JP6541756B2 - スクラブ剤およびスクラブ含有洗浄剤 - Google Patents
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Description
(1)粉砕法
素材をミルやハンマーなどによって粉砕し、スクラブ剤を得る方法。代表的なものとしては、クルミの殻やトウモロコシの穂軸などの植物素材の粉砕物などが挙げられる。
(2)造粒法
撹拌造粒機や流動層造粒機を用いて、素材に対して水溶性結合剤の水溶液を噴霧することで造粒し、スクラブ剤を得る方法。特許文献1および特許文献2には、澱粉やセルロース等の粉状物質を造粒することにより、使用時の圧力や水によって崩壊する使用感の良好なスクラブ粒子が記載されている。
(3)液相法
素材を一度溶解させ、生成した溶液が特定の溶媒や架橋剤の存在下で不溶化することを利用して、スクラブ剤を得る方法。特許文献3にはグルコマンナンゲルを用いた、歯や皮膚への刺激性の低いスクラブ粒子が開示されている。特許文献4には、ゼラチン,寒天等の熱可逆性を有するゲルを形成する水溶性高分子を、アルギン酸塩,ペクチン等の多価金属イオンにより架橋,増粘する水溶性高分子とともに固化させることにより得られる球状造粒物が記載されている。
(1)粉砕法によって得られるスクラブ剤は、十分なマッサージ効果や汚れの除去効果が認められるが、スクラブ剤表面の形状が滑らかではなく、かつ強度が硬すぎるため、皮膚へ過度の刺激を与える。
(2)造粒法によって得られるスクラブ剤は、崩壊性が高く、皮膚への刺激性が低い反面、その崩壊性のために使用初期しか十分なスクラブ感が得られない点や、水溶性結合剤を用いることから、洗浄剤配合した際に洗浄剤に含まれる水分により、造粒が崩れるという問題がある。
(3)液相法によって得られるスクラブ剤は、粒子の形状や硬度などが改善され、良好なスクラブ感が得られるが、製造時にエタノールや流動パラフィンなど有機溶媒を必要とするため、有機溶媒の回収設備が必要になることや、製造コストの上昇などの問題がある。
1.糊化澱粉を含有し、かつ糊化度が10〜90%である、粒子状のスクラブ剤。
2.膨潤崩壊率が1.0〜5.0である、1に記載のスクラブ剤。
3.メディアン径が50〜1000μmである、1〜2のいずれかに記載のスクラブ剤。
4.スクラブ剤を洗浄剤に配合時またはスクラブ剤配合洗浄剤を使用時に水と接触させ、スクラブ剤を吸水膨潤させることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のスクラブ剤の使用方法。
5.1〜3のいずれかに記載のスクラブ剤を含有する洗浄剤。
天然の結晶状態にある未糊化澱粉を水存在下で加熱すると、澱粉粒は徐々に膨潤を始め、粘度が発現する。この現象は糊化の一例であり、水素結合によって結晶構造をとっている澱粉分子鎖が、加熱により水素結合が切れて結晶構造が緩み、分子鎖間に水分子が入り込み、水和するによって起こる。この糊化が開始する温度は糊化開始温度といい、示差走査熱量測定(DSC)の吸熱ピークが現れる点と定義される。糊化澱粉は、未糊化澱粉と比較して、偏光顕微鏡下で観察される澱粉の複屈折の部分/完全消失が確認される。また、このような糊化状態にある澱粉をドラムドライヤーやエクストルーダー等の乾燥装置により、高温状態のまま急速乾燥することによって得られる粉末は、冷水で糊化状態を再現できることから、様々な用途で利用されている。
一方、糊化澱粉を冷却すると、時間経過に伴い、白濁や離水が起こる。この現象は老化と呼ばれ、澱粉分子鎖間に再び水素結合が構成され、再結晶化して凝集することによって起こる。このような状態の澱粉は、老化澱粉と呼ばれ、未糊化澱粉とは異なる結晶構造を有しており、未糊化澱粉と比較すると、結晶化度の変化や複屈折の消失などが確認することが出来る。老化は高温状態(70℃以上)ではほとんど起こらないが、温度の低下と共に老化進行が加速し、水が凍結する直前の2〜4℃で最大に達する。老化澱粉は前述した特徴から、水への溶解性の低下や酵素分解に対して抵抗性を示し、代表例である春雨や冷ご飯などはレジスタントスターチ(RS)を含む食品として認知されている。
