JP6535566B2 - 非水二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、電解液にメタロセンを添加することが記載されている。
このような要求水準の高まりに照らすと、上記特許文献1〜3に記載の電解液を含有する非水二次電池についても、駆動中の抵抗上昇を抑制し、保存性(容量維持特性)を向上させる等の電池性能の改善が必要である。
そこで、本発明は、上記の要求に応え、駆動中の抵抗上昇の抑制および保存性に優れる非水二次電池を製造する方法を提供することを課題とする。
上記特許文献1〜3に記載の金属錯体(金属化合物ともいう)は、これらを多量に電解液に添加した場合には、レドックスシャトル等の支障が生じ、非水二次電池の充電が困難となる場合が多かった。
SEI皮膜は主に非水二次電池への初期の充電の際に、電解液成分の分解によって電極表面に形成されることが知られている。本発明者らは鋭意検討した結果、非水二次電池作製のための初期の充電を特定のプロセスで行うことで、多量添加では通常SEI皮膜を形成しないと考えられる金属錯体が酸化分解され、SEI皮膜を形成することを見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされたものである。
(1)下記工程[1]および[2]をこの順に含み、
[1]未充電の非水二次電池を、4.5V(Li/Li + 基準)以上の電池電圧で定電圧充電する工程
[2]4.6V以上(Li/Li + 基準)の電池電圧まで定電流充電する工程、
未充電の非水二次電池が、正極と負極とを備え、非水電解液を含有し、
正極が、横軸を充電率とし縦軸を電位とした充電曲線において、正極電位4.5V(Li/Li + 基準)以上に電位変化が比較的平坦な領域を有する正極活物質を含有し、
非水電解液が、下記式(I)で表される金属化合物を0.01mol/l以上5mol/l以下含有する、非水二次電池の製造方法。
nはMの価数を表し、pは1以上の整数、qは0または1以上の整数を表し、p+2q=nである。
R1が複数存在する場合、複数のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R1同士はそれぞれ結合していてもよく、結合により環を形成していてもよい。
ここで、正極電位4.5V(Li/Li + 基準)以上に電位変化が比較的平坦な領域を有するとは、充電曲線において、SOC20%で正極の電極電位が4.5V(Li/Li + 基準)以上であり、かつSOC20%とSOC100%での電位差が1V以下である場合をいう。
(2)正極活物質がスピネル型ニッケルマンガン酸リチウム、オリビン型リン酸コバルトリチウムおよび下記式(M)で表される固溶体のいずれかである(1)に記載の非水二次電池の製造方法。
Li2MnO3−LiM1O2固溶体 式(M)
式(M)において、M1はCo、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素を表す。
(3)式(I)における少なくとも1つのR1が、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、スルホン酸基、カルボニル基含有基および下記式(CP)で表される基からなる群から選択される基である(1)または(2)に記載の非水二次電池の製造方法。
(4)式(I)における少なくとも1つのR1が、式(CP)で表される基である(3)に記載の非水二次電池の製造方法。
(5)式(I)におけるMが、Ti、ZrおよびFeからなる群から選択される1種以上である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の非水二次電池の製造方法。
(6)非水電解液が式(I)で表される金属化合物を0.1mol/l以上含有する(1)〜(5)のいずれか1つに記載の非水二次電池の製造方法。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、同一の符号で表す置換基や置換基数は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
以下に記載する発明の構成の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされる。ただし、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
[1]未充電の非水二次電池を、4.5V以上の電池電圧で定電圧充電する工程、および
[2]4.6V以上の電池電圧まで定電流充電する工程、
以下、本発明の非水二次電池の製造方法に用いる未充電の非水二次電池から説明する。
本発明で使用する未充電の非水二次電池は、正極と負極とを備え、非水電解液を含有しており、正極が特定の正極活物質を含有し、非水電解液が特定の金属化合物を含有する。
以下、未充電の非水二次電池を、代表的なリチウムイオン非水二次電池を例にとって説明するが、本発明はリチウムイオン非水二次電池に限定されるものではない。
未充電の非水二次電池の好ましい実施形態として、リチウムイオン非水二次電池についてその機構を模式化して示した図1を参照して説明する。
