本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、図において、大きさ、膜(層)の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜的に用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
なお、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」は境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「絶縁体」と言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「絶縁体」は、「半導体」と言い換えることができる場合がある。
また、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」は境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「導電体」と言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「導電体」は、「半導体」と言い換えることができる場合がある。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
なお、以下に示す実施の形態では、特に断りがない場合、絶縁体として、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを一種以上含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。または、絶縁体として、樹脂を用いてもよい。例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、シリコーンなどを含む樹脂を用いればよい。樹脂を用いることで、絶縁体の上面を平坦化処理しなくてもよい場合がある。また、樹脂は短い時間で厚い膜を成膜することができるため、生産性を高めることができる。絶縁体としては、好ましくは酸化アルミニウム、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。
また、以下に示す実施の形態では、特に断りがない場合、導電体として、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルまたはタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
なお、本明細書において、Aが濃度Bの領域を有する、と記載する場合、例えば、Aのある領域における深さ方向全体が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の平均値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の中央値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の最大値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の最小値が濃度Bである場合、Aのある領域における深さ方向の収束値が濃度Bである場合、測定上Aそのものの確からしい値の得られる領域が濃度Bである場合などを含む。
また、本明細書において、Aが大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bの領域を有する、と記載する場合、例えば、Aのある領域における全体が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における平均値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における中央値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における最大値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における最小値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、Aのある領域における収束値が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合、測定上Aそのものの確からしい値の得られる領域が大きさB、長さB、厚さB、幅Bまたは距離Bである場合などを含む。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について図面を用いて説明する。
以下では、特に断りのない限り、一例として、チャネル形成領域に酸化物半導体を含む半導体装置について説明する。
図1(A)は上面図であり、図1(A)に示す一点鎖線A1−A2方向の断面が図1(B)に相当する。また、図1(A)に示す一点鎖線A3−A4方向の断面が図1(C)に相当する。なお、図1(A)、(B)、(C)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。また、一点鎖線A1−A2方向をチャネル長方向、一点鎖線A3−A4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
トランジスタ101は、基板110上の絶縁体120と、当該絶縁体120上の酸化物半導体130と、当該酸化物半導体130と電気的に接続するソース電極140およびドレイン電極150と、酸化物半導体130、ソース電極140およびドレイン電極150上のゲート絶縁体160と、酸化物半導体130、ソース電極140の一部およびドレイン電極150の一部とゲート絶縁体160を介して重なるゲート電極170と、を有する。また、ゲート絶縁体160およびゲート電極170上には絶縁体180を有していてもよい。また、絶縁体180上に酸化物で形成された絶縁体185が形成されていてもよい。ただし、絶縁体185は有さなくてもよい。さらにその上部に他の絶縁体を形成してもよい。
本発明の一態様のトランジスタは、チャネル長が10nm以上300nm以下のトップゲート型構造である。また、ゲート電極170とソース電極140とが互いに重なる領域191(LovS)およびゲート電極170とドレイン電極150とが互いに重なる領域192(LovD)を有する。領域191および領域192のチャネル長方向の幅は、寄生容量を小さくするために3nm以上300nm未満とすることが好ましい。
また、チャネルを形成する領域において、酸化物半導体130の膜厚は30nm以上300nm以下とすることが好ましい。例えば、100nm以上200nm以下とすることもできる。なお、当該数値に絶縁体120のオーバーエッチングにて形成された凸部の高さが含まれていてもよい。即ち、当該凸部の高さと、酸化物半導体130の膜厚と、を併せて30nm以上300nm以下(例えば、100nm以上200nm以下)としても構わない。
また、酸化物半導体130の膜厚をチャネル幅で除した値は、0.5以上とすることが好ましい。例えば、0.5以上5以下または1以上3以下であることが好ましい。
また、ゲート絶縁体160の厚さは、酸化膜換算膜厚で2nm以上30nm以下とすることが好ましい。また、絶縁体120の厚さは、酸化膜換算膜厚で10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
図1に示すトランジスタ101では、ゲート電極170は、酸化物半導体130のチャネル幅方向を電気的に取り囲んだ構造となっている。特に、図2のように、ゲート電極170が酸化物半導体130を上面だけでなく側面も取り囲んでおり、かつ酸化物半導体130の下方まで伸びている構造となっていてもよい。このように、ゲート電極によって酸化物半導体のチャネル幅方向を電気的に取り囲んだトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。
トランジスタ101をsurrounded channel構造とし、チャネル幅を狭くすることで、酸化物半導体130の側面に対してゲート電界によるキャリアの制御がしやすくなる。そのため、良好なサブスレッショルド特性と極めて小さいオフ電流を有するトランジスタ101が得られる。また、このような構造とすることで、酸化物半導体130の全体(バルク)にチャネルが形成される場合がある。s−channel構造では、トランジスタのソース−ドレイン間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流)を高くすることができる。
また、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)と、接触している。当該接触している酸化物半導体130では、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがあり、N型導電領域を有する。なお、酸素欠損のサイトに水素が入り込んだ状態をVOHと表記する場合がある。その結果、N型導電領域を電流が流れることで、良好なオン電流を得ることができる。
また、酸化物半導体130のチャネル形成領域中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体を真性または実質的に真性にすることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体のキャリア密度が、1×1017個/cm3以下、好ましくは1×1015個/cm3以下、さらに好ましくは1×1013個/cm3以下、より好ましくは1×1011個/cm3以下、特に好ましくは1×1010個/cm3以下であり、1×10−9個/cm3以上であることを指す。酸化物半導体において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。
当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、チャネル形成領域におけるキャリア密度が低いため、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性になることが少ない。また、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体のキャリアトラップが少ないため、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。また、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流を非常に低くすることが可能となる。
また、トランジスタ101が電子を多数キャリアとする蓄積型である場合、酸化物半導体130のソース電極140およびドレイン電極150と接する領域からチャネル形成領域へ延びる電界が遮蔽されやすく、短チャネルでもゲート電界によるキャリアの制御を行いやすい。
また、絶縁表面上にトランジスタを形成することで、半導体基板をそのままチャネル形成領域として用いる場合と異なり、ゲート電極と酸化物半導体もしくは半導体基板との間で寄生容量が形成されないため、ゲート電界によるキャリアの制御が容易になる。また、良好なスイッチング特性が得られる。
このような構造とすることで、良好な電気特性が得られる。具体的には、優れたサブスレッショルド特性、極めて小さいオフ電流、良好なオン電流が得られる。
このような構造とすることで、微細なトランジスタにおいても良好な電気特性が得られる。トランジスタの微細化により、トランジスタに寄生する各種容量が減少するため、良好なスイッチング特性が得られる。
一例として、チャネル長およびチャネル幅を50nmとすることができる。チャネルを形成する領域において、酸化物半導体130の厚さを40nmとし、ゲート絶縁体160の厚さを酸化膜換算膜厚で11nmとし、絶縁体120の厚さを酸化膜換算膜厚で390nmとすることができる。
その結果、ゲート電圧3V、ドレイン電圧1V、ソース電圧0Vにおけるチャネル幅で規格化したオン電流は58μA/μmで、かつ、オフ電流は0.1pA以下とすることができる。また、しきい値電圧をプラスとすることができ(ノーマリオフの電気特性ともいう)、さらには、ドレイン電流が1pAとなるゲート電圧が0V以上とすることも可能である。また、DIBL(Drain Induced Barrier Lowering)は、45mV/V以上100mV/V以下、代表的には67mV/V、SS(Subthreshold swing value)は60mV/dec以上120mV/dec以下、代表的には92mV/decという優れた電気特性を得ることができる。
このような構造のトランジスタを用いることにより、ノーマリオフであって、かつ、トランジスタのスイッチ速度が100ns未満、好ましくは10ns未満、10ps以上とすることができる。
一例として、チャネル長64nm、チャネル幅68nmのトランジスタを書き込みトランジスタとして用い、容量を充電させる場合、容量値14fFを持つ容量を約60nsで90%充電することができる。
また、トランジスタのスイッチ速度が10ns未満、10ps以上、好ましくは3ns未満、100ps以上とすることができる。
なお、トランジスタのスイッチ速度(スイッチングスピードとも呼ぶ)が速いとは、トランジスタのスイッチングに要する時間が短いことをいう。例えば、トランジスタのスイッチ速度とは、一つのトランジスタのゲート容量が90%充電されるのに要する時間を表し、一つのトランジスタが負荷のない状態で非導通状態から導通状態となる時間を表す。これは、ゲート電圧が変化した際に、トランジスタのドレイン電流の増分が、ゲート容量に蓄積される電荷の増分を充電する時間と解釈することができる。または、トランジスタのスイッチングに要する時間とは、トランジスタを増幅器として用いる場合に、電流利得が1以上となる最大の周波数fT(遮断周波数ともいう)を用いて、1/(2×fT)で表わす場合がある。または、電力利得が1以上となる最大の周波数fmax(最大発振周波数ともいう)を用いて1/(2×fmax)で表わす場合がある。電力利得としては、単方向電力利得や最大有能電力利得を用いることができる。
なお、スイッチ速度は、実際に測定してもよいし、計算によって検証してもよい。計算によって検証する場合には、SPICEを用いることができる。トランジスタモデルパラメータは実際に測定したトランジスタの電気特性から抽出することが好ましい。電気特性の測定は室温で行ってもよいし、低温(例えばー40℃)、高温(例えば125℃)における電気特性を合わせて測定してもよい。トランジスタモデルの一例として、RPI(Rensselaer Polytechnic Institute)モデルを用いることができる。また、レイアウトに基づいて、寄生容量や寄生抵抗といった寄生素子を抽出することが好ましい。
一例として、チャネル長64nm、チャネル幅68nmのトランジスタから抽出したトランジスタモデルパラメータを用いたSPICE計算において、1fF以下の容量を充電させる場合、5ns以下で90%充電することができる。
また、このような構造のトランジスタを用いることにより、酸化膜換算膜厚で11nmという比較的厚いゲート絶縁体でチャネル長が50nm程度まで短くなっても極小オフ電流と、非常に良好なサブスレッショルド特性が得られる。
また、このような構造のトランジスタを用いることにより、酸化膜換算膜厚で11nmという比較的厚いゲート絶縁体で、かつゲートオーバーラップ構造にもかかわらず、チャネル長が50nm程度まで短くなっても極小オフ電流と、非常に良好なサブスレッショルド特性が得られる。
比較的厚いゲート絶縁体を用いることで、ゲート絶縁体を介したリーク電流が低減される。また、薄いゲート絶縁体を形成する場合と比較して、容易に製造でき、膜厚ばらつきの小さいゲート絶縁体を形成することが可能となる。
なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)に設けられている。
または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)と、接触している。または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の少なくとも一部(または全部)と、接触している。
または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)と、電気的に接続されている。または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の少なくとも一部(または全部)と、電気的に接続されている。
または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)に、近接して配置されている。または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の少なくとも一部(または全部)に、近接して配置されている。
または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)の横側に配置されている。または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の少なくとも一部(または全部)の横側に配置されている。
または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)の斜め上側に配置されている。または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の少なくとも一部(または全部)の斜め上側に配置されている。
