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JP6535513B2 - シートバックのポケット構造及び乗り物用シート - Google Patents
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JP6535513B2 - シートバックのポケット構造及び乗り物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、シートバックのポケット構造及び乗り物用シートに係る。
乗り物用シートにおけるシートバックのポケット構造が、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された構造は、収納ポケットを、柔軟な蓋体とその蓋体に結合する樹脂成形品のポケットフレームとで構成し、ポケットフレームを、シートバックのバックボードに対し、ねじ及びフックで固定するポケット構造である。
特開2013−121731号公報
特許文献1に記載されたポケット構造は、部材として、取り付け強度確保のための樹脂製のポケットフレームと、取り付けのためのフックと、が必要である。さらに、ねじ止めのために予め行うバックボードへの孔開け加工、並びに、取り付けにおけるねじ止め作業及びフック係止作業の工数が必要である。
そのため、これらの部材及び工数に対応した分だけコスト高となり低コスト化が望まれていた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、シートバックに低コストでポケットを形成することができる、シートバックのポケット構造及び乗り物用シートを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) シートバックにおけるプレス成形部材であるバックボードと、前記バックボードに対し収容空間を形成するよう取り付けられたポケットカバーと、を含んで構成されるシートバックのポケット構造であって、
前記バックボードは、第1の板厚の第1の部位と、前記第1の部位よりも圧縮量が小さく前記第1の板厚よりも厚い第2の板厚の縫製可能な第2の部位と、を有し、
前記第2の部位は、ポケットカバーの左縁部,右縁部,及び下縁部に対応してコ字状に形成され、前記左縁部,前記右縁部,及び前記下縁部がそれぞれ縫着されていることを特徴とするシートバックのポケット構造である。
2) 前記第2の部位における前記左縁部及び前記右縁部に対応した部分は、上下方向に前記第1の部位を挟んで分断して形成されていることを特徴とする1)に記載のシートバックのポケット構造である。
3) 前記バックボードは、前記収容空間に面した範囲が、前記第1の部位よりも圧縮量が小さく、かつ前記第2の部位よりも圧縮量が大きい第3の部位として形成されていることを特徴とする1)又は2)に記載のシートバックのポケット構造である。
4) シートクッション及びシートバックを備えた乗り物用シートであって、
前記シートバックの背面となるプレス成形部材であるバックボードと、前記バックボードに対し収容空間を形成するよう取り付けられたポケットカバーと、を含んで構成されるポケットを備え、
前記バックボードは、第1の板厚の第1の部位と、前記第1の部位よりも圧縮量が小さく前記第1の板厚よりも厚い第2の板厚の縫製可能な第2の部位と、を有し、
前記第2の部位は、ポケットカバーの左縁部,右縁部,及び下縁部に対応してコ字状に形成され、前記左縁部,前記右縁部,及び前記下縁部がそれぞれ縫着されていることを特徴とする乗り物用シートである。
本発明によれば、シートバックに低コストでポケットを形成することができる、という効果が得られる。
