無を判定するために、いくつかの装置と方法が提案されている。
従来の心音情報処理装置は、心音からI音、II音を検出し、I音、II音のそれぞれについて、I音とII音とのパワー比、II音とI音とのパワー比を計算する。それらのパワー比がある基準値以下、または、ある基準値以上の場合は異常音と判定する(例えば、特許文献1参照)。また、従来の心音情報処理装置は、心音のスペクトログラムを求め、スペクトログラム最大ピーク前区間とスペクトログラム最大ピーク後区間における所定の周波数帯域内スペクトログラムの平均値を算出して、その比から心臓人工弁の異常を判定する(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1 特許第5673429号公報
特許文献2 特許第5190954号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている心音判定は、個々のI音とII音に対して異常か正常かを判定し、異常と判定された心音の数をカウントするだけで、心疾患の判定は行わない。また、特許文献2に記載されている心音判定は、心臓人工弁装着者の心臓人工弁の異常を検出するもので、心臓人工弁を装着していない場合には適用できない。
本発明の第1の態様においては、生体の心音に基づく電気信号を検出する心音検出部と、電気信号に予め定められた信号処理を行って心音データを出力する入力信号処理部と、心音データからI音信号及びII音信号のうち少なくともいずれかの音信号を抽出し、音信号における第1周波数と第1周波数よりも高い第2周波数との間の第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかと第1基準値とに基づく比較により、生体の心疾患を診断する心音解析部と、を備える心疾患診断装置を提供する。
本発明の第2の態様においては、コンピュータを、第1の態様に係る入力信号処理部及び心音解析部として機能させる心疾患診断プログラムを提供する。
本発明の第3の態様においては、第2の態様に記載の心疾患診断プログラムを有するコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
心臓200の内部構造を示す。 2心拍分の心音信号の波形の一例を示す。 心疾患診断装置1の構成の一例を示す。 心疾患診断装置1による心疾患の診断処理のフローチャートを示す。 10心拍分の心音信号の波形の一例を示す。 心音区間データの抽出方法の一例である。 I音区間データの単一対数パワースペクトルを示す。 10心拍のI音区間データの単一対数パワースペクトルと、その平均を示す。 10心拍のII音区間データの単一対数パワースペクトルと、その平均を示す。 実施例1に係る心疾患有診断方法をI音に適用するフローチャートを示す。 ステップS201で設定する診断用周波数帯域の一例を示す。 I音平均パワーの相対度数分布を表すグラフの一例である。 基準値2の値と、感度及び特異度との関係を表すグラフの一例である。 II音に実施例1に係る心疾患有診断方法を適用するフローチャートを示す。 II音平均パワーの相対度数分布を表すグラフの一例である。 基準値4の値と、感度及び特異度との関係を表すグラフの一例である。 二次元空間上のI音平均パワーとII音平均パワーの組を示す。 心疾患判断用の基準関数を適用する一例である。 陽性例5例と陰性5例に関するI音の平均対数パワースペクトルを示す。 陽性例5例と陰性5例に関するII音の平均対数パワースペクトルを示す。 I音に実施例2に係る心疾患有診断方法を適用するフローチャートを示す。 診断用周波数帯域1と診断用周波数帯域2の一例を示す。 I音平均パワーの相対度数分布を表すグラフの一例である。 基準値6の値と、感度及び特異度との関係を表すグラフの一例である。 II音に実施例2に係る心疾患有診断方法を適用するフローチャートを示す。 II音平均パワー比の相対度数分布を表すグラフの一例である。 基準値8の値と、感度及び特異度との関係を表すグラフの一例である。 二次元空間上のI音平均パワー比とII音平均パワー比の組を示す。 心疾患判断用の基準関数を適用する一例である。 本発明の実施形態に係る心疾患診断装置1のハードウェア構成の一例を示す。 本発明の実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図3は、心疾患診断装置1の一例を示す概略構成図である。図4は、心疾患診断装置1による心疾患の診断処理のフローチャートを示す。心疾患診断装置1は、心音解析用のプログラムを読み込むことによって、ステップS10−50を実行する。本明細書において、心疾患診断装置1が実行するプログラムの各ステップを括弧内に示す。
心疾患診断装置1は、I音区間及びII音区間の心音信号に基づいて、被検者の心疾患の有無を診断する。心疾患診断装置1は、心音検出部11、入力信号処理部12、心音解析部13及び出力部14を備える。
心音検出部11は、被検者に装着され、被検者の心音に基づく電気信号を検出する。心音検出部11は、胸部を伝播する心音振動を測定してよい。例えば、心音検出部11は、被検者の胸部を伝播する心音振動に応じた電気信号を出力する。心音検出部11は、マイクロフォン、加速度センサ、圧力センサ等で構成される。
