図1には本発明の一実施形態に係る文書処理装置1およびユーザ3が装着した端末装置2の例が示されている。
文書処理装置1は、コピー機、プリンタ、ファクシミリ機、およびスキャナなどの機能を集約したMFPである。文書処理装置1は、印刷、外部装置への送信、保存(記憶)、データ化(スキャン)など、文書(画像を含む)に関わる各種の処理を実行することができる。
文書処理装置1は、タッチパネル式の操作パネル12を備え、ユーザ3による操作パネル12の操作に応じて位置が移動する可能性のある端末装置2との間で電波による無線の通信が可能に構成されている。端末装置2として、種々のウエアラブルコンピュータ、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)などの可搬型の情報機器を用いることができる。つまり、端末装置2は、ユーザの手や指などの身体に装着され、またはユーザが手に持ったり衣服に保持されることにより、ユーザが操作パネル12を操作したときにその操作の動作とともに移動する可能性がある。また、ユーザが携帯してきた端末装置2をユーザが操作パネル12の近傍に載置することがあるが、この場合も、ユーザの操作の動作とともに移動する可能性がある。図1に示される端末装置2は、腕輪型のウエアラブルコンピュータであるが、これに限ることなく、例えば後で述べる指輪型のもの、手袋型のもの、衣服などに縫い付けたものなど、他の種々のウエアラブル端末であってもよい。
なお、1人のユーザ3だけでなく、他のユーザも端末装置2を所持している場合が想定される。この場合には、複数の端末装置2のうち、文書処理装置1の近くで操作パネル12を操作可能な位置に居るユーザ3の所持する端末装置2が通信の対象となり、後で述べる条件が満たされた場合に通信が実行される。
文書処理装置1には、端末装置2を利用した便利な機能がある。例えば、文書データ自動転送機能では、予めユーザ3が端末装置2に文書データを予め記憶させておくことにより、その文書データを端末装置2から文書処理装置1へ自動的に転送し、それを文書処理装置1が印刷したり保存したりすることができる。また、自動ログイン機能では、文書処理装置1へのログインの際に、ユーザ3がそのための特別の操作を行うことなく、ログインに必要な認証データを端末装置2から文書処理装置1へ自動的に送信し、ログインを自動的に行うことができる。
文書データ自動転送機能による場合には、用紙サイズ、印刷部数、および印刷色といった印刷条件を指定する操作をユーザ3が行っている間に、文書データを自動的に転送することによって、ユーザ3が印刷条件の指定を終えて印刷の開始を指示した後に転送を行うのと比べて印刷の実行が早くなり、ユーザ3は早く印刷物を得ることができる。つまり、ユーザ3にとっての作業効率が向上する。
自動ログイン機能による場合には、ユーザ3が文書処理装置1に実行させたい処理(ジョブ)を指定する操作を行っている間に、端末装置2が文書処理装置1に認証データを自動的に転送することによって認証に要する時間が短くなり、ユーザが認証データを入力したり認証の完了を待ってジョブを指定するのと比べて、ユーザ3にとっての作業効率が向上する。
このように端末装置2との間でデータの転送を行う場合に、外部への情報の漏洩および端末装置2以外の機器との誤接続を防ぐために、通信範囲(通信圏)を文書処理装置1の近傍に限定するのが効果的である。通信範囲とは、ジョブの処理の対象となるデータである文書データを転送する通信が行われる距離範囲(空間的範囲)である。また、通信範囲は、文書処理装置1へのログインのための認証データを端末装置2から文書処理装置1へ転送する通信が行われる距離範囲でもある。つまり、通信範囲は、所定の条件の下で、文書データや認証データの転送を許可する距離範囲であるといえる。なお、文書データや認証データの転送は、端末装置2から文書処理装置1への転送およびその逆の転送のいずれについて行うことでもよい。
以下において、文書データまたはログインのための認証データを転送する通信を、「文書データ通信」ということがある。文書データ通信は、文書処理装置1と端末装置2との接続( 通信)が確立した状態において行われる。
図2には文書処理装置1と端末装置2との無線の通信が行われる通信範囲50,51の例が示されている。図2(A)は、操作パネル12の上面と平行なXY平面上の通信範囲50,51を、図2(B)は、操作パネル12の厚さ方向の断面と平行なXZ平面上の通信範囲50,51をそれぞれ示す。
文書処理装置1において、通信範囲50,51は、アンテナに指向性がなくかつ障害物がなければ全方位についてほぼ均等であるから、操作パネル12の右隅部の通信基点P1を中心とする半径r0,r1の球状となる。通信基点P1は、操作パネル12の内部に配置された無線通信ユニット10pのアンテナの位置、またはその付近の位置である。
このうち、通信範囲50は、暫定的な通信範囲として設定される。つまり、通信基点P1からの距離が所定値(半径r0)よりも小さい三次元空間が、通信範囲50として暫定的に設定される。半径r0は、例えば20〜100センチメートル程度に設定される。端末装置2が通信範囲50に入いった場合に、その端末装置2は操作パネル12を操作しようとするユーザが所持するものである可能性が高いので、文書処理装置1は、その端末装置2を通信相手として暫定的に選択する。
通信範囲50において、文書処理装置1は端末装置2との間で接続を確立することなく、端末装置2の電波強度および操作パネル12の状態などについて推移を監視することとしてよい。また、通信範囲50において、文書処理装置1は端末装置2との間で接続を確立し、接続を確立した状態で、文書データ通信を実行するための条件が満たされるかどうかを監視することとしてもよい。
