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JP6535745B2 - 圧電素子 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば、圧力センサ素子、圧電駆動素子(圧電アクチュエータ)および圧電回路素子等として用いられる圧電素子に関する。
圧力センサとして用いられる圧電素子は、例えば自動車のエンジンやサスペンション等の部分に組み込まれ、エンジンの燃焼制御や車体の姿勢制御に用いられている。このような圧電素子として、例えば板状の圧電体の対向する主面に表面電極を具備したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−292625号公報
上記の圧電素子は、表面電極をスクリーン印刷で形成することができる。ここで、スクリーン印刷で形成された表面電極は、周縁部の厚みが中央部の厚みよりも厚くなることがある。
このような圧電素子では、圧電素子の圧力の加わる面に対して垂直方向の力が加わると、表面電極の厚みの厚い周縁部に応力が集中してしまい、表面電極と圧電体との界面にクラックが発生するおそれがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、表面電極と圧電体との界面にクラックが発生するのを抑制し、長期信頼性の向上した圧電素子を提供することである。
本発明の一態様の圧電素子は、対向する一方主面および他方主面を有する板状の圧電体と、前記一方主面に設けられた第1表面電極および前記他方主面に設けられた第2表面電極とを備えた圧電素子であって、前記第1表面電極および前記第2表面電極のうちの少なくとも一方は、中央部よりも厚みが厚くなっている周縁部を有し、該周縁部は、厚みの厚い厚肉領域と、該厚肉領域よりも厚みの薄い薄肉領域とを有している。
本発明の一態様の圧電素子によれば、表面電極と圧電体との界面にクラックが発生するのが抑制され、長期信頼性の向上した圧電素子とすることができる。
(a)は本実施形態の圧電素子の一例を示す概略斜視図であり、(b)は(a)に示す圧電素子の概略平面図である。 (a)は図1(b)に示すX−X線で切断した断面図であり、(b)は図1(b)に示すY−Y線で切断した断面図である。 (a)〜(c)は図1(b)に示すZ−Z線で切断した断面のバリエーションを示す図である。 図1(b)に示すZ−Z線で切断した断面の他の例を示す図である。 (a)は本実施形態の圧電素子の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示すX−X線で切断した断面図であり、(c)は(a)に示すY−Y線で切断した断面図である。 本実施形態の圧電素子のさらに他の例を示すX−X線断面図である。
本実施形態の圧電素子の一例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、主に圧電素子を圧力センサとして用いる例にて説明し、同一の構成については同一の符号を用いるものとする。
図1(a)は本実施形態の圧電素子の一例を示す概略斜視図であり、図1(b)は、図(a)に示す圧電素子の概略平面図である。また、図2(a)は図1(b)に示すX−X線で切断した断面図であり、(b)は図1(b)に示すY−Y線で切断した断面図である。
図1(a)、(b)に示す圧電素子10は、対向する一方主面および他方主面を有する板状の圧電体1と、一方主面に設けられた第1表面電極2および他方主面に設けられた第2表面電極3とを備え、第1表面電極2および第2表面電極3のうちの少なくとも一方は、中央部よりも厚みが厚くなっている周縁部4を有し、該周縁部4は、厚みの厚い厚肉領域5と、該厚肉領域5よりも厚みの薄い薄肉領域6とを有している。
圧電体1は、圧電特性を有するセラミックスで板状に形成されたもので、このようなセラミックスとして、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などを用いることができる。圧電体1の厚みは、例えば100μm〜10mmとされ、圧電体1の平面視による形状は、円形、楕円形、多角形形状等いかなる形状であっても良い。例えば、円形の場合、直径が0.5〜20mmとされる。
第1表面電極2および第2表面電極3は、板状の圧電体1の対向する一対の主面に互いに対向するように設けられている。第1表面電極2および第2表面電極3の形成材料としては、例えば、銀、銀−パラジウム合金を主成分とする導体、あるいは金、銅、白金、クロムなどを含む導体が挙げられる。
