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JP6545779B2 - 電池集電体用アルミニウム合金箔 - Google Patents
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JP6545779B2 - 電池集電体用アルミニウム合金箔 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池の正極集電体等として用いられる電池集電体用アルミニウム合金箔に関する。
近年、リチウムイオン電池の高容量化を目的として、電極集電体であるアルミニウム箔や銅箔、そしてセパレータの薄肉化が要求されている。正極の集電体として使用されるアルミニウム箔は薄肉化される事で、電池製造ライン中での破断を生じやすくなる。その為アルミニウム箔を薄肉化する際は、破断を抑制する為、高強度化や高伸び化が求められるのが一般的である。
電池の電極製造工程中には、集電体であるアルミニウム箔に熱が加わる工程がある。例えばリチウムイオン電池の製造では、電極スラリーを集電体に塗布した後に200℃程度で熱乾燥を行うのが一般的である。アルミニウム箔は、この熱乾燥等の熱処理によって機械的性質が変化するが、熱処理前後で高い伸びを有する箔が求められる場合が多い。熱処理前の段階で伸びが低いと、製造ライン中で箔が破断する、あるいは破断にまでは至らずともシワが入る事がある。また熱処理後の箔にも高い伸びが求められる。電池の充放電時に電極合材の膨張収縮によってアルミニウム箔が破断したり、シワが入ったりすることを防ぐには、熱処理後でも箔が高伸びであることが重要である。
特許文献1には、Fe:0.8〜2.0%(質量%、以下同じ)、Ti:0.02%以下(0%を含まず、 以下同じ)を含有し、不純物としてのSiを0.15%以下、Cuを0.05%以下に規制し、残部Alおよびその他の不可避不純物からなるアルミニウム合金箔であって、引張強度が160MPa以上で、ダブルブリッジ法により液体窒素中で測定した電気抵抗が0 .55μΩcm以下であるリチウムイオン電池電極集電体用アルミニウ ム合金箔が開示されている。また、強度と低温熱処理(170℃で5分間)後の十分な伸びを確保するために、熱間圧延を400〜450℃で開始し、200〜250℃で終了するのが好ましいとされ、低温熱処理後の伸びが3%以上であることが記載されている。
特許文献2には、質量%で、Fe:0.8%以上2.0%以下、Si:0.35%以下、Ti:0.05% 以下を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなり、ピンホールの発生がなく、円相当直径が10〜50nmのAl−Fe系化合物が1立方μm当たり800個以上存在し、 引張強さが160MPa以上で、100℃で1分のオイルバス熱処理後の引張強さが150MPa以上で、さらに120℃で1分のオイルバス熱処理後の引張強さが150MPa未満であるリチウムイオン電池電極集電体用アルミニウム合金箔が開示されている。
特開2010−150637号公報 特開2011−241410号公報
本発明は、圧延性をさらに向上させ、熱処理前後で高い延性を有する電池集電体用アルミニウム合金箔の提供を目的とする。
アルミニウム箔は圧延によって製造されるが、その圧延性は箔の厚みが薄い程低下する。その為、一般的に厚みの薄い箔を製造する際は、箔を2枚重ねて圧延する重合圧延が行われている。重合圧延は目標とする箔厚みに対し、圧延時にはその2倍の厚さで圧延が出来る為、1枚圧延であるシングル圧延に比べ圧延性が良好である。重合圧延によって得られるアルミニウム箔は、圧延の際に箔同士が接触した内側の面が光沢の無い艶消し面となり、一方、圧延ロールと接した表面は高い光沢を有する光沢面となる。この艶消し面の表面は光沢面に比べ平滑でなく凹凸を有している。この凹凸の影響で、シングル圧延で得られた両面光沢箔と比較し、箔の伸び特性は低下する傾向にある。その為、リチウムイオン電池の集電体のような高い伸び特性を要求されることの多い製品においては、重合圧延はあまり用いられていない。また、この表面の凹凸は箔のピンホールの原因となる為、やはり品質の厳しい製品では用いにくいとされている。
本発明では、このような重合圧延箔においても高い伸びを確保すべく、以下の構成の電池終電体用アルミニウム合金箔とした。