他方、通信範囲51は、確定的な通信範囲として設定される。通信範囲51は通信範囲50よりも狭い範囲である。通信範囲51の半径r1は、例えば10センチメートルに設定される。端末装置2が通信範囲51に入いった場合に、その端末装置2は操作パネル12を操作するユーザが所持するものである可能性が極めて高くなるので、文書処理装置1は、その端末装置2を通信相手として確定的に選択する。
通信範囲51において、文書処理装置1は端末装置2との間で接続を確立し、文書データ通信を実行することとしてよい。また、端末装置2との間で既に接続が確立しているときは、通信範囲51に入ったときに文書データ通信を実行することとしてよい。
なお、文書処理装置1は、端末装置2との接続を確立した後において、必要な文書データ通信を完了した場合、端末装置2との距離が所定距離よりも大きくなったときなど、所定の状態になったときに接続の開放(通信の切断)を行えばよい。この場合に、文書データ通信の安定性などを考慮するのが好ましい。
図3には通信範囲50,51と通信強度TKとの関係が示されている。
図3において、端末装置2が発する電波の強度DKについての等高線の例が示されている。端末装置2のアンテナに指向性がなくかつ障害物がなければ、電波の強度DKは全方位についてほぼ均等であるから、端末装置2を中心とする半径r10,r11の球状となる。つまり、電波の強度DKは、端末装置2からの距離が大きくなるにつれて小さくなる。
端末装置2を中心とする同心円のうち、半径r10の円が暫定強度円60として示されている。暫定強度円60は、暫定的な通信範囲50に対応した円であり、本実施形態においてr10はr0に等しい。
つまり、遠方にあった端末装置2が操作パネル12に近づいてきて、暫定強度円60に通信基点P1が丁度入ったときに、端末装置2は文書処理装置1における暫定的な通信範囲50に入ったこととなる。このとき、通信基点P1における端末装置2の電波の強度DKが、文書データ通信を許可することが可能なしきい値th0に達したといえる。
したがって、端末装置2から半径r10だけ離れた位置における電波の強度DKを、文書処理装置1における通信強度TKのしきい値th0として設定しておくことによって、暫定的な通信範囲50が設定されることとなる。つまり、文書処理装置1において、電波の強度DKがしきい値th0を越えたことによって、端末装置2が暫定的な通信範囲50に入ったと認識することとなる。このように、電波の強度DKは通信強度TKの一例である。
また、端末装置2を中心とした半径r11の円が確定強度円61として示されている。確定強度円61は、確定的な通信範囲51に対応した円であり、本実施形態においてr11はr1に等しい。
つまり、端末装置2が操作パネル12にさらに近づいてきて、確定強度円61に通信基点P1が丁度入ったときに、端末装置2は文書処理装置1における確定的な通信範囲51に入ったこととなる。このとき、通信基点P1における端末装置2による電波の強度DKが、文書データ通信を強制的に実行するためのしきい値th1に達したといえる。
したがって、端末装置2から半径r11だけ離れた位置における電波の強度DKを、文書処理装置1における通信強度TKのしきい値th1として設定しておくことによって、確定的な通信範囲51が設定されることとなる。つまり、文書処理装置1において、電波の強度DKがしきい値th1を越えたことによって、端末装置2が確定的な通信範囲51に入ったと認識することとなる。
つまり、通信強度TKまたは電波の強度DKのしきい値th0,th1は、通信基点P1と端末装置2との間の距離Dのしきい値Dth0,Dth1に対応したものであり、しきい値th0,th1に代えて距離Dのしきい値Dth0,Dth1を設定してもよい。この意味において、しきい値th0,th1は距離のしきい値Dth0,Dth1と等価であるといえる。
なお、これらのしきい値th0,th1,Dth0,Dth1は、実験またはシミュレーションなどにより得られるデータに基づいて決定することができる。その場合に、端末装置2の出力電力やアンテナの能率などに応じてしきい値は変更されるので、端末装置2の出力電力や機種などに対応した値を、これらしきい値th0,th1,Dth0,Dth1を示すテーブルとして文書処理装置1に格納しておいてもよい。
図4には通信範囲51と端末装置2との位置関係の例が示されている。
本実施形態の文書処理装置1では、通信範囲51が操作パネル12の全体を包含しない範囲に設定されている。このため、ユーザ3が操作パネル12を操作しているにもかかわらず、端末装置2が通信範囲51に入っていないことが起こり得る。
図4(A)において、ユーザ3は指輪型の端末装置2を装着した手で操作パネル12上の1つの操作キー33を操作している。操作キー33は通信基点P1の近傍に配置されている。この場合、端末装置2は通信範囲51に入っている。
これに対して、図4(B)では、ユーザ3は操作キー33と比べて通信基点P1から遠い1つの操作キー34を操作している。この場合には、端末装置2は通信範囲51に入っていない。
文書データ通信が完了するまでの所要時間は、転送するデータのデータ量に依存する。データ量が大きい場合には所要時間が数秒以上になることがある。そのため、文書データ通信を行っている途中で、ユーザ3による操作に応じて端末装置2の位置が移動する可能性がある。
文書データ通信の実行中に端末装置2が通信範囲51の内から外へ移動すると、文書データ通信が途切れたり通信が切断されるおそれがある。その場合に、途切れた分だけ通信の完了が遅れる。途切れるごとに最初から文書データ通信をやり直す場合には、完了がさらに遅れる。したがって、ユーザ3にとっての作業効率を向上させる上で、文書データ通信が途切れたり通信が切断されたりすることなく、必要最小限の時間で終えるのが好ましい。
