以下、図1〜図12を参照して本発明の実施例について説明する。
なお、本実施例では、インクジェット記録装置として、シリアル型のインクジェット記録装置を用いて説明する。
1.インクジェット記録装置
(1−1)インクジェット記録装置の全体構成
図1は、本実施例に係るインクジェット記録装置の斜視概念図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置50(以下、単に「記録装置」と称する)は、互いに向き合った2つの脚部55の上端部に跨るように固定されている。キャリッジ60には、ヘッド1(記録ヘッド)が搭載されている。
記録時は、搬送ロールホルダユニット52にセットされた記録媒体が記録位置まで給紙(搬送)される。キャリッジ60がキャリッジモータ(不図示)及びベルト伝動手段62より主走査方向B−Bに往復移動すると共にヘッド1の各ノズルからインク滴が吐出される。キャリッジ60が記録媒体の一方端まで移動すると、搬送ローラ51が所定量だけ記録媒体を副走査方向Aへ搬送する。
このように、記録動作と搬送動作とを交互に繰り返すことにより記録媒体全体に画像が形成される。画像形成後は、不図示のカッターによって記録媒体をカットし、カットされた記録媒体はスタッカ53に積載される。
インク供給ユニット63には、黒、シアン、マゼンタ、イエローなどのインク色ごとに分かれたインクタンク5(第1のインクタンク)が具えられており、各色のインクが貯留されている。また、インクタンク5は、後述するリザーブタンク4(第2のインクタンク)を介して供給チューブ2(インク流路)に接続されている。また、供給チューブ(インク流路)2はキャリッジ60の往復移動の際の障碍物とならないように、チューブガイド61によって束ねられている。
ヘッド1の記録媒体に対向した面には、主走査方向B−Bと略直交した方向に複数のノズル列(不図示)が備られており、ノズル列単位で供給チューブ2(インク流路)と接続している。
回復ユニット70が主走査方向B−Bにおいて記録媒体の領域外で、かつヘッド1のノズル面に対向する位置に設けられている。回復ユニット70は、必要に応じてヘッド1の吐出口面からインク又は空気を吸引し、ノズルのクリーニングを行ったり、ヘッド内部に溜まった空気を強制的に吸引する吸引手段を備えている。
記録装置50の右側(図1を参照する)には操作パネル54が設けられており、ユーザーは記録装置50に対して指令を入力することができる。また、操作パネル54は、インクタンク5内のインクが空になった際に、インクタンク5の交換を促す警告を表示することもできる。
図2は、本実施例のインクジェット記録装置のインク供給系の概念図である。なお、本実施例では、1色分のインク流路を例として説明するが、複数色のインク流路についても同様である。
図2に示すように、本実施例の記録装置50は、主にインクを収容するインクタンク5と、インクタンク5から供給されるインクを収容するリザーブタンク4と、リザーブタンク4から供給されるインクを用いて記録動作を行うヘッド1を備える。
また、リザーブタンク4は、インクタンク5の下方に配置されている。インクタンク5とリザーブタンク4の間には、インクタンク5からリザーブタンク4へインクを供給するインク供給路6(第1の流路)と、リザーブタンク4からインクタンク5へ空気を導入する空気導入路10(第2の流路)とが備えられている。
なお、リザーブタンク4は大気と連通する大気連通部7を備え、大気開放されている。一方、インクタンク5は大気連通部を有さず、大気開放されていない。また、インクタンク5は、リザーブタンク4(装置本体)に対して着脱可能である。
インクタンク5は、内部にインクを貯留する内部空間を有し、底部には2カ所のジョイント部が設けられている。このジョイント部には、後述する第1の中空管8(第1の流路)と第2の中空管9(第2の流路)が挿入可能である。また、インクタンク5内に挿入された第2の中空管9の周囲には、第2の中空管9を囲むようにインクタンク5の底部(底面)から立設された筒状の立ち壁402が配置されている。
インク供給路6の一端6aが第1の中空管8に接続され、他端6bがリザーブタンク4の底部に接続されている。即ち、インク供給路6は、他端6bにおいてリザーブタンク内に開口する開口6c(第1開口部)を備えている。なお、インク供給路6と第1の中空管8とで本発明の第1の流路が構成されている。
一方、空気導入路10の一端10aが第2の中空管9に接続され、他端10bがリザーブタンク4の上部(上面)に接続されている。また、空気導入路10の他端10bは、リザーブタンク4の上面からリザーブタンク4内に挿入された状態で配置されており、開口10c(第2開口部)を備えている。なお、空気導入路10と第2の中空管9とで本発明の第2の流路が構成されている。
即ち、リザーブタンク4において、インク供給路6の開口6c位置が空気導入路10の開口10c位置よりも下方に配置されている。言い換えれば、リザーブタンク4内において、第2の流路の第2開口部(開口10c)は、第1の流路の第1開口部(開口6c)よりも高い位置に配置される。
このため、水頭差により、インク供給路6(および第1の中空管8)を通じてインクタンク5からリザーブタンク4へインクが供給された際、空気導入路10(および第2の中空管9)を通じてリザーブタンク4からインクタンク5へ空気が導入される。
一方、リザーブタンク4内の液面の上昇によって開口10cが封止されたとき、リザーブタンク4からインクタンク5への空気の移動が停止され、インクタンク5からリザーブタンク4へのインクの供給も停止される。