馬鈴薯澱粉4質量部(以下、部とする)を水50部の中に分散し、沸騰浴中にて糊化させキャリア糊とした。このキャリア糊に馬鈴薯澱粉96部と水70部を加えた後、十分に混錬し澱粉スラリー(水分率約62%)とした。ステンレストレイに澱粉スラリーを厚さ1cm程度となるように流し込み、90℃の蒸し器中で15分間糊化を行った後、冷水中にて粗熱をとり、糊化澱粉を得た。更に、前記糊化澱粉を4℃にて冷却して所望の糊化度とした後、棚式乾燥機 (50℃)で水分が20質量%以下になるまで乾燥後、小型粉砕機(柴田科学器機工業株式会社製、SCM−40A型)にて粉砕、篩により分級し、粒度の異なる粒子状のスクラブ剤(A1〜A3)を得た。
製造例1において、4℃を−20℃に変更して冷却させた以外は同様の方法で製造を行い、粒度の異なる粒子状のスクラブ剤(A4,A5)を得た。
カルボキシメチルセルロース0.5部およびミョウバン0.5部を水50部の中に分散し、加温溶解させキャリア糊とした。このキャリア糊に馬鈴薯澱粉70部と甘藷澱粉30部および水120部を加えた後、十分に混錬し、澱粉スラリーとした。ステンレストレイに澱粉スラリーを厚さ1cm程度となるように流し込み、90℃の蒸し器中で15分間糊化を行った後、冷水中にて粗熱をとり、糊化澱粉含有組成物を得た。更に、前記糊化澱粉含有組成物を4℃にて冷却して所望の糊化度とした後、棚式乾燥機 (50℃)で水分が20質量%以下になるまで乾燥後、小型粉砕機にて粉砕、篩により分級し、粒度の異なる粒子状のスクラブ剤(A12,A13)を得た。なお、カルボキシメチルセルロースおよびミョウバンを添加せず、馬鈴薯澱粉70部と甘藷澱粉30部のみで同様の方法を用いて得られる糊化澱粉の糊化度は、10%以上であった。
カルボキシメチルセルロース0.5部およびキサンタンガム0.5部を水50部の中に分散し、加温溶解させキャリア糊とした。このキャリア糊に馬鈴薯澱粉70部とコーンスターチ30部および水120部を加えた後、十分に混錬し澱粉スラリーとした。ステンレストレイに澱粉スラリーを厚さ1cm程度となるように流し込み、90℃の蒸し器中で15分間糊化を行った後、冷水中にて粗熱をとり、糊化澱粉含有組成物を得た。更に、前記糊化澱粉含有組成物を4℃にて冷却して所望の糊化度とした後、棚式乾燥機 (50℃)で水分が20質量%以下になるまで乾燥後、小型粉砕機にて粉砕、篩により分級し、粒度の異なる粒子状のスクラブ剤(A14,A15)を得た。なお、カルボキシメチルセルロースおよびキサンタンガムを添加せず、馬鈴薯澱粉70部とコーンスターチ30部のみで同様の方法を用いて得られる糊化澱粉の糊化度は、10%以上であった。
ワキシーコーンスターチ4部を水50部の中に分散し、沸騰浴中にて糊化させキャリア糊とした。このキャリア糊にワキシーコーンスターチ96部と水70部を加えた後、十分に混錬し澱粉スラリーとした。ステンレストレイに澱粉スラリーを厚さ1cm程度となるように流し込み、90℃の蒸し器中で15分間糊化を行い、糊化澱粉を得た。更に、前記糊化澱粉を常温で放冷して所望の糊化度とした後、棚式乾燥機 (50℃)で水分が20質量%以下になるまで乾燥後、小型粉砕機にて粉砕、篩により分級し、粒度の異なる粒子状のスクラブ剤(A16,A17)を得た。
ハイアミロースコーンスターチ20部を水50部の中に分散し、沸騰浴中にて糊化させキャリア糊とした。このキャリア糊にハイアミロースコーンスターチ80部と水70部を加えた後、十分に混錬し澱粉スラリーとした。ステンレストレイに澱粉スラリーを厚さ1cm程度となるように流し込み、90℃の蒸し器中で15分間糊化を行った後、冷水中にて粗熱をとり、糊化澱粉を得た。更に、前記糊化澱粉を−5℃で冷却して所望の糊化度とした後、棚式乾燥機 (50℃)で水分が20質量%以下になるまで乾燥後、小型粉砕機にて粉砕、篩により分級し、粒度の異なる粒子状のスクラブ剤(A18,A19)を得た。