すなわち、本発明の電池集電体用アルミニウム合金箔は、Fe:1.0質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.06質量%以下、Cu:0.006質量%以上0.015質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが180MPa以上、伸びが6.0%以上であり、厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下のシングル圧延箔であり、200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが14%以上であり、平均結晶粒径が6μm以下、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比が3.0以下である。
また、本発明の電池集電体用アルミニウム合金箔は、Fe:1.0質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.06質量%以下、Cu:0.006質量%以上0.015質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが180MPa以上、伸びが5.0%以上であり、厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下の重合圧延箔であり、200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが12%以上であり、平均結晶粒径が6μm以下、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比が3.0以下であ
本発明の電池集電体用アルミニウム合金箔は、圧延性が向上し、熱処理前後で高い延性を有する。
以下、本発明に係る電池集電体用アルミニウム合金箔の実施形態について説明する。
この電池集電体用アルミニウム合金箔は、Fe:1.0質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.06質量%以下、Cu:0.006質量%以上0.015質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有する。これら元素の添加理由は以下の通りである。
・Fe:1.0質量%以上1.8質量%以下
Feは、鋳造時にAl−Fe系金属間化合物として晶出し、それが核となって結晶粒を微細化する効果がある。1.0%未満ではその微細化の効果が乏しく、熱処理前後共に結晶粒サイズが大きくなり高伸びを得にくい。1.8%を超えるとAl−Fe系の粗大金属間化合物が生成しやすくなり、伸びや圧延性が低下する。またこの粗大金属間化合物は重合圧延で得られる片面艶箔のピンホールの原因にもなる。
・Si:0.01質量%以上0.06質量%以下
Siを0.06%以下に規制する事で、熱処理後の結晶粒サイズが均一且つ微細化され、高い伸び特性を得る事が出来る。またFeの析出の抑制にもつながり、冷間圧延中の過度な加工軟化を抑制する事が出来る。またSiを低減する事でAl−Fe―Si系の粗大な金属間化合物の生成が抑制され、薄箔におけるピンホールの抑制も期待できる。さらに本発明者はSiの規制により、Al−Fe合金を重合圧延した際の艶消し面の凹凸を抑制する効果を見出しており、重合圧延で製造された片面艶箔の延性向上や、圧延時の破断抑制にもつながっている。Siの含有量が0.06質量%を超えるとAl−Fe系の金属間化合物が粗大化し伸びが低下する。さらに粗大な金属間化合物は重合圧延時の艶消し面の表面粗さを増加させる為、重合圧延箔の伸びが特に低下する。一方、Siの含有量が0.01質量%未満であるとFeの析出が過度に抑えられてしまう為、加工硬化が大きくなる事で箔の伸びと圧延性が低下する。また再結晶の核生成サイトになりうるある程度の大きさの金属間化合物の密度が低下し、また再結晶阻害によって中間焼鈍時の再結晶粒径が粗大且つ不均一化し最終的な箔の伸びの低下を招く恐れがある。また製造時にSiを0.01質量%未満に抑えるには非常に純度の高いAl地金を使用する必要があり、製造コストが極めて高くなる。その為Siを0.01質量%以上添加する事が望ましい。
・Cu:0.006質量%以上0.015質量%以下
Cuは硬質箔の強度を増加させる元素である。0.006%未満の場合、冷間圧延時に過度な加工軟化を生じる可能性が高まり、最終的に得られた箔について引張強さが大幅に低下するリスクがある。圧延途中で過剰な加工軟化を生じた場合、熱処理前後での結晶粒組織が不均一・粗大化し、伸びの低下も生じる。Cuを0.006%以上添加する事で冷間圧延におけるこの過度な加工軟化を抑制し、安定した機械的性質を得る事が出来る。ただし0.015%を超えて添加すると箔の高強度化により伸びが大きく低下する。また再結晶温度が上がり、200℃で12時間の熱処理を行っても再結晶を生じず高延性を得る事が困難となる。また高い含有率のCuは圧延時にサイドクラックが発生しやすくなり、重合圧延であっても圧延性が低下する。
