発明の詳細な説明
本発明は、本明細書中において、以下に、および本出願全体にわたり記載されるように、いくつかの定義を使用して、記述される。
本明細書中において使用される際、「約」は、当業者には理解されており、そして、それが使用される文脈に従って、ある程度変動する。その用語が使用される文脈を考慮しても、当業者に明確でない、該用語の使用が存在する場合、「約」は、特定の項目のプラスまたはマイナス10%までを意味している。
「長期作用注射剤」または「デポ」注射剤は、対象の体内(通常は皮下または筋肉内)に注射した際、そこから薬物が徐々に体循環内に分配される、原薬の貯蔵部を形成する、注射組成物である。この方法においては、薬物を、長期間にわたり制御された様式で送達することができる。本明細書中において定義される通り、デポ注射剤は、長い期間、少なくとも約24時間、好ましくは、約1週間またはそれ以上にわたり、アリピプラゾールプロドラッグを放出する。
本明細書中において使用される際、「注射部位での反応」という用語は、注射後の針進入部位周囲における、任意の有害な生理学的反応を意味している。
本明細書中において使用される際、「導入組成物」という用語は、以下で説明する、「導入」期間を、短縮または排除する、活性薬剤の製剤を意味している。換言すれば、導入組成物は、導入組成物の非存在下で観察される、活性薬剤のレベルより上まで、導入期間の中、活性薬剤レベルを増加させるように作用する。これは、初回負荷量と呼ぶこともできる。
本明細書中において使用される際、「導入」または「導入期間」という用語は、活性薬剤が対象に投与された後の、体循環中の活性薬剤のレベルが投薬される哺乳動物対象における、治療有効量に達するまでの期間を指す。
本明細書中において使用される際、「粒子径」または「体積基準粒子サイズ」または「体積基準粒子サイズ分布」という用語は、Dv50またはD50と等価であり、また、そのようにも呼ばれ、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の少なくとも約50%が、指定されたサイズより小さな直径を有していることを意味する。本明細書中において、上述の用語は、互換的に使用される。例えば、1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)は、当業者に知られている静的または動的光散乱法により測定した際、粒子集団の50%が1000nmより小さな直径を有していることを意味する。本発明の粒子は、形状は、不規則である傾向を有するため、粒子径の近似は、所与の粒子と同じ体積を有する球の直径を特定する、体積基準粒子サイズに基づいて行わる。別段の特定がなされていない限り、全ての粒子径は、体積に基づく測定に基づき特定され、また、レーザ光散乱/回折により測定される。したがって、該粒子径は、ミー散乱理論に基づいて決定される。より具体的には、別段の特定がなされていない限り、体積基準粒子サイズ(Dv50)は、Horiba LA−950標準モデルレーザ粒子サイズ分析器を使用して決定される。別段の特定がなされていない限り、脱イオン水、または少量(例えば0.1%w/w)の表面安定剤(例えばポリソルベート20)を含む水が、粒子径測定用媒体(sizing medium)として使用される。「D90」および「D10」という用語は、それぞれ、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の少なくとも約90%および10%が、特定されたサイズより小さな直径を有していることを意味する。これらはまた、それぞれ「Dv90」および「Dv10」と呼ぶこともでき、そして、本明細書中において、これらの用語は、互換的に使用される。
「平均粒子径」という用語は、本質的に、「体積平均直径」と同じであり、本出願において、これは、Horiba社のウェブサイト www.horiba.comから入手可能である、Horiba Scientificのパンフレット:「A guidebook to particle size analysis」(2012)中の定義と同じように定義される。計算式は、各チャネル内のパーセントと共にn個の粒径チャネルの上限および下限を示すヒストグラム表を、概念化することにより、表現される。各チャネルに対するDi値は、幾何平均、すなわち上限直径×下限直径の平方根である。分子には、幾何Diの4乗×そのチャネルにおけるパーセントの、全チャネルにわたる和が適用される。分母には、幾何Diの3乗×そのチャネルにおけるパーセントの、全チャネルにわたる和が適用される。該体積平均直径は、D[4,3]をはじめとする、いくつかの名称で呼ばれている。