図1は、本発明の実施形態に係る乗り物用シートの実施例及び変形例であるシート51及びシート51Aを説明するための斜視図である。 図2(a)は、図1におけるS2a−S2a位置での断面図であり、図2(b)は、図1におけるS2b−S2b位置での断面図である。 図3は、図1におけるS3−S3位置での断面図である。 図4は、図1におけるS4−S4位置での断面図である。 図5は、シート51が備えるバックボード6の成形工程を説明するための第1の図である。 図6は、バックボード6の成形工程を説明するための第2の図である。 図7は、バックボード6を説明するための部分断面図である。 図8(a)は、バックボード6の中央部分の前面図であり、図8(b)は、図8(a)に示された部分を前方斜め左上から見た斜視図である。 図9は、バックボード6における弱プレス部AS3の変形例を説明するための、中央部分の前面図である。 図10は、シート51Aを、図1のS3−S3位置で切断し前方斜め左上から見た斜視的断面図である。 図11は、変形例のシート52におけるポケットカバー71のバックボード66への取り付けを説明するための、斜視的組立て図である。 図12は、シート52のバックボード66における強プレス部AHを形成する範囲を説明するための斜視図である。
(実施例1)
本発明の実施形態に係る乗り物用シートの実施例1は、シート51である。まず、シート51の構成について図1〜図4を参照して説明する。
図1は、シート51の左後斜め上方から見た斜視図である。ここでは、一般的な乗り物の進行方向を基準として前後左右上下方向を、図1の矢印で示された方向で規定する。左右方向は、シート51の幅方向となる。
乗り物として、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、などがある。
図2(a)は、図1におけるS2a−S2a位置での断面図(縦断面図)であり、図2(b)は、図1におけるS2b−S2b位置での断面図(縦断面図)である。図3は、図1におけるS3−S3位置での断面図(縦断面図)である。図4は、図1におけるS4−S4位置での断面図(横断面図)である。
以下の説明においてシート51の構造は、左右対称なので、図4は、右方側半分を示してある。
シート51は、座となるシートクッション1(図1において二点鎖線で図示)と背もたれとなるシートバック2とを備える。
シートバック2は、骨格となるシートバックフレーム3及びシートバックフレームを包む柔軟なパッド4(図2及び図4参照)と、パッド4の前方側を覆うように被せられたトリムカバー5と、パッド4の後方側(背面側)を覆うように取り付けられたバックボード6と、を有する。
バックボード6の外観面となる後面6eには、ポケットカバー41が取り付けられている。そして、バックボード6とポケットカバー41とによってポケットPKが形成されている。
詳しくは、ポケットカバー41は、バックボード6との間に上方が解放された袋状の収容空間Va(図3及び図4参照)を形成し、バックボード6と共にポケットPKを構成する。
ポケットPKの収容空間Vaには、小物などを収容することができるので、ポケットPKによって乗員の利便性が向上する。
ポケットカバー41は、縫着可能な合成皮革、布などの周知の材料で形成される。
トリムカバー5は、本革,合成皮革,ファブリックなどの周知の材料で形成されている。
詳しくは、トリムカバー5は、シートバック2の前面2a側からパッド4に被せたときに、底面2bと、左側面2c,上面2d,及び右側面2eにおける前後方向の中央からやや後方に偏った位置までの範囲と、を覆うように形成されている。
前面2aは、シートバック2の背もたれ面となり、上面2dは、シートバック2の先端面となる。
トリムカバー5は、パッド4に被せたときの後方側となる縁部5aに、エレメント群を有するオープンファスナである線ファスナ7a(以下、単にファスナ7aとも称する)が、折り込み部7a1を形成されて縫糸33によって縫着されている。
すなわち、ファスナ7aは、左側面2cにおける後方下部の位置P1から、左上の肩に相当する位置P2及び右上の肩に相当する位置P3を経て右側面2eにおける後方下部の位置P4に至る部分に取り付けられている。
また、図2に示されるように、トリムカバー5における底面2b側の縁部5bには、凹凸係合するフック係合部8の凸側となるフック8aが、縫糸35によって縫着されている。
バックボード6は、ポリエステル又はポリウレタンのフォーム材などから立体的に形成されている。
詳しくは、バックボード6は、シートバック2の後面2fとなる側からパッド4に宛がわれたときに、シートバック2の後面2fと、左側面2c,上面2d,及び右側面2eにおける後方側の部分を覆うことができるように立体成形されている。シートバック2の後面2fは、背もたれ面の前面2aに対して反対側となる面であり、背面2fとも称する。
