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JP6540566B2 - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents
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JP6540566B2 - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンと変速機との間に設けられたトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチに適用される制御装置に関する。
ロックアップクラッチにおいては、実差回転(エンジン回転数とトルクコンバータのタービン回転数との回転数差)が目標差回転となるようにロックアップクラッチ油圧をフィードバック制御している(例えば、特許文献1参照)。
このようなロックアップクラッチ制御では、エンジン回転数の吹き上がり(以下、エンジン吹き上がりとも言う)などにより、実差回転が目標差回転から大きく外れた場合、フィードバック量が急激に大きくなり、この後にエンジン吹き上がりが収まると、直前の大きなフィードバック量で制御されるため、実差回転が急にオーバーシュート(またはアンダーシュート)する。
このような点を解消する方法として、目標差回転と実差回転との差及び実差回転の傾きに基づいてエンジン吹き判定(エンジン吹き上がりの判定)を実施し、エンジン吹き判定が成立した場合は、その時点の実差回転を目標差回転として油圧を一時的に下げ、その後に目標差回転をスイープダウンさせることにより実差回転を最終的な目標差回転(静的目標差回転)に徐々に近づける方法が考えられる(以下、この方法を従来技術という)。
特開2014−219030号公報
ところで、ロックアップクラッチ制御において、エンジン吹き上がりを判別せずに、エンジンの回転数上昇に基づいてロックアップクラッチ油圧を上昇させると、一時的に、エンジン回転数の上昇に対してロックアップクラッチ油圧が高すぎて急係合するおそれがある。
上記従来技術によれば、そのような問題はないが、エンジン吹き判定に用いる判定閾値が一定値であるため、エンジン吹き上がりではない状態でもエンジン吹き上がりと判定してしまう場合がある。例えば、変速機の変速中である場合や、制御上過渡な状態で目標差回転が変化している場合には、実差回転が目標差回転に追従していないため(目標差回転と実差回転との乖離がもともと大きいため)、エンジン吹き上がり状態ではない(エンジン吹き上がり以外の要因により目標差回転と実差回転との乖離が生じている)のにも関わらず、エンジン吹き上がりと判定してしまう場合がある。こうした状況になると、ロックアップクラッチ油圧制御を適正に実行することができず、ロックアップクラッチの急係合によるショックが発生する可能性がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、ロックアップクラッチの実差回転が目標差回転となるように制御する制御装置において、エンジン吹き上がりを適正に判定することができ、ロックアップクラッチの急係合によるショックの発生を抑制することが可能な制御を実現することを目的とする。
本発明は、エンジンと変速機との間に設けられたトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチに適用される制御装置を前提としている。このようなロックアップクラッチの制御装置において、前記変速機の変速を行う変速制御手段と、前記ロックアップクラッチの差回転を制御するロックアップクラッチ制御手段と、前記ロックアップクラッチの目標差回転と実差回転との差が所定回転数以上、かつ実差回転の傾きが所定値未満である場合にエンジン回転数が吹き上がっていると判定するエンジン吹き判定手段とを備え、前記エンジン吹き判定手段にてエンジン回転数が吹き上がっていると判定された場合、前記ロックアップクラッチ制御手段は、実差回転の上昇が収まったときのその実差回転を目標差回転とした後に、目標差回転を最終的な目標差回転に至るまでスイープダウンさせる構成とされている。そして、前記エンジン吹き判定手段による判定前に、前記変速制御手段による前記変速機の変速中である場合、および、前記ロックアップクラッチ制御手段による差回転制御において目標差回転が一定でない場合は、変速中ではなくかつ目標差回転が一定である場合と比較して、前記所定回転数及び前記所定値を大きくするとともに、前記目標差回転のスイープダウン率を小さくするように構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、変速中または目標差回転が一定でない場合(ロックアップクラッチ油圧が低い場合)は、エンジン吹き判定に用いる判定閾値、つまり目標差回転と実差回転との差に対する所定回転数及び実差回転の傾きに対する所定値を、変速中でない場合または目標差回転が一定である場合よりも大きくしているので、変速中または目標差回転が一定でない場合であっても、エンジン吹き上がりを適正に判定することが可能になる。これによりロックアップクラッチの急係合を防止することができ、ショックの発生を抑制することができる。
