以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、加速度を検出する物理量センサについて説明する。まず、本実施形態の物理量センサの構成について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
物理量センサは、図1〜図3に示されるように、第1基板10と第2基板40とが積層され、内部に物理量に応じた検出信号を出力するセンシング部70が収容された構成とされている。なお、図1は、図4および図5中のI−I線に沿った断面に相当し、図2は、図4および図5中のII−II線に沿った断面に相当し、図3は、図4および図5中のIII−III線に沿った断面に相当している。
第1基板10は、本実施形態では、第1支持基板11上に第1絶縁膜12を介して第1半導体層13が配置されたSOI(すなわち、Silicon on Insulator)基板を用いて構成されている。そして、第1基板10は、一面10aが第1半導体層13のうちの第1絶縁膜12側と反対側の表面で構成されている。なお、本実施形態では、第1支持基板11および第1半導体層13はシリコン基板で構成され、第1絶縁膜12は酸化膜や窒化膜等で構成される。
そして、第1半導体層13には、図1および図4に示されるように、マイクロマシン加工が施されて溝部14が形成され、溝部14によって可動部20および周辺領域30が区画形成されている。なお、図4は、物理量センサの平面図であるが、理解をし易くするため、可動部20を構成する領域を実線で示し、後述する第1、第2固定部55、56を構成する領域を点線で示している。
第1支持基板11および第1絶縁膜12には、可動部20における後述する錘部22が第1支持基板11および第1絶縁膜12と接触することを防止するため、可動部20と対向する部分に窪み部15が形成されている。なお、この窪み部15は、可動部20のうちの後述するアンカー部24を支持する部分と異なる部分に形成されている。
可動部20は、図4に示されるように、平面矩形状の開口部21が形成された矩形枠状の錘部22と、開口部21の対向辺部を連結するように備えられたトーション梁23とを有している。そして、可動部20は、トーション梁23が第1絶縁膜12に支持されたアンカー部24と連結されることにより、第1支持基板11に支持されている。なお、アンカー部24は、本実施形態では、第1基板10の一面10aにおける中心に形成されている。
トーション梁23は、第1基板10と第2基板40との積層方向(以下では、単に積層方向という)の加速度が印加されたとき、可動部20の回転中心となる回転軸(すなわち、動作軸)となる部材であり、本実施形態では開口部21を2分割するように備えられている。なお、本実施形態では、積層方向は、図1〜図3中の紙面上下方向である。
錘部22は、トーション梁23を挟んで対向する第1部位22aと第2部位22bとを有している。そして、錘部22は、積層方向の加速度が印加されたとき、トーション梁23を回転軸として回転できるように、トーション梁23を基準として非対称な形状とされている。本実施形態では、錘部22は、第1部位22aにおけるトーション梁23から最も離れている部分の端部までの長さが、第2部位22bにおけるトーション梁23から最も離れている部分の端部までの長さより短くされている。つまり、本実施形態の錘部22は、第1部位22aの質量が第2部位22bの質量より小さくされている。
第2基板40は、図1〜図3に示されるように、キャップ基板50を有している。本実施形態では、キャップ基板50は、第2支持基板51上に第2絶縁膜52を介して第2半導体層53が配置されたSOI基板を用いて構成されている。そして、第2基板40の一面40aは、第2半導体層53のうちの第2絶縁膜52側と反対側の表面で構成されている。なお、本実施形態では、第2支持基板51および第2半導体層53はシリコン基板で構成され、第2絶縁膜52は酸化膜や窒化膜等で構成される。
また、第2基板40は、キャップ基板50における第1基板10側と反対側に形成された他面絶縁膜60を有している。そして、第2基板40の他面40bは、他面絶縁膜60のうちのキャップ基板50と反対側の表面で構成されている。
第2基板40の第2半導体層53には、図1および図4に示されるように、マイクロマシン加工が施されて溝部54が形成され、溝部54によって第1固定部55、第2固定部56、および周辺領域57が区画形成されている。具体的には、第1固定部55は、錘部22のうちの第1部位22aと対向する部分に形成されて当該第1部位22aとの間に所定の静電容量を構成する第1固定電極部55aと、第1固定電極部55aから引き出された第1固定配線部55bとを有している。また、第2固定部56は、錘部22における第2部位22bと対向する部分に形成されて当該第2部位22bとの間に所定の静電容量を構成する第2固定電極部56aと、第2固定電極部56aから引き出された第2固定配線部56bとを有している。
第1、第2固定電極部55a、56aは、加速度が印加されていない状態では、第1、第2部位22a、22bとの間に等しい静電容量が構成されるように、互いに同じ平面形状とされている。そして、錘部22では、第1固定電極部55aと対向する部分が第1可動電極部25aとなり、第2固定電極部56aと対向する部分が第2可動電極部25bとなる。本実施形態では、このように可動部20および第1、第2固定部55、56が形成されていることによってセンシング部70が構成される。そして、積層方向に加速度が印加されると、錘部22がトーション梁23を回転軸として回転するため、第1可動電極部25aと第1固定電極部55aとの間の静電容量と、第2可動電極部25bと第2固定電極部56aとの間の静電容量が変化する。したがって、これらの静電容量の変化に応じた検出信号が出力される。
また、第1固定配線部55bは、後述するように、第2貫通孔92aに配置された第2貫通配線層92cと電気的に接続される。第2固定配線部56bは、後述するように、第3貫通孔93aに配置された第3貫通配線層93cと電気的に接続される。このため、第1、第2固定配線部55b、56bは、それぞれ第2、第3貫通配線層92c、93cと電気的に接続されるように、第1、第2固定電極部55a、56aから所定位置まで引き出されている。
そして、このように構成された第2基板40は、一面40aが第1基板10の一面10aと対向するように、接合部材80を介して第1基板10と接合されている。より詳しくは、センシング部70が気密封止されるように、第2基板40が第1基板10と接合されている。なお、本実施形態では、接合部材80は酸化膜等で構成されている。
