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JP6547431B2 - 給紙ローラ - Google Patents
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JP6547431B2 - 給紙ローラ - Google Patents

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本発明は、給紙ローラに関する。
複写機やファクシミリ、プリンター等のOA機器には、用紙などの紙葉類を1枚ずつ分離して給紙するため、給紙ローラが設けられる。給紙ローラは、シャフトの外周にゴム弾性層を備えて構成されており、例えば用紙を摩擦パッドとの間で狭持するように配置される。そして、この状態で給紙ローラが回転することにより、用紙とゴム弾性層との間で生じた摩擦で用紙が1枚ずつ分離され、送り出されることになる。
この給紙ローラにおいては、用紙との摩擦力を高め、用紙を分離させる分離性能を向上させるため、ゴム弾性層の低硬度化が図られている。低硬度化によりゴム弾性層を柔らかくすると、ゴム弾性層を潰れやすくできるため、ゴム弾性層と用紙とが接触する幅(ニップ幅)を大きくし、用紙との接触面積を広げることができる。これにより、用紙との間で生じる摩擦力を高め、給紙ローラの分離性能を向上させることができる。
ただし、ゴム弾性層の硬度が低くなると、耐摩耗性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。そのため、ゴム弾性層を低硬度化するにしても限度がある。このように、給紙ローラにおいては、耐久性の観点から低硬度化が困難であり、耐摩耗性と分離性能とを両立することが困難となっている。
そこで、ゴム弾性層の耐摩耗性を確保しつつ、硬度を低くするため、硬度の異なるゴム弾性層を積層させる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。具体的には、発泡性のウレタンゴムを用いた低硬度な内層と、非発泡性のウレタンゴムを用いて内層よりも高硬度な外層とを積層させた積層構造のゴム弾性層が提案されている。このような積層構造のゴム弾性層によれば、内層を低硬度に形成し、外層を高硬度に形成しているので、用紙と接触する表面の硬度を高くしつつ、全体としての硬度を低くできる。つまり、ゴム弾性層の耐摩耗性を確保しつつ、全体的に柔らかくして大きなニップ幅を得ることができる。その結果、耐摩耗性と分離性能とを両立することができる。
特許第3571983号公報
ところで、給紙ローラは、近年のOA機器等の高性能化に伴って、より低硬度であり、分離性能に優れるものが求められている。そのため、内層を発泡ゴムで形成することにより柔らかくするだけでなく、外層の耐摩耗性を高く維持しつつ、硬度をより低くすることが求められている。
そこで、本発明は、耐摩耗性に優れ、かつ低硬度で大きなニップ幅を確保できる給紙ローラを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
紙葉類の給紙または搬送に用いられる給紙ローラであって、
発泡ゴムから形成される内層と、
前記内層の外周上に設けられ、ウレタンゴム組成物を硬化させて得られる、前記発泡ゴムよりも硬度の高いウレタンゴムから形成される外層と、を備え、
前記ウレタンゴム組成物が、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるエーテル系ウレタンプレポリマと、エチレングリコールとを含有する、給紙ローラが提供される。
本発明によれば、耐摩耗性に優れ、かつ低硬度で大きなニップ幅を確保できる給紙ローラが得られる。
本発明の一実施形態に係る給紙ローラの断面図である。
<給紙ローラ>
以下、本発明の一実施形態に係る給紙ローラについて図を用いて説明をする。図1は、本発明の一実施形態に係る給紙ローラの断面図である。
給紙ローラ1は、図1に示すように、シャフト11の外周上に、発泡ゴムから形成される内層12と、内層12の外周を被覆し、発泡ゴムよりも硬度の高いウレタンゴムから形成される外層13と、を備えて構成されている。
本実施形態では、発泡ゴムから形成される低硬度な内層12と、内層12よりも高硬度な外層13とを積層させている。これにより、用紙と接触する給紙ローラ1の表面を硬くしつつ、給紙ローラ1全体を柔らかく構成することができる。その結果、給紙ローラ1において、用紙と接触する表面での耐摩耗性を確保しつつ、用紙と接触させたときに大きなニップ幅を得ることができる。つまり、本実施形態の給紙ローラ1によれば、用紙との間で大きな摩擦係数が得られ、安定した用紙分離性能を長期にわたった維持することができる。
しかも、本実施形態では、詳細は後述するが、外層13を所定のウレタンゴムで形成することにより、外層13を、耐摩耗性がより高く、かつ硬度がより低くなるように構成している。これにより、本実施形態の給紙ローラ1は、耐摩耗性と用紙分離性能とを高い水準でバランスよく得ることができる。