本実施形態のリチウムイオン非水二次電池10は、非水電解液5と、リチウムイオンの挿入放出が可能な正極C(正極集電体1、正極活物質層2)と、リチウムイオンの挿入放出または溶解析出が可能な負極A(負極集電体3,負極活物質層4)とを備える。これらの部材に加え、電池の使用目的、電池の形状などを考慮し、正極と負極の間に配設されるセパレータ9、集電端子(図示せず)、および外装ケース等(図示せず)を含んで構成されてもよい。必要に応じて、電池の内部および電池の外部の少なくともいずれかに保護素子を装着してもよい。このような構造とすることにより、非水電解液5内でリチウムイオンの授受a、bが生じ、充電α、放電βを行うことができ、回路配線7を介して動作機構6を運転あるいは蓄電することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態であるリチウムイオン非水二次電池の構成について、さらに詳細に説明する。
正極および負極は、集電体(電極基材)上に活物質、導電助剤、結着剤、フィラーなどの混合物(電極合剤)を塗布したものであることが好ましい。リチウムイオン非水二次電池においては、活物質が正極活物質である正極合剤と活物質が負極活物質である負極合剤とを使用することが好ましい。
次に、電極合剤を構成する各成分等について説明する。
未充電の非水二次電池は、横軸を電気容量に対する充電率(State Of Charge、SOC)、縦軸を電位とした充電曲線において、4.5V以上に電位変化が比較的平坦な領域を有する正極活物質を含有する。
ここで、正極活物質の特性である、「横軸を充電率、縦軸を電位とした充電曲線において、4.5V以上に電位変化が比較的平坦な領域を有する」ことについて図5を参照しながら説明する。
上記充電曲線は、実施例に記載の半電池試験を行って得ることができる。
上記充電曲線において、SOC20%で正極の電極電位が4.5V以上であり、かつSOC20%とSOC100%での電位差が1V以下である場合(例えば図5(a))に、「4.5V以上に電位変化が比較的平坦な領域を有する」ものとする。また、図5(b)は、SOC20%での正極の電極電位が4.5V未満である場合の例を参考のため示している。
「4.5V以上に電位変化が比較的平坦な領域を有する」正極活物質は、安定して高電位を得られるため、高電圧が必要な装置に対して少ない数の電池でも駆動できると考えられる。
また、Li/Maのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものがより好ましい。
式(M)において、M1はCo、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素を表す。
式(M)の具体例としては、Li2MnO3−LiNi0.5Mn0.5O2固溶体が挙げられる。
ここで、通常使用を維持できるとは、その電圧で充電を行った際でも電極材料が劣化して使用不能になることがないことを意味し、この電位を通常使用可能電位ともいう。ここで、「使用不能」とは、結晶構造が崩れることにより、再充電しても電池として使用しうる電気容量を得ることができない状態をいう。
(正極電位)=(負極電位)+(電池電圧)
併用できる正極活物質の含有量は、正極活物質全量の0〜60質量%とすることが好ましい。
併用できる正極活物質としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物、(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化物等が挙げられる。
以下に、併用できる正極活物質の具体例を挙げる。
(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoO2(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi2O2(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5O2(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoMnO4、Li2FeMn3O8、Li2CuMn3O8、Li2CrMn3O8が挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiFePO4、Li3Fe2(PO4)3等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP2O7等のピロリン酸鉄類、Li3V2(PO4)3(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、Li2FePO4F等のフッ化リン酸鉄塩、Li2MnPO4F等のフッ化リン酸マンガン塩、Li2CoPO4F等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化物としては、例えば、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、Li2CoSiO4等が挙げられる。