粒子径は、例えば、体積、数等による、他の好適な測定手段によって、決定することもでき;また、例えば、沈降流動分画、動的光散乱、分離板型遠心分離、および当該技術分野において知られている他の技術によって、測定することもできることは、当業者に理解している。動的および静的光散乱法の完全な記述は、Taylor & Franceis Group により出版された、Ram B. GuptaおよびUday B. Kompella著、「Nanoparticle technology for drug delivery」の121〜131頁(ISBN 1−57444−857−9)、ならびにChurchill Livingstoneにより出版されたMichael E. Aulton編、「Pharmaceutics, the science of dosage form design」の569〜580頁(ISBN:0−443−03643−8)に提供されている。特許請求の範囲において特定される、粒子径の定義は、粒子径の決定の技術分野において使用される、任意の手法を使用する測定を包含すべきであることを、意図している。
「プロドラッグ」は、活性医薬成分へと、生理学的に代謝されることが可能である、治療上不活性な分子である。本明細書中において使用される際、「薬物」または「活性薬剤」という用語は、通常、アリピプラゾール(代謝物)を指すが、その文脈により明確に示される場合には、別の薬物を指すこともできる。
「サイズ安定性」組成物は、調製の後、少なくとも約15分間、好ましくは、少なくとも約2日間またはそれ以上、肉眼で視認され得る、凝塊化または粒子凝集を全く示さない組成物である。好ましくは、「サイズ安定性」組成物は、該組成物を、約20℃で約24時間の期間保存した際、体積基準粒子サイズ(Dv50)および/または平均粒子サイズが約400nmを超える増加を示すことのない組成物である。より好ましくは、「サイズ安定性」組成物は、該組成物を、約40℃で約6ヶ月の期間保存した際、体積基準粒子サイズ(Dv50)および/または平均粒子サイズが約400nmを超える増加を示すことのない組成物である。最も好ましくは、「サイズ安定性」組成物は、該組成物を、約40℃で約6ヶ月の期間保存した場合に、体積基準粒子サイズ(Dv50)および/または平均粒子サイズが約100nmを超える増加を示すことのない組成物である。
本明細書中において使用される際、「対象」という用語は、動物、好ましくはヒトまたは非ヒト動物をはじめとする、哺乳動物を意味するために使用される。患者および対象という用語を、互換的に使用することができる。
「治療有効量」という用語は、治療効果を有するためのアリピプラゾールの最小血液中濃度を指す。これは、対象の種類に依存して変動し得る。ヒトの場合、Abilify Maintenaに対する米国食品医薬品局承認審査概要は、この値を94ng/mLと定義している。本明細書中においては、別段の特定がなされていない限り、ヒトに対するこの値は、少なくとも、約34〜約50ng/mL、好ましくは、約94ng/mLとして定義される。
本明細書中において使用される際、「治療」、「療法」、「治療上」等の用語は、病的状態を対象とする、任意の医学的介入の経過を包含しており、そして、疾患の根治だけでなく、疾患の予防、制御、または、さらに疾患もしくは疾患症状を軽減するために取られるステップを含む。
遊離表面安定剤と初期in−vivo放出との間の関係
本発明の組成物は、約1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有する、安定化されたアリピプラゾール粒子(薬物粒子凝集および/または結晶成長を軽減するために、その表面に吸着されている、表面安定剤を有する粒子)と、表面安定剤の遊離成分とを含む。驚くべきことに、これらの特徴の組合せ、すなわち、安定化されたアリピプラゾール粒子サイズ対遊離表面安定剤の比が、これらの特徴を含んでいない、アリピプラゾール組成物と比較して、顕著に向上された薬物動態プロファイルをもたらすことが発見された。
安定化されたアリピプラゾール粒子サイズおよび遊離表面安定剤のレベルの適切な選択により、本発明の組成物は、所与の投薬量の適用に基づく、in vivo放出プロファイルを達成するように、適合されることができる。例えば、安定化されたアリピプラゾール粒子サイズおよび遊離表面安定剤のレベルの適切な選択は、Tmaxおよび立上り時間(すなわち、投与後、血液中において、活性物質が治療濃度に達するまでの期間)を、より短い時間とできることで、薬物動態プロファイルの大幅な調整を提供することができる。本発明の組成物中に、十分な表面安定剤の遊離成分が存在することを保証するために、十分な量(粒子の安定化に必要な量を超える)の表面安定剤を、該組成物中に添加しなければならない。添加される表面安定剤の総量は、アリピプラゾールプロドラッグ粒子サイズを考慮しなければならない。図16〜22および例8の表13中に記載されるように、該特徴の組合せ、すなわち、安定化されたアリピプラゾール粒子サイズ対遊離安定剤の比が、アリピプラゾール放出の所望の速度を調整している。