また、本実施形態では、外部回路と所定の領域との接続を図る第1〜第7配線部91f〜97fを有する第1〜第7貫通電極部91〜97が形成されている。以下に、第1〜第7貫通電極部91〜97の構成について図1〜図3、および図5を参照して説明する。なお、図5では、保護膜100を省略して示してある。
第1貫通電極部91は、図1および図5に示されるように、第2基板40を積層方向に貫通し、第1半導体層13におけるアンカー部24を露出させる第1貫通孔91aの壁面に形成された第1壁面絶縁膜91bを有している。また、第1貫通電極部91は、第1壁面絶縁膜91b上に形成され、アンカー部24、つまり可動部20と電気的に接続される第1貫通配線層91cを有している。さらに、第1貫通電極部91は、他面絶縁膜60上に形成されて外部回路と接続される第1パッド部91dと、第1パッド部91dと第1貫通配線層91cとを電気的に接続する第1引出配線層91eとを有している。このため、第1貫通電極部91における第1配線部91fは、第1貫通配線層91c、第1パッド部91d、第1引出配線層91eを有する構成とされている。
第2貫通電極部92は、図2および図5に示されるように、他面絶縁膜60、第2支持基板51、第2絶縁膜52を積層方向に貫通し、第2半導体層53における第1固定配線部55bを露出させる第2貫通孔92aの壁面に形成された第2壁面絶縁膜92bを有している。また、第2貫通電極部92は、第2壁面絶縁膜92b上に形成されて第1固定配線部55bと電気的に接続される第2貫通配線層92cを有している。さらに、第2貫通電極部92は、他面絶縁膜60上に形成されて外部回路と接続される第2パッド部92dと、第2パッド部92dと第2貫通配線層92cとを電気的に接続する第2引出配線層92eとを有している。このため、第2貫通電極部92における第2配線部92fは、第2貫通配線層92c、第2パッド部92d、第2引出配線層92eを有する構成とされている。
第3貫通電極部93は、第2貫通電極部92と同様の構成とされている。すなわち、他面絶縁膜60、第2支持基板51、第2絶縁膜52を積層方向に貫通し、第2半導体層53における第2固定配線部56bを露出させる第3貫通孔93aの壁面に形成された第3壁面絶縁膜93bを有している。また、第3貫通電極部93は、第3壁面絶縁膜93b上に形成されて第2固定配線部56bと電気的に接続される第3貫通配線層93cを有している。さらに、第3貫通電極部93は、他面絶縁膜60上に形成されて外部回路と接続される第3パッド部93dと、第3パッド部93dと第3貫通配線層93cとを電気的に接続する第3引出配線層93eとを有している。このため、第3貫通電極部93における第3配線部93fは、第3貫通配線層93c、第3パッド部93d、第3引出配線層93eを有する構成とされている。
第4貫通電極部94は、図3および図5に示されるように、第2基板40を積層方向に貫通し、第1半導体層13における周辺領域30を露出させる第4貫通孔94aの壁面に形成された第4壁面絶縁膜94bを有している。また、第4貫通電極部94は、第4壁面絶縁膜94b上に形成されて第1半導体層13における周辺領域30と電気的に接続される第4貫通配線層94cを有している。さらに、第4貫通電極部94は、他面絶縁膜60上に形成されて外部回路と接続される第4パッド部94dと、第4パッド部94dと第4貫通配線層94cとを電気的に接続する第4引出配線層94eとを有している。このため、第4貫通電極部94における第4配線部94fは、第4貫通配線層94c、第4パッド部94d、第4引出配線層94eを有する構成とされている。
第5貫通電極部95は、他面絶縁膜60、第2支持基板51、第2絶縁膜52を積層方向に貫通し、第2半導体層53における周辺領域57を露出させる第5貫通孔95aの壁面に形成された第5壁面絶縁膜95bを有している。また、第5貫通電極部95は、第5壁面絶縁膜95b上に形成されて第2半導体層53における周辺領域57と電気的に接続される第5貫通配線層95cを有している。さらに、第5貫通電極部95は、他面絶縁膜60上に形成されて外部回路と接続される第5パッド部95dと、第5パッド部95dと第5貫通配線層95cとを電気的に接続する第5引出配線層95eとを有している。このため、第5貫通電極部95における第5配線部95fは、第5貫通配線層95c、第5パッド部95d、第5引出配線層95eを有する構成とされている。
なお、本実施形態では、他面絶縁膜60には、第5貫通孔95aの開口部近傍に第2支持基板51を露出させるコンタクトホール60aが形成されている。そして、第5引出配線層95eは、当該コンタクトホール60aを埋め込むようにも形成され、第2支持基板51とも電気的に接続されている。
第6、第7貫通電極部96、97は、図1および図5に示されるように、それぞれ第2基板40、第1半導体層13、第1絶縁膜12を貫通して第1支持基板11を露出させる第6、第7貫通孔96a、97aに形成された第6、第7壁面絶縁膜96b、97bを有している。また、第6、第7貫通電極部96、97は、それぞれ第6、第7壁面絶縁膜96b、97b上に形成されて第1支持基板11と電気的に接続される第6、第7貫通配線層96c、97cを有している。さらに、第6、第7貫通電極部96、97は、それぞれ他面絶縁膜60上に形成されて外部回路と接続される第6、第7パッド部96d、97dと、第6、第7パッド部96d、97dと第6、第7貫通配線層96c、97cとを電気的に接続する第6、第7引出配線層96e、97eとを有している。このため、第6、7貫通電極部96、97における第6、7配線部96f、97fは、第6、7貫通配線層96c、97c、第6、第7パッド部96、97d、第6、7引出配線層96e、97eを有する構成とされている。
以上が本実施形態における第1〜第7貫通電極部91〜97の基本的な構成である。つまり、第1〜第7貫通電極部91〜97は、少なくとも一部の電極部における積層方向に沿った長さが他の電極部における積層方向に沿った長さと異なっている。そして、第1〜第7貫通電極部91〜97は、第2基板40の他面40bから異なる長さに位置する領域と適宜電気的に接続されている。このため、各パッド部91d〜97dがそれぞれ外部回路と接続されることにより、第1支持基板11、第1半導体層13における周辺領域30、第2支持基板51、第2半導体層53における周辺領域57は、それぞれ所定の電位に維持される。したがって、センシング部70と、センシング部70の周囲の領域との間に構成される寄生容量が変動することを抑制でき、検出精度が低下することを抑制できる。
さらに、本実施形態では、第1〜第7貫通配線層91c〜97cは、それぞれ第1〜第7貫通孔91a〜97aの内部と外部との連通が維持される状態で形成されている。つまり、第1〜第7貫通配線層91c〜97cは、それぞれ第1〜第7貫通孔91a〜97aを埋め込まない状態で形成されている。