または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の、表面、側面、上面、および/または、下面の少なくとも一部(または全部)の上側に配置されている。または、ソース電極140(および/または、ドレイン電極150)の、少なくとも一部(または全部)は、酸化物半導体130などの半導体の少なくとも一部(または全部)の上側に配置されている。
また、トランジスタ101は、図3に示すように、酸化物半導体130と基板110との間に導電体172を備えていてもよい。当該導電体を第2のゲート電極(バックゲート)として用いることで、更なるオン電流の増加や、しきい値電圧の制御を行うことができる。オン電流を増加させるには、例えば、ゲート電極170と導電体172を同電位としてトランジスタ101を駆動させればよい。また、しきい値電圧の制御を行うには、ゲート電極170とは異なる定電位を導電体172に供給すればよい。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図4(A)、図4(B)および図4(C)に示す構成であってもよい。図4(A)は上面図であり、図4(A)に示す一点鎖線B1−B2方向の断面が図4(B)に相当する。また、図4(A)に示す一点鎖線B3−B4方向の断面が図4(C)に相当する。なお、図4(A)、図4(B)および図4(C)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。また、一点鎖線B1−B2方向をチャネル長方向、一点鎖線B3−B4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
図4(A)、図4(B)および図4(C)に示すトランジスタ102は、酸化物半導体130が絶縁体120側から第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、および第3の酸化物半導体133の順で形成された点がトランジスタ101とは異なる。
例えば、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、および第3の酸化物半導体133には、それぞれ組成の異なる酸化物半導体などを用いることができる。ただし、例えば、第1の酸化物半導体131と、第3の酸化物半導体133と、が同じまたはその近傍の組成であってもよい。
なお、トランジスタ101における酸化物半導体130の形状に関する説明は、トランジスタ102にも適用でき、同様の効果を得ることができる。また、図3に示す構成をトランジスタ102に適用することもできる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、図5(A)、図5(B)および図5(C)に示す構成であってもよい。図5(A)は上面図であり、図5(A)に示す一点鎖線C1−C2方向の断面が図5(B)に相当する。また、図5(A)に示す一点鎖線C3−C4方向の断面が図5(C)に相当する。なお、図5(A)、図5(B)および図5(C)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。また、一点鎖線C1−C2方向をチャネル長方向、一点鎖線C3−C4方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
図5(A)、図5(B)および図5(C)に示すトランジスタ103は、酸化物半導体130が絶縁体120側から第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132の順で形成された積層と、当該積層の一部を覆う第3の酸化物半導体133を有する点が、トランジスタ101およびトランジスタ102とは異なる。
例えば、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、および第3の酸化物半導体133には、それぞれ組成の異なる酸化物半導体などを用いることができる。ただし、例えば、第1の酸化物半導体131と、第3の酸化物半導体133と、が同じまたはその近傍の組成であってもよい。
具体的にトランジスタ103は、基板110上の絶縁体120と、当該絶縁体120上の第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132の順で形成された積層と、当該積層の一部と電気的に接続するソース電極140およびドレイン電極150と、当該積層の一部、ソース電極140の一部、およびドレイン電極150の一部を覆う第3の酸化物半導体133と、当該積層の一部、ソース電極140の一部、ドレイン電極150の一部、第3の酸化物半導体133と重なるゲート絶縁体160およびゲート電極170と、を有する。また、ソース電極140およびドレイン電極150、ならびにゲート電極170上には絶縁体180が設けられていてもよい。また、絶縁体180上に酸化物で形成された絶縁体185が形成されていてもよい。絶縁体185を有さなくてもよい。また、さらにその上部に他の絶縁体を形成してもよい。
図1に示すトランジスタ101ではチャネルが形成される領域において酸化物半導体130は一層である。一方、図4に示すトランジスタ102では酸化物半導体130は基板110側から第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、第3の酸化物半導体133が積層された三層構造を有している。また、図5に示すトランジスタ103では、トランジスタ102と同様に三層構造の酸化物半導体130を有している。一方、チャネル形成領域において第2の酸化物半導体132は第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133で取り囲まれている構造となっている。
なお、トランジスタ102およびトランジスタ103の構造において、酸化物半導体130を構成する三層の材料を適切に選択することで電流を第2の酸化物半導体132の全体に流すことができる。酸化物半導体130内部の第2の酸化物半導体132に電流が流れることで、界面散乱の影響を受けにくく、高いオン電流を得ることができる。なお、第2の酸化物半導体132を厚くすると、オン電流を向上させることができる。
次に本発明の一態様のトランジスタの構成要素について詳細を説明する。
基板110は、単なる支持材料に限らず、他のトランジスタなどのデバイスが形成された基板であってもよい。この場合、トランジスタのゲート電極170、ソース電極140、およびドレイン電極150の一つは、上記の他のデバイスと電気的に接続されていてもよい。
絶縁体120は、基板110からの不純物の拡散を防止する役割を有するほか、酸化物半導体130に酸素を供給する役割を担うことができる。したがって、絶縁体120は酸素を含む絶縁体であることが好ましく、化学量論組成よりも多い酸素を含む絶縁体であることがより好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法(TDS:Thermal Desorption Spectrometry)にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm3以上である膜とする。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。また、上述のように基板110が他のデバイスが形成された基板である場合、絶縁体120は、層間絶縁体としての機能も有する。その場合は、表面が平坦になるようにCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等で平坦化処理を行うことが好ましい。
なお、本実施の形態では、酸化物半導体130が三層構造である場合を主として詳細を説明するが、積層数は問わない。トランジスタ101のように酸化物半導体130が一層の場合は、本実施の形態で説明する第2の酸化物半導体132に相当する層を用いればよい。また、酸化物半導体130が二層の場合は、例えば、トランジスタ102またはトランジスタ103に示す酸化物半導体130の構成において、第3の酸化物半導体133を設けない構成とすればよい。この構成の場合、第2の酸化物半導体132と第1の酸化物半導体131を入れ替えることもできる。また、酸化物半導体130が四層以上である場合は、例えば、本実施の形態で説明する三層構造の積層に対して他の酸化物半導体を積む構成や当該三層構造におけるいずれかの界面に他の酸化物半導体を挿入する構成とすることができる。
一例としては、第2の酸化物半導体132には、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133よりも電子親和力(真空準位から伝導帯下端までのエネルギー)が大きい酸化物半導体を用いる。電子親和力は、真空準位と価電子帯上端とのエネルギー差(イオン化ポテンシャル)から、伝導帯下端と価電子帯上端とのエネルギー差(エネルギーギャップ)を差し引いた値として求めることができる。
第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133は、第2の酸化物半導体132を構成する金属元素を一種以上含み、例えば、伝導帯下端のエネルギーが第2の酸化物半導体132よりも、0.05eV、0.07eV、0.1eV、0.15eVのいずれか以上であって、2eV、1eV、0.5eV、0.4eVのいずれか以下の範囲で真空準位に近い酸化物半導体で形成することが好ましい。
このような構造において、ゲート電極170に電界を印加すると、酸化物半導体130のうち、伝導帯下端のエネルギーが最も小さい第2の酸化物半導体132にチャネルが形成される。
また、第1の酸化物半導体131は、第2の酸化物半導体132を構成する金属元素を一種以上含んで構成されるため、第2の酸化物半導体132と絶縁体120とが接した場合の界面と比較して、第2の酸化物半導体132と第1の酸化物半導体131との界面には界面準位を形成されにくくなる。該界面準位はチャネルを形成することがあるため、トランジスタのしきい値電圧が変動することがある。したがって、第1の酸化物半導体131を設けることにより、トランジスタのしきい値電圧などの電気特性のばらつきを低減することができる。また、当該トランジスタの信頼性を向上させることができる。
また、第3の酸化物半導体133は、第2の酸化物半導体132を構成する金属元素を一種以上含んで構成されるため、第2の酸化物半導体132とゲート絶縁体160が接した場合の界面と比較して、第2の酸化物半導体132と第3の酸化物半導体133との界面ではキャリアの散乱が起こりにくくなる。したがって、第3の酸化物半導体133を設けることにより、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。
第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133には、例えば、Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHfを第2の酸化物半導体132よりも高い原子数比で含む材料を用いることができる。具体的には、当該原子数比を1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。前述の元素は酸素と強く結合するため、酸素欠損が酸化物半導体に生じることを抑制する機能を有する。すなわち、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133は、第2の酸化物半導体132よりも酸素欠損が生じにくいと言うことができる。
なお、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、第3の酸化物半導体133が、少なくともインジウム、亜鉛およびM(Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物であるとき、第1の酸化物半導体131をIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、第2の酸化物半導体132をIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]、第3の酸化物半導体133をIn:M:Zn=x3:y3:z3[原子数比]とすると、y1/x1およびy3/x3がy2/x2よりも大きくなることが好ましい。y1/x1およびy3/x3はy2/x2よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。このとき、第2の酸化物半導体132において、y2がx2以上であるとトランジスタの電気特性を安定させることができる。ただし、y2がx2の3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y2はx2の3倍未満であることが好ましい。
第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133のZnおよびOを除いてのInおよびMの原子数比率は、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。また、第2の酸化物半導体132のZnおよびOを除いてのInおよびMの原子数比率は、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。
第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133の厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、第2の酸化物半導体132の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下、さらに好ましくは10nm以上80nm以下とする。また、第2の酸化物半導体132は、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133より厚い方が好ましい。
なお、酸化物半導体をチャネルとするトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体を真性または実質的に真性にすることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体のキャリア密度が、1×1017個/cm3以下、好ましくは1×1015個/cm3以下、さらに好ましくは1×1013個/cm3以下、より好ましくは1×1011個/cm3以下、特に好ましくは1×1010個/cm3以下であり、1×10−9個/cm3以上であることを指す。
また、酸化物半導体において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンは酸化物半導体中で不純物準位の形成に寄与する。当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。したがって、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132および第3の酸化物半導体133の層中や、それぞれの界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
酸化物半導体を真性または実質的に真性とするためには、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析において、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。また、水素濃度は、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下とする。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半導体の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体の結晶性を低下させないためには、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とすればよい。また、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、炭素濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とすればよい。
また、上述のように高純度化された酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さい。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1V、5V、または、10V程度とした場合に、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流を数yA/μmから数zA/μmにまで低減することが可能となる。
また、上述のように高純度化された酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性になることが少ない。また、当該酸化物半導体は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
なお、トランジスタのゲート絶縁体としては、シリコンを含む絶縁体が多く用いられるため、上記理由により酸化物半導体のチャネルとなる領域は、本発明の一態様のトランジスタのようにゲート絶縁体と接しない構造が好ましいということができる。また、ゲート絶縁体と酸化物半導体との界面にチャネルが形成される場合、該界面でキャリアの散乱が起こり、トランジスタの電界効果移動度が低くなることがある。このような観点からも、酸化物半導体のチャネルとなる領域はゲート絶縁体から離すことが好ましいといえる。