このように、リザーブタンク4内のインクが消費されて液面が下がると、空気導入路10を通じて空気がインクタンク5へ導入されると共に、リザーブタンク4へインクが自動的に供給される(バードフィード供給方式)。なお、インクタンク5内のインクが無くなるまでは、リザーブタンク4内のインクの液面は空気導入路10の開口10cと略同じ高さに位置される。
リザーブタンク4内には、金属製の中実管341〜343が電極34として設けられている。第1の中実管341の下端は空気導入路10の開口10cよりも若干下方(本実施例では約4mm下)に設けられている。これにより、リザーブタンク4の満タン状態を確実に検出することができる。また、第2の中実管342と第3の中実管343は略同じ長さを有し、それぞれの下端は第1の中実管341の下端よりも下方に位置し且つリザーブタンク4からヘッド1へのインク流出口401よりも上方に位置している。
これにより、第1の中実管341と第3の中実管343の間に微弱な電圧を印加した場合、リザーブタンク4内のインクが満タン状態のとき、インクを通じて電極間に電流が流れて2つの電極間の抵抗値が低くなる。このように、電極間の抵抗値変化に基づき、リザーブタンク4が「満タン状態」であるか否かを検知することができる。
同様に、第2の中実管342と第3の中実管343の間に微弱な電圧を印加した場合、リザーブタンク4内のインクが電極34の下端よりも低下したとき、2つの電極間に電流が流れず抵抗値が上がる。このように、電極間の抵抗値変化に基づき、リザーブタンク4が「空状態」であるか否かを検知することができる。
なお、インクタンク5内にインクがある限り、バードフィード供給方式に基づきリザーブタンク4内は「満タン状態」とすることができる。従って、電極34によってリザーブタンク4内のインクが「満タン状態」ではないと検知された場合、インクタンク5内のインクが空状態になったと推定できる。即ち、電極34はインクタンク5の「空状態」を検知することもできる。
本実施例では、インク流出口401は、リザーブタンク4の側面において最も低い位置に設けられている。また、リザーブタンク4と供給チューブ2の間に開閉弁3が設けられている。開閉弁3を設けることにより、後述する「ヘッド内の空気の除去およびヘッド内のインクの充填」をスムーズに行うことができる。
また、本実施例では、後述するインク撹拌機構(インク移動手段)の駆動源と同じ駆動源によって開閉弁3が駆動されるが、開閉弁3を別の駆動源で駆動してもよい。また、複数色のインク流路内の開閉弁を同時に駆動されるように構成しても良い。
また、本実施例では、リザーブタンク4内のインクの液面とヘッド1の吐出口面との水頭差H(図2を参照する)によってヘッド1内のインクの負圧が維持されている。なお、本実施例ではこの水頭差Hは約80mmである。
なお、ヘッド1内部に空気が溜まっている場合、強制的にヘッド内の空気を除去する必要がある。ヘッド内の空気の除去方法として、開閉弁3を閉じた状態で、回復ユニット70(図1)によってヘッド1を吸引する。
具体的には、ヘッド1の吐出口面にキャップ(図示しない)を密着させ、ポンプ(図示しない)を駆動して空気を吸引する。所定時間(本実施例では約25秒)の吸引を行った後、開閉弁3を開放させ、ヘッド内にインクが充填される。即ち、吸引後に開閉弁3を開放させることにより、ヘッド内の負圧によってリザーブタンク4からヘッド1へ所定量のインクが吸い込まれる。これにより、ヘッド内にインクが充填される。なお、ヘッド1内のインクが消費されるに連れ、インクタンク5、リザーブタンク4の順に再びヘッド1へインクが供給される。
(1−2)インクジェット記録装置の制御機構
図3は、本実施例のインクジェット記録装置の制御機構を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施例の記録装置50は、主に記録装置を制御するCPU11(制御手段)、ユーザーが操作するキーや情報を表示する操作パネルを含むユーザーインターフェース12を備えている。また、記録装置50は、制御ソフトウエアを内蔵するROM13、制御ソフトウエアを動作させる際に一時的に使用するRAM14を備えている。更に、記録装置50は、駆動部I/O15、駆動部分16、インク量を検知する検知手段17、インクタンクの着脱を検出するインクタンク装着センサ18を備えている。
なお、本実施例では、検知手段17は、電極34と電極34に繋ぐ電気回路を備え、電極34の電圧値からリザーブタンク4内の液面情報を検知している。また、検知手段17は、インクタンク5内のインク量を検知する構成を有している。
具体的には、検知手段17は、ドットカウント手段(図示なし)を備えてもよい。ドットカウント手段は、記録ヘッドから吐出(消費)するインク滴(インク量)をドットカウントすることができる。このため、インクタンク5内のインク残量は、使用前のインクタンク内のインクの量からドットカウント手段によってカウントされたインク消費量(使用量)を差し引いて推定することができる。
検知手段17は、ドットカウント手段の他に、インクタンク内のインク量を直接検知できる電極センサー(図示なし)や、光学センサー(図示なし)などの検知手段を備えても良い。
インクタンク装着センサ18は、インクタンク5に取り付けられたEEPROM20の読み値で着脱状態を判定している。また、インクタンク装着センサ18を用いてEEPROM20の内容(記録情報)の読み書きを行う。つまり、インクを使用する度に、EEPROM20にインクタンク5の残量が記録され、インクタンク5の残量管理が行われている。