本明細書中において定義されるように、導入薬物動態プロファイルは、約1週間未満、好ましくは、約72時間未満、より好ましくは、約48時間未満、より好ましくは、約24時間未満で血液中において、治療濃度に達し、そして、少なくとも約1週間、好ましくは、約2週間、より好ましくは、約3週間、該治療レベルを維持する、ヒトまたは哺乳動物対象における任意のin vivo薬物動態放出プロファイルとして、定義することができる。
理論に束縛されるものではないが、遊離表面安定剤が、本明細書中に記載の組成物のin vivo薬物動態放出プロファイルを変更する、容認可能な機序は、アリピプラゾールプロドラッグの溶解度を補助または増加させることによるものである。それを起こせる1つの機序は、可溶化された薬物を含有するミセルを形成することによるものである。これは、所与の期間内に、より高い割合のプロドラッグを可溶化できることを保証する。別の可能な作用機序は、(例えば、筋肉内デポ注射剤により)プロドラッグ組成物が投与された後、該粒子は、筋肉組織内で凝集する傾向を有し、遊離表面安定剤の存在がそのような凝集の発生を低減、抑制または防止し、そして、分布、および最終的には吸収を促進することである。
本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物の体積基準粒子サイズ(Dv50)が、約50nm〜約750nmの範囲内であること、また組成物中の薬物対表面安定剤の比が、約17:1〜約26:1の範囲内にあることが、特に好ましい。好ましくは、本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物の体積基準粒子サイズ(Dv50)は、約350nm〜約175nmの範囲内である。さらにより好ましくは、該組成物は、約1%〜約1.6%(w/w)の範囲内の遊離表面安定剤量を提供する。
本発明の組成物は、従来の長期作用抗精神病製剤において生じ得る、いかなる立上り時遅延をも処理するために、そのような製剤に対する、導入組成物として適合させることができる。本発明の組成物は、任意の長期作用非定型抗精神病薬(例えば、Abilify Maintena(登録商標))において生じ得る、いかなる立上り時の遅延をも処理するために、これらの製剤と併用される、導入剤として使用することができる。本発明の好ましい使用は、本明細書中に記載される、アリピプラゾールプロドラッグ用の導入剤としての使用である。
本発明の組成物
本発明の組成物は、参照により具体的に組み込まれる、米国特許第8,431,576号に記載される、ある特定のアリピプラゾールプロドラッグを含む。特に、本発明に関連して、参照される、アリピプラゾールプロドラッグは、一般式:
を有する。
式中、nは、0と等しいか、より大きく、かつ、20より小さい、任意の整数である。以下で考察される好ましい実施態様において、nは、4または10に等しい。
1つのそのような化合物は、アリピプラゾール ヘキサノエート(この場合n=4)であり、そのUSAN名は、アリピプラゾール カボキシルである。アリピラゾール カボキシルは、アリピプラゾールのN−ヘキサノイルオキシメチル プロドラッグであり、以下の構造を有する。
上記化合物は、化学名(7−(4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン−1−イル)ブトキシ)−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)イル)メチル ヘキサノエートおよび分子式C30H39Cl2N3O4で表記することができる。この分子は、CAS登録番号1259305−26−4を有する。
別のそのような化合物は、アリピプラゾール ラウレート(この場合n=10)である。このUSAN名は、アリピプラゾール ラウロキシルである。アリピラゾール ラウロキシルは、アリピプラゾールのN−ラウロイルオキシメチル プロドラッグであり、以下の構造を有する。
この上記化合物は、化学名ドデカン酸、[7−[4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]ブトキシ]−3,4−ジヒドロ−2−オキソ−1(2H)−キノリニル]メチル エステルおよび分子式C36H51Cl2N3O4で表記することができる。この分子は、CAS登録番号1259305−29−7を有する。