そこで、文書処理装置1には、通信が途切れたりする可能性をできるだけ小さくするための画面制御機能が備わっている。
次に、この画面制御機能に関わる構成および動作を説明する。
図5には文書処理装置1のハードウェア構成の例が示されている。
文書処理装置1は、CPU(Central Processing Unit )10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、タッチパネルディスプレイ10e、操作キー群10f、NIC(Network Interface Card)10g、モデム10h、スキャナ10i、プリンタ10j、認証制御部10k、および無線通信ユニット10pなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ10eおよび操作キー群10fは、操作パネル12に備わっている。タッチパネルディスプレイ10eは、ユーザに対するメッセージを示す画面、ユーザがコマンドまたは情報を入力するための画面、およびCPU10aが実行した処理の結果を示す画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ10eは、タッチされた位置を示す信号をCPU10aへ送る。操作キー群10fは、スタートキー121(図2参照)および他のハードウェアキーによって構成される。
NIC10gは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )などのプロトコルによって外部の装置と通信する。
モデム10hは、ファクシミリ端末との間でG3などのプロトコルでファクシミリ・データフォーマットの文書データをやり取りする。
スキャナ10iは、プラテンガラスの上にセットされたシート(原稿)に記されている画像を読み取って画像データフォーマットの文書データを生成する。
プリンタ10jは、スキャナ10iによって読み取られた画像を印刷する。また、ネットワークプリントを行う。つまり、パーソナルコンピュータなどからNIC10gによって受信されたデータに基づいて画像を用紙に印刷し、ファックス端末からモデム10hによって受信されたデータに基づいて画像を用紙に印刷する。さらに、端末装置2から無線通信ユニット10pによって受信された文書データに基づいて画像を用紙に印刷する。
認証制御部10kは、端末装置2から無線通信ユニット10pによって受信された認証データなどに基づいて、ユーザ認証のための処理を行う。また、認証制御部10kは、通信相手である端末装置2を認証し、ペアリングなど接続の確立のための処理を行う。
無線通信ユニット10pは、操作パネル12上の位置を通信基点P1として、端末装置2との間で電波を送受信して通信を行う。無線通信ユニット10pのアンテナのみを通信基点P1に配置してもよい。無線通信ユニット10pは、本発明における「通信部」の例である。無線通信ユニット10pは、例えばBluetooth(登録商標)の規格に準拠したプロトコル(プロファイル)によって端末装置2と通信する。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、コピー機、プリンタ、ファクシミリ機、およびスキャナなどとして文書処理装置1を動作させるためのプログラムが記憶されている。さらに、上述の文書データ通信に関わる機能を実現するための作業効率化用プログラムが記憶されている。
これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクドライブまたはSSD(Solid State Drive )などが用いられる。
図6には端末装置2のハードウェア構成の例が示されている。
端末装置2は、CPU20a、RAM20b、ROM20c、フラッシュメモリ20d、操作キー群20e、表示部20f、認証制御部20k、および無線通信ユニット20pなどによって構成される。
操作キー群20eは、端末装置2の操作に必要な各種の操作キーによって構成される。
表示部20fは、端末装置2の状態を表示するディスプレイまたはランプなどを有する。表示部20fは、各種の画面を表示するタッチパネルディスプレイを有していてもよい。
認証制御部20kは、ユーザ3が文書処理装置1にログインするのに必要な認証データを文書処理装置1に送信する処理を行う。認証データは、予め認証制御部20kに入力されたユーザIDおよびパスワードであってもよい。認証制御部20kは、端末装置2がウエアラブル型である場合、端末装置2を身に付けたユーザ3の生体情報(例えば脈波)を検出し、その検出データを認証データとして送信するものであってよい。
また、認証制御部20kは、通信相手である文書処理装置1を認証し、ペアリングなど接続の確立のための処理を行う。
無線通信ユニット20pは、文書処理装置1の無線通信ユニット10pとの間で電波を送受信して通信を行う。無線通信ユニット20pにはアンテナが含まれる。
図7には文書処理装置1の機能的構成の例が示されている。図8には通信強度TKの変化およびそれに応じた文書処理装置1の動作の例が示されている。
図7において、文書処理装置1には、通信制御部101、通信強度検出部102、操作情報検出部103、通信実行判断部104、端末位置予測部105、画面制御部106、およびデータ取得部107などが設けられる。これらの機能は、上に述べたハードウェア構成により、および上に述べた作業効率化用プログラムなどがCPU10aによって実行されることにより実現される。
以下、ユーザ3が予め端末装置2に記憶した文書を文書処理装置1に印刷させる場合を例として、文書処理装置1の各部の機能を説明する。