また、外層を形成するウレタンゴムはエーテル骨格を有しており、水で加水分解しにくいため、給紙ローラ1は高温高湿環境下であっても劣化しにくい。
以下、本実施形態の給紙ローラ1の各構成について詳述する。
(シャフト11)
シャフト11は、内層12や外層13を支持するものである。シャフト11としては、特に限定されないが、例えばポリアセタール(POM)やアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン等の合成樹脂、もしくは鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属材料からなるものが挙げられる。
(内層12)
内層12は、シャフト11の外周上に設けられている。内層12は、発泡ゴムから形成されており、外層13よりも硬度が低くなるように構成されている。発泡ゴムは、気泡を有する架橋ゴムであり、例えば、原料ゴムに発泡剤や発泡助剤を添加したゴム組成物を加熱して発泡させるとともに架橋させることで形成されている。また例えば、液状の原料ゴム中に非反応性の気体を注入することにより発泡させた後、架橋させることで形成されている。
内層12を形成する原料ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エピクロロヒドリンゴム(CO)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)およびノルボルネンゴム(NOR)等を用いることができる。これらの中でもEPDMが特に好ましい。EPDMによれば、主鎖に二重結合を持たないことから耐環境特性に優れるだけでなく、樹脂への圧入時にオゾンクラックなどを発生させるおそれがない。なお、原料ゴムとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
内層12を形成するゴム組成物には、有機系もしくは無機系の化学発泡剤を配合するとよい。また、内層12を架橋させるために、有機過酸化物などの架橋剤もしくは架橋助剤を配合するとよい。
内層12における平均気泡径は、特に限定されないが、内層12の硬度を適度な大きさとする観点からは小さいことが好ましく、例えば300μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。
また、内層12の発泡倍率は、特に限定されないが、1.2倍〜5.0倍であることが好ましい。発泡倍率を1.2倍以上とすることにより、内層12に適度な密度で気泡を形成でき、内層12の硬度を低くすることができる。また、発泡倍率が過度に大きくなると、内層12における気泡壁が薄くなるため、内層12が圧縮永久歪みにより変形し、潰れやすくなるが、5.0倍以下とすることにより圧縮永久歪みを抑制しつつ、低硬度化が可能となる。なお、発泡倍率は、以下の式で算出される。
(発泡倍率)=(発泡前の密度)/(発泡後の密度)
(外層13)
外層13は、内層12の外周上に設けられている。外層13は、内層12を形成する発泡ゴムよりも硬度の高いウレタンゴムから形成されることで、内層12よりも硬度が高くなるように構成されている。外層13を形成するウレタンゴムは、所定のウレタンゴム組成物を硬化させることにより形成されている。以下、ウレタンゴム組成物について詳述する。
一般に、ウレタンゴム組成物は、ポリオール成分とイソシアネート化合物と硬化剤(鎖伸長剤)とを含有する液状の組成物であり、加熱により、これらの成分が反応することで硬化してウレタンゴムとなる。本発明者らは、耐摩耗性が高く、かつ硬度が低いウレタンゴムを形成するため、各成分の組み合わせを適宜変更して検討した。その結果、ポリオール成分としては、エステル骨格を有するポリエステルポリオールよりも、エーテル骨格を有するポリエーテルポリオールを用いた方が、耐摩耗性に優れ、かつ低硬度なウレタンゴムが得られることが分かった。また、硬化剤としてはグリコール成分やジアミン成分などがあるが、これらの中でもエチレングリコールを用いるとよいことが分かった。さらに、ウレタンゴムの形成には、ポリオール成分、イソシアネート化合物および硬化剤を加熱により一段階で反応させてウレタンゴムを得るワンショット法と、ポリオール成分とイソシアネート化合物とを予め反応させて得られたウレタンプレポリマを硬化剤と反応させてウレタンゴムを得るプレポリマ法とがあるが、プレポリマ法で得られるウレタンゴムの方が耐摩耗性および硬度の観点からはよりよいことが分かった。
これらの知見に基づき、本実施形態では、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマと、エチレングリコールとを含有するウレタンゴム組成物を用いている。以下、各成分について詳細に説明をする。
