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JP6556941B2 - 樹脂発泡体及び複合体 - Google Patents
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JP6556941B2 - 樹脂発泡体及び複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂発泡層と不織布とが積層された樹脂発泡体、及び当該樹脂発泡体と外部部材とが、樹脂発泡層に積層された不織布上に形成された接合層を介して接合してなる複合体に関する。
樹脂発泡層と不織布とが積層された樹脂発泡体は、これを単体で使用する他、外部部材と接合させて様々な用途に用いられる場合がある。樹脂発泡体と外部部材とを接合させた複合体としては、例えば、外部部材として金属パネルを用いたサンドイッチパネルや、樹脂シートを用いた防水断熱施工などが知られている。
しかし、樹脂発泡体における樹脂発泡層と不織布との接着強度が低いために、該樹脂発泡体と外部部材とを接合させた複合体において、これを使用する際、又はこれを必要とされる場所に設置した後に、不織布が樹脂発泡層から剥離して、樹脂発泡体と外部部材との一体性が失われてしまう不安があった。
これに対し、特許文献1では、樹脂発泡体の表面に、繊維径18ミクロン以下であり、かつ目付が15g/m2以上である合成繊維不織布を用いて、樹脂発泡体層と不織布との接着強度向上を試みている。
特開平11−198332号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、樹脂発泡層と表面不織布との接着強度は200g/3cm幅程度にとどまっている。本発明は、不織布と樹脂発泡層との接着強度を更に向上させ、多少手荒に扱っても不織布が剥離せず、美観の維持が容易な樹脂発泡体を提供するとともに、外部部材と接合させた複合体においては、従来以上に剥離しにくく、取り扱い性に優れた複合体を提供することを目的とするものである。
本発明は上記目的を達成するために、樹脂発泡層に積層させる不織布として、特定の伸び率及び引張強度を有する不織布を用いることが効果的であることを見出し、本発明を完成するにいたった。
即ち、本発明は以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定した伸び率が、縦方向及び横方向のいずれもが45%以上、250%以下であり、かつ、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法で測定した引張強度が、縦方向で100N/5cm幅以上、横方向で50N/5cm幅以上であるとともに、縦方向及び横方向のいずれもが600N/5cm幅以下である不織布と、フェノール樹脂発泡層とが、直接積層してなる、フェノール樹脂発泡体。
[2]
前記フェノール樹脂発泡層に隣接する不織布の内部に接着剤が共存し、かつ、前記不織布と前記フェノール樹脂発泡層との界面上における前記接着剤の存在が50%以下である、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[3]前記フェノール樹脂発泡体と外部部材とが、前記不織布上に形成された接合層を介して接合してなる複合体。
[4]前記接合層が接着剤からなる層であって、前記不織布の一部と前記接着剤の一部とが共存し、前記不織布と前記フェノール樹脂発泡層との界面上における前記接着剤の存在が50%以下である、[3]に記載の複合体。
上述したように、本発明の樹脂発泡体は、表面の不織布が、樹脂発泡層に強固に接着しているため剥がれにくく、多少手荒に扱っても樹脂発泡体の美観を損なうことがない上、外部部材との接合においては強固で、取り扱い性に優れた複合体を提供できる。
図1は、本実施形態の樹脂発泡体の一例を示す概略図(断面図)である。 図2は、本実施形態の複合体の一例を示す概略図(断面図)である。 図3は、本実施形態の複合体の一例を示す概略図(断面図)である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と称する場合がある。)に
ついて詳細に説明する。
本発明の樹脂発泡体は、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定した伸び率が、縦方向及び横方向のいずれもが45%以上、250%以下であり、かつ、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法で測定した引張強度が、縦方向で100N/5cm幅以上、横方向で50N/5cm幅以上であるとともに、縦方向及び横方向のいずれもが600N/5cm幅以下である不織布と、樹脂発泡層とが直接積層してなる。なお、本明細書において、縦方向とは不織布の製造方向をいい、横方向とは不織布表面上の縦方向に対して直角な方向をいう。
また、本発明の樹脂発泡体においては、前記樹脂発泡層に隣接する不織布の内部に、接着剤が共存していてもよいが、前記不織布と前記樹脂発泡層との界面上に前記接着剤が存在する部分の割合は50%以下である。
図1は、本実施形態の樹脂発泡体の一例を示す概略断面図である。本実施形態の樹脂発泡体1は、不織布2と樹脂発泡層3とが直接積層している。
本実施形態の樹脂発泡体における樹脂発泡層としては、種々の発泡樹脂が利用可能である。前記樹脂発泡層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂などが挙げられるが、適度な温度で加熱することにより硬化するポリウレタンやポリイソシアヌレート、フェノール樹脂が、使用する不織布の融点を制限しない点で好ましい。