未充電の非水二次電池、好ましくはリチウムイオン非水二次電池において、用いられる正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01m2/g〜50m2/gであるのが好ましい。また、正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては、7以上12以下が好ましい。
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。このような条件を満たすものであれば、特に制限はない。
例えば、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、カルコゲナイド、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金およびSnもしくはSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。
また、金属複合酸化物としては、リチウムの吸蔵、放出が可能であるものが好ましく、構成成分としてチタンおよび/またはリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
上記負極活物質の平均粒子サイズは、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、通常の粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
本発明においては、なかでも、炭素、ケイ素(Si)、チタン、およびスズから選ばれる少なくとも1種を含有する負極活物質を用いることが好ましい。
導電助剤は、構成された未充電の非水二次電池、好ましくはリチウムイオン非水二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料が好ましく、公知の導電助剤を任意に用いることができる。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−10148,554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。上記導電助剤の添加量は、混合物(電極合剤)中、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂およびゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
電極合剤は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを形成する材料は、非水二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料が好ましい。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの材料からなる繊維状のフィラーが用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、混合物(電極合剤)中、0〜30質量%が好ましい。
正極および負極の集電体としては、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられることが好ましい。
正極の集電体としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
非水電解液は、式(I)で表される金属化合物を含有する。
式(I)で表される金属化合物は、正極にSEIを形成する正極SEI剤として作用する。
本発明に用いられる非水電解液に含有される式(I)で表される金属化合物について説明する。
nはMの価数を表し、pは1以上の整数、qは0または1以上の整数を表し、p+2q=nである。
R1が複数存在する場合、複数のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R1同士はそれぞれ結合していてもよく、結合により環を形成していてもよい。
また、R1は配位子として、Mに配位結合していてもよい。
R1における1価の有機基はさらに置換基を有していてもよい。置換基の例としては後述の置換基Tが挙げられる。
R1として採りうるアルケニル基は、炭素数2〜20が好ましく、例えば、エテニル基、プロペニル基が挙げられる。
R1として採りうるアルキルアミノ基は、炭素数1〜8が好ましく、例えば、N,N−ジメチルアミノおよびN,N−ジエチルアミノが挙げられる。
R1として採りうるシリルアミノ基は、アミノ基の水素原子の1個又は2個が置換シリル基で置換された基であって、炭素数3〜20が好ましい。置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、およびアリールアルキル基からなる群から選択される1〜3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。シリルアミノ基としては、例えば、トリメチルシリルアミノ、トリエチルシリルアミノ、tert−ブチルジメチルシリルアミノ、トリフェニルシリルアミノ、ジフェニルメチルシリルアミノ、およびビス(トリメチルシリル)アミノが挙げられる。