さらに、バックボード6は、前方側となる縁部6aに取り付けられたオープンファスナである線ファスナ7b(以下、単にファスナ7bと称する)を有している。
ファスナ7bは、バックボード6がパッド4に対し後面2fとなる側から宛がわれたときに、ファスナ7aに対し結合分離(開閉)する。ファスナ7aとファスナ7bとが結合してファスナ部7となる。
ファスナ7aとファスナ7bとを結合させる際の起点となるファスナの開具の位置は、位置P1又は位置P4とされる。
バックボード6には、図2に示されるように、下方側となる縁部6bにフック8aを係止するフック受け部8bが取り付けられている。
フック受け部8bは、後述のように、バックボード6に形成された後述する弱プレス部AS2に縫着されている。この弱プレス部AS2は、縁部6bの折り曲げられている部分も含めるように延長形成されていてもよい。
フック8a及ぶフック受け部8bは、左右方向に延びる一組でなくてもよい。
左右方向に離隔して取り付けられた複数組であってもよい。
また、バックボード6の中央部分には、ポケットカバー41が、上縁部41a側が非縫着で開放され、左縁部41b,下縁部41c,及び右縁部41dが縫糸36によって縫着されることで取り付けられている。
ポケットカバー41の左縁部41b,下縁部41c,及び右縁部41dには、それぞれ折り込み部41b1,41c1,及び41d1が設けられ、各折り込み部41b1,41c1,及び41d1を挟むように縫着されている。
パッド4に対し前方側からトリムカバー5を被せ、後方側からバックボード6を宛がうと、ファスナ7aとファスナ7bとが近接対向するので、それらを手作業によって係合して閉状態とする。
また、シートバック2の後面2fにおける下部において、フック8aをフック受け部8bに引っ掛けて係止させる。
これらにより、バックボード6は、トリムカバー5と一体化される。すなわち、シート51において、バックボード6は、シートバック2の背面となる後面2f側に外観可視部材として取り付けられる。
次に、バックボード6の形成方法と、バックボード6に対するファスナ7b及びフック受け部8b,及びポケットカバー41の取り付け方法と、について図5及び図6を主に参照して詳述する。
バックボード6の形成には、帯シート状の基材6c及び表皮材6dを用いる。バックボード6は、これらを原材料として図5に示される原シート形成装置10により形成された帯シート状の中間体6Tを、図6に示される加熱装置26及び成形機27により熱間プレスし、さらに周縁の不要部分を裁断機28で裁断して形成される。
まず、図5に示されるように、原シート形成装置10において、リール11に巻かれた帯シート状の基材6cをリール11から繰り出し、圧接回転する一対のローラ12a,12bの間に引き込む。
ローラ12bの下部は、プール9aに収容された接着剤9に浸されている。
これにより、基材6cの一面側(図5における下面側)に接着剤9が塗布される。
一方、リール13には、基材6cと同幅の帯シート状の表皮材6dが巻回されている。
表皮材6dは、リール13から繰り出し、ガイドローラ15を経て、圧接回転する一対のローラ14,14aの間に引き込む。
同様に、接着剤9が塗布された基材6cも、接着剤9が塗布された面を表皮材6d側として、一対のローラ14,14aの間に表皮材6dと重ね合されるように引き込む。
これにより、接着剤9を間に挟んで基材6cと表皮材6dとが重ね合わされる。
そして、基材6cと表皮材6dとを重ね合わせた状態で一対のローラ14,14aから搬出させた後、乾燥ローラ16〜20に順次架け渡して搬送する。
これにより、接着剤9が硬化して接着剤層9bとなり、基材6cと表皮材6dとは、接着剤層9bを介して一体化した帯シート状の中間体6Tとなる。
その後、中間体6Tを、張力付与ローラ21,22を経て、製品リール23に巻き取る。
次に、中間体6Tが巻回された製品リール23を、図6に示されるように、加熱装置26の装填部26aに装填する。
製品リール23から中間体6Tを繰り出し、圧接回転する一対のローラ25,25の間を通過させる。