ここで、変速中や目標差回転が一定でない場合は、一度設定された最終的な目標差回転が変化する場合もありうる。本発明にあっては、変速中または目標差回転が一定でない場合は、最終的な目標差回転に至るまでの目標差回転のスイープダウン率を小さく設定しているので、最終的な目標差回転が変化した場合であっても、ロックアップクラッチ油圧の急激な変化が抑制され、ロックアップクラッチ急係合によるショックが生じにくくなる。
本発明によれば、ロックアップクラッチの実差回転が目標差回転となるように制御する制御装置において、エンジン吹き上がりを適正に判定することが可能になるので、ロックアップクラッチの急係合によるショックの発生を抑制することができる。
本発明を適用する多板ロックアップクラッチが搭載された車両の一例を示す概略構成図である。 油圧制御回路の回路構成図である。 図2の油圧制御回路においてロックアップOFF時の動作を示す図である。 図2の油圧制御回路においてロックアップON時の動作を示す図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 ECUが実行するロックアップクラッチ差回転制御の一例を示すフローチャートである。 実差回転が目標差回転に追従している場合の実差回転と目標差回転との変化を示すタイミングチャートである。 実差回転が目標差回転に追従していない場合の実差回転と目標差回転との変化を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用する多板ロックアップクラッチが搭載された車両の一例について図1を参照して説明する。
この例の車両300は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両であって、エンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機(AT)4、デファレンシャル装置5、駆動輪(前輪)6、従動輪(後輪:図示せず)、油圧制御回路100、及び、ECU(Electronic Control Unit)200などを備えている。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機4、油圧制御回路100、及び、ECU200の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されている。クランクシャフト11の回転数(エンジン回転数Ne)はエンジン回転数センサ201によって検出される。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結またはスリップ状態で連結する多板ロックアップクラッチ3が設けられている。トルクコンバータ2のタービンシャフト26の回転数(タービン回転数Nt)はタービン回転数センサ202によって検出される。
図2に示すように、トルクコンバータ2の内部には作動油循環用のコンバータ油室25が形成されている。コンバータ油室25には、作動油を導入するためのT/C入力ポート25a及び作動油を排出するためのT/C出力ポート25bが設けられている。
−多板ロックアップクラッチ−
図2に示すように、多板ロックアップクラッチ3は、クラッチプレート(摩擦係合板)31,32、及び、それらクラッチプレート31とクラッチプレート32とを押圧可能なロックアップピストン33を備えている。クラッチプレート31はトルクコンバータ2のフロントカバー2aに固定されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されており、クラッチプレート32はタービンランナ22に接続されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されている。ロックアップピストン33は、トルクコンバータ2の内部に軸方向に摺動自在に設けられている。ロックアップピストン33の背面側(フロントカバー2aとは反対側)にロックアップ油室34が形成されている。ロックアップ油室34には、作動油を導入(油圧を導入)したり、作動油を排出したりするためのL/U入力ポート34aが設けられている。
そして、このような構造の多板ロックアップクラッチ3において、ロックアップ油室34に油圧が供給されると、クラッチプレート31とクラッチプレート32とが係合して多板ロックアップクラッチ3が係合状態(完全係合状態またはスリップ状態)になる。一方、ロックアップ油室34に油圧が供給されなくなると、リターンスプリング(図示せず)による弾性力でロックアップピストン33が解放側へ作動して多板ロックアップクラッチ3が解放状態になる。
−自動変速機−