馬鈴薯澱粉100部に水120部を加え、澱粉スラリーを調製した。得られた澱粉スラリーを、常法に従ってダブルドラムドライヤー(蒸気内圧:6.0kg/cm2、ドラム径φ0.4m、ドラム長さ0.5m、回転数1.2rpm)で糊化および急速乾燥を行い、糊化澱粉を得た。得られた糊化澱粉を、小型粉砕機にて粉砕し、篩により分級し、フィルム状のスクラブ剤(B1)を得た。
2軸型エクストルーダーに、豌豆澱粉をフィード量22.0g/minで連続的に供給するとともに、3〜5g/minで水を投入し、バレル温度150℃、ダイ出口温度130〜140℃、圧力60〜80kgf/cm2で押出すことにより、糊化および急速乾燥を行い、糊化澱粉を得た。得られた糊化澱粉を、小型粉砕機にて粉砕し、篩により分級し、粒子状のスクラブ剤(B2,B3)を得た。
流動層造粒コーティング装置を用いて、常法に従い、コーンスターチ100部に対してポリビニルアルコール5部を水200部に分散した溶液をバインダー液として造粒を行い、篩により分級し、顆粒状のスクラブ剤(C1)を得た。
流動層造粒コーティング装置を用いて、球形細粒状澱粉「グラフローM」(日澱化學株式会社製)100部に対してアルギン酸Na3部を水100部に分散した溶液を球形細粒状澱粉表面にコーティングした。続いて、塩化カルシウム3部を水100部に分散した溶液をコーティングし耐水化を行った。得られた耐水性造粒物を篩により分級し、顆粒状のスクラブ剤(C2)を得た。
レーザ回折式粒子径分布測定装置(SALD−2200 : 株式会社島津製作所製、回分セル使用)を使用して測定を行い、エタノール中および水中にスクラブ剤を分散し、1分後におけるメディアン径を測定値とした。
下記の式に従い、スクラブ剤の水中における膨潤崩壊率を算出した。
膨潤崩壊率=(水中におけるスクラブ剤のメディアン径)÷(エタノール中におけるスクラブ剤のメディアン径)
A1、A4、A6、A10、A12、A14、A16、A18およびN1、B1、B2のスクラブ剤について、必要に応じて各スクラブ剤を小型粉砕機にて精粉し、100mesh篩を通したものを測定サンプルとする。糊化度は以下の方法により測定を行った。
・ 0.8M酢酸緩衝液(pH 6.0)
・ 2M酢酸液
・ 酵素液 (1mL中にプルラナーゼ3.4単位,β-アミラーゼ0.8単位を含む)
プルラナーゼ,β-アミラーゼを0.8 mol/L 酢酸緩衝液(pH 6.0)に溶解し、不溶性部分をNo.2のろ紙でろ過する。
・ 銅試液
A液:15%硫酸銅液(CuSO4・5H2O 15g/100mL)
B液:無水炭酸ソーダ25g, ロッセル塩25g, 炭酸水素ナトリウム20g,無水硫酸ソーダ200gをイオン交換水で1Lとする。
A液 1.0mL,B液 25mLの割合で混じ銅試薬として用いる。
・ ネルソン試液
モリブデン酸アンモニウム25gを900mLのイオン交換水にとかし、これに濃硫酸42gおよびひ酸水素二ナトリウム七水和物3gを加える。さらにイオン交換水を加えて全量1Lとする。
1.試料100mgをガラス製ホモジナイザー(テフロン(登録商標)ペストル付き)にとり、10mLのイオン交換水を加え、ホモジナイザーを上下して十分に分散を行う。この後、4mLずつを2本の50mLメスフラスコにとる。
2.1本は0.8M酢酸緩衝液(pH6.0)で定容し、(A)試料用サンプルとする。他の1本には0.4mLの10M 水酸化ナトリウム水溶液(NaOH) を加えて、3〜5分50℃の温浴中で完全に糊化させる。その後、2mLの2M酢酸を加えて中和する。0.8M酢酸緩衝液(pH 6.0)で定容し(B)完全糊化試料とする。
3.試験管に(A)(B)それぞれについて4mL採取し、酵素液1mLを加え、40℃で30分間振とう恒温槽中で反応を行う。同時に(a)ブランク試験用として、試料用サンプル4mLと失活酵素(10分間煮沸、沈殿物をNo.2のろ紙でろ過)1mLを加えた区分をつくる。
4.反応終了後、5分間沸騰浴中で酵素を失活させ、5倍に希釈する。これより1mL採取し、ソモジー-ネルソン(Somogyi−Nelson法)に準じて還元力を測定する。
<ソモジー-ネルソン法に準じた方法>
5.ネジ付試験管に試料1mLと銅試薬1mLを加えて栓をし、沸騰浴中で10分間加熱する。