ユーザ3は、端末装置2を身に付けたまま操作パネル12のタッチパネルディスプレイ10eを操作し、印刷すべき文書の選択を含む印刷条件の指定などを行う。印刷条件の指定が終わると、ユーザ3はスタートキー121を押下して印刷の開始を指示する。
ユーザ3がタッチパネルディスプレイ10eを操作するとき、例えば図4(A)に示すように端末装置2が通信範囲51に入る。
文書処理装置1は、端末装置2が通信範囲51に入った場合に、ユーザ3によるスタートキー121の押下を待つことなく、文書データ通信を開始して、印刷すべき文書の文書データDDを端末装置2から取り込む。
通信制御部101は、無線通信ユニット10pによる端末装置2との通信を制御し、接続の確立に必要な処理を行う。また、通信制御部101は、端末装置2の無線通信ユニット20pとの通信の状況を示す通信状況データD101を生成する。通信状況データD101に、その時々の電波の受信状況を示す情報と共に、端末装置2の無線通信ユニット20pの仕様で決まる出力電力またはクラスなどを示す情報を含ませることができる。これらの情報は、例えば端末装置2との間で接続を確立する前にまたは接続を確立する際に、端末装置2から取得すればよい。または、接続を確立する際に端末装置2を特定する識別情報(例えば、MACアドレス)を取得し、各種機器の仕様のデータベースを検索してこれらの情報を取得してもよい。
通信強度検出部102は、例えば通信状況データD101に含まれる受信状況を示す情報に基づいて、無線通信ユニット10pにおいて受信した端末装置2の通信強度TKを検出する。
操作情報検出部103は、操作パネル12への入力操作があったときにその座標位置を含む操作情報S12を検出する。入力操作は、タッチパネルディスプレイ10eへのタッチ、および操作キー群10fのハード操作キーの押下が含まれる。
通信実行判断部104は、操作情報S12および通信強度TKに基づいて、端末装置2との間で通信(文書データ通信)を実行するか否かを判断する。
すなわち、通信実行判断部104は、操作情報S12に基づいて入力操作があったか否かを判別し、入力操作があったときに、端末装置2との間で通信を実行すると判断する。
また、通信実行判断部104は、通信強度TKに基づいて、無線通信ユニット10pにより検出された通信強度TKがしきい値th1以上となったときに、端末装置2との間で通信を実行すると判断する。
上に述べたように、端末装置2からの電波の強度DKは、端末装置2の出力電力に依存するので、通信相手となった端末装置2の出力電力に応じてしきい値th1を決定すればよい。また、出力電力に応じてしきい値th1を変えるのではなく、出力電力に応じた係数を電波の強度DKに乗じるなどして正規化してもよい。この場合に、電波の強度DKを正規化したものを通信強度TKとして用いることができる。
また、接続の確立の際に、ユーザ3が端末装置2を操作パネル12の表面の通信基点P1を示すマークに接触させ、文書処理装置1がそのときの電波の強度DKを測定してキャリブレーションを行うようにしてもよい。
先に述べたように、しきい値th1を用いて通信強度に基づいて通信を実行するか否かを判断することは、文書処理装置1と端末装置2との間の距離Dに基づいて判断するのと同等である。したがって、通信実行判断部104は、無線通信ユニット10pにより検出された通信強度TKに基づいて得られる端末装置2との間の距離Dが所定のしきい値(通信範囲51の半径r0に相当する値)Dth1以下となったときに、端末装置2との間で通信を実行すると判断する、ように構成してもよい。
通信実行判断部104による判断の結果D104は、端末位置予測部105およびデータ取得部107などに通知される。
通信実行判断部104によって通信を実行すると判断されたときに、データ取得部107は、通信制御部101と連携して、端末装置2のデータ保存部202に保存されている文書データDDを端末装置2から文書処理装置1へ転送させる。このとき、端末装置2の通信制御部201が無線通信ユニット20pを制御する。
データ取得部107は、転送された文書データDDを例えば補助記憶装置10dに格納する。その後、ユーザ3によって印刷の開始が指示されると、文書データDDがプリンタ10jによって印刷される。
端末位置予測部105は、操作情報検出部103により検出される座標位置とそのときの通信強度TKとに基づいて、端末装置2の位置(三次元座標位置)P2を予測する。つまり、通信強度TKのみでは、端末装置2の通信基点P1に対する方向が分からないが、入力操作のあった二次元の座標位置を加味することによっておおよその方向が分かる。端末位置予測部105は、位置P2が入力操作のあった座標位置の真上の位置であると仮定し、位置P2の三次元座標を予測結果として算出する。
端末位置予測部105は、操作情報S12または通信強度TKが更新されるごとに、端末装置2の位置を予測し直す。
画面制御部106は、端末装置2との間で文書データ通信を実行すると判断された後に、無線通信ユニット10pによる通信が安定するように操作パネル12の画面レイアウトを変更する。つまり、通信強度TKがしきい値th1以上のできるだけ大きい値である状態で文書データDDの転送が行われるように、タッチパネルディスプレイ10eによる表示の内容を変更する。
画面制御部106は、端末位置予測部105により予測された端末装置2の位置P2に基づいて、画面レイアウトを変更する。そして、端末位置予測部105が端末装置2の位置の予測を変更した場合に、それに応じて画面レイアウトを再変更する。
