JP6561998B2 - 2液ウレタン系接着剤組成物 - Google Patents
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Description
このような自動車のボディと窓ガラス(ウインドガラス)とを接着するために用いられるダイレクトグレージング剤(以下、「DG剤」とも略す。)として、1液湿気硬化型ウレタン組成物を用いることが知られている。
また、特許文献2には、樹脂成分Aと別個に包装された硬化剤Bとを含む二液型ポリウレタン接着剤系において、樹脂成分Aが、芳香族ポリイソシアナートと脂肪族ポリイソシアナートと含むモノメリックポリイソシアナートの混合物を含有することが開示されている(請求項3)。このような脂肪族ポリイソシアナートとして、3量化されたヘキサン−1,6−ジイソシアナートが示されている(段落0021)。
本発明者らは、硬化速度を向上させる観点から、主剤と硬化剤とを用いる2液型に仕様変更したところ、硬化速度の向上に伴い、基材(特にオレフィン系樹脂からなる基材)に対する接着性が劣る場合があり、また、ウレタンプレポリマーの構造によっては耐熱性が劣る場合があることを明らかとした。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤と、1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(B)を含有する硬化剤と、を有する2液ウレタン系接着剤組成物であって、
上記主剤および上記硬化剤の少なくとも一方に、イソシアヌレート環を有する化合物(C)、および、有機物を含む平均粒子径が0.1〜10μmの微粒子(D)を含有し、
上記化合物(C)が、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含む、2液ウレタン系接着剤組成物。
[2]
上記微粒子(D)が、ポリオキシアルキレンポリオール中に分散した重合性不飽和基含有モノマーの重合体(D1)である、上記[1]に記載の2液ウレタン系接着剤組成物。
[3]
上記重合体(D1)のガラス転移温度が、60℃以上である、上記[2]に記載の2液ウレタン系接着剤組成物。
[4]
上記主剤および上記硬化剤の少なくとも一方に、更に、テルペン化合物(E)を含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の2液ウレタン系接着剤組成物。
これは、詳細には明らかではないが、耐熱性の高い樹脂骨格(化合物(C)に由来するイソシアヌレート環)が、硬化反応後の架橋ネットワークに組み込まれ、また、この架橋ネットワーク間に微粒子(D)が存在することにより、高温環境での熱運動性を適度に拘束することができ、化合物(C)や微粒子(D)がない場合と比べて、接着界面にかかるストレスが軽減できたためと考えられる。
そのため、本発明の接着剤組成物は、オレフィン基材に対する接着剤組成物としても有用である。
また、本発明においては、上述した通り、イソシアヌレート環を有する化合物(C)がペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含むことにより、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含む主剤または硬化剤の粘度の上昇を抑制できる。ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体は、他のイソシアヌレート化合物(特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体)よりも分子量が小さく、粘度も低いことから、イソアヌレート化合物が添加された配合物系の中でも粘度を抑える効果が高いものと推測される。このことは、後述する実施例欄でも示されており、具体的には、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を用いた実施例1の主剤の粘度は、ヘキサメチレンジイソシネートのイソシアヌレート体を用いた比較例2の主剤の粘度と比べて、著しく低減されていることがわかる。このように主剤または硬化剤の粘度の上昇を抑制できることで、接着剤組成物の調製時や使用時において作業性が良好になるという利点がある。
本発明の接着剤組成物の主剤は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する。
本発明の接着剤組成物の主剤に含有するウレタンプレポリマー(A)は、分子内に複数のイソシアネート基を分子末端に含有するポリマーである。
このようなウレタンプレポリマー(A)としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリイソシアネート化合物と1分子中に2個以上の活性水素基を有する化合物(以下、「活性水素化合物」と略す。)とを、活性水素基に対してイソシアネート基が過剰となるように反応させることにより得られる反応生成物等を用いることができる。
ウレタンプレポリマー(A)の製造の際に使用されるポリイソシアネート化合物は、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネート化合物に使用されるイソシアネートとしては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