また、本実施形態では、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、それぞれ互いに開口部の形状、大きさが等しくされている。具体的には、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、それぞれ開口部が円状とされ、互いに直径が等しくされている。
なお、本実施形態では、第1〜第3貫通電極部91〜93が検出電極部に相当し、第4〜第7貫通電極部94〜97が周辺電極部に相当する。また、本実施形態では、第1貫通電極部91が可動部用電極部に相当し、第2、第3貫通電極部92、93が固定部用電極部に相当している。そして、本実施形態では、第4貫通電極部94が第1周辺領域用電極部に相当し、第5貫通電極部95が第2周辺領域用電極部に相当し、第6、第7貫通電極部96、97が第1支持基板用電極部に相当している。
次に、第1〜第7貫通電極部91〜97の配置箇所について説明する。本実施形態では、上記のようにアンカー部24が第1基板10の中心に形成されている。このため、図5に示されるように、第2基板40の他面40bに対する法線方向から視たとき、第1貫通孔91aは、第2基板40の中心に形成される。そして、本実施形態では、第2〜第7貫通孔92b〜97bは、第2基板40の他面40bにおける中心に対して点対称となるように形成されている。より詳しくは、本実施形態では、第2〜第7貫通孔92a〜97aは、第2基板40の他面40bにおける中心に対し、6回対称となるように形成されている。なお、上記のように、第1、第2固定配線部55b、56bは、第2、第3貫通孔92a、93aが上記形状となるように、それぞれ第1、第2固定電極部55a、56aから引き出されている。
さらに、本実施形態では、第2〜第7パッド部92d〜97d、および第2〜第7引出配線層92e〜97eも、第2基板40の中心に対して点対称となるように形成されている。つまり、本実施形態では、第2〜第7貫通電極部92〜97は、第2基板40の中心に対して点対称となるように形成されている。
そして、第2基板40の他面40b上には、第1〜第7貫通電極部91〜97を覆う保護膜100が形成されている。保護膜100には、特に図示しないが、第1〜第7パッド部91d〜97dを露出させる開口部が形成され、外部回路と各パッド部91d〜97dとの電気的な接続が図られるようになっている。
以上が本実施形態における物理量センサの構成である。次に、本実施形態の物理量センサの製造方法について図6〜図11を参照しつつ説明する。
まず、図6(a)に示されるように、第1支持基板11を用意し、第1支持基板11上にCVD(すなわち、Chemical Vapor Deposition)法や熱酸化等によって第1絶縁膜12を形成する。次に、第1絶縁膜12上に図示しないマスクを配置し、窪み部15の形成予定領域が開口するように第1絶縁膜12をパターニングする。その後、第1絶縁膜12をマスクとし、ウェットエッチング等を行って窪み部15を形成する。
次に、図6(b)に示されるように、第1絶縁膜12と第1半導体層13とを接合して第1基板10を形成する。第1絶縁膜12と第1半導体層13との接合は、特に限定されるものではないが、例えば、次のように行うことができる。すなわち、まず、第1絶縁膜12の接合面および第1半導体層13の接合面にN2プラズマ、O2プラズマ、またはArイオンビームを照射し、絶縁膜12および半導体層13の各接合面を活性化させる。そして、適宜形成されたアライメントマークを用いて赤外顕微鏡等によるアライメントを行い、室温〜550℃で第1絶縁膜12および半導体層13をいわゆる直接接合により接合する。その後、第1半導体層13を研磨、研削等することにより、所望の厚さに加工する。
なお、ここでは直接接合を例に挙げて説明したが、第1絶縁膜12と第1半導体層13とは、陽極接合や中間層接合、フージョン接合等の接合技術によって接合されてもよい。また、接合後に高温アニール等の接合品質を向上させる処理を行ってもよい。
次に、図6(c)に示されるように、第1半導体層13上に図示しないマスクを配置してドライエッチング等を行い、溝部14を形成して第1半導体層13を可動部20および周辺領域30に区画する。
続いて、上記工程とは別工程において、図7(a)に示されるように、第2支持基板51、第2絶縁膜52、第2半導体層53が順に積層されたキャップ基板50を用意する。そして、第2半導体層53を熱酸化等して接合部材80を形成する。
次に、図7(b)に示されるように、接合部材80上に図示しないマスクを配置し、接合部材80のうちの第1基板10と接合された際に錘部22と対向する部分をエッチングにより除去する。その後、再びマスクを配置してドライエッチング等を行い、溝部54を形成することにより、第2半導体層53を、第1固定部55、第2固定部56、および周辺領域57に区画する。
続いて、図7(c)に示されるように、第1基板10の第1半導体層13と、キャップ基板50に形成された接合部材80とを接合する。なお、第1半導体層13と接合部材80は、上記第1絶縁膜12と第1半導体層13との接合と同様に、直接接合等で接合される。
次に、上記第1〜第7貫通孔91a〜97aを形成する工程について、図8、図10、図11を参照しつつ説明する。なお、図8は、図1に相当する断面図であり、図10は図2に相当する断面図であり、図11は図3に相当する断面図である。
図8(a)、図10(a)、図11(a)に示されるように、第2支持基板51上に、酸化膜で構成される図示しないマスクをCVD法等で形成する。そして、第1〜第7貫通孔91a〜97aの形成予定領域が露出するようにマスクをパターニングし、ドライエッチングを行って第2半導体層53を露出させる。これにより、図8(a)に示されるように、第1貫通孔91a、第6貫通孔96a、第7貫通孔97aの開口部側の部分となる孔部111が形成される。また、図10(a)に示されるように、第2半導体層53における第1固定部55を露出させる第2貫通孔92a、第2半導体層53における第2固定部56を露出させる第3貫通孔93aが形成される。さらに、図11(a)に示されるように、第4貫通孔94aの開口部側の部分となる孔部111、および第2半導体層53における周辺領域57を露出させる第5貫通孔95aが形成される。
続いて、図8(b)、図10(b)、図11(b)に示されるように、第1フォトレジスト121を配置する。そして、フォトリソグラフィー等を行い、第1貫通孔91a、第4貫通孔94a、第6貫通孔96a、および第7貫通孔97aの形成予定領域が露出するように、第1フォトレジスト121をパターニングする。そして、第1フォトレジスト121をマスクとして再びドライエッチングを行い、第1半導体層13に達するように孔部111を掘り下げる。これにより、図8(b)に示されるように、第1半導体層13における可動部20を露出させる第1貫通孔91aが形成される。また、図11(b)に示されるように、第1半導体層13における周辺領域30を露出させる第4貫通孔94aが形成される。その後、第1フォトレジスト121を除去する。