したがって、酸化物半導体130を第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、第3の酸化物半導体133の積層構造とすることで、第2の酸化物半導体132にチャネルを形成することができ、高い電界効果移動度および安定した電気特性を有したトランジスタを形成することができる。また、良好なスイッチング特性が得られる。
第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、第3の酸化物半導体133のバンド構造においては、伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化する。これは、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、第3の酸化物半導体133の組成が近似することにより、酸素が相互に拡散しやすい点からも理解される。したがって、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132、第3の酸化物半導体133は組成が異なる層の積層体ではあるが、物性的に連続であるということもでき、本明細書の図面において、当該積層体のそれぞれの界面は点線で表している。
主成分を共通として積層された酸化物半導体130は、各層を単に積層するのではなく連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各層の間で連続的に変化するU字型の井戸構造(U Shape Well))が形成されるように作製する。すなわち、各層の界面にトラップ中心や再結合中心のような欠陥準位を形成するような不純物濃度が低くなるように積層構造を形成する。仮に、積層された酸化物半導体の層間に不純物が高濃度で存在していると、エネルギーバンドの連続性が失われ、界面でキャリアがトラップあるいは再結合により消滅してしまう場合がある。
例えば、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133にはIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:3、1:3:4、1:3:6、1:6:4または1:9:6(原子数比)、第2の酸化物半導体132にはIn:Ga:Zn=1:1:1、5:5:6、または3:1:2(原子数比)などのIn−Ga−Zn酸化物などを用いることができる。また、第1の酸化物半導体131にIn:Ga:Zn=1:6:4または1:9:6(原子数比)、第3の酸化物半導体133にIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:3、1:3:4(原子数比)のIn−Ga−Zn酸化物などを用いてもよい。このような、第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132および第3の酸化物半導体133の成膜に、上述した原子数比の酸化物ターゲットを用いたスパッタリング法を用いると好ましい。スパッタリング法を用いた場合、基板加熱温度にもよるが、成膜された酸化物半導体の組成に対する亜鉛の比率が、ターゲットの組成と比べて20%から60%程度低減する場合がある。また、成膜された酸化物半導体の組成に対するガリウムの比率が、ターゲットの組成と比べて1%から20%程度低減する場合がある。
酸化物半導体130における第2の酸化物半導体132はウェル(井戸)となり、酸化物半導体130を用いたトランジスタにおいて、チャネルは第2の酸化物半導体132に形成される。なお、酸化物半導体130は伝導帯下端のエネルギーが連続的に変化しているため、U字型井戸とも呼ぶことができる。また、このような構成で形成されたチャネルを埋め込みチャネルということもできる。
また、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133と、酸化シリコン膜などの絶縁体との界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位が形成され得る。第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133があることにより、第2の酸化物半導体132と当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
ただし、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133の伝導帯下端のエネルギーと、第2の酸化物半導体132の伝導帯下端のエネルギーとの差が小さい場合、第2の酸化物半導体132の電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがある。マイナスの電荷となる電子がトラップ準位に捕獲されることで、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。
したがって、トランジスタのしきい値電圧の変動を低減するには、第1の酸化物半導体131および第3の酸化物半導体133の伝導帯下端のエネルギーと、第2の酸化物半導体132の伝導帯下端のエネルギーとの間に一定以上の差を設けることが好ましい。それぞれの当該エネルギー差は、0.1eV以上が好ましく、0.15eV以上がより好ましい。
第1の酸化物半導体131、第2の酸化物半導体132および第3の酸化物半導体133には、結晶部が含まれることが好ましい。特にc軸に配向した結晶を用いることでトランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
ソース電極140およびドレイン電極150には、酸化物半導体から酸素を引き抜く性質を有する導電体を用いると好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wなどを用いることができる。上記材料において、特に酸素と結合しやすいTiや、後のプロセス温度を比較的高く設定できる、融点の高いWを用いることがより好ましい。
酸化物半導体から酸素を引き抜く性質を有する導電体の作用により、酸化物半導体中の酸素が脱離し、酸化物半導体中に酸素欠損が形成される。当該酸化物半導体中に僅かに含まれる水素と当該酸素欠損が結合することにより当該領域は顕著にn型化する。したがって、n型化した当該領域はトランジスタのソースまたはドレインとして作用させることができる。
ゲート絶縁体160には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁体を用いることができる。また、ゲート絶縁体160は上記材料の積層であってもよい。なお、ゲート絶縁体160に、ランタン(La)、窒素、ジルコニウム(Zr)などを、不純物として含んでいてもよい。
また、ゲート絶縁体160の積層構造の一例について説明する。ゲート絶縁体160は、例えば、酸素、窒素、シリコン、ハフニウムなどを有する。具体的には、酸化ハフニウム、および酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含むと好ましい。
酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、酸化膜換算膜厚に対して物理的な膜厚を大きくできるため、酸化膜換算膜厚を10nm以下または5nm以下とした場合でも、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。即ち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。さらに、結晶構造を有する酸化ハフニウムは、非晶質構造を有する酸化ハフニウムと比べて高い比誘電率を備える。したがって、オフ電流の小さいトランジスタとするためには、結晶構造を有する酸化ハフニウムを用いることが好ましい。結晶構造の例としては、単斜晶系や立方晶系などが挙げられる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。
ところで、結晶構造を有する酸化ハフニウムの被形成面は、欠陥に起因した界面準位を有する場合がある。該界面準位はトラップセンターとして機能する場合がある。そのため、酸化ハフニウムがトランジスタのチャネル形成領域に近接して配置されるとき、該界面準位によってトランジスタの電気特性が劣化する場合がある。そこで、該界面準位の影響を低減するために、トランジスタのチャネル形成領域と酸化ハフニウムとの間に、別の膜を配置することによって互いに離間させることが好ましい場合がある。この膜は、緩衝機能を有する。緩衝機能を有する膜は、ゲート絶縁体160に含まれる膜であってもよいし、酸化物半導体に含まれる膜であってもよい。即ち、緩衝機能を有する膜としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化物半導体などを用いることができる。なお、緩衝機能を有する膜には、たとえば、チャネル形成領域となる半導体よりもエネルギーギャップの大きい半導体または絶縁体を用いる。または、緩衝機能を有する膜には、たとえば、チャネル形成領域となる半導体よりも電子親和力の小さい半導体または絶縁体を用いる。または、緩衝機能を有する膜には、たとえば、チャネル形成領域となる半導体よりもイオン化エネルギーの大きい半導体または絶縁体を用いる。
一方、上述した結晶構造を有する酸化ハフニウムの被形成面における界面準位(トラップセンター)に電荷をトラップさせることで、トランジスタのしきい値電圧を制御できる場合がある。該電荷を安定して存在させるためには、たとえば、チャネル形成領域と酸化ハフニウムとの間に、酸化ハフニウムよりもエネルギーギャップの大きい絶縁体を配置すればよい。または、酸化ハフニウムよりも電子親和力の小さい半導体または絶縁体を配置すればよい。または、緩衝機能を有する膜には、酸化ハフニウムよりもイオン化エネルギーの大きい半導体または絶縁体を配置すればよい。このような絶縁体を用いることで、界面準位にトラップされた電荷の放出が起こりにくくなり、長期間に渡って電荷を保持することができる。
そのような絶縁体として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコンが挙げられる。ゲート絶縁体160内の界面準位に電荷を捕獲させるためには、酸化物半導体130からゲート電極170に向かって電子を移動させればよい。具体的な例としては、高い温度(例えば、125℃以上450℃以下、代表的には150℃以上300℃以下)の下で、ゲート電極170の電位をソース電極140やドレイン電極150の電位より高い状態にて1秒以上、代表的には1分以上維持すればよい。
このようにゲート絶縁体160などの界面準位に所望の量の電子を捕獲させたトランジスタは、しきい値電圧がプラス側にシフトする。ゲート電極170の電圧や、電圧を印加する時間を調整することによって、電子を捕獲させる量(しきい値電圧の変動量)を制御することができる。なお、電荷を捕獲させることができれば、ゲート絶縁体160内でなくても構わない。同様の構造を有する積層膜を、他の絶縁体に用いても構わない。
ゲート電極170には、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ru、Ag、TaおよびWなどの導電体を用いることができる。また、当該ゲート電極は、上記材料の積層であってもよい。また、当該ゲート電極には、窒素を含んだ導電体を用いてもよい。
ゲート絶縁体160、およびゲート電極170上に形成する絶縁体180には、酸化アルミニウム膜を含むことが好ましい。酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウム膜は、トランジスタの作製工程中および作製後において、トランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体130への混入防止、酸化物半導体130を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体からの放出防止、絶縁体120からの酸素の不必要な放出防止の効果を有する保護膜として用いることに適している。また、酸化アルミニウム膜に含まれる酸素を酸化物半導体中に拡散させることもできる。
また、絶縁体180上には絶縁体185が形成されていることが好ましい。絶縁体185には、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁体を用いることができる。また、絶縁体185は上記材料の積層であってもよい。
ここで、絶縁体185は絶縁体120と同様に化学量論組成よりも多くの酸素を有することが好ましい。絶縁体185から放出される酸素はゲート絶縁体160を経由して酸化物半導体130のチャネル形成領域に拡散させることができることから、チャネル形成領域に形成された酸素欠損に酸素を補填することができる。したがって、安定したトランジスタの電気特性を得ることができる。
また、半導体装置を高集積化するにはトランジスタの微細化が必須である。一方、トランジスタの微細化によりトランジスタの電気特性が悪化することが知られている。
そこで、図5に示す本発明の一態様のトランジスタでは、前述したように、チャネルが形成される第2の酸化物半導体132を覆うように第3の酸化物半導体133が形成されており、チャネル形成層とゲート絶縁体が接しない構成となっている。そのため、チャネル形成層とゲート絶縁体との界面で生じるキャリアの散乱を抑えることができ、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。その結果、良好なスイッチング特性が得られる。
本発明の一態様のトランジスタでは、前述したように酸化物半導体130のチャネル幅方向を電気的に取り囲むようにゲート電極170が形成されているため、酸化物半導体130に対しては垂直方向からのゲート電界に加えて、側面方向からのゲート電界が印加される。すなわち、酸化物半導体130の全体的にゲート電界が印加させることとなり、電流はチャネルとなる第2の酸化物半導体132全体に流れるようになり、さらにオン電流を高められる。その結果、良好なスイッチング特性が得られる。
また、本発明の一態様のトランジスタは、第2の酸化物半導体132を第1の酸化物半導体131上に形成することで界面準位を形成しにくくする効果や、第2の酸化物半導体132を三層構造の中間に位置する層とすることで上下からの不純物混入の影響を排除できる効果などを併せて有する。そのため、上述したトランジスタのオン電流の向上に加えて、しきい値電圧の安定化や、SSを向上させることができる。したがって、ゲート電圧Vgが0V時の電流を下げることができ、消費電力を低減させることができる。また、容量に保持した電荷(あるいは情報)を当該トランジスタによって制御する場合に長期間にわたって保持(あるいは記憶)することができる。また、トランジスタのしきい値電圧が安定化することから、半導体装置の長期信頼性を向上させることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である図6に示すトランジスタ490の作製方法について説明する。図6(A)は、トランジスタ490の構成の一例を示す平面図である。図6(B)には、図6(A)の一点鎖線E1−E2方向の断面図、および一点鎖線E3−E4方向の断面図を示す。
まず、絶縁体442を成膜する。絶縁体442は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法またはパルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いて成膜すればよい。
絶縁体442は、金属または合金のターゲットを用い、DCスパッタリング法による成膜すると好ましい。特に、反応性ガスとして酸素を用いたDCスパッタリング法では、ターゲット表面における反応が十分でないため、亜酸化物を含む絶縁体が成膜できる場合がある。亜酸化物は、水素や酸素などを捕獲して安定化する場合がある。したがって、絶縁体442が亜酸化物を含む絶縁体である場合、水素や酸素などに対するブロック性の高い絶縁体であることがわかる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。熱CVD法は、プラズマを用いないため、プラズマダメージが生じず、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、MCVD法およびMOCVD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、MCVD法およびMOCVD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、トランジスタ490の生産性を高めることができる。
次に、導電体413となる導電体を成膜する。導電体413となる導電体は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
次に、導電体413となる導電体の一部をエッチングし、導電体413を形成する。
次に、絶縁体402を成膜する(図7(A)参照。)。絶縁体402は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。なお、ここでは、絶縁体402は、CMP法などによって、上面から平坦化する場合について説明する。絶縁体402の上面を平坦化することで、後の工程が容易となり、トランジスタ490の歩留まりを高くすることができる。例えば、CMP法によって、絶縁体402のRMS(Root Mean Square:二乗平均平方根)粗さを1nm以下、好ましくは0.5nm以下、さらに好ましくは0.3nm以下とする。または、1μm×1μmの範囲におけるRa(平均面粗さ)を1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とする。または、1μm×1μmの範囲におけるPeak−Valleyを10nm未満、好ましくは9nm未満、さらに好ましくは8nm未満、より好ましくは7nm未満とする。ただし、本発明の一態様に係るトランジスタ490は、絶縁体402の上面を平坦化した場合に限定されない。