なお、これら樹脂発泡層を断熱目的で利用する場合には、密度が15kg/m3以上60kg/m3以下であることが好ましい。より好ましくは20kg/m3以上50kg/m3以下である。また、独立気泡率は80%以上が好ましく、より好ましい範囲は85%以上、さらに好ましい範囲は90%以上である。
ここで、前記密度は、後述の(評価方法)の「(1)樹脂発泡層の密度」に記載の方法により測定される値をいう。また、前記独立気泡率は、後述の(評価方法)の「(2)樹脂発泡層の独立気泡率」に記載の方法により測定される値をいう。
前記樹脂発泡層を形成する際に用いる発泡剤としては、炭化水素を用いることが考えられる。炭化水素としては、炭素数が3〜7の環状または鎖状のアルカン、アルケン、アルキンが好ましく、具体的には、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン等が挙げられる。中でも、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等のペンタン類、及びノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン等のブタン類が好適に用いられる。これら炭化水素は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
発泡剤として炭化水素と他の成分との混合物を用いる場合、発泡剤中の炭化水素の含有割合は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。
また、発泡剤として、塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン等のハイドロフルオロオレフィン系発泡剤を構成成分に使用してもよい。なお、塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(製品名:Solstice(登録商標)LBA)などが挙げられ、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(製品名:Solstice(登録商標)1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンなどが挙げられる。塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び/又は非塩素化ハイドロフルオロオレフィンは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。ハイドロフルオロオレフィン系発泡剤を用いると、不織布との接着強度を更に高めることもできる。
上述した発泡剤は、いずれもそれぞれ組み合わせて使用することができる。発泡剤の使用量は、樹脂発泡層を形成する際に用いる発泡性樹脂組成物中に含まれる樹脂に対して2〜15質量%程度とするとよい。
樹脂の発泡時には、発泡核剤を含んでいてもよい。発泡核剤としては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の前記発泡剤よりも沸点が50℃以上低い低沸点物質が挙げられる。また、前記発泡核剤は、例えば、水酸化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、炭酸カルシウム粉、タルク、はくとう土(カオリン)、珪石粉、珪砂、マイカ、珪酸カルシウム粉、ワラストナイト、ガラス粉、ガラスビーズ、フライアッシュ、シリカフューム、石膏粉、ホウ砂、スラグ粉、アルミナセメント、ポルトランドセメント等の無機粉、樹脂発泡体粉のような有機粉等の固体発泡核剤であってもよい。前記発泡核剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記発泡核剤の前記発泡剤に対する添加量は、前記発泡剤全量(100質量%)に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下がより好ましい。発泡核剤の添加量が0.1質量%以上であれば均一な発泡が起こりやすく、また、発泡核剤の添加量が1.0質量%以下であれば、樹脂の発泡が促進され過ぎないため、不織布へ発泡樹脂を浸透させ易く、接着強度が確保しやすくなる。
更に前記発泡核剤の他、硬化剤、界面活性剤、可塑剤、増量剤等を含ませることもできる。
本実施形態の樹脂発泡体に使用する不織布は、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法で測定した伸び率が、縦方向及び横方向のいずれも45%以上、250%以下である。45%以上であれば、樹脂発泡層との接着強度が向上し、250%以下であれば、外部部材と接合させた際に、外部から受ける力による不織布自体の変形が起き難い。より好ましくは縦方向が60%以上200%以下、横方向が60%以上200%以下である。更に好ましくは縦方向が70%以上200%以下、横方向が70%以上200%以下である。
なお、不織布の伸び率は、後述の(評価方法)の「(3)不織布の伸び率」に記載の方法により測定される値をいう。