ウレタンプレポリマは、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるものである。具体的には、過剰量のイソシアネート化合物にポリエーテルポリオールを反応させることにより、分子鎖の末端にイソシアネート化合物が結合するイソシアネート末端のウレタンプレポリマである。このウレタンプレポリマは、ポリエーテルポリオールに由来するエーテル骨格を化学構造中に有している。
ポリエーテルポリオールとしては、ウレタンゴムの合成に用いられる公知の成分を挙げることができ、例えば、2個以上の活性水素原子を有する化合物(たとえばポリオール、多価フェノール、アミンなど)にアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物およびそれらの混合物が挙げられる。
ポリオール(多価アルコール)としては、エチレングリコールやジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)等が挙げられる。多価フェノールとしてはピロガロール、ハイドロキノン、レゾルシン、フロログルシンなどの単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンなどのビスフェノール類などが挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、1,4あるいは2,3−ブチレンオキサイド等、およびこれらの2種以上の併用(ブロックまたはランダム付加)が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、ウレタンゴムの合成に用いられる公知の成分を挙げることができ、例えば芳香族ジイソシアネートや脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル(NBDI)などが挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などが挙げられる。なお、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ウレタンプレポリマの数平均分子量は、特に限定されないが、ウレタンプレポリマの30℃での粘度が50cps以上40000cps以下の範囲となるような分子量であることが好ましく、100sps以上25000cps以下となるような分子量であることがより好ましい。ウレタンプレポリマは、分子量が低くなるほど、得られるウレタンゴム(外層13)の硬度が高くなるおそれがあるが、粘度が50cps以上となるような分子量とすることにより、十分な硬度を得ることができる。一方、分子量が高くなり、粘度が大きくなるほど、ウレタンプレポリマの取り扱い性(塗布性)が損なわれて外層13の生産性が低下するおそれがあるが、粘度が40000cps以下の範囲となるような分子量とすることにより、生産性を損なうことなく外層13を形成することができる。
なお、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物との反応は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、これらの成分を撹拌しながら、60〜160℃で反応させて行なうことができる。このとき、必要に応じてジブチル錫ラウリレートやジオクチル錫ラウリレート等の錫系触媒を使用することができる。
ウレタンゴム組成物に配合されるエチレングリコールは、硬化剤(鎖延長剤)として作用し、ウレタンゴム組成物を加熱するときにウレタンプレポリマを重合させるものである。本発明者らの知見によると、グリコール成分の中でもエチレングリコールを用いてエーテル系ウレタンプレポリマを硬化させると、その他のグリコール成分(例えば、比較例で後述する1,4−ブタンジオールなど)を用いる場合と比較して、ウレタンゴムの耐摩耗性を向上させるとともに、硬度を低くできることが見出されている。エチレングリコールおよび1,4−ブタンジオールは、ともに2つのヒドロキシ基を有するグリコール成分であるが、エチレングリコールは、1,4−ブタンジオールに比べて主鎖の長さが短く、両端の酸素部分での自由度が高いため、ウレタンゴム(外層13)をより低硬度化することができる。
エチレングリコールの配合量は、特に限定されないが、耐摩耗性が高く、かつ硬度が低い外層13を形成する観点からは、エーテル系ウレタンプレポリマ100質量部に対して0.2質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。
ウレタンゴム組成物には、硬化剤として、エチレングリコール以外にトリメチロールプロパンを配合することが好ましい。2つのヒドロキシ基を有するエチレングリコールが分子鎖を2次元的に延長するのに対して、トリメチロールプロパンは、3つのヒドロキシ基を有するため、3次元的に分子鎖を架橋させて、ウレタンゴム(外層13)の永久歪みを向上させることができる。外層13に適度な永久歪みを付与する観点からは、トリメチロールプロパンの配合量は、エーテル系ウレタンプレポリマ100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下であることが好ましい。