画面制御部106は、操作のために画面に配置される操作キーの位置を変更する配置制御部108、操作キーのサイズを変更するサイズ制御部109、および操作キーをそれに対応する機能によってグループ化するグループ制御部110を有する。
図8を参照して、ユーザ3が文書処理装置1に近づくにつれて、ユーザ3の所持する端末装置2が通信基点P1に近づく。端末装置2が通信基点P1に近づくと、通信強度TKが増大する。
通信強度TKは、図8中に太い実線で示すように、しきい値th1よりも小さい値から増大し、時点t0でしきい値th0を越え、時点t1でしきい値th1を越える。
通信強度TKがしきい値th1を越えたタイミングで、つまり端末装置2が通信範囲51に入ったタイミングで、通信実行判断部104が端末装置2との間で文書データ通信を実行すると判断する。この判断を契機として、通信制御部101が端末装置2との間で接続を確立し、データ取得部107が端末装置2に文書データDDの転送を要求し、端末装置2と文書処理装置1との間で文書データDDの転送を開始する。
また、図8には示していないが、通信強度TKがしきい値th0を越えた状態において、つまり端末装置2が通信範囲50に入っている状態において、操作パネル12が操作されたタイミングで、通信実行判断部104が端末装置2との間で文書データ通信を実行すると判断し、この判断を契機として、上と同様に接続を確立し、文書データDDの転送を開始する。
文書データ通信が開始されると、通信を安定させるため、すなわち通信強度TKがより大きい状態で通信が行われるようにするため、画面制御部106は、タッチパネルディスプレイ10eの画面レイアウトを、通常レイアウトから第1縮小レイアウトに変更する。その後、画面制御部106は、後述するように必要に応じて画面レイアウトを第1縮小レイアウトから第2縮小レイアウトに変更する。
通常レイアウトとは、タッチに感応するオブジェクト(操作キー、アイコンなど)をタッチパネルディスプレイ10eの表示面内の任意の位置に配置した一般的なレイアウトである。通常レイアウトは、各画面の初期レイアウトとして設定されている。
第1縮小レイアウトとは、タッチに感応するオブジェクトを、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうちの通信基点P1に近づけて配置するレイアウトである。つまり、表示面のオブジェクトを通信基点P1の側に寄せて配置する。
第2縮小レイアウトは、タッチに感応するオブジェクトを、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうちの第1縮小レイアウトよりも通信基点P1にさらに近づけて配置するレイアウトである。
画面レイアウトを通常レイアウトから第1縮小レイアウトに変更することにより、ユーザ3がタッチパネルディスプレイ10eの表示面のうちの通信基点P1に近い領域を操作するようになる。これにより、端末装置2が通信範囲51に留まる可能性が高くなり、通信基点P1における通信強度TKが大きくなって、しきい値th1よりも低下する可能性が低くなって通信が安定する。
しかし、通信強度TKはユーザ3の手の動きに応じて変化するので、図8中に細い破線で示すように、文書データ通信の実行中に通信強度TKの値がしきい値th1よりも不測に低下する可能性があり、絶対的に通信が安定であるとはいえない。
そこで、さらに通信を安定させるため、画面制御部106は、端末位置予測部105による端末装置2の位置P2の予測の結果に基づいて、位置P2が通信基点P1から遠ざかりつつある場合に、画面レイアウトを第1縮小レイアウトから第2縮小レイアウトに変更する。図8に示す例では、時点t2において、画面レイアウトが第2縮小レイアウトに変更される。
画面レイアウトを第2縮小レイアウトに変更することにより、ユーザ3が通信基点P1にさらに近い領域を操作するようになり、端末装置2が通信範囲51に留まる可能性が一層高くなって通信が安定する。
このように、画面レイアウトを第1縮小レイアウトまたは第2縮小レイアウトに変更することによって、通信を安定させ、文書データ通信の途切れる可能性をできるだけ小さくし、データの転送を短時間で完了させて作業効率を向上させることができる。
図8に示す例では、時点t3で文書データ通信が完了する。文書データ通信が完了すると、画面制御部106は、画面レイアウトを第2縮小レイアウト(または第1縮小レイアウト)から通常レイアウトへ戻す。
図9〜図12には画面レイアウトの変更の一例がそれぞれ示されている。
図9(A)に示される画面G1は、図の左右方向に長いスライド領域40を有する通常レイアウトの画面である。スライド領域40には、左右方向に移動可能なスライダー41が配置されている。スライダー41は、スライド操作(ドラッグ操作)またはフリック操作に応じてスライド領域40の範囲内で左右に移動する。ユーザ3は、スライダー41を移動させることによって、例えば印刷の濃度、倍率、または解像度といった項目について、所望の値を指定することができる。
画面G1において、スライダー41の操作範囲(移動可能範囲)は、タッチパネルディスプレイ10eの左端の近傍から右端の近傍にまでわたっている。画面G1が表示されている状態において文書データ通信が始まると、画面レイアウトの変更が行われ、画面G1に代えて図9(B)に示される画面G1bが表示される。
図9(B)の画面G1bは、画面G1に対応する第1縮小レイアウトの画面である。画面G1bと画面G1との差異は、画面G1bでは、画面G1のスライド領域40に代えて、縮小されたスライド領域40bが設定された点である。