本実施例では、経過時間は、時間取得手段(CPU11)によって取得される。即ち、経過時間は、CPU11のクロックから前回の撹拌動作の時点(例えば撹拌動作終了の時点)と現時点の差分を算出して取得することができる。また、撹拌動作を行う時点の情報をRAM14に記憶させることができる。
2.インク撹拌機構(インク移動手段)
(2−1)インク撹拌機構の構成
以下、本実施例のインク撹拌機構の構成について説明する。なお、インク撹拌機構(インク移動手段)は、インクタンク、リザーブタンクまたは流路などを含むインク供給系内のインクを高速に移動させることができる。これにより、インク供給系内に大きなインクの流れを発生させることができ、インクを効率的に撹拌させることができる。
なお、本実施例では、インク撹拌機構は、インク供給路6に設けられ、開閉可能な第1開閉弁31(第1開閉部)および第2開閉弁32(第2開閉部)と、可撓部33(容積変化部)とを備える。インク撹拌機構は、CPU11(制御手段)によって制御され、後述する第1の撹拌動作、第2の撹拌動作を行うことができる。
具体的には、第1開閉弁31がインクタンク5と可撓部33の間に配置され、第2開閉弁32がリザーブタンク4と可撓部33の間に配置されている。第1開閉弁31、第2開閉弁32は、それぞれ開状態と閉状態とに切り替わることによってインク供給路6を開閉することができる。
なお、初期状態では、第1開閉弁31は、付勢バネ34の付勢力(圧縮力)によって閉状態に維持されている。第2開閉弁32は、付勢バネ35によって閉状態に維持されている。
付勢バネ34、35には、さらにレバー37、38を備えている。レバー37、38は、後述する第1回転部材41、第2回転部材42の回転動作に連動し、付勢バネ34、35を押圧することにより、第1、第2開閉弁(31、32)を開状態にすることができる。即ち、第1、第2回転部材によって、第1開閉弁31、第2開閉弁32の開閉状態の切替が可能になる。
本実施例では、可撓部33は、可撓性を有し内部容積が変化可能な可撓性部材で構成されているが、容積変化部としては、内部容積が変化可能な部材であれば良く、必ず可撓性を有する必要はない。例えば、容積変化部は、シリンダ部とピストン部を有し内部容積が変化可能な構成であってもよい。
本実施例では、可撓部33はレバー40を備えており、後述する第1回転部材41の回転動作に連動するレバー40によって、可撓部を縮小または拡大変形させることができる。
なお、本実施例では、可撓部の縮小、拡大動作の追従性の向上のため、レバー40は第1回転軸41に連動し、拡大動作および縮小動作を行う構成を一例として説明する。第1、第2開閉弁(31、32)と同様に、可撓部の拡大動作または縮小動作の一方を付勢バネによって行い、他方を第1回転部材に連動するレバー40によって行うようにしてもよい。
可撓部33を変形させて、内部容積を変化させることにより、可撓部33にインクの出入ができる。なお、本実施例では、第1開閉弁31、第2開閉弁32、可撓部33は、後述する共通の駆動源により駆動される。
本実施例では、可撓部33は、インク供給路6において、重力方向の最下部に設けられている。これにより可撓部33内に気泡の混入が少なく、効率的にインクを移動させることができる。また、本実施例では、可撓部33の容積可変量は約0.7〜1.5mlに設定されている。なお、可撓部33の配置や内部容積などを適宜に変更して実施することも可能である。
(2−2)インク撹拌機構の駆動機構
図2に示すように、本実施例のインク撹拌機構(インク移動手段)の駆動機構は、主に、駆動源である回転可能なモータ21と、モータ21の駆動力を伝達可能な第1回転部材41を備えている。
第1回転部材41は、回転軸方向に同軸に配置された第1カム部41a、第2カム部41b、第3カム部41c、41dを備えている。
なお、第1カム部41aは、レバー37と当接可能な位置に配置され、第1カム部の回転動作によって、レバー37を介して第1開閉弁31の開閉状態を切り替えることができる。
第2カム部41bは、レバー38と当接可能な位置に配置され、第2カム部の回転動作によって、レバー38を介して第2開閉弁32の開閉状態を切り替えることができる。
第3カム部41c、41dは、レバー40と当接可能な位置に配置され、第3カム部の回転動作によって、レバー40を介して可撓部33を縮小変形または拡大変形させることができる。
なお、本実施例では、第3カム部41c、41dは、縮小変形のためのカム部41cと拡大変形のためのカム部41dの二つのカム構成を示したが、一つのカム構成で可撓部の縮小と拡大変形を実現してもよい。
後述するように、第1〜3カム部(41a〜41d)に所定の位相を設けることにより、モータ21の駆動を受けたとき、第1回転部材の回転により、インク供給路6内のインクを高速に移動させることができる。
なお、本実施例のように、第1回転部材41の他に、モータ21の駆動力を伝達可能な第2回転部材42を備えることもできる。
第2回転部材42は、回転軸方向に同軸に配置された第4カム部42a、第5カム部42bを備えている。
第4カム部42aは、レバー37と当接可能な位置に配置され、第4カム部の回転動作によって、レバー37を介して第1開閉弁31の開閉状態を切り替えることも可能である。即ち、第4カム部42aは、第1カム部41aの状態に寄らず、第1開閉弁31を切り替えることができる。