入力信号処理部12は、心音検出部11が出力した電気信号に対して所定の信号処理を行うことにより、心音データを出力する(ステップS10)。心音データとは、心音信号に基づく電気信号をデジタル化したものである。入力信号処理部12は、電気信号に含まれる不要な周波成分の除去、信号増幅、及びデジタル信号への変換を行う。例えば、入力信号処理部12は、フィルタ回路、増幅器及びA/D変換器を有する。フィルタ回路は、心音信号に含まれるDC周波数成分、エイリアシングを引き起こす可能性のある高周波成分、及び、心音解析に不要な高周波成分を取り除く。また、増幅器は、A/D変換器の入力レンジに合わせて心音信号を増幅する。A/D変換器は、増幅器が増幅した心音信号をデジタル信号に変換した心音データを出力する。
心音解析部13は、心音データを解析して心疾患の可能性有無を診断する。例えば、心音解析部13はマイクロコンピュータ等の演算処理装置で構成される。心音解析部13は、心音区間抽出部131、周波数解析部132及び心疾患診断部133を備える。
心音区間抽出部131は、入力信号処理部12が出力した心音データから心音区間データを抽出する(ステップS20)。心音区間データとは、デジタル化された心音データにおける任意の区間のデータである。例えば、心音区間データの抽出は、心音データからI音区間データ及びII音区間データの少なくともいずれかを抽出することを指す。I音区間データとは、心音データにおけるI音区間のデータを指す。II音区間データとは、心音データにおけるII音区間のデータを指す。
周波数解析部132は、抽出された心音区間データのそれぞれに対して周波数解析を行って対数パワースペクトルを算出する(ステップS30)。例えば、周波数解析部132は、複数のI音区間データからI音区間の対数パワースペクトルを算出し、複数のII音区間データからII音区間の対数パワースペクトルを算出する。また、周波数解析部132は、複数心拍において、I音区間、II音区間ごとに対数パワースペクトルの平均化を行う。これにより、環境雑音による影響が低減される。なお、本例の周波数解析部132は、入力信号処理部12の備えるフィルタ回路により、周波数の一部を抽出した後に周波数解析を行う。しかし、心疾患診断装置1は、周波数解析部132の後段にフィルタ回路を配置することにより、心音データを周波数解析した後に、周波数の一部を抽出してもよい。
心疾患診断部133は、平均化されたI音区間の対数パワースペクトルとII音区間の対数パワースペクトルから、心疾患の可能性有無を診断する(ステップS40)。より具体的には、心疾患診断部133は、平均化されたI音区間とII音区間の対数パワースペクトルと、あらかじめ用意された心疾患診断基準とを比較することにより、心疾患の有無を診断する。
出力部14は、心疾患診断部133が診断した結果を外部に出力する(ステップS50)。例えば、出力部14は、診断結果を表示するディスプレイを備える。また、出力部14は、外部に設けられたハードディスク等の記憶装置に出力してよい。
図5は、10心拍分の心音信号の波形の一例を示す。本例の心音信号の波形は、加速度センサを備える心音検出部11により検出される。心音検出部11は、被験者に装着され、振動として心音を集音する。心音検出部11は、集音された心音を電気信号に変換して心音信号波形として出力する。10心拍分の心音信号波形からは、収縮期の心音信号を10回分取得できる。入力信号処理部12は、被検者の10心拍分の心音信号を、2kHzサンプリング、16ビットでデジタル化する。なお、図5において横軸は時間[秒]、縦軸は心音信号の強度を示す。
図6は、心音区間データの抽出方法の一例である。入力信号処理部12によりデジタル化された心音データは、心音解析部13の心音区間抽出部131に入力され、I音区間及びII音区間から、I音区間データ及びII音区間データがそれぞれ抽出される。I音区間データ及びII音区間データは、心音区間データの一例である。I音区間及びII音区間の検出は、例えば特許文献1に記載された方法で行うことができる。抽出された心音区間データは、周波数解析部132に入力される。
図7は、I音区間データの単一対数パワースペクトルを示す。単一対数パワースペクトルとは、1心拍分の心音区間データの対数パワースペクトルである。なお、図7において横軸は周波数[Hz]、縦軸は対数パワースペクトルを示す。
周波数解析部132は、1心拍毎に抽出されたI音区間データに対して適当な窓関数を掛ける。本例の周波数解析部132は、図5における2kHzサンプリング心音データの最初のI音区間データに対して、128ミリ秒(256サンプル)のハミング窓関数を掛ける。その後、周波数解析部132は、ハミング窓関数が掛けられたI音区間データをフーリエ変換することにより単一対数パワースペクトルを算出する。単一対数パワースペクトルは、背景ノイズ等の影響で生じる局所的な周波数変動を含むが、複数心拍の対数パワースペクトルの平均化により変動を除去できる。