これらのうち、硬化性に優れる理由から、MDIであるのが好ましい。
ウレタンプレポリマー(A)の製造の際に使用される1分子中に2個以上の活性水素基を有する活性水素化合物は特に限定されない。
ここで、芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン(m−ジヒドロキシベンゼン)、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;下記に示すようなビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの;等が挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコール、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
ここで、上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール(もしくはプロピレングリコール)との反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
また、上記ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを適当な重合開始剤で開環重合させたもので両末端に水酸基を有するものが挙げられる。
これらのうち、ポリプロピレングリコールであるのが、得られるウレタンプレポリマーを主剤に含有する本発明の接着剤組成物の硬度と破断伸びのバランスおよびコストに優れる理由から好ましい。
これらのうち、ポリエーテル骨格のジアミン(ジェファーミン)、ヘキサメチレンジアミンであるのが好ましい。
本発明の接着剤組成物の硬化剤は、1分子中に2個以上の活性水素基を有する化合物(B)を含有する。
本発明の接着剤組成物の硬化剤に含有する化合物(B)は、上述した主剤に含有する上記ウレタンプレポリマーを硬化させる成分(狭義の硬化剤成分)である。
本発明においては、上記化合物(B)としては、上記ウレタンプレポリマー(A)の生成に用いる活性水素化合物と同様の化合物が挙げられる。なかでも、ポリオール化合物であるのが好ましい。
ポリオール化合物としては、樹脂基材との接着性や耐熱性がより良好となる観点から、3官能以下のポリエーテルポリオール(B1)(以下、単に「ポリエーテルポリオール(B1)」ともいう。)、疎水骨格を有するポリオール化合物(B2)、ロジンジオール(B3)、および、4官能以上のポリエーテルポリオール(B4)(以下、単に「ポリエーテルポリオール(B4)」ともいう。)などを用いることが好ましい。
ポリエーテルポリオール(B1)を構成するポリエーテルポリオールとしては、例えば上述した〔主剤〕の項で挙げたポリエーテルポリオールを用いることができ、これらの中でもポリプロピレングリコールを好ましく用いることができる。
ポリエーテルポリオール(B1)としては、市販品も用いることができ、例えば、エクセノール1030(旭硝子社製、3官能ポリプロピレングリコール)などが挙げられる。
ポリブタジエンジオールとしては、例えば、ブタジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−イソプレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ブタジエン−n−オクタデシルアクリレートコポリマー等のブタンジエン系ポリマーの末端をヒドロキシ基に変性したものなどが挙げられる。
疎水骨格を有するポリオール化合物(B2)は、市販品も用いることができ、例えば、Poly bd R−45 HT(出光興産社製、ポリブタジエンジオール)などが挙げられる。
上記ロジンジオールの市販品の例としては、例えば、パインクリスタルD−6011、(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(B4)を構成するポリエーテルポリオールとしては、例えば上述した〔主剤〕の項で挙げたポリエーテルポリオールを用いることができる。
ポリエーテルポリオール(B4)としては、市販品も用いることができ、例えば、ポリオール4800(パーストープ社製、4官能ポリエーテルポリオール)などが挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に、イソシアヌレート環を有する化合物(C)を含有する。
ここで、上記化合物(C)は、後述する微粒子(D)とは独立して、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に含有しており、上述した主剤および硬化剤の両方に含有していてもよい。
また、上記化合物(C)は、本発明の効果が十分に発揮される限り、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体以外の化合物をさらに含有してもよい。このような化合物としては、脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート化合物(C1)(ただし、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を除く)、脂肪族イソシアネートシランのイソシアヌレート化合物(C2)、イソシアヌレート環を有する(メタ)アクリレート化合物(C3)、イソシアヌレート環を有するチオール化合物(C4)、および、イソシアヌレート環を有するグリシジル化合物(C5)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられる。