絶縁体402は、過剰酸素を含ませるように成膜すればよい。または、絶縁体402の成膜後に酸素を添加しても構わない。酸素の添加は、例えば、イオン注入法により、加速電圧を2kV以上100kV以下とし、ドーズ量を5×1014ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下として行えばよい。
なお、絶縁体402を積層膜で構成する場合には、それぞれの膜を、上記のような成膜方法を用いて、異なる成膜方法で成膜してもよい。例えば、1層目をCVD法で成膜し、2層目をALD法で成膜してもよい。または、1層目をスパッタリング法で成膜し、2層目をALD法で成膜してもよい。このように、それぞれ異なる成膜方法を用いることによって、各層の膜に異なる機能や性質を持たせることができる。そして、それらの膜を積層することによって、積層膜全体として、より適切な膜を構成することができる。
つまり、n層目(nは自然数)の膜を、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n+1層目の膜を、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜する。なお、n層目の膜と、n+1層目の膜とで、成膜方法が同じでも異なっていてもよい。なお、n層目の膜とn+2層目の膜とで、成膜方法が同じでもよい。または、すべての膜において、成膜方法が同じでもよい。
次に、半導体406aとなる半導体436a、および半導体406bとなる半導体436bをこの順に成膜する。半導体406aとなる半導体436a、および半導体406bとなる半導体436bは、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
なお、半導体436aおよび半導体436bとして、In−Ga−Zn酸化物層をMOCVD法によって成膜する場合、原料ガスとしてトリメチルインジウム、トリメチルガリウムおよびジメチル亜鉛などを用いればよい。なお、上記原料ガスの組み合わせに限定されず、トリメチルインジウムに代えてトリエチルインジウムなどを用いてもよい。また、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウムなどを用いてもよい。また、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛などを用いてもよい。
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下で行えばよい。第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上もしくは10%以上含む雰囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、半導体436a、および半導体436bの結晶性を高めることや、水素や水などの不純物を除去すること等ができる。
次に、導電体416を成膜する(図7(B)参照。)。導電体416は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
導電体416aおよび導電体416bは、導電体416を成膜した後で、導電体416の一部をエッチングすることで形成される。したがって、導電体416の成膜時に、半導体406bへダメージを与えない成膜方法を用いると好ましい。即ち、導電体416の成膜には、MCVD法などを用いると好ましい。
なお、導電体416を積層膜で構成する場合には、それぞれの膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのような成膜方法を用いて、異なる成膜方法で成膜してもよい。例えば、1層目をMOCVD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をMOCVD法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜し、3層目をALD法で成膜してもよい。このように、それぞれ、異なる成膜方法を用いることによって、各層の膜に異なる機能や性質を持たせることができる。そして、それらの膜を積層することによって、積層膜全体として、より適切な膜を構成することができる。
つまり、導電体416を積層膜で構成する場合には、例えば、n層目の膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n+1層目の膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n層目の膜と、n+1層目の膜とで、成膜方法が異なっていてもよい(nは自然数)。なお、n層目の膜とn+2層目の膜とで、成膜方法が同じでもよい。または、すべての膜において、成膜方法が同じでもよい。
なお、導電体416、または導電体416の積層膜の内の少なくとも一つの膜と、半導体406aとなる半導体436a、または半導体406bとなる半導体436bとは、同じ成膜方法を用いてもよい。例えば、どちらも、ALD法を用いてもよい。これにより、大気に触れさせずに成膜することができる。その結果、不純物の混入を防ぐことができる。
なお、導電体416、または導電体416の積層膜の内の少なくとも一つの膜と、半導体406aとなる半導体436a、または半導体406bとなる半導体436bと、絶縁体402、または絶縁体402の積層膜の内の少なくとも一つの膜とは、同じ成膜方法を用いてもよい。例えば、どれも、スパッタリング法を用いてもよい。これにより、大気に触れさせずに成膜することができる。その結果、不純物の混入を防ぐことができる。ただし、本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法は、これらに限定されない。
次に、マスク426を形成する(図8(A)参照。)。マスク426は、感光性を有するレジストを用いればよい。なお、マスク426として、フォトレジストの下地に、反射防止膜(BARC:Bottom Anti Reflective Coating)を設けてもよい。反射防止膜を設けることで、ハレーションによる不良を抑制することができ、微細な形状を得ることができる。
次に、マスク426をマスクに用いて、導電体416をエッチングし、導電体417を形成する。なお、微細な形状を有する導電体417を形成するためには、微細な形状を有するマスク426を形成することになる。微細な形状を有するマスク426は、厚すぎると倒れる場合があるため、自立できる程度の厚さの領域を有すると好ましい。また、マスク426をマスクとしてエッチングする導電体416は、マスク426が耐えうる条件でエッチングされる程度に薄いことが好ましい。ただし、導電体416は、後にトランジスタ490のソース電極およびドレイン電極としての機能を有する導電体416aおよび導電体416bとなるため、トランジスタ490のオン電流を大きくするためにはある程度の厚さがあるほうが好ましい。したがって、例えば、5nm以上30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下、さらに好ましくは5nm以上15nm以下の厚さの領域を有する導電体416とすればよい。
次に、導電体417をマスクに用いて、半導体436bおよび半導体436aをエッチングし、半導体406aおよび半導体406bを形成する。このとき、絶縁体402までエッチングすると、s−channel構造が形成されやすくなる(図8(B)参照。)。
次に、導電体417の一部をエッチングし、導電体416aおよび導電体416bを形成する(図9(A)参照。)。このように、半導体436aおよび半導体436bをエッチングするためのマスクとして形成された導電体416は、トランジスタ490のソース電極およびドレイン電極としての機能を有する導電体416aおよび導電体416bとなる。導電体416aおよび導電体416bとなる導電体416をマスクとしても用いることから、トランジスタ490を作製するための工程数を低減できる。また、トランジスタ490は、導電体416aおよび導電体416bの占有面積を小さくすることができるため、微細な半導体装置に適した構造である。
次に、半導体406cとなる半導体を成膜する。半導体406cとなる半導体は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
なお、半導体406cとなる半導体として、In−Ga−Zn酸化物層をMOCVD法によって成膜する場合、原料ガスとしてトリメチルインジウム、トリメチルガリウムおよびジメチル亜鉛などを用いればよい。なお、上記原料ガスの組み合わせに限定されず、トリメチルインジウムに代えてトリエチルインジウムなどを用いてもよい。また、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウムなどを用いてもよい。また、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛などを用いてもよい。
次に、第2の加熱処理を行っても構わない。例えば、半導体406aとして、半導体406cとなる半導体よりも酸素透過性の高い半導体を選択する。即ち、半導体406cとなる半導体として、半導体406aよりも酸素透過性の低い半導体を選択する。換言すると、半導体406aとして、酸素を透過する機能を有する半導体を選択する。また、半導体406cとなる半導体として、酸素をブロックする機能を有する半導体を選択する。このとき、第2の加熱処理を行うことで、半導体406aを介して、絶縁体402に含まれる過剰酸素が半導体406bまで移動する。半導体406bは半導体406cとなる半導体で覆われているため、過剰酸素の外方拡散が起こりにくい。そのため、このタイミングで第2の加熱処理を行うことで、効率的に半導体406bの欠陥(酸素欠損)を低減することができる。なお、第2の加熱処理は、絶縁体402中の過剰酸素(酸素)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての記載を参照しても構わない。または、第2の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度が好ましい。低下させる温度範囲は、20℃以上150℃以下、好ましくは40℃以上100℃以下とする。これにより、絶縁体402から余分に過剰酸素(酸素)が放出することを抑えることができる。。
次に、絶縁体412となる絶縁体を成膜する。絶縁体412となる絶縁体は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
なお、絶縁体412となる絶縁体を積層膜で構成する場合には、それぞれの膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのような成膜方法を用いて、異なる成膜方法で成膜してもよい。例えば、1層目をMOCVD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をMOCVD法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜し、3層目をALD法で成膜してもよい。このように、それぞれ、異なる成膜方法を用いることによって、各層の膜に異なる機能や性質を持たせることができる。そして、それらの膜を積層することによって、積層膜全体として、より適切な膜を構成することができる。
つまり、絶縁体412となる絶縁体を積層膜で構成する場合には、例えば、n層目の膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n+1層目の膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n層目の膜と、n+1層目の膜とで、成膜方法が異なっていてもよい(nは自然数)。なお、n層目の膜とn+2層目の膜とで、成膜方法が同じでもよい。または、すべての膜において、成膜方法が同じでもよい。
次に、第3の加熱処理を行っても構わない。例えば、半導体406aとして、半導体406cとなる半導体よりも酸素透過性の高い半導体を選択する。即ち、半導体406cとなる半導体として、半導体406aよりも酸素透過性の低い半導体を選択する。また、半導体406cとなる半導体として、酸素をブロックする機能を有する半導体を選択する。または、例えば、半導体406aとして、絶縁体412となる絶縁体よりも酸素透過性の高い半導体を選択する。即ち、絶縁体412となる絶縁体として、半導体406aよりも酸素透過性の低い絶縁体を選択する。換言すると、半導体406aとして、酸素を透過する機能を有する半導体を選択する。また、絶縁体412となる絶縁体として、酸素をブロックする機能を有する絶縁体を選択する。このとき、第3の加熱処理を行うことで、半導体406aを介して、絶縁体402に含まれる過剰酸素が半導体406bまで移動する。半導体406bは半導体406cとなる半導体および絶縁体412となる絶縁体で覆われているため、過剰酸素の外方拡散が起こりにくい。そのため、このタイミングで第3の加熱処理を行うことで、効率的に半導体406bの欠陥(酸素欠損)を低減することができる。なお、第3の加熱処理は、絶縁体402中の過剰酸素(酸素)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての記載を参照しても構わない。または、第3の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度が好ましい。低下させる温度範囲は、20℃以上150℃以下、好ましくは40℃以上100℃以下とする。なお、絶縁体412となる絶縁体が酸素をブロックする機能を有する場合、半導体406cとなる半導体が酸素をブロックする機能を有さなくても構わない。
次に、導電体404となる導電体を成膜する。導電体404となる導電体は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
絶縁体412となる絶縁体は、トランジスタ490のゲート絶縁体として機能する。したがって導電体404となる導電体の成膜時に、絶縁体412となる絶縁体へダメージを与えない成膜方法を用いると好ましい。即ち、該導電体の成膜には、MCVD法などを用いると好ましい。
なお、導電体404となる導電体を積層膜で構成する場合には、それぞれの膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのような成膜方法を用いて、異なる成膜方法で成膜してもよい。例えば、1層目をMOCVD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をMOCVD法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜してもよい。または、1層目をALD法で成膜し、2層目をスパッタリング法で成膜し、3層目をALD法で成膜してもよい。このように、それぞれ、異なる成膜方法を用いることによって、各層の膜に異なる機能や性質を持たせることができる。そして、それらの膜を積層することによって、積層膜全体として、より適切な膜を構成することができる。
つまり、導電体404となる導電体を積層膜で構成する場合には、例えば、n層目の膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n+1層目の膜を、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法、MCVD法、MOCVD法など)、MBE法、PLD法、ALD法などのうちの少なくとも1つの方法で成膜し、n層目の膜と、n+1層目の膜とで、成膜方法が異なっていてもよい(nは自然数)。なお、n層目の膜とn+2層目の膜とで、成膜方法が同じでもよい。または、すべての膜において、成膜方法が同じでもよい。
なお、導電体404となる導電体、または導電体404となる導電体の積層膜の内の少なくとも一つの膜と、絶縁体412となる絶縁体、または絶縁体412となる絶縁体の積層膜の内の少なくとも一つの膜とは、同じ成膜方法を用いてもよい。例えば、どちらも、ALD法を用いてもよい。これにより、大気に触れさせずに成膜することができる。その結果、不純物の混入を防ぐことができる。または、例えば、絶縁体412となる絶縁体と接する導電体404となる導電体と、導電体404となる導電体と接する絶縁体412となる絶縁体とは、同じ成膜方法を用いてもよい。これにより、同じチャンバーで成膜することができる。その結果、不純物の混入を防ぐことができる。
なお、導電体404となる導電体、または導電体404となる導電体の積層膜の内の少なくとも一つの膜と、絶縁体412となる絶縁体、または絶縁体412となる絶縁体の積層膜の内の少なくとも一つの膜とは同じ成膜方法を用いてもよい。例えば、どれも、スパッタリング法を用いてもよい。これにより、大気に触れさせずに成膜することができる。その結果、不純物の混入を防ぐことができる。
次に、導電体404となる導電体の一部をエッチングして導電体404を形成する。なお、導電体404は、半導体406bの少なくとも一部と重なるように形成する。
次に、導電体404となる導電体と同様に、絶縁体412となる絶縁体の一部をエッチングして絶縁体412を形成する。
次に、導電体404となる導電体および絶縁体412となる絶縁体と同様に、半導体406cとなる半導体の一部をエッチングして半導体406cを形成する。