ここで、図2(a)、(b)に示すように、本実施形態の圧電素子10においては、第1表面電極2は、中央部よりも厚みが厚くなっている周縁部4を有している。そして、周縁部4は、厚みの厚い厚肉領域5と、該厚肉領域5よりも厚みの薄い薄肉領域6とを有している。すなわち、第1表面電極2の周縁部4は圧電体1の一方主面からの厚みが一定ではなく、圧電体1の一方主面からの厚みの厚い厚肉領域5と、圧電体1の一方主面からの厚みが厚肉領域5よりも薄い薄肉領域6とを有している。これにより、厚肉領域5と薄肉領域6との間には厚みの差ができる。なお、第1表面電極2における周縁部4の厚みは、薄肉領域6であっても中央部よりも厚くなっている。
周縁部4は、第1表面電極2における圧電体1の外周に沿った領域のことであり、圧電体1の中央部から外周にかけて見ていったときに、中央部の厚みよりも20%以上厚くなった部分よりも外側の領域が周縁部4となる。つまり、図2(a)、(b)に示すように、中央部の厚みをtとしたときに、第1表面電極2の中央部から外周にかけて見ていったときに、1.2tの厚みとなった部分よりも外側が周縁部4である。
また、周縁部4は、平面視による第1表面電極2の重心である中心を介して対向する外周同士を結んだ距離に対して、それぞれの外周からの距離が外周同士を結んだ距離の15%以下となることが好ましい。例えば、圧電体1が平面視で円形の場合、第1表面電極2の周縁部4はそれぞれの外周からの距離が直径の15%以下の距離となることが好ましい。これにより、圧電素子10を圧力センサとして用いた場合、センサ感度の精度を向上することができる。
そして、周縁部4は、圧電体1の一方主面からの厚みの厚い厚肉領域5と、該厚肉領域5よりも厚みの薄い薄肉領域6とを有している。例えば周縁部4において、最も厚い部分の厚みをtMaxとし、最も薄い部分の厚みをtMinとし、tMaxとtMinとの中間の厚み((tMax+tMin)/2)をtMidとしたときに、tMidよりも厚い領域が厚肉領域5であり、tMidよりも薄い領域が薄肉領域6である。なお、周縁部4における最も厚い部分の厚みtMaxと最も薄い部分の厚みtMinとの差は、最も薄い部分の厚みtMinの30%以上であることが好ましい。
第1表面電極2は、中央部の厚みが例えば0.10〜20μmで、厚肉領域5の厚みが例えば0.50〜40μmで、薄肉領域6の厚みが例えば0.15〜30μmである。また、平面視において第1表面電極2の薄肉領域6の面積比率は、周縁部4全体の5〜20%程度である。
このように、第1表面電極2が、中央部よりも厚みが厚くなっている周縁部4を有し、該周縁部4は、圧電体1の一方主面に対向する面から反対側の面までの厚みの厚い厚肉領域5と、該厚肉領域5よりも厚みの薄い薄肉領域6とを有していることから、厚肉領域5と薄肉領域6との厚みの差により形成された空間に向かって変形可能となり、圧電素子10に圧力が加わった際に、第1表面電極2から圧電体1にかかる応力集中が抑制されるので、表面電極と圧電体1との界面にクラックが発生するのが抑制され、長期信頼性の向上した圧電素子10とすることができる。なお、圧電素子10を圧力センサとして用いる場合には、出力が安定した圧力センサとすることができる。
図1、図2においては、第1表面電極2の周縁部4が厚肉領域5と薄肉領域6とを備えている例を用いて説明したが、第2表面電極3の周縁部4が厚肉領域5と薄肉領域6とを備えていてもよく、また第1表面電極2および第2表面電極3の両方の周縁部4が厚肉領域5と薄肉領域6とを備えていてもよい。
図3(a)〜図3(c)は図1(b)に示すZ−Z線で切断した断面のバリエーションを示す図であり、図4は図1(b)に示すZ−Z線で切断した断面の他の例を示す図である。
図3(a)〜図3(c)および図4は、厚肉領域5から薄肉領域6にかけて厚みが変化している例のバリエーションを示している。図3(a)に示す圧電素子10は、厚肉領域5と薄肉領域6との間に段差がある形態であり、凹んだ領域が薄肉領域6で、その外側の領域が厚肉領域5である。図3(b)に示す圧電素子11は、2段の段差がある形態であり、厚みの薄い領域が薄肉領域6で、その外側の領域が階段状になっている部位も含めて厚肉領域5である。図3(c)に示す圧電素子12は、厚肉領域5と薄肉領域6との間に傾斜部がある形態であり、厚みの薄い領域が薄肉領域6で、その外側の領域が傾斜部も含めて厚肉領域5である。
図3(a)、(b)のように、厚肉領域5と薄肉領域6との間に段差がある場合は、圧電素子10に圧力が加わった際に、厚肉領域5と薄肉領域6との厚みの差により形成された空間に厚肉領域5が広がって変形し、これにより第1表面電極2から圧電体1にかかる応力集中が抑制される。それにより、表面電極と圧電体1との界面にクラックが発生するのが抑制され、長期信頼性の向上した圧電素子10とすることができる。