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の油圧式の摩擦係合要素及び遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機4では、複数の摩擦係合要素が選択的に係合されることにより、複数のギヤ段(変速段)を選択的に成立させることが可能である。図1に示すように、自動変速機4の入力軸41はトルクコンバータ2のタービンシャフト26に連結されている。自動変速機4の出力ギヤ42はデファレンシャル装置5等を介して駆動輪6に連結されている。
−油圧制御回路−
次に、油圧制御回路100について図2を参照して説明する。なお、図2にはトルクコンバータ2及び多板ロックアップクラッチ3の油圧回路構成のみを示している。
まず、この例の油圧制御回路100は、図示はしないが、オイルポンプ、プライマリレギュレータバルブ、及び、セカンダリレギュレータバルブなどを備えており、オイルポンプが発生した油圧はプライマリレギュレータバルブにより調圧されてライン圧PLが生成される。そのライン圧PLを元圧としてセカンダリレギュレータバルブによってセカンダリ圧Psecが調圧される。
図2に示す油圧制御回路100は、リニアソレノイドバルブ(SLU)101、ソレノイドバルブ(SL)102、ロックアップリレーバルブ103、及び、サーキュレーションモジュレータバルブ104(以下、Cir-MODバルブ104という)などを備えている。
リニアソレノイドバルブ(SLU)101は、ECU200からの指令(ロックアップクラッチ指示油圧)に応じて、入力ポート101aに供給されているライン圧PLを調圧した制御油圧を出力ポート101bから出力する。
ソレノイドバルブ(SL)102は、ECU200からの指令によりON制御されると信号圧を出力する。Cir-MODバルブ104は、ライン圧PLを調圧した循環モジュレータ圧(以下、Cir-MOD圧という)を出力する。
ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧により作動して油圧の給排経路を切り替える切替バルブである。
ロックアップリレーバルブ103には、信号圧入力ポート103a、L/U圧入力ポート103b、セカンダリ圧入力ポート103c、及び、Cir-MOD圧入力ポート103dが設けられている。また、ロックアップリレーバルブ103には、L/U圧出力ポート103e、T/C圧出力ポート103f、2つの排圧入力ポート103g,103h、冷却ポート103i、及び、排出ポート103jが設けられている。
信号圧入力ポート103aはソレノイドバルブ(SL)102に接続されている。L/U圧入力ポート103bはリニアソレノイドバルブ(SLU)101の出力ポート101bに接続されている。セカンダリ圧入力ポート103cは上記セカンダリレギュレータバルブに接続されている。Cir-MOD圧入力ポート103dはCir-MODバルブ104に接続されている。L/U圧出力ポート103eは多板ロックアップクラッチ3のL/U入力ポート34aに接続されている。T/C圧出力ポート103fはトルクコンバータ2のT/C入力ポート25aに接続されている。排圧入力ポート103g,103hはトルクコンバータ2のT/C出力ポート25bに接続されている。冷却ポート103iはクーラ(図示せず)に接続されている。
そして、ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧が信号圧入力ポート103aに入力されていないときには(ロックアップOFFの状態のときには)、スプリング132の付勢力によりスプール131が図2の上側位置(スプール131が図2中の左側に示す位置)に配置される。これにより、図3に示すように、セカンダリ圧Psecがロックアップリレーバルブ103を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。また、トルクコンバータ2のコンバータ油室25を循環した作動油は、T/C出力ポート25bから出力され、ロックアップリレーバルブ103の2つの排圧入力ポート103g,103hにそれぞれ流入する。図中下側の排圧入力ポート103gに流入した作動油は冷却ポート103iからクーラに供給される。また、図中上側の排圧入力ポート103hに流入した作動油は、L/U圧出力ポート103eから多板ロックアップクラッチ3のL/U入力ポート34aに入力される。
一方、ECU200からの指令により、リニアソレノイドバルブ(SLU)101及びソレノイドバルブ(SL)102がともにONとなり、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧がロックアップリレーバルブ103の信号圧入力ポート103aに入力されると(ロックアップONの状態になると)、スプール131がスプリング132の付勢力に抗して下側に移動して、図2の下側の位置(スプール131が図2中の右側に示す位置)に配置される。これにより、図4に示すように、Cir-MODバルブ104からのCir-MOD圧がロックアップリレーバルブ103を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。また、トルクコンバータ2のコンバータ油室25を循環した作動油は、T/C出力ポート25bから出力され、ロックアップリレーバルブ103の図中下側の排圧入力ポート103gに流入して排出ポート103jから排出される。さらに、リニアソレノイドバルブ(SLU)101が出力する制御油圧がロックアップリレーバルブ103を介して多板ロックアップクラッチ3のL/U圧入力ポート103b(ロックアップ油室34)に供給される。