図8は、I音10心拍の対数パワースペクトルを示す。太線は、I音10心拍の対数パワースペクトルを平均化した平均対数パワースペクトルを示す。本明細書におけるI音区間の平均対数パワースペクトルは、10心拍分の単一対数パワースペクトルの平均であるが、必要に応じて、任意の心拍分の単一対数パワースペクトルの平均としてもよい。
単一対数パワースペクトル(図8)では、背景ノイズ等の影響で生じる局所的な周波数変動により、I音区間データの周波数特性を正確に表現できない。一方、平均対数パワースペクトル(図8の太線)は、複数心拍の単一対数パワースペクトルで平均しているので、ランダムに発生する局所的なパワースペクトルを抑圧できる。
図9は、II音10心拍の対数パワースペクトルを示す。太線は、II音10心拍の対数パワースペクトルを平均化した平均対数パワースペクトルを示す。本明細書におけるII音の平均対数パワースペクトルは、10心拍分の単一対数パワースペクトルの平均であるが、必要に応じて、任意の心拍分の単一対数パワースペクトルの平均としてもよい。なお、II音の平均対数パワースペクトルは、I音の平均対数パワースペクトルと同様の手順で算出される。次に、心疾患診断部133は、心音区間の平均対数パワースペクトルと、あらかじめ用意された心疾患有無の診断基準により、心疾患の可能性の有無を診断する。
(実施例1)
図10は、実施例1に係る心疾患診断部133の動作の一例を示す。本例の心疾患診断部133は、心疾患有無の診断基準をI音に対して適用する。実施例1に係る心疾患診断方法では、ステップS201からステップS203を実行することにより、心疾患の可能性の有無を診断する。
心疾患診断部133は、周波数解析部132で計算されたI音の平均対数パワースペクトルに対して、診断用周波数帯域を設定する(ステップS201)。次に、ステップS201で設定した診断用周波数帯域に含まれる各周波数ビンのパワーの平均値を算出することにより、I音の平均対数パワースペクトルの平均パワー(以後、「I音平均パワー」と呼ぶ)を算出する(ステップS202)。最後に、I音平均パワーと、基準値1、基準値2をそれぞれ比較して心疾患の可能性有無の診断を行う(ステップS203)。基準値1はI音の減弱、基準値2はI音の亢進を検出するための基準である。心疾患診断部133は、I音平均パワーが基準値1以下である場合、またはI音平均パワーが基準値2以上の場合、心疾患の可能性ありと診断する。
なお、本例の心疾患診断部133は、診断用周波数帯域に対応するI音平均パワーを算出したが、診断用周波数帯域に対応する周波数の振幅を算出してもよい。この場合、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域の振幅及びI音平均パワーのうち少なくともいずれかと基準値2とを比較することにより、心疾患の有無を診断する。
例えば、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域の振幅及びI音平均パワーのうち少なくともいずれかが基準値2よりも小さい場合に、生体が健常であると診断する。また、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域の振幅及びI音平均パワーのうち少なくともいずれかが基準値2以上の場合に、生体に心疾患があると診断する。
また、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域の振幅及びI音平均パワーのうち少なくともいずれかが基準値2よりも小さく、且つ、基準値2よりも小さな基準値1よりも大きい場合に、生体が健常であると診断してよい。そして、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域の振幅及びI音平均パワーのうち少なくともいずれかが基準値2以上または基準値1以下の場合に、生体に心疾患があると診断してよい。
図11は、診断用周波数帯域の設定例を示す。診断用周波数帯域は、心音データの特性に応じて任意に設定される。例えば、診断用周波数帯域は、200Hzから1kHzの間の任意の帯域である。本例の心疾患診断部133は、250Hzから400Hzを診断用周波数帯域として設定する。
図12は、陽性例、陰性例ごとのI音平均パワーに対する相対度数分布を示す。本例では、心疾患の陰性例と陽性例ごとの相対度数分布を示す。本例の陰性例として健常者387名の心音データを用い、陽性例として心疾患患者42名の心音データを用いる。
心音検出部11は、陰性例と陽性例のそれぞれに対して胸骨左縁第2肋間(以後、「2L」と呼ぶ)の部位で10秒間の心音を測定する。心音解析部13は、250Hzから400Hzを診断用周波数帯域としてI音平均パワーを算出する。この場合、陽性例及び陰性例は、いずれも凸形状の分布を示す。陽性例は、陰性例との重複部分があるものの、陰性例に対してI音平均パワーが大きい亢進の傾向がみられる。つまり、心疾患診断部133は、適当な基準値2を設定することにより、精度よく心疾患の可能性の有無を診断できる。