さらに、図6の上下方向に離隔対向配置された一対の加熱ヒータ26b,26bの間を通過させる。加熱ヒータ26bは例えばセラミックヒータである。
中間体6Tは、加熱ヒータ26b,26b間を通過する間に加熱され、外力で容易に変形可能な程度に軟化する。
次いで、軟化した中間体6Tを成形機27に搬入する。
成形機27は、図6の上下方向に離接する雄型27aと雌型27bとを有する。
雄型27a及び雌型27bは、成形する製品であるバックボード6の形状に対応した表面形状を有する。
成形機27は、雄型27aと雌型27bとの間に進入した中間体6Tを上下方向にプレスして圧縮変形させる。詳しくは、中間体6Tを、各型27a,27bの表面形状及びプレス時の雄型27aと雌型27bとの間の最小間隙に応じた立体形状及び厚さに変形させる。
図6では、中間体6Tを凹凸形状にプレス成形して成形中間体6T1とした場合が記載されている。
最後に、成形中間体6T1の不要な部分を裁断機28によって切断し、製品であるバックボード6を得る。
成形機27では、プレス時の雄型27aと雌型27bとの最小間隙が、形成するバックボード6の部位に応じて複数設定されている。
すなわち、プレス時の雄型27a及び雌型27bにおける最小間隙が、所定値の部分(金型強プレス部と称する)と、その所定値よりも大きい(広い)部分(金型弱プレス部と称する)と、の二つの異なる間隙を少なくとも有するように設定されている。
詳しくは、中間体6Tを金型弱プレス部でプレスした部分(単に、弱プレス部と称する)は、金型強プレス部でプレスした部分(単に、強プレス部と称する)よりも、基材6cの圧縮量が少なく、軟質で、肉厚の部分となる。逆に言うと、強プレス部は、弱プレス部よりも、基材6cの圧縮量が多く、硬質(高剛性、高硬度)で、厚さが薄い部分となる。
弱プレス部は、プレス時の金型弱プレス部の間隙を、ある程度以上に広くしておくことで、縫製が可能な程度の軟質とすることが可能である。
これにより、バックボード6として高い強度が必要な部分(領域)の成形に金型強プレス部を対応させ、緩衝効果を得たい部分(領域)、縫製をする部分(領域)、及び折り曲げ可能とする部分(領域)に金型弱プレス部を対応させることで、バックボード6に対し、領域毎に所望の硬度及び剛性を付与することができる。
以下、バックボード6に形成した強プレス部を強プレス部AHとし、弱プレス部を弱プレス部ASとする。
このようにして、バックボード6は、図7に示されるように、基材6cと表皮材6dとが、硬化した接着剤層9bを挟んで一体化されている。
そして、バックボード6は、強プレス部AHと、強プレス部AHよりも厚く軟らかい弱プレス部ASと、を有するように形成される。
バックボード6における、強プレス部AHと弱プレス部ASとの形成領域について、図1〜図4,及び図8を参照して説明する。図2〜図4では、接着剤層9bは図の煩雑化を避けるために不図示としてある。図8(a)は、バックボード6の中央部分の前面図であり、図8(b)は、図8(a)に示された部分を前方斜め左上から見た斜視図である。
バックボード6は、弱プレス部ASとして、独立した三つの弱プレス部AS1〜AS3を有する。
弱プレス部AS1は、バックボード6の前方側の縁部6aに、その縁部6aに沿って連続的に形成されている。弱プレス部AS1は、少なくとも縁部6aにおけるファスナ7bを縫着する部分(領域)に形成されている。
また、弱プレス部AS2は、バックボード6の下方側の縁部6bに、その縁部6bに沿って連続的に形成されている。弱プレス部AS2は、少なくとも縁部6bにおけるフック受け8bを縫着する部分(領域)に形成されている。
この弱プレス部AS2は、フック受け8bを縫着する部分から縁部6bの折り曲げられている部分を含むように延長して形成されていてもよい。
この場合、縁部6bの折り曲げを成形後の任意時期に行うことができる。
弱プレス部AS3は、図3,図4,及び図8(a),(b)に示されるように、ポケットカバー41における左縁部41bに対応した弱プレス部AS3a,下縁部41cに対応した弱プレス部AS3b,及び右縁部41dに対応した弱プレス部AS3cと、を有している。
この弱プレス部AS3は、バックボード6の例えば中央部分に、ポケットカバー41の取り付け部TKとして形成されている。
