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JP6549030B2 - ボーリング孔底地盤平板載荷試験装置 - Google Patents
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本発明はボーリング孔底地盤平板載荷試験装置に係り、ボーリング孔の孔底面での地盤の平板載荷試験を精度良く行うために、孔底のスライム除去を確実、容易に行えるようにした試験装置に関する。
従来、深い地盤の支持力特性を地表面から調べる方法は深層載荷試験と呼ばれ、載荷試験の一方法として地盤工学会から紹介されている。地下のない建築物を直接基礎で計画する場合の基礎下端は現状地盤面から2〜3m程度下がっている場合が多く、その地盤の支持力を、早期に(例えば建物計画時点)に把握することは基礎設計の精度を早い段階から上げることができ、非常に有用である。一般的には、計画段階では既存建物があって調査ができない場合が多く、対象地盤面まで広く掘削して平板載荷試験を実施することは行われないのが実状である。
そこで、発明者は、このような現場に適した載荷試験方法として、建物基礎の性能設計に必須である地盤の荷重〜沈下関係に着目し、静的平板載荷試験と急速平板載荷試験を併用する簡易な方法を、ボーリング孔底に適用し、深い地盤の荷重〜沈下関係を早期に調査する方法を提案している(非特許文献1)。また、ボーリング工程地盤平板載荷試験装置を効率よく設置して試験を行うようにした装置および試験方法の発明も行っている(特許文献1)。
特許第5524526号公報
木下孝介,根本恒,崎浜博史,松澤一行,松本樹典著,静的および急速平板載荷試験による固結砂質地盤の地盤特性評価(その1:静的平板載荷試験による支持力評価),(その2:急速平板載荷試験によるばらつきの評価),2006年度大会(関東)学術講演梗概集」,日本建築学会刊,2006年7月31日,B−1分冊,P.571〜P.574
ところで、上述したボーリング孔底に対して実施する平板載荷試験を行う場合、ボーリングにより削孔したボーリング孔の孔底にスライム(掘りくず)が残ると、載荷面と試験地盤の間に緩い土が挟まり、荷重〜沈下関係に影響する。
特許文献1に開示された発明では、載荷板側面に排土板の役割を果たす回転翼が設けられ、回転翼を載荷板とともに回転させることにより載荷板の周囲の土砂は上方に排土されるが、載荷板直下の載荷となる孔底に残るスライムは除去することができないという問題がある。そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、ボーリング孔を削孔した際に、載荷板を孔底地盤に対して安定した状態に保持でき、これにより載荷試験の精度向上を図ることができるボーリング孔底地盤平板載荷試験装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は載荷部を下端に保持した状態で、試験準備孔内に収容され、削孔機によりボーリング孔の孔底地盤の試験地盤面まで前記載荷部の載荷面を到達させ、前記試験地盤面を前記載荷部で押圧し、当該試験地盤面の平板載荷試験を行うボーリング孔底地盤平板載荷試験装置であって、前記載荷部を回転させて前記載荷面に形成されたスライム除去突起で前記孔底地盤と載荷面との間に堆積するスライムを除去し、前記孔底地盤と前記載荷面とを密着させた状態で前記試験地盤面の平板載荷試験を行うことを特徴とする。

前記スライム除去突起は、前記載荷面の中心位置を起点とし、載荷面外縁まで延びる、前記載荷部の回転方向に凸形状をなす曲線形状突起とすることが好ましい。
前記曲線形状突起の曲線形状は、対数螺旋であることが好ましい。
以上に述べたように、本発明によれば、試験時板面であるボーリング孔の孔底面と載荷板とを密着させることができるので、本装置による各種の平板載荷試験の計測精度を高めることができる。
本発明のボーリング孔底地盤平板載荷試験装置の載荷部保持パイプ、スライム除去突起を有する載荷板の構成を示した部分拡大図。 載荷板底面に形成されたスライム除去突起の形状を示した底面図およびスライム除去突起のモデルによるスライム除去状況の説明図。 スライム除去突起の断面例を示した部分断面図。 スライム除去突起の配置例を示した載荷板底面図。 本発明のボーリング孔底地盤平板載荷試験装置の動作状態を示した説明図。 スライム除去突起によるボーリング孔底面でのスライム除去状況を示した説明図。
以下、本発明のボーリング孔底地盤平板載荷試験装置を実施するための形態として、以下の実施形態について添付図面を参照して説明する。
[試験装置先端部の構成]
本発明のボーリング孔底地盤平板載荷試験装置10(以下、載荷試験装置10と略記する。)は、上述の問題点を解決するために、特に載荷試験の載荷部の一部としての孔底面2のスライム除去を行う手段の構成およびその動作に特徴を有する。図1各図は、載荷試験装置10のうち、載荷板11を先端に保持する手段としての、載荷部保持パイプ12の先端部の載荷板11と翼状突起13の取付状態と、載荷板11を操作する内部機構と、載荷板11の下面に形成されたスライム除去突起20とを示した拡大図である。
図1(a)は、載荷試験装置10の一構成である載荷部保持パイプの下端に載荷板11が保持された状態を示すために、載荷部保持パイプの下端の一部を切欠いて示した正面図である。同図に示したように、載荷板11上面には側面にスリット14が形成された円筒部15が載荷板11と一体化され、載荷部を構成している。そのスリット14には載荷部保持パイプ内面に横向きに溶接取付されたガイドロッド16の先端が嵌合している。また、載荷部保持パイプの下端外周面には2条の翼状突起13が載荷部保持パイプ12の中心を挟んで180°の対称位置に螺旋状をなして取り付けられている。本実施形態では螺旋状に加工された鋼板がパイプ側面に溶接によって固定されている。翼状突起13の下端は、図1(a)に示したように、載荷部保持パイプ12の下端から載荷板11の厚さ分だけ下方に突出した状態にある。載荷板11の下面には、図2に示したような、曲線状をなすスライム除去突起20が形成されている。本実施形態では、スライム除去突起20は載荷板底面11bに図2に示した曲線帯状鋼材が溶接により固着されている。
図1(b)は、平板載荷試験装置10として機能する場合の載荷板11の構成と動作とを示すために示すために、載荷部保持パイプ12の下端の一部を切欠いて示した正面図である。同図に示したように、載荷部保持パイプ12内には載荷ロッド6が挿入され、その下端は載荷板11と一体化した円筒部15の上面を直接押圧するようになっている。同図は、所定の載荷重によって載荷板11がスライム除去突起20ごと所定量だけ孔底地盤面(図示せず)に押圧され貫入した状態が示されている。本実施形態ではスライム除去突起20が形成された載荷板11として直径φ100mm、厚さ25mmの扁平円筒形鋼材が用いられている。
ここで、スライム除去突起20の曲線形状とその作用について、図2各図を参照して説明する。本実施形態では、この曲線形として対数螺旋を適用している。対数螺旋は以下の極座標式で表される。
Figure 0006549030
r:θ(0°=<θ<=α°)に対応した対数螺旋の半径
ただしαはrが載荷板外縁と横切る位置を範囲とする角度
a,b:定数
図2(a)に示したように、θ=0におけるrが載荷板底面11bの中心点に一致するように、式1の対数螺旋の中心点Oがx軸上に定められている。定数a,bは、スライムの除去を確実にするために、式1の曲線と載荷板11の半径Rの円との交点が、中心点Oを原点としたθ>π/2となるような曲線形が得られるように設定することが好ましい。本実施形態では、一例としてa=0.57,b=0.83からなる定数の対数螺旋を曲線形状としたスライム除去突起20が載荷板底面11bに設けられている。なお、この定数a,bはスライム除去効果が得られる範囲で適宜設定することができる。模型実験等を行い、スライムの状態を考慮して定数を決定することも好ましい。
スライム除去突起20の作用について、図2(b)を参照して説明する。図2(b)は載荷板底面11bを示している。ここでスライム除去突起20によるスライム除去の説明のために図2の載荷板11をモデル化し、載荷板底面11bが上面を向いた状態にあるとする。そしてスライム除去突起20の載荷板11の中心位置に近い場所に小物体8(スライムはスライム除去突起20の全面に広がる粘性体(粘土質材料)あるいは粒状体(砂質材料)であるが、小物体8は、その一部をモデル化したものに相当する。)を載置する。この状態から図2(b)に示したように載荷板11を矢印A方向に回転させると、スライム除去突起20の前面20a側に載置された小物体8は、載荷板11の回転によって作用する遠心力とスライム除去突起20の前面20aによって加わる外縁方向ベクトルからなる接触力とにより、対数螺旋形状からなるスライム除去突起20の前面20aに沿って載荷板11の外縁に沿って徐々に移動する。そして載荷板11の外縁から載荷板11の外方に排出される。
スライム除去突起20の曲線形状として、以上のように載荷板11を回転させてスライムを連続的に除去できるような形状として対数螺旋形状を採用したが、対数螺旋と同様に曲線の前面20aにあるスライム等の対象物を載荷板11の外縁に向けて移動可能な作用を発揮できるものであれば様々な曲線形を採用してもよい。例えば曲線の範囲を載荷板11の中心点(始点)から載荷板11の外縁までとして極座標の象限を限った部分的な曲線のうち、載荷板11の進行方向に凸曲線状となり、外縁にかけて滑らかな曲線をなして後方に延びるような曲線が採用可能である。たとえばインボリュート曲線や各種代数螺旋(アルキメデス螺旋、放物螺旋、双曲螺旋)の一部が採用可能である。
図3各図はスライム除去突起20の断面形状を示した部分断面図である。同図(a)に示した略矩形断面を標準として、突起部分に相当する対数螺旋形状の鋼材を載荷板底面11bの所定位置に溶接固定してスライム除去突起20としている。または同図(b)に示したように、載荷板11に対数螺旋状溝11cを形成しておき、その溝形状に沿って鋼材を曲げ加工しながら嵌合させてスライム除去突起20としてもよい。スライム除去突起20の断面形状は、平板載荷試験の際の載荷時の影響軽減のため、同図(c)に示したように、三角形状としてもよい。その場合、スライムを押す突起前面20a側は載荷板底面11bと略直角をなすようにすることが好ましい。
図4各図は、スライム除去突起20を載荷板底面11bに形成する本数の変形例を示した載荷板底面11bを示している。スライム除去突起20は載荷板11の回転に伴い、載荷板底面11b全域においてスライム除去することができる。同図(a)は、図2(a)に示したスライム除去突起20を180°の位相差で2本、同図(b)は、120°の位相差で3本を載荷板底面11bに配置した変形例を示している。これらのように載荷板底面11bに複数本のスライム除去突起20を形成することで、ボーリング孔4の孔底面2でのスライム除去作業をより確実に行うことができる。また、複数本のスライム除去突起20で載荷試験装置10を支持することで載荷板11を孔底面2(試験地盤面)に安定して着底させることができるという効果もある。
以下、本装置によるボーリング孔4の孔底面2のスライム除去状況について図5、図6各図を参照して説明する。
図5(a)は、本発明の載荷試験装置10の先端部を拡大して示している。同図に示した装置10で、孔内平板載荷試験を行うためには、装置10先端の載荷板11は試験時に孔底面2に密着した状態にある必要がある。実際のボーリング孔4の先端は、削孔による地盤の乱れや残存スライムによって、孔底面2(試験地盤面)がきれいに露出していない状態にある場合が多い。そこで、載荷板11がボーリング孔4の孔底面2に到達した段階で、孔底部に残存するスライムを載荷板底面11bに形成されたスライム除去突起20で載荷板11の周囲の地盤に移動させて載荷板11外に排出させる。すなわち、図5(a)、(b)に示したように、載荷部保持パイプ12を回転及び押し込み(黒矢印)動作させる際に、載荷部保持パイプ12の側面の翼状突起13がともに回転することで、載荷板11の周りを掘り崩すとともに、載荷板11の底面のスライム除去突起20によって孔底面2に堆積したスライムを載荷板11外に排出させる。
図6(a)は、載荷板11が図5(a)の状態を示した部分拡大図、図6(b)は、載荷板11が図5(b)の状態を示した部分拡大図である。図6(a)に示したように、載荷試験装置10がボーリング孔4の孔底面2に達した直後、載荷板11と孔底面2との間には削孔に伴って発生したスライムSが堆積している。この状態から図6(b)に示したように、載荷板11を回転させる。これに伴って載荷板底面11bに形成されているスライム除去突起20が載荷板11と孔底面2との間にあるスライムSを、対数螺旋曲線の突起形状に沿って載荷板11外縁方向に移動し、最終的に載荷板11外縁から周囲の緩んだ地盤部分に排出する。よって、図6(c)に示したように、載荷試験装置の載荷板11を、試験地盤面となる孔底面2に密着させることができる。
以後、載荷試験時では、載荷部保持パイプ12内に載荷ロッド6(図1(b))が挿入され、その下端を介して載荷板11の円筒部15に下向きの試験載荷重が加えられる。これにより、載荷板11のみが載荷部保持パイプ12から分離して下方に移動し、所定の押圧力を受けてスライムが除去された試験地盤面としての孔底面2に貫入され、所定の載荷試験が実施される。
このように、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
10 載荷試験装置
11 載荷板
12 載荷部保持パイプ
13 翼状突起
14 スリット
15 円筒部
20 スライム除去突起

Claims (3)

  1. 載荷部を下端に保持した状態で、試験準備孔内に収容され、削孔機によりボーリング孔の孔底地盤の試験地盤面まで前記載荷部の載荷面を到達させ、前記試験地盤面を前記載荷部で押圧し、当該試験地盤面の平板載荷試験を行うボーリング孔底地盤平板載荷試験装置であって、前記載荷部を回転させて前記載荷面に形成されたスライム除去突起で前記孔底地盤と載荷面との間に堆積するスライムを除去し、前記孔底地盤と前記載荷面とを密着させた状態で前記試験地盤面の平板載荷試験を行うことを特徴とするボーリング孔底地盤平板載荷試験装置。
  2. 前記スライム除去突起は、前記載荷面の中心位置を起点とし、載荷面外縁まで延びる、前記載荷部の回転方向に凸形状をなす曲線形状突起である請求項1に記載のボーリング孔底地盤平板載荷試験装置。
  3. 前記曲線形状突起の曲線形状は、対数螺旋からなる請求項2に記載のボーリング孔底地盤平板載荷試験装置。
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