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JP6541687B2 - 中鎖グリセリドを含有する即時放出フィルムコーティング、及びそれによってコーティングされている基材 - Google Patents
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JP6541687B2 - 中鎖グリセリドを含有する即時放出フィルムコーティング、及びそれによってコーティングされている基材 - Google Patents

中鎖グリセリドを含有する即時放出フィルムコーティング、及びそれによってコーティングされている基材 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年1月21日に出願された米国仮特許出願第61/929,735号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、中鎖グリセリドを粘着性除去剤(detackifier)として含有する即時放出フィルムコーティング製剤に関する。本発明はまた、こうしたフィルムコーティングを有する医薬基材、及びこれを調製する方法にも関する。
フィルムコーティング組成物中に粘着性除去剤を使用することは、即時放出フィルムコーティング用途及び腸溶性フィルムコーティング用途の何れの先行技術にも記載されている。本発明の譲受人に譲渡された米国特許8,388,983号は、事実上水に溶解しない微細な粒子径の粘着性除去剤を含む、フィルムコーティング製剤を記載する。これらの粘着性除去剤は、室温において、単独で、フィルムコーティング製剤の一部として、且つ、水中に分散された場合に、固形である。これらの微細な粒子径の粘着性除去剤を含有するフィルムコーティングは、良好な防湿性及び高い生産性など、多くの利点を有するが、これらのコーティングを使用する場合に、時折、審美的な問題が観察されることがある。事実上水に溶解しない微細な粒子径の粘着性除去剤は、剤形上のロゴ中に存在することもあり、あるいは、とりわけコーティングが暗色の場合に、錠剤表面上の微小斑点(specks)として観察されることもある。
米国特許8,388,983号
したがって、良好な防湿特性及び高い生産性の利点を有する、改善されたフィルムコーティング組成物の必要性が、未だに存在する。本発明は、前記必要性に取り組むものである。
驚くべきことに、中鎖グリセリドを粘着性除去剤として含む即時放出フィルムコーティング製剤は、周囲温度の水中によく分散し、医薬組成物上にコーティングされている場合に、人工胃液及び人工腸液の両方において、2時間未満で完全に崩壊することが見出された。本発明のフィルムコーティングを錠剤などの口腔基材上に使用することによって、先行技術と比較して、製剤化されたコーティングシステムの防湿性能が同等になるか、又は良好になると同時に、製品の外観もまた、例えば、目に見える微小斑点の量が低減するという点で、改善される。
本発明は、中鎖グリセリドを粘着性除去剤として含有する、完全製剤化フィルムコーティングシステムの開発に関する。本発明はさらに、中鎖グリセリドを含む水性分散液、前記フィルムコーティング材料(システム)を周囲温度の水中に分散させることによって前記水性分散液を調製する方法、さらには、本発明の中鎖グリセリドを含むフィルムコーティングを経口摂取可能な基材上で乾燥させた経口摂取可能な基材に関する。
本発明の一態様では、医薬及び関連技術用の粉体フィルムコーティング組成物が提供される。好ましい乾燥粉体フィルムコーティング組成物は、一種又は複数種のポリマー、例えばポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略称することもある)、粘着性除去剤としての中鎖グリセリド、並びに場合により、可塑剤、滑剤、顔料及びフィルムコーティング製剤に一般に使用される他の添加剤を含む。本発明の好ましい態様では、中鎖グリセリドは、グリセリンのカプリル酸(8炭素鎖)及びカプリン酸(10炭素鎖)のモノエステル及びジエステルの混合物を含む。
本発明の別の態様では、周囲温度の水中で調製される上記フィルムコーティング組成物の水性分散液が提供される。当該分散液は、好ましくは、水以外の成分(non-water ingredients)を約5〜約40%の含有量で含む。さらに別の態様は、経口摂取可能な基材を当該コーティング懸濁液でコーティングする方法、並びにこれらの方法によって調製されたコーティングされている基材を含む。