図8(a)は、バックボード6の単体における中央部分の前面図であり、図8(b)は、図8(a)を前方斜め左上から見た斜視図である。
弱プレス部AS3a〜AS3cを有する弱プレス部AS3である取り付け部TKは、例えば図8に示されるように連続したコ字状に形成されている。
バックボード6は、縁部6a,6bの弱プレス部AS1,AS2及びポケットカバー41に対応した弱プレス部AS3である取り付け部TKと、他の部位となる弱プレス部AS3よりも硬く高剛性の強プレス部AHと、を有する。強プレス部AHを有することでバックボード6として必要な剛性が確保されている。
図2及び図4に示されるように、縁部6aにおける弱プレス部AS1に、ファスナ7bは、折り込み部7b1を作って縫糸31によって縫着されている。
また、図2に示されるように、縁部6bにおける弱プレス部AS2に、フック受け8bは、縫糸34によって縫着されている。
また、図3及び図4に示されるように、バックボード6の中央部分に設けられた弱プレス部AS3である取り付け部TKに、ポケットカバー41は、縫糸36によって縫着されている。
以上詳述したように、実施例1のシート51は、バックボード6にねじ止め用の孔を形成する必要はない。また、バックボード6に対して、フック部を支持するための専用の形状を形成する工程を独立して必要とするものではない。
そのため、シート51は、コスト高を抑制して形成することができる。
また、バックボード6とトリムカバー5とは、ファスナ7aとファスナ7bとの係合によって一体化することができる。
ファスナ7aとファスナ7bとを係合する位置は、シート51の左側面2c,上面2d,及び右側面2eという外側面の視認し易い位置にある。
これにより、バックボード6の取り付け作業は大変容易になっている。
また、ポケットカバー41は、バックボード6の取り付け部TKに対し縫着されるので、ファスナ7a,7bと同じ縫製工程で取り付けることができる。
これにより、バックボード6に対し、縫製工程以外に、さらにポケットカバー41をねじやフックで取り付ける工程が不要となる。
従って、シート51におけるシートバック2のポケット構造によれば、ポケットカバー41をバックボード6に縫着することでポケットPKを低コストで形成できる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
バックボード6に形成された弱プレス部AS3の形状は、上述の連続したコ字状に限定されるものではない。例えば、図9に示されるように、左縁部41b及び右縁部41dに対応した弱プレス部AS3a及びAS3cを、それぞれ上下方向に複数に分断し、上下方向において弱プレス部AS3と強プレス部AHとが交互に形成されるようにしてもよい。図9は、図8(a)に対応した図である。
図9では、弱プレス部AS3a及びAS3cをそれぞれ二ヶ所で分断し、分断部分を強プレス部AHとした例が示されている。
これにより、バックボード6におけるポケットカバー41を縫着する部分に、強プレス部AHが介在するので、バックボード6におけるポケットカバー41の縫着部分が変形しにくくなり、ポケットPKに、より重い物を収容できるようになる。
バックボード6における、収容空間Vaに面した範囲を範囲ARa(図3及び図8参照)とする。
範囲ARaは、図8(b)に斜線で示されるように、弱プレス部AS3a〜AS3cに囲まれた矩形範囲である。
バックボード6は、この範囲ARaを、図10に示されるように、弱プレス部AS3よりも圧縮度を高くして硬くて薄い、かつ強プレス部AHよりも圧縮度を低くして軟らかく厚い、中間プレス部AMとしたバックボード6Aに変形してもよい。
図10は、このシート51Aにおけるバックボード6Aを、図1のS3−S3位置で切断し前方左斜め上から見た斜視的断面図である。
バックボード6の替わりにバックボード6Aを有するシートを、シート51Aとする(図1の括弧付符号参照)。図1に示されるように、外観上はシート51と同じである。
中間プレス部AMは、バックボード6をプレス成形する際の雄型27aと雌型27bとの最小間隙を、金型強プレス部の最小間隙値と金型弱プレス部の最小間隙値との間の任意の値に設定することで得られる。