アリピプラゾール ラウロキシルは、約20μmのオーダーの粒子径を有する微結晶懸濁液の形態の、Alkermes Pharma Ireland Limitedにより開発された、統合失調症に適応される、長期作用注射剤である。
本発明の投薬形態および投与
本発明の組成物はまた、約1週間に1回投与される投薬形態として、製剤化することができる。本発明による。週1回の投薬方式は、復元可能な粉末として提供することが可能な、筋肉内デポ注射剤の形態で提供することも、または、プレフィルドシリンジ等の注射デバイス内に入れて、提供することもできる。
週1回の投薬形態は、約72時間未満で、血液中において、治療濃度を達成することを特徴とする、ヒトまたは哺乳動物対象におけるin vivo薬物動態プロファイルを提供し、また、最低約5日間および最大約13日間、治療レベルを維持する、投薬量として定義することができる。好ましくは、週1回の投薬形態は、哺乳動物対象に投薬された場合に、対象の血液中で約36時間未満で治療濃度に達し、最低約5日間、そして、最大約9日間、対象の血液中の治療レベルを維持する。
該組成物は、また、2週間に1回または3週間に1回の投与用に製剤化することもできる。そのような組成物の例は、対象の血液中において、約7日未満で、治療濃度に達し、そして、最低約14日間、好ましくは約21日間、そして、最大約28日間、治療濃度を超えるアリピプラゾールの濃度を維持するであろう。かかる組成物は、定期的に医療専門家を訪問する体制を提供するものの、しかし、週1回の投薬治療計画よりは、厳しさは少なく、また、患者にとって、不便さも少ない、代替の投薬治療計画を提供することを可能とするであろう。
本発明の組成物はまた、少なくとも約1週間、そして、最大約1ヶ月まで、血液中において、治療レベルの有効成分を維持することが可能な、長期作用組成物として、製剤化することもできる。したがって、本発明の組成物を、それ自体、導入および長期作用注射剤の両方として役立つ、放出プロファイルに適合させることができる。
該組成物は、また、2週間に1回または3週間に1回の投与用に製剤化することもできる。そのような組成物の例は、対象の血液中において、約7日未満で、治療濃度に達し、そして、最低約14日間、好ましくは約21日間、そして、最大約28日間、治療濃度を超えるアリピプラゾールの濃度を維持するであろう。かかる組成物は、定期的に医療専門家を訪問する体制を提供するものの、しかし、週1回の投薬治療計画よりは、厳しさは少なく、また、患者にとって、不便さも少ない、代替の投薬治療計画を提供することを可能とするであろう。
本発明の組成物は、また、経口非定型抗精神病薬、好ましくはアリピプラゾールとの同時投与用に製剤化することもできる。アリピプラゾールは、米国内において、Abilify(登録商標)(Abilifyは、大塚製薬株式会社の登録商標である)の商品名で市販されており、Bristol−Myers Squibb of Princeton, N.J.により製造/販売されており、また、Otsuka America Pharmaceutical, Inc.により販売されている。アリピプラゾールは、錠剤形態、口腔内崩壊錠剤形態および経口溶液として利用可能である。特に、該経口抗精神病薬は、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mgおよび/または100mgで投薬される。好ましくは、該経口抗精神病薬は、30mgで投薬される。
本発明の組成物は、また、1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を具える粒子の集団を有することに加えて、約5000nmまたはそれより大きな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するアリピプラゾールプロドラッグ粒子の第2のより大きい粒子サイズの集団を含むこともできる。例えば、単一組成物において、前述のような導入組成物の特性に、長期作用放出プロファイルを付与するために、20μmの体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するアリピプラゾールプロドラッグ粒子の集団を、本発明の組成物中に含有させることもできる。
したがって、これは、迅速な立上りと、また、その後、導入期間の間、血液中において、治療レベルのアリピプラゾールを提供する、導入成分、なたびに、導入期間後に、血液中において、治療レベルに達し、そして、少なくとも約30日の期間にわたり、該治療レベルを維持する、長期作用成分による、単純化された投薬治療系計画に導いている。これは、単一の組成物が、少なくとも約1日〜約30日の期間、血液中において、治療濃度を維持することを保証している。したがって、別個の導入用ならびに長期作用用の注射の必要性は回避され、それは、投薬治療計画の単純化および患者コンプライアンスの改善という直接的な成果を有している。
