JP6555717B2 - 被覆シーリング用粘着テープ又はシート - Google Patents
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Description
図1に示すように、本態様に係る被覆シーリング用粘着テープまたはシートは、少なくとも支持体層と粘着剤層からなる。なお、本態様に係る被覆シーリング用粘着テープまたはシートは、必要に応じてその他の層を更に有していてもよい。例えば、図2に示すように、該被覆シーリング用粘着テープまたはシートは、必要に応じ、剥離ライナーを粘着剤層上に有していてもよい。また、本態様に係る被覆シーリング用粘着テープまたはシートは、図1(b)及び図2(b)に示すように、ロール状に形成されていてもよい。以下、本発明の被覆シーリング用粘着テープまたはシートについて説明する。
本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートは、補修必要箇所周辺の構造物表面及び補修必要箇所に注入、充填した補修材からなる被着体に対する90°ピール粘着力が、作業環境の温度を5〜40℃{具体的には、(1)5℃、(2)23℃及び(3)40℃の環境である。}とした場合において、貼付30分後で3N/10mm以上かつ貼付24時間後で20N/10mm以下である。さらに貼付24時間後で15N/10mm以下であるとより好ましい。該粘着力が貼付30分後で3N/10mm未満であると、補修材注入時にテープ端部から注入する補修材が溢れたり、テープが盛り上がったりする場合がある。該粘着力が貼付24時間後で20N/10mmを超えると、補修材硬化後に該粘着テープ又はシートを除去する際に、強い力で剥がす必要があり、剥離作業性が悪くなる場合がある。なお、該粘着力(90°ピール粘着力)は、下記試験方法により測定された数値である。
測定対象の粘着テープ又はシートを10mm幅×150mmに切断し、#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネルに、温度が(1)5℃、(2)23℃又は(3)40℃のいずれかであり、且つ、湿度が40〜50%RHである環境下において、質量2kgの圧着ローラーを用い、600mm/minの速度で、2往復ローラー圧着する。その後、それぞれの環境下において、所定時間静置し90°剥離試験を行う。測定する際の剥離速度は300mm/minであり、測定対象の粘着テープと被着体である#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネルは、それぞれの環境下(剥離試験時の環境と同等の環境下)に24時間以上静置したものを使用する。
本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートに用いる粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ポリオレフィン系、エチレン・酢酸ビニル共重合体系等の各種粘着剤を使用することができるが、補修材に対する再剥離性の点からはゴム系粘着剤を含むことが好ましく、生産性の点からも、ホットメルト方式による塗布に適したスチレン系エラストマーを含むことがより好ましい。本発明の粘着剤に使用するスチレン系エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレンイソプレン系共重合体、スチレンブタジエン系共重合体、またはそれらの水素添加物等の各種スチレン系エラストマーを使用することが出来る。
更には、本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートに用いる粘着剤としては、該スチレン系エラストマー100重量部に対して粘着付与樹脂を40〜120重量部含有することが好ましい。本発明の粘着剤に使用する粘着付与樹脂としては、特に限定されず、例えば、ロジンエステル系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂、またはそれらの水素添加物等の各種粘着付与樹脂を使用することができる(なお、複数種の粘着付与樹脂を併用してもよい)。粘着剤層に含有する粘着付与樹脂がスチレン系エラストマー100重量部に対して40重量部を下回ると、構造物表面のひび割れ、補修必要箇所周辺に対する密着性が不足し、補修材を加圧注入した際に、接着した部分が浮き上がったり、剥がれたりして、補修材が漏れ出す場合がある。一方、粘着剤層に含有する粘着付与樹脂がスチレン系エラストマー100重量部に対して120重量部を上回っても、粘着剤が硬くなる等し、補修材が漏れ出す場合がある。さらに、貼付24時間後の剥離の際にエポキシ樹脂系補修材に糊残りが発生する場合もある。