すなわち、中間プレス部AMは、圧縮量,剛性,硬度,及び厚さが、強プレス部AHと弱プレス部ASとの間となるように設定された部位である。
範囲ARaを中間プレス部AMとして形成することで、ポケットPKの収容空間Vaに入れられた収容物を、バックボード6の変形なく適度な軟らかさで支持することができる。
バックボード6の範囲ARaの部分が、強プレス部AHとして硬く形成されている場合、収容物が潰れやすく、その収容物が収容空間Vaに無理に押し込まれると、範囲ARaの部分が硬く変形しにくいため、収容物側が変形してしまう虞がある。
そこで、範囲ARaの部分を弱プレス部ASとして軟らかく形成すると、ポケットカバー41が縫着されている部分も含めて軟らかい部分となる。
そのため、収容空間Vaに入れられた収容物が重量物或いは先鋭物の場合に、バックボード6側に、歪む、或いは凹むといった塑性変形が生じてしまう虞を排除できない。
変形例であるシート51Aは、範囲ARaが中間プレス部AMとなっているので、収容空間Vaに潰れやすい収容物が無理に押し込まれても、中間プレス部AMは、強プレス部AHよりも柔軟であるから、力をより良好に吸収分散し、収容物の変形を抑制する。
また、収容空間Vaに入れられた収容物が重量物、或いは先鋭物であっても、範囲ARaの中間プレス部AMは、弱プレス部ASよりも高い剛性と高い表面硬度とを有しているので、歪む、或いは凹むといった変形が生じにくい。
これにより、ポケットカバー41を取り付けることで形成されたポケットPKの使い勝手がより良好となる。
中間プレス部AMは、バックボード6Aのプレス成形で形成できるので、これによるコスト増は実質的に生じない。従って、中間プレス部AMを有するポケット構造及びそれを備えたシートによれば、使い勝手のよいポケットを低コストで得ることができる。
変形例における中間プレス部AMの設置範囲や形状は、ポケットカバー41の形状やバックボード6の形状などに応じて適宜設定してよい。
シート51の変形例として次に説明するシート52であってもよい。
シート52は、シート51におけるバックボード6及びポケットカバー41の替わりに、バックボード66及びポケットカバー71を有するものである。
図11は、ポケットカバー71のバックボード66への取り付けを説明するためのバックボード66の中央部分における斜視的部分組立て図であり、図10に対応して比較できる図である。図11では、取り付け前のポケットカバー71の全体斜視図も記載してある。
バックボード66は、全体を基本的に弱プレス部ASで形成し、高剛性が必要な領域を強プレス部AHとしたものである。
ポケットカバー71は、左縁部71b,下縁部71c,及び右縁部71dにそれぞれ折り込み部71b1〜71d1を設けると共に、折り込み部71b1〜71d1を含めて適宜間隔で複数の貫通孔71eが形成されている。
バックボード66における折り込み部71b1〜71d1に対応したコ字状の取り付け部66aは、強プレス部AHとされている。取り付け部66aには、複数の貫通孔71eそれぞれに対応して複数の孔66bが形成されている。
取り付け部66aに囲まれた矩形の範囲ARb(バックボード6における範囲ARaに相当する)は、中間プレス部AMとされている。
この構成において、ポケットカバー71は、例えば樹脂で形成されたリベット72を、後方側からポケットカバー71の貫通孔71e及びバックボード66の孔66bに通し、前方に突出した軸に対しプッシュナット73を嵌着固定することで、バックボード66に取り付けられている。
取り付け部66aは、強プレス部AHとして形成されているので、リベット72とプッシュナット73とにより、ポケットカバー71は、バックボード66に対してしっかりと取り付けられる。
シート52のバックボード66における強プレス部AHを形成する範囲の一例が、図12に示されている。
図12は、バックボード66の裏側面となる前面66cにおいて、ポケットカバー71が取り付けられる部分を含む概ね矩形の範囲ARcと、範囲ARcの上部において左方及び右方に張り出した張出し範囲ARd及び範囲AReと、が強プレス部AHとされている。範囲ARc〜ARe以外の範囲ARfは、弱プレス部AS又は中間プレス部AMとされている。