本発明の好ましい態様では、即時放出フィルムコーティングが調製され、当該即時放出フィルムコーティングは、本明細書に記載する量(重量増分)で、経口摂取可能な基材上にコーティングされている場合に、人工の胃液及び腸液の両方において、2時間以内で完全に崩壊する。さらに、コーティングされている経口摂取可能な基材は、コーティングされている摂取可能な基材の表面上の、特にロゴなどを含み得る凹型押又は彫り込みされた部分の目に見える微小斑点が低レベルである。即時放出フィルムコーティングシステムにおけるこの特性の組合せは、先行技術及び既存の市販の製品と比べて明らかに有利である。
本発明のために、以下の用語について、それらの意味をさらに説明する:
「経口摂取可能な基材」とは、任意の薬学的に許容される剤形、例えば、錠剤、カプセル、カプレットなど、あるいは、飲み込むことを意図した任意の他の獣医用又は製菓用の製品を意味することを理解されたい;
「乾燥粉体」とは、液体を実質的に含まない粉体というよりも、触ると比較的乾燥している粉体を意味することを理解されたい;
「周囲温度」とは、一般に約20℃(68°F)〜約30℃(86°F)+/-3℃の範囲の温度を意味することを理解されたい;
「グリセリン」とは、「グリセロール」と同義であり、「グリセロールエステル」とは、グリセリドと同義である;
「人工胃液(simulated gastric fluid)」とは、酵素を含む又は含まない、緩衝化されていてもされていなくてもよい、約1〜約5.5のpHを有する媒体である;さらに
「人工腸液(simulated intestinal fluid)」とは、酵素を含む又は含まない、緩衝化されていてもされていなくてもよい、約5.5〜約8のpHを有する媒体である。
本発明のフィルムコーティング組成物は、一種又は複数種のポリマー、中鎖グリセリド、及び場合により、滑剤、顔料、界面活性剤、又は他のフィルムコーティング助剤を含む。
ポリマーは、フィルムコーティング技術で一般に用いられる、任意の即時放出フィルム形成剤(film formers)であり得る。ポリマーとしては、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール(PVA)、及びPVAをベースとするコポリマーを挙げることができる。好ましいPVAのグレードは、ポリ酢酸ビニルの酢酸基の86.5〜89モル%を加水分解することにより調製されたものである。PVAコポリマーとしては、PVA-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、例えばKOLLICOAT IRという商標名で販売されているものや、PVA-メチルメタクリラート-アクリル酸コポリマー、例えばPOVACOATという商標名で販売されているものを挙げることができる。いくつかの態様では、ポリマーは、水性コーティング溶液を調製する場合に周囲の水への溶解が容易になるのに十分なほど小さい粒子径のポリマー、好ましくは250ミクロン未満のポリマーである。これらのポリマーの2種以上を併用することができる。本発明の多くの態様において、PVAが好ましいポリマーである。
ほとんどの実施形態では、本発明の粉体混合物に含まれるポリマーの量は、約20〜約70重量%である。いくつかの好ましい実施形態では、当該量は、約25〜約60%の範囲であり、より好ましくは約30〜約50%の範囲である。2種以上のポリマーを併用する場合には、当該ポリマーを合わせた総量は、約20〜約70重量%である。また、2種以上のポリマーを使用する場合には、好ましいポリマーの総量は、約25〜60%であり、より好ましくは約30〜約50%である。