続いて、図8(c)、図10(c)、図11(c)に示されるように、第2フォトレジスト122を配置する。そして、フォトリソグラフィー等を行い、第6貫通孔96aおよび第7貫通孔97aの形成予定領域が露出するように、第2フォトレジスト122をパターニングする。そして、第2フォトレジスト122をマスクとして再びドライエッチングを行い、第1支持基板11に達するように孔部111を掘り下げる。これにより、図8(c)に示されるように、第1支持基板11を露出させる第6貫通孔96aおよび第7貫通孔97aが形成される。その後、第2フォトレジスト122を除去する。このようにして、上記第1〜第7貫通孔91a〜97aが形成される。
上記第1〜第7貫通孔91a〜97aを形成した後は、第1〜第7壁面絶縁膜91b〜97b、第1〜第7貫通配線層91c〜97c、第1〜第7パッド部91d〜97d、第1〜第7引出配線層91e〜97eを形成する工程を行う。なお、以下では、これの工程について図1の断面に相当する図9を参照しながら説明するが、図2および図3の断面に相当する部分についても同様の工程が行われる。
すなわち、図9(a)に示されるように、絶縁膜をCVD法等によって形成し、第1〜第7貫通孔91a〜97aの壁面に第1〜第7壁面絶縁膜91b〜97bを形成すると共に、第2支持基板51上に他面絶縁膜60を形成する。これにより、第2基板40が構成される。
続いて、図9(b)に示されるように、第3フォトレジスト123を配置する。そして、フォトリソグラフィー等を行い、図9(a)の工程にて第1〜第7貫通孔91a〜97aの底面に形成された絶縁膜が露出されるように、第3フォトレジスト123をパターニングする。なお、この工程では、図9とは別断面において、第2支持基板51を露出させるコンタクトホール60aの形成予定領域も同時に露出させる。そして、第3フォトレジスト123をマスクとしてドライエッチングを行い、第1〜7貫通孔91a〜97bの底面から絶縁膜を除去すると共に、コンタクトホール60aを形成する。
続いて、図9(c)に示されるように、アルミニウム等の金属膜をスパッタ法等により形成し、第1〜第7壁面絶縁膜91b〜97b上に第1〜第7貫通配線層91c〜97cを形成する。そして、他面絶縁膜60上に形成された金属膜をパターニングし、第1〜第7パッド部91d〜97dおよび第1〜第7引出配線層91e〜97eを形成する。このようにして、第1〜第7配線部91f〜97fを有する第1〜第7貫通電極部91〜97が構成される。
その後は特に図示しないが、保護膜100をCVD法等により形成し、第1〜第7パッド部91d〜97dを露出させる開口部を形成することにより、本実施形態の物理量センサが製造される。
以上のようにして本実施形態の物理量センサが製造される。なお、上記では、1つの物理量センサの製造方法について説明したが、ウェハ状の第1基板10とキャップ基板50を用意し、ウェハ状態で上記各工程を行った後にダイシングカットしてチップ単位に分割するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、第1支持基板11、第1半導体層13における周辺領域30、第2支持基板51、第2半導体層53における周辺領域57が外部回路と電気的に接続されて所定の電位に維持されている。このため、センシング部70と、センシング部70に周囲に位置する領域との間で構成される寄生容量が変動することを抑制でき、検出精度が低下することを抑制できる。
また、第2基板40の他面40bに対する法線方向から視たとき、第1貫通電極部91は、第2基板40の中心を含む位置に形成されている。そして、第2〜第7貫通電極部92〜97は、第2基板40の他面40bにおける中心に対して点対称となるように形成されている。このため、第2〜第7貫通配線層92c〜97cに起因する応力が均等化される。したがって、本実施形態では、物理量センサが歪み難くなり、検出精度が低下することをさらに抑制できる。特に、本実施形態のように、積層方向に沿った加速度を検出する物理量センサでは、物理量センサが歪んでしまうと、第1可動電極部25aと第1固定電極部55aとの間の容量、第2可動電極部25bと第2固定電極部56aとの間の容量との差が変化してしまい、検出精度が低下し易い。このため、物理量センサを歪み難くすることにより、検出精度が低下することを抑制できる。
さらに、第1〜第7貫通配線層91c〜97cは、第1〜第7貫通孔91a〜97aの内部と外部とが連通する状態で形成されている。つまり、第1〜第7貫通配線層91c〜97cは、第1〜第7貫通孔91a〜97aを埋め込まない状態で形成されている。このため、第1〜第7貫通孔91a〜97aが第1〜第7貫通配線層91c〜97cで埋め込まれている場合と比較して、当該埋め込まれていない部分で第1〜第7貫通配線層91c〜97cに起因する応力を緩和できる。したがって、物理量センサを歪ませる応力自体の大きさを低減できる。
また、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、開口部の径が等しくされている。このため、第1〜第7貫通孔91a〜97aの径が異なっている場合と比較して、特に貫通孔を埋め込まない場合の緩和する応力の大きさがばらつくことを抑制できる。したがって、物理量センサが歪むことをさらに抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、ダミー配線層およびダミーパッド部を追加したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図12に示されるように、第2基板40の他面40b上には、第1ダミーパッド部91g、および第1ダミーパッド部91gと接続される第1ダミー引出配線層91hが形成されている。具体的には、第1ダミーパッド部91gおよび第1ダミー引出配線層91hは、それぞれ第1貫通孔91aを挟んで第1パッド部91dおよび第1引出配線層91eと反対側に形成されている。より詳しくは、第1ダミーパッド部91gおよび第1ダミー引出配線層91hは、第1貫通孔91aを中心として第1パッド部91dおよび第1引出配線層91eと点対称となるように形成されている。
