JP6571122B2 - 陰イオン吸着剤組成物、繊維状陰イオン吸着剤、及び繊維状陰イオン吸着剤の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、吸着性能が高い繊維状陰イオン吸着剤の製造に好適に用いることができる陰イオン吸着剤組成物、繊維状陰イオン吸着剤、及び繊維状陰イオン吸着剤の製造方法を提供することを目的とする。
[1]活性アルミナと、ポリマー成分とを含む陰イオン吸着剤組成物。
[2]前記ポリマー成分が、ポリエーテルスルホンである[1]に記載の陰イオン吸着剤組成物。
[3]ゼオライトを含む[1]又は[2]に記載の陰イオン吸着剤組成物。
[4]活性アルミナの含有量が、前記ポリマー成分100質量部に対して50質量部以上1000質量部以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の陰イオン吸着剤組成物。
[5]鉄粉を含む[1]〜[4]のいずれか1つに記載の陰イオン吸着剤組成物。
[6]セリウムを含む[1]〜[5]のいずれか1つに記載の陰イオン吸着剤組成物。
[7]前記陰イオンがリン酸である[1]〜[6]のいずれか1つに記載の陰イオン吸着剤組成物。
[8]吸着繊維製造用である[1]〜[7]のいずれか1つに記載の陰イオン吸着剤組成物。
[9]活性アルミナと、ポリマー成分とを含む繊維状陰イオン吸着剤。
[10]活性アルミナの含有量が、前記ポリマー成分100質量部に対して50質量部以上1000質量部以下である、[9]に記載の繊維状陰イオン吸着剤。
[11][9]又は[10]に記載の繊維状陰イオン吸着剤の製造方法であって、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の陰イオン吸着剤組成物を調製する工程と、前記工程で得られた陰イオン吸着剤組成物を水中に押し出して繊維状に成形する工程と、を有する繊維状陰イオン吸着剤の製造方法。
本発明は、活性アルミナと、ポリマー成分とを含む陰イオン吸着剤組成物である。本発明の陰イオン吸着剤組成物は、繊維状、ビーズ状、シート状等所望の形状に成形することができ、中でも繊維状の吸着剤の製造に好適に用いることができる。また、フィルター基材に塗布することもできる。本発明によれば、セレン酸、ホウ酸、リン酸、亜ヒ酸等の陰イオンを吸着できる吸着剤を提供できる。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、活性アルミナと、ポリマー成分とを含む。本実施形態の陰イオン吸着剤組成物は、ポリマー成分中に活性アルミナが分散していることが好ましい。
活性アルミナ(以下、「(A)成分」と記載することがある)は、水酸化アルミニウムを含む活性アルミナ粒子である。活性アルミナ粒子は多孔構造をしている。このため本発明の陰イオン吸着剤組成物は、(A)成分を含むことにより陰イオンを吸着することができる。
活性アルミナは、示性式がAl2O3・xH2O(xは0以上3以下の値を取り得る)で表される多孔質フィラーである。活性アルミナの表面の構造は、アモルファス状のAl2O3、γ―Al2O3、ρ−Al2O3、χ−Al2O3、ギブサイトあるいはバイヤライト状のAl(OH)3、ベーマイト状のAl2O3・H2Oなどの構造となっていることが好ましい。
ポリマー成分(以下、「(B)成分」と記載することがある)は、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリスチレンスルホン酸、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。なかでも、繊維状に成形した場合に成形性が良好であり、さらに繊維の強度を向上させることができることからポリエーテルスルホンが好ましい。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、上記(A)成分、(B)成分に加え、ゼオライト(以下、「(C)成分」と記載することがある)を含むことが好ましい。(C)成分を含むことにより、吸着剤を製造した場合に吸着剤の親水性が向上し、水中の吸着対象物質に対する吸着性能が向上する。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、上記(A)成分、(B)成分に加え、鉄粉(以下、「(D)成分」と記載することがある)を含むことが好ましい。陰イオン吸着剤組成物が鉄粉を含むことにより、磁力により容易に吸着剤を回収できるため好ましい。また、磁力により吸着剤を対流させることもできる。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、上記(A)成分、(B)成分に加え、セリウム(以下、「(E)成分」と記載することがある)を含むことが好ましい。(E)成分を含むことにより、被処理水中に存在する低濃度の亜ヒ酸を吸着することができる。また、亜ヒ酸と吸着挙動が類似するセレン酸を好適に吸着することができる。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、陰イオンとしてセレン酸、ホウ酸、リン酸、亜ヒ酸を好適に吸着することができるが、中でもリン酸吸着用、亜ヒ酸吸着用、セレン酸吸着用であることが好ましく、リン酸吸着用又は亜ヒ酸吸着用であることがより好ましく、リン酸吸着用であることが特に好ましい。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、吸着繊維製造用であることが好ましい。本発明の陰イオン吸着剤組成物は、吸着成分が有機溶媒に溶解しており、シリンジ等を用いて水中に押し出し、相転換させることにより、多孔構造の繊維状吸着剤を容易に成形できる。