以上の組成を有する電池集電体用アルミニウム合金箔において、電池集電体用アルミニウム合金箔では、シングル圧延により製造されたシングル圧延箔と、重合圧延により製造された重合圧延箔とがある。
(重合圧延箔)
重合圧延箔では、常温(25℃)における引張強さが175MPa以上、伸びが5.0%以上であり、厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下である。また、200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが12%以上である。
このような構成とするのは以下の理由による。
・引張強さが180MPa以上、伸びが5.0%以上
製造ライン中での箔の破断を防ぐ為に、最終冷間圧延後の箔の引張強さは180MPa以上必要である。また伸びは高い程好ましい。重合圧延で製造された伸び特性として不利な片面艶箔であっても、伸びが5.0%以上を有する事で不具合を防止できる。
・圧延後の箔の厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下
本発明者は圧延後の硬質箔において、箔の厚さ方向の結晶粒界の数が多い程延性が向上する傾向を見出している。結晶粒界の間隔1.0μmを境にして極端に伸びが変わる事はないが、厚さの薄い箔の場合は厚さ方向の粒界間隔が1.0μm以下となる事で、安定した高い伸びを得る事が出来る。
・200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが12%以上
電極スラリーを集電体に塗布した後の熱乾燥を想定した熱処理後において、箔の引張強さが100MPa、0.2%耐力が60MPa、伸びが12%のいずれかを下回ると、電池製造ライン中で強度不足やシワによる箔の破断を生じるリスクが高くなるため、熱処理後の引張強さ等が上記範囲であることが望ましい。ただし、実際の集電体の熱処理の条件が上記に限定されるものではない。
前述のようにSiやCuを規定する事で、延性に優れ、且つ伸び特性が非常に優れた箔を得る事が出来る。
・200℃で12時間熱処理した後の平均結晶粒径が6μm以下、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比が3.0以下
電極スラリーを集電体に塗布した後の熱乾燥を想定した熱処理後においても、結晶粒径を微細化する事で材料が均一に変形し易くなり、伸び特性が向上する。しかし微細な結晶粒の中に粗大な結晶粒が混在した場合、変形時に応力集中を生じ早期にくびれが発生し破断に至る。平均結晶粒径が6μm以下で且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比を3.0以下とした微細且つ均一な結晶粒組織を成す事で、熱処理後に安定した高延性が確保できる。
(シングル圧延箔)
シングル圧延箔は重合圧延箔に比べて伸びを大きくすることができ、伸びを6.0%以上とすることができる。すなわち、シングル圧延箔では、常温(25℃)における引張強さが175MPa以上、伸びが6.0%以上であり、厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下である。また、200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが14%以上であり、平均結晶粒径が6μm以下、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比が3.0以下である。
この電池集電体用アルミニウム合金箔の厚みとしては、特に制限されないが、6μm以上30μm以下の範囲とすることが好ましい。アルミニウム合金箔の厚みが6μm未満の場合、電気抵抗が増加して電池特性が低下するおそれがある。また、圧延により厚さ6μm未満のアルミニウム箔を製造するのは重合圧延であっても難しく、工程の追加を余儀なくされるおそれがある。アルミニウム合金箔の厚みが30μmを超える場合、電池内に巻き込めるアルミニウム合金箔の枚数が減り、電池容量が低下するおそれもある。厚さの好ましい範囲は10μm以上30μm以下である。
以上のような組成、特性を有する電池集電体用アルミニウム合金箔は以下のようにして製造される。
まず、前述した所定の組成範囲としたアルミニウム合金を、既知の半連続鋳造法や連続鋳造圧延法などの常法により溶製する。
