本発明は、アディポネクチンおよびオートファジー活性化関連タンパク質の発現を増加させるアディポネクチン発現増加誘導化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含み、様々な因子による皮膚の老化を予防および改善することができる抗老化用または皮膚の赤み緩和用化粧料組成物を提供するものであり、本発明のアディポネクチン発現増加誘導化合物は、下記化学式1で表される。
(前記化学式(1)中、nは2の整数である。)
本発明の抗老化用および皮膚の赤み緩和用化粧料組成物に含まれる前記化学式(1)の化合物は、抗老化または皮膚の赤みの緩和に著しい効果を示す化合物であり、驚くことに、本発明の前記化学式(1)中、単にnが0、1および3〜10の化合物では、本発明の前記化学式1の化合物が有する抗老化効果が現れない。
換言すると、驚くことに、本発明の化合物と同じ骨格であり、単にアルキルの数のみが相違する化合物であるnが0、1および3〜10であるそれぞれの化合物では、オートファジー活性化を誘導するだけであって、アディポネクチン発現を増加させなかった。
本発明の前記化学式(1)で表される化合物、すなわち、nが2の化合物のみがオートファジー活性化を誘導するとともにアディポネクチン発現を増加させ、抗老化および皮膚の赤み、好ましくは太陽光の紫外線によるコラーゲンタンパク質の分解を減少させ、光老化、皮膚の赤みおよび酸化ストレスなどに驚くほどの効果を示す。
本発明の前記化学式1のアディポネクチン発現増加誘導化合物は、一つ以上のカイラル非対称炭素原子を含有し、これにより、前記化学式(1)のアディポネクチン発現増加誘導化合物は、ラセミ体および光学的活性形態で存在することができる。かかる化合物および鏡像異性体はいずれも本発明の範疇内に含まれる。
優れた抗老化および皮膚の赤み緩和効果を有するために、好ましくは、本発明の一実施形態による前記化学式(1)で表される化合物は、下記化学式(2)で表され得る。
細胞内オートファジー活性化は、若い人の組織および細胞では活溌に行われるが、老化が進むにつれて細胞内のオートファジー関連タンパク質の発現量が急激に減少することからオートファジー活性度が急激に低下し、これにより、細胞内の老朽タンパク質、脂質およびミトコンドリアが適切な時期に除去され得ず、細胞老化現象が急速に生じる。
したがって、本発明の前記化学式(1)で表される化合物は、細胞内のオートファジーを活性化させることで、各細胞、組織および個体の老化を抑制し、皮膚の赤みを緩和し、老化によってもたらされる皮膚の疾患の予防および治療を可能にすることができる。
また、本発明者らは、本発明のアディポネクチン発現増加誘導化合物が、オートファジー活性化だけでなく、光に露出すると生成が減少するアディポネクチンの発現を活性化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
つまり、本発明の前記化学式(1)で表されるアディポネクチン発現増加誘導化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、オートファジー活性化関連タンパク質の発現を増大させるだけでなく、光によって減少するアディポネクチンの発現を増加させることで、皮膚の抗老化および皮膚の赤みの緩和に非常に効果的であり、光によって発現する皮膚疾患、特に、炎症疾患の予防、改善または治療に非常に有用に使用され得る。
本発明の抗老化用および皮膚の赤み緩和用化粧料組成物は、貯蔵安定性に優れ、様々な原因による、好ましくは、光による、より好ましくは、紫外線による皮膚の老化の改善および予防に有用であり、光老化または酸化ストレスの改善および予防においてより有用であり、具体的には、しわまたは皮膚の老化の予防または改善においてより有用である。
本発明に記載の「しわ」は、皮膚が衰えて生じた細かい線を意味するが、遺伝子による原因、皮膚の真皮に存在するコラーゲンの減少、外部環境などによってもたらされ得る。
本発明に記載の「皮膚の老化」は、皮膚の弾力減少、つや減少、しわ生成、再生力弱化またはひどい乾燥などの症状が現れるものであり、時間の経過または外部環境などによってもたらされ得る。
本発明に記載の「皮膚の赤み」は、皮膚に赤みが増加する現象であり、紫外線、大気汚染、気候といった環境的要因およびニキビ、乾癬、ホルモン変化による内在的な要因などによってもたらされ得る。本発明の抗老化用または皮膚の赤み緩和用化粧料組成物において、前記化学式(1)で表されるアディポネクチン発現増加誘導化合物の含有量は、組成物の用途、適用形態、使用目的および所望の効果に応じて適宜調節可能であり、含有量に対する効果を考慮し、例えば、全組成物重量に対して0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%、最も好ましくは0.03〜0.1重量%であることが好ましい。前記範囲未満の場合には、実質的なオートファジー活性化およびアディポネクチン発現増加効果を得ることができず、前記範囲以上の場合には、剤形の安定性および貯蔵性を低下させ得るため、前記範囲であることが好ましい。
本発明の抗老化用または皮膚の赤み緩和用化粧料組成物は、本発明の前記化学式(1)で表されるアディポネクチン発現増加誘導化合物またはその薬学的に許容可能な塩の他に、通常の製品化または製剤化に使用可能な全種類の成分、例えば、香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤、保湿剤、安定化剤、乳化剤、粘増剤、液晶膜強化剤、顔料、賦形剤、希釈剤、無機塩類および合成高分子物質などをさらに含んでもよく、その種類と含有量は、最終産物の用途および使用目的に応じて適宜調節してもよい。
前記にさらに含まれ得る添加剤は、当業界において一般的に使用される原料であれば限定されず、具体的な一例としては、プロパンジオール、1,2‐ヘキサンジオール、エチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノール、カプリルヒドロキサム酸およびグリセリルカプリレートなどの防腐剤;メトキシケイ皮酸誘導体、ジフェニルアクリル酸誘導体、サリチル酸誘導体、パラアミノベンゾ酸誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンマロネート誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、4,4‐ジアリールブタジエン誘導体およびフェニルベンゾイミダゾール誘導体などの紫外線吸収剤;セテアリルアルコール、セタノールおよびベヘニルアルコールなどの脂肪(fatty)アルコールおよびビス‐PEG15/メチルエチルジメチルシラン、ジメチコン/ジメチコンPEG‐10/15、ジメチコン/ポリグリセリン‐3、ジメチコン/ジメチコノール、ジメチコン/ジメチコンビニルジメチコン、シクロメチコン/ジメチコノール、シクロメチコン/ジメチコン、シクロメチコン/トリメチルシロキシシリケート、シクロペンタシロキサン/ジメチコン、シクロペンタシロキサン/PEG‐12ジメチコン、シクロペンタシロキサン/セテアリルジメチコン/ビニルジメチコン、シクロペンタシロキサン/