とにかく、安定な組成物として、粒子の混合集団を作製できることは、考えてみると、驚くべきことである。本発明者は、集団の少なくとも1つは、小さい(約2000nmより小さな)体積基準粒子サイズ(Dv50)を有している、別の活性構成成分の混合集団に関して、両方の集団は、オストワルド熟成の効果に起因して、粒子サイズの変化を経る傾向を有することを観測してきた。オストワルド熟成は、多様な粒子サイズが存在する小粒子集団において観察される現象である。通常、より小さい粒子は、溶解し、次いで結晶化して、存在するより大きな粒子の成長を引き起こす。この現象は、多数の活性薬剤、特に高い溶解度を有する活性薬剤において、比較的一般的である。驚くべきことに、本発明によるアリピプラゾールプロドラッグの混合集団においては、オストワルド熟成の発生は、約1ヶ月の期間にわたり測定した際、非常に低いことが観察された。これの考えられる説明は、本活性薬剤は、特に低い水溶性を有する、つまり、該活性薬剤の粒子は、溶解および再結晶するより低い傾向を有することを意味しているという事実にあるかもしれない。これは、低い表面自由エネルギーは、粒子サイズの成長の発生を防止するという、疎水性材料の独特の特性であると考えられる。
別の実施態様において、本発明の組成物は、1000nmより小さな粒径のアリピプラゾールプロドラッグ集団を有することに加えて、粒径は、1000nmより小さく、かつ、(第1の)アリピプラゾールプロドラッグ集団のDv50よりも、少なくとも約100nm、少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも約400nm、少なくとも約500nm、少なくとも約600nm、少なくとも約700nm、少なくとも約800nmまたは少なくとも約900nm大きい、体積基準粒子サイズ(Dv50)を有する第2のアリピプラゾールプロドラッグ粒子集団を含むことができる。
別の実施形体において、本発明の組成物は、デュアルチャンバシリンジ内に入れて、納品することができ、チャンバの一方には、異なる粒子サイズを有する第2のアリピプラゾールプロドラッグ組成物が提供される。例えば、第2のアリピプラゾール組成物は、1000nmより小さい、約1000〜約5000nmの間、あるいは、約5000nmまたは約5000nmより大きい、粒子径を有することができる。それによって、両方の組成物は、別個に保管される。
本発明の組成物は、微粒子分散液の形態で提供することができる。該組成物は、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の集団が分散されており、表面安定剤の遊離成分が溶解されている、あるいは、分散されている、分散媒を含む。
本発明の組成物は、さらに、分散液(上述の通り)として提供することができる。かかる分散液は、例えば、プレフィルドシリンジ等の注射デバイス内に入れて、提供することができる。しかしながら、注射デバイスは、本発明において、使用することができる、注射剤を納品することができる、任意のデバイスを含むことができると、理解されるべきである。例えば、本発明の組成物は、また、自己注射デバイスを使用して投与することもできる。それに代えて、本発明の組成物は、無針シリンジ、またはデュアルチャンバシリンジを使用して納品することもできる。
本発明の組成物は、液体媒体中における、復元用の粉末として、製剤化することができる。これに関して、本発明の顕著な特徴は、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の集団が、液体媒体中で復元された際、再分散されたアリピプラゾールプロドラッグ粒子は、1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するように、再分散するということである。