前記不織布は、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法で測定した引張強度が、縦方向で100N/5cm幅以上、横方向で50N/5cm幅以上であるとともに、縦方向及び横方向がともに600N/5cm幅以下である。縦方向が100N/5cm幅以上かつ、横方向が50/5cm幅以上であれば、本実施形態の樹脂発泡体を生産する際に、不織布が生産工程内で裂けてしまうリスクを回避し得るとともに、600N/5cm幅以下であれば前記伸び率を維持し得る。より好ましくは縦方向が150N/5cm幅以上、500N/5cm幅以下、横方向が70N/5cm幅以上500N/5cm幅以下である。
なお、不織布の引張強度は、後述の(評価方法)の「(4)不織布の引張強度」に記載の方法により測定される値をいう。
また、前記不織布の目付量は、50g/m2以上とすることが好ましい。50g/m2以上であれば複合体を形成する際、後述する接着剤として液状タイプの接着剤を使用した場合に、後述する共存部分が樹脂発泡層に到達しにくくなる。より好ましくは80g/m2以上、更に好ましくは100g/m2以上である。また、300g/m2以下であることが樹脂発泡層を適切に作り上げる点から好ましい。
なお、不織布の目付量は、後述の(評価方法)の「(5)不織布の目付量」に記載の方法により測定される値をいう。
更に、前記不織布の厚みは0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.6mm以上である。また、5mm以下であることが好ましい。0.3mm以上であれば、複合体を形成する際、後述する接合層に液状タイプの接着剤を使用した場合に、後述する共存部分が樹脂発泡層に到達しにくくなり、5mm以下であれば断熱性能の高い樹脂発泡層を作り易くなる。
なお、不織布の厚みは、後述の(評価方法)の「(6)不織布の厚み」に記載の方法により測定される値をいう。
前記不織布としては、乾式法やスパンボンド法等により製造される不織布、ニードルパンチ法やウォータージェット法等により製造される不織布等のように、接着剤や熱融着による接着(融着)、鉤付き針や水圧による絡ませのような方法で、布としての強度を維持するために意図的に繊維間を固定する工程を経て作られた不織布等が挙げられる。
本実施形態で用いる不織布に使用される繊維の種類としては、前述の伸び率と前述の引張強度とを満たす種々の繊維を使用することができるが、入手のしやすさからポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂を原料とした繊維が好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
本実施形態の樹脂発泡体においては、不織布内部に接着剤が共存していてもよい。ここで、不織布内部に接着剤が共存するとは、例えば、本実施形態の樹脂発泡体を外部部材と接着させるために予め不織布に液状接着剤を塗布した結果、不織布内部に接着剤が滲み込んだ場合等が挙げられる。
ただしこの場合、不織布と樹脂発泡層との界面上に接着剤が存在する部分の割合は50%以下であることが好ましい。50%を超えると、不織布と樹脂発泡層との剥離強度が低下する。不織布と樹脂発泡層との界面上に接着剤が存在する部分の割合のより好ましい範囲は30%以下であり、5%以下であることがさらに好ましい。
なお、不織布と樹脂発泡層との界面上に接着剤が存在する部分の割合は、後述の(評価方法)の「(8)不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合」に記載の方法により測定される値をいう。
本発明の複合体は、前記樹脂発泡体と外部部材とが、前記不織布上に形成された接合層を介して接合してなる。
図2は、本実施形態の複合体の一例を示す図である。本実施形態の複合体4は、不織布2と樹脂発泡層3とが直接積層してなる樹脂発泡体が、不織布2上に形成された接合層5を介して、外部部材7と接合している。
図3も、図2と同様に本実施形態の複合体の一例を示す図である。複合体4において、接合層5は接着剤からなる層であって、不織布2には、その一部に接着剤の一部が浸透し、不織布と接着剤とが共存している共存部分6が存在している。
ここで接合層とは、前記外部部材と前記不織布とを接合させる層であり、例えば、両面粘着シートからなる層、接着剤層等が挙げられる。
なお、接合層に液状接着剤を用い、不織布内部に接着剤を共存させると、不織布と樹脂発泡層との界面上の接着剤が存在する部分の割合が50%以下の場合には、不織布と樹脂発泡層との剥離強度以上に外部部材と樹脂発泡体との剥離強度が高まるため、接合層として液状接着剤を用いることが、より好ましい。
前記接合層を形成するために使用する接着剤としては、前記外部部材と前記不織布双方の材質をもとに、これらを接着させ得る種類のものが用いられる。中でも液状接着剤を用いて不織布内部に接着剤を共存させ、不織布と樹脂発泡層との界面上の接着剤が存在する部分の割合を50%以下とすると、不織布と樹脂発泡層との剥離強度以上に外部部材と樹脂発泡層との剥離強度が高まるため、より好ましく使用できる。液状接着剤の具体例としては、SBR系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、エポキシ系接着剤等が挙げられる。
液状接着剤を用いる場合、その粘度は3000mPa・s以上であることが好ましい。粘度が3000mPa・s以上であれば、液状接着剤が前記不織布の厚み方向を貫通して発泡樹脂層に到達してしまうことを防ぎやすくなる。より好ましくは3500mPa・s以上、さらに好ましくは4500mPa・s以上である。
なお、前記外部部材としては、樹脂シート、樹脂板、金属板、木板等を用いることができる。