画面G1bのスライド領域40bは、画面G1のスライド領域40を右方へ縮めたものに相当する。スライド領域40bには、左右方向に移動可能なスライダー41bが配置されている。スライダー41bの操作範囲は、画面G1のスライダー41の操作範囲における通信基点P1に近い一部に限定されている。つまり、スライダー41bを左端まで移動させたとしても、画面G1での同様の操作をする場合と比べて、ユーザ3の指先が通信基点P1の近くに残るようになっている。
ユーザ3は、画面G1bにおいて、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうち、画面G1での操作をする場合よりも通信基点P1に近い範囲内の領域のみを用いて、画面G1と同様な操作を行うことができる。
図10(A)に示される画面G2は、3行3列の操作キー群30を有する通常レイアウトの画面である。
操作キー群30は、その幾何中心がタッチパネルディスプレイ10eの表示面の幾何中心とほぼ一致するように、周囲にほぼ均等な余白を設けて配置されている。操作キー群30を構成する9個の操作キーは、互いの間に左右方向(垂直方向)の間隙Hおよび図の上下方向(垂直方向)の間隙Vを設けて配列されている。画面G2が表示されている状態において文書データ通信が始まると、画面レイアウトの変更が行われ、画面G2に代えて図10(B)に示される画面G2bが表示される。
図10(B)の画面G2bは、画面G2に対応する第1縮小レイアウトの画面である。画面G2bと画面G2との差異は、画面G2bでは、画面G2の操作キー群30に代えて、間隙を詰めた操作キー群30bが配置された点である。
操作キー群30bは、操作キー群30と同じ9個の操作キーからなる。各操作キーのサイズおよび操作キーに対応する機能の並び順は、操作キー群30と同じである。
操作キー群30bにおいて、9個の操作キーは、互いの間に間隙Hbおよび間隙Vbを設けて並んでいる。間隙Hbは間隙Hよりも小さく、間隙Vbは間隙Vよりも小さい。そして、操作キー群30bは、その幾何中心がタッチパネルディスプレイ10eの表示面の幾何中心よりも表示面の右上隅に近い位置となるように配置されている。
つまり、画面G2bは、画面G2における9個の操作キーを、表示面の右上隅に寄せて配置し、通信基点P1に近づけたものである。
ユーザ3は、画面G2bにおいて、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうち、画面G2での操作をする場合よりも通信基点P1に近い範囲内の領域のみを用いて、画面G2と同様な操作を行うことができる。
なお、上に述べた例では、画面G2内の右上隅部の余白および間隙H,Vの両方を一度に縮めたが、余白および間隙H,Vの片方を縮め、その後に通信強度TKが低下したときに、他の片方を縮めるようにしてもよい。
図11の例は、第1縮小レイアウトから第2縮小レイアウトに変更する例である。図11(A)の画面G2bは図10(B)と同じである。
画面G2bが表示されている状態において通信強度TKがある程度低下すると、画面G2bに代えて図11(B)に示される画面G2cが表示される。
図11(B)の画面G2cは、画面G2に対応する第2縮小レイアウトの画面である。画面G2cと画面G2bとの差異は、画面G2cでは、画面G2bの操作キー群30bに代えて、縮小された操作キーによる操作キー群30cが配置された点である。
すなわち、操作キー群30cは、操作キー群30bの9個の操作キーを、それぞれの中心位置および並び順をそのままに、サイズを縮小して3行3列に並べたものに相当する。なお、サイズの縮小に伴い、各操作キーに対応する機能を表わす文字列は簡略化されている。
操作キーのサイズを縮小したことにより、操作キー群30cにおける通信基点P1から最も遠い位置(操作キー37の左下隅の位置)が、操作キーを縮小しない状態よりも通信基点P1に近づいている。
ユーザ3は、画面G2cにおいて、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうち、画面G2bでの操作をする場合よりも通信基点P1に近い範囲内の領域のみを用いて、画面G2または画面G2bと同様な操作を行うことができる。
画面G2cが表示されている状態において通信強度TKがさらに低下すると、画面G2cに代えて図11(C)に示される画面G2dが表示される。
図11(C)の画面G2dは、画面G2に対応する第2縮小レイアウトの画面の他の例である。画面G2dと画面G2cとの差異は、画面G2dでは、画面G2cの操作キー群30cに代えて、間隙を詰めた操作キー群30dが配置された点である。
操作キー群30dは、画面G2における操作キー群30cの各操作キーを、表示面の右上隅に寄せて配置することによって通信基点P1に近づけたものに相当する。
ユーザ3は、画面G2dにおいて、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうち、画面G2cで操作をする場合よりも通信基点P1に近い範囲内の領域のみを用いて、画面G2と同様な操作を行うことができる。
画面G2dが表示されている状態において通信強度TKがさらに低下すると、画面G2dに代えて図12(A)に示される画面G21が表示され、その後、ユーザ3による操作に応じて、図12(B)または(C)に示される画面G22、G23が表示される。
図12(A)の画面G21、(B)の画面G22、および(C)の画面G23は、いずれも画面G2に対応する第2縮小レイアウトの画面の他の例である。これら画面G21,G22,G23は、図11(C)の操作キー群30dの9個の操作キーをグループ化した3つのグループに対応する。
画面G21,G22,G23は、階層化されており、最も上位の画面G21がそれより下位の画面G22,G23よりも先に表示され、最も下位の画面G23が2番目に上位の画面G22よりも後に表示される。なお、ユーザ3による操作によっては、画面G22,G23が表示されない場合がある。