R1として採りうるアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、アルキル基などの置換基を有していてもよい。具体的にはフェニル、トリルおよびナフチル等が挙げられ、フェニルまたはナフチルが好ましい。
R1として採りうるヘテロアリール基は、好ましくは炭素数2〜20のヘテロアリール基であり、環内に有するヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましい。具体的なヘテロアリール環としては、インドール、カルバゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チオフェンおよびピリジンなどが挙げられる。
*はMとの連結部位を表す。
式(I)で表される金属化合物中にR3、R4、Arが複数有る場合、複数のR3、R4、Arはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R1、R3、R4、Arはそれぞれ結合して環を形成していてもよい。
中でも、R3またはR4におけるアルキル基は、炭素数1〜6がより好ましく、フッ素原子で置換されていてもよい。具体的には、イソプロピル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。
Arはアリール基であることがより好ましく、フェニル基が好ましい。アリール基にさらに置換基が置換していてもよく、置換基が遷移金属Mに配位していてもよい。置換基としては、後述の置換基Tが挙げられ、ピリジニル、ベンゾオキサゾリルなどがより好ましい。2つの式(II)−2がArが有する置換基で結合して形成される配位子としては、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)−1,2−フェニレンジアミン骨格を有し、2つのヒドロキシ基から水素原子を除いた配位子が挙げられる。
R5およびR6における1価の有機基は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基が好ましく、R5およびR6として採りうるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基はR1として採りうるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基と同義である。
中でも、R5の一価の有機基は、アルキル基であることがより好ましい。R5としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えば、メチルである。
R5におけるハロゲノ基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられ、フルオロであることが好ましい。
R6は、アルキル基であることがより好ましい。中でも、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチルであることが好ましい。
Ar3におけるヘテロアリール基は、R1におけるヘテロアリール基と同義である。中でも、Ar3のヘテロアリール基が有するヘテロアリール環としては、ピリジンが好ましい。
式(III−5)は2つのR1が結合した基を示している。
R2におけるアルキルシリル基は、炭素数は1〜10が好ましく、例えば、トリメチルシリルが挙げられる。
R2におけるアルキニル基は、炭素数は2〜10が好ましく、例えば、エチニルが挙げられる。
R2におけるアルキルスルファニル基は、炭素数は1〜8が好ましく、例えば、メタンスルファニルが挙げられる。
R2におけるアミノ基は、炭素数は0〜10が好ましく、例えば、ジメチルアミノが挙げられる。
R2におけるスルホニル基含有基は、炭素数は1〜10が好ましく、例えば、メタンスルホニルが挙げられる。
R2におけるハロゲノ基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。
複数のR2が形成してもよい脂肪族性または芳香族性の環としては、インデニル基が挙げられる。
下記において、Tfはトリフルオロメチルを、TMSはトリメチルシリルを表す。
式(I)で表される金属化合物の添加量が上記範囲内にあることにより、充分な量のSEIが形成され、抵抗上昇を抑えることができる。
非水電解液に用いる電解質は周期表第1族または第2族に属する金属のイオンの塩(特に金属塩)が好ましい。使用する金属イオンの塩は非水電解液の使用目的により適宜選択される。例えば、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられ、非水二次電池などに使用される場合には、出力の観点からリチウム塩が好ましい。非水電解液をリチウムイオン二次電池用非水電解液として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウムイオン二次電池用非水電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩が好ましく、例えば、以下に述べるものが好ましい。
なお、非水電解液に用いる電解質は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