(評価方法)
前述した物性値の測定方法を以下に列挙する。
(1)樹脂発泡層の密度
樹脂発泡層から任意の厚みで20cm角の直方体を切り出して試料とし、当該試料の質量と体積を測定して求める。JIS K 7222に従い測定する。
(2)樹脂発泡層の独立気泡率
樹脂発泡層の厚み方向中心位置において、バンドソーを用いて、樹脂発泡層の厚みが25mm以上の場合は25mm角の立方体を試料として切り出し、樹脂発泡層の厚みが25mm未満の場合は面材除去後の厚みを有し、縦横ともに25mmの直方体を試料として切り出して、空気比較式比重計(1000型、東京サイエンス社製)の標準使用方法により、試料体積V(cm3)を測定する。樹脂発泡層における独立気泡率は、下記式の通り、前記試料体積Vと試料質量W(g)と樹脂発泡層を構成する樹脂組成物の密度ρとから計算した気泡壁の体積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけの体積Va(cm3)で割った値であり、ASTM D 2856(C法)に従い測定する。
独立気泡率(%)=((V−W/ρ)/Va)×100
(3)不織布の伸び率
樹脂発泡体の部材として用いる不織布の伸び率は、不織布単体をそのままJIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定する。
不織布が樹脂発泡体の一部を形成している場合には、樹脂発泡層を有する不織布を、なるべく樹脂発泡層のみの箇所が少なくなるように樹脂発泡体から切りとり、不織布と絡み合った樹脂発泡層を物理的な方法によって崩す、液体窒素に浸して冷凍させた後に、物理的な方法によって崩す、樹脂発泡層のみを溶解・分解する溶剤に浸す、等、樹脂発泡層の性質に応じた適切な方法を選択することによって、樹脂発泡層を除去する。不織布内部に接着剤との共存部分が存在する場合には、共存する接着剤を物理的な方法によって崩す、液体窒素に浸して冷凍させた後に物理的な方法によって崩す、接着剤のみを溶解・分解する溶剤に浸す等、接着剤の性質に応じた適切な方法を選択することによって接着剤を除去する。その後、樹脂発泡体から得られた不織布をJIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定を行う。
不織布が複合体を形成しており、不織布と接合層との共存部分が存在する場合には、樹脂発泡層と接合層を有する不織布を、なるべく樹脂発泡層のみの箇所が少なくなるように、且つ、なるべく接合層のみの箇所が少なくなるように、複合体から切りとり、その後、不織布と絡み合った樹脂発泡層及び接着剤を物理的方法により崩す、液体窒素に浸して冷凍させた後に物理的方法により崩す、樹脂発泡層及び/又は接着剤のみを溶解・分解する溶剤に浸す等、樹脂発泡層及び接合層の性質に応じた適切な方法を選択することによって樹脂発泡層及び接合層を除去し、その後、複合体から得られた不織布をJIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定を行う。
(4)不織布の引張強度
樹脂発泡体の部材として用いる不織布の引張強度は、不織布単体をそのままJIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて、測定する。不織布が樹脂発泡体や複合体の一部を形成している場合は前記(3)と同様にして不織布を取り出した後に、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定する。
(5)不織布の目付量
樹脂発泡体の部材として用いる不織布の目付量は、不織布単体をそのままJIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて、測定する。また、不織布が樹脂発泡体や複合体の一部を形成している場合は前記(3)と同様にして不織布のみを取り出した後に、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定する。
(6)不織布の厚み
樹脂発泡体の部材として用いる不織布の厚みは、不織布単体をそのままJIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定する。不織布が樹脂発泡体や複合体の一部を形成している場合は前記(3)と同様にして不織布のみを取り出した後に、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定する。
(7)不織布と樹脂発泡層との接着強度
製造した樹脂発泡体から、幅25mm、長さ150mmの面積で、棒状の樹脂発泡体を切り出し、評価サンプルとする。評価サンプルを固定した上で、長さ方向端部から不織布をつまみ上げ、島津製作所オートグラフAG−Xにより不織布の90°剥離強度試験を行う。不織布の引張速度は200mm/minとする。なお、連続成形された樹脂発泡体から評価サンプルを切り出す場合は、評価サンプルの長さ方向を連続生産の流れ方向とする。
(8)不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合
接着剤を不織布内部に含む樹脂発泡体の任意の場所をカミソリ刃で切断して厚み方向の断面を露出させ、100倍の倍率で当該断面をSEMにて観察し、観察範囲における不織布と発泡樹脂層との界面全長に占める、接着剤が界面に到達している箇所の長さの割合を算出する。同様の計測を任意の全5か所において行い、その平均値を不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合とする。