ここで、「(メタ)アクリレート化合物」とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物のことをいい、後述する「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基をいう。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(以下、「化合物(C1−2)」ともいう。)は、下記式(C1−2)で表される化合物である。化合物(C1−2)を用いることで、これを含有する主剤または硬化剤の粘度の上昇を抑制できる。化合物(C1−2)は、主剤に含まれることが好ましい。
上記イソシアヌレート化合物(C1)は、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を除く化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等の脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート体が挙げられる。
HDIのイソシアヌレート体は、具体的には、下記式(C1−1)で表される化合物である。
上記イソシアヌレート化合物(C2)は、脂肪族イソシアネートシランのイソシアヌレート化合物である。
ここで、脂肪族イソシアネートシランは、脂肪族化合物に由来するイソシアネート基と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物であり、例えば、イソシアネート基含有脂肪族化合物と、イソシアネート基と反応し得る官能基と加水分解性ケイ素含有基とを有する化合物とを反応させて得ることができる。
上記イソシアヌレート化合物(C2)としては、具体的には、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等の脂肪族イソシアネートシランをイソシアヌレート化した化合物等が好適に挙げられる。
上記(メタ)アクリレート化合物(C3)は、イソシアヌレート環と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物であれば特に限定されない。
上記(メタ)アクリレート化合物(C3)としては、具体的には、例えば、エトキシキ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)等の脂肪族ジイソシアネートと、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基含有アクリルアミドモノマーや4ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートと、を反応させて得られる化合物;等が挙げられる。
上記チオール化合物(C4)は、イソシアヌレート環とメルカプト基とを有する化合物であれば特に限定されない。
上記チオール化合物(C4)としては、具体的には、例えば、トリス(エチル−3−メルカプトプロピオネート)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
上記グリシジル化合物(C5)は、イソシアヌレート環とエポキシ基とを有する化合物であれば特に限定されない。
上記グリシジル化合物(C5)としては、具体的には、例えば、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に、有機物を含む平均粒子径が0.1〜10μmの微粒子(D)を含有する。
ここで、上記微粒子(D)は、上述した化合物(C)とは独立して、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に含有しており、上述した主剤および硬化剤の両方に含有していてもよい。
また、平均粒子径とは、微粒子(D)の粒子径の平均値をいい、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定された50%体積累積径(D50)をいう。なお、平均値を算出する基になる粒子径は、微粒子(D)の断面が楕円形である場合はその長径と短径の合計値を2で割った平均値をいい、正円形である場合はその直径をいう。
本発明においては、上述したウレタンプレポリマー(A)や化合物(B)を含む樹脂マトリクスへの分散性の観点から、上記微粒子(D)を構成する有機物が、重合性不飽和基含有モノマーの重合体(D1)であるのが好ましく、ポリオキシアルキレンポリオール中に分散した上記重合体(D1)であるのがより好ましい。
ここで、重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基等の重合性官能基が挙げられる。