図13は、基準値2に対する感度及び特異度の関係を示す。感度とは、陽性例のうち心疾患の可能性ありと診断される割合である。また、特異度とは、陰性例のうち心疾患の可能性なしと診断される割合である。基準値2は用途に合わせて設定してよい。感度、特異度ともに高くしたい場合は、感度と特異度が交わる点に基準値2を設定する。例えば、基準値2を5.3付近に設定すれば、感度、特異度ともに約80%となり、I音平均パワーが心疾患診断に有効であることがわかる。また、陽性例を疾患の可能性ありと誤って診断する割合、すなわち、特異度を上げたい場合は、基準値2を5.3より大きな値に設定する。例えば、基準値2を5.5付近に設定すれば、感度は約70%となるが、特異度を約90%に上げることができる。このように、基準値2の大きさを変化させることにより、I音平均パワーを用いた場合の感度と特異度の大きさを調整できる。
図14は、実施例1に係る心疾患診断部133の動作の一例を示す。本例の心疾患診断部133は、II音に対して心疾患有無の診断基準を適用する。実施例1に係る心疾患診断方法では、ステップS301からステップS303を実行することにより、心疾患の可能性の有無を診断する。
心疾患診断部133は、周波数解析部132で計算されたII音区間の平均化された単一対数パワースペクトルに対して、診断用周波数帯域を設定する(ステップS301)。次に、ステップS301で設定した診断用周波数帯域に含まれる各周波数ビンのパワーの平均値を算出することにより、II音の平均対数パワースペクトルの平均パワー(以後、「II音平均パワー」と呼ぶ)を算出する(ステップS302)。最後に、II音平均パワーと、基準値3、基準値4をそれぞれ比較して心疾患の可能性有無の診断を行う(ステップS303)。基準値3はII音の減弱、基準値4はII音の亢進を検出するための基準である。心疾患診断部133は、II音平均パワーが基準値3以下である場合、またはII音平均パワーが基準値4以上の場合、心疾患の可能性ありと診断する。
図15は、陽性例、陰性例ごとのII音平均パワーに対する相対度数分布を示す。本例の相対度数分布は、図12で説明したのと同じ陰性例と陽性例の心音データについて、250Hzから400Hzを診断用周波数帯域として計算される。
図16は、基準値4に対する感度及び特異度の関係を示す。基準値4は用途に合わせて設定してよい。感度、特異度ともに高くしたい場合は、感度と特異度が交わる点に基準値4を設定する。例えば、基準値4を6.0付近に設定すれば、感度、特異度ともに約70%となり、II音平均パワーが心疾患診断に有効であることがわかる。また、特異度を上げたい場合は、基準値4を6.0より大きな値に設定すればよく、基準値4の大きさを変化させることにより、II音平均パワーを用いた場合の感度と特異度の大きさを調整できる。
図17は、I音平均パワーとII音平均パワーを二次元空間にプロットしたグラフである。横軸は、図12で算出したI音平均パワーを示し、縦軸は、図15で算出したII音平均パワーを示す。また、各プロットは、陽性例を三角で示し、陰性例を丸で示す。陰性例と陽性例とで分布領域が異なることがわかる。
図18は、心疾患判断用の基準関数の一例を示す。心疾患診断装置1は、I音平均パワーとII音平均パワーとをプロットしたグラフに基準関数を適用することにより、心疾患の可能性を診断する。基準関数は、陰性例と陽性例の分布特性に応じて設定される。本例の基準関数は、I音平均パワーとII音平均パワーのプロット図において楕円で示される。心疾患診断部133は、基準関数により区切られる空間の一方(例えば、楕円の外部)にプロットされた場合に心疾患の可能性ありと診断する。また、心疾患診断部133は、他の一方の空間(例えば、楕円の内部)にプロットされた場合に心疾患の可能性なしと診断する。
図19は、5つの陽性例と5つの陰性例のI音の平均対数パワースペクトルを示す。図20は、5つの陽性例と5つの陰性例のII音の平均対数パワースペクトルを示す。
陽性例と陰性例のパワー差は、200Hz付近から拡大し始めて1kHzに近づくに従い減少する傾向がみられる。この傾向は、I音の平均対数パワースペクトルとII音の平均対数パワースペクトルの両方にみられる。心疾患診断部133は、陽性例と陰性例のパワー差が大きくなるような、バンドパスフィルタ処理後の信号を使用する。例えば、心疾患診断部133は、200Hzから1kHzまでの一部または全部を含む周波数帯域の信号を使用する。これにより、心疾患診断部133は、特許文献1の300Hz以下のローパスフィルタ処理後の信号を使用する場合、または、特許文献2の1kHz以上のハイパスフィルタ処理後の信号を使用する場合と比較して、より精度よく心疾患を診断できる。
なお、実施例1では、I音区間のデータ、及びII音区間のデータについて周波数解析を行い、周波数領域で診断用周波数帯域の成分を抽出して平均パワーを算出している。しかし、心疾患診断装置1は、バンドパスフィルタにより、時間領域で診断用周波数帯域の成分を抽出し、平均パワーを算出してもよい。
(実施例2)
図21は、実施例2に係る心疾患診断部133の動作の一例を示す。本例の心疾患診断部133は、心疾患有無の診断基準をI音に対して適用する。実施例2に係る心疾患診断方法では、ステップS401からステップS403を実行することにより、心疾患の可能性の有無を診断する。