非水電解液は、非水溶媒を含有することが好ましい。
本発明に用いられる非水溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、なかでも炭素数2〜10の非プロトン性有機溶媒が好ましい。
このような非水溶媒としては、鎖状もしくは環状のカーボネート化合物、ラクトン化合物、鎖状もしくは環状のエーテル化合物、エステル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、オキサゾリジノン化合物、ニトロ化合物、鎖状または環状のスルホンもしくはスルホキシド化合物、リン酸エステルが挙げられる。
なお、好ましい結合で示せば、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合またはカーボネート結合を有する化合物が好ましい。これらの化合物は置換基を有していてもよく、例えば後述の置換基Tが挙げられる。
なお、本発明に用いられる非水溶媒は、これらに限定されるものではない。
非水電解液には、難燃性の向上、サイクル特性の良化、容量特性の改善などのため、各種の機能性添加剤を含有させることが好ましい。
機能性添加剤としては、例えば、特開2015−046389号公報に記載の芳香族性化合物、ハロゲン含有化合物、重合性化合物、硫黄含有化合物、ケイ素含有化合物、ニトリル化合物、金属錯体化合物およびイミド化合物、ならびにホウ素含有化合物が挙げられる。
非水電解液は、金属イオンの塩としてリチウム塩を用いた例を含め、上記各成分を上記非水溶媒に溶解して、常法により調製される。
なお、現実的には、完全に無水とすることは困難であり、1ppm以上は含まれる。
非水電解液の粘度は特に限定されない。なお、25℃において、10〜0.1mPa・sが好ましく、5〜0.5mPa・sがより好ましい。
未充電の非水二次電池(好ましくはリチウムイオン非水二次電池)に用いられるセパレータは、正極と負極を電子的に絶縁する機械的強度、イオン透過性、および正極と負極の接触面で酸化・還元耐性のある材料で構成されていることが好ましい。このような材料として、多孔質の、ポリマー材料や無機材料、有機無機ハイブリッド材料またはガラス繊維などが用いられる。
セパレータは信頼性確保のためのシャットダウン機能、すなわち、80℃以上で隙間(孔)を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能を持つことが好ましく、閉塞温度は90℃以上、180℃以下が好ましい。
このような独立した薄膜形状以外に、上記無機材料の粒子を含有する複合多孔層を樹脂製の結着剤を用いて、正極および/または負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子をフッ素樹脂の結着剤を用いて多孔層として形成させることが挙げられる。
好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。また、特段に事情がない限り、単に置換基と称した場合も置換基Tが参照され、アルキル基などの各基も置換基Tの対応する基が参照される。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブチンジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
また、各基は、上記の置換基Tでさらに置換されていてもよい。例えば、アルキル基にアリール基が置換されたアラルキル基などである。
本実施形態のリチウムイオン非水二次電池が適用される電池形状には、特に制限はなく、例えば、有底筒型形状、有底角型形状、薄型形状、コイン形状、ラミネート形状、シート形状およびペーパー形状などが挙げられ、これらのいずれであってもよい。また、組み込まれるシステムや機器の形を考慮した馬蹄形や櫛型形状等の異型のものであってもよい。なかでも、電池内部の熱を効率よく外部に放出する観点から、比較的平らで大面積の面を少なくとも一つを有する有底角型形状や薄型形状などの角型形状が好ましい。
ラミネート形状の電池は、上記正極および負極の間にセパレータを設置して、何層にも重ねた構成としてもよい(例えば、正極/セパレータ/負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極)。この場合、合剤層は集電体の片面に形成してもよく、両面に形成してもよい。
本発明に用いる未充電の非水二次電池の製造方法は特に限定されず、未充電の非水二次電池は常法により製造することができる。
本発明に用いる未充電の非水二次電池(好ましくはリチウムイオン非水二次電池)の形状としては、既述のように、シート状、角型、シリンダー状などいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
有底筒型形状の電池では、充填される発電素子に対する外表面積が小さくなるので、充電や放電時に内部抵抗により発生するジュール発熱を効率よく外部に逃がす設計にすることが好ましい。また、熱伝導性の高い物質の充填比率を高め、内部での温度分布が小さくなるように設計することが好ましい。この電池は、セパレータ12を介して重ね合わせた正極シート14、負極シート16を巻回して外装缶18内に収納した有底筒型リチウムイオン非水二次電池100となっている。その他、図中の20が絶縁板、22が封口板、24が正極集電体、26がガスケット、28が圧力感応弁体、30が電流遮断素子である。なお、拡大した円内の図示は視認性を考慮しハッチングを変えているが、各部材は符号により全体図と対応している。