このような重合性不飽和基を有するモノマーとしては、従来公知の架橋性モノマーを用いることができ、例えば、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート;エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニルや芳香族ビニリデン;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニルやシアン化ビニリデン;等が挙げられ、上記重合体(D1)としては、これらのモノマーの単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、これらのモノマーの共重合体であってもよい。
これらのうち、上記重合体(D1)としては、MMAの単独重合体、アクリロニトリルとスチレンとの共重合体、スチレンの単独重合体であるのが好ましい。
同様に、上記微粒子(D)として、ポリオキシアルキレンポリオール中に分散した上記重合体(D1)を用い、これを硬化剤側に配合する場合は、ポリオキシアルキレンポリオールは、1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(B)の一部として使用(流用)してもよい。
ここで、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速度で測定し、中点法にて算出したものである。
有機物としてメラミン系樹脂を有する微粒子(D)としては、例えば、特開2002−327036号公報や特開2005−171033号公報などに記載された球状複合硬化メラミン樹脂等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に、テルペン化合物を含有するのが好ましい。
ここで、テルペンとは、イソプレン則に基づく一連の化合物、すなわち、分子式(C5H8)nで表される化合物の総称であり、このうち、モノテルペンとは、分子式(C5H8)2で表される化合物をいう。また、モノテルペンまたは変性モノテルペンに由来する繰り返し単位を2〜6個有するオリゴマーとは、モノテルペンの骨格、分子式(C5H8)2で表される繰り返し単位を2〜6個有する化合物をいい、単独重合体(ホモオリゴマー)であってもよく、共重合体(コオリゴマー)であってもよい。
上記モノテルペンとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物(α−ピネン)、下記式(2)で表される化合物(β−ピネン)、下記式(3)で表される化合物(リモネン)、ミルセン、カルボン、カンファー等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、下記式(1)〜(3)で表される化合物であるのが好ましい。
上記水添モノテルペンは、上記モノテルペンを水素化したテルペン化合物である。
上記水添モノテルペンとしては、例えば、下記式(4)で表される化合物(p−メンタン)等が挙げられる。
上記変性モノテルペンは、上記モノテルペンまたは上記水添モノテルペンを水酸基変性したモノテルペンである。
上記変性モノテルペンとしては、例えば、下記式(5)で表される化合物(α−ターピネオール)、下記式(6)で表される化合物(β−ターピネオール)、下記式(7)で表される化合物(γ−ターピネオール)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記オリゴマーは、上記モノテルペンまたは上記変性モノテルペン(ただし、上記水添モノテルペンを水酸基変性した変性モノテルペンは除く。)に由来する繰り返し単位を2〜6個有する化合物である。
上記オリゴマーとしては、例えば、下記式(8)で表される化合物(テルペン樹脂)、下記式(9)で表される化合物(芳香族変性テルペン樹脂)、下記式(10)で表される化合物(テルペンフェノール樹脂)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、mおよびm×nは、2〜5の数であるのが好ましく、2〜3の数であるのがより好ましい。
一方、上記式(9)中、Rは、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表す。
また、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましく、水素原子であるのがより好ましい。
本発明の接着剤組成物は、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に、カーボンブラックを含有するのが好ましい。
カーボンブラックは、通常の1液型のポリウレタン組成物と同様、従来公知のものを用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等が挙げられる。
具体的には、上記SAFとしてはシースト9(東海カーボン社製)、ISAFとしてはショウワブラックN220(昭和キャボット社製)、HAFとしてはシースト3(東海カーボン社製)、FEFとしてはHTC#100(中部カーボン社製)等が例示される。また、GPFとしては旭#55(旭カーボン社製)、シースト5(東海カーボン社製)、SRFとしては旭#50(旭カーボン社製)、三菱#5(三菱化学社製)、FTとしては旭サーマル(旭カーボン社製)、HTC#20(中部カーボン社製)、MTとしては旭#15(旭カーボン社製)等が例示される。