(9)外部部材と樹脂発泡体との接着強度
外部部材と、幅25mm、長さ150mmの面積で、接合する樹脂発泡体から、外部部材を剥離する際に必要な強度を測定する。外部部材が樹脂シートの場合は、(7)と同様にして評価サンプル端部の樹脂シートをつまみ上げて、接着強度を測定する。外部部材が厚みのある樹脂成形体や金属板、木材等、可撓性を有しない材料の場合は、樹脂発泡体を適当な方法で固定した上で、外部部材の端部を当該部材に即した治具で挟み込み、島津製作所オートグラフAG−Xにより90°剥離強度試験を行う。引張速度は200mm/minとする。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
フェノール樹脂発泡体を以下の要領で製造し、さらに塩化ビニルシートとの複合体を作製して評価した。
<フェノール樹脂の合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液3500kgと99質量%フェノール2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えながら昇温して、反応を進行させた。オストワルド粘度が60センチストークス(25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を570kg(ホルムアルデヒド仕込み量の15モル%に相当)添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50重量%水溶液でpHを6.4に中和した。60℃で脱水処理して、得られた反応液(熱硬化型樹脂組成物)の粘度及び水分量を測定したところ、40℃における粘度は5,800mPa・s、水分量は5重量%であった。
<フェノール樹脂組成物の調製>
フェノール樹脂を主成分とする脱水後の反応液96.5質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF製、製品名「プルロニック(登録商標)F−127」)を3.5質量部の割合で混合した。
得られた界面活性剤含有フェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソペンタン50質量%とイソブタン50質量%との混合物7質量部、硬化触媒としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%との混合物11質量部を、25℃に温調したミキシングヘッドに供給し、フェノール樹脂組成物を得た。
ここで、使用する混合機は、上部側面に界面活性剤含有フェノール樹脂組成物、及び発泡剤の導入口があり、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に硬化触媒の導入口を備え、攪拌部以降はフォームを吐出するためのノズルを有する分配部に繋がっているピンミキサーを使用した。複数のノズルを有し、混合されたフェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。また混合機の中央側面と最下部には系内の温度が測定できるように、温度センサーがセットされている。さらに、混合機温度調整を可能にするための温調用ジャケットを備えている。この温度センサーで計測された温度は、36.4℃であった。
<フェノール樹脂発泡体の製造>
上下の不織布として、JIS L 1913:2010に基づいて、目付量200g/m2、厚み0.76mmと計測された、直径25μmの円形断面を有するポリプロピレン繊維からなり、縦方向の伸び率が70%、横方向の伸び率が90%、縦方向の引張強度が310N/5cm幅、横方向の引張強度が200N/5cm幅のスパンボンド不織布を移動させながらその上にマルチポート分配管を通して前記フェノール樹脂組成物を供給した。不織布上に供給されたフェノール樹脂組成物は、さらにその上から同種の不織布で被覆して上下の不織布で挟み込んで、85℃のスラット型ダブルコンベアへ送り、15分の滞留時間で硬化させた後、110℃のオーブンで2時間キュアして厚さ30mmの樹脂発泡体を得た。この際に利用したスラット型ダブルコンベアは、硬化中に発生する水分を外部に放出できるように水分の抜け道が設けられていた。成形したフェノール樹脂発泡体の樹脂発泡層の密度は、フェノール樹脂組成物の密度を1.3kg/cm3として27kg/m3であり、独立気泡率は90%であった。
このようにして生産した樹脂発泡体について、前記(7)の方法により不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。
続いて、同様にして生産した樹脂発泡体の表面不織布上に、メチルエチルケトンを55質量%含む、粘度4500mPa・sのニトリルゴム系液状接着剤を、1m2当たり200g塗布し、厚さ2mmの塩化ビニルシートの片面にも同様にして液状接着剤を塗布して、15分経過後に塩化ビニルシートの接着剤塗布面と樹脂発泡体の接着剤塗布面とを貼り合わせて複合体とした。その後、前記(8)の方法により不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合を、(9)の方法により塩化ビニルシートと樹脂発泡体との接着強度を評価した。
なお、樹脂発泡体から、前記(3)に記載の手段に従って樹脂発泡層付き不織布を切り取り、樹脂発泡層を不織布を構成する繊維に影響を与えないように物理的方法で崩して取り去って得た不織布の伸び率及び引張強度を測定したところ、伸び率は縦方向が72%、横方向が88%、引張強度は縦方向が311N/5cm幅、横方向が197N/5cm幅であった。