なお、導電体404となる導電体、絶縁体412となる絶縁体および半導体406cとなる半導体の一部をエッチングする際には、同一のフォトリソグラフィ工程など用いてもよい。または、導電体404をマスクとして用いて絶縁体412となる絶縁体および半導体406cとなる半導体をエッチングしてもよい。そのため、導電体404、絶縁体412および半導体406cは、上面図において同様の形状となる。なお、図9(C1)に示す拡大断面のように、導電体404よりも絶縁体412または/および半導体406cが突出した(迫り出した)形状となる場合や、図9(C2)に示す拡大断面のように、導電体404が絶縁体412または/および半導体406cよりも突出した(迫り出した)形状となる場合がある。これらに示すような形状とすることによって、形状不良が低減され、ゲートリーク電流を低減できる場合がある。
次に、絶縁体408を成膜する(図9(B)参照。)。絶縁体408は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
次に、第4の加熱処理を行っても構わない。例えば、半導体406aとして、半導体406cよりも酸素透過性の高い半導体を選択する。即ち、半導体406cとして、半導体406aよりも酸素透過性の低い半導体を選択する。また、半導体406cとして、酸素をブロックする機能を有する半導体を選択する。または、例えば、半導体406aとして、絶縁体412よりも酸素透過性の高い半導体を選択する。即ち、絶縁体412として、半導体406aよりも酸素透過性の低い半導体を選択する。または、例えば、半導体406aとして、絶縁体408よりも酸素透過性の高い半導体を選択する。即ち、絶縁体408として、半導体406aよりも酸素透過性の低い半導体を選択する。換言すると、半導体406aとして、酸素を透過する機能を有する半導体を選択する。また、絶縁体408として、酸素をブロックする機能を有する絶縁体を選択する。このとき、第4の加熱処理を行うことで、半導体406aを介して、絶縁体402に含まれる過剰酸素が半導体406bまで移動する。半導体406bは半導体406c、絶縁体412、絶縁体408のいずれかで覆われているため、過剰酸素の外方拡散が起こりにくい。そのため、このタイミングで第4の加熱処理を行うことで、効率的に半導体406bの欠陥(酸素欠損)を低減することができる。なお、第4の加熱処理は、絶縁体402中の過剰酸素(酸素)が半導体406bまで拡散する温度で行えばよい。例えば、第1の加熱処理についての記載を参照しても構わない。または、第4の加熱処理は、第1の加熱処理よりも低い温度が好ましい。低下させる温度範囲は、20℃以上150℃以下、好ましくは40℃以上100℃以下とする。なお、絶縁体408が酸素をブロックする機能を有する場合、半導体406cまたは/および絶縁体412が酸素をブロックする機能を有さなくても構わない。
なお、第1の加熱処理、第2の加熱処理、第3の加熱処理および第4の加熱処理の全てまたは一部を行わなくても構わない。
次に、絶縁体418を成膜する。絶縁体418は、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法などを用いて成膜すればよい。
以上のようにして、図6に示したトランジスタ490を作製することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様であるトランジスタに使用することができる酸化物半導体について説明する。
酸化物半導体は、非単結晶酸化物半導体と単結晶酸化物半導体とに大別される。非単結晶酸化物半導体とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体などをいう。なお、CAAC−OSをCANC−OS(C Axis Aligned Nano Crystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶこともできる。
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と略平行な方向から、CAAC−OSの断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OSを形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OSの被形成面または上面と平行に配列する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
一方、試料面と略垂直な方向から、CAAC−OSの平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
図38(A)は、CAAC−OSの断面の高分解能TEM像である。また、図38(B)は、図38(A)をさらに拡大した断面の高分解能TEM像であり、理解を容易にするために原子配列を強調表示している。
図38(C)は、図38(A)のA−O−A’間において、丸で囲んだ領域(直径約4nm)の局所的なフーリエ変換像である。図38(C)より、各領域においてc軸配向性が確認できる。また、A−O間とO−A’間とでは、c軸の向きが異なるため、異なるグレインであることが示唆される。また、A−O間では、c軸の角度が14.3°、16.6°、26.4°のように少しずつ連続的に変化していることがわかる。同様に、O−A’間では、c軸の角度が−18.3°、−17.6°、−15.9°と少しずつ連続的に変化していることがわかる。
なお、CAAC−OSに対し、電子回折を行うと、配向性を示すスポット(輝点)が観測される。例えば、CAAC−OSの上面に対し、例えば1nm以上30nm以下の電子線を用いる電子回折(ナノビーム電子回折ともいう。)を行うと、スポットが観測される(図39(A)参照。)。
断面の高分解能TEM像および平面の高分解能TEM像より、CAAC−OSの結晶部は配向性を有していることがわかる。
なお、CAAC−OSに含まれるほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。したがって、CAAC−OSに含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。ただし、CAAC−OSに含まれる複数の結晶部が連結することで、一つの大きな結晶領域を形成する場合がある。例えば、平面の高分解能TEM像において、2500nm2以上、5μm2以上または1000μm2以上となる結晶領域が観察される場合がある。
CAAC−OSに対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSのout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSの結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OSに対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO4の単結晶酸化物半導体であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OSの場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OSでは、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。したがって、前述の断面の高分解能TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OSを成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OSの被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。したがって、例えば、CAAC−OSの形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OSの被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS中において、c軸配向した結晶部の分布が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OSの結晶部が、CAAC−OSの上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりもc軸配向した結晶部の割合が高くなることがある。また、不純物の添加されたCAAC−OSは、不純物が添加された領域が変質し、部分的にc軸配向した結晶部の割合の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSのout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OSは、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OSは、不純物濃度の低い酸化物半導体である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体内部に含まれると、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OSは、欠陥準位密度の低い酸化物半導体である。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OSを用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体について説明する。
微結晶酸化物半導体は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。また、nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、層全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OSに対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OSに対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OSに対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OSに対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある(図39(B)参照。)。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
酸化物半導体が複数の構造を有する場合、ナノビーム電子回折を用いることで構造解析が可能となる場合がある。
図39(C)に、電子銃室10と、電子銃室10の下の光学系12と、光学系12の下の試料室14と、試料室14の下の光学系16と、光学系16の下の観察室20と、観察室20に設置されたカメラ18と、観察室20の下のフィルム室22と、を有する透過電子回折測定装置を示す。カメラ18は、観察室20内部に向けて設置される。なお、フィルム室22を有さなくても構わない。
また、図39(D)に、図39(C)で示した透過電子回折測定装置内部の構造を示す。透過電子回折測定装置内部では、電子銃室10に設置された電子銃から放出された電子が、光学系12を介して試料室14に配置された物質28に照射される。物質28を通過した電子は、光学系16を介して観察室20内部に設置された蛍光板32に入射する。蛍光板32では、入射した電子の強度に応じたパターンが現れることで透過電子回折パターンを測定することができる。
カメラ18は、蛍光板32を向いて設置されており、蛍光板32に現れたパターンを撮影することが可能である。カメラ18のレンズの中央、および蛍光板32の中央を通る直線と、蛍光板32の上面と、の為す角度は、例えば、15°以上80°以下、30°以上75°以下、または45°以上70°以下とする。該角度が小さいほど、カメラ18で撮影される透過電子回折パターンは歪みが大きくなる。ただし、あらかじめ該角度がわかっていれば、得られた透過電子回折パターンの歪みを補正することも可能である。なお、カメラ18をフィルム室22に設置しても構わない場合がある。例えば、カメラ18をフィルム室22に、電子24の入射方向と対向するように設置してもよい。この場合、蛍光板32の裏面から歪みの少ない透過電子回折パターンを撮影することができる。
試料室14には、試料である物質28を固定するためのホルダが設置されている。ホルダは、物質28を通過する電子を透過するような構造をしている。ホルダは、例えば、物質28をX軸、Y軸、Z軸などに移動させる機能を有していてもよい。ホルダの移動機能は、例えば、1nm以上10nm以下、5nm以上50nm以下、10nm以上100nm以下、50nm以上500nm以下、100nm以上1μm以下などの範囲で移動させる精度を有すればよい。これらの範囲は、物質28の構造によって最適な範囲を設定すればよい。
次に、上述した透過電子回折測定装置を用いて、物質の透過電子回折パターンを測定する方法について説明する。
例えば、図39(D)に示すように物質におけるナノビームである電子24の照射位置を変化させる(スキャンする)ことで、物質の構造が変化していく様子を確認することができる。このとき、物質28がCAAC−OSであれば、図39(A)に示したような回折パターンが観測される。または、物質28がnc−OSであれば、図39(B)に示したような回折パターンが観測される。
ところで、物質28がCAAC−OSであったとしても、部分的にnc−OSなどと同様の回折パターンが観測される場合がある。したがって、CAAC−OSの良否は、一定の範囲におけるCAAC−OSの回折パターンが観測される領域の割合(CAAC化率ともいう。)で表すことができる場合がある。例えば、良質なCAAC−OSであれば、CAAC化率は、50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上となる。なお、CAAC−OSと異なる回折パターンが観測される領域の割合を非CAAC化率と表記する。
一例として、成膜直後(as−sputteredと表記。)、または酸素を含む雰囲気における450℃加熱処理後のCAAC−OSを有する各試料の上面に対し、スキャンしながら透過電子回折パターンを取得した。ここでは、5nm/秒の速度で60秒間スキャンしながら回折パターンを観測し、観測された回折パターンを0.5秒ごとに静止画に変換することで、CAAC化率を導出した。なお、電子線としては、プローブ径が1nmのナノビーム電子線を用いた。なお、同様の測定は6試料に対して行った。そしてCAAC化率の算出には、6試料における平均値を用いた。
各試料におけるCAAC化率を図40(A)に示す。成膜直後のCAAC−OSのCAAC化率は75.7%(非CAAC化率は24.3%)であった。また、450℃加熱処理後のCAAC−OSのCAAC化率は85.3%(非CAAC化率は14.7%)であった。成膜直後と比べて、450℃加熱処理後のCAAC化率が高いことがわかる。即ち、高い温度(例えば400℃以上)における加熱処理によって、非CAAC化率が低くなる(CAAC化率が高くなる)ことがわかる。また、500℃未満の加熱処理においても高いCAAC化率を有するCAAC−OSが得られることがわかる。
ここで、CAAC−OSと異なる回折パターンのほとんどはnc−OSと同様の回折パターンであった。また、測定領域において非晶質酸化物半導体は、確認することができなかった。したがって、加熱処理によって、nc−OSと同様の構造を有する領域が、隣接する領域の構造の影響を受けて再配列し、CAAC化していることが示唆される。
図40(B)および図40(C)は、成膜直後および450℃加熱処理後のCAAC−OSの平面の高分解能TEM像である。図40(B)と図40(C)とを比較することにより、450℃加熱処理後のCAAC−OSは、膜質がより均質であることがわかる。即ち、高い温度における加熱処理によって、CAAC−OSの膜質が向上することがわかる。
このような測定方法を用いれば、複数の構造を有する酸化物半導体の構造解析が可能となる場合がある。
以上が、半導体406a、半導体406b、半導体406cなどに適用可能な酸化物半導体の構造である。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様のトランジスタを利用した回路の一例について図面を参照して説明する。
[断面構造]
図10(A)に本発明の一態様の半導体装置の断面図を示す。図10(A)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ2200を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ2100を有している。図10(A)では、第2の半導体材料を用いたトランジスタ2100として、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用した例を示している。なお、一点鎖線より左側がトランジスタのチャネル長方向の断面、右側がチャネル幅方向の断面である。
第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが好ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料として単結晶シリコンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能であり、オフ電流が低いためリーク電流が小さい。
トランジスタ2200は、nチャネル型のトランジスタまたはpチャネル型のトランジスタのいずれであってもよく、回路によって適切なトランジスタを用いればよい。また、酸化物半導体を用いた本発明の一態様のトランジスタを用いるほかは、用いる材料や構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