その鋳塊を500℃以上580℃以下の温度で4〜16時間の条件で均質化処理した後、熱間圧延してアルミニウム合金板とする。この熱間圧延の仕上がり温度は280℃以下とする。次に、必要に応じて中間焼鈍を行った後、冷間圧延を行うことにより、所望の厚みのアルミニウム合金箔を得ることができる。冷間圧延における最終冷間圧延率は98.2%以上とするのが好ましい。
以下、これらの条件について説明する。
・均質化処理:500℃以上580℃以下の温度で4〜16時間
温度が500℃未満の均質化処理ではFeの析出が過度に促進され、Feの固溶量が低下するため、圧延時に加工軟化が生じ引張強さが低下する、また低温熱処理で軟化する要因となる。また580℃を超えるとAl−Fe系晶出物が粗大化するおそれがあり、結晶粒の粗大化や箔の圧延性が低下するリスクがあり望ましくない。加えて高温ではFeの析出も十分ではなく、最終圧延後に箔を200℃で12時間熱処理を行っても再結晶を生じず高延性を得る事が難しい。また4時間未満の保持では均質化処理としては不十分であり、箔の特性や製造コストの観点からも16時間を超える処理は意味が薄い。このため、均質化処理の条件を上記範囲に定めるのが望ましい。より望ましい温度の下限は540℃、上限は580℃である。
・熱間圧延仕上がり温度280℃以下
熱間圧延の仕上がり温度は、巻取り後の再結晶を出来るだけ抑制する為280℃以下とする事が好ましい。巻取り圧延後に280℃を超えると部分的に再結晶を生じ、未再結晶領域と混在した結晶粒組織となるリスクがある。そうなった場合には中間焼鈍後、ひいては最終圧延後の結晶粒組織の不均一化を招き延性が低下する懸念がある。
・中間焼鈍条件
本実施形態のアルミニウム合金は良好な圧延性を有しており、冷間圧延途中での中間焼鈍は不要であるが、所望により実施しても良い。中間焼鈍には、コイルを炉に投入し一定時間保持するバッチ焼鈍(Batch Annealing)と、連続焼鈍ライン(Continuous Annealing Line、以下CAL焼鈍という)により材料を急加熱・急冷する2種類の方式がある。中間焼鈍する場合、本発明ではいずれの方法でも良いが、圧延後の強度と伸びを重視するならばCAL焼鈍、200℃熱処理後の伸びを重視するならばバッチ焼鈍が好ましい。バッチ焼鈍を採用する場合は、300〜450℃で3〜6時間の保持を実施することが望ましい。
・最終冷間圧延率:98.2%以上
アルミニウム合金は圧延を行うだけで結晶粒が分断し微細化することが知られている(grain subdivision)。圧延率が高いほど結晶粒の微細化が進むため、冷間圧延時の最終冷間圧延率を98.2%以上とすることで、箔の厚さ方向の結晶粒界の間隔が狭くなり、より高い伸び特性を得ることができる。なお、ここでいう最終冷間圧延率とは、圧延工程中の中間焼鈍を行った場合は、中間焼鈍時の厚みから最終厚みまでの冷間圧延率であり、中間焼鈍を行わない場合は、冷間圧延直前の板厚から最終厚みまでの冷間圧延率であり、それぞれ[{(圧延前板厚−圧延後板厚)÷圧延前板厚}×100]により算出することができる。シングル圧延、重合圧延とも、最終冷間圧延率として98.2%以上が好ましい。
最終冷間圧延の圧延率が大きくなるに従って、製造されるアルミニウム合金箔の引張強度と伸びが同時に増加する傾向がある。
・重合圧延の際の圧下率:10%以上50%以下
圧下率が10%未満では良好な艶消し面が得られず、50%を超えると艶消し面の表面粗さが大幅に大きくなり、伸びの低下を招く。圧下率は、1回の圧延パスにおける圧延率である。
この場合、このアルミニウム合金は伸び特性が良いので、シングル圧延、重合圧延のいずれをも採用することができる。
また、最終冷間圧延後のアルミニウム合金箔の厚さは特に限定されないが、前述の如く、6μm以上30μm以下(より好適には10μm以上30μm以下)の範囲の厚みとすることが好ましい。
以上の工程により、リチウムイオン電池の集電体用アルミニウム合金箔を製造することができる。シングル圧延箔の場合は、両面光沢面となるが、重合圧延箔の場合は片面が光沢面、反対面が艶消し面となる。この重合圧延箔の艶消し面における凹凸は、算術平均粗さRaで0.20μm以下が好ましい。
以上のように製造された電池集電体用アルミニウム合金箔は、圧延性が向上し、熱処理前後で高い延性を有する。