−ECU−
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200には、図5に示すように、エンジン回転数センサ201、タービン回転数センサ202、スロットルバルブ(図示せず)のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ203、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ204などの各種のセンサが接続されており、これらの各センサ(スイッチ類も含む)からの信号がECU200に入力される。
そして、ECU200は、各種センサの検出結果などに基づいて、スロットル開度、燃料噴射量及び点火時期などを制御することにより、エンジン1の運転状態を制御可能に構成されている。
ECU200は、油圧制御回路100を制御することにより、自動変速機4の変速制御を実行する。なお、ECU200において実行される変速制御が本発明の「変速制御手段」としての処理に相当する。
また、ECU200は、油圧制御回路100を制御することにより、上記したトルクコンバータ2の油圧制御及び多板ロックアップクラッチ3の係合制御を実行する。さらに、ECU200は、多板ロックアップクラッチ3の差回転を制御するロックアップクラッチ差回転制御を実行する。なお、ECU200において実行されるロックアップクラッチ差回転制御が本発明の「ロックアップクラッチ制御手段」に相当する。
−ロックアップクラッチ差回転制御−
次に、ECU200が実行するロックアップクラッチ差回転制御について説明する。
ECU200は、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数Neと、タービン回転数センサ202の出力信号から得られるタービン回転数Ntとの実差回転(Ne−Nt)を算出し、その実差回転が目標差回転となるようにロックアップクラッチ油圧(指示油圧)をフィードバック制御する。
このようなロックアップクラッチ差回転制御にあっては、目標差回転と実差回転との差及び実差回転の傾きに基づいてエンジン吹き判定を実施し、エンジン吹き判定が成立した場合は、その時点の実差回転を目標差回転としてロックアップクラッチ油圧を一時的に下げ、その後に目標差回転をスイープダウンさせることにより、実差回転を最終的な目標差回転(静的目標差回転)に徐々に近づけるようにしている(図7参照)。
ここで、ロックアップクラッチ差回転制御において、エンジン吹き判定に用いる判定閾値が一定値であると、エンジン吹き上がりではない状態でもエンジン吹き上がりと判定してしまう場合がある。例えば、自動変速機4の変速中(以下、単に変速中ともいう)である場合や、制御上過渡な状態で目標差回転が変化している場合には、実差回転が目標差回転に追従していないため(目標差回転と実差回転との乖離がもともと大きいため)、エンジン吹き上がり状態ではない(エンジン吹き上がり以外の要因により目標差回転と実差回転との乖離が生じている)のにも関わらず、エンジン吹き上がりと判定してしまう場合がある。こうした状況になると、ロックアップクラッチ油圧制御を適正に実行することができず、ロックアップクラッチ急係合によるショックが発生する可能性がある。
なお、多板ロックアップクラッチ3を係合する際には、ロックアップクラッチ油圧を一時的に増大させるファーストフィルを実行し、このファーストフィル後、ロックアップクラッチ油圧を低下させて所定の定圧待機圧に一定時間保持することにより多板ロックアップクラッチ3のパック詰めを行っており、こうしたパック詰めが不十分である場合にも、目標差回転と実差回転との乖離が生じてエンジン吹き判定を正しく行えない場合がある。
以上のような点を解消するために、本実施形態では、エンジン吹き上がりを適正に判定することにより、ロックアップクラッチ急係合によるショックの発生を抑制できるようにする。
その制御(ロックアップクラッチ差回転制御)の一例について図6のフローチャートを参照して説明する。図6の制御ルーチンはECU200において所定の制御周期(例えば4msec毎)で繰り返して実行される。
なお、このロックアップクラッチ差回転制御において、ECU200は、実差回転(Ne−Nt)を常時算出している。さらに、目標差回転と実差回転との差及び実差回転の傾き(制御周期ごとの実差回転の変化量)も常時算出している。