心疾患診断部133は、周波数解析部132で計算されたI音区間の平均化された単一対数パワースペクトルに対して、診断用周波数帯域1と診断用周波数帯域1よりも低い診断用周波数帯域2を設定する(ステップS401)。次に、ステップS401で設定した診断用周波数帯域1に含まれる各周波数ビンのパワーの平均値(以後、「I音平均パワー1」と呼ぶ)と、ステップS401で設定した診断用周波数帯域2に含まれる各周波数ビンのパワーの平均値(以後、「I音平均パワー2」と呼ぶ)を算出し、I音平均パワー1をI音平均パワー2で割ったパワー比(以後、「I音平均パワー比」と呼ぶ)を算出する(ステップS402)。最後に、I音平均パワー比と基準値5、基準値6をそれぞれ比較して心疾患の可能性有無の診断を行う(ステップS403)。基準値5はI音の減弱、基準値6はI音の亢進を検出するための基準である。心疾患診断部133は、I音平均パワー比が基準値5以下、または基準値6以上の場合、心疾患の可能性ありと診断する。
例えば、診断用周波数帯域1及び診断用周波数帯域2は、診断用周波数帯域1における生体の心疾患による振幅またはパワーへの影響が、診断用周波数帯域2における生体の心疾患による振幅またはパワーへの影響よりも大きくなるように設定される。これにより、測定位置のずれ、心雑音等の生体の心疾患と無関係な信号が生じた場合であっても、診断用周波数帯域1及び診断用周波数帯域2における振幅比及びI音平均パワー比から生体の心疾患に関する成分を検出しやすくなる。
なお、本例の心疾患診断部133は、診断用周波数帯域1に対応するI音平均パワー1と診断用周波数帯域2に対応するI音平均パワー2の比であるI音平均パワー比を算出したが、診断用周波数帯域2に対する診断用周波数帯域1の周波数の振幅比を算出してもよい。この場合、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域2に対する診断用周波数帯域1の周波数の振幅比及びI音平均パワー比のうち少なくともいずれかと心疾患診断基準とを比較することにより、心疾患の有無を診断する。
例えば、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域2に対する診断用周波数帯域1の周波数の振幅比及びI音平均パワー比のうち少なくともいずれかが基準値6よりも小さい場合に、生体が健常であると診断する。また、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域2に対する診断用周波数帯域1の周波数の振幅比及びI音平均パワー比のうち少なくともいずれかが基準値6以上の場合に、生体に心疾患があると診断する。
また、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域2に対する診断用周波数帯域1の周波数の振幅比及びI音平均パワー比のうち少なくともいずれかが基準値6よりも小さく、且つ、基準値6よりも小さな基準値5よりも大きい場合に、生体が健常であると診断してよい。そして、心疾患診断部133は、診断用周波数帯域2に対する診断用周波数帯域1の周波数の振幅比及びI音平均パワー比のうち少なくともいずれかが基準値6以上または基準値5以下の場合に、生体に心疾患があると診断してよい。なお、心疾患診断部133は、実施例1と実施例2に係る心疾患の診断方法を組み合わせてもよい。
図22は、診断用周波数帯域1及び診断用周波数帯域2の設定例を示す。診断用周波数帯域1及び診断用周波数帯域2は、心音データの特性に応じて任意に設定される。本例の心疾患診断装置1は、I音区間データ及びII音区間データについて周波数解析を行い、周波数領域で診断用周波数帯域の成分を抽出して平均パワーを算出する。例えば、診断用周波数帯域1及び診断用周波数帯域2は、200Hzから1kHzの間の任意の帯域である。本例の心疾患診断部133は、250Hzから400Hzを診断用周波数帯域1として、50Hzから200Hzを診断用周波数帯域2として設定する。なお、診断用周波数帯域の成分は、時間領域においてバンドパスフィルタにより抽出されてもよい。
図23は、陽性例、陰性例ごとのI音平均パワー比に対する相対度数分布を示す。本例では、心疾患の陰性例と陽性例ごとの相対度数分布を示す。本例の陰性例として健常者387名の心音データを用い、陽性例として心疾患患者42名の心音データを用いる。
心音検出部11は、陰性例と陽性例のそれぞれに対して2Lの部位で10秒間の心音を測定する。心音解析部13は、250Hzから400Hzを診断用周波数帯域1として、50Hzから200Hzを診断用周波数帯域2としてI音平均パワー比を算出する。この場合、陽性例及び陰性例は、いずれも凸形状の分布を示す。陽性例は、陰性例との重複部分があるものの、陰性例に対してI音平均パワー比が大きい亢進の傾向がみられる。つまり、心疾患診断部133は、適当な基準値6を設定することにより、精度よく心疾患の可能性の有無を診断できる。