当業者には、アリピプラゾールプロドラッグの有効量は、実験的に決定することができることは、理解される。本発明の組成物中における、アリピプラゾールプロドラッグの実際の投薬レベルは、特定の組成物とその投与方法において、所望の治療応答を得るための効果的な、アリピプラゾールプロドラッグの量を得るように、変動させることができる。したがって、選択される投薬レベルは、所望の治療効果、投与経路、アリピプラゾールプロドラッグの力価、所望の治療期間、ならびに、他の因子に依存する。投薬単位の組成物は、日毎の投薬量を構成するために使用することができるように、該投薬量の約数の量を含有することができる。しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の投薬量レベルは、様々な因子、つまり、達成すべき細胞または生理学的反応の種類および程度;使用される、特定の薬剤または組成物の活性;使用される、特定の薬剤または組成物;患者の年齢、体重、全体的健康、性別および食生活;薬剤の投与時間、投与経路および排出速度;治療の期間;特定の薬剤と組み合わせて、または同時に使用される薬物;ならびに医療分野において周知の同様の因子に、依存することが理解される。
表面安定剤
本発明の組成物は、少なくとも1種の表面安定剤を含む。しかしながら、2種以上の表面安定剤の組合せも、有用であることが判明しており、本発明においても、使用することができる。複数種の表面安定剤が使用される場合、他の(二次的な)表面安定剤よりも高い濃度で存在する、主要な表面安定剤が存在してもよい。
理論に束縛されるものではないが、表面安定剤は、薬物粒子の周りに立体障害または静電気的障害を形成し、それにより、粒子凝集を防止するのに十分な粒子の物理的分離を提供することによって、機能すると考えられる。いくつかの化合物は、小さな粒子に適用した際、そのような立体または静電気的障害を形成する特性を有することが知られている。したがって、これらの物質のいずれも、本発明においては、表面安定剤として機能できる、したがって、本発明の技術的範囲に属すると考えるのが妥当である。表面安定剤という用語は、表面改質剤という用語と互換的に使用することができる。
本発明において採用することができる、有用な表面安定剤は、それらに限定されないが、既知の有機および無機の医薬賦形剤を含む。かかる賦形剤は、様々な、ポリマー、低分子量オリゴマー、天然の産物、ならびに、界面活性剤を含む。例示的な表面安定剤は、非イオン性およびイオン性(例えば、アニオン性、カチオン性、および両性イオン性)表面安定剤を含む。いかなる特定の理論に束縛されることは望みはしないが、粒子表面に付着しているポリマー材料は、粒子凝集を防止する立体障害を提供することができ、また、イオン性表面安定剤の場合、安定化作用は、静電気的相互作用に起因することができると考えられる。
本発明における用途に、特に好ましい表面安定剤は、ポリソルベートまたはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとも呼ばれている、ポリソルベート界面活性剤である。その例は、Tween(登録商標)(Uniqema、ICI Americas Inc.の事業部門の登録商標)の下で市販されている、例えば、本明細書中では、ポリソルベート20もしくはPS20と表記する、Tween(登録商標)20(ポリオキシエチレン20ソルビタン モノラウレート)、本明細書中では、ポリソルベート40もしくはPS40とも表記する、Tween(登録商標)40(ポリオキシエチレン20ソルビタン パルミテート)、または、本明細書中では、ポリソルベート80もしくはPS80と表記する、Tween(登録商標)80(ポリオキシエチレン20ソルビタン モノオレエート)を含む。ポリソルベートは、疎水性尾部基と、エステル結合により連結されている、親水性頭部基(ソルビタン ポリオキシエチレン)で構成されている、両親媒性非イオン性界面活性剤である。様々なグレードは、例えば、PS20(ラウレート、C12)、PS40(パルミテート、C16)、PS80(オレエート、C18)では、この尾部基の長さが異なっている。
本発明における用途に好ましい、他の表面安定剤は、低分子量ポビドン、レシチン、DSPG(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−rac−(1−グリセロール))、DOSS(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、またはドキュセートナトリウム)、メチルおよびプロピルパラベン、Croda International PLCの登録商標である、Span(登録商標)20の商品名で市販されている、SMLとも呼ばれる、モノラウリン酸ソルビタン、カルボキシメチルセルロース、HPCとも呼ばれ、20℃において2%w/v水溶液中で2.0〜2.9mPa.sの粘度を有する、低粘度グレードである、HPC−SL(日本曹達株式会社(日本)が市販)等の例を含む、ヒドロキシプロピルセルロース、デオキシコール酸ナトリウム、アルキルサッカリドを含む。