本発明の接着剤組成物は、上述した主剤および硬化剤の少なくとも一方に、炭酸カルシウムを含有するのが好ましい。
炭酸カルシウムは、通常の1液型のポリウレタン組成物と同様、従来公知のものを用いることができ、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、コロイダル炭酸カルシウム等であってもよい。
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラックおよび炭酸カルシウム以外の充填剤、硬化触媒、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤などの各種添加剤等を含有することができる。
上記酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
上記接着付与剤としては、具体的には、例えば、フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
また、本発明においては、調製された主剤を窒素ガス等で置換された容器に、調製された硬化剤を別の容器にそれぞれ充填し保存することができ、使用時に主剤と硬化剤とを十分に混合して調製することもできる。
ポリオキシプロピレンジオール(平均分子量2000)700g、ポリオキシプロピレントリオール(平均分子量3000)300g、および4,4′−ジイソシアネートフェニルメタン(分子量250)499gを混合し(この時NCO/OH=2.0)、更にフタル酸ジイソノニル500gを加えて、窒素気流中、80℃で12時間撹拌を行い、反応させて、イソシアネート基を2.10%含有するウレタンプレポリマーA−1を合成した。
下記第1表の各成分を、同表に示す組成(質量部)で撹拌機を用いて混合し、同表上段に示す主剤と同表下段に示す硬化剤とを調製した。
次いで、調製した主剤100gと、硬化剤10gとを混合し、接着剤組成物を得た。
得られた各接着剤組成物について、下記の方法により接着性を評価した。結果を第1表に示す。
上記のようにして調製した主剤について、SOD粘度は、JASO M338−89に準拠して、圧力粘度計(ASTM D 1092)を用いて測定した。粘度は、主剤の温度を20℃として、20sec−1の条件で行った。
粘度の評価基準は、320Pa・s未満のものを「◎」、320Pa・s以上360Pa・s未満を「○」、360Pa・s以上のものを「△」と評価して、「○」以上の評価を合格とした。結果を下記第1表に示す。
<剪断強度>
オレフィン樹脂からなる基板(幅:25mm、長さ:120mm、厚さ:3mm、短繊維GFPP K7000、プライムポリマー社製)の片面にフレーム処理を施した被着体を2枚用意した。
フレーム処理後、ぬれ張力試験用混合液(和光純薬工業社製)を用いて樹脂表面の濡れ性が45.0mN/m以上であることを確認した。
次いで、一方の被着体の表面(フレーム処理を施した面)に、調製(混合)直後の各接着剤組成物を厚み3mmとなるように塗布した後、他方の被着体の表面(フレーム処理を施した面)と張り合わせ、圧着させることで試験体を作製した。
作製した試験体を23℃、相対湿度50%の環境下に3日間放置した後に、23℃下でJIS K6850:1999に準じた引張試験を行い、引っ張り速度50mm/minで剪断強度(MPa)を測定した。
測定の結果、剪断強度3.1MPa以上のものを「◎」と評価し、剪断強度が2.0MPa以上3.1MPa未満のものを「○」と評価し、剪断強度が2.0MPa未満のものを「×」と評価した。結果を下記第1表に示す。
剪断強度を測定した試験体について、破壊状態を目視で確認した。
接着剤により接着している面積のうち、接着剤が凝集破壊(CF)している割合が90%以上のものを「◎」と評価し、凝集破壊している割合が75%以上90%未満のものを「○」と評価し、凝集破壊している割合が60%以上75%未満のものを「△」と評価し、凝集破壊している割合が60%未満のものを「×」と評価した。結果を下記第1表に示す。
なお、下記第1表中、「CF数値」は、凝集破壊の割合を示し、「AF数値」は接着破壊(界面剥離)の割合を示し、例えば、「CF80AF20」は、凝集破壊が80%で接着破壊が20%であることを示す。
接着性の評価と同様の試験体を作製し、作製した試験体を23℃、相対湿度50%の環境下に3日間放置した後、更に、100℃のオーブン内に200時間放置した後に、上述した接着性と同様の評価を行った。結果を下記第1表に示す。
・ウレタンプレポリマーA−1:上記で合成したウレタンプレポリマー
・微粒子D−2:シリカメラミン複合微粒子(品番:オプトビーズ500SL、日産化学社製、微粒子の濃度:100質量%、微粒子の平均粒子径:0.6μm、微粒子のガラス転移温度:210℃、)15質量部とポリオキシプロピレントリオール(分子量5100)100質量部をペイントミル(S−43/4X11、井上製作所)を用いて均一化したもの
・微粒子D−3:ポリメタクリル酸粒子(品番:XX−2851Z、積水化成品工業製、微粒子の濃度:100質量%、微粒子の平均粒子径:0.3μm、微粒子のガラス転移温度:100℃、)15質量部とポリオキシプロピレントリオール(分子量5100)100質量部をペイントミル(S−43/4X11、井上製作所)を用いて均一化したもの