図10(A)に示す構成では、トランジスタ2200の上部に、絶縁体2201、絶縁体2207を介してトランジスタ2100が設けられている。また、トランジスタ2200とトランジスタ2100の間には、複数の配線2202が設けられている。また、各種絶縁体に埋め込まれた複数のプラグ2203により、上層と下層にそれぞれ設けられた配線や電極が電気的に接続されている。また、トランジスタ2100を覆う絶縁体2204と、絶縁体2204上に配線2205と、トランジスタ2100の一対の電極と同一の導電体を加工して得られた配線2206と、が設けられている。
このように、2種類のトランジスタを積層することにより、回路の占有面積が低減され、より高密度に複数の回路を配置することができる。
ここで、下層に設けられるトランジスタ2200にシリコン系半導体材料を用いた場合、トランジスタ2200の半導体の近傍に設けられる絶縁体中の水素はシリコンのダングリングボンドを終端し、トランジスタ2200の信頼性を向上させる効果がある。一方、上層に設けられるトランジスタ2100に酸化物半導体を用いた場合、トランジスタ2100の半導体の近傍に設けられる絶縁体中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなるため、トランジスタ2100の信頼性を低下させる要因となる場合がある。したがって、シリコン系半導体材料を用いたトランジスタ2200の上層に酸化物半導体を用いたトランジスタ2100を積層して設ける場合、これらの間に水素の拡散を防止する機能を有する絶縁体2207を設けることは特に効果的である。絶縁体2207により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ2200の信頼性が向上することに加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制されることでトランジスタ2100の信頼性も同時に向上させることができる。
絶縁体2207としては、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。
また、酸化物半導体を含んで構成されるトランジスタ2100を覆うように、トランジスタ2100上に水素の拡散を防止する機能を有するブロック膜2208(トランジスタ101乃至トランジスタ103では絶縁体180に相当)を形成することが好ましい。ブロック膜2208としては、絶縁体2207と同様の材料を用いることができ、特に酸化アルミニウムを適用することが好ましい。酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物および酸素の双方に対して膜を透過させない遮断(ブロッキング)効果が高い。したがって、トランジスタ2100を覆うブロック膜2208として酸化アルミニウム膜を用いることで、トランジスタ2100に含まれる酸化物半導体からの酸素の脱離を防止するとともに、酸化物半導体への水および水素の混入を防止することができる。
なお、トランジスタ2200は、プレーナ型のトランジスタだけでなく、様々なタイプのトランジスタとすることができる。例えば、FIN(フィン)型、TRI−GATE(トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。その場合の断面図の例を、図10(D)に示す。半導体基板2211の上に、絶縁体2212が設けられている。半導体基板2211は、先端の細い凸部(フィンともいう)を有する。なお、凸部の上には、絶縁体が設けられていてもよい。その絶縁体は、凸部を形成するときに、半導体基板2211がエッチングされないようにするためのマスクとして機能するものである。なお、凸部は、先端が細くなくてもよく、例えば、略直方体の凸部であってもよいし、先端が太い凸部であってもよい。半導体基板2211の凸部の上には、ゲート絶縁体2214が設けられ、その上には、ゲート電極2213が設けられている。半導体基板2211には、ソース領域およびドレイン領域2215が形成されている。なお、ここでは、半導体基板2211が、凸部を有する例を示したが、本発明の一態様に係る半導体装置は、これに限定されない。例えば、SOI基板を加工して、凸部を有する半導体領域を形成しても構わない。
[回路構成例]
上記構成において、トランジスタ2100やトランジスタ2200の電極を適宜接続することにより、様々な回路を構成することができる。以下では、本発明の一態様の半導体装置を用いることにより実現できる回路構成の例を説明する。
〔CMOSインバータ回路〕
図10(B)に示す回路図は、pチャネル型のトランジスタ2200とnチャネル型のトランジスタ2100を直列に接続し、且つそれぞれのゲートを接続した、いわゆるCMOSインバータの構成を示している。
〔CMOSアナログスイッチ〕
また、図10(C)に示す回路図は、トランジスタ2100とトランジスタ2200のそれぞれのソースとドレインを接続した構成を示している。このような構成とすることで、いわゆるCMOSアナログスイッチとして機能させることができる。
〔記憶装置の例〕
本発明の一態様であるトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図11に示す。
図11(A)に示す半導体装置は、第1の半導体材料を用いたトランジスタ3200と第2の半導体材料を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。なお、トランジスタ3300としては、上記実施の形態で説明したトランジスタを用いることができる。
図11(B)に図11(A)に示す半導体装置の断面図を示す。当該断面図の半導体装置では、トランジスタ3300にバックゲートを設けた構成を示しているが、バックゲートを設けない構成であってもよい。
図11(A)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソース電極と電気的に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレイン電極と電気的に接続されている。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲート電極と電気的に接続されている。そして、トランジスタ3200のゲート電極は、トランジスタ3300のソース電極またはドレイン電極の他方、および容量素子3400の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は容量素子3400の電極の他方と電気的に接続されている。
図11(A)に示す半導体装置では、トランジスタ3200のゲート電極の電位が保持可能という特徴を活かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオン状態となる電位にして、トランジスタ3300をオン状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート電極、および容量素子3400の電極の一方に与えられる。すなわち、容量素子3400には所定の電荷が与えられる。ここでは、LowレベルとHighレベルの二つの電位レベルを与えることとする。容量素子3400には二つの電位レベルに対応する電荷のいずれかが与えられる。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300がオフ状態となる電位にして、トランジスタ3300をオフ状態とすることにより、容量素子3400に与えられた電荷が保持される。このようにして、図11(A)に示す半導体装置に書き込みを行う。
トランジスタ3300のオフ電流は極めて小さいため、容量素子3400に与えられた電荷は長時間にわたって保持される。したがって、電源が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能となる。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、容量素子3400に保持された電荷量に応じて、第2の配線3002は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲート電極にHighレベル電位が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ3200のゲート電極にLowレベル電位が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ3200を「オン状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、トランジスタ3200のゲート電極に与えられた電位を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベル電位が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ3200は「オン状態」となる。Lowレベル電位が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ3200は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように情報を読み出さない場合には、容量素子3400に保持された電荷量にかかわらずトランジスタ3200が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線3005に与えればよい。または、容量素子3400に保持された電荷量にかかわらずトランジスタ3200が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線3005に与えればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、トランジスタ3300は、酸化物半導体を有する半導体にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ3300は、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、または、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。
本実施の形態に示す半導体装置では、トランジスタ3300は、酸化物半導体を有する半導体にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ3300は、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能である。一方、トランジスタ3200は、酸化物半導体以外の半導体材料として単結晶シリコンなどを用いたトランジスタであり、微細なトランジスタや高速動作が可能である。これらを組み合わせることで、小型の半導体装置を実現できる。また、高速な書き込み動作、読み出し動作が可能となる。
図11(C)に示す半導体装置は、トランジスタ3200を設けていない点で図11(A)と相違している。この場合も上記と同様の動作により情報の書き込みおよび保持動作が可能である。
次に、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ3300がオン状態となると、浮遊状態である第3の配線3003と容量素子3400とが導通し、第3の配線3003に付随する配線容量と容量素子3400の間で電荷が再分配される。その結果、第3の配線3003の電位が変化する。第3の配線3003の電位の変化量は、容量素子3400に蓄積された電荷(または容量素子3400の電極の一方の電位)によって、異なる値をとる。
例えば、容量素子3400の一方の電極の電位をV、容量素子3400の容量をC、第3の配線3003に付随する配線容量をCB、電荷が再分配される前の第3の配線3003の電位をVB0とし、第5の配線3005の電位を0V、第3の配線3003に付随する配線容量の他方の電極の電位を0Vとすると、電荷が再分配された後の第3の配線3003の電位は、(CB×VB0+C×V)/(CB+C)となる。したがって、メモリセルの状態として、容量素子3400の電極の一方の電位がV1とV0(V1>V0)の2状態をとるとすると、電位V1を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+C×V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、第3の配線3003の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
この場合、メモリセルを駆動させるための駆動回路に上記第1の半導体材料が適用されたトランジスタを用い、トランジスタ3300として第2の半導体材料が適用されたトランジスタを駆動回路上に積層して設ける構成とすればよい。
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
本実施の形態に示す半導体装置では、トランジスタ3300は、酸化物半導体を有する半導体にチャネルが形成されるトランジスタである。トランジスタ3300は、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能である。その結果、小型の半導体装置を実現できる。また、高速な書き込み動作、読み出し動作が可能となる。
また、該半導体装置は、情報の書き込みに高い電圧が不要であるため、素子の劣化が起こりにくい。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行わないため、絶縁体の劣化といった問題が生じない。すなわち、本発明の一態様に係る半導体装置は、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上した半導体装置である。さらに、トランジスタの導通状態、非導通状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作が可能となる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を、図12に示す。
図12に示す半導体装置200は、第1の記憶回路201と、第2の記憶回路202と、第3の記憶回路203と、読み出し回路204と、を有する。半導体装置200には、電位V1と電位V2の電位差が、電源電圧として供給される。電位V1と電位V2は一方がハイレベルであり、他方がローレベルである。以下、電位V1がローレベル、電位V2がハイレベルの場合を例に挙げて、本発明の一態様に係る半導体装置の構成例について説明するものとする。
第1の記憶回路201は、半導体装置200に電源電圧が供給されている期間において、データを含む信号Dが入力されると、当該データを保持する機能を有する。そして、半導体装置200に電源電圧が供給されている期間において、第1の記憶回路201からは、保持されているデータを含む信号Qが出力される。一方、第1の記憶回路201は、半導体装置200に電源電圧が供給されていない期間においては、データを保持することができない。すなわち、第1の記憶回路201は、揮発性の記憶回路と呼ぶことができる。
第2の記憶回路202は、半導体装置200に電源電圧が供給されている期間において、第1の記憶回路201に保持されているデータを読み込むことで、当該データを退避させる機能を有する。第3の記憶回路203は、半導体装置200に電源電圧が供給されてない期間において、第2の記憶回路202に保持されているデータを読み込むことで、当該データを退避させる機能を有する。読み出し回路204は、電源電圧が半導体装置200に供給されている期間において、第2の記憶回路202または第3の記憶回路203に保持されたデータを読み出す機能を有する。
図12に示すように、第2の記憶回路202が、トランジスタ212と、容量素子219と、を有する。第3の記憶回路203が、トランジスタ213と、トランジスタ215と、容量素子220と、を有する。読み出し回路204が、トランジスタ210と、トランジスタ218と、トランジスタ209と、トランジスタ217と、を有する。
トランジスタ212は、第1の記憶回路201に保持されているデータに応じた電荷を、容量素子219に充放電する機能を有する。トランジスタ212は、第1の記憶回路201に保持されているデータに応じた電荷を容量素子219に対して高速に充放電できることが望ましい。具体的には、トランジスタ212が、結晶性を有するシリコン(好ましくは多結晶シリコン、更に好ましくは単結晶シリコン)をチャネル形成領域に含むことが望ましい。
トランジスタ213は、容量素子219に保持されている電荷にしたがって導通状態または非導通状態が選択される。トランジスタ215は、トランジスタ213が導通状態であるときに、配線244の電位に応じた電荷を容量素子220に充放電する機能を有する。トランジスタ215は、オフ電流が著しく小さいことが望ましい。具体的には、トランジスタ215が、酸化物半導体(好ましくはIn、Ga、およびZnを含む酸化物)をチャネル形成領域に含むことが望ましい。