図24は、基準値6に対する感度及び特異度の関係を示す。基準値6は用途に合わせて設定してよい。感度、特異度ともに高くしたい場合は、感度と特異度が交わる点に基準値6を設定する。例えば、基準値6を0.73付近に設定すれば、感度、特異度ともに約80%となり、I音平均パワー比が心疾患診断に有効であることがわかる。また、特異度を上げたい場合は、基準値6を0.73より大きな値に設定する。例えば、基準値6を0.75付近に設定すれば、感度は約70%となるが、特異度を約90%に上げることができる。このように、基準値6の大きさを変化させることにより、I音平均パワー比を用いた場合の感度と特異度の大きさを調整できる。
図25は、実施例2に係る心疾患診断部133の動作の一例を示す。本例の心疾患診断部133は、II音に対して心疾患有無の診断基準を適用する。実施例2に係る心疾患診断方法では、ステップS501からステップS503を実行することにより、心疾患の可能性の有無を診断する。
心疾患診断部133は、周波数解析部132で計算されたII音区間の平均化された単一対数パワースペクトルに対して、診断用周波数帯域1と診断用周波数帯域2を設定する(ステップS501)。次に、ステップS501で設定した診断用周波数帯域1に含まれる各周波数ビンのパワーの平均値(以後、「II音平均パワー1」と呼ぶ)と、ステップS501で設定した診断用周波数帯域2に含まれる各周波数ビンのパワーの平均値(以後、「II音平均パワー2」と呼ぶ)を算出する。そして、II音平均パワー1をII音平均パワー2で割ったパワー比(以後、「II音平均パワー比」と呼ぶ)を算出する(ステップS502)。最後に、II音平均パワー比と基準値7、基準値8をそれぞれ比較して心疾患の可能性有無の診断を行う(ステップS503)。基準値7はII音の減弱、基準値8はII音の亢進を検出するための基準である。心疾患診断部133は、II音平均パワー比が基準値7以下、または基準値8以上の場合、心疾患の可能性ありと診断する。
図26は、陽性例、陰性例ごとのII音平均パワー比に対する相対度数分布を示す。本例の相対度数分布は、図23で説明したのと同じ陰性例と陽性例の心音データについて、250Hzから400Hzを診断用周波数帯域1として、50Hzから200Hzを診断用周波数帯域2として計算される。
図27は、基準値8に対する感度及び特異度の関係を示す。基準値8は用途に合わせて設定してよい。感度、特異度ともに高くしたい場合は、感度と特異度が交わる点に基準値8を設定する。例えば、基準値8を0.77付近に設定すれば、感度、特異度ともに約70%となり、II音平均パワー比が心疾患診断に有効であることがわかる。また、特異度を上げたい場合は、基準値8を0.77より大きな値に設定すればよく、基準値8の大きさを変化させることにより、II音平均パワー比を用いた場合の感度と特異度の大きさを調整できる。
図28は、I音平均パワーとII音平均パワーを二次元空間にプロットしたグラフである。横軸は、図23で算出したI音平均パワー比を示し、縦軸は、図26で算出したII音平均パワー比を示す。また、各プロットは、陽性例を三角で示し、陰性例を丸で示す。陰性例と陽性例とで分布領域が異なることがわかる。
図29は、心疾患判断用の基準関数の一例を示す。心疾患診断装置1は、I音平均パワー比とII音平均パワー比とをプロットしたグラフに基準関数を適用することにより、心疾患の可能性を診断する。基準関数は、陰性例と陽性例の分布特性に応じて設定される。本例の基準関数は、I音平均パワー比とII音平均パワー比のプロット図において楕円で示される。本例の心疾患診断部133は、基準関数により区切られる空間の一方(例えば、楕円の外部)にプロットされた場合に心疾患の可能性ありと診断し、他の一方の空間(例えば、楕円の内部)にプロットされた場合に心疾患の可能性なしと診断してもよい。
I音のパワー及びII音のパワーは、被験者の皮膚厚、心音検出用デバイスの装着状態などの影響を受ける。これらの影響を相殺するため、特許文献1ではI音とII音のパワー比、及びII音とI音とのパワー比を求め、これらパワー比に対して基準値を設定して異常かどうかを判定している。また、特許文献2では心音発生時刻前後のパワー比を用いている。
しかしながら、I音とII音のパワー比及びII音とI音とのパワー比は測定位置によって変わる。そのため、測定位置にずれが生じた場合に、心疾患の有無を正しく判定できない可能性がある。また、心雑音を有する心疾患患者では、心音パワー計算区間に心雑音が含まれるとパワー比を正確に算出することができず、心疾患の有無を正しく判定できない可能性がある。
これに対して、本例の心疾患診断装置1は、I音、II音それぞれにおいて、陽性例と陰性例のパワー差が大きい周波数帯域の平均パワーと、陽性例と陰性例のパワー差が小さい周波数帯域の平均パワーの比を用いて心疾患の有無を判定するので、測定位置のずれ、心雑音等に影響されず、精度よく心疾患を診断できる。
以上の通り、本明細書に開示された心疾患診断装置1は、被験者I音、II音の限定された周波数帯域の解析データから、簡易な診断基準により精度よく心疾患の可能性有無を診断できる。また、心疾患診断装置1は、心臓人工弁を装着していない場合でも、I音とII音から精度よく心疾患の診断を行うことができる。これにより、心疾患診断装置1は、学校心臓検診などの集団検診に有用で低価格な心疾患診断装置となる。