外層13の厚さは、特に限定されないが、本実施形態では、外層13を耐摩耗性の高いウレタンゴムで構成しているので、薄くした場合であっても所望の耐摩耗性を得ることができる。具体的には、外層13の厚さを1.5mm以下とすることができる。一方、所定の耐摩耗性を得る観点からは、外層13の厚さは0.2mm以上であることが好ましい。すなわち、外層13の耐摩耗性を高く維持しつつ、硬度を低くする観点からは外層13の厚さは0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
外層13は硬度が低くなるように構成されており、その硬度はデュロメータAでの硬度で30以上50以下であることが好ましい。
また、外層13は、硬度が低くなるように構成されているため、用紙との間で大きなニップ幅が得られ、大きな摩擦係数を得ることができる。具体的には、外層13の摩擦係数は0.8以上3.5以下であることが好ましい。
本実施形態では、外層13を薄く形成できるので、給紙ローラ1の弾性部材(内層12および外層13)に占める外層13の厚さの割合を小さくでき、内層12の厚さの割合を大きくできる。具体的には、外層13の厚さと内層12の厚さとの比率を、好ましくは1:50〜1:2の範囲内とすることができる。これにより、外層13よりも低硬度な内層12の割合を大きくすることで、給紙ローラ1全体としての硬度を低くして、ニップ幅を広げることができる。
本実施形態において、内層12および外層13を備える給紙ローラ1は硬度が低くなるように構成されており、給紙ローラ1全体での硬度は、好ましくはアスカーC硬度で60以下となる。
本実施形態の給紙ローラ1は、複写機等のOA機器における給紙装置に組み込まれる。例えば、給紙ローラ1は、分離パッド方式の給紙装置において、分離パッドとの間に用紙を狭持するように配置されて用いられる。また例えば、リタード(リバース)ローラ方式の給紙装置において、ピックアップローラ、フィードローラおよびリタードローラとして好適に用いられる。また、本実施形態の給紙ローラ1は、OA機器だけでなく、自動販売機、自動改札機、現金自動引き取り装置、両替機、計数機、キャッシュディスペンサー等の給紙ローラ1として使用することも可能である。
なお、本実施形態の給紙ローラ1には、外層13の外周上にコート層(図示略)などを形成してもよい。
<給紙ローラの製造方法>
続いて、上述の給紙ローラ1の製造方法について説明する。
まず、内層12用のゴム組成物を用意する。例えば、EPDMゴムと発泡剤と架橋剤とを含有するゴム組成物を用意する。
続いて、内層12形成用の金型を用意し、金型内に上記ゴム組成物を加圧注入した。その後、金型を加熱することにより、ゴム組成物を発泡させるとともに架橋させることで、発泡ゴムからなる円筒状の内層12を形成する。なお、内層12は、形成後にその表面を研磨して厚さを適宜変更してもよい。
続いて、外層13用のウレタンゴム組成物として、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマと、エチレングリコールとを含有する、液状のウレタンゴム組成物を用意する。このウレタンゴム組成物の中に円筒状の内層12を浸漬させ、内層12の外周面にウレタンゴム組成物を一様に塗布する。その後、加熱することによりウレタンゴム組成物を硬化させた。これにより、内層12の外周上にウレタンゴムからなる外層13が形成された円筒状の成形体を得る。
そして、内層12の外周上に外層13が形成された円筒状の成形体の孔にシャフト11を圧入し、挿通させた。
以上により、本実施形態の給紙ローラ1を得る。
なお、外層13の形成方法としては、ウレタンゴム組成物中に内層12を浸漬させて形成する以外に、ウレタンゴム組成物を内層12の外周上にスプレー塗布したり、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布してもよい。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
(1)内層用のゴム組成物の調製
内層用のゴム組成物は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)100質量部に、充填剤として、MTカーボン50質量部、FEFカーボン20質量部および炭酸カルシウム50質量部と、加硫剤として、硫黄2質量部、チアゾール系加硫促進剤2質量部、チウラム系加硫促進剤1質量部および亜鉛華5質量部と、パラフィン系可塑剤100質量部と、ADCA系発泡剤8質量部と、尿素系発泡助剤8質量部と、助剤としてのステアリン酸1質量部とを添加し、6インチロールで混練することにより、内層溶のゴム組成物を得た。
(2)外層用のウレタンゴム組成物の調製
<実施例1>
実施例1では、以下の表1に示すように、エーテル系ウレタンプレポリマとして、エーテル/MDI系のポリマ(30℃での粘度1600cps、NCO含量5.3%)を100質量部と、硬化剤としてのエチレングリコール1.1質量部と、硬化剤としてのトリメチロールプロパン1.6質量部と、を混合することにより、液状のウレタンゴム組成物を調製した。なお、エーテル/MDI系のウレタンプレポリマは、ポリオールとしてポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)と、イソシアネート化合物としてMDIとを反応させたポリマである。
Figure 0006547431
<実施例2,3>
実施例2,3では、エチレングリコールの配合量を1.1質量部から1.3質量部もしくは1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に調製した。
<実施例4,5>
実施例4,5では、エーテル系ウレタンプレポリマの種類を、エーテル/TDI系のポリマ(30℃での粘度1100cps、NCO含量4.2%)、もしくはエーテル/H12MDI系のポリマ(30℃での粘度140cps、NCO含量4.7%)に変更した以外は、実施例1と同様に調製した。なお、エーテル/TDI系およびエーテル/H12MDI系のポリマは、ポリオールとしてPTMGと、TDI又はH12MDIとを反応させたポリマである。
<比較例1,2>
比較例1,2では、硬化剤としてのエチレングリコールの代わりに1,4−ブタンジオールを用いて、その配合量をそれぞれ1.3質量部、1.1質量部とした以外は、実施例1と同様に調製した。
<比較例3,4>
比較例3,4では、エーテル系ウレタンプレポリマの代わりに、アジペート系ポリエステルポリオールを反応させたエステル系ウレタンプレポリマを用いた以外は、実施例1と同様に調製した。エステル系ウレタンプレポリマとして、比較例3では、エステル/MDI系のポリマ(30℃での粘度1700cps、NCO含量6.2%)を、比較例4では、エステル/TDI系のポリマ(30℃での粘度1600cps、NCO含量4.1%)を、それぞれ用いた。
(3)給紙ローラの作製
内径23mmの円筒形の金型に直径16mmのマンドレルを装着した。この金型内に、内層用のゴム組成物を加圧注入した。その後、金型を150℃で加熱することにより、内層用のゴム組成物を発泡させるとともに架橋させ、発泡ゴムからなる内層を形成した。加熱後、マンドレルの外周を被覆するように内層が設けられた成形体を金型から取り出した。この成形体からマンドレルを取り外し、円筒状の内層を得た。内層は、厚さが3.5mm、発泡倍率が0.35倍、平均気泡径が200μmであった。
続いて、内径25mmの円筒形の金型に、上記で得られた内層を装着した。この金型内に、上記で調製した液状のウレタンゴム組成物を流し込んだ。その後、金型を120℃で加熱することによりウレタンゴム組成物を硬化させ、ウレタンゴムからなる外層を形成した。加熱後、内層の外周に外層が形成された円筒状の成形体を金型から取り出した。外層は、厚さが1.0mmであった。
最後に、円筒状の成形体の孔に金属製のシャフトを圧入して挿通させることで、実施例1〜5および比較例1〜4の給紙ローラを作製した。
(4)評価方法
作製した給紙ローラについて、以下の方法により評価した。それぞれの評価結果を表1に示す。
(外層の硬度)
外層の硬度は、給紙ローラと同一の条件で、厚さ12.5mm、φ29の金型を用いて、外層を模擬したサンプルを作製し、デュロメータAでの硬度計を用い、JIS K 6251に準拠して測定した。
(外層材料の耐高温高湿性)
外層の硬度を評価するときに作製したサンプルを温度80℃、湿度80%RHの環境下に1ヶ月間放置し、硬度の変化を測定した。
硬度変化率(%)=[(初期硬度−試験後の硬度)/(初期硬度)]×100
(給紙ローラにおける外層の摩擦係数)
摩擦係数の評価は以下の方法で行った。駆動軸に固定した給紙ローラと一定荷重(W)を掛けたフリードラムとの間にロードセルを連結した所定用紙を挟み、それから給紙ローラを回転させて摩擦力(F)を測定した。摩擦係数は、その摩擦力(F)と荷重(W)とを式=F/Wに入力して算出した。
(給紙ローラ全体での硬度)
給紙ローラ全体での硬度は、アスカーC硬度計を用いて、荷重1kgを掛けて測定した。
(分離性能)
分離性能は、富士通社製スキャナFI−5650Cを使用し、このスキャナに普通紙、ノーカーボン紙および厚紙の各200枚を通して、不送り、重送、多重送の発生やその他通紙に問題がないか確認した。
(耐摩耗性)
耐摩耗性試験は、富士通社製スキャナFI−5650Cを使用し、普通紙15,000枚を通して、外径の変化量(減損量)を測定した。
(5)評価結果
表1に示すように、実施例1〜5は、いずれも外層の硬度がデュロメータAでの硬度(Duro−A硬度)で50以下であり、低硬度であった。また、外径変化量が0.10mm以下であり、耐摩耗性に優れていた。また、外層の摩擦係数が1.5以上であり、十分な摩擦係数を有することが確認された。また、給紙ローラ全体での硬度がアスカーC硬度で60以下であり、全体的に硬度が低く、柔らかいことが確認された。また、ローラ全体での硬度を低くできたため、大きなニップ幅を得られ、用紙の種類によらず、高い分離性能を示すことが確認された。また、外層をエーテル系ウレタンゴムで構成したため、高温高湿環境下に放置した場合であっても硬度の変化率が少なく、劣化が抑制されていた。
これに対して、比較例1,2では、硬化剤としてのエチレングリコールの代わりに1,4−ブタンジオールを用いたため、外層の硬度が50よりも大きくなり、それに伴って給紙ローラ全体での硬度も60よりも大きくなることが確認された。そのため、大きなニップ幅を確保できず、分離性能に劣ることが確認された。また、外層の摩耗量が多く、耐摩耗性に劣っていた。また、高温高湿環境下での硬度の変化率が大きく、劣化しやすいことが確認された。
比較例3,4では、外層をエーテル系ウレタンゴムではなくエステル系ウレタンゴムで形成したため、給紙ローラ全体での硬度が大きく、分離性能に劣っていた。また、外径変化量が多く、耐摩耗性にも劣っていた。しかも、加水分解しやすいエステル系ウレタンゴムで外層を形成したため、高温高湿環境下において大きく劣化することが確認された。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
紙葉類の給紙または搬送に用いられる給紙ローラであって、
発泡ゴムから形成される内層と、
前記内層の外周上に設けられ、ウレタンゴム組成物を硬化させて得られる、前記発泡ゴムよりも硬度の高いウレタンゴムから形成される外層と、を備え、
前記ウレタンゴム組成物が、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるエーテル系ウレタンプレポリマと、エチレングリコールとを含有する、給紙ローラが提供される。
[付記2]
付記1の給紙ローラであって、好ましくは、
前記ウレタンゴム組成物が、前記エーテル系ウレタンプレポリマ100質量部に対して前記エチレングリコールを0.2質量部以上2.0質量部以下含有する。
[付記3]
付記1又は2の給紙ローラであって、好ましくは、
前記エーテル系ウレタンプレポリマの粘度が、30℃において50cps以上40000cps以下である。
[付記4]
付記1〜3のいずれかの給紙ローラであって、好ましくは、
前記外層の厚さが0.2mm以上1.5mm以下である。
[付記5]
付記1〜4のいずれかの給紙ローラであって、好ましくは、
前記外層のデュロメータAでの硬度が30以上50以下である。
[付記6]
付記1〜5のいずれかの給紙ローラであって、好ましくは、
前記外層の厚さと前記内層の厚さとの比率が1:50〜1:2である。
[付記7]
付記1〜6のいずれかの給紙ローラであって、好ましくは、
全体でのアスカーC硬度が60以下である。
[付記8]
付記1〜7のいずれかの給紙ローラであって、好ましくは、
前記ウレタンゴム組成物が、前記エーテル系ウレタンプレポリマ100質量部に対してトリメチロールプロパンを0.5質量部以上3.0質量部以下、含有する。
1 給紙ローラ
11 シャフト
12 内層
13 外層

Claims (5)

  1. 紙葉類の給紙または搬送に用いられる給紙ローラであって、
    発泡ゴムから形成される内層と、
    前記内層の外周上に設けられ、ウレタンゴム組成物を硬化させて得られる、前記発泡ゴムよりも硬度の高いウレタンゴムから形成される外層と、を備え、
    前記ウレタンゴム組成物が、ポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるエーテル系ウレタンプレポリマと、エチレングリコールと、トリメチロールプロパンと、を含有し、
    前記エーテル系ウレタンプレポリマ100質量部に対して、前記トリメチロールプロパンを0.5質量部以上3.0質量部以下、前記エチレングリコールを0.2質量部以上2.0質量部以下含有し、
    前記外層のデュロメータAでの硬度が30以上50以下である、
    給紙ローラ。
  2. 前記エーテル系ウレタンプレポリマの粘度が、30℃において50cps以上40000cps以下である、請求項1に記載の給紙ローラ。
  3. 前記外層の厚さが0.2mm以上1.5mm以下である、請求項1又は2に記載の給紙ローラ。
  4. 前記外層の厚さと前記内層の厚さとの比率が1:50〜1:2である、請求項1〜3のいずれかに記載の給紙ローラ。
  5. 全体でのアスカーC硬度が60以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の給紙ローラ。
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