ジメチコン/ビニルジメチコン、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーなどのシリコーンポリマーなどから選択される安定化剤;カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などから選択される乳化剤が混合されてもよく、好ましくは、ポリグリセリル‐4カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐5カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐6カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐7カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐8カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐9カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐10カプリレート/カプレート、ポリグリセリル‐4カプレート、ポリグリセリル‐5カプレート、ポリグリセリル‐6カプレート、ポリグリセリル‐7カプレート、ポリグリセリル‐8カプレート、ポリグリセリル‐9カプレート、ポリグリセリル‐10カプレート、ポリグリセリル‐4ラウレート、ポリグリセリル‐5ラウレート、ポリグリセリル‐6ラウレート、ポリグリセリル‐7ラウレート、ポリグリセリル‐8ラウレート、ポリグリセリル‐9ラウレート、ポリグリセリル‐10ラウレート、ポリグリセリル‐6ココエート、ポリグリセリル‐7ココエート、ポリグリセリル‐8ココエート、ポリグリセリル‐9ココエート、ポリグリセリル‐10ココエート、ポリグリセリル‐11ココエート、ポリグリセリル‐12ココエート、ポリグリセリル‐6ミリステート、ポリグリセリル‐7ミリステート、ポリグリセリル‐8ミリステート、ポリグリセリル‐9ミリステート、ポリグリセリル‐10ミリステート、ポリグリセリル‐11ミリステート、ポリグリセリル‐12ミリステート、ポリグリセリル‐10オレエート、ポリグリセリル‐11オレエート、ポリグリセリル‐12オレエート、ポリグリセリル‐10ステアレート、ポリグリセリル‐11ステアレート、ポリグリセリル‐12ステアレート、ポリグリセリル‐6ベヘネートなどのポリグリセリル脂肪酸エステル系界面活性剤であり、ポリグリセリルと脂肪酸を反応させて直接製造するか、市販のものを購入して使用してもよいことは言うまでもない。前記粘増剤は、化粧料組成物の適切な粘度を付与して使用感および剤形の安定度を向上させるためのものであり、カルボマー、カーボポール、ゼラチン、キサンタンガム、天然セルロース、ハイセル、メチルセルロースなどから選択されてもよく、これに限定されるものではない。前記液晶膜強化剤は、液晶の強度を増加させ、稠密に囲いを連結して液晶の長期安定性を維持する役割をするものであり、フィトスフィンゴシン、ビスヒドロキシエチルビスセチルマロアミド、コレステロールイソステアレート、コレステロールオレート、コレステロールステアレート、レシチン、セラミド類(一例として、セラミド3、セラミド6)などであってもよく、これに限定されるものではない。
また、前記顔料は、体質顔料、白色顔料、着色顔料、真珠光沢顔料、金属粉体、有機粉体などを含み、前記体質顔料としては、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸バリウム、ゼオライト、白雲母、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムなどが可能であり、白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛などが可能であり、着色顔料としては、ベンガラ、硫酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、およびカーボンブラックなどが可能であり、真珠光沢顔料としては、二酸化チタン、雲母チタン、チタン酸鉄および酸化チタン被覆雲母、シリカ、酸化スズ、およびフェロシアン化第二鉄などが可能であり、金属粉体としては、金、銀、銅、パラジウム、白金などが可能であり、有機粉体としては、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、セルロース、デンプンなどが可能である。また、通常、化粧料において公知の、無機系、および有機系顔料がいずれも使用されてもよく、前記天産物顔料としては、クチナシ黄色、クチナシ青色、クチナシ緑色、クチナシ赤色、ベニコウジ赤色素、ベニコウジ黄色素、ベニバナ黄色素、アナトー色素、コチニール色素、ラック色素、コウリャン色素、葡萄果皮色素、赤キャベツ色素、エルダーベリー色素、ブルーベリー色素、パプリカ色素、キャラメル色素、アカダイコン色素、カキ色素 、リボフラビン、ベータカロチン、カカオ色素、ターメリック色素、コーンレッド色素、ビートレッド色素、アントシアン、アントシアニン、ピコシアン、ピコシアニン、クロロピル色素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1種が可能であり、無機系顔料としては、金属酸化物、特に、酸化鉄(赤色、黒色、黄色、茶色)、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、ビズマスオキシクロライド、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ニッケル、水酸化カリウム、水酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化クロミウム、水酸化マグネシウム、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、紺青、硫化鉄、マンガンバイオレット、カーボンブラック、マイカー、カオリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1種が可能であり、有機系顔料としては、インディゴレーキ、カルミンレーキ、周知のFD&CおよびD&C染料シリーズ由来のレーキ、例えば、D&C Red21アルミニウムレーキ、D&C Red 7カルシウムレーキ、芳香性アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノンおよびキサンチン染色剤のような天然または合成の有機性染料などが使用可能である。
本発明の化粧料組成物は、投与経路に応じて、皮膚外用、経皮または皮下投与が可能であり、好ましくは、皮膚外用または経皮、より好ましくは、皮膚外用投与が可能な組成物であってもよく、特に、光老化による皮膚の老化、赤みおよび酸化を予防および治療に使用されることから皮膚外用剤が好ましい。