図6の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST101において、実差回転が目標差回転に追従しているか否かを判定する。具体的には、変速中でない場合または目標差回転が一定である場合(図7参照)は、「実差回転が目標差回転に追従している」と判定(YES判定)してステップST102に進む。一方、変速中である場合または目標差回転が一定でない場合(図8参照)は、「実差回転が目標差回転に追従していない」と判定(NO判定)してステップST106に進む。
上記ステップST101の判定処理において、単位時間(図6の制御ルーチンの制御周期)当たりの目標差回転の変化量が所定値以下である場合は「目標差回転が一定である」と判定し、単位時間当たりの目標差回転の変化量が所定値よりも大きい場合は「目標差回転が一定でない」と判定する。
ステップST102では、目標差回転と実差回転との差が所定値(所定回転数)A1以上であるか否かを判定する。具体的には、図7に示すように、実差回転が目標差回転に追従しているときには目標差回転が一定であり、この状態から、目標差回転と実差回転との差が大きくなり、かつ実差回転の上昇が収まったときの目標差回転と実差回転との差Δnslp1(rpm)が所定値A1(A1=300rpm)以上であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、「エンジン1の吹き上がりではない」と判定してリターンする。ステップST102の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST103に進む。なお、ステップST102の判定処理に用いる所定値A1は300rpm以外の値であってもよい。
ステップST103では、図7に示す実差回転(破線)の傾き(図6の制御ルーチンの制御周期(例えば4msec)当たりの実差回転の変化量)が所定値B1(B1=5rpm/制御周期)未満であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、エンジン1の吹き上がりではないと判定してリターンする。なお、ステップST103の判定処理に用いる所定値B1は[5rpm/制御周期]以外の値であってもよい。
ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり目標差回転と実差回転との差が所定値A1以上であり、かつ実差回転の傾きがB1未満である場合は、エンジン吹き上がりであると判定(エンジン吹き判定が成立:ステップST104)し、ステップST105に進む。
ステップST105では、図7に示すように、実差回転の上昇が収まったときに、目標差回転を実差回転(目標差回転=実差回転)としてロックアップクラッチ油圧を一時的に下げ、その後に、目標差回転を、傾き(スイープダウン率)C1でスイープダウンさせることにより、実差回転を最終的な目標差回転(静的目標差回転)に徐々に近づけていく。
一方、上記したように、ステップST101の判定結果が否定判定(NO)である場合(実差回転が目標差回転に追随していない場合)はステップST106に進む。
ステップST106では、目標差回転と実差回転との差が所定値(所定回転数)A2(A2>A1)以上であるか否かを判定する。具体的には、図8に示すように、実差回転が目標差回転に追従しているときには目標差回転が変化しており、この状態から、目標差回転と実差回転との差が大きくなり、かつ実差回転の上昇が収まったときの目標差回転と実差回転との差Δnslp2(rpm)が所定値A2(A2=400rpm)以上であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、「エンジン1の吹き上がりではない」と判定してリターンする。ステップST106の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST107に進む。なお、ステップST106の判定処理に用いる所定値A2は400rpm以外の値であってもよい。ただし、A2はA1よりも大きな値とする。
ステップST107では、図8に示す実差回転(破線)の傾き(図6の制御ルーチンの制御周期(例えば4msec)当たりの実差回転の変化量)が所定値B2(B2>B1、B2=10rpm/制御周期)未満であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、エンジン1の吹き上がりではないと判定してリターンする。なお、ステップST107の判定処理に用いる所定値B2は[10rpm/制御周期]以外の値であってもよい。ただし、B2はB1よりも大きな値とする。
ステップST107の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり目標差回転と実差回転との差が所定値A2(A2>A1)以上であり、かつ実差回転の傾きがB2(B2>B1)未満である場合は、エンジン吹き上がりであると判定(エンジン吹き判定が成立:ステップST108)し、ステップST109に進む。