図12(A)の画面G21は、第1のグループに属する3つの操作キー31,32,33、および下位画面呼出しキー45を有する。これらの操作キーは、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうちの通信基点P1に近い部分である右上隅部に、できるだけ通信基点P1に寄せるように配置される。図示の通り、操作キー31と操作キー32とが左右に並び、操作キー32の下側に操作キー33とが下位画面呼出しキー45とが上下にほぼ一列に並ぶ。
画面G21が表示されている状態において下位画面呼出しキー45が操作されると、画面G21に代わって図12(B)の画面G22が表示される。
画面G22は、第2のグループに属する3つの操作キー34,35,36、下位画面呼出しキー45、および上位画面呼出しキー46を有する。3つの操作キー34,35,36および下位画面呼出しキー45の配置の位置は、画面G21と同様である。上位画面呼出しキー46は、下位画面呼出しキー45の左方側の近傍に配置される。
画面G22が表示されている状態において下位画面呼出しキー45が操作されると、画面G22に代わって図12(C)の画面G23が表示される。また、上位画面呼出しキー46が操作されると、再び図12(A)の画面G21が表示される。
図12(C)の画面G23は、第3グループに属する3つの操作キー34,35,36、および上位画面呼出しキー46を有する。これらキーの配置の位置は、画面G22とほぼ同様である。
画面G23が表示されている状態において上位画面呼出しキー46が操作されると、再び図12(B)の画面G22が表示される。
ユーザ3は、操作したい操作キーが表示されるように、下位画面呼出しキー45および上位画面呼出しキー46を適宜に操作して画面を切り換える。
ユーザ3は、画面G21,G22,G23を切り換えて操作することによって、タッチパネルディスプレイ10eの表示面のうち、図11(C)の画面G2dでの操作をする場合よりも通信基点P1に近い範囲内の領域のみを用いて、画面G2dによって可能な操作と同様の操作をすることができる。
以下、フローチャートを参照して、文書処理装置1の動作を説明する。
図13には文書処理装置1における全体的な処理の流れの例が示されている。
文書処理装置1は、端末装置2を探索する(#10)。例えば、無線通信ユニット10pが受信した1つまたは複数の端末装置2の電波から、それらの通信強度TKなどを取得し、最寄りの端末装置2を認識する。そして、暫定的な通信範囲51に入った端末装置2を、文書データ通信の相手として許可する端末装置2として認識する(#11)。
操作パネル12への入力操作があった場合に(#12でYES)、端末装置2との間で通信を実行すると判断し、接続を確立する。入力操作が無い場合に(#12でNO)、通信強度に基づく実行判断ルーチンの処理を行う(#13)。
図14および図15には、それぞれ通信強度に基づく実行判断の処理の流れの例が示されている。
図14において、通信強度TKがしきい値th1以上となったときに(#131でYES)、端末装置2が確定的な通信範囲50に入ったとして文書データ通信を実行すると判断する(#132)。通信強度TKがしきい値th1未満のときには(#131でNO)、文書データ通信を実行しないと判断する(#133)。
図15において、端末装置2との間の距離Dがしきい値Dth1以下となったときに(#131bでYES)、端末装置2が確定的な通信範囲50に入ったとして文書データ通信を実行すると判断する(#132b)。距離Dがしきい値Dth1を超えるときには(#131bでNO)、文書データ通信を実行しないと判断する(#133b)。
図13に戻って、文書データ通信を実行すると判断した場合に(#14でYES)、端末装置2との間で転送すべき文書データDDが有るか否かをチェックする(#15)。文書データDDが有る場合(#15でYES)、文書データDDを転送する文書データ通信を開始する(#16)。
文書データ通信を開始した後、画面制御処理を実行する(#17)。画面制御処理は、文書データ通信が終了するまで実行される。文書データ通信が終了した後、文書データDDを処理するジョブを文書処理装置1に与える入力操作があったか否かが、操作情報S12に基づいてチェックされる(#18)。
ステップ#18でYESの場合には、図13のフローの処理を終了する。この場合に、文書処理装置1は、当該ジョブの実行開始を指示する入力操作に呼応して、文書データDDを処理するジョブを実行する。例えば、与えられたジョブが印刷ジョブであれば、文書データDDに対応する文書を印刷する。ファクシミリ送信ジョブであれば、文書データDDをユーザ3の指定した送信先へ送信する。保存ジョブであれば、文書データDDをユーザ3の指定した保存先へ格納する。
ステップ#18でNOの場合には、一時記憶されている文書データDDを削除する(#19)。これにより、ユーザ3が保存を指示していないにもかかわらず端末装置2内の文書データDDが文書処理装置1に保存されてしまうのを防ぐことができる。
図16には画面制御処理の流れの例が示されている。
まず、操作パネル12に表示されている画面がスライド画面であるか否かがチェックされる(#71)。スライド画面でありかつそのスライド可能な操作範囲が所定値よりも大きい場合に(#71および#72でYES)、スライド可能な操作範囲を縮小する(#73)。
続いて、他の画面レイアウトの変更を行うレイアウト変更処理ルーチンを実行する(#74)。
文書データ通信が実行されている間において(#75でNO)、ステップ#71〜#74の処理が繰り返される。