本発明の陰イオン吸着剤組成物は、各成分を有機溶媒に溶解させた組成物であることが好ましい。有機溶媒(以下、「(F)成分」と記載することがある)としては、N−メチルピロリドン、蟻酸、n−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等が好ましい。
本発明の陰イオン吸着剤組成物が前記(A)成分と(B)成分とを含む場合、(A)成分の含有量は、(B)成分100質量部に対して、50質量部以上が好ましく、150質量部以上がより好ましく、200質量部以上が特に好ましい。また、1000質量部以下が好ましく、600質量部以下がより好ましく、550質量部以下が特に好ましい。
上記上限値と下限値は任意に組み合わせることができる。本実施形態においては、(A)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、十分な吸着性能を付与できる。また、(A)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、例えば繊維状に成形する場合の成形性を良好なものとすることができると推察される。
(C)成分の配合量が上記の範囲であると、陰イオン吸着剤を成形した場合に、陰イオン吸着剤の親水性が向上し、通水性に優れた吸着剤を提供できると推察される。
(D)成分の配合量が上記の範囲であると、陰イオン吸着剤を成形した場合に、磁力による回収が容易な吸着剤を提供できると推察される。
(E)成分の配合量が上記の範囲であると、亜ヒ酸やセレン酸に対する吸着性能が高い吸着剤を提供できると推察される。
本発明の繊維状陰イオン吸着剤は、活性アルミナと、ポリマー成分とを含む。
本発明の繊維状陰イオン吸着剤は、前記本発明の陰イオン吸着剤組成物を用いて製造される。本発明の繊維状陰イオン吸着剤が含有する各成分、即ち、前記(A)成分、(B)成分、任意の(C)成分〜(F)成分に関する説明及びこれらの配合比に関しては、前記同様である。
本発明の繊維状陰イオン吸着剤の繊維径は、吸着対象や吸着剤の設置場所等によって適宜調整すればよいが、例えば下限値は0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上が好ましく、0.25mm以上が特に好ましい。上限値は、1.0mm以下が好ましく、0.9mm以下がより好ましく、0.8mm以下が特に好ましい。
繊維径が上記下限値以上であると、繊維の表面積が大きくなり、吸着サイトが増加するため吸着性能が向上するため好ましい。また繊維径が上記上限値以下であると、繊維状吸着剤の強度が向上し、例えば流速の早い水路等に設置した場合にも繊維状陰イオン吸着剤が水圧に負けて流出することを防止できる。
セリウムコーティングを施す繊維状陰イオン吸着剤は、前記(A)成分、(B)成分、(E)成分、(F)成分と、任意の(C)成分、(D)成分を含む陰イオン吸着剤組成物を調製して、これを水中に押し出すことにより成形することにより製造できる。
また、前記(A)成分、(B)成分、(F)成分と、任意の(C)成分、(D)成分を含む陰イオン吸着剤組成物を調製して繊維状に成形し、該繊維を常法によりセリウムでコーティングしてもよい。
本発明の繊維状陰イオン吸着剤の製造方法は、前記本発明の陰イオン吸着剤組成物を調製する工程(以下、「工程1」と記載する)と、前記工程で得られた陰イオン吸着剤組成物を水中に押し出して繊維状に成形する工程(以下、「工程1」と記載する)と、を有する。
本工程は、上記(A)成分及び(B)成分、さらに任意の(C)成分〜(E)成分を、溶媒に溶解し、陰イオン吸着剤組成物を調製する工程である。本工程においては、ポリマー成分の溶解性が向上する観点から、30℃〜100℃に溶媒を加熱することが好ましい。
本工程は、前記工程で得られた陰イオン吸着剤組成物を水中に押し出して繊維状に成形する工程である。射出に用いられる水の温度を50℃前後とすることにより、溶媒成分が溶出し、多孔構造の繊維を形成することができる。
本発明の陰イオン吸着剤を用いた水処理装置の一例について、図1を用いて説明する。図1に示す水処理装置1は、貯水槽10とノッチタンク20とからなる。被処理水は流入水W0として貯水槽10に流入し、ポンプ11によってノッチタンク20に送水(図1中のW1)される。ノッチタンク20は流入側仕切り材21と流出側仕切り材22とを備えている。繊維状に成形した本発明の陰イオン吸着剤23は、流入側仕切り材21と流出側仕切り材22との間に配置し、図1中の破線で示す経路で通水する間に陰イオン吸着剤23に接触することにより、陰イオン成分が吸着・除去される。その後、排水W2として排出される。
陰イオン吸着剤23は、繊維状に成形した陰イオン吸着剤を例えばネットに入れた状態で設置することが好ましい。図1中は、ネットに入れた陰イオン吸着剤を4つ設置する例を記載しているが、本実施形態はこれに限定されず、陰イオン吸着剤を設置する水処理設備やタンクの形状によって適宜設計変更が可能である。
ポリマー成分、活性アルミナ、その他表1に示す各成分を、表1に示す配合比で混合し、実施例1〜11の吸着剤組成物を調製した。