また、前記化粧料組成物は、適用される形態に通常含まれる溶媒を含んでもよく、例えば、エタノール、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2,4‐ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6‐ヘキサントリオール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、ブタンジオール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルイソソルビド、N‐メチル‐2‐ピロリドン、プロピレンカーボネート、グリセレス‐26、メチルグルセス‐20、イソセチルミリステート、イソセチルオクタノエート、オクチルドデシルミリステート、オクチルドデカノール、イソステアリルイソステアレート、セチルオクタノエートおよびネオペンチルグリコールジカプレートなどから選択される1種以上を含んでもよい。かかる溶媒を使用して本発明の化粧料組成物を製造する場合、溶媒の混合比に応じて溶媒に対する化合物の溶解度が少しずつ異なるが、本発明が属する技術分野における当業者であれば、製品の特性に応じて溶媒の種類および使容量を適宜選択して適用することができる。
また、前記化粧料組成物は、経皮投与時の経皮透過を強化するための様々な物質を含んでもよい。例えば、ラウロカプラム(laurocapram)誘導体およびオレイン酸、モノオレート誘導体のエステル誘導体、アダパレン、トレチノイン、レチンアルデヒド、タザロテン、サリチル酸、アゼライン酸、グリコール酸、エトキシジグリコール、ツイン80、レシチンオルガノゲルなどを含んでもよい。また、本発明の化粧料組成物は、さらなる機能を付与するために、本発明の組成物によるオートファジー活性化の効果を害しない範囲内で、共界面活性剤、界面活性剤、フケ防止剤、角質軟化剤、血行促進剤、細胞活性剤、清涼剤、保湿剤、抗酸化剤、pH調節剤、精製水などの補助成分を添加してもよく、適用される形態に応じて適切な香料、色素、防腐剤、賦形剤などの添加剤を含んでもよい。
本発明の化粧料組成物は、皮膚、頭皮または毛髪に経皮的に適用されてもよく、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、ボディー製品、髭剃り用製品、毛髪製品などのすべての化粧品製品の製造に使用可能な組成物を意味するものであり、懸濁液、エマルション、ペースト、ジェル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング剤形、オイル、パウダーファンデーション、エマルジョンファンデーション、ワックスファンデーションまたはスプレーに剤形化したものであってもよく、その形態は特に制限されない。
詳細には、本発明の化粧料組成物の剤形がペースト、クリームまたはジェルの場合には、担体成分として、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛などが用いられ得る。
本発明の化粧料組成物の剤形がパウダーまたはスプレーの場合には、担体成分として、ラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが用いられてもよく、特に、スプレーの場合には、さらに、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進体を含んでもよい。
本発明の化粧料組成物の剤形が溶液またはエマルションの場合には、担体成分として、溶媒、溶解化剤または解乳化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3‐ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルが用いられ得る。
本発明の化粧料組成物の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天またはトラガントなどが用いられ得る。
本発明の化粧料組成物の剤形が界面‐活性剤含有クレンジング剤形の場合には、担体成分として、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体またはエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが用いられ得る。
本発明の化粧料組成物が、石鹸、界面活性剤含有クレンジング剤形または界面活性剤非含有クレンジング剤形の場合、皮膚に塗布した後、拭き取ったり剥ぎ取ったり水洗してもよい。具体例として、前記石鹸は、液状石鹸、パウダー石鹸、固形石鹸およびオイル石鹸であり、前記界面活性剤含有クリンジング剤形は、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、クレンジングタオルおよびクレンジングパックであり、前記界面活性剤非含有クレンジング剤形は、クレンジングクリーム、クレンジングローション、クレンジングウォーターおよびクレンジングジェルであり、これに限定されるものではない。
また、本発明の前記化学式(1)で表されるアディポネクチン発現増加誘導化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む光による皮膚炎症疾患の予防および治療用医薬組成物を提供する。
本発明の前記化学式(1)で表されるアディポネクチン発現増加誘導化合物は、オートファジー作用活性化を誘導するとともに、光、特に、紫外線によって光老化した皮膚で減少するアディポネクチンの発現を増加させることで、光に露出して生成された皮膚炎症の予防および治療に非常に効果的である。
好ましくは、本発明の前記化学式(1)で表されるアディポネクチン発現増加誘導化合物は、前記化学式(2)で表されてもよく、全組成物の全重量に対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%であってもよい。
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、当業界に知られている通常の技術を使用して製造されてもよく、本発明における用語、「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容される無機酸、有機酸、または塩基から誘導された塩を含む。好適な酸の例としては、塩酸、臭酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン‐p‐スルホン酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ホルム酸、ベンゾ酸、マロン酸、ナフタレン‐2‐スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられる。好適な塩基から誘導された塩は、ナトリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、およびアンモニウムなどを含んでもよい。
本発明の医学組成物は、主に、経口、静脈、腹腔、筋肉および皮下投与の方法で使用され得る。また、通常の方法によって散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルション、シロップ、エアゾールなどの経口型剤形、外用剤、坐剤または滅菌注射溶液などの形態に剤形化して使用されてもよく、その形態は特に制限されない。