第5カム部42bは、レバー38と当接可能な位置に配置され、第5カム部の回転動作によって、レバー38を介して第2開閉弁32の開閉状態を切り替えることも可能である。即ち、第5カム部42bは、第2カム部42aの状態に寄らず、第2開閉弁32を切り替えることができる。
後述するように、第4、5カム部(42a、42b)を所定の位相に設けることにより、第1開閉弁31と第2開閉弁32を同時に開状態にすることができる。
なお、図2に示すように、第2回転部材42には、第4、5カム部(42a、42b)と同軸に配置された第6カム部42cを備えてもよい。第6カム部42cは、開閉弁3の付勢バネ36に取り付けられたレバー39と当接することができ、開閉弁3の開閉状態を切り替えることができる。
図2示すように、本実施例では、第1回転部材41と第2回転部材42は平行に配置されており、同一のモータ21によって駆動されることができる。なお、第1回転部材と第2回転部材は、モータからの駆動が伝達可能であれば、必ずしも平行である必要がない。
具体的には、駆動源を構成するモータ21は、正転(例えば、J1方向)と逆転(例えば、J2方向)可能である。モータ21の出力軸に固定された駆動ギア21aは、アイドルギア22と噛合するように配置される。また、アイドルギア22と遊星ギア23が噛合し、モータ21からの駆動力を伝達することができる。
遊星ギア23は、アーム24を介してアイドルギア22に接続されており、アイドルギア22の中心軸との距離を保ちながら、モータ21の回転方向に応じて揺動することができる。
即ち、モータ21がJ1方向に回転したとき、遊星ギア23はK1に沿って回転すると共に、ギア25側へ揺動し、ギア25と噛合することができる。よって、モータ21がJ1方向へ回転したとき、駆動源の駆動力が第1回転部材41に伝達される。
一方、モータ21がJ2方向へ回転したとき、遊星ギア23はK2に沿って回転すると共に、ギア26側へ揺動し、ギア26と噛合することができる。よって、モータ21がJ2方向へ回転したとき、駆動源の駆動力が第2回転部材42に伝達される。
このように、モータ21が正方向に回転したとき、第1回転部材41と第2回転部材42の一方が駆動され、逆方向に回転したとき、他方が駆動されることができる。即ち、モータの回転方向を切り替えることにより、同一のモータによって第1、第2回転部材(41、42)を共に制御することができる。
また、図2に示すように、本実施例では、インク供給路6の一部は、リザーブタンク5の底面(一側面)に直線状に形成される。また、第1開閉弁31、可撓部33および第2開閉弁32は、インク供給路6のこの直線状部に直列に配置される。第1、2回転部材をリザーブタンクの底面側(一側面側)に配置することにより、同一の駆動源によって容易にインク撹拌機構を駆動することができる。
(2−3)インク撹拌機構の制御
インクタンク5及びリザーブタンク4を放置して時間が経過すると、インクタンク5およびリザーブタンク4内にインクが沈降し、濃いインク層5a、4aが発生する場合がある(図6(a)または、図9(a)を参照)。また、経過時間が長ければ、インクの沈降が進み、撹拌に要する時間が長くなる。
本実施例では、インクを高速に移動させることにより、大きなインクの流れを発生させることができ、インクタンクまたはリザーブタンク内に濃いインク層(5a、4a)を撹拌させ、インクの均一性を向上させることができる。
具体的には、本実施例では、インク撹拌機構を用いて、リザーブタンク(のみ)の撹拌制御、リザーブタンクとインクタンクの間でインクを循環させて撹拌する循環撹拌制御(循環制御)、またはこれらの撹拌制御の組合せを行うことができる。
まず、リザーブタンク撹拌制御は、インク供給路6とリザーブタンク4の間でインクが往復移動することによって、リザーブタンク内のインクが撹拌される(第2の撹拌動作)。
一方、循環制御は、インク供給路6からインクタンク5へインクを移動させる動作(第1の動作)とリザーブタンク4からインク供給路6へインクを移動させる動作(第2の動作)を含む循環撹拌動作(第1の撹拌動作)を行う。即ち、インク供給路6からインクタンク5へインクを移動させることにより、インクタンク5内の圧力が上昇し、空気導入路10を通じてインクタンク5からリザーブタンク4へインクが移動される(押し出される)。第1の動作と第2の動作を繰り返すことにより、インクタンク5とリザーブタンク4の間でインクが循環されて撹拌される。
なお、後述するように、循環撹拌動作の際、空気導入路10を通じてインクタンクからリザーブタンクへインクが押し出されたとき、インクタンク5の底部近傍に沈降した濃いインクがリザーブタンク4へ移動される。また、濃いインクがリザーブタンク4で希釈された後に、さらにインク供給路6を通じてインクタンク5へ移動される。この動作の繰り返しによって、インクタンク5およびリザーブタンク4内のインクが循環されて撹拌される。
本実施例では、インク撹拌機構の制御は、装置に電源を入れたときや、一時休止モード(スリープモード)から復帰したときに実行される。また、記録装置にインクタンク5が交換された場合にも実行することができる。
(A)リザーブタンクの撹拌制御について
図4〜図6を用いて、インクの移動によるリザーブタンクの撹拌動作の制御について説明する。
図4は、リザーブタンク内のインク撹拌動作の制御フローチャートである。図5(a)〜(c)は、リザーブタンク撹拌動作時の、第1、第2開閉弁、可撓部の動作と、第1〜第5カム部が一回転した時の位相位置の関係を示す。図6(a)〜(d)は、リザーブタンク撹拌動作を示すものである。
なお、図5は、第1、2回転部材が一回転(360度の回転)したときの第1〜5カム部の位相を示す一例であるが、位相の周期を任意の回転角度(例えば、180度)に変更することができる。