実施例1〜5、10、11の吸着剤組成物を用いて、繊維状の吸着剤を製造した。実施例1〜5、10、11の各吸着剤組成物をシリンジに入れ、室温で、シリンジの先を水中に入れた状態でシリンジの先から吸着剤組成物を水中に押し出し、水中に繊維を形成した。製造した繊維の繊維径は、0.6mmであった。
実施例6〜9の吸着剤組成物は、溶媒成分を除去した粉末状の吸着剤とした。
実施例1〜11、比較例1の吸着剤について、リン酸(PO4 3−)に対する吸着性能を評価した。
リン酸の吸着性能(mg/g)とは、リン酸を含む水溶液に、吸着剤を24時間浸漬させた際に、吸着剤が1g当たり吸着するリン酸の量をいう。
具体的には、pH6.5に調整したNaH2PO4溶液(リン酸換算で50ppm)100mLに、実施例1〜11の各繊維状吸着剤0.2gを添加し、振とうさせた後、24時間後にフィルターで濾過し、濾液水中の残留リン酸濃度を測定することによってリン酸吸着量を求めた。
(A)−1;活性アルミナ(ナカライテスク社製、活性アルミナ200)。
(B)−1;ポリエーテルスルホン(BASF社製、ウルトラソーンS)。
(C)−1;ゼオライト(日東粉化商事、ゼオライト)。
(D)−1;鉄粉(三井金属工業社製、フェライト)。
(E)−1;セリウム(ナカライテスク社製、セリウム)。
(F)−1;N−メチルピロリドン(ナカライテスク社製)。
市販の吸着剤 ;市販のカルシウム含有リン吸着剤。
表1に示す結果の通り、活性アルミナ成分の配合量を多くすると吸着性能は向上した。また、実施例4と実施例10とを比較すると、活性アルミナの量が同じであるが、鉄粉を配合した実施例10はリン酸に対する吸着性能が向上していた。鉄粉を配合すると、リン酸に対する吸着性能が向上することが分かった。
さらに、実施例4と実施例11とを比較すると、活性アルミナの量は同じであるが、セリウムを配合した実施例11はリン酸に対する吸着性能が向上していた。セリウムを配合すると、リン酸に対する吸着性能は低下することなく向上した。このことから、セリウムを添加した場合には亜ヒ酸やセレン酸に対する吸着性能をも発揮できると推察される。
繊維状の吸着剤を製造する際の成形性について、下記の評価基準に従って評価した。その結果を表2に記載する。
・評価基準
◎;容易に押し出せる。
○;押し出せる。
△;押し出しにくい。
×;押し出せない(繊維状を呈していない)。
実施例4の繊維状吸着剤の繊維径(0.6mm)を、0.3mmと、1.0mmに変更した繊維状吸着剤を製造し、長期間のリン酸吸着試験を行った。
実施例4(繊維径;0.3mm、0.6mm、1.0mm)の各繊維径の吸着剤それぞれについて、リン酸(PO4 3−)に対する長期間の吸着性能を評価した。
リン酸の長期間の吸着性能(mg/g)とは、リン酸を含む水溶液に、吸着剤を400時間以上浸漬させた際に、吸着剤が1g当たり吸着するリン酸の量をいう。
具体的には、pH6.5に調整したNaH2PO4溶液(リン酸換算で50ppm)100mLに、実施例4(繊維径;0.3mm、0.6mm、1.0mm)の各繊維径の吸着剤それぞれ0.2gを添加し、振とうさせ、フィルターで濾過し、濾液水中の残留リン酸濃度を経時的に測定し、リン酸吸着量を求めた。
その結果を図2に記載する。
ここで、「市販品2」とは「粒状吸着材」であり、「市販品3」は「粒状吸着材」である。
Claims (11)
- 活性アルミナと、ポリマー成分と、有機溶媒とを含み、
前記有機溶媒の含有量は、前記ポリマー成分100質量部に対して233.3質量部以上650質量部以下である、陰イオン吸着剤組成物。 - 前記ポリマー成分が、ポリエーテルスルホンである請求項1に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- ゼオライトを含む請求項1又は2に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- 活性アルミナの含有量が、前記ポリマー成分100質量部に対して50質量部以上333.3質量部以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- 鉄粉を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- セリウムを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- 前記陰イオンがリン酸である請求項1〜6のいずれか1項に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- 吸着繊維製造用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の陰イオン吸着剤組成物。
- 活性アルミナと、ポリマー成分とを含み、繊維径が0.55mm以上1.5mm以下である繊維状陰イオン吸着剤。
- 活性アルミナの含有量が、前記ポリマー成分100質量部に対して50質量部以上333.3質量部以下である、請求項9に記載の繊維状陰イオン吸着剤。
- 請求項9又は10に記載の繊維状陰イオン吸着剤の製造方法であって、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の陰イオン吸着剤組成物を調製する工程と、
前記工程で得られた陰イオン吸着剤組成物を水中に押し出して繊維状に成形する工程と、を有する繊維状陰イオン吸着剤の製造方法。
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