また、例えば、BASF Corporationの登録商標である、Pluronic(登録商標)およびLutrol(登録商標)、ならびに、Croda International PLCの登録商標である、Synperonicの商品名で販売されている、ポロキサマーとしても知られている、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをベースとしたブロックコポリマーも好ましい。その例は、ポロキサマー407(Lutrol(登録商標)F127)、ポロキサマー188(Lutrol(登録商標)F68/Pluronic(登録商標)F68)、あるいは、ポロキサマー338(Lutrol(登録商標)F108/Pluronic(登録商標)F108)を含む。ポラキサマー(polaxamer)は、末端親水性ポリ(エチレンオキシド)(PEO)ブロックを具えている、中央の疎水性ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)ブロックからなる、両親媒性非イオン性トリブロックコポリマーである。様々なグレードは、これらのブロックの長さおよび親水性部分の割合が異なっている。ポロキサマー188は、(18×100≒)1800g/molであり、全体の(8×10≒)80%がポリオキシエチレンである(PEO80−PPO27−PEO80)。ポロキサマー338は、(33×1000≒)3300g/molであり、全体の(8×10≒)80%がポリオキシエチレンである(PEO132−PPO50−PEO132)。これらのブロックコポリマーを構成する個々の成分のみを使用することも予想される、例えば、プルロニックF108の場合、そのような個々の成分は、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレングリコールである。使用承認が付与されている、上述の個々の成分を使用することが、特に好ましい。他の好ましい安定剤は、TPGS(d−アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、ゼラチンおよびアルブミン、リゾチーム、ならびにシクロデキストリン(例えばベータヒドロキシシクロデキストリン)を含む。また、ReGel(登録商標)(British Technology Groupにより開発された熱硬化性生分解性ゲル)(ReGelは、Protherics Salt Lake City, Inc.の登録商標である)等のゲル形成ポリマーも有用である。本発明における用途に、特に好ましい表面安定剤は、好ましい投与経路である筋肉内での使用に関して、いかなる規制当局にも承認されているものである。
上述のうち、一般的に、それらは筋肉内での使用により許容されると考えられているので、ポリソルベート80、ポリソルベート40およびポリソルベート20等のポリソルベート界面活性剤、低分子量ポビドン、レシチン、DSPG、ならびにモノラウリン酸ソルビタンが特に好ましい。
他の有用な表面安定剤は、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマーまたはコポビドン(例えばISP Technologies, Inc(USA)から市販されている、酢酸ビニルおよびビニルピロリドンのランダムコポリマーであるPlasdone(登録商標)S630);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、例えば、信越化学工業株式会社(日本)から市販されている、Pharmacoat(登録商標)603);ポリビニルピロリドン(PVP)、例えば、ISP Corp(New Jersey、USA)からPlasdone(登録商標)の商品名で市販されている、例えばPlasdone(登録商標)C29/32(BASF PVP K29/32と同等である)、Plasdone(登録商標)C−30、Plasdone(登録商標)C17(BASF PVP K−17と同等である)およびPlasdone(登録商標)C12(ポビドンK12と同等である);デオキシコール酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS、ドデシル硫酸ナトリウムもしくはSDSとしても知られている)、塩化ベンザルコニウム(塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムとしても知られている)、レシチン、ジステアリルパルミテートグリセリル、またはそれらの組合せを含む。他の好ましい表面安定剤は、アルブミン、リゾチーム、ゼラチン、マクロゴール15ヒドロキシステアレート(例えばBASF AGからSolutol(登録商標)15の商品名で市販されている)、チロキサポールおよびポリエトキシル化ヒマシ油(例えばBASF