上記で得られた未充電の非水二次電池は、4.5V以上の電池電圧で定電圧充電される(工程[1])。工程[1]は、SEI皮膜を形成するために行う。
充電電圧の上限は特に限定されないが、4.7V程度である。
工程[1]の定電圧充電における充電電圧は、正極の作動電位(Li/Li+基準)よりも低いことが好ましい。
工程[1]の定電圧充電は、電流値が20mA以下になるまで行うことが好ましく、15mAとなるまで行うことがより好ましい。
上記、工程[1]は、0〜50℃で行うことが好ましく、20〜40℃で行うことがより好ましい。
本発明の非水二次電池の製造方法は、上記工程[1]により定電圧充電した二次電池を、4.6V以上の電池電圧まで定電流充電する工程(工程[2])を有する。工程[2]は工程[1]に引き続いて行われるのが好ましい。
工程[2]の定電流充電における充電電流は0.01〜1Cであることが好ましく、0.05〜0.5Cがより好ましい。ここで1Cとは電池の容量を1時間で放電または充電する電流値を表す。
工程[2]の定電流充電によって、到達する電池電圧(到達電圧)は、4.6V以上であれば特に限定されない。到達電圧は、工程[1]の充電電圧以上の電圧であることが好ましい。到達電圧の上限は特に限定されないが、5.3V程度である。
上記、工程[2]は、0〜50℃で行うことが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。
本発明は、工程[1]および[2]をこの順に、上記未充電の非水二次電池に行うことで、レドックスシャトルの影響を受けずにSEI皮膜を形成できるため、抵抗上昇の抑制および保存性に優れる非水二次電池を得ることができる。
初期化工程は、上記工程[2]の定電流充電の後に、さらに定電圧充電を含んでいてもよい。この定電圧充電は、上記工程[2]に引き続いて行われる。この定電圧充電により、結晶構造を壊さないで電気容量(充電量)を上げることができる。この定電圧充電における充電電圧は、直前の定電流充電における到達電圧であることが好ましい。
また、初期化工程は、工程[2]の後または工程[2]の後に行われる定電圧充電の後に、さらに放電工程を含んでいてもよい。
リチウム電池と呼ばれる非水二次電池は、充放電反応にリチウムイオンの吸蔵および放出を利用する非水二次電池(リチウムイオン非水二次電池)と、リチウムの析出および溶解を利用する非水二次電池(リチウム金属非水二次電池)とに大別される。本発明においてはリチウムイオン非水二次電池としての適用が好ましい。
以下のようにして、非水電解液(以下、単に電解液とも称す。)及び非水二次電池を調製した。
下記に示す体積比により各溶媒を混合し、下記のリチウム塩が下記の濃度となるように溶解して、非水溶液1〜3を調製した。
1M LiPF6のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(体積比1対2)溶液
・非水溶液2
1M LiPF6のエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート/エチルメチルカーボネート(体積比1対1対1)溶液
・非水溶液3
1M LiBF4のエチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/γ−ブチロラクトン(体積比25対5対70)溶液
上記で調製した各非水溶液に対し、本発明に用いられる式(I)で表される金属化合物(表中では「添加剤」と表示する)を下記表1に示す添加量で添加し、試験No.1〜14の非水電解液(本発明)およびNo.c1〜c4の非水電解液(比較例)を調製した。
上記で調製した各非水電解液を使用して、リチウムイオン非水二次電池(ラミネート型電池)を作製した。
・LNMO
活物質:スピネル型ニッケルマンガン酸リチウム(LiNi0.5Mn1.5O4) 85質量%、導電助剤:カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%の正極合剤ペーストを調製した。
・LCP
活物質:オリビン型リン酸コバルトリチウム(LiCoPO4) 85質量%、導電助剤:カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%の組成物の正極合剤ペーストを調製した。
・LNMC
活物質:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2) 85質量%、導電助剤:カーボンブラック 7質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%の正極合剤ペーストを調製した。
<負極合剤ペースト>
・黒鉛
活物質:Gr(天然黒鉛) 92質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%の負極合剤ペーストを調製した。
・LTO