各素子の接続関係を具体的に説明すると、トランジスタ212のソースおよびドレインの一方は、第1の記憶回路201に接続されている。トランジスタ212のソースおよびドレインの他方は、容量素子219の一方の電極、トランジスタ213のゲート、およびトランジスタ218のゲートに接続されている。容量素子219の他方の電極は、配線242に接続されている。トランジスタ213のソースおよびドレインの一方は、配線244に接続されている。トランジスタ213のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ215のソースおよびドレインの一方に接続されている。トランジスタ215のソースおよびドレインの他方は、容量素子220の一方の電極、およびトランジスタ210のゲートに接続されている。容量素子220の他方の電極は、配線243に接続されている。トランジスタ210のソースおよびドレインの一方は、配線241に接続されている。トランジスタ210のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ218のソースおよびドレインの一方に接続されている。トランジスタ218のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ209のソースおよびドレインの一方に接続されている。トランジスタ209のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ217のソースおよびドレインの一方、および第1の記憶回路201に接続されている。トランジスタ217のソースおよびドレインの他方は、配線240に接続されている。また、図12においては、トランジスタ209のゲートは、トランジスタ217のゲートと接続されているが、トランジスタ209のゲートは、必ずしもトランジスタ217のゲートと接続されていなくてもよい。
なお、図12では、第3の記憶回路203と読み出し回路204とが接続されているとともに、第2の記憶回路202と読み出し回路204とが接続されている場合を例示しているが、本発明の一態様はこの構成に必ずしも限定されない。すなわち、読み出し回路204は、少なくとも第3の記憶回路203と接続されていれば、第2の記憶回路202とは必ずしも接続されていなくてもよい。ただし、読み出し回路204が第2の記憶回路202と接続されている構成の方が、第2の記憶回路202に保持されているデータを読み出して第1の記憶回路201に当該データを供給することが可能となるので、時間的に粒度の細かいパワーゲーティングを行うためには好ましい。
トランジスタ215に先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、オフ電流が小さいだけでなく、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能である。その結果、小型の半導体装置を実現できる。また、第1の記憶回路201に保持されているデータを高速に退避することが可能となるので、時間的に粒度の細かいパワーゲーティングを行うことができる。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る半導体装置を用いた装置の構成の一例について、図13を用いながら説明する。
図13に示す半導体装置300は、CPUコア301、パワーマネージメントユニット321および周辺回路322を有する。パワーマネージメントユニット321は、パワーコントローラ302、およびパワースイッチ303を有する。周辺回路322は、キャッシュメモリを有するキャッシュ304、バスインターフェース(BUS I/F)305、およびデバッグインターフェース(Debug I/F)306を有する。CPUコア301は、データバス323、制御装置307、PC(プログラムカウンタ)308、パイプラインレジスタ309、パイプラインレジスタ310、ALU(Arithmetic logic unit)311、およびレジスタファイル312を有する。CPUコア301と、キャッシュ304等の周辺回路322とのデータのやり取りは、データバス323を介して行われる。本発明の一態様に係る半導体装置は、PC(プログラムカウンタ)308、パイプラインレジスタ309、パイプラインレジスタ310、または/およびレジスタファイル312等に適用することができる。なお、これらは本発明の一態様に係る半導体装置を適用できる回路の一例であって、レジスタを有する回路であれば、他の回路にも適用することができる。本発明の一態様に係る半導体装置を、これらの回路に適用することにより、消費電力を積極的に抑制することが可能な半導体装置を提供できる。
制御装置307は、PC308、パイプラインレジスタ309、パイプラインレジスタ310、ALU311、レジスタファイル312、キャッシュ304、バスインターフェース305、デバッグインターフェース306、およびパワーコントローラ302の動作を統括的に制御することで、入力されたアプリケーションなどのプログラムに含まれる命令をデコードし、実行する機能を有する。
ALU311は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う機能を有する。
キャッシュ304は、使用頻度の高いデータを一時的に記憶しておく機能を有する。PC308は、次に実行する命令のアドレスを記憶する機能を有するレジスタである。なお、図13では図示していないが、キャッシュ304には、キャッシュメモリの動作を制御するキャッシュコントローラが設けられている。
パイプラインレジスタ309は、命令データを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
レジスタファイル312は、汎用レジスタを含む複数のレジスタを有しており、制御装置307のメインメモリから読み出されたデータ、またはALU311の演算処理により得られたデータ、などを記憶することができる。
パイプラインレジスタ310は、ALU311の演算処理に利用するデータ、またはALU311の演算処理の結果得られたデータなどを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
バスインターフェース305は、半導体装置300と半導体装置300の外部にある各種装置との間におけるデータの経路としての機能を有する。デバッグインターフェース306は、デバッグの制御を行うための命令を半導体装置300に入力するための信号の経路としての機能を有する。バスインターフェース305とデバッグインターフェース306には、それぞれにレジスタが付設されている。
パワースイッチ303は、半導体装置300が有する、パワーコントローラ302以外の各種回路への、電源電圧の供給を制御する機能を有する。上記各種回路は、幾つかのパワードメインにそれぞれ属しており、同一のパワードメインに属する各種回路は、パワースイッチ303によって電源電圧の供給の有無が制御される。また、パワーコントローラ302はパワースイッチ303の動作を制御する機能を有する。
上記構成を有する半導体装置300における、パワーゲーティングの動作の流れについて、一例を挙げて説明する。
まず、CPUコア301が、電源電圧の供給を停止するタイミングを、パワーコントローラ302のレジスタに設定する。次いで、CPUコア301からパワーコントローラ302へ、パワーゲーティングを開始する旨の命令を送る。次いで、半導体装置300内に含まれる各種レジスタとキャッシュ304が、データの退避を開始する。次いで、半導体装置300が有するパワーコントローラ302以外の各種回路への電源電圧の供給が、パワースイッチ303により停止される。次いで、割込み信号がパワーコントローラ302に入力されることで、半導体装置300が有する各種回路への電源電圧の供給が開始される。なお、パワーコントローラ302にカウンタを設けておき、電源電圧の供給が開始されるタイミングを、割込み信号の入力に依らずに、当該カウンタを用いて決めるようにしてもよい。次いで、各種レジスタとキャッシュ304が、データの復帰を開始する。次いで、制御装置307における命令の実行が再開される。
本発明の一態様に係るトランジスタを、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
本発明の一態様に係るトランジスタは、オフ電流が小さいだけでなく、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能である。その結果、先の実施形態で例示した当該トランジスタを用いたレジスタを適用することで、小型の半導体装置を実現できる。また、データを高速に退避することが可能となるので、時間的に粒度の細かいパワーゲーティングを行うことができる。その結果、消費電力を抑えることができる。
なお、本発明の一態様に係るトランジスタを用いた記憶回路は、CPUだけでなく、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)などのLSI、RF(Radio Frequency)タグ、GPU(Graphics Processing Unit)にも応用可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の使用例について説明する。
図14(A)に、リードフレーム型のインターポーザを用いたパッケージの断面構造を表す斜視図を示す。図14(A)に示すパッケージは、本発明の一態様に係る半導体装置に相当するチップ751が、ワイヤボンディング法により、インターポーザ750上の端子752と接続されている。端子752は、インターポーザ750のチップ751がマウントされている面上に配置されている。そしてチップ751はモールド樹脂753によって封止されていてもよいが、各端子752の一部が露出した状態で封止されるようにする。
パッケージが回路基板に実装されている電子機器(携帯電話)のモジュールの構成を、図14(B)に示す。図14(B)に示す携帯電話のモジュールは、プリント配線基板801に、パッケージ802と、バッテリー804とが実装されている。また、表示素子が設けられたパネル800に、プリント配線基板801がFPC803によって実装されている。
(実施の形態8)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Discなどの記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのカメラ、ゴーグル型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤーなど)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図15に示す。
図15(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイクロフォン905、スピーカー906、操作キー907、スタイラス908などを有する。なお、図15(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図15(B)は携帯データ端末であり、第1筐体911、第2筐体912、第1表示部913、第2表示部914、接続部915、操作キー916などを有する。第1表示部913は第1筐体911に設けられており、第2表示部914は第2筐体912に設けられている。そして、第1筐体911と第2筐体912とは、接続部915により接続されており、第1筐体911と第2筐体912の間の角度は、接続部915により変更が可能である。第1表示部913における映像を、接続部915における第1筐体911と第2筐体912との間の角度にしたがって、切り替える構成としてもよい。また、第1表示部913および第2表示部914の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。または、位置入力装置としての機能は、フォトセンサーとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図15(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、キーボード923、ポインティングデバイス924などを有する。
図15(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体931、冷蔵室用扉932、冷凍室用扉933などを有する。
図15(E)はビデオカメラであり、第1筐体941、第2筐体942、表示部943、操作キー944、レンズ945、接続部946などを有する。操作キー944およびレンズ945は第1筐体941に設けられており、表示部943は第2筐体942に設けられている。そして、第1筐体941と第2筐体942とは、接続部946により接続されており、第1筐体941と第2筐体942の間の角度は、接続部946により変更が可能である。表示部943における映像を、接続部946における第1筐体941と第2筐体942との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図15(F)は普通自動車であり、車体951、車輪952、ダッシュボード953、ライト954などを有する。
これらの電子機器に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることで、電子機器内のLSIの省電力を行うことが可能となる。つまり、LSIに本発明の一態様であるトランジスタを使用し、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能な記憶回路を用いることで、当該LSIが一時的に使用されていない場合に、当該LSIへ供給する電源を遮断することが可能となる。電源を遮断する前に、論理回路の状態を当該記憶回路に退避することで可能となる。その結果、消費電力を低減することが可能となるとともに、電源を投入後に、電源遮断前の状態に素早く戻ることで、高速に復帰することができる。
先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能である。その結果、小型の半導体装置を実現できる。また、高速な書き込み動作、読み出し動作が可能となる。その結果、素早く電源を遮断することができ、また、電源投入後に素早く復帰することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態または実施例と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、本発明の一態様の半導体装置について図面を用いて説明する。
チャネル形成領域であるC−axis aligned crystalline Indium−Gallium−Zinc Oxide(CAAC−IGZO)アイランドの上面だけでなく側面もゲート電極で取り囲んだ構造のトランジスタ、すなわちSurrounded channel (s−channel) CAAC−IGZOトランジスタを作製することにより、チャネル長を50nm程度まで微細化しても良好なサブスレッショルド特性を維持することができる。
図16(A)と図16(B)に、s−channel CAAC−IGZOトランジスタの模式図と平面図をそれぞれ示す。トランジスタは絶縁体BIと、絶縁体BI上のCAAC−IGZOを有する酸化物半導体OSと、酸化物半導体OSと電気的に接続する電極ME(ソース電極およびドレイン電極)と、酸化物半導体OS、電極ME上のゲート絶縁体GIと、酸化物半導体OS、電極MEの一部とゲート絶縁体GIを介して重なるゲート電極GEと、を有する。図16のトランジスタはトップゲート・トップコンタクト構造でゲート電極GEがソース電極およびドレイン電極を構成する電極MEと重なった構造をしている。図16(B)に示すように、チャネル長Lchは電極ME間の距離、チャネル幅Wislandは酸化物半導体OSの幅を表す。
図16(C)と図16(D)に、実際に作製したトランジスタの断面STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)像を示す。図に示す通り、トランジスタは絶縁体BIと、酸化物半導体OSと、電極ME(ソース電極およびドレイン電極)と、ゲート絶縁体GIと、ゲート電極GEと、を有し、所望のデバイス構造が出来ていることが確認できる。
酸化物半導体OSは、絶縁体BI上に、気体のArおよびO2を含む雰囲気のもとIn:Ga:Zn=1:1:1(原子数比)の組成を有する多結晶ターゲットを用い、DCスパッタリング法で、基板温度300℃として成膜した。図17(A)の酸化物半導体OSのOut−of−plane X線回折スペクトラムは、図17(B)のような単位セルを持つInGaZnO4結晶に起因する(009)回折ピークを示す。実際、図17(C)に示す酸化物半導体OSの断面における高分解能TEM像を見ると、基板垂直方向に層状に原子が配列した構造が観察される。また、図17(D)に示すように、酸化物半導体OSの表面における高分解能TEM像を見ると、三角形状および六角形状の原子配列が観察される。これらの特徴より、酸化物半導体OSがCAAC−IGZOであることがわかる。参考までに、図18にsingle crystalline Indium−Gallium−Zinc Oxide(単結晶IGZO)の高分解能TEM像を示す。なお、図18(A)は断面における高分解能TEM像であり、図18(B)は表面における高分解能TEM像である。単結晶IGZOとCAAC−IGZOとは構造が異なることがわかる。
酸化物半導体OSの膜厚は40nm、ゲート絶縁体GIの厚さは酸化膜換算膜厚で11nm、絶縁体BIの厚さは酸化膜換算膜厚で390nmとしたときのトランジスタの電気特性を調べた。図19(A)および(B)にWisland=47nm、Lch=56nmのトランジスタにおけるId−Vd特性とId−Vg特性をそれぞれ示す。なお、Idはトランジスタのドレイン電流、Vdはドレイン電圧、Vgはゲート電圧を、それぞれ示す。また、図19(A)および(B)には、9サンプル測定したうちの中央値を示している。アウトプット特性は良好であり、Vg=3V、Vd=1Vにおけるオン電流は58μA/μmである。また、トランジスタ特性はノーマリオフである。オフ電流は通常の半導体パラメータアナライザの測定下限(0.1pA未満)未満になる。turn−on電圧Vturn−on(Id=1pAにおけるVg)およびSSの9サンプルに対するVd依存性を図20に示す。図20によると、短チャネルにも関わらず優れたサブスレッショルド特性であることが分かる。すなわち、DIBL(Drain Induced Barrier Lowering)とSS(Subthreshold swing value)は中央値で67mV/V、92mV/dec(Vd=1V)であった。