以上、本発明に係る電池集電体用アルミニウム合金箔の実施形態について説明したが、上述の実施形態は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す組成(残部Alおよび不可避不純物)からなるアルミニウム合金の鋳塊を半連続鋳造により鋳造した。得られた鋳塊を均質化処理した後に熱間圧延、冷間圧延により、最終箔厚が各々12μmのアルミニウム合金箔を得た。熱間圧延後に中間焼鈍したものも作製した。この均質化処理、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延の各条件は表1に示す通りとした。重合圧延の場合は、シングル圧延で厚さ17.2μmまで圧延した後に、2枚を重ね合わせて(総厚み34.4μm)圧延し、24μmの厚みとした。1枚の箔は12μmの厚みである。圧下率は30%である。
Figure 0006545779
作製したアルミニウム合金箔について、引張強さ、伸び等の以下の項目を測定した。
(引張強さ・0.2%耐力・伸び)
機械的性質は、JIS Z2241に準拠し、試料からJIS5号試験片を採取し、万能引張試験機(島津製作所製)で引張り速度2mm/秒にて測定を行った。
(表面粗さ)
重合圧延で得られた片面艶箔の艶消し面の表面形状をJIS B0633:2001に基づいて触針式の表面粗さ測定機(東京精密製)を用いて測定し、JIS B0601:2001の定義に基づいて算術平均粗さRaを求めた。
(厚さ方向の結晶粒径測定)
アルミニウム合金箔のRD―ND面をCP(cross section polisher)にて切断し、この切断面をSEM−EBSD法にて解析を行った。倍率×2000倍で箔の厚さ全体を、実際に粒径を測定する際は×3000倍で観察を行った。得られた方位マッピング像において、方位差が15°以上の粒界を表示したgrain mapより、線分法で箔の厚み方向の結晶粒径を算出した。尚、×3000倍の観察は一つの試料で3視野行い、結晶粒径はその平均値とした。
(平均結晶粒径及び最大結晶粒径/平均結晶粒径の比)
箔表面を電解研磨した後、SEM(Scanning Electron Microscope)−EBSDにて結晶方位解析を行い、結晶粒間の方位差が15°以上の結晶粒界をHAGBs(大傾角粒界)と規定し、HAGBsで囲まれた結晶粒の大きさを測定した。倍率×1000で視野サイズ45×90μmを3視野測定し、平均結晶粒径、及び最大粒径/平均粒径を算出した。一つ一つの結晶粒径は円相当径にて算出し、平均結晶粒径の算出にはEBSDのArea法(Average by Area Fraction Method)を用いた。尚、解析にはTSL Solutions社のOIM Analysisを使用した。
表2はシングル圧延箔、表3は重合圧延箔についての評価結果である。
Figure 0006545779
Figure 0006545779
実施例のアルミニウム合金箔は、優れた引張強さと伸びを有することが確認された。また、いずれの実施例も、圧延時に破断することなく、圧延性も良好であった。

Claims (2)

  1. Fe:1.0質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.06質量%以下、Cu:0.006質量%以上0.015質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが180MPa以上、伸びが6.0%以上であり、厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下のシングル圧延箔であり、
    200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが14%以上であり、平均結晶粒径が6μm以下、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比が3.0以下である事を特徴とする電池集電体用アルミニウム合金箔。
  2. Fe:1.0質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.06質量%以下、Cu:0.006質量%以上0.015質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、引張強さが180MPa以上、伸びが5.0%以上であり、厚さ方向の結晶粒界の間隔が1.0μm以下の重合圧延箔であり、
    200℃で12時間熱処理した後の引張強さが100MPa以上、0.2%耐力が60MPa以上、伸びが12%以上であり、平均結晶粒径が6μm以下、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径の比が3.0以下である事を特徴とする電池集電体用アルミニウム合金箔。
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