JP6565655B2 - ガラスリボンの製造方法 - Google Patents
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Description
このように、特許文献1においては、ロール状に巻き取った母材ガラスを搬送ロールにより把持して加熱工程へ搬送することで、母材ガラスを加熱工程へ連続的に供給するように構成されている。
しかし、前述のように母材ガラスを搬送ロールにより把持して加熱工程へ搬送する構成とした場合、母材ガラスを一定速度で搬送するためには、母材ガラスを搬送ロールにより所定値以上の大きな押圧力で把持する必要があるため、肉薄に成形された母材ガラスが破損するおそれがある。
即ち、請求項1記載の如く、搬送されるシート状の母材ガラスを、加熱しながら下方へ延伸することによりガラスリボンを成形する、リドロー法を用いたガラスリボンの製造方法であって、回転駆動される搬送ロールの外周面に前記母材ガラスの一面を接触させて、前記搬送ロールの外周面と、当該外周面に接触している母材ガラスとの間の摩擦力により、前記母材ガラスを前記加熱炉へ向けて搬送する搬送工程を備え、前記搬送工程において、前記母材ガラスを、前記搬送ロールの外周面の周方向における90°を超える範囲に接触させる。
ガラスリボンの製造装置1は、母材ガラスロール2と、搬送ロール3と、電気炉4と、延伸ロール6と、巻取ロール7とを備えている。
母材ガラスGbは長尺のシート状に形成されており、例えば、その厚み寸法は260μm以下に形成され、その幅寸法は10mm以上かつ500mm以下に形成され、その長さ寸法は1m以上かつ5000m以下に形成される。
また、母材ガラスGbとしては、延伸成形が可能であって、延伸成形を行う際の加熱により失透が生じないガラスであれば用いることができ、無アルカリガラス、ケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、及び結晶化ガラス等を用いることができる。
巻芯ロール21の軸心方向の長さ寸法は、母材ガラスGbの幅寸法以上の寸法に形成されており、巻芯ロール21は塩化ビニル製のロール部材にて構成されている。
尚、巻芯ロール21のロール径は、制限されるものではないが、ガラスリボンの製造工程の始動時における搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbに過大な張力がかかることを抑えて、母材ガラスGbにひびや割れが生じることを防止するために、巻芯ロール21のロール径は100mm未満とすることが好ましい。本実施形態では、巻芯ロール21のロール径は70mmに設定されている。
これにより、捲回され積層状態となった母材ガラスGbと母材ガラスGbとの間に保護シートが介在することとなり、隣接する母材ガラスGb・Gb同士が擦れて母材ガラスGbの表面に傷が発生することを防止することができる。前記保護シートとしては、例えばPET等の樹脂シートや紙等を用いることができる。
本実施形態の場合、搬送ロール3のロール径は、200mmに設定されている。
つまり、母材ガラスGbは、回転駆動される搬送ロール3の外周面と、当該外周面に接触している母材ガラスGbとの間の摩擦力により電気炉4側へ搬送される。
搬送ロール3に捲回された母材ガラスGbは下方の電気炉4側へ向かって送り出されている。
なお、本実施形態においては、母材ガラスロール2から左斜め上方へ引き出される母材ガラスGbの引き出し方向は、水平方向に対して45°傾斜する方向に設定されている。
電気炉4は、上下方向に貫通する炉心管41と、炉心管41の外周部に配置される複数のヒータ42・42・・・を備えており、設置台5の上に設置されている。
ヒータ42・42・・・は、炉心管41の外部において上下方向に並設されており、炉心管41内を通過する母材ガラスGbを軟化点付近の温度にまで加熱する。
また、ヒータ42・42・・・は、炉心管41における母材ガラスGbのガラス面と平行な一対の面の外側にそれぞれ配置されている。
つまり、ガラスリボンGrは、回転駆動される延伸ロール6の外周面と、当該外周面に接触しているガラスリボンGrとの間の摩擦力により下流側へ搬送される。
本実施形態では、延伸ロール6は、上方から搬送されてきたガラスリボンGrを水平方向へ搬送するように構成されており、ガラスリボンGrは、延伸ロール6の外周面の1/4周の範囲にて、延伸ロール6の外周面と接触している。
このように、延伸ロール6が回転駆動され、母材ガラスGb及びガラスリボンGrに引張り方向の張力が付与されることにより、電気炉4にて加熱された母材ガラスGbが延伸されてガラスリボンGrが生成する。
この場合、母材ガラスGbの延伸度合は前記搬送速度の差の大きさにより変化し、例えば前記搬送速度の差が大きくなると母材ガラスGbの延伸度合が高くなって、幅寸法及び厚さ寸法が小さなガラスリボンGrが製造されることとなる。
なお、巻取ロール7にガラスリボンGrを巻き取る際には、ガラスリボンGrの片面又は両面に保護シートを重ねた状態で、ガラスリボンGrを巻き取るように構成することが可能である。
これにより、搬送ロール3の外周面と、当該外周面に接触している母材ガラスGbの一面との間に生じる摩擦力を大きくすることができ、外周面に母材ガラスGbの一面が接触した状態の搬送ロール3を回転駆動することで、母材ガラスGbを搬送方向下流側の電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となっている。
従って、母材ガラスGbを一対のロールにより局所的な大きな力で把持する必要がなく、母材ガラスGbが破損することもない。