また、複合体から、前記(3)に記載の手段に従って樹脂発泡層付き不織布を切り取り、樹脂発泡層は不織布を構成する繊維に影響を与えないように物理的方法で崩して取り去り、接着剤層はアセトンに溶解させて除去することによって得た不織布の伸び率及び引張強度を測定したところ、伸び率は縦方向が74%、横方向が91%であり、引張強度は縦方向が312N/5cm幅、横方向が200N/5cm幅であり、伸び率、引張強度のいずれも樹脂発泡体及び複合体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
更に、樹脂発泡体から得られた不織布の目付量は199g/m2、厚みは0.75mmであり、複合体から得られた不織布の目付量は197g/m2、厚みは0.75mmであり、目付量、厚みのいずれも樹脂発泡体及び複合体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(実施例2)
上下の不織布として、JIS L 1913:2010に基づいて、目付量200g/m2、厚み1.65mmと計測された、直径25μmの円形断面を有するポリプロピレン繊維からなり、縦方向の伸び率が181%、横方向の伸び率が191%、縦方向の引張強度が242N/5cm幅、横方向の引張強度が167N/5cm幅のスパンボンド・ニードルパンチ複合成形不織布を、使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡体を成形し、前記(7)の方法により不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。
また、同様にして生産した樹脂発泡体の表面不織布上に、メチルエチルケトンを40質量%含む、粘度3000mPa・sのSBR系液状接着剤を、1m2当たり200g塗布し、15分経過後にその上から厚さ2mmの塩化ビニルシートを貼り付けて複合体とした。その後、実施例1と同様にして、不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合、塩ビシートと樹脂発泡体との接着強度を評価した。
また、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布及び複合体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体及び複合体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(実施例3)
上下の不織布として、JIS L 1913:2010に基づいて、目付量100g/m2、厚み1.0mmと計測された、断面が幅40μm、厚み5μmの扁平形をした捲縮ポリプロピレン繊維からなり、縦方向の伸び率が90%、横方向の伸び率が140%、縦方向の引張強度が245N/5cm幅、横方向の引張強度が80N/5cm幅のスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡体を成形し、前記(7)の方法により不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。
また、同様にして生産した樹脂発泡体の表面不織布上に、メチルエチルケトンを60質量%含む、粘度3500mPa・sのニトリルゴム系液状接着剤を、1m2当たり200g塗布し、厚さ2mmの塩化ビニルシートの片面にも同様にして液状接着剤を塗布して、15分経過後に塩化ビニルシートの接着剤塗布面と樹脂発泡体の接着剤塗布面とを貼り合わせて複合体とした。その後、実施例1と同様にして、不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合、塩化ビニルシートと樹脂発泡体との接着強度を評価した。
なお、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布及び複合体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体及び複合体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(実施例4)
上下の不織布として、JIS L 1913:2010に基づいて、目付量80g/m2、厚み0.73mmと計測された、断面が幅40μm、厚み5μmの扁平形をした捲縮ポリプロピレン繊維からなり、縦方向の伸び率が78%、横方向の伸び率が102%、縦方向の引張強度が176N/5cm幅、横方向の引張強度が57N/5cm幅のスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡体を成形し、前記(7)の方法により樹脂発泡体表面不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。
また、同様にして生産した、樹脂発泡体の表面不織布上に、メチルエチルケトンを40質量%含む、粘度3000mPa・sのSBR系液状接着剤を、1m2当たり200g塗布し、15分経過後に厚さ2mmの塩化ビニルシートを貼り合わせて複合体とした。その後、実施例1と同様にして、不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合、塩化ビニルシートと樹脂発泡体との接着強度を評価した。