また、図3(c)のように、厚肉領域5と薄肉領域6との間に傾斜部がある場合は、厚肉領域5と薄肉領域6との間に段差がないので、応力がより均一に分散され、第1表面電極2から圧電体1にかかる応力集中がより抑制される。
また、図4に示す圧電素子13は、厚肉領域5から薄肉領域6にかけて厚みが変化している例のうち、厚肉領域5から薄肉領域6にかけて漸次厚みが変化している例を示している。これにより、圧電素子1に圧力が加わった際に、厚肉領域5と薄肉領域6との厚みの差により形成された空間に向かって厚肉領域5がなめらかに変形し、厚肉領域5と薄肉領域6との間で応力がさらに均一に分散される。特に圧電素子13を圧力センサとして用いる場合には、圧力センサの出力が安定する。
図5(a)は本実施形態の圧電素子の他の例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すX−X線で切断した断面図であり、図5(c)は図5(a)に示すY−Y線で切断した断面図である。
図5に示す圧電素子14においては、薄肉領域6が2箇所に設けられている。これにより、厚肉領域5の変形できる箇所が増えて、よりクラックの発生を抑制できる。なお、薄肉領域6は2箇所以上設けられてもよい。また、薄肉領域6を複数箇所に設ける場合は、薄肉領域6が圧電体1の重心に対して点対称の位置なるように設けられていることが好ましい。これにより、第1表面電極2の周縁部において応力が均一に分散され、第1表面電極2から圧電体1にかかる応力集中が抑制されるのでよりクラックの発生を抑制できる。
図6は、本実施形態の圧電素子のさらに他の例を示すX−X線断面図である。図6に示す圧電素子15においては、第1表面電極2および第2表面電極3の両方の周縁部4が、薄肉領域6を有している。これにより、圧電体1の一方主面および他方主面の両方の主面において応力集中が抑制される。さらに、図6に示すように、薄肉領域6が圧電体1を介して対向するように設けられている構成とすることもできる。これにより、圧電素子1に圧力が加わった際に、第1表面電極2および第2表面電極3において厚肉領域5の変形できる箇所を一致させることができるので、厚肉領域5の変形をより大きくさせることができる。したがって、長期信頼性の向上した圧電素子15とすることができる。
次に、本実施形態の圧電素子10の製造方法について説明する。
まず、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーを混合して原料粉末を作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。そして、プレス等を用いて成形し、所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、900〜1500℃の温度で焼成し、平面研削盤等を用いて所定の形状になるよう研削処理を施して、圧電体1を作製する。
次に、第1表面電極2、第2表面電極3となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀の金属粉末にガラス粉末と共にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記の圧電体1上に、スクリーン印刷法を用いて第1表面電極2および第2表面電極3のパターンを印刷塗布する。さらに、この導電性ペーストが印刷された圧電体1を、所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、600〜900℃の温度で焼成する。
ここで、厚肉領域5と薄肉領域6の作製方法について述べる。例えばスクリーン印刷法を用いて導電性ペーストを印刷する際、導電性ペーストの粘度を調整して印刷することで周縁部4の部分が形成できる。これを利用して、1回目は周縁部が薄肉領域6の厚みになるように印刷し、2回目は厚肉領域5の部分だけを印刷する。あるいは周縁部が厚肉領域5の厚みになるように印刷し、その後、厚肉領域5の一部を研磨等の方法で削り取って薄肉領域6を形成することもできる。また他の方法として、スクリーン印刷時のスキージの形状や押圧強度を制御して厚肉領域5と薄肉領域6とで異ならせる方法やメッシュの間隔を厚肉領域5と薄肉領域6とで異ならせる方法がある。さらに、印刷時のパターンを厚肉領域5と薄肉領域6とで異ならせる方法がある。また、スクリーン印刷に変えて、蒸着等の薄膜法で、厚肉領域5と薄肉領域6を異ならせる方法では、マスクパターンを複数用意して、複数回製膜する方法がある。
以上の方法により、本実施形態の圧電素子10を作製することができる。
なお、圧電素子10は、上記の製造方法によって作製されるものに限定されるものではなく、どのような製造方法によって作製されてもよい。