つまり、図3(a)に示すように、母材ガラスGbを90°を超える広い範囲で搬送ロール3の外周面に接触させた場合、母材ガラスGbにおける搬送ロール3の外周面に接触している部分の周方向の中点(母材ガラスロール2側の接触開始点Dと、電気炉4側の接触終了点Cとの間の中点)Mにおいては、母材ガラスGbの搬送ロール3よりも母材ガラスロール2側にかかっている引っ張り方向の張力Fb、及び母材ガラスGbの搬送ロール3よりも電気炉4側にかかっている引っ張り方向の張力Ffによって、搬送ロール3の中心Oに向って、搬送ロール3に対する押圧力Fが生じている。
また、前記ゴムは、母材ガラスGbからの押圧力により変形しない程度の硬度を備えていれば、できるだけ弾性率の低いものを用いることが好ましい。このように弾性率の低いゴムを用いることで、搬送ロール3の外周面と母材ガラスGbとの密着性を高めて、搬送ロール3の外周面と母材ガラスGbとの間の摩擦力を向上させることが可能となる。
また、前記ゴムは、ガラスリボンGrからの押圧力により変形しない程度の硬度を備えていれば、できるだけ弾性率の低いものを用いることが好ましい。このように弾性率の低いゴムを用いることで、延伸ロール6の外周面とガラスリボンGrとの密着性を高めて、延伸ロール6の外周面とガラスリボンGrとの間の摩擦力を向上させることが可能となる。
このように、搬送ロール3のロール径を100mm以上に設定することで、搬送ロール3の外周面と母材ガラスGbとの接触面積を確保して、両者間に十分な大きさの摩擦力を生じさせることができ、母材ガラスGbを電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となる。
しかし、本実施形態における母材ガラスロール2の巻芯ロール21は100mm未満の小さなロール径に形成されているため、巻芯ロール21に母材ガラスGbを巻き取って構成される母材ガラスロール2の重量は小さく抑えられており、ガラスリボンの製造工程の始動時においても、搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbに過大な張力がかかることがなく、母材ガラスGbにひびや割れが生じることを防止できる。
これにより、母材ガラスGbを電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となっている。
従って、巻芯ロール21のロール径が小さくなると、巻き取られて屈曲する母材ガラスGbの曲率半径は小さくなり、母材ガラスGbに生じる応力も増大する。
このように、母材ガラスGbの厚み寸法を260μm以下の小さな寸法に設定することにより、母材ガラスGbを巻芯ロール21に巻き取った場合でも、母材ガラスGbに生じる応力が過大になることはなく、母材ガラスGbにひびや割れ等の破損が生じることを防止することが可能となる。これにより、母材ガラスGbを電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となる。
このように、巻芯ロール21に巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力の大きさが100MPa以下となるように構成することで、母材ガラスGbに破損が生じることを確実に防止することが可能となる。これにより、母材ガラスGbを電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となる。
なお、巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力は、σ=E×(t/2)/Rにより求めることができる。σ(MPa)は巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力、t(mm)は母材ガラスGbの厚み、R(mm)は巻芯ロール21の半径である。
さらに、本実施形態においては、母材ガラスGbを、長さ寸法が5000m以下となるように形成しているため、母材ガラスGbを巻き取って構成した母材ガラスロール2の重量を小さく抑えることができ、ガラスリボンの製造工程の始動時において、搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbに過大な張力がかかって母材ガラスGbにひびや割れが生じることを防止できる。これにより、母材ガラスGbを電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となる。
2 母材ガラスロール
3 搬送ロール
4 電気炉
5 設置台
6 延伸ロール
7 巻取ロール
21 巻芯ロール
Gb 母材ガラス
Gr ガラスリボン
Claims (4)
- 搬送されるシート状の母材ガラスを、加熱しながら下方へ延伸することによりガラスリボンを成形する、リドロー法を用いたガラスリボンの製造方法であって、
回転駆動される搬送ロールの外周面に前記母材ガラスの一面を接触させて、
前記搬送ロールの外周面と、当該外周面に接触している母材ガラスとの間の摩擦力により、前記母材ガラスを前記加熱炉へ向けて搬送する搬送工程を備え、
前記搬送工程において、前記母材ガラスを、前記搬送ロールの外周面の周方向における90°を超える範囲に接触させる、
ことを特徴とするガラスリボンの製造方法。 - 前記搬送ロールは、そのロール径が100mm以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載のガラスリボンの製造方法。 - 前記母材ガラスは、厚み寸法が260μm以下である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラスリボンの製造方法。 - 前記母材ガラスは、幅寸法が10mm以上かつ500mm以下であり、長さ寸法が1m以上かつ5000m以下である、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のガラスリボンの製造方法。
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