活物質:チタン酸リチウム(Li4Ti5O12) 92質量%、バインダー:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 8質量%の負極合剤ペーストを調製した。
<セパレータ>
厚みが25μmのポリプロピレン製のセパレータを用意した。
下記に示す、正極、負極、セパレータおよび電解液を用いて、電気製鋼第82巻1号(2011年)「固相堆積法を用いたリチウムイオン電池負極用活物質の作成および評価」に記載の方法で半電池を作製した。
半電池の構成:
正極:正極活物質を測定対象とする正極活物質に変更した以外は、後述するラミネート型電池の作製に使用する正極シートと同様にして作製した。
負極:Li金属
セパレータ:ポリプロピレン
電解液:1M LiPF6のエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(体積比1対2)溶液
得られた半電池を、25℃で0.1Cで5Vまで充電した際の電位変化を測定し、横軸をSOC、縦軸を電位として、プロットして充電曲線を得た。SOCは、満放電した状態を0%、満充電した状態を100%とする。また、電位はLi/Li+基準である。
上記で調製したLNMOの正極合剤ペーストを、アルミニウム箔集電体の片面に塗布し、乾燥した。その後、加圧処理し、裁断して帯状の正極シートを作製した。また、黒鉛の負極合剤ペーストを、銅箔集電体の片面に塗布し、乾燥した。その後、加圧処理し、裁断して負極シートを作製した。上記正極シート及び負極シートにタブリードを接着したのち、上記正極シート、ポリプロピレン製セパレータ、上記負極シートの順に、各合剤層がセパレータに接するように積層して、積層体を得た。得られた積層体に、上記試験No.1の電解液を含浸させて、試験No.1のラミネート型電池を作製した。
上記作製方法において、正極合剤ペースト、負極合剤ペースト、および非水電解液を表1に記載のように変更した以外は上記と同様にして、試験No.2〜14および試験No.c1〜c4のラミネート型電池を作製した。
上記方法で作製した試験No.1のラミネート型電池に対して、4.6V定電圧充電を電流値が10mAになるまで行った(工程[1])。その後、2.4mAで電池電圧が4.8Vになるまで0.2C定電流充電を行った(工程[2])。その後、4.8V定電圧充電を電流値が0.36mAになるまで継続した(ただし、最後の定電圧充電の充電時間の上限を2時間とした)。次に12.0mAで電池電圧が3Vになるまで1C定電流放電を行った。上記操作は、いずれも30℃の恒温槽中で行った。
試験No.2〜13およびNo.c1、c4のラミネート型電池の初期化は、試験No.1と同様に行った。
試験No.14のラミネート型電池の初期化は、試験No.1の初期化において、最初の定電圧充電時の電池電圧を4.5Vに変更した以外は試験No.1と同様にして行った。
試験No.c2のラミネート型電池の初期化は、試験No.1の初期化において、最初の定電圧充電時の電池電圧を4.4Vに変更した以外は試験No.1と同様にして行った。
試験No.c3のラミネート型電池の初期化は、試験No.1の初期化において、最初の定電圧充電をしなかった以外は試験No.1と同様にして行った。
上述のようにして初期化した各電池について、以下の評価を行った。
上記の方法で初期化したラミネート型電池を用いて、30℃の恒温槽中、12.0mAで電池電圧が4.8Vになるまで1C定電流充電を行った。その後、4.8V定電圧の充電を電流値が0.36mAになるまで継続した。ただし、充電時間の上限を2時間とした。次に12.0mAで電池電圧が3Vになるまで1C定電流放電を行った。上記の定電流充電→定電圧充電→定電流放電の充放電を1サイクルとした。これを10サイクルまで繰り返した後の抵抗値(以下、「R10」と記す。)、およびその後300サイクルまで充放電を繰り返した後の抵抗値(以下、「R300」と記す。)を、以下に示す方法で測定した。
上記ラミネート型電池を用いて1.2mAおよび3.0mAで放電を行い、10秒後〜20秒後までの電圧変化量をそれぞれ算出した(ΔV1.2およびΔV3.0)。この電圧変化量の差を放電時の電流差で割った値を抵抗値R[Ω]とした。
抵抗値R[Ω]=(ΔV3.0−ΔV1.2)[mV]/(3.0−1.2)[mA]
抵抗上昇率[%]=(R300/R10)×100
上記の方法で初期化したラミネート型電池を用いて、30℃の恒温槽中、2.4mAで電池電圧が4.8Vになるまで0.2C定電流充電を行った。その後、4.8V定電圧の充電を電流値が0.09mAになるまで継続した(ただし、充電時間の上限を14時間とした)。次に12.0mAで電池電圧が3Vになるまで1C定電流放電を行った。上記の定電流充電→定電圧充電→定電流放電の充放電を1サイクルとした。そして、このサイクルを3回繰り返した。このときの3回目の電気容量をQ1とする。
次に、再度30℃の恒温槽中、2.4mAで電池電圧が5.0Vになるまで0.2C定電流充電を行った。この5.0V定電圧の充電を電流値が0.09mAになるまで継続し、充電処理を完了させた(充電時間の上限を14時間とした)。