本発明の実施例について説明する。
本発明の圧電素子を以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.8μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダーを混合した原料粉末を作製し、プレスで成形した後、600〜1200℃で脱脂を行った後、980〜1500℃で焼成した。その後、研磨機で厚みが300〜900μmになるよう研磨し、φ5.0mmの円板状になるように加工して圧電体を作成した。
次に、銀とガラスの粉末にバインダーを加えて、表面電極となる導電性ペーストを作製した。
次に、圧電体に表面電極となる導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷した。このとき、厚肉領域は導電性ペーストを2回印刷して形成した。すなわち、導電性ペーストの1回目の印刷で薄肉領域の厚みとなる周縁部を形成した。続いて、周縁部の薄肉領域となる部位を除く厚肉領域となる部位のみに2回目の印刷をし、周縁部に薄肉領域と厚肉領域とを形成した。ここで、厚肉領域の厚みは0.50〜40μmであった。また、薄肉領域の厚みは0.15〜30μmで、中央部の厚みは0.1〜20μmであった。
次に、600〜900℃の温度で導電性ペーストを圧電体に焼き付けることにより、圧電体の一方主面に第1表面電極を形成して、図1、図2に示すように、第1表面電極の周縁部が、厚みの厚い厚肉領域と、それよりも厚みの薄い薄肉領域とを有した構造になっている圧電素子(試料1)を作製した。
さらに、試料2として、図5に示すように、第1表面電極の薄肉領域が2箇所設けられた構造になっている圧電素子を作製した。
さらに、試料3として、図6に示すように、薄肉領域が、圧電体を介して対向するように第1表面電極および第2表面電極のそれぞれの周縁部に設けられた構造になっている圧電素子を作製した。
また、比較例として、表面電極の周縁部が全て厚肉領域で、表面電極の周縁部に薄肉領域が形成されていない構造になっている圧電素子(試料4)も作製した。
これらの圧電素子(試料1〜試料4)をそれぞれ金属ホルダーに入れて、荷重試験の測定機で1000Nの圧力を加え、圧力センサ出力を測定した。試料1〜試料4のいずれの圧電素子も約300μCの出力を得た。
さらに、この評価を200Hの振動で1.0×10回繰り返して耐久性試験を行なった。
それぞれの圧電素子について、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)で分析した結果、本発明の実施例である試料1、試料2、試料3の圧電素子は、表面電極と圧電体との界面にクラックは発生していなかった。さらに、これらの試料の出力信号を評価したところ、ともに試験前の値と同等となり、劣化していなかった。
これに対し、比較例である試料4の圧電素子は、表面電極と圧電体との界面にクラックが発生していた。さらに、この試料4の出力信号を評価したところ、試験前より低い出力値となり劣化していた。
以上のことから、実施例の圧電素子のほうが比較例の圧電素子よりも長期信頼性に優れていることがわかる。
1・・・圧電体
2・・・第1表面電極
3・・・第2表面電極
4・・・周縁部
5・・・厚肉領域
6・・・薄肉領域
10、11、12、13、14、15・・・圧電素子

Claims (6)

  1. 対向する一方主面および他方主面を有する板状の圧電体と、
    前記一方主面に設けられた第1表面電極および前記他方主面に設けられた第2表面電極とを備えた圧電素子であって、
    前記第1表面電極および前記第2表面電極のうちの少なくとも一方は、中央部よりも厚みが厚くなっている周縁部を有し、該周縁部は、厚みの厚い厚肉領域と、該厚肉領域よりも厚みの薄い薄肉領域とを有している圧電素子。
  2. 前記薄肉領域が前記中央部よりも厚みが厚いことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記厚肉領域から前記薄肉領域にかけて漸次厚みが変化している請求項1または請求項2に記載の圧電素子。
  4. 前記薄肉領域が複数設けられている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電素子。
  5. 前記第1表面電極および前記第2表面電極の両方の前記周縁部が、前記薄肉領域を有している請求項1乃至請求項のいずれかに記載の圧電素子。
  6. 前記薄肉領域が、前記圧電体を介して対向するように設けられている請求項に記載の圧電素子。
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