以上説明したように、本実施形態では、第1貫通孔91aを中心とし、第1パッド部91dおよび第1引出配線層91eと点対称となるように、第1ダミーパッド部91gおよび第1ダミー引出配線層91hが形成されている。このため、第1パッド部91dおよび第1引出配線層91eにて発生する応力と第1ダミーパッド部91gおよび第1ダミー引出配線層91hにて発生する応力とが均等化される。つまり、本実施形態では、第1配線部91fに起因する応力によって物理量センサが歪むことも抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、第1基板10および第2基板40の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、本実施形態の物理量センサの構成について説明する。本実施形態では、図13に示されるように、第2基板40の他面40bから視たとき、第1〜第7貫通電極部91〜97の配置箇所は上記第1実施形態と同様とされている。
第1基板10は、図14〜図16に示されるように、第1支持基板11、下層絶縁膜130、下層半導体層140、上層絶縁膜150、上層半導体層160が順に積層されて構成されている。本実施形態では、下層半導体層140および上層半導体層160は、ポリシリコン等で構成され、下層絶縁膜130および上層絶縁膜150は、酸化膜や窒化膜等で構成されている。
上層半導体層160には、マイクロマシン加工が施されて溝部161が形成され、溝部161によって可動部20、第1上層配線領域162、第2上層配線領域163、第3上層配線領域164、第4上層配線領域165、上層周辺領域166が区画形成されている。
なお、可動部20は、上記第1実施形態と同様に、開口部21が形成された錘部22およびトーション梁23を有する構成とされている。但し、可動部20は、トーション梁23が後述する下層半導体層140の支持領域142と連結されることにより、下層絶縁膜130を介して第1支持基板11に支持されている。また、第1、第2上層配線領域162、163は、図14および図15に示され、第3上層配線領域164は、図16に示され、第4上層配線領域165は、図14に示され、上層周辺領域166は、図14〜図16に示されている。そして、本実施形態では、第1上層配線領域162および第2上層配線領域163が固定部用配線領域に相当している。また、第3上層配線領域164が周辺領域用配線領域に相当している。
下層半導体層140には、マイクロマシン加工が施されて溝部141が形成され、第1固定部55、第2固定部56、支持領域142、下層配線領域143、下層周辺領域144が区画形成されている。
なお、第1固定部55は、上記と同様に、錘部22のうちの第1部位22aと対向する部分に形成されて当該第1部位22aとの間に所定の容量を構成する第1固定電極部55aと、第1固定電極部55aから引き出された第1固定配線部55bとを有している。また、第2固定部56は、錘部22における第2部位22bと対向する部分に形成されて当該第2部位22bとの間に所定の容量を構成する第2固定電極部56aと、第2固定電極部56aから引き出された第2固定配線部56bとを有している。但し、本実施形態では、第1固定部55および第2固定部56は、可動部20よりも下方側に配置されている。つまり、第1固定部55および第2固定部56は、可動部20よりも第1支持基板11側に形成されている。すなわち、本実施形態では、第1基板10にセンシング部70が構成されている。
また、図14に示されるように、第1固定配線部55bは、第1上層配線領域162の下方に位置するように区画形成されている。第2固定配線部56bは、第2上層配線領域163の下方に位置するように区画形成されている。支持領域142は、アンカー部24の下方に位置するように区画形成されている。下層配線領域143は、第4上層配線領域165の下方に位置するように区画形成されている。
なお、第1上層配線領域162は、後述するように、第2貫通配線層92cと電気的に接続される。また、第2上層配線領域163は、後述するように、第3貫通配線層93cと電気的に接続される。このため、図14および図15に示されるように、第1上層配線領域162は、第2貫通配線層92cと電気的に接続されるように、第1固定配線部55bの上方から所定位置まで引き出されている。また、第2上層配線領域163は、第3貫通配線層93cと電気的に接続されるように、第2固定配線部56bの上方から所定位置まで引き出されている。
上層絶縁膜150には、可動部20における錘部22と対向する部分が除去された開口部151が形成されている。これにより、可動部20は、錘部22が浮遊状態となり、積層方向の加速度が印可されるとトーション梁23を回転軸として回転する。
また、上層絶縁膜150には、第1固定配線部55bの一部を露出させる第1上層コンタクトホール152、第2固定配線部56bの一部を露出させる第2上層コンタクトホール153が形成されている。また、上層絶縁膜150には、図16に示されるように、下層周辺領域144の一部を露出させる第3上層コンタクトホール154が形成され、図14に示されるように、下層配線領域143の一部を露出させる第4上層コンタクトホール155が形成されている。
そして、図14に示されるように、第1上層配線領域162は、第1上層コンタクトホール152を通じて第1固定部55と電気的に接続されている。第2上層配線領域163は、第2上層コンタクトホール153を通じて第2固定部56と電気的に接続されている。また、図16に示されるように、第3上層配線領域164は、第3上層コンタクトホール154を通じて下層周辺領域144と電気的に接続されている。そして、図14に示されるように、第4上層配線領域165は、第4上層コンタクトホール155を通じて下層配線領域143と電気的に接続されている。
下層絶縁膜130には、第1支持基板11の一部を露出させるコンタクトホール131が形成されている。そして、下層配線領域143は、コンタクトホール131を通じて第1支持基板11と電気的に接続されている。つまり、第4上層配線領域165は、下層配線領域143を通じて第1支持基板11と電気的に接続されている。
なお、図14に示されるように、下層半導体層140に形成された溝部141のうちの可動部20と対向する部分と異なる部分には、中層絶縁膜145が埋め込まれている。
第2基板40は、キャップ基板50と、他面絶縁膜60とを有している。但し、本実施形態のキャップ基板50は、上記第2支持基板51を構成するシリコン基板のみで構成されている。そして、第2基板40は、接合部材80を介して第1基板10における上層半導体層160と接合されている。
また、上記第1実施形態と同様に、外部回路と所定の領域との接続を図る第1〜第7配線部91f〜97fを有する第1〜第7貫通電極部91〜97が形成されている。なお、第1〜第7貫通電極部91〜97の基本的な構成は上記第1実施形態と同様であるため、異なる部分について説明する。