なお、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布及び複合体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体及び複合体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(比較例1)
JIS L 1913:2010に基づいて、目付量100g/m2、厚み0.48mmと計測された、直径が20μの円形断面を有するポリプロピレン繊維からなり、縦方向の伸び率が30%、横方向の伸び率が40%、縦方向の引張強度が350N/5cm幅、横方向の引張強度が150N/5cm幅のスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡体を成形し、前記(7)の方法により不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。接着強度が小さかったため、複合体の作製を中止した。
なお、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(比較例2)
JIS L 1913:2010に基づいて、目付量130g/m2、厚み0.61mmと計測された、直径が20μの円形断面を有するナイロン繊維からなり、縦方向の伸び率が40%、横方向の伸び率が55%、縦方向の引張強度が550N/5cm幅、横方向の引張強度が210N/5cm幅のスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡体を成形し、前記(7)の方法により不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。接着強度が小さかったため、複合体の作製を中止した。
なお、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(比較例3)
JIS L 1913:2010に基づいて、目付量30g/m2、厚み0.25mmと計測された、直径が20μの円形断面を有するポリプロピレン繊維からなり、縦方向の伸び率が50%、横方向の伸び率が70%、縦方向の引張強度が85N/5cm幅、横方向の引張強度が22N/5cm幅のスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂発泡体を成形し、前記(7)の方法により不織布と樹脂発泡層との接着強度を測定した。接着強度が小さかったため、複合体の作製を中止した。
なお、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
(参考例)
実施例1にて生産した樹脂発泡体について、樹脂発泡体の表面不織布上に、メチルエチルケトンを50質量%含む、粘度2000mPa・sのSBR系液状接着剤を、1m2当たり200g塗布し、15分経過後にその上から塩ビシートを貼り付けて複合体とした。その後、(8)の方法により不織布と樹脂発泡層との界面上における接着剤の存在割合を、(9)の方法により塩化ビニルシートと樹脂発泡体との接着強度を評価した。
なお、実施例1と同様にして、樹脂発泡体から得られた不織布及び複合体から得られた不織布の、伸び率、引張強度、目付量、厚みを測定したところ、樹脂発泡体及び複合体の部材として用いた不織布とほぼ同等であった。
Figure 0006556941
本実施形態の樹脂発泡体は不織布と樹脂発泡層との接着強度が高いため、多少手荒に扱っても不織布が剥離せず、樹脂発泡体の美観の維持が容易であるとともに外部部材と接合させて複合体となしたときには従来よりも分解しにくく、取り扱い性に優れた複合体とすることができる。本実施形態の樹脂発泡体、及び本実施形態の複合体は、例えば、断熱を必要とする場所で利用可能な製品として用いることができる。
1 樹脂発泡体
2 不織布
3 樹脂発泡層
4 複合体
5 接合層
6 不織布と接着剤とが共存している共存部分
7 外部部材

Claims (4)

  1. JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法にて測定した伸び率が、縦方向及び横方向のいずれもが45%以上、250%以下であり、かつ、JIS L 1913:2010に定められた標準時の試験方法で測定した引張強度が、縦方向で100N/5cm幅以上、横方向で50N/5cm幅以上であるとともに、縦方向及び横方向のいずれもが600N/5cm幅以下である不織布と、フェノール樹脂発泡層とが、直接積層してなる、フェノール樹脂発泡体。
  2. 前記フェノール樹脂発泡層に隣接する前記不織布の内部に接着剤が共存し、かつ、前記不織布と前記フェノール樹脂発泡層との界面上における前記接着剤の存在が50%以下である、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体。
  3. 請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体と外部部材とが、前記不織布上に形成された接合層を介して接合してなる複合体。
  4. 前記接合層が接着剤からなる層であって、
    前記不織布の一部と前記接着剤の一部とが共存し、前記不織布と前記フェノール樹脂発泡層との界面上における前記接着剤の存在が50%以下である、請求項3に記載の複合体。
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