図30は、心疾患診断装置1のハードウェア構成の一例である。心疾患診断装置1は、加速度センサ1700、入力信号処理回路1800及びコンピュータ1900で構成される。加速度センサ1700は、被検者の心音を電気信号として検出する心音検出部11として機能する。入力信号処理回路1800は、フィルタ回路1820と、増幅回路1840と、A/D変換回路1860とを備え、入力信号処理部12として機能する。フィルタ回路1820は、心音信号に含まれるDC周波数成分、エイリアシングを引き起こす可能性のある高周波成分、及び、心音解析に不要な高周波成分を取り除く。増幅回路1840は、A/D変換回路1860の入力レンジに合わせて心音信号を増幅する。A/D変換回路1860は、増幅回路1840が増幅した心音信号をデジタル信号に変換する。そして、コンピュータ1900は、心音解析部13、及び、出力部14として機能し、デジタル化された心音データに対して演算又は加工を行う。
図31は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。また、入出力チップ2070は、入力信号処理回路1800とも接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を心疾患診断装置の一部として機能させるプログラムは、心音解析モジュール、出力モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、心疾患診断装置の一部としてそれぞれ機能させる。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である心音解析部13、出力部14として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、心音検出部11として機能する加速度センサ1700と、入力信号処理部12として機能する入力信号処理回路1800と合わせて、使用目的に応じた特有の心疾患診断装置が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、又はCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020及び外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
また、特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1・・・心疾患診断装置、11・・・心音検出部、12・・・入力信号処理部、13・・・心音解析部、14・・・出力部、131・・・心音区間抽出部、132・・・周波数解析部、133・・・心疾患診断部、200・・・心臓、202・・・右心室、204・・・左心室、206・・・右心房、208・・・左心房、210・・・肺動脈弁、212・・・大動脈弁、214・・・三尖弁、216・・・僧帽弁、1700・・・加速度センサ、1800・・・入力信号処理回路、1820・・・フィルタ回路、1840・・・増幅回路、1860・・・A/D変換回路、1900・・・コンピュータ、2000・・・CPU、2010・・・ROM、2020・・・RAM、2030・・・通信インターフェイス、2040・・・ハードディスクドライブ、2050・・・フレキシブルディスク・ドライブ、2060・・・CD−ROMドライブ、2070・・・入出力チップ、2075・・・グラフィック・コントローラ、2080・・・表示装置、2082・・・ホスト・コントローラ、2084・・・入出力コントローラ、2090・・・フレキシブルディスク、2095・・・CD−ROM

Claims (14)

  1. 生体の心音に基づく電気信号を検出する心音検出部と、
    前記電気信号に予め定められた信号処理を行って心音データを出力する入力信号処理部と、
    前記心音データからI音信号とII音信号の両方音信号を抽出し、前記音信号における第1周波数と前記第1周波数よりも高い第2周波数との間の第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかと第1基準値とに基づく比較により、前記生体の心疾患を診断する心音解析部と、
    を備える心疾患診断装置。
  2. 前記心音解析部は、
    前記第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかが前記第1基準値よりも小さい場合に、前記生体が健常であると診断し、
    前記第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかが前記第1基準値よりも大きい場合に、前記生体に心疾患があると診断する
    請求項1に記載の心疾患診断装置。
  3. 生体の心音に基づく電気信号を検出する心音検出部と、
    前記電気信号に予め定められた信号処理を行って心音データを出力する入力信号処理部と、