中鎖グリセリドは、グリセリンと、6個〜10個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸との、モノエステル、ジエステル、及びトリエステルであり得る。このような酸の例としては、全部で6個〜10個の炭素原子を有する、直鎖の酸、例えばヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、(カプリル酸としても知られる)、ノナン酸、及びデカン酸(カプリン酸としても知られる)、並びに分岐脂肪族カルボン酸が挙げられる。最も好ましい、グリセリンの、モノエステル、ジエステル、及びトリエステルは、周囲温度で、液体状態のまま存在する。グリセリンのジエステル又はトリエステルを使用する場合、各分子のカルボン酸部分は、同じであっても、異なっていてもよい。エステルの混合物(異なるカルボン酸との、モノエステル、ジエステル及び/又はトリエステルであり得る)を使用してもよい。
一般に、グリセリンのカルボン酸エステルは、モノエステル、ジエステル及びトリエステルの混合物である。モノエステル及びジエステルは、後述するように、水酸基が存在するため好ましい。多くの場合、グリセリンのエステルを調製するときには、モノエステル、ジエステル及びトリエステルが一緒に生成する。エステルの相対比は、製造条件及び試薬の割合に依存し得る。混合物からトリエステルを除去してもよいが、全量のトリエステルを完全に除去することは、製造の観点から、経済上、実用的でないことが多い。したがって、多くの市販のモノエステル及びジエステルの製品は、少量のトリエステル、例えば最大10重量%のトリエステルを含有しており、すなわち、90重量%のグリセリンのモノエステル及びジエステルを含有する。
同様に、多くの場合、市販のモノエステル及びジエステルの製品には、少量の未反応のグリセリン(最大約10%)が存在し得る。これらの少量のグリセリンの存在は、モノエステル及びジエステルの特性に大きな影響を与えない。中鎖グリセリドはまた、それらの特性に悪影響を与えることなく、少量(最大10重量%)の高分子量のグリセリンのエステルを含有し得る。これらは、11個〜18個の炭素原子を有するカルボン酸を含み得る。中鎖グリセリドは、周囲温度で、液体状態のまま存在することが好ましい。
本発明の最も好ましい態様では、中鎖グリセリドは、グリセリンのカプリル酸(8炭素鎖)及びカプリン酸(10炭素鎖)のモノエステル及びジエステルの混合物を含む。グリセロールモノカプリロカプラートが好ましい。ヨーロッパ薬局方(EP)に列挙される、グリセロールモノカプリロカプラートタイプIは、その一例であり、Cremer Oleo, GmbH and Co. KG、Hamburg、Germanyから、Imwitor 742という商標名で、入手可能である。別の供給元としては、Capmul MCM, EP及びCapmul MCM, NFという商標名で入手可能な製品を有する、Columbus OHのAbitecが挙げられる。グリセロールモノカプリロカプラートタイプIは、45〜75%のモノエステル、20〜50%のジエステル、10%未満のトリエステル、及び3%未満の遊離グリセリンを含む。炭素鎖分布は、50〜90%のC8(すなわち8個の炭素)、10〜50%のC10、3%未満のC12、及び1%未満のC14である。別の好ましいグリセロールモノカプリロカプラートは、49〜61%のモノエステル及び7%以下の遊離グリセリンを含む。
中鎖グリセリドは、主に粘着性除去剤として使用され、医薬錠剤などをフィルムコーティングする際に生じる恐れがある、錠剤と錠剤のくっつきの発生を、本発明の組成物をベースとする水性の懸濁液/分散液を使用することにより低下させる。いかなる特定の理論に縛られることを望むものではないが、モノエステル及びジエステルは、ポリマーの粘着性除去剤として十分に機能すると考えられ、なぜなら、それらは、遊離の水酸基及びカルボン酸エステルの両方を有しているからである。中鎖グリセリド上の水酸基は、ポリマー鎖上の水酸基と水素結合を形成することができ、一方で、より多くの疎水性エステル基は、ポリマー鎖間の広範な会合を制限するための障壁として作用する。両方の機構は、一緒に作用することで、粘着性を生じさせることになるポリマー鎖間の分子間会合を防ぐ。乾燥粉体混合物中に存在する中鎖グリセリド粘着性除去剤の総量は、必要性によるが、約1〜約30重量%の広い範囲とすることができる。当該範囲は、好ましくは約2〜約15重量%、より好ましくは約3〜約7重量%である。