6.その後急冷し、ネルソン試薬1mLを加えて混合し酸化銅(I)(Cu2O)を溶かして発色させる。イオン交換水を20mL加えて希釈する。
7.15分後500nmの吸光度を測定する。
8.次式に従い、糊化度を測定する。
糊化度(%)=((A)試料用サンプルの吸光度 ―(a)ブランクの吸光度))÷((B)完全糊化試料の吸光度 ―(a)ブランクの吸光度))×100
市販の洗顔フォーム(花王株式会社製:ビオレスキンケア洗顔料 リッチモイスチャー、成分に水を含む)95部にスクラブ剤A1〜A19を5部添加し、十分に混合分散した。スクラブ剤単独および得られたスクラブ剤配合洗顔フォームを使用した際の官能評価を行った。評価項目及び評価方法は以下の通りとし、結果を表3に示す。
(試験区A)乾燥状態のスクラブ剤1g、(試験区B)スクラブ剤配合洗顔フォーム1g、(試験区C)スクラブ剤配合洗顔フォーム1gに水10gを添加したもの、以上の3つに関して、手のひらで擦り合わせた際のスクラブ感(粒子感)を評価した。
+3:スクラブ感がかなり強い
+2:スクラブ感が強い
+1:適度なスクラブ感(0よりもやや強い)
0:適度なスクラブ感
−1:適度なスクラブ感(0よりもやや弱い)
−2:スクラブ感が弱い
−3:スクラブ感がかなり弱い、或いはスクラブ感を感じない
試験区Bにおいて、継続して1分間手のひらで擦り合わせを行う。1分後のスクラブ感(粒子感)に関して、持続性を評価した。
◎:1分後も使用直後と同等のスクラブ感を感じる
○:1分後もスクラブ感を感じる
×:スクラブ感を感じない
試験区Cにおいて、手のひらで擦り合わせを行った際の刺激性を評価した。
◎:痛感などの刺激性がない
○:痛感などの刺激性がほとんどない
×:痛感などの刺激性があり、不快感がある
調整したスクラブ剤配合洗顔フォームを50℃の恒温機中に1週間保存した。1週間後、試験区Bと同様に試験を行い、配合安定性を評価した。
◎:1週間後も調製直後と同程度のスクラブ感を有している
○:1週間後もスクラブ感を有している(◎よりやや劣る)
×:1週間後、調製直後よりもスクラブ感が大きく低下、或いは消失している
S:使用感(試験区B、C)の評価が±1または0であり、かつ、持続性・刺激性・配合安定性のうち、×を含まず◎が2個以上である場合
A:使用感(試験区B、C)の評価が±1または0であり、かつ、持続性・刺激性・配合安定性のうち、×を含まず◎が1個である場合
B:使用感(試験区B、C)の評価が±1または0であり、かつ、持続性・刺激性・配合安定性の全てが○である場合
C:使用感(試験区B、C)の評価が±2または±3である、または、持続性・刺激性・配合安定性のうち、×が1個以上である場合
スクラブ剤A1をスクラブ剤N1、B1〜B3、C1〜C2、D1、E1に変更した以外は実施例1と同様の方法でスクラブ剤配合洗顔フォーム作成し、官能評価を行った。結果を表4に示す。
一方、糊化度が90%以上であるスクラブ剤(B1〜B3)を使用した場合、上記A1〜A19と同様に粒子の膨潤は起こるが、本発明の特徴であるスクラブ感や洗浄剤への配合安定性が得られない。
以下に本発明のスクラブ剤を含有する洗浄剤の処方例を示すが、処方例は各製品の製造における常法により製造したもので、剤中の含有量のみを示した。又、本発明はこれらの処方に限定されるわけではない。なお、各表に記載の数値は、組成物全体を100とした時の質量%である。
Claims (4)
- 糊化澱粉を含有し、糊化度が10〜90%であり、膨潤崩壊率が1.3〜5.0である、粒子状のスクラブ剤
- メディアン径が50〜1000μmである、請求項1に記載のスクラブ剤。
- スクラブ剤を洗浄剤に配合時またはスクラブ剤配合洗浄剤を使用時に水と接触させ、スクラブ剤を吸水膨潤させることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のスクラブ剤の使用方法。
- 請求項1〜2のいずれかに記載のスクラブ剤を含有する洗浄剤。
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