ポケットカバー71のバックボード66への取り付けは、プッシュナット73を用いることなく、樹脂製のリベット72の前方に突出した軸を熱溶着して行ってもよい。
変形例のシート52によれば、バックボード66を、全体的に弱プレス部AS又は中間プレス部AMで形成し、ポケットカバー71の取り付け範囲を含み高剛性が必要な範囲を、強プレス部AHで形成している。
これにより、バックボード66は、全体的にある程度の緩衝効果が発揮され、かつポケットPKに種々の収容物を収容することができる。従って、シート52は、例えば、前後に席が並設されている場合の前席に用いるとよい。
1 シートクッション
2 シートバック
2a 前面(背もたれ面)、 2b 底面、 2c 左側面
2d 上面(先端面)、 2e 右側面、 2f 後面(背面)
3 シートバックフレーム
4 パッド
5 トリムカバー、 5a,5b 縁部
6,6A バックボード
6a,6b 縁部、 6c 基材、 6d 表皮材
6e 後面(外観面)、 6T 中間体、 6T1 成形中間体
7 ファスナ部
7a,7b ファスナ(線ファスナ)、 7a1,7b1 折り込み部
8 フック係合部、 8a フック、 8b フック受け部
9 接着剤、 9a プール、 9b 接着剤層
10 原シート形成装置
11,13 リール
12a,12b,14,14a,25 ローラ、 15 ガイドローラ
16〜20 乾燥ローラ
21,22 張力付与ローラ
23 製品リール
26 加熱装置、 26a 装填部、 26b 加熱ヒータ
27 成形機、 27a 雄型、 27b 雌型
28 裁断機
31,33〜36 縫糸
41 ポケットカバー
41a 上縁部、 41b 左縁部、 41c 下縁部
41d 右縁部、 41a1〜41d1 折り込み部
51,51A,52 シート(乗り物用シート)
66 バックボード、 66a 取り付け部、 66b 孔
71 ポケットカバー
71b 左縁部、 71c 下縁部、 71d 右縁部
71b1〜71d1 折り込み部、 71e 貫通孔
72 リベット、 73 プッシュナット
AH 強プレス部、 AM 中間プレス部
AS,AS1〜AS3,AS3a〜AS3c 弱プレス部
ARa〜ARf 範囲
PK ポケット
P1〜P4 位置
TK 取り付け部
Va 収容空間

Claims (4)

  1. シートバックにおけるプレス成形部材であるバックボードと、前記バックボードに対し収容空間を形成するよう取り付けられたポケットカバーと、を含んで構成されるシートバックのポケット構造であって、
    前記バックボードは、第1の板厚の第1の部位と、前記第1の部位よりも圧縮量が小さく前記第1の板厚よりも厚い第2の板厚の縫製可能な第2の部位と、を有し、
    前記第2の部位は、ポケットカバーの左縁部,右縁部,及び下縁部に対応してコ字状に形成され、前記左縁部,前記右縁部,及び前記下縁部がそれぞれ縫着されていることを特徴とするシートバックのポケット構造。
  2. 前記第2の部位における前記左縁部及び前記右縁部に対応した部分は、上下方向に前記第1の部位を挟んで分断して形成されていることを特徴とする請求項1記載のシートバックのポケット構造。
  3. 前記バックボードは、前記収容空間に面した範囲が、前記第1の部位よりも圧縮量が小さく、かつ前記第2の部位よりも圧縮量が大きい第3の部位として形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシートバックのポケット構造。
  4. シートクッション及びシートバックを備えた乗り物用シートであって、
    前記シートバックの背面となるプレス成形部材であるバックボードと、前記バックボードに対し収容空間を形成するよう取り付けられたポケットカバーと、を含んで構成されるポケットを備え、
    前記バックボードは、第1の板厚の第1の部位と、前記第1の部位よりも圧縮量が小さく前記第1の板厚よりも厚い第2の板厚の縫製可能な第2の部位と、を有し、
    前記第2の部位は、ポケットカバーの左縁部,右縁部,及び下縁部に対応してコ字状に形成され、前記左縁部,前記右縁部,及び前記下縁部がそれぞれ縫着されていることを特徴とする乗り物用シート。
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