文書データ通信が終了すると(#75でYES)、画面レイアウトが初期化される(#76)。フローは図13のメインフローに戻る。
図17にはレイアウト変更処理の流れが示されている。
ここでは、通信強度TKがしきい値th1よりも小さくならないようにして文書データ通信を安定にするため、次のように画面レイアウトを変更する。
まず、表示されている画面内の操作キーの移動が可能か否かをチェックする(#741)。すなわち、操作キーと表示面の右上隅との間の余白、または操作キーどうしの間隙がそれぞれ予め定められた最小値よりも大きいか否かをチェックする。
操作キーの移動が可能である場合(#741でYES) 、通常レイアウトを第1縮小レイアウトに変更し、または第1縮小レイアウトを第2縮小レイアウトに変更する(#742)。
ステップ#741でNOの場合、操作キーのサイズが予め定められた最小サイズであるか否かをチェックする(#743)。ステップ#743でNOの場合、操作キーのサイズを縮小する(#744)。ステップ#743でYESの場合、操作キーをグループ化し、同じグループ内の複数の操作キーを、先に表示される上位の階層と後に表示される下位の階層とにそれぞれ配置する(#745)。
最新に取得した通信強度TKに基づいて、通信強度TKが低下したか否かを判別する(#746)。このとき、以前の通信強度TKと比較することによって、通信強度TKが所定量以上低下したか否かを判別してもよい。または、しきい値th1より大きい範囲内の1つまたは複数のしきい値(th2,th3,…)のうちの前回の通信強度TKに最も近いしきい値まで低下したか否かを判別してもい。
ステップ#746でYESの場合、ステップ#741に戻って画面レイアウトの変更を再度実行する。ステップ#746でNOの場合、フローは図16のフローに戻る。
上に述べた実施形態において、文書データDDの転送に限らず、認証データDAを転送するデータ通信が実行されているときに、画面レイアウトを変更するようにしてもよい。例えば、上述した脈波などの生体情報を認証データDAとして転送する場合、ユーザIDおよびパスワードといった認証データを転送する場合と比べて、転送の所要時間が長くなる。認証データの転送を安定にする上で、画面レイアウトの変更が有効である。
上に述べた実施形態においては、端末装置2が暫定的な通信範囲50に入っている状態で、入力操作があったときに文書データ通信を実行すると判断するものとして説明した。しかし、端末装置2が確定的な通信範囲51に入った場合にのみ、文書データ通信を実行すると判断するようにしてもよい。その場合に、操作パネル12への入力操作があったにもかかわらず端末装置2が通信範囲51に入ってこない場合には、操作パネル12上の操作キーが通信基点P1にさらに近づいて配置されるように、操作パネル12の画面レイアウトを変更すればよい。そして、このような画面レイアウトの変更を通信範囲51に入ってくるまで繰り返せばよい。
上に述べた実施形態において、画面制御部106は、端末装置2と無線通信ユニット10pとの間の文書データ通信が終了する以前の段階において、文書データ通信によって転送すべき文書データDDの残量がしきい値以下となった場合に、操作パネル12の画面レイアウトを現在のレイアウトよりも操作性を重視した画面レイアウトに変更することができる。例えば、操作キーをグループ化してグループごとに表示する図12の画面レイアウトを、グループ化せずに一括に表示する図11などの画面レイアウトに戻したり、縮小した操作キーのサイズを元に戻したりする。
つまり、文書データ通信が間もなく終了するので、文書データ通信の途切れるおそれが小さくなった場合には、操作し易い画面レイアウトの画面を表示する。
上に述べた実施形態においては、画面レイアウトの変更の段階数を3以上として説明したが、通常レイアウトと縮小レイアウトとの切替えをする2段階の画面レイアウトの変更を行うようにしてもよい。
画面レイアウトの変更は、操作キーの移動、操作キーのサイズの縮小、および操作キーのグループ化を、通信強度TKの低下に応じて順に行うものに限らない。また、例示と異なる順序で実施してもよい。さらに、これら3種の変更のいずれか1つまたは任意の2つを実施してもよい。
画面レイアウトの変更によって複数の操作キーを通信基点P1に近づける際に、操作キーの並び順を適宜変更して、使用頻度の高い操作キーを使用頻度の低い操作キーよりも通信基点P1の近くに配置してもよい。
文書データ通信は、端末装置2から文書処理装置1へのデータ転送に限らず、文書処理装置1から端末装置2への文書データDDまたは認証用のデータの転送であってもよい。
文書処理装置1は、MFPに限らず、文書データを処理する機器であればよく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ機、スキャナなどであってもよい。
通信基点P1の位置は、操作パネル12の隅部に限らない。タッチパネルディスプレイ10eの表示面の中央または表示面内の他の位置を通信基点P1としてもよい。通信範囲50,51の大きさ、および距離Dの範囲は、例示の値に限らない。
文書データ通信が途切れても最初からデータ転送をやり直さなくてもよいように、通信が完了するまで転送済みのデータを保持しておくようにしてもよい。
その他、操作パネル12、無線通信ユニット10p、通信強度検出部102、操作情報検出部103、通信実行判断部104、端末位置予測部105、画面制御部106、端末装置2、または文書処理装置1の全体または各部の構成、処理の内容、順序、またはタイミング、画面レイアウトの変更の内容またはタイミングなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。