本実施形態では、第1貫通電極部91は、図14に示されるように、第1貫通孔91aが上層半導体層160におけるアンカー部24を露出させるように形成されている。そして、第1貫通配線層91cは、アンカー部24、つまり可動部20と電気的に接続されている。
第2貫通電極部92は、図15に示されるように、第2貫通孔92aが上層半導体層160における第1上層配線領域162を露出させるように形成されている。そして、第2貫通配線層92cは、第1上層配線領域162と電気的に接続されている。これにより、第2貫通配線層92cは、第1上層配線領域162を介して第1固定部55と電気的に接続される。つまり、第1上層配線領域162は、第1固定部55と第2貫通配線層92cとを接続する配線としての機能を発揮する領域である。このため、本実施形態の第2貫通電極部92における第2配線部92fは、第2貫通配線層92c、第2パッド部92d、第2引出配線層92e、第1上層配線領域162を有する構成とされている。
第3貫通電極部93は、図15に示されるように、第3貫通孔93aが上層半導体層160における第2上層配線領域163を露出させるように形成されている。そして、第3貫通配線層93cは、第2上層配線領域163と電気的に接続されている。これにより、第3貫通配線層93cは、第2上層配線領域163を介して第2固定部56と電気的に接続される。つまり、第2上層配線領域163は、第2固定部56と第3貫通配線層93cとを接続する配線としての機能を発揮する領域である。このため、本実施形態の第3貫通電極部93における第3配線部93fは、第3貫通配線層93c、第3パッド部93d、第3引出配線層93e、第2上層配線領域163を有する構成とされている。
第4貫通電極部94は、図16に示されるように、第4貫通孔94aが上層半導体層160における上層周辺領域166を露出させるように形成されている。そして、第4貫通配線層94cは、上層周辺領域166と電気的に接続されている。これにより、第4貫通配線層94cと上層周辺領域166とが電気的に接続される。
第5貫通電極部95は、図16に示されるように、第5貫通孔95aが上層半導体層160における第3上層配線領域164を露出させるように形成されている。そして、第5貫通配線層95cは、第3上層配線領域164と電気的に接続されている。これにより、第5貫通配線層95cは、第3上層配線領域164を介して下層周辺領域144と電気的に接続される。つまり、第3上層配線領域164は、下層周辺領域144と第5貫通配線層95cとを接続する配線としての機能を発揮する領域である。このため、本実施形態の第5貫通電極部95における第5配線部95fは、第5貫通配線層95c、第5パッド部95d、第5引出配線層95e、第3上層配線領域164を有する構成とされている。
第6、第7貫通電極部96、97は、図14に示されるように、第6、第7貫通孔96a、97aが上層半導体層160における第4上層配線領域165を露出させるように形成されている。そして、第6、第7貫通配線層96c、97cは、第4上層配線領域165と電気的に接続されている。これにより、第6、第7貫通配線層96c、97cは、第4上層配線領域165と下層配線領域143とが電気的に接続されているため、第4上層配線領域165、下層配線領域143を介して第1支持基板11と電気的に接続される。つまり、第4上層配線領域165および下層配線領域143は、第1支持基板11と第6、第7貫通配線層96c、97cとを接続する配線としての機能を発揮する領域である。このため、本実施形態の第6、第7貫通電極部96、97における第6、第7配線部96f、97fは、それぞれ第6、第7貫通配線層96c、97c、第6、第7パッド部96d、97d、第6、7引出配線層96e、97e、第4上層配線領域165、下層配線領域143を有する構成とされている。
以上が本実施形態における第1〜第7貫通電極部91〜97の構成である。つまり、本実施形態では、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、全て上層半導体層160を露出させる深さとされており、同じ深さとされている。このため、後述するように、金属膜を成膜して第1〜第7貫通配線層91c〜97cを形成する際、第1〜第7貫通配線層91c〜97cを構成する金属膜の量に差が生じ難く、各貫通配線層91c〜97cで発生する応力の大きさの差が小さくなる。したがって、さらに物理量センサが歪むことが抑制される。
また、本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、他面絶縁膜60に形成されるコンタクトホール60aは、第5貫通孔95aの開口部近傍に形成されている。そして、当該コンタクトホール60aは、第5引出配線層95eにて埋め込まれている。このため、本実施形態では、キャップ基板50は、下層周辺領域144と同電位に維持されている。
なお、本実施形態では、第4貫通電極部94が上層周辺領域用電極部に相当し、第5貫通電極部95が下層周辺領域用電極部に相当している。
以上が本実施形態における物理量センサの構成である。次に、本実施形態の物理量センサの製造工程について図17〜図20を参照しつつ説明する。なお、図17〜図19は図14に相当する断面図であり、図20は図15に相当する断面図であり、図21は図16に相当する断面図である。
まず、図17を参照し、第1〜第7貫通孔91a〜97aを形成する前の工程について説明する。なお、以下では、図14の断面に相当する図17を参照しながら説明するが、図15および図16に相当する断面においても同様の工程が適宜行われる。
図17(a)に示されるように、第1支持基板11を用意し、第1支持基板11上に下層絶縁膜130を形成する。そして、下層絶縁膜130上に図示しないマスクを配置し、ドライエッチング等により、下層絶縁膜130にコンタクトホール131を形成する。
続いて、図17(b)に示されるように、コンタクトホール131が埋め込まれるように、ポリシリコンをCVD法等で成膜し、下層半導体層140を形成する。これにより、第1支持基板11と下層半導体層140とがコンタクトホール131を通じて電気的に接続された構成となる。そして、下層半導体層140のうちの第1支持基板11側と反対側の面をCMP法等で平坦化する。次に、下層半導体層140上に図示しないマスクを配置し、ドライエッチング等を行って溝部141を形成することにより、第1固定部55、第2固定部56、支持領域142、下層配線領域143、下層周辺領域144を区画形成する。なお、この工程では、下層配線領域143と第1支持基板11との電気的な接続が維持されるように、溝部141を形成する。