滑剤は、錠剤が相互の上を流れるのを促進し、平滑な表面仕上げを施すために、場合により使用される。タルク及びカオリンが、好ましい滑剤である。好ましいタルクのグレードでは、コーティングされている経口摂取可能な基材の表面上の目に見える微小斑点の存在を除去するために、構成粒子の90%が50ミクロン未満である。より好ましいタルクのグレードでは、目に見える微小斑点の存在をより低減し、さらに、分散特性を高めるために、構成粒子の90%が20ミクロン未満である。滑剤の量は、存在する場合、必要性によるが、約1〜約50重量%の広い範囲とすることができる。当該範囲は、好ましくは約4〜約40%、より好ましくは約10〜約35%である。
顔料はまた、場合により添加され、食用又は医薬用に認可された任意の着色料、乳白剤又は染料であり得る。例えば、顔料は、アルミニウムレーキ、酸化鉄、二酸化チタン、天然着色料又は真珠光沢顔料(例えば、Candurinという商品名で販売されている雲母系顔料)であり得る。こうした顔料の例は、米国特許第4,543,570号に列挙されており、この特許を参照により本明細書に組み込む。顔料は、含まれている場合には、粉体混合物中、約0超〜約40%、好ましくは約4〜約32%、より好ましくは約7〜約30%の顔料の範囲(重量による)で使用することができる。しかしながら、本発明の粉体混合物に使用される顔料の量は、コーティングされる基材の表面に、外面コーティングとして必要とされる外観を付与するのに十分な量又は有効な量であることを理解されたい。
さらに、粉体混合物は、フィルムコーティングに通常用いられる補足成分又は補助成分を含んでもよい。こうしたアジュバントの非限定的なリストとしては、界面活性剤、懸濁助剤、甘味料、風味料、可塑剤など、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80である。ラウリル硫酸ナトリウムが、より好ましい界面活性剤である。界面活性剤は、乾燥フィルムコーティング組成物中、約0.1〜約5%、より好ましくは約1〜約4%の範囲で含まれ得る。界面活性剤の用途及び機能は、先行技術において一般に教示され且つ使用されているフィルム形成プロセスを向上させることである。
粉体混合物は、当業者に公知の標準の乾式のブレンド又は混合の技術を用いて調製される。例えば、成分は、個々に重さを量り、適切な装置に加えられ、当該成分の実質的に均一な混合物が得られるまでの十分な時間ブレンドされる。もちろん、こうした実質的な均一性を達成するのに必要な時間は、使用するバッチサイズ及び装置に左右され得る。中鎖グリセリドなどの液体の添加は、顕著な凝集又は分離が生じないように行う。これは、ブレンドしながら、乾燥成分に、液体の中鎖グリセリドを徐々に加えることにより達成することができる。また、プレブレンドを使用することもでき、ここでは、初めに、液体の中鎖グリセリドを乾燥成分の一部分に加え、その後、残りの乾燥材料を加える。必要に応じて、プレブレンドをバルクで調製し、使用することにより、小さなバッチに必要な混合時間を短縮することができる。全ての場合において、液体の中鎖グリセリドを乾燥成分に加える場合には、均質性を確実にするのに十分な時間、成分を混合しなければならない。
上記のように、バッチサイズは、必要に応じて変わり得る。好適なブレンド装置の非限定的なリストとしては、Patterson-Kellyから市販されているクロスフロー、V-ブレンダー又はハブブレンダーなどの拡散ブレンダーが挙げられ、あるいは、Ruberg/Azo、Readco/CVM、又はServoliftブレンダーなどの対流ブレンダーを使用することができる。上記の製剤のブレンドは、湿式塊化(wet massing)、流動床顆粒化(fluid bed granulation)、噴霧造粒(spray granulation)及び乾式圧縮(dry compaction)、ローラー圧縮(roller compaction)又はスラッギング(slugging)を含むが、これらに限定されない方法によって、成分を粒状に加工して、埃の立たない粒状コーティング組成物を調製することによって達成することもできる。他のブレンド方法は当業者に明らかであろう。
本発明によるいくつかの好ましい乾燥フィルムコーティング組成物には、以下が含まれる:
上記の表から、好ましい乾燥フィルムコーティング組成物は、本明細書に記載するポリマー及び中鎖グリセリドを少なくとも含むことが理解されよう。追加の成分が含まれている場合、ポリマーと中鎖グリセリドの量はそれに比例して減少するが、両方の成分は、なお本明細書に記載する範囲内であり、乾燥ブレンド中の全ての成分の総量は、100重量%になるようにする。