・微粒子D−4:アクリロニトリルとスチレンとの共重合体からなる微粒子が分散したPPG溶液(品番:FL−557、微粒子の濃度:40質量%、微粒子の平均粒子径:1.0μm、微粒子のガラス転移温度:100℃、三洋化成工業社製)
・微粒子D−5:スチレンの単独重合体からなる微粒子が分散したPPG溶液(品番:エクセノール910、微粒子の濃度:20質量%、微粒子の平均粒子径:1μm、微粒子のガラス転移温度:110℃、旭硝子社製)
・イソシアヌレート化合物C1−2:ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体
・イソシアヌレート化合物C2−1:イソシアネートプロピルトリメトキシシランのイソシアヌレート体(Y−19020、モメンティブ社製)
・イソシアヌレート化合物C2−2:イソシアネートプロピルトリエトキシシランのイソシアヌレート体(A−1310、モメンティブ社製)
・(メタ)アクリレート化合物C3−1:エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート体(A−9300、新中村化学社製)
・(メタ)アクリレート化合物C3−2:ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート体(A−9300−1CL、新中村化学社製)
・化合物B2−1:ポリブタジエンジオール(Poly bd R−45HT、出光興産社製、水酸基価:45)
・化合物B3−1:ロジンジオール(D−6011、荒川化学工業社製、水酸基価118)
・化合物B4−1:4官能ポリエーテルポリオール(ポリオール4800、パーストープ社製、水酸基価:800、分子量282)
・テルペン化合物1:YSレジンCP(ヤスハラケミカル社製)
・テルペン化合物2:ターピネオール(ヤスハラケミカル社製)
・カーボンブラック:#200MP(新日化カーボン社製)
・炭酸カルシウム1:スーパーS(丸尾カルシウム社製)
・炭酸カルシウム2:カルファイン200(丸尾カルシウム社製)
・可塑剤:フタル酸ジイソノニル(ジェイプラス社製)
・触媒:ジモルホリノジエチルエーテル(サンアプロ社製)
また、イソシアヌレート環を有する化合物(C)、および、有機物を含む平均粒子径が0.1〜10μmの微粒子(D)のいずれか一方を配合せずに調製した接着剤組成物は、接着性が不十分となり、耐熱性が劣ることが分かった(比較例2〜3)。
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体以外のイソシアヌレート環を有する化合物(C)を用いて得られた主剤は、粘度が高くなりすぎてしまって、接着剤組成物の作業性が劣ることが分かった(比較例2、4〜17)。
これに対し、イソシアヌレート環を有する化合物(C)としてペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、および、有機物を含む平均粒子径が0.1〜10μmの微粒子(D)を配合して調製した接着剤組成物は、接着性および耐熱性が良好であることが分かった(実施例1〜7)。また、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体以外のイソシアヌレート環を有する化合物(C)を用いて得られた主剤は、粘度の上昇が抑制され、接着剤組成物の作業性が良好になることがわかった。なお、第1表中には記載していないが、硬化速度に関し、主剤/硬化剤混合後の接着剤を室温下にてビード(直径1cm)塗布して12時間経過後にカッターナイフにて切断したところ、実施例の全てがビードの表層から内部に至るまで硬化していることを確認でき、2液としての優れた硬化速度を十分に保持できていることが分かった。
また、実施例同士の対比から、テルペン化合物を配合して調製した接着剤組成物は、テルペン化合物を配合しない例と比較して接着性および耐熱性がより良好となることが分かった。
Claims (4)
- イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)を含有する主剤と、1分子中に2個以上の活性水素含有基を有する化合物(B)を含有する硬化剤と、を有する2液ウレタン系接着剤組成物であって、
前記主剤および前記硬化剤の少なくとも一方に、イソシアヌレート環を有する化合物(C)、および、有機物を含む平均粒子径が0.1〜10μmの微粒子(D)を含有し、
前記化合物(C)が、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含む、2液ウレタン系接着剤組成物。 - 前記微粒子(D)が、ポリオキシアルキレンポリオール中に分散した重合性不飽和基含有モノマーの重合体(D1)である、請求項1に記載の2液ウレタン系接着剤組成物。
- 前記重合体(D1)のガラス転移温度が、60℃以上である、請求項2に記載の2液ウレタン系接着剤組成物。
- 前記主剤および前記硬化剤の少なくとも一方に、更に、テルペン化合物(E)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の2液ウレタン系接着剤組成物。
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