次に、図17(c)に示されるように、溝部141が埋め込まれるように、CVD法等で酸化膜を形成する。これにより、下層半導体層140上に上層絶縁膜150が形成され、溝部141内に中層絶縁膜145が形成される。そして、上層絶縁膜150のうちの第1支持基板11側と反対側の面をCMP法等で平坦化する。次に、上層絶縁膜150上に図示しないマスクを配置してドライエッチング等を行い、第1〜第4上層コンタクトホール152〜155を形成する。なお、第3上層コンタクトホールは、図17(c)とは別断面にて形成される。
続いて、図17(d)に示されるように、第1〜第4上層コンタクトホール152〜155が埋め込まれるように、ポリシリコンをCVD法等で成膜する。これにより、下層半導体層140と上層半導体層160とが第1〜第4上層コンタクトホール152〜155を通じて電気的に接続された構成となる。そして、上層半導体層160のうちの第1支持基板11側と反対側の面をCMP法等で平坦化する。次に、上層半導体層160上に図示しないマスクを配置し、ドライエッチング等を行って溝部161を形成することにより、可動部20、第1上層配線領域162、第2上層配線領域163、第3上層配線領域164、第4上層配線領域165、上層周辺領域166を区画形成する。
なお、第3上層配線領域164は、図17(d)とは別断面にて形成される。また、この工程では、可動部20が下層半導体層140の支持領域142に支持され、第1上層配線領域162と第1固定配線部55bとの電気的な接続が維持され、第2上層配線領域163と第2固定配線部56bとの電気的な接続が維持されるように溝部161が形成される。同様に、この工程では、第3上層配線領域164と下層周辺領域144との電気的な接続が維持され、第4上層配線領域165と下層配線領域143との電気的な接続が維持されるように、溝部161が形成される。
その後、図示しないマスクを配置し、ウェットエッチング等を行い可動部20の下方に位置する絶縁膜を除去して開口部151を形成する。これにより、可動部20における錘部22が浮遊状態となる。
次に、図17(e)に示されるように、上記工程とは別工程において、キャップ基板50を用意し、熱酸化等して接合部材80を形成する。次に、接合部材80上に図示しないマスクを配置してウェットエッチング等を行い、接合部材80のうちの錘部22に対向する部分を除去する。その後、第1基板10の上層半導体層160と、キャップ基板50に形成された接合部材80とを接合する。
続いて、上記第1〜第7貫通孔91a〜97aを形成する工程について、図18、図20、図21を参照しつつ説明する。すなわち、図18(a)、図20(a)、図21(a)に示されるように、キャップ基板50上に、CVD法等によって酸化膜等で構成されるマスク170を形成し、第1〜第7貫通孔91a〜97aの形成予定領域が露出するようにマスク170をパターニングする。
そして、図18(b)、図20(b)、図21(b)に示されるように、ドライエッチングを行うことにより、上層半導体層160の各種領域が露出するように第1〜第7貫通孔91a〜97aを形成する。具体的には、図18(b)に示されるように、アンカー部24が露出するように第1貫通孔91aを形成する。また、図20(b)に示されるように、第1上層配線領域162が露出するように第2貫通孔92aを形成すると共に、第2上層配線領域163が露出するように第3貫通孔93aを形成する。そして、図21(b)に示されるように、上層周辺領域166が露出するように第4貫通孔94aを形成すると共に、第3上層配線領域164が露出するように第5貫通孔95aを形成する。また、図18(b)に示されるように、第4上層配線領域165が露出するように、第6、第7貫通孔96a、97aを形成する。
その後は、上記図9と同様の工程を行う。すなわち、図19(a)に示されるように、絶縁膜をCVD法等によって形成し、第1〜第7貫通孔91a〜97aの壁面に第1〜第7壁面絶縁膜91b〜97bを形成すると共に、キャップ基板50上に他面絶縁膜60を形成する。これにより、第2基板40が構成される。なお、図19は、図14に相当する断面図であるが、図15および図16の断面に相当する部分についても同様の工程が行われる。
続いて、図19(b)に示されるように、フォトレジスト171を配置する。そして、フォトリソグラフィー等を行い、図19(a)の工程にて第1〜第7貫通孔91a〜97aの底面に形成された絶縁膜が露出するように、フォトレジスト171をパターニングする。なお、この工程では、図19(b)とは別断面において、キャップ基板50を露出させるコンタクトホール60aの形成予定領域も同時に露出させる。そして、フォトレジスト171をマスクとして再びドライエッチングを行い、第1〜7貫通孔91a〜97bの底面から絶縁膜を除去すると共に、コンタクトホール60aを形成する。
続いて、図19(c)に示されるように、アルミニウム等の金属膜をスパッタ法等により形成し、第1〜第7壁面絶縁膜91b〜97b上に第1〜第7貫通配線層91c〜97cを形成する。そして、他面絶縁膜60上に形成された金属膜をパターニングし、第1〜第7パッド部91d〜97dおよび第1〜第7引出配線層91e〜97eを形成する。この際、本実施形態では、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、同じ径とされていると共に、同じ深さとされている。このため、第1〜第7貫通配線層91c〜97cを構成する金属膜の量がほぼ等しくなる。したがって、第2〜第7貫通配線層92c〜97cに起因する応力の大きさがほぼ等しくなり、互いの応力が相殺され易くなる。また、上記第1実施形態と比較すると、第1、第4、第6、第7貫通孔91a、94a、96a、97aの深さが浅くなる。ここで、一般的には、貫通孔に金属膜を成膜する場合、貫通孔の底部では金属膜が成膜し難いことが知られている。このため、第1、第4、第6、第7貫通孔91a、94a、96a、97aの深さが浅くなることにより、各貫通孔91a、94a、96a、97aの底部に金属膜が成膜されないという不具合が発生することを抑制できる。つまり、第1、第4、第6、第7貫通孔91a、94a、96a、97aに、第1、第4、第6、第7貫通配線層91c、94c、96c、97cが適切に形成されないという不具合が発生することを抑制できる。言い換えると、接続不良が発生することが抑制される。
その後は特に図示しないが、保護膜100をCVD法等により形成し、第1〜第7パッド部91d〜97を露出させる開口部を形成することにより、本実施形態の物理量センサが製造される。
以上説明したように、本実施形態では、第1基板10および第2基板40の構成を変更しているが、センシング部70の周囲に位置する第1支持基板11、下層周辺領域144、上層周辺領域166、キャップ基板50が所定の電位に維持される。このため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、それぞれ同じ径とされていると共に、同じ深さとされている。このため、第1〜第7貫通配線層91c〜97cを構成する金属膜の量がほぼ等しくなり、第2〜第7貫通配線層92c〜97cに起因する応力の大きさがほぼ等しくなる。したがって、互いの応力が均等化され、物理量センサが歪むことをさらに抑制でき、検出精度が低下することをさらに抑制できる。
さらに、第1〜第7貫通孔91a〜97aは、第2基板40を貫通して第1基板10の一面10aを露出させる深さとされている。つまり、上記第1実施形態と比較すると、第1、第4、第6、第7貫通孔91a、94a、96a、97aの深さが浅くされている。このため、第1、第4、第6、第7貫通孔91a、94a、96a、97aに、第1、第4、第6、第7貫通配線層91c、94c、96c、97cが適切に形成されないという不具合が発生することを抑制できる。言い換えると、接続不良が発生することが抑制される。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態において、物理量センサは、積層方向の加速度を検出する加速度センサではなくてもよい。例えば、第1基板10の面方向の一方向に沿って可動電極部と固定電極部とが静電容量を構成するように配列され、当該可動電極部と固定電極部との配列方向に沿った加速度を検出する加速度センサとしてもよい。なお、この場合は、可動電極部と固定電極部との配列方向が動作軸となり、可動電極部は動作軸を基準として動作軸に沿った方向に可動する。また、物理量センサは、加速度を検出する加速度センサではなく、例えば、角速度を検出する角速度センサであってもよい。
また、上記各実施形態において、第1〜第7貫通配線層91c〜97cは、第1〜第7貫通孔91a〜97aを埋め込むように配置されていてもよい。
さらに、上記各実施形態において、第1貫通電極部91は、第2基板40の他面40bにおける中心に形成されていなくてもよい。例えば、第2貫通電極部92が第2基板40の他面40bにおける中心に形成され、第1、第3〜第7貫通電極部91、93〜97が第2基板40の他面40bにおける中心に対して点対称となるように形成されていてもよい。つまり、第2基板40の他面40bに形成される電極部は、特に限定されない。
そして、上記各実施形態において、7つの貫通電極部を備えずに5個の貫通電極部を備える構成としてもよく、例えば、第6、第7貫通電極部96、97を備えない構成としてもよい。この場合は、例えば、図22に示されるように、第1貫通電極部91が第2基板40の他面40bにおける中心に形成され、第2〜第5貫通電極部92〜95が当該中心に対して点対称となるように形成されることにより、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、例えば、センシング部70の形状によっては、アンカー部24を第1基板10の中心に形成し難い場合がある。つまり、第1貫通電極部91を第2基板40の他面40bにおける中心に形成し難い場合がある。この場合は、例えば、図23に示されるように、可動部20の回転軸(すなわち、動作軸)に沿った第1仮想線K1に対し、第2貫通電極部92と第3貫通電極部93とが線対称となると共に、第4貫通電極部94と第5貫通電極部95とが線対称となるようにすることが好ましい。また、第1仮想線K1と直交し、第2基板40の他面40bの中心を通る第2仮想線K2に対し、第2貫通電極部92と第4貫通電極部94とが線対称となると共に、第3貫通電極部93と第5貫通電極部95とが線対称となるようにすることが好ましい。なお、第1貫通電極部91は、第1仮想線K1と第2仮想線K2との交点に形成されることが好ましい。これによれば、第2〜第5貫通電極部92〜95が不規則に形成されている場合と比較して、各貫通電極部92〜95に起因する応力が均等化され、物理量センサが歪むことを抑制できる。
この場合、他の制約によって図23の構成とし難い場合には、図24および図25に示されるように、第1仮想線K1および第2仮想線K2に対し、第2〜第5貫通電極部92〜95は、一方の仮想線に対してのみ線対称となるように形成されていてもよい。例えば、図24に示されるように、第2〜第5貫通電極部92〜95は、第1仮想線K1に対してのみ線対称となるように形成されていてもよい。同様に、図25に示されるように、第2〜第5貫通電極部92〜95は、第2仮想線K2に対してのみ線対称となるように形成されていてもよい。
さらに、上記各実施形態において、特に図示しないが、第2〜第7貫通電極部92〜97は、第1仮想線K1および第2仮想線K2の一方のみに線対称となるように形成されていてもよい。
そして、上記各実施形態において、第1〜第7貫通電極部91〜97は、点対称や線対称とならず、不規則に配置されていてもよい。このような物理量センサとしても、センシング部70の周囲に位置する領域が所定の電位に維持されることにより、検出精度が低下することを抑制できる。
さらに、上記各実施形態において、他面絶縁膜60に形成されるコンタクトホール60aの形成箇所は適宜変更可能である。例えば、コンタクトホール60aは、第4貫通孔94a、第6貫通孔96a、または第7貫通孔97aの近傍に形成されていてもよい。そして、上記第1、第2実施形態では、第2支持基板51は、第4引出配線層94e、第6引出配線層96e、または第7引出配線層97eと電気的に接続されていてもよい。つまり、第2支持基板51が所定の電位に維持されるのであれば、第2支持基板51が電気的に接続される引出配線層は特に限定されるものではない。同様に、上記第3実施形態では、キャップ基板50は、第4引出配線層94e、第6引出配線層96e、または第7引出配線層97eと電気的に接続されていてもよい。
また、上記第2実施形態において、図17(d)の工程にて可動部20の下方に位置する絶縁膜を除去する際、錘部22にエッチングホールを形成し、当該エッチングホールを介してエッチング媒体が導入されるようにしてもよい。
さらに、上記第2実施形態において、第1上層配線領域162、第2上層配線領域163、第3上層配線領域164、第4上層配線領域165、および下層配線領域143は、適宜金属材料等で構成されていてもよい。例えば、図17(b)にて下層半導体層140が形成された後、下層半導体層140のうちの下層配線領域143となる部分を除去し、当該除去した部分に金属材料を埋め込む等することにより、下層配線領域143を金属材料で構成してもよい。
そして、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、上記第2実施形態に第3実施形態を組み合わせ、ダミーパッド部91gおよびダミー引出配線層91hを形成するようにしてもよい。