本発明の医薬組成物は、医学組成物の製造に通常使用する薬学的に許容される添加剤をさらに含んでもよい。薬学的に許容可能な添加剤とは、生物体をよほど刺激することなく投与化合物の生物学的活性および特性を阻害しない担体または希釈剤を言う。また、前記添加剤は、製剤の製造、圧縮性、外観および味を向上させることができ、例えば、安定化剤、界面活性剤、滑沢剤、可溶化剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、結合剤、懸濁化剤、硬化剤、抗酸化剤、光沢剤、着香剤、香味剤、顔料、コーティング剤、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、咀嚼剤、静電防止剤、着色剤、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘着剤、粘増剤、発泡剤、pH調節剤、賦形剤、分散剤、崩解剤、防水剤、防腐剤、保存剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤などを必要に応じて添加することができる。
一例として、経口投与のための製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、かかる製剤は、少なくとも一つ以上の賦形剤および/または滑剤などを含んでもよい。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが相当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他に、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。また、非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤などが含まれ得る。
前記医学組成物の好ましい投与量は、患者の状態および体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路および期間に応じて異なるが、当業者によって適宜選択され得る。より好ましい効果のために、本発明の組成物の投与量は、有効成分を基準として、1日0.1mg/kg〜100mg/kgにすることが好ましいが、これに制限されるものではない。投与は、1日に1度投与してもよく、数回分けて投与してもよい。本発明の医薬組成物の薬学的投与形態は、有効成分の薬学的許容可能な塩の形態でも使用され得、また単独でまたは他の薬学的活性化合物と結合だけでなく、適当な集合で使用され得る。
本発明の医薬組成物は、経口または非経口投与することができ、非経口投与の場合には、静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔注入、経皮投与などで投与することができる。
本発明の医薬組成物は、薬剤学的に許容される担体を含んでもよい。本発明の医薬組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常用いられるものであり、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイルなどを含むが、これに限定されるものではない。本発明の医薬組成物は、前記成分以外に、滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などをさらに含んでもよい。
本発明の医薬組成物は、当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができる方法によって、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を用いて通常の製剤に剤形化することで、単位容量形態に製造されるかまたは多容量容器内に取り入れて製造され得る。通常の剤形とは、例えば、経口(錠剤、カプセル剤、粉末剤)、舌下、直腸内、膣内、鼻腔内、局所または非経口(静脈内、海綿体内、筋肉内、皮下および管内を含む)投与剤形を称する。例えば、本発明に係るオートファジー活性化誘導化合物は、デンプンまたはラクトースを含む錠剤形態で、または単独または賦形剤を含むカプセル形態で、または味をつけるか色をつける化学薬品を含むエリキシルまたは懸濁剤形態で、経口、または舌下投与され得る。液体製剤は、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、ウィテップゾール(witepsol)のような半合成グリセリドまたは杏仁油(apricot kernel oil)とPEG‐6エステルの混合物またはPEG‐8とカプリリック/カプリックグリセリドの混合物のようなグリセリド混合物)のような薬剤学的に許容可能な添加剤とともに製造される。また、非経口的に、例えば、静脈内、海綿体内、筋肉内、皮下および管内を介して注射される場合、無菌の水溶液形態で使用することが最も好ましく、この際、前記溶液は、血液との等張性を有するために、他の物質(例えば、塩(salt)またはマンニトール、グルコースのような単糖類)を含有してもよい。
好ましくは、本発明の一実施形態による医薬組成物は、錠剤、ピル、カプセル、料粒、粉末、液剤、パッチ剤または注射剤の形態で使用され得る。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、下記実施例は、本発明を例示するものであって、本発明は、下記実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]化合物1の合成
実施例1‐1.化合物1aの合成
800mlの反応容器に2‐chloro trityl chloride resin(100‐200mesh、Novabiochem20g、1当量)とFmoc‐Lys(Dde)‐OH(Nα‐Fmoc‐Nε‐Dde‐L‐lysine、Nα‐Fmoc‐Nε‐[1‐(4,4‐dimethyl‐2,6‐dioxocyclohexylidene)ethyl]‐L‐lysine)(21.3g、2当量)およびDIPEA(29.9ml、8当量)をDCM(700ml)に入れて常温で12時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ500mlのDCM(ジクロロメタン)とMeOH、DCM、DMF(ジメチルホルムアミド)を用いて順に洗浄した。真空乾燥し、固体相形態の化合物1a(Fmoc‐Lys(Dde)‐O‐2‐chloro trityl resin)を99%収率で23g取得した。
実施例1‐2.化合物1bの合成
800mlの反応容器に化合物1aと700mlの20%piperidine in DMFを入れて常温で5分間反応させた後、濾過して反応液を除去した。700mlの20%piperidine in DMFをもう一度加え、常温で5分間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ500mlのDCMとMeOH、DCM、DMFを用いて順に洗浄した。真空乾燥し、固体相形態のFmocが除去された生成物にFmoc‐Lys(Fmoc)‐OH(47.3g、4当量)とHOBt(10.8g、4当量)およびDIC(12.4ml、4当量)を600mlのDMFに溶解して加え、常温で4時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ500mlのDCMとMeOH、DCM、DMFを用いて順に洗浄した。真空乾燥し、固体相形態の化合物1b(Fmoc‐Lys(Fmoc)‐Lys(Dde)‐O‐2‐chloro trityl resin)を98%収率で25g取得した。
実施例1‐3.化合物1cの合成
800mlの反応容器に化合物1bと700mlの20%piperidine in DMFを入れて常温で5分間反応させた後、濾過して反応液を除去した。700mlの20%piperidine in DMFをもう一度加え、常温で5分間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ500mlのDCMとMeOH、DCM、DMFを用いて順に洗浄した。真空乾燥し、固体相形態のFmocが除去された生成物にtert‐butyl bromoacetate(59.1ml、20当量)とDIPEA(69.7ml、20当量)を600mlのDMFに溶解して加え、常温で12時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンを500mlのDMFを用いて洗浄した。また1、8‐Bis(dimethylamino)napthalene(85.7g、20当量)とtert‐butyl bromoacetate(59.1ml、20当量)およびDIPEA(69.7ml、20当量)を600mlのDMFに溶解して加え、常温で12時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ500mlのDCMとMeOH、DCM、DMFを用いて順に洗浄した。真空乾燥し、固体相形態の化合物1c(tert‐butoxycarbonylmethyl)2‐Lys(tert‐butoxycarbonylmethyl)2‐Lys(Dde)‐O‐2‐chloro trityl resin)を95%収率で31g取得した。
実施例1‐4.化合物1dの合成
800mlの反応容器に化合物1cと700mlの2%hydrazine in DMFを入れて5分間常温で反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンを500mlDMFを用いて洗浄した。また700mlの10%DIPEA in DMFを加え、常温で5分間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ500mlのDCMとMeOH、DCM、DMFを用いて順に洗浄した。真空乾燥し、固体相形態の化合物1d(tert‐butoxycarbonylmethyl)2‐Lys(tert‐butoxycarbonylmethyl)2‐Lys(NH2)‐O‐2‐chloro trityl resin)を99%収率で30g取得した。
実施例1‐5.化合物1の合成
10mlの反応容器に化合物1d(460mg、1当量)を入れて、hexanoic acid(186μl、8当量)とDIC(248μl、8当量)およびHOBt(216mg、8当量)を5mlのDMFに溶解して加え、常温で2時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ5mlのDCMとMeOH、DCMを用いて順に洗浄した。真空乾燥した後、5mlのcleavage cocktail(trifluoro acetic acid:triisopropylsilane:DW=95:2.5:2.5)を加え、常温で3時間反応させた。濾過して反応液を集め、これに45mlのdiethyl etherを加えて生成物を沈殿させた。遠心分離機を用いて固体生成物を集め、45mlのdiethyl etherで2回洗浄した。得られた固体生成物をPrep‐HPLC(column C18、10μm、250mm×22mm)を用いて精製した後、凍結乾燥して化合物1(LC‐Massで測定した分子量:604.65)を64%収率で77mg取得した。
[比較例1]化合物2の合成
10mlの反応容器に化合物1d(460mg、1当量)を入れて、octanoic acid(230μl、8当量)とDIC(248μl、8当量)およびHOBt(216mg、8当量)を5mlのDMFに溶解して加え、常温で2時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ5mlのDCMとMeOH、DCMを用いて順に洗浄した。真空乾燥した後、5mlのcleavage cocktail(trifluoro acetic acid:triisopropylsilane:DW=95:2.5:2.5)を加え、常温で3時間反応させた。濾過して反応液を集め、これに45mlのdiethyl etherを加えて生成物を沈殿させた。遠心分離機を用いて固体生成物を集め、45mlのdiethyl etherで2回洗浄した。得られた固体生成物をPrep‐HPLC(column C18、10μm、250mm×22mm)を用いて精製した後、凍結乾燥して化合物2(LC‐Massで測定した分子量:632.7)を56%収率で62mg取得した。
[比較例2]化合物3の合成
10mlの反応容器に化合物1d(460mg、1当量)を入れて、decanoic acid(275μl、8当量)とDIC(248μl、8当量)およびHOBt(216mg、8当量)を5mlのDMFに溶解して加え、常温で2時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ5mlのDCMとMeOH、DCMを用いて順に洗浄した。真空乾燥した後、5mlのcleavage cocktail(trifluoro acetic acid:triisopropylsilane:DW=95:2.5:2.5)を加え、常温で3時間反応させた。濾過して反応液を集め、これに45mlのdiethyl etherを加えて生成物を沈殿させた。遠心分離機を用いて固体生成物を集め、45mlのdiethyl etherで2回洗浄した。得られた固体生成物をPrep‐HPLC(column C18、10μm、250mm×22mm)を用いて精製した後、凍結乾燥して化合物3(LC‐Massで測定した分子量:660.36)を66%収率で79mg取得した。
[比較例3]化合物4の合成
10mlの反応容器に化合物1d(460mg、1当量)を入れて、dodecanoic acid(320μl、8当量)とDIC(248μl、8当量)およびHOBt(216mg、8当量)を5mlのDMFに溶解して加え、常温で2時間反応させた。濾過して反応液を除去し、合成されたレジンをそれぞれ5mlのDCMとMeOH、DCMを用いて順に洗浄した。真空乾燥した後、5mlのcleavage cocktail(trifluoro acetic acid:triisopropylsilane:DW=95:2.5:2.5)を加え、常温で3時間反応させた。濾過して反応液を集め、これに45mlのdiethyl etherを加えて生成物を沈殿させた。遠心分離機を用いて固体生成物を集め、45mlのdiethyl etherで2回洗浄した。得られた固体生成物をPrep‐HPLC(column C18、10μm、250mm×22mm)を用いて精製した後、凍結乾燥して化合物4(LC‐Massで測定した分子量:688.81)を62%収率で72mg取得した。
[実施例2]本発明の化合物1によるオートファジー活性増加
本発明の化合物1の処理による細胞内オートファジー活性増加を分析するために、LC3(light chain 3)タンパク質に対するwestern blotを行った。
具体的な実験方法として、ヒト線維芽細胞であるHDF(Human dermal fibroblast)は培養用6well plate に1well当たり1×105個の細胞数で一定に分注し、DF‐1培地(Dermal Fibroblast Growth MEDium、Zenbio)で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1を100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地に希釈して200μmの濃度に希釈した後、各wellに1mlの培地が予め入っている状態で希釈液を1mlずつ入れて処理した後、所定時間培養し、培養終了後、培地を除去し、SDS sample bufferで細胞を破砕した後、SDS‐PAGE gel電気泳動で各タンパク質を分離し、PVDF(Polyvinylidene difluoride)membraneに移動させた後、ブロッキングバッファーを用いて非特異的結合を除去し、LC3タンパク質に対する抗体およびこれに対するHRP結合された二次抗体(anti‐rabbit IgG HRP、Sigma)を反応させた後、ECL prime kit(Amersham pharmacia)を用いたEnhanced chemiluminescence(ECL)反応をさせて、ChemiDoc(UVITEC)分析を行った。
その結果を図1に示しており、図1に示されているように、本発明の化合物1によりLC3‐II(Microtubule‐associated protein1A/1B‐light chain 3)の生成が増加することが分かる。
[実施例3および比較例4]本発明の化合物1および比較例3の化合物4によるアディポネクチン発現増加
本発明の化合物1と比較例3の化合物4の処理による細胞内アディポネクチン発現増加効果を比較分析するために、アディポネクチン遺伝子に対するreal‐time PCRを行った。
具体的な実験方法として、ヒト線維芽細胞であるHDF(Human dermal fibroblast)は、培養用6well plateに1well当たり1×105個の細胞数で一定に分注し、DF‐1培地(Dermal Fibroblast Growth MEDium、Zenbio)で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1または化合物4それぞれを100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地に希釈して200μmの濃度に希釈した後、各wellに1mlの培地が予め入っている状態で希釈液を1mlずつ入れて処理した後、24時間培養し、培養終了後に培地を除去した後、DF‐2培地(Dermal Fibroblast Basal MEDium、Zenbio)1mlを入れてUVA(紫外線A)を10J/cm2で照射し、また同じ方式で各wellを化合物1または化合物4で処理した後、24時間さらに培養した。培養終了後、Trizol(Ambion)で細胞を破砕し、chloroform/isopropanolで全体のmRNAを集めた後、reverse trascriptaseでcDNAを合成してアディポネクチンに対する特異的なprimerを用いてreal‐time PCR(QuantStudio 3、Thermo Fisher)を行い、その結果を図2と図3に示した。
図2〜図3に示されているように、本発明の化合物1を処理してアディポネクチン遺伝子の発現が増加することを確認した。また、本発明の化合物1を処理した後、UVAの照射後に減少したアディポネクチン遺伝子発現量の回復が化合物4よりさらに高いことを確認した。
[実施例4および比較例5]本発明の化合物1によるMMP‐1発現減少
本発明の化合物1または化合物4の処理によるMMP‐1(Matrix metalloproteinase‐1)発現減少効果を比較分析するために、紫外線UVA、UVB(紫外線B)を細胞に照射した後、MMP‐1遺伝子に対するqPCRを行った。
具体的な実験方法として、ヒト線維芽細胞であるHDF(Human dermal fibroblast)は培養用6well plateに1well当たり1×105個の細胞数で一定に分注し、DF‐1培地(Dermal Fibroblast Growth MEDium、Zenbio)で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1または化合物4それぞれを100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地に希釈して200μmの濃度に希釈した後、各wellに1mlの培地が予め入っている状態で希釈液を1mlずつ入れて処理した後、24時間培養した。紫外線処理群の場合、DF‐2培地(Dermal Fibroblast Basal MEDium、Zenbio)に行った後、UVB100mJ/cm2あるいは UVA 5J/cm2で照射して24時間さらに培養した。培養終了後、Trizol(Ambion)で細胞を破砕し、chloroform/isopropanolで全体mRNAを集めた後、reverse transcriptaseでcDNAを合成してMMP‐1に対する特異的なprimerを用いてreal‐time PCR(QuantStudio 3、Thermo Fisher)を行い、その結果を図4に示した。
その結果として、図4に示されているように、本発明の化合物1を処理した後にUVAおよびUVBの照射後に増加したMMP‐1遺伝子の発現量が減少することが分かり、対照群として使用したAdipoRon(Adiponectin receptor agonist)よりMMP‐1発現減少効果がさらに優れていた。また、比較例3の化合物4を処理した時よりもMMP‐1発現減少量がさらに増加した。これにより、本発明の化合物1は、太陽光の紫外線によるコラーゲンタンパク質の分解を減少させて、光老化によるしわ形成を抑制することができる。
[実施例5]本発明の化合物1によるIL‐6発現および分泌減少
本発明の化合物1または化合物4の処理による炎症性サイトカインIL‐6(Interleukin 6)の発現減少効果を比較分析するために、紫外線UVBを細胞に照射した後、IL‐6遺伝子に対するRT‐PCRおよびIL‐6に対するELISA(enzyme‐linked immunosorbent assay)分析を行った。
具体的な実験方法として、ヒト由来表皮角質細胞であるHEKa(Human Epidermal Keratinocytes、adult)細胞を培養用12well plateに1well当たり2×105個の細胞数で一定に分注し、(1X HumanKeratinocyte Growth Supplement、1X antibiotics)EpiLife(Gibco)培地で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1または化合物4それぞれを100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地に希釈して200μmの濃度に希釈した後、各wellに0.5mlの培地が予め入っている状態で希釈液を0.5mlずつ入れて処理した後、24時間培養した。その後、growth supplementがない状態の培地に行った後、UVBを30mJ/cm2で照射して24時間さらに培養した。培養終了後、培地を集めた後、Trizol(Ambion)で細胞を破砕し、chloroform/isopropanolで全体のmRNAを集めた後 reverse trascriptaseでcDNAを合成してIL‐6に対する特異的なprimerを用いてRT‐PCR(Thermal Cycler、Bio‐rad)を行った。PCRを行った後、agarose gel電気泳動で分析してその結果を図5に示した。また、集めておいた培地をIL‐6に対するELISA分析を行い、その結果を図6に示した。
図5に示されているように、本発明の化合物1を処理した後、UVBの照射後に増加したIL‐6遺伝子の発現がblankに比べて減少する傾向性を確認しており、対照群として使用したAdipoRonより発現減少がさらに優れていた。また、比較例3の化合物4を処理した時よりもIL‐6遺伝子の発現減少がさらに優れていた。図6では本発明の化合物1を処理した後、UVBの照射後に増加したIL‐6の分泌がblankに比べて減少することを確認した。これにより、本化合物1は太陽光の紫外線による炎症緩和に効果的であることが分かる。
[実施例6]本発明の化合物1および化合物4によるIL‐8分泌減少
本発明の化合物1または化合物4の処理による炎症性サイトカインIL‐8(interleukin 8)の分泌減少効果を比較分析するために紫外線UVBを細胞に照射した後、IL‐8に対するELISA(enzyme‐linked immunosorbent assay)分析を行った。
具体的な実験方法として、ヒト由来の表皮角質細胞であるHEKa(Human Epidermal keratinocytes、adult)細胞を培養用12well plateに1well当たり2×105個の細胞数で一定に分注し、(1x Human keratinocyte Growth supplement、1X antibiotics)EpiLife(Gibco)培地で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1または化合物4それぞれを100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地に希釈して200μmの濃度に希釈した後、各wellに0.5mlの培地が予め入っている状態で希釈液を0.5mlずつ入れて処理した後、24時間培養した。その後、growth supplementがない状態の培地に行った後、UVBを100mJ/cm2で照射して24時間さらに培養した。培養終了後、培地を集めた後、IL‐8に対するELISA分析を行い、その結果を図7に示した。
図7に示されているように、本発明の化合物1を処理した後、UVBの照射後に増加したIL‐8の分泌がblankに比べて減少することを確認した。また、比較例3の化合物4を処理した時よりもIL‐8の分泌が大幅に減少することを確認した。これにより、本化合物1は、太陽光の紫外線による炎症緩和に効果的であることが分かる。
[実施例7]本発明の化合物1のオートファジー活性によるアディポネクチン生成増加
本発明の化合物1の処理によるアディポネクチンの生成増加効果とオートファジー活性増加効果とを比較分析するためにオートファジー抑制剤である3‐MA(3‐Methyladenine)とCQ(Chloroquine)を細胞に処理し、アディポネクチンタンパク質に対するwestern blotを行った。
具体的な実験方法として、ヒト線維芽細胞であるHDF(Human dermal fibroblast、neonatal)は培養用6well plateに1well当たり1×105個の細胞数で一定に分注し、LSGS(low serum growth supplement、Gibco)が添加されたMedium 106(Gibco)培地で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1は、100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地に希釈して300μmの濃度に希釈し、3‐MAとCQは各50mMと10mMの濃度で水に溶解して濃縮液に準備した後、これらの濃縮液を培地で各々15mMと30μmの濃度に希釈した。次に、各wellをそれぞれ最終3倍希釈された濃度の前記物質で処理した後、48時間培養し、培養終了後に培地を除去してSDS sample bufferで細胞を破砕した後、SDS‐PAGE gel電気泳動で各タンパク質を分離し、PVDF(Polyvinylidene difluoride)membraneに移動させた後、ブロッキングバッファーを用いて非特異的結合を除去し、LC3タンパク質に対する抗体およびこれに対するHRP結合された二次抗体(anti‐rabbit IgG HRP、Sigma)を反応させた後、ECL prime kit(Amersham pharmacia)を用いたEnhanced chemiluminescence(ECL)反応をさせて、ChemiDoc(UVITEC)分析を行った。
その結果を図8に示しており、図8に示されているように、本発明の化合物1でアディポネクチンタンパク質の生成が増加し、オートファジー抑制剤とともに処理後には化合物1によって増加したアディポネクチンタンパク質の生成が減少することを確認した。これにより、本化合物1のアディポネクチンタンパク質の生成増加はオートファジー活性によるものであることが分かる。
[実施例8]本発明の化合物1による細胞DNA損傷保護効果
CPD(cyclobutane pyrimidine dimers)は、紫外線B(UVB)によってDNAのチミン(thymine)あるいはシトシン(cytosine)塩基間のC=C二重結合の産物であり、DNAの構造を変化させ、結果的に重合酵素を抑制し、複製を抑制し、窮極的に人体の黒色腫の主要原因になると知られている。
本発明の化合物1の細胞DNA損傷保護効果を確認するために、CPD生成をELISA(enzyme‐linked immunosorbent assay)遂行および蛍光免疫染色法(immunofluorescence staining)を用いた共焦点顕微鏡(confocal microscope)撮影により分析した。
具体的な実験方法として、ヒト線維芽細胞であるHDF(Human dermal fibroblast、neonatal)は培養用96well plateあるいはpoly‐L‐Lysがコーティングされたconfocal slideに3〜4×104個の細胞数で一定に分注し、LSGS(low serum growth supplement、Gibco)が添加されたMedium 106(Gibco)培地で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1は、100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これをLSGSがない培地で200μmの濃度に希釈した後、各wellに0.1mlの培地が予め入っている状態で希釈液を0.1mlずつ入れて前処理した後、24時間培養した。その後、PBSで置換した後、UVBを100mJ/cm2で照射して、同じ方式で希釈された化合物1をまた後処理し、24時間さらに培養した。培養終了後、CPD ELISAとCPD stainingは常用化されたkit(OxiSelectTM、Cell biolabs)を用いており、その方法は、製造社のマニュアルにしたがって実施した。
その結果として、図9に示されているように、UVBの照射後に増加していたCPD生成が本発明の化合物1を処理すると減少することが分かった。また、図10に示されているように、UVBの照射後に増加した緑色蛍光の強度が本発明の化合物1を処理した後に減少することを確認した。これにより、本発明の化合物1は、紫外線によるDNA損傷を回復し、その結果、細胞を保護するのに効果的であることが分かる。
[実施例9]本発明の化合物1による細胞DNA損傷回復の効果
損傷されたDNAの修復メカニズムであるヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair、NER)経路の主要因子としてXPAとXPC(Xeroderma pigmentosum、complementation group A and C)があり、XPCは損傷されたDNA部位を感知する役割を行い、XPAはDNA損傷部位にDNA修復タンパク質を集めるための支持台の役割を行う。
本発明の化合物1の細胞DNA損傷回復の効果を確認するために、XPCおよびXPA(Xeroderma pigmentosum、complementation group C and A)遺伝子の発現変化をqPCRで確認した。
具体的な実験方法として、ヒト線維芽細胞であるHDF(Human dermal fibroblast、neonatal)は培養用6well plateに1well当たり1×105個の細胞数で一定に分注し、LSGS(low serum growth supplement、Gibco)が添加されたMedium 106(Gibco)培地で24時間37℃、5%CO2条件でインキュベータで培養した。本発明の化合物1は、100mMの濃度で水に溶解して濃縮液とし、これを培地で200μmの濃度に希釈した後、各wellに0.1mlの培地が予め入っている状態で希釈液を0.1mlずつ入れて前処理した後、24時間培養した。その後、PBSで置換した後、UVBを100mJ/cm2で照射して、同じ方式で希釈された化合物1をまた後処理し、24時間さらに培養した。培養終了後、培養液を除去してRNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いて全体のmRNAを集めた後、reverse transcriptaseでcDNAを合成してXPCおよびXPAに対する特異的なprimerを用いてreal‐time PCR(QuantStudio 3、Thermo Fisher)を行った。
その結果として、図11に示されているように、UVBの照射後に減少したXPC、XPA遺伝子の発現が、本発明の化合物1の処理後に増加することを確認した。これにより、本発明の化合物1は紫外線によるDNA損傷から細胞を回復させる効果があることを分かる。
[実施例10]本発明の化合物1の紫外線による皮膚損傷予防の効果
本発明の化合物1の紫外線による皮膚保護の効果を確認するために、本発明の化合物1を含有する製品に対する臨床テストを西原大学校グローバル皮膚臨床試験センターを介して実施した。
具体的な試験方法として、ガルデルマコリア社製のセタフィル・デイリーフェイシャルモイスチャライザー(SPF15/PA++)をvehicleとし、本発明の化合物1を100ppm、すなわち0.01重量%含む製品を準備し、被験者13人(平均年齢27.0±10.4)の下膊(肘から手首)の内側部位に総2週間1日2回塗布した後、UV solar simulator(WACOM、Japan)およびUV light meter(Sato Shouji、Japan)装置を用いて紫外線を照射し、MED(Minimal Erythema Dose、最小紅斑量)、すなわち紅斑を起こす最小紫外線照射量の増加率を測定し、効果を判定した。
その結果を図12に示しており、図12に示されているように、MED判定結果、使用前0週に比べ、本発明の化合物1が含有された製品を2週間使用した後、統計的に有意にMEDが増加しており、MED増加率(%)は使用前0週に比べ、本発明の化合物1が含有された製品を2週間使用した後、平均56.2%増加した。これにより、本発明の化合物1は、紫外線による皮膚損傷予防に効果的であることが分かる。
[実施例11]本発明の化合物1の皮膚の赤み緩和効能
本発明の化合物1が紫外線による皮膚保護効果だけでなく(実施例10)、皮膚の赤みを緩和させるにも効果があるか否かを確認するために、本発明の化合物1を含有する製品に対する赤み緩和効能臨床テストを(株)大韓皮膚科学研究所を介して実施した。
具体的な試験方法として、白色のクリームをvehicleとし、本発明の化合物1を含有する製品を準備し、総4週間12人の皮膚の赤みを有する被験者を対象として試験した。被験者の顔面の左側および右側のほお部位をランダムに試験試料塗布部位および対照試料塗布部位に割り付け、本発明の化合物1を含有する製品と対照群であるvehicleをそれぞれ1日2回、朝方、夕方に自分で塗布するようにした。2週目、4週目に色差計(Chromameter)を用いて試験部位である顔面の左側ほおと顔面の右側ほお部位をそれぞれ5回測定した後、皮膚の赤み指数(a‐value)を数値化した。本発明の化合物1を含有する組成物は、下記表1に記載の成分で製造した。
その結果を図13に示しており、図13に示されているように、対照部位の皮膚の赤み改善率が、試験開始から2週後、4週後、それぞれ−5.34%、−5.15%と効果が現われていない一方、本発明の化合物1が含有された製品を使用した試験部位は、試験開始から2週後には5.93%、試験開始から4週後には13.23%の改善率を示した。これにより、本発明の化合物1が、皮膚の赤み緩和の効果を有することが分かる。