    前記心音データからI音信号及びII音信号のうち少なくともいずれかの音信号を抽出し、前記音信号における第1周波数と前記第1周波数よりも高い第2周波数との間の第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかと第1基準値とに基づく比較により、前記生体の心疾患を診断する心音解析部と、
    を備え、
    前記心音解析部は、
    前記第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかが前記第1基準値よりも小さく、且つ、前記第1基準値よりも小さな第2基準値よりも大きい場合に、前記生体が健常であると診断し、
    前記第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかが前記第1基準値よりも大きいまたは前記第2基準値よりも小さい場合に、前記生体に心疾患があると診断する
    疾患診断装置。
  4. 前記心音解析部は、
    前記I音信号及び前記II音信号の両方を抽出し、
    前記I音信号の振幅またはパワーと前記II音信号の振幅またはパワーとに関する二次元プロットが、予め定められた領域内にある場合に、前記生体が健常であると診断し、
    前記二次元プロットが、前記予め定められた領域外にある場合に、前記生体に心疾患があると診断する
    請求項2または3に記載の心疾患診断装置。
  5. 前記心音解析部は、
    前記音信号の前記第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかにさらに基づいて、前記生体の心疾患を診断する
    請求項1に記載の心疾患診断装置。
  6. 生体の心音に基づく電気信号を検出する心音検出部と、
    前記電気信号に予め定められた信号処理を行って心音データを出力する入力信号処理部と、
    前記心音データからI音信号及びII音信号のうち少なくともいずれかの音信号を抽出し、前記音信号における第1周波数と前記第1周波数よりも高い第2周波数との間の第1周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかと第1基準値とに基づく比較により、前記生体の心疾患を診断する心音解析部と、
    を備え、
    前記心音解析部は、
    前記音信号の前記第1周波数帯域と異なる第2周波数帯域の振幅及びパワーのうち少なくともいずれかにさらに基づいて、前記生体の心疾患を診断し、
    前記第1周波数帯域における前記生体の心疾患による振幅またはパワーへの影響が、前記第2周波数帯域における前記生体の心疾患による振幅またはパワーへの影響よりも大きい
    疾患診断装置。
  7. 前記第1周波数帯域は、前記第2周波数帯域よりも高い周波数帯域であり、
    前記心音解析部は、
    前記第2周波数帯域に対する前記第1周波数帯域の振幅比及びパワー比のうち少なくともいずれかが予め定められた基準値よりも小さい場合に、前記生体が健常であると診断し、
    前記第2周波数帯域に対する前記第1周波数帯域の振幅比及びパワー比のうち少なくともいずれかが前記第基準値よりも大きい場合に、前記生体に心疾患があると診断する
    請求項6に記載の心疾患診断装置。
  8. 前記心音解析部は、
    前記第2周波数帯域に対する前記第1周波数帯域の振幅比及びパワー比のうち少なくともいずれかが予め定められた基準値よりも小さく、且つ、前記第基準値よりも小さな第基準値よりも大きい場合に、前記生体が健常であると診断し、
    前記第2周波数帯域に対する前記第1周波数帯域の振幅比及びパワー比のうち少なくともいずれかが前記第基準値よりも大きいまたは前記第基準値よりも小さい場合に、前記生体に心疾患があると診断する
    請求項6または7に記載の心疾患診断装置。
  9. 前記心音解析部は、
    前記I音信号及び前記II音信号の両方を抽出し、
    前記I音信号の振幅比またはパワー比と前記II音信号の振幅比またはパワー比とに関する二次元プロットが、予め定められた領域内にある場合に、前記生体が健常であると診断し、
    前記二次元プロットが、前記予め定められた領域外にある場合に、前記生体に心疾患があると診断する
    請求項6から8のいずれか一項に記載の心疾患診断装置。
  10. 前記第1基準値は、複数の健常者の特異度または複数の心疾患患者の感度が60%から90%までの間となる値である
    請求項1から9のいずれか一項に記載の心疾患診断装置。
  11. 前記第1基準値は、前記複数の健常者の特異度と前記複数の心疾患患者の感度とが一致する値である
    請求項10に記載の心疾患診断装置。
  12. 前記第1周波数帯域は、200Hzから1kHzの間の任意の帯域である
    請求項1から11のいずれか一項に記載の心疾患診断装置。
  13. コンピュータを、請求項1から11のいずれか一項に記載の前記入力信号処理部及び前記心音解析部として機能させる心疾患診断プログラム。
  14. 請求項13に記載の心疾患診断プログラムを有するコンピュータ読み取り可能な媒体。
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