これはチャネル幅が十分に狭いため、酸化物半導体OS側面からのゲート電界のチャネルへの影響が強くなるためである。実際、図21と図22に示すように、チャネル幅が大きくなるほどサブスレッショルド特性が悪化している。図21には、チャネル長Lchを56nmに固定してチャネル幅を変化させたVd=1VにおけるId−Vg特性を示す。図22にturn−on電圧とSSのチャネル幅依存性を示す。チャネル幅が大きくなると、SSが増大しturn−on電圧が負方向にシフトしている。逆にチャネル幅Wislandが100nm未満では特性値が飽和し始めている。
チャネル幅の縮小に伴いSSが改善した理由を、デバイス計算を用いて考察する。Synopsys社のSentaurusを用いて、3Dデバイス計算を行った。デバイス構造は、作製したs−channel CAAC−IGZOトランジスタを模した構造とした。図30(A)および(B)に、それぞれ、Wisland=50nmおよび90nm、Lch=56nmのトランジスタのチャネル幅方向の断面における活性層の電子電流密度分布を示す。活性層は酸化物半導体に相当する。Vgは−1V、Vdは1Vを設定した。図30(B)に示すように、Wislandが90nmのトランジスタは、ゲート電極から遠い、活性層のバックチャネル側の電子電流密度が大きくなっていることが分かる。一方、図30(A)に示すように、Wislandが50nmのトランジスタは、バックチャネル側の電子電流密度が大きく低減している。このように、Wislandを狭くすることで、バックチャネル側の電子電流密度の制御性が高くなっている。その結果、SSが改善したと言うことができる。
活性層の上端部に丸みを持たせた場合の3Dデバイス計算の結果を、図31(A)および図31(B)に示す。結果として、狭いチャネル幅をもつデバイス構造では、図23と図24で示されるように短チャネル効果に強くなる。図23にチャネル幅を47nmに固定して、チャネル長Lchを変化させたVd=1VにおけるId−Vg特性を示す。図24にturn−on電圧とSSのチャネル長Lch依存性を示す。チャネル幅を47nmに固定したとき、チャネル長Lch56nmまでの結果では短チャネル効果による特性劣化がほとんど見られない。
図32に、2種類のトランジスタ(図中、トランジスタAおよびトランジスタBと記載)のドレイン電流Idのチャネル長Lch依存性を示す。ドレイン電流Idは、Vd=1V、Vg=2.7Vにおける電流である。チャネル幅は約50nmである。トランジスタAは、図23に示すId−Vg特性を得たトランジスタである。トランジスタBは、トランジスタAと比較して、ソース電極およびドレイン電極の膜厚を厚くしたトランジスタである。トランジスタBのドレイン電流Idは、6サンプルの平均値を用いた。図32より、いずれのトランジスタにおいても、ドレイン電流Idはチャネル長Lchの縮小に伴い増加することが確認される。トランジスタBのドレイン電流Idは、トランジスタAのドレイン電流Idと比較して、高く、また、チャネル長Lchの縮小に伴う増加が大きい。これは、ソース電極およびドレイン電極の膜厚を厚くした結果、ソース電極およびドレイン電極の抵抗値が低減されたためである。
図33に、Vd=1V、Vg=2.7Vにおけるドレイン電流(図中、オン電流Ionと記載)と、Vd=1V、Vg=0Vにおけるドレイン電流(図中、オフ電流Ioffと記載)の関係を示す。データは、図23に示すId−Vg特性を得たトランジスタから取得した。図33より、Vd=1V、Vg=0Vにおけるドレイン電流は、Vd=1V、Vg=2.7Vにおけるドレイン電流に依らず、測定下限である10−13A以下であり、低い値であることが確認された。
s−channel CAAC−IGZOトランジスタを用いた一応用例として図25に示すメモリ回路が挙げられる。図25に示すメモリ回路は、Siトランジスタとs−channel CAAC−IGZOトランジスタ、および容量素子Csを有している。容量素子Csの容量値は14fFである。
図25において、Siトランジスタのソース電極はソース線SLと電気的に接続され、ドレイン電極はビット線RBLと電気的に接続される。また、s−channel CAAC−IGZOトランジスタのゲート電極はワード線WWLと電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極の一方はビット線WBLと電気的に接続される。そして、Siトランジスタのゲート電極および、s−channel CAAC−IGZOトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方は、容量素子Csの電極の一方と電気的に接続され、容量素子Csの電極の他方はワード線RWL電気的に接続されている。
Wisland=64nm、Lch=68nmのs−channel CAAC−IGZOトランジスタを用いたメモリセルを作製し、実測とSPICEで書き込み時間(Twrite)の比較を行った。ここで書き込み時間(Twrite)は図26に示すタイミングチャートより、ワード線WWLをローレベルの電位(L電位)からハイレベルの電位(H電位)に上げた後、フローティングノード(FN)の電位(VFN)がビット線WBLの電位の90%になるまでの時間とした。
図26は、メモリ回路への書き込みのタイミングチャートの一例を示している。ビット線WBLをH電位(ここでは1.1V)として、ワード線WWLをH電位(ここでは3V)とすると、s−channel CAAC−IGZOトランジスタがオンして、ビット線WBLと容量素子Csの電極の一方が導通し、容量素子の電極の一方の電位(FNの電位VFN)がビット線WBLの電位に近づいて、書き込まれる。ワード線WWLがL電位(ここでは0V)となると、s−channel CAAC−IGZOトランジスタがオフして書き込みが終了する。その後、ビット線WBLはL電位(ここでは0V)となる。書き込み動作においては、ワード線RWLはL電位(ここでは0V)、ソース線SLはL電位(ここでは0V)、ビット線RBLはH電位(ここでは1.1V)とする。
図27に、書き込み時間と容量素子の電極の一方の電位(FNの電位VFN)の関係を示す。図27に示すように実測では書き込み時間が60ns、SPICEでは50nsとなり、概ね一致することが確認できた。
また、図28において、s−channel CAAC−IGZOトランジスタとW=90nm、L=45nmのSiトランジスタで保持容量の値を条件振りした場合の書き込み時間の変動をSPICEにて確認を行った。s−channel CAAC−IGZOトランジスタとSiトランジスタとでは約30倍の書き込み時間Twriteの差が確認された。しかし、s−channel CAAC−IGZOトランジスタのオフ電流は、Vgが0Vのときに10−19A未満と見積もられ、保持容量を1fF、FNノードのリークによる電圧降下を0.1Vまで許容すると1,000sより長いリテンションとなる。また、この場合、書き込み時間は5ns未満となる。
また、図29(A)に、室温における時間と容量素子の電極の一方の電位(FNの電位VFN)の関係を示す。電位VFNが10%低下するまでの期間をデータの保持期間とすると、図29(A)に示すように実測では、およそ3×105s(3.5日)までデータを保持できることがわかった。
また、図29(B)には、室温における電位VFNと、ビット線RBLとソース線SLとの間を流れる電流と、の関係を示す。なお、FNの電位VFNは、s−channel CAAC−IGZO トランジスタを導通状態とし、ビット線WBLに印加する電位を変化させることによって変化させた。電位VFNの変化と前述の電流との間には、電位VFNが0V(厳密には0.02V程度)から1.1Vまでの範囲において、正の相関が見られることがわかった。したがって、前述の電流をモニターすることにより、メモリ回路に保持されたデータ(電位VFN)を読み出しすることが可能であることがわかる。
このような特性は、高速低消費電力LSIへ応用可能である。特に、メモリなどへの応用が可能である。
本実施例では、本発明の一態様の半導体装置について図面を用いて説明する。
微細化したs−channel CAAC−IGZOトランジスタの特徴を詳しく調べることは、LSI等への応用において非常に重要である。そこで、様々なチャネル幅をもつチャネル長50nmレベルのs−channel CAAC−IGZOトランジスタを作製し、それらの電流特性を比較することで、s−channel構造の効果を調べた。
作製したs−channel CAAC−IGZOトランジスタの構造は、図16(A)と図16(B)に示したトランジスタの模式図と平面図と同様であり、図16(A)と図16(B)の説明を適宜参照することができる。s−channel CAAC−IGZOトランジスタはトップゲート、トップコンタクト構造で、ゲート電極GEは、ソース電極およびドレイン電極を構成する電極MEにオーバーラップしている。また、チャネル側面に設けられたゲート電極GEは、酸化物半導体OS下の絶縁体BIの側壁の一部を覆う構造になっている。図16(B)に示すように、チャネル長Lchは電極ME間の距離、チャネル幅Wislandは酸化物半導体OSの幅を表す。
作製プロセスを以下に示す。Si基板上に形成した絶縁体BI上に、酸化物半導体OSを、DCスパッタ装置を用いて15nm成膜した。ターゲットは、In:Ga:Zn=1:1:1(原子数比)の組成を有する多結晶ターゲットを用いた。また、成膜条件は、ArおよびO2を含む雰囲気とし、成膜時の基板温度は300℃とした。ここで、このような条件で成膜された酸化物半導体は、XRD装置を用いた構造解析や高分解能TEMによる観察から、CAAC−IGZOであることが確認された。CAAC−IGZO成膜後にCAAC−IGZOのアイランドを形成し、その次にソース電極およびドレイン電極をCAAC−IGZOアイランドの上部に形成した。その後、酸化膜換算膜厚で11nmのゲート絶縁体と、メタルのゲート電極を形成した。
図34(A)と(B)に、s−channel CAAC−IGZOトランジスタのチャネル長方向とチャネル幅方向の断面STEM像を、それぞれ示す。図34(A)と(B)より、所望の構造が得られていることが分かる。
図35(A)に、Wisland=110nm、Lch=51nmのs−channel CAAC−IGZOトランジスタの、Vd=0.1Vおよび1VにおけるId−Vg特性を示す。図35(B)に、Wisland=50nmで、Lch=51nmのs−channel CAAC−IGZOトランジスタの、Vd=0.1Vおよび1VにおけるId−Vg特性を示す。図35(A)より、Wislandが110nmと広いときは、Vdが大きくなるとId−Vg特性がゲート電圧のマイナス方向にシフトし、DIBL効果が確認できる。このときのDIBLは0.59V/Vである。一方、図35(B)のようにWislandが50nmと狭いときは、Vdが大きくなってもId−Vg特性のゲート電圧のマイナス方向へのシフトは小さく、DIBL効果が抑えられていることが分かる。このときのDIBLは0.14V/Vと小さくなっている。
この理由を説明する。ドレイン電界により、チャネル中のポテンシャルが影響を受ける距離を自然長といい、式(1)で表される。
ここで、λnは自然長、εactは活性層の比誘電率、εoxはゲート絶縁体の比誘電率、tactは活性層の膜厚、toxはゲート絶縁体の膜厚を示す。nはチャネルに対する実効的なゲートの数(effective number of gate)を表す。活性層は、s−channel CAAC−IGZOトランジスタにおいて、酸化物半導体に相当する。例えば、単一のゲートが設けられているトランジスタ(シングルゲート構造とも呼ぶ)では、nは1である。半導体を挟むように2つのゲートが設けられているトランジスタ(デュアルゲート構造とも呼ぶ)では、nは2である。半導体の上面と側面の3方向を覆うようにゲートが設けられているトランジスタ(トライゲート構造とも呼ぶ)では、nは3である。半導体を一周して覆うようにゲートが設けられているトランジスタ(クアドラプルゲート構造とも呼ぶ)では、nは4である。λnが短いほど、ドレイン電界によるチャネル中のポテンシャルへの影響が小さいことを意味する。s−channel CAAC−IGZO トランジスタでは、Wislandが広い場合、チャネル上面のゲート電極の寄与が支配的で、式(1)のnは1に近い。一方、Wislandが狭くなると、チャネル側面のゲート電極の寄与も大きくなるので、式(1)のnが3に近づき、λnが短くなる。そのため、Wislandが狭くなることでDIBLが改善したと言うことができる。
図36に、Lchが51nmで、Wislandが様々な値を有する複数のs−channel CAAC−IGZOトランジスタのId−Vg特性を示す。Vdは1Vである。また、式(2)より求められる線形領域の電界効果移動度μFE_linも示す。
ここで、gmはId−Vg特性より求めたトランスコンダクタンス、Coxはゲート絶縁体容量である。比較したWislandは、50nm、90nm、210nm、510nmである。
まず、オフ状態となる領域に着目する。図36より、Wislandが狭くなっていくとSSが改善し、Wisland=50nmではSS=103mV/decとなっていることが分かる。一方、Wislandを広くするとSSは悪化するものの、ゲート電圧を負に大きくすれば、測定下限である10−13A以下のオフ電流が得られている。特に、Wislandが50nmと90nmの場合は、ノーマリオフ特性も同時に満たしている。
例えば、Wisland=510nmの場合は、Vgが−1.5V以下であれば、10−13A以下のオフ電流が得られている。例えば、Wislandが50nmと90nmの場合は、Vgが0V以下であれば、10−13A以下のオフ電流が得られている。
チャネル幅の縮小に伴いSSが改善した理由を、デバイス計算を用いて考察する。Synopsys社のSentaurusを用いて、3Dデバイス計算を行った。デバイス構造は、作製したs−channel CAAC−IGZOトランジスタを模した構造とした。図37(A)および(B)に、それぞれ、Wisland=50nmおよび90nm、Lch=51nmのトランジスタのチャネル幅方向の断面における活性層の電子電流密度分布を示す。活性層は酸化物半導体に相当する。Vgは−1V、Vdは1Vとした。図37(B)に示すように、Wislandが90nmのトランジスタは、ゲート電極から遠い、活性層のバックチャネル側の電子電流密度が大きくなっていることが分かる。一方、図37(A)に示すように、Wislandが50nmのトランジスタは、バックチャネル側の電子電流密度が大きく低減している。このように、Wislandを狭くすることで、バックチャネル側の電子電流密度の制御性が高くなっている。その結果、SSが改善したと言うことができる。
次に、オン状態となる領域に着目する。μFE_linは本来チャネル幅に依存しないはずであるが、Wislandの縮小に伴い上昇していることが分かる。この理由は、Wislandの縮小に伴い、チャネル側面を流れる電流の寄与がチャネル上面を流れる電流に対して大きくなったためである。つまり、Wislandの縮小により、トランジスタ一つ当たりに流せる電流を高めることができる。すなわち、s−channel構造のWislandを狭くすることでオン電流特性の向上が可能である。
以上のように、チャネル幅を狭くすることでDIBL、SS、オン電流特性が改善することがわかった。この理由としては、Wislandの縮小に伴い、チャネル上面に対してチャネル側面のゲート電極の寄与が大きくなるためである。また、s−channel CAAC−IGZOトランジスタでは、Wislandを狭くすることで、チャネル長50nmレベルの微細領域でも、ノーマリオフであり、オフ状態となる領域では、小さいSSと小さいオフ電流が得られ、オン状態となる領域では、優れたオン電流特性が得られることが分かった。このような特徴を利用することで、Si−LSIでは実現できないような低消費電力向けのLSI等を実現できる可能性がある。
本実施例では、本発明の一態様の半導体装置について図面を用いて説明する。
微細化したs−channel CAAC−IGZOトランジスタの特徴を詳しく調べることは、LSI等への応用において非常に重要である。そこで、様々なチャネル幅、チャネル長を有するs−channel CAAC−IGZOトランジスタを作製し、s−channel構造の特性安定性を調べた。なお、作製プロセスは実施例2と同様であり、酸化物半導体OSを15nm成膜し、ゲート絶縁体GIを酸化膜換算膜厚で9.5nm成膜したものを用いた。
図41、図42、図43に1枚の基板内に作製された234個のs−channel CAAC−IGZOトランジスタの、Id−Vg特性で得られたしきい値Vthの累積度数分布を示す。図41のトランジスタのサイズは、Wisland=54nm、Lch=118nmであり、測定時の条件は、Vd=1Vとした。図42のトランジスタのサイズは、Wisland=54nm、Lch=518nmであり、測定時の条件は、Vd=1Vとした。図43のトランジスタのサイズは、Wisland=94nm、Lch=118nmであり、測定時の条件は、Vd=1Vとした。図41乃至43より、種々のサイズおけるCAAC−IGZOトランジスタのVth特性バラツキ(σVth)は43乃至70mVであった。CAAC−IGZOをトランジスタに用いることで、高いオン電流、低いSS、さらに極めて低いオフ電流などの、優れたトランジスタ特性向上を有するだけでなく、トランジスタ特性のばらつきが少なく、安定していることが確認された。したがって、このような特徴、および他の実施例において得られた特徴を組み合わせることにより、Si−LSIでは実現できないような低消費電力向けのLSI等を安定して作製できる可能性がある。