ステップST109では、図8に示すように、実差回転の上昇が収まったときに、目標差回転を実差回転(目標差回転=実差回転)としてロックアップクラッチ油圧を一時的に下げ、その後に、目標差回転を、傾き(スイープダウン率)C2(C2<C1)でスイープダウンさせることにより、実差回転を最終的な目標差回転(静的目標差回転)に徐々に近づけていく。
なお、上記ステップST102〜ステップST104及びステップST106〜ステップST108がECU200によって実行されることにより、本発明の「エンジン吹き判定手段」が実現される。また、上記ステップST105及びステップST109がEC200によって実行されることにより、本発明の「ロックアップクラッチ制御手段」の一部が実現される
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、エンジン吹き判定前に、実差回転が目標差回転に追従していない場合(変速中または目標差回転が一定でない場合)は、エンジン吹き判定に用いる判定閾値(目標差回転と実差回転との差に対する所定値及び実差回転の傾きに対する所定値)を、実差回転が目標差回転に追従している場合よりも大きい値に設定している。つまり、変速中または目標差回転が一定でない場合は、エンジン吹き判定前の目標差回転と実差回転との乖離などを考慮して判定閾値を大きくしているので、変速中または目標差回転が一定でない場合であっても、エンジン吹き上がりを適正に判定することが可能になる。これにより多板ロックアップクラッチ3の急係合を防止することができ、ショックの発生を抑制することができる。
ここで、変速中や目標差回転が一定でない場合は、一度設定された最終的な目標差回転が変化する場合もありうる。本実施形態では、変速中または目標差回転が一定でない場合には、最終的な目標差回転に至るまでの目標差回転のスイープダウン率を小さく設定しているので、最終的な目標差回転が変化した場合であっても、ロックアップクラッチ油圧の急激な変化が抑制され、多板ロックアップクラッチ3の急係合によるショックが生じにくくなる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、多板ロックアップクラッチ3のロックアップ油室34がトルクコンバータ2内に配置されているが、これに限られることなく、多段ロックアップクラッチのロックアップ油室が、トルクコンバータの外部に配置されたものにも、本発明を適用することができる。
以上の実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に搭載された多段ロックアップクラッチに本発明の制御装置を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の車両や、4輪駆動方式の車両に搭載されたロックアップクラッチの制御装置にも適用できる。
本発明は、エンジンと変速機との間に設けられたトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチの制御に有効に利用することができる。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 多板ロックアップクラッチ
4 自動変速機
100 油圧制御回路
200 ECU
201 エンジン回転数センサ
202 タービン回転数センサ

Claims (1)

  1. エンジンと変速機との間に設けられたトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチに適用される制御装置であって、
    前記変速機の変速を行う変速制御手段と、前記ロックアップクラッチの差回転を制御するロックアップクラッチ制御手段と、前記ロックアップクラッチの目標差回転と実差回転との差が所定回転数以上、かつ実差回転の傾きが所定値未満である場合にエンジン回転数が吹き上がっていると判定するエンジン吹き判定手段とを備え、
    前記エンジン吹き判定手段にてエンジン回転数が吹き上がっていると判定された場合、前記ロックアップクラッチ制御手段は、実差回転の上昇が収まったときのその実差回転を目標差回転とした後に、目標差回転を最終的な目標差回転に至るまでスイープダウンさせる構成とされており、
    前記エンジン吹き判定手段による判定前に、前記変速制御手段による前記変速機の変速中である場合、および、前記ロックアップクラッチ制御手段による差回転制御において目標差回転が一定でない場合は、変速中ではなくかつ目標差回転が一定である場合と比較して、前記所定回転数及び前記所定値を大きくするとともに、前記目標差回転のスイープダウン率を小さくするように構成されていることを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
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