例証するためであって限定するものではないが、100グラムの上記のブレンド粉体混合物を400グラムの周囲温度の水中に分散させることにより、約20%の水以外の成分を有する水性分散液を調製することができる。水は、重さを量り、適切な容器、すなわち、最終の懸濁液の深さとほぼ等しい直径を有する容器の中に入れる。低せん断ミキサー、好ましくは、混合容器の直径の約1/3の直径を有する撹拌翼を有するものを、下げて水中に入れ、容器の縁から撹拌翼のほぼ真上まで渦巻を形成するように回転させて、空気の巻き込みを防止する。乾燥粉体が過剰に蓄積されない速度で、100グラムの乾燥フィルムコーティング組成物を渦巻に加える。泡立ちを避けるために、空気が懸濁液中に引き込まれないように、撹拌翼の速度及び深さを調節する。低速で、好ましくは350rpm以下で、均質な混合物が確実に生成するのに十分な時間、懸濁液を撹拌させる。上記のバッチサイズを規準として使用すると、約45分の混合時間が必要である。その後、当該懸濁液を、医薬基材などの上にスプレー(噴霧)するために準備する。当業者はまた、実質的に均質な水中固体混合物を調製する多くの方法があること、並びに、本発明の範囲は使用する装置に全く依存しないことを理解するであろう。好ましい水性分散液は、その中に、約5〜約40%、好ましくは約15〜約35%の水以外の成分を含有し得ると考えられる。
本発明のさらに別の実施形態では、本発明のフィルムコーティング製剤でコーティングされている経口摂取可能な基材が提供される。コーティングされている基材は、環境上の水分及び酸素の存在下、高い安定性を有すると同時に、優れた外観及び均一性を有する。
以下の実施例に記載するように、本方法は、フィルムコーティング組成物を水性懸濁液として経口摂取可能な基材の表面に塗布するステップを含む。フィルムコーティングは、こうした物品をコーティングするために一般に使用されるパンコーティング又はスプレーコーティングの方法の一部として施すことができる。施されるコーティング量は、コーティングを施すために使用する装置、コーティングされる基材、フィルムコーティングの性質及び機能性などを含むいくつかの要因に左右され得る。本発明のいくつかの即時放出用途では、基材は、錠剤であり、約0.25〜約5.0%の理論的重量増加までコーティングされ得る。好ましくは、この理論的重量増加は、前記基材の約1.0〜約4.5重量%であり、より好ましくは、この理論的重量増加は、前記基材の約2.0〜約4.0重量%である。上記のように、本発明のコーティング溶液は、粉体混合物及び水に加えて、補助成分も含むことができる。
上記のコーティングされている経口摂取可能な基材はまた、経口摂取可能な基材と本発明の中鎖グリセリドを含むフィルムコーティングの間にサブコートフィルムコーティングを含むこともできる。選択されるサブコートは、経口摂取可能な基材と本発明のコーティングの両方に対して、相溶性があり、且つ接着する可食フィルムコーティング組成物をベースとすることが好ましい。したがって、当業者は、本発明においてサブコートとして使用するために、多種多様な医薬コーティング又は食物として許容されるコーティングから選択することができる。サブコートはまた、経口摂取可能な基材に施されて、基材に対し、約0.25〜約5.0%の重量増加をもたらす。
使用される方法又はフィルムコーティング組成物に含まれる特定の材料にかかわらず、本発明の経口摂取可能な基材は、ポリマー及び中鎖グリセリドを含むことになる。
以下の実施例は、本発明をさらに理解するのに役立つものであるが、決して本発明の有効な範囲を限定することを意味するものではない。全ての成分は重量%で表されている。
実施例1
本発明の乾燥コーティング組成物のための好ましい製剤は以下のものである:
乾燥フィルムコーティング組成物の調製:
全ての乾燥成分(PVA、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、及び二酸化チタン)を実験用ブレンダー中に加え、均質な混合物が生成するまで5分間ブレンドすることにより乾燥フィルムコーティング組成物を調製した。次いで、唯一の液体成分であるグリセロールモノカプリロカプラートを乾燥混合物に徐々に加え、全ての液体が導入された後に、混合物全体をさらに2分間ブレンドした。
水性分散液の調製:
乾燥フィルムコーティング組成物(100グラム)を400グラムの周囲温度の水中に分散させることにより、20w/w%の水以外の成分を有する水性コーティング懸濁液を調製した。水は、重さを量り、最終分散液の深さとほぼ等しい直径を有する容器の中に入れた。低せん断ミキサーを下げて水中へ入れ、容器の縁から撹拌翼の真上まで渦巻を形成するように回転させて、空気の巻き込みを防止した。乾燥粉体又は泡が過剰に蓄積されない速度で、100グラムの乾燥フィルムコーティング組成物を渦巻に加えた。泡立ちを避けるために、空気が懸濁液中に引き込まれないように、撹拌翼の速度及び深さを調節した。低速(350rpm以下)で45分間、懸濁液を撹拌させて、コーティングに好適な均質な水性分散液を調製した。
錠剤のコーティング:
2.5キログラムバッチの凸型プラセボ錠剤(直径10mm)を、直径15''のパンインサートと口径1mmのノズルが取り付けられた一つのスプレーガンを装備した、全体に穴が開いたサイドベント式のコーティングパンであるO'Hara LabCoatにおいて、上記の水性分散液でスプレーコーティングした。平均的なコーティングパラメーターは以下の通りであった:入口温度(IT)76℃、排気温度(ET)48℃、コーティングベッド温度(BT)45℃、空気流量297立方メートル/時間、差圧-0.1インチ水柱、噴霧空気圧(AP)1.4バール、パン速度(PS)18rpm。錠剤と錠剤、又は錠剤とコーティングパンのくっつきは、30グラム/分の噴霧速度では観測されなかった。4.0%の理論的なコーティング重量増加を錠剤に施した。得られたコーティングされている錠剤は、平滑で、べとつかず、光沢があった。
水蒸気透過速度の測定:
水蒸気透過速度(MVTR)は、初めに、60℃に加熱された金属板上に固定された平らなポリエチレンテレフタレート(PET)表面上に、上記の水性分散液を順次噴霧して、当該分散液からキャストフィルム試料を調製することにより決定した。これより、試験用に100ミクロンの厚膜を得た。フィルムのMVTRは、Mocon PermaTran-W 1/50装置で測定され、ここでは、25℃において80%RH勾配で、試料を試験した。実施例1の製剤から調製したキャストフィルムのMVTRは、95グラムH2O/日/m2であった。
コーティングされている錠剤の視覚評価:
100個のランダムに選択した錠剤について、小さな白色の微小斑点の存在を注意深く観測した。100個の錠剤のうち、たった9個の錠剤において、少なくとも1つの非常に小さい微小斑点が、錠剤表面上に存在した。ロゴ充填は観測されなかった。
崩壊試験
崩壊試験をUSPの崩壊方法にしたがって実施した。6個の錠剤を前記の通り調製し、バスケットアセンブリ中に入れ、人工胃液(0.1N HCl、pH 1.2)、又は人工腸液 (pH 6.8のリン酸塩緩衝液)のいずれかに浸漬させた。約28〜32サイクル/分の速度で、バスケットを上下に動かした。試験期間全体にわたって、錠剤の完全性(integrity)を評価し、最初の錠剤が崩壊するまでの時間と、最後の錠剤が崩壊するまでの時間を記録した。次に、これらの値を使用して、各媒体における試料の平均崩壊時間を決定した。錠剤の平均崩壊時間は、0.1N HCl及びpH 6.8のリン酸塩緩衝液において、それぞれ86秒及び93秒であった。
比較例A
製剤からグリセロールモノカプリロカプラートを取り除き、それを補償するためにタルク量を増加した以外は、実施例1と同様にして製剤を調製した。
実施例1に記載した方法と同様の方法で、水性分散液の調製及びコーティングのプロセスを実施した。製剤は水性媒体中に十分に分散せず、顕著な泡立ちが観測された。30グラム/分の噴霧速度でコーティングを施した場合、1回の回転当たり、20〜25個の錠剤が、コーティングパンの内側にくっつくことが観測された。100個の錠剤のうち、100個の錠剤において、目に見える微小斑点が錠剤表面上に存在し、さらに、ロゴ充填が観測された。
実施例2〜12
実施例1に記載した方法と同様の方法で、フィルムコーティング組成物(それぞれ100グラム)及びそれらを含む水性分散液を調製した。コーティング性能及び錠剤特性を同様に評価した。
実施例2〜6は全て、白い微小斑点を示す錠剤数、及びコーティングパンの内側にくっつく錠剤数の両方が、比較例Aに対して著しく減少したことを示した。グリセロールモノカプリロカプラートの量が、組成物の少なくとも4%であった場合に、最良の改善が観測された。