充電処理が完了したラミネート型電池を60℃の恒温槽中1週間保管した後、30℃の恒温槽中、2.4mAで電池電圧が4.8Vになるまで0.2C定電流充電を行った。その後、4.8V定電圧の充電を電流値が0.09mAになるまで継続した(ただし、充電時間の上限を14時間とした)。次に12.0mAで電池電圧が3Vになるまで1C定電流放電を行った。上記の定電流充電→定電圧充電→定電流放電の充放電を1サイクルとした。そして、このサイクルを2回繰り返した。このときの2回目の電気容量をQ2とする。
上記で得られた電気容量Q1およびQ2をもとに、下記式に基づき、保存性[%]を評価した。
保存性[%]=Q2/Q1×100
これに対して、添加剤を含まない非水電解液を使用した非水二次電池No.c1は、抵抗上昇率の抑制が十分でなかった。また、最初の定電圧充電において低い充電電圧で充電した非水二次電池No.c2と、最初の定電圧充電をしなかった非水二次電池No.c3と、正極活物質としてLNMCを使用した非水二次電池No.c4とはいずれも、上記2つの評価条件において充電することができなかった。初期化工程においてSEI皮膜が形成されなかったためと考えられる。
1 正極導電材(集電体)
2 正極合剤層(正極活物質層)
A 負極
3 負極導電材(集電体)
4 負極合剤層(負極活物質層)
5 非水電解液
6 動作機構
7 回路配線
9 セパレータ
10 リチウムイオン非水二次電池
12 セパレータ
14 正極シート
16 負極シート
18 負極を兼ねる外装缶
20 絶縁板
22 封口板
24 正極集電体
26 ガスケット
28 圧力感応弁体
30 電流遮断素子
100 有底筒型形状リチウムイオン非水二次電池
61 負極端子(上蓋)
62 負極
63 セパレータ(電解液を含む)
64 ガスケット(シール材)
65 正極
66 正極管(底蓋)
200 ラミネート型リチウムイオン非水二次電池
70 電池外装
71 正極
71a 正極集電体
71b 正極合剤層
73 セパレータ
72 負極
72b 負極合剤層
72a 負極集電体
76 非水電解液
Claims (6)
- 下記工程[1]および[2]をこの順に含み、
[1]未充電の非水二次電池を、4.5V(Li/Li + 基準)以上の電池電圧で定電圧充電する工程
[2]4.6V(Li/Li + 基準)以上の電池電圧まで定電流充電する工程、
前記未充電の非水二次電池が、正極と負極とを備え、非水電解液を含有し、
前記正極が、横軸を充電率とし縦軸を電位とした充電曲線において、正極電位4.5V(Li/Li + 基準)以上に電位変化が比較的平坦な領域を有する正極活物質を含有し、
前記非水電解液が、下記式(I)で表される金属化合物を0.01mol/l以上5mol/l以下含有する非水二次電池の製造方法。
式(I)において、R1は1価の有機基を表し、Mは遷移金属元素を表す。
nはMの価数を表し、pは1以上の整数、qは0または1以上の整数を表し、p+2q=nである。
R1が複数存在する場合、複数のR1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R1同士はそれぞれ結合していてもよく、結合により環を形成していてもよい。
ここで、前記正極電位4.5V(Li/Li + 基準)以上に電位変化が比較的平坦な領域を有するとは、前記充電曲線において、SOC20%で正極の電極電位が4.5V(Li/Li + 基準)以上であり、かつSOC20%とSOC100%での電位差が1V以下である場合をいう。 - 前記正極活物質がスピネル型ニッケルマンガン酸リチウム、オリビン型リン酸コバルトリチウムおよび下記式(M)で表される固溶体のいずれかである請求項1に記載の非水二次電池の製造方法。
Li2MnO3−LiM1O2固溶体 式(M)
式(M)において、M1はCo、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素を表す。 - 前記式(I)における少なくとも1つのR1が、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、スルホン酸基、カルボニル基含有基および式(CP)で表される基からなる群から選択される請求項1または2に記載の非水二次電池の製造方法。
式(CP)において、R2はアルキル基、アルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、カルボキシル基、カルボニル基含有基、スルホニル基含有基、ホスフィニル基、またはハロゲノ基を表す。aが2以上の整数の場合、複数のR2が結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。aは0〜5の整数を表す。*はMとの連結部位を表す。 - 前記式(I)における少なくとも1つのR1が、前記式(CP)で表される基である請求項3に記載の非水二次電池の製造方法。
- 前記式(I)におけるMが、Ti、ZrおよびFeからなる群から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
- 前記非水電解液が前記式(I)で表される金属化合物を0.1mol/l以上含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
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