図4に示すように、リザーブタンク4の撹拌制御の方法として、まず、第2回転部材を回転させることにより、第4、5カム部(42a、42b)を介して第1、第2開閉弁(31、32)を開状態に切り替える(S701)。
具体的には、モータ21をJ2方向に回転駆動させると、遊星ギア23が第2回転部材42へ揺動する(図2を参照する)。遊星ギア23がギア26と噛合うことにより、モータ21から第2回転部材42側に駆動が伝達される。これにより、第4、第5カム部(42a、42b)が第1、第2開閉弁(31、32)が開状態になる位置に移動した後に停止される。即ち、第1、第2開閉弁(31、32)が第2回転軸(第4、5カム部42a、42b)によって、開状態のままに維持される(図5(a)、(c)を参照する)。
次に、第1回転部材を回転させることにより、可撓部が縮小変形される(S702)。
具体的には、図5(a)〜(c)に示すように、第1回転部材が回転することにより、第1〜第3カム部が所定の位相となるよう回転移動する。なお、第1、第2開閉弁は既に第2回転軸によって開状態に維持されたため、第1、第2カム部(41a、41b)の回転位相によらず、第1、第2開閉弁の開閉状態が変更されない。この状態(T3領域)で可撓部が第3カム部41dによって縮小変形される(図5(b)を参照する)。この結果、可撓部内部のインクがインク供給路6へ流出する。
なお、本実施例では、インクタンクと可撓部の間の流路抵抗を、リザーブタンクと可撓部の間の流路抵抗よりも大きく設定しているため、可撓部から流出したインクは、流路抵抗の小さいリザーブタンク側へ流入する。即ち、可撓部が縮小変形した結果、可撓部33内の変化量分のインクがリザーブタンク4側へ押し出される。これにより、リザーブタンク4内にインクの大きな流れが生じて、沈降した濃いインク層4aが巻き上げられて撹拌される。
次に、第1回転部材を続いて回転させることにより、可撓部が縮小変形(T3領域)から拡大変形(T1領域)へ遷移する(S703)。具体的には、図5に示すように、第3カム部41dによって可撓部が縮小された後、第3カム部41cによって可撓部が拡大変形される。この結果、インク流路6内のインクが再び可撓部に流入される。なお、前述したように、リザーブタンク側の流路抵抗が小さいため、リザーブタンクからインクが可撓部へ引き込まれる。
第2回転部材によって第1開閉弁および第2開閉弁が開状態に切り替られた状態で、第1回転部材が連続的に回転することにより、可撓部の拡大動作と縮小動作が交互に行われる。このため、リザーブタンクと可撓部の間でインクが高速に移動され、リザーブタンク内のインクが効率的に撹拌される。
また、可撓部の縮小と拡大動作は所定回数(R(N))に達したかを判定し(S704)、所定回数に達するまで第1回転部材の回転動作が継続される。
図6(a)〜(d)に示す動作を繰り返すことにより、リザーブタンク4内のインクを効果的に撹拌することができ、リザーブタンク4内のインク濃度を均一化にすることができる。
なお、経過(放置)期間によって決められた回数分(または所定の撹拌時間)の容積変化動作が終わると、リザーブタンク4の撹拌動作の制御が終了する。
なお、T1領域とT3領域の間には、第1回転部材の回転に対して可撓部がほぼ変形しないように、第3カム部にT2領域、T4領域を設けても良い。T2領域、T4領域において、第1カム部による第1開閉部の切り替え、第2カム部による第2開閉弁の切り替え、又は第3カム部による可撓部の変形動作の切り替えを行うことができる。
(B)インクタンクおよびリザーブタンクの撹拌制御(循環制御)について
図7〜図9を用いて、インクの移動による循環撹拌動作の制御について説明する。
図7は、インクタンクとリザーブタンクの間でインクを循環撹拌する循環撹拌動作の制御フローチャートである。図8(a)〜(c)は、循環撹拌動作時の、第1、第2開閉弁、可撓部の動作と、第1〜第5カム部が一回転した時の位相の関係を示す。図9(a)〜(d)は、循環撹拌動作を示すものである。
図8または図9に示すように、循環撹拌動作は、第1回転部材の回転により実行される。
なお、第1回転部材によって循環動作を行う際に、第2回転部材によって第1、2開閉弁(31、32)を開かないように第2回転部材(第4、5カム部)を予め「閉位置」に位置させておく必要がある。
また、図8に示すように、第1回転軸の回転動作に伴い、第2カム部によって第2開閉弁が開状態から閉状態へ切り替えられ(S501)、第1カム部によって第1開閉弁が閉状態から開状態へ切り替えられる(S502)(T2領域)。第1開閉弁が開状態かつ第2開閉弁が閉状態(T3領域)において、可撓部が第3カム部の回転によって縮小変形される(S503)。可撓部の縮小変形により、内部のインクが第1開閉弁側(インクタンク側)へ押し出される(図9(a)、(b)を参照する)。
即ち、第1回転部材の回転動作に伴い、第2開閉弁が閉状態に切り替えられ、第1開閉弁が開状態に切り替えられた状態で、第3カム部によって容積変化部が縮小変形されて第1の流路内のインクが第1のインクタンクへ流出される。
可撓部が縮小変形された後、第1カム部によって第1開閉弁が開状態から閉状態へ切り替え(S504)、第2カム部によって第2開閉弁が閉状態から開状態へ切り替えられる(S505)(T4領域)。第1開閉弁が閉状態かつ第2開閉弁が開状態(T1領域)において、可撓部が第3カム部の回転によって拡大変形される(S506)。可撓部の拡大変形により、第2開閉弁側(リザーブタンク側)からインクが引き込まれる(図9(c)、(d)を参照する)。
即ち、第1カム部によって第1開閉弁が閉状態に切り替えられ、第2カム部によって第2開閉弁を開状態に切り替えられた状態で、第3カム部によって容積変化部が拡大変形されて第2のインクタンクから前記第1の流路内へインクが流入される。
第1回転部材が連続的に回転することにより、インク供給路6を通じてリザーブタンクからインクタンクへインクが移動される。これにより、インクタンク5内にインクの大きな流れが生じて、沈降した濃いインク層5aが巻き上げられて撹拌される。
なお、インクの流入によりインクタンク内の圧力が増加する。これにより、空気導入路10を通じてインクタンクからリザーブタンクへインクが流出される。この結果、インクタンクとリザーブタンクの間でインクが循環されて撹拌される。
このように、第1回転部材が連続的に回転することにより、インクタンクとリザーブタンクの間でインクが高速に移動され、インクタンクとリザーブタンク内のインクが効率的に撹拌される。
また、可撓部の縮小と拡大動作は所定回数(M(N))に達したかを判定し(S507)、所定回数に達するまで第1回転部材の回転動作が継続される。
図9に示す動作を繰り返すことにより、インクタンク5とリザーブタンク4内のインクを効果的に撹拌することができ、インクタンク5とリザーブタンク4内のインク濃度を均一化にすることができる。
なお、経過(放置)期間によって決められた回数分(または所定の撹拌時間)の容積変化動作が終わると、循環撹拌動作の制御が終了する。
(C)循環撹拌動作とリザーブタンク撹拌動作の組合せについて
なお、インクの撹拌動作の制御は、前述した(A)リザーブタンク撹拌動作と(B)循環撹拌動作を単独に行っても良く、組合せて行ってもよい。
図10は、循環撹拌動作とリザーブ撹拌動作を組合せて撹拌動作を行う場合の撹拌制御のフローチャートを示す。
図10に示すように、前回攪拌動作を行ってからの経過時間に基づき、各撹拌動作のパラメタを設定する(S801)。即ち、ステップS801において、循環撹拌動作とリザーブタンク撹拌の繰り返し回数(N)や、一回の撹拌動作における可撓部の容積変化回数などを設定することができる。
例えば、ステップS801において、印字(記録動作)前に循環撹拌動作およびリザーブ撹拌動作の繰り返しの合計回数N、合計回数Nのうち循環撹拌動作の繰り返し回数M(N)とリザーブ撹拌動作の繰り返し回数R(N)を設定することができる。また、印字開始後に実施される撹拌動作の繰り返し回数を含んだ総計回数N−totalを設定することもできる。
なお、本実施例では、経過時間は、記録装置の電源が入れた時に取得することができる。従って、前回の撹拌動作から今回電源が入れた時点までの時間を経過時間とすることができる。
各撹拌パラメタが設定された後、循環撹拌動作(S802)、リザーブタンク撹拌動作(S803)が順次に実行される。
なお、循環撹拌動作とリザーブタンク撹拌動作は、所定の合計回数Nまで実行されたか否かを判定し(S804)、合計回数に至るまで各撹拌動作が繰り返される。
ステップS804において、所定の合計回数Nの撹拌動作が実行されたとき、印字動作(記録動作)を開始することができる。なお、記録動作中に、インク濃度をより均一化にするために、循環撹拌動作(S805)、リザーブタンク撹拌動作(S806)を記録動作と並行に行うことができる。これにより、早期に記録動作を開始させることができる。
ステップS807において、所定の総計回数(N−total)に達したとき、インクの撹拌動作(循環撹拌動作、リザーブ撹拌動作)を停止することができる。
なお、本実施例では、経過時間が所定期間(例えば、5日)未満であれば、インクの沈降が記録動作に与える影響が許容範囲内として、印字前に撹拌動作を行ない。一方、印字動作中(記録動作開始後)には、インク濃度をより均一化にするために、循環撹拌動作を約15秒、リザーブタンク撹拌動作を約15秒で行うことができる。これにより、記録動作開始する前にインクの撹拌動作を省くことができ、記録動作を早期に開始させることができ、効率が向上する。
また、経過時間が、例えば5日以上から15日未満であれば、印字前に循環撹拌動作を約20秒、リザーブタンク撹拌動作を約20秒で行うことができる。これにより、インクが十分に撹拌された状態で記録動作が開始されるので、記録物の品質を維持することができる。また、同様に、印字動作中には、インク濃度をより均一化にするために、循環撹拌動作を約15秒、リザーブタンク撹拌動作を約15秒で行うことができる。
さらに、経過時間が、例えば15日以上で30日未満であれば、印字前に循環撹拌動作を約20秒、リザーブタンク撹拌動作を約20秒で2回まで交互に繰り返すことができる。また、同様に、印字動作中には、インク濃度をより均一化にするために、循環撹拌動作を約15秒、リザーブタンク撹拌動作を約15秒で行うことができる。
なお、経過時間が、例えば30日以上であれば、循環撹拌動作を約20秒、リザーブタンク撹拌動作を約20秒、さらに循環撹拌動作を約45秒、そしてリザーブタンク撹拌動作を約20秒で行うことができる。また、同様に、印字動作中には、インク濃度をより均一化にするために、循環撹拌動作を約15秒、リザーブタンク撹拌動作を約15秒で行うことができる。
次に、図11、12を用いて、バードフィード供給方式によってインクタンク5からリザーブタンク4へインクを自動供給する際に、第1開閉弁、第2開閉弁の開閉動作について説明する。
図11は、記録動作時のインク供給系の概念図である。図12(a)、(b)は、記録動作時の第1、第2開閉弁の動作状態の説明図である。
図11または図12(a)、(b)に示すように、記録動作時に、インク供給路6に配置された第1、第2開閉弁(31、32)と、インク流路2に配置された開閉弁3を開状態に維持することが望ましい。
一方、前述したように、第1回転部材に同軸に設けられ異なる位相位置(図5または図8に示す)を有する第1、第2カム部(41a、41b)によって、第1、第2開閉弁(31、32)を同時に開状態にすることができない。
しかしながら、第2回転部材に同じ位相を有する第4、第5カム部(42a、42b)によって、第1回転部材(第1、第2カム部)の位置に寄らず、第1、第2開閉弁(31、32)を同時に開状態(開位置)に維持することができる。
また、第2回転部材に同軸に配置された第6カム部42cを設けることにより、第1、第2開閉弁(31、32)と開閉弁3を同時に開状態にすることができ、記録動作中にインクタンク5から記録ヘッド1までの流路を開放することができる。よって、より安定したインク供給を実現することができる。
このように、前記第2回転部材によって第1開閉弁および第2開閉弁が開状態に切り替えられた状態で、記録動作を開始することができる。また、第2回転部材によって第1開閉弁および第2開閉弁が開状態に切り替えられた状態で、インクタンクからリザーブタンクへインクを供給することができる。
なお、第1、第2回転部材(41、42)を設けた場合、回転部材の初期化動作の際、第2回転部材42を先に回転させ、第1、第2開閉弁(31、32)を開状態に切り替えた後、第1回転部材を回転させることが好ましい。
即ち、第2回転部材を作動させて、第1開閉弁および第2開閉弁が開状態に切り替えられた後、第1回転部材を作動させることによって、第1回転部材および第2回転部材を初期化することができる。
これにより、インク供給路6を先に大気連通させた状態で、可撓部を駆動することができ、インク供給路6内のインク圧力の変動によってインクの吹き出しを防止できる。
例えば、インクタンク5を取り外した状態で、第1回転部材を先に回転させると、第2開閉弁が閉状態で可撓部が縮小され、圧縮されたインクがインク給路6を通じて第1中空管8側へ押し出されて吹き出す可能性がある。前述した順に初期化動作を行うことにより、インクの吹き出しを有効に防ぐことができる。
本実施例では、経過時間は、前回の撹拌動作から起算されるが、前回の循環撹拌動作(第1の撹拌動作)を起点としてもよく、リザーブタンクの撹拌動作(第2の撹拌動作)を起点としてもよい。なお、記録動作開始後に循環撹拌動作が実行された場合、記録動作と並行に行う循環撹拌動作を起点としてもよい。
また、起算する際の起点は、撹拌動作の開始時でもよく、終了時でもよい。即ち、起算の基準点が同じであれば、任意の時点でもよい。
また、撹拌時間(又は回数)は、経過期間の他に、環境温度、インク種類などに応じて適宜に変更することができる。なお、本実施例では、可撓部33の容積変化は約1秒で1回の縮小動作と1回の拡大動作を行う(即ち、1Hzで可撓部を変形動作させている)。
本実施例では、循環撹拌動作を行う際、第2開閉弁32を閉じ(S501)、第1開閉弁31を開いた状態(S502)で、可撓部33を縮小変形させる(S503)ことにより、インク供給路6からインクタンク5へインクを押し込む(第1の動作)。その後、第1開閉弁を閉じ(S504)、第2開閉弁を開いた状態(S505)で、可撓部33を拡大変形させる(S506)ことにより、リザーブタンク4からインク供給路6へインクを引き込む(第2の動作)。これらの動作を交互に繰り返すことにより、インクタンク5とリザーブタンク4の間でインクが循環移動される。
なお、循環撹拌動作を上記の順番とは逆に行っても良い。即ち、第1開閉弁31を閉じ、第2開閉弁32を開いた状態で、可撓部33を拡大変形させることにより、リザーブタンク4からインク供給路6へインクを引き込む(第2の動作)。その後、第2開閉弁32を閉じ、第1開閉弁31を開いた状態で、可撓部33を縮小変形させることにより、インク供給路6からインクタンク5へインクを押し込む(第1の動作)ようにしてもよい。同様に、これらの動作を交互に繰り返すことにより、インクタンク5とリザーブタンク4の間でインクが循環移動される。
前述したように、本実施例では、循環動作の際に、インクタンク5の底部付近の濃いインク(5a)がリザーブタンク4へ流入される。リザーブタンク4に流入した濃いインクをより効率的にインクタンク5へ移動(循環)させるために、リザーブタンク4内におけるインク供給路6の開口は、空気導入路10の開口の直下位置の付近に配置されることが望ましい。
即ち、鉛直方向に沿って見たとき、開口10cを開口6cの近傍に配置することが好ましい。言い換えれば、開口10cと開口6cの中心距離を所定値以下(例えば、5cm以下)に設定することが好ましい。
また、鉛直方向に見たとき、開口10cと開口6cが重なるように(直下)配置すれば、より効率的にインク供給路6へ移動して循環させることができる。即ち、開口10cからリザーブタンク4に流入(落下)した比較的濃いインク(5a)をリザーブタンク4内の底部付近の濃いインク4aと混ざった状態でインク供給路6へ素早く移動することができる。
なお、インクタンク5またはリザーブタンク4へインクが流入する際のインク量および流速によって、インクタンクまたはリザーブタンク内のインクの流れの強さを制御することができる。一方、インク量および流速は、可撓部33の容積変化量および変化速度によって制御される。このため、可撓部33を制御することにより、リザーブタンクの動作またはインクタンクおよびリザーブタンクの循環撹拌動作を独立して制御することができる。
前述したように、インク撹拌機構は、インクタンクの着脱動作後に撹拌制御を開始するように構成してもよい。
具体的には、インクタンク5が装置本体に装着された後、インクタンク5からリザーブタンク4へインクが充填される。リザーブタンク4へのインクの充填が完了すると、循環撹拌動作(図7を参照する)を行うことができる。
なお、インクタンク5の装着状態(着脱)は、前述した着脱センサ18(図3を参照する)によって検知される。
また、複数色のインクタンクの撹拌動作を同時に行っても良く、個別に行っても良い。
なお、本実施例では、第1、第2回転部材(41、42)に近接した位置に、位相検知を行う位相センサ(図示なし)を備えることができる。位相センサによって、第1、第2開閉弁(31、32)、可撓部33または開閉弁3の状態を検知することができる。位置センサは、発光素子および受光素子を備える光学的なフォトセンサであってもよく、他の形態のセンサであってもよい。
また、本実施例では、1色分のインク流路について説明したが、複数色のインク流路の場合に同時に制御するように構成してもよい。
なお、複数色のインク流路の場合に、第2回転軸42に配置された第4〜6カム部(42a〜42c)の位相を色ごとに同じにする必要があるが、第1回転軸41に配置された第1〜3カム部(41a〜41d)の位相は、色ごとに同じにする必要がない。即ち、第1〜3カム部の位相を色ごとにずらすことができる。位相をずらすことにより、第1回転部材にかかる負荷を分散させることができ、駆動動作を平滑化することができ、作動音の軽減に有利である。
3.その他
以下、インクタンク5の撹拌後のリザーブタンク4へのインク供給(補給)について説明する。
前述したように、リザーブタンク4のインク撹拌が終了した後に、記録動作をしながらインクタンク5の撹拌動作を行うことができる。この場合、リザーブタンク4内のインクが消費されるため、インクタンク5のインク撹拌動作が終了した後に、インクタンク5からリザーブタンク4へインクを供給(補給)する必要がある。
インクの供給方法として、第1開閉弁31と第2開閉弁32を開け、空気導入路10を介してインクタンク5へ空気が導入されると共に、インクタンク5からリザーブタンク4へインクが自動的に供給(補給)される(バードフィード供給方式)。
なお、バードフィード供給方式のインク供給量(供給速度)が記録動作に使用されるインク使用量(使用速度)以上である必要がある。本実施例では、インク供給量(供給速度)は、リザーブタンク4内のインク液面(即ち、空気導入路10下端の開口10cの端面の高さ位置)と第2の中空管9の下端面9a(図2を参照する)との「高低差(水頭差)」によって決定される。この高低差は、インク使用量に応じて、適宜に設定することが可能であるが、本実施例では、この高低差を約20mmとして設定している。
また、本実施例では、可撓部の内部容積の最大変化量は、インク供給路の容積よりも大きく設定することができる。これにより、より効率的にインクを撹拌することができる。
また、本実施例では、第1の中空管8と第2の中空管9は共に金属針で構成されているが、それぞれをインク供給路6と空気導入路10の一部として形成してもよい。即ち、インク供給路6の一端をインクタンク5の底部に接続し、他端がリザーブタンクの底部に接続してもよい。また、空気導入路10の一端をインクタンク5の底部に接続し、他端をリザーブタンク4の上部に接続してもよい。
また、本実施例では、検知手段17は電極34を用いてリザーブタンク4の残量検知(即ち、「満タン状態」及び「空状態」の検知)を行っているが、電極の他に、別のセンサを採用してもよい。例えば、フロート式や光学式等の他のセンサを採用してもよい。
また、本実施例では、インクタンク5の「空状態」の検知を、リザーブタンク4の「満タン状態」を検知するセンサによって間接的に行っているが、インクタンク5に専用のセンサを設けても良い。
また、本実施例では、リザーブタンク4の空状態の検知を電極34による方式で行っている。なお、リザーブタンク4の満タン位置(状態)の検知のみを電極34で行い、満タン位置を下まわったことを検知した後にヘッド1からの吐出数をカウントするドットカウント方式の検知手段を採用してもよい。
また、本実施例では、リザーブタンク4内の液面と記録ヘッドの吐出口面の間の高低差H(水頭差)によって、通常状態では記録ヘッド内が負圧に維持されている。また、記録動作の際に、記録ヘッド側の毛管力によってリザーブタンク4から記録ヘッド1へインクが自動的に供給される。このような方式に対して、リザーブタンク4と記録ヘッド1の間の流路2に送液ポンプ(図示なし)を設けて、リザーブタンク4内のインクが送液ポンプによって吸い込まれた後、記録ヘッドへ加圧された状態で供給されるようにしても良い。
また、本実施例では、開閉部が開閉弁で構成されているが、開閉弁に限らず、開閉可能な構成であればよい。例えば、開閉部を、駆動停止時に流路を遮断可能なポンプで構成されてもよく、開状態と閉状態とに切換可能な可撓部で構成されてもよい。
以上のように、本発明によれば、第1回転部材の回転動作に伴い、同軸に配置された第1〜3カム部が所定の位相に従って、第1、第2開閉部および容積変化部を連続的に作動させることにより、流路内のインクを高速に移動させることができる。また、第2回転部材を設けることによって、より安定的にインクタンクからリザーブタンクへインクを供給することができる。