実施例7〜10は全て、白い微小斑点を示す錠剤数、及びコーティングパンの内側にくっつく錠剤数の両方が、比較例Aに対して著しく減少したことを示した。このことは、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の量を変化させ、ポリマーの種類を変更した場合にも同様であった。
実施例11及び12は、界面活性剤の種類を変更した場合に、白い微小斑点を示す錠剤数、及びコーティングパンの内側にくっつく錠剤数の両方が、比較例Aに対して著しく減少したことを示した。
実施例13〜15は、ポリマーをPVAからKollicoat IRに変更し、グリセロールモノカプリロカプラートを粘着性除去剤として使用した場合に、白い微小斑点を示す錠剤数、及びコーティングパンの内側にくっつく錠剤数の両方が、比較例Aに対して著しく減少したことを示した。
本発明の好ましい実施形態であると考えられているものを記載したが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、これらに変更及び修正を加えることができることを理解するであろう。本発明の真の範囲内にあるこうした変更及び修正の権利を全て主張するつもりである。

Claims (16)

  1. ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVAをベースとするコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー、及び10%以下のグリセリンのトリエステルを含有する中鎖グリセリドを含む粘着性除去剤、ここで、粘着性除去剤はグリセロールモノカプリロカプラートである、を含む、粉体の形態である即時放出フィルムコーティング組成物。
  2. ポリマーが、PVAである、請求項1に記載のフィルムコーティング組成物。
  3. 滑剤、顔料、界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群からの構成要素をさらに含む、請求項1に記載のフィルムコーティング組成物。
  4. 界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムであり、滑剤が、タルク又はカオリンである、請求項3に記載のフィルムコーティング組成物。
  5. ポリマーが、粉体フィルムコーティング組成物の20〜70重量%を構成する、請求項1に記載のフィルムコーティング組成物。
  6. a)ポリマーが、PVAであり、b)中鎖グリセリドが、グリセロールモノカプリロカプラートを含み、c)滑剤が、タルクであり、且つd)界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムである、請求項3に記載のフィルムコーティング組成物。
  7. 中鎖グリセリドが、粉体フィルムコーティング組成物の1〜30重量%を構成する、請求項1に記載のフィルムコーティング組成物。
  8. 中鎖グリセリドが、粉体フィルムコーティング組成物の2〜15重量%を構成する、請求項1に記載のフィルムコーティング組成物。
  9. 中鎖グリセリドが、粉体フィルムコーティング組成物の3〜7重量%を構成する、請求項1に記載のフィルムコーティング組成物。
  10. を含む、請求項3に記載のフィルムコーティング組成物。
  11. を含む、請求項10に記載のフィルムコーティング組成物。
  12. を含む、請求項11に記載のフィルムコーティング組成物。
  13. 請求項1に記載のフィルムコーティング組成物及び水を含む、水性懸濁液。
  14. 請求項13に記載の水性懸濁液でコーティングされている、経口摂取可能な基材。
  15. 0.25〜5.0%の理論的重量増加が得られるまで、基材が、フィルムコーティング組成物を含む水性懸濁液でコーティングされており、フィルムコーティング組成物が、1〜8のpHを有する媒体中に、2時間未満で崩壊又は溶解する、請求項14に記載の経口摂取可能な基材。
  16. 請求項1に記載のフィルムコーティング組成物及び他の任意の添加物を、周囲温度で、水中に分散させるステップを含む、水性フィルムコーティング分散液を製造する方法。
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