本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートに用いる支持体としては、特に限定されず、例えば、プラスチックフィルム、不織布、紙、布、金属箔等及びその複合体等を使用することができる。素材としては、特に限定されず、例えばポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン‐1共重合体、エチレンオクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン系材料、ポリビニルアルコール系材料、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系材料、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系材料、構造内に亜鉛、ナトリウム等の金属イオンをもつ各種アイオノマー系材料、ポリスチレン、スチレンイソプレン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等のスチレン系材料、ポリウレタン系材料、塩ビ系材料、フッ素系材料、アセテート、セロファン等のセルロース系材料、レーヨン、綿等、アルミ、銅、銀、金、スズ、ステンレス等の金属等、各種材料の1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。支持体は特に限定されないが、2軸延伸のポリプロピレンフィルムや2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。好ましくは、このフィルムの片面に、アクリル樹脂、ビニル共重合体、変性ポリオレフィン樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂からなるプライマーを塗布し、乾燥させた後、プライマーの上に粘着剤を塗布する。
本発明の被覆シーリング用粘着テープ又はシートは、少なくとも支持体層と粘着剤層、或いは少なくとも支持体層と粘着剤層と剥離ライナーからなる該粘着テープ又はシートの総厚さ(平均総厚さ)が300μm以下であることが好ましい。該総厚さが300μmを上回ると、厚くなるほど材料費、粘着剤塗布加工等の工程費が高くなる為に、該粘着テープ又はシートの製造原価はかなり高いものとなって製品の販売価格も高くせざるを得なくなる場合がある。また、製品としてロール状に巻いた際、巻径が大きくなり、補修必要箇所に作業者が貼付する際は、該粘着テープ又はシートを携帯した状態で作業を行う必要があるが、巻径が大きくなると取り扱いし難くなる為、巻径を一定以下に抑える為に巻長さを短くせざるを得なくなって、短時間で頻繁に新しいロールに交換する必要がある為、屋外で貼付を行う作業者にとってはとても煩雑な作業となる場合がある。なお、本発明の被覆シーリング用粘着テープ又はシートの総厚さ(平均総厚さ)の下限値は特に限定されないが、例えば65μmであり、好適には140μmである。
本発明の被覆シーリング用粘着テープ又はシートに用いる支持体層は、特に限定されず、例えば、押出成形、キャスト成形、延伸等により成形、或いは該成形物をラミネート等による積層等、種々の方法で製造することができる。
以上の本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートは、低圧注入工法による補修方法において、補修材の種類及び被着対象は限定されずに適用可能である。本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートの好適な適用条件の具体例としては、補修材をエポキシ樹脂系補修材とし、補修環境をエポキシ樹脂系補修材に適している5℃以上の環境とし、平滑で粉等のない乾燥したコンクリート面等を補修対象(被着対象)として適用する、等である。なお、低圧注入工法による構造物のひび割れ、凹み等の補修は、以上の本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートを用いることで、例えば、以下の手順1〜5で行うことができる。該一連の工程に要する作業時間は、25時間(春〜秋期)〜49時間(冬期)程度である。
手順1:本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートを補修必要箇所{図3(a)参照}の表面を覆う状態で貼付する{図3(b)及び図3(c)参照}。
手順2:手順1で貼付した本発明の被覆シーリング用の粘着テープ又はシートの表面の任意の箇所に、補修材を注入する為の貫通孔を開ける。
手順3:手順2で開けた貫通孔の上に、該貫通孔を維持した状態で、注入口部品を配置し、硬化時間の短い接着剤で固定する{図4(a)及び図4(b)参照}。該接着剤は、背景技術の中で記載の被覆シーリング材の代わりに用いられるものと同等のものであり、塗布後、1時間程度で硬化する。
手順4:手順3で配置、固定した注入口部品の貫通口に加圧注入できる専用器具をセットし、補修必要箇所に補修材を注入、充填する{図5(a)参照}。
手順5:補修材が硬化した後、加圧注入用専用器具を取り外し{図5(b)参照}、注入口部品が表面に載ったままの状態で被覆シーリング用の粘着テープ又はシートを補修必要箇所から剥がして除去する{図6(a)及び図6(b)参照}。
使用した構成材料の内容、作製方法は、次の通りである。
本実施例で用いた、基材の種類、基材のヤング率及び基材厚さ(平均厚さ)は、表2及び3に示す通りである。なお、表2及び3に示す基材のヤング率は、20℃、65%RH環境における測定結果を示す(また、特に実施例に係る基材のヤング率は、40℃環境下においても0.5GPa以上であることを確認した)。
(2)粘着剤
粘着剤主成分及び添加成分として、以下のものを用意した。
クインタック3270(日本ゼオン株式会社製スチレンイソプレンブロック共重合体)
クイントンG100B(日本ゼオン株式会社製脂肪族炭化水素樹脂)
クインタック3450(日本ゼオン株式会社製スチレンイソプレンブロック共重合体)
アイマーブS−100(出光興産株式会社製水添石油樹脂)
HV−300(JX日鉱日石エネルギー株式会社製ポリブテン)
NS−100(日東粉化工業株式会社製炭酸カルシウム)
アンテージW500(川口化学工業株式会社製フェノール系老化防止剤)
チヌビンP(BASFジャパン株式会社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)
チヌビンPA144(BASFジャパン株式会社製ヒンダードアミン系光安定剤)
クリアロンM105(ヤスハラケミカル株式会社製芳香族変性テルペン樹脂水素化物)
YSレジンLP(ヤスハラケミカル株式会社製液状テルペン樹脂)
また、アクリル系粘着剤として、SKダイン1717DT(綜研化学株式会社製)及びSKダイン801BT(綜研化学株式会社製)を用意した。クインタック、クイントン、アイマーブ、アンテージ、チヌビン、クリアロン、SKダインは登録商標。
〔対コンクリート剥離試験方法〕
測定対象の粘着テープを10mm幅×150mmに切断し、#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネルに、(1)温度5℃、湿度40%、(2)温度23℃、湿度50%、(3)温度40℃、湿度40%、の環境下において、質量2kgの圧着ローラーを用い、600mm/ minの速度で、2往復ローラー圧着する。それぞれの環境下において30分間、または24時間静置し、90°剥離試験を実施する。測定する際の剥離速度は300mm/minである。また、測定対象の粘着テープと被着体である#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネルは、それぞれの環境下に24時間以上静置したものを使用する。
30分後のテープ剥離時に5〜40℃の作業環境下にて粘着力が3N/10mm以上のものを、粘着性良好(○)と判定し、3N/10mm未満ものを粘着性不適(×)と判定した。また、24時間後のテープ剥離時に5〜40℃の作業環境下にて粘着力20N/10mm以下のものを剥離性良好(○)と判定し、15N/10mm以下のものを剥離性より良好(◎)、20N/10mmより大きいものを剥離困難(×)と判定した。
シリコーン処理されたPETフィルム上にアプリケーターを用いて硬化前のエポキシ系補修材を厚み1mmで塗工し、その上から測定対象の粘着テープの粘着面を硬化前のエポキシ系補修材に貼付する。このとき気泡が入り込まないように注意する。24時間後にエポキシ系補修材が硬化したことを確認し、PETフィルムから硬化したエポキシ系補修材を剥離し、10mm幅×150mmに切断する。これをT型剥離し(図7参照)、そのときの硬化したエポキシ系補修材への粘着剤の残留を評価する。測定する際の剥離速度は300mm/minである。
エポキシ樹脂系補修材に粘着剤の残留が全くないものを○と判定し、粘着剤の残留があるものを×と判定した。
#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネル(10×40×120mmそのうち40×120mmの1面のみ#180研磨処理されている)を4枚使用し、2枚のパネルを硬化時間の短い接着剤:コニシ株式会社製、クイックメンダー(登録商標)で10×40mm面同士を接着する。このとき#180研磨面同士が同方向になるようにする。それを2セット作製し、10×240mm面を0.5mm(ひび割れを模した間隙)開け、ここでも#180研磨面同士が同方向になるように#180研磨面以外の周囲全てを硬化時間の短い接着剤:コニシ株式会社製、クイックメンダー(登録商標)で封止する。このとき、接着剤はパネル内に1mm侵入してくる。したがってひび割れを模した凹みの容積は幅0.5mm×長さ238mm×深さ9mmとなる。これを過酷試験用ひび割れパネルとする。この過酷試験用ひび割れパネルに被覆シーリング用粘着テープ又はシートで凹みを覆い隠すように貼付する。これにカッター等で穴を空け、注入口部分を装着し、硬化時間の短い接着剤:コニシ株式会社製、クイックメンダー(登録商標)で固定する。30分後、加圧注入できる専用器具(シリンダー)をセットし、シリンダーに加圧ゴムを引っ掛けることでエポキシ系補修材を注入する(図8)。
例えば、シリンダーに40mLの補修材を装填した場合、加圧ゴムは170mm程度引き伸ばされる。そのときのゴムの力をバネばかりにて測定する。複数本のゴムをかける場合は、ゴムの力を総合した値をピストンの断面積で割り、算出圧力とする。パスカルの原理より、この圧力がテープへの注入圧となる。実施例と比較例の注入圧試験条件は加圧ゴム2本、補修材量40mL、算出圧力0.12MPaである。
テープ端部から注入する補修材が溢れたり、テープが盛り上がったりすることが無いものを○と判定し、補修材の溢れ、テープの盛り上がりがあったものを×と判定した。
Claims (4)
- 少なくとも支持体層と粘着剤層を含み、該支持体層の平均厚さが60〜200μmかつ該支持体層の5〜40℃の環境下におけるヤング率が0.5GPa以上であり、以下の試験方法に基づき算出された、貼付30分後の(1)5℃、(2)23℃及び(3)40℃の環境下の粘着力がいずれも3N/10mm以上、かつ、貼付24時間後の(1)5℃、(2)23℃及び(3)40℃の環境下の粘着力がいずれも20N/10mm以下であることを特徴とする、構造物のひび割れ、凹み等の補修時に使用する被覆シーリング用の粘着テープ又はシート。
(試験方法)
測定対象の粘着テープ又はシートを10mm幅×150mmに切断し、#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネルに、温度が(1)5℃、(2)23℃又は(3)40℃であり、且つ、湿度が40〜50%RHである環境下において、質量2kgの圧着ローラーを用い、600mm/minの速度で、2往復ローラー圧着する。その後、それぞれの環境下において、所定時間静置し90°剥離試験を行う。測定する際の剥離速度は300mm/minであり、測定対象の粘着テープと被着体である#180研磨ISO基準砂使用のモルタルパネルは、それぞれの環境下に24時間以上静置したものを使用する。 - 前記粘着剤層は、スチレン系エラストマー及び粘着付与樹脂を含有するゴム系粘着剤であり、且つ該スチレン系エラストマー100重量部に対して、該粘着付与樹脂を40〜120重量部含有することを特徴とする、請求項1記載の被覆シーリング用粘着テープ又はシート。
- 前記粘着剤層は、スチレン系エラストマー及び軟化剤を含有するゴム系粘着剤であり、且つ該スチレン系エラストマー100重量部に対して、該軟化剤を20〜60重量部含有することを特徴とする、請求項1又は2記載の被覆シーリング用粘着テープ又はシート。
- 少なくとも支持体層と粘着剤層を含む被覆シーリング用の粘着テープ又はシートであり、
前記支持体層は、平均厚さが60μm〜200μmであり、かつ、5〜40℃の環境下におけるヤング率が0.5GPa以上であり、前記粘着剤層は、スチレン系エラストマー、粘着付与樹脂及び軟化剤を含有するゴム系粘着剤であり、該スチレン系エラストマー100重量部に対して、粘着付与樹脂を40〜120重量部含有し、且つ、該スチレン系エラストマー100重量部に対して、該軟化剤を20〜60重量部含有することを特徴とする、構造物のひび割れ、凹み等の補修時に使用する被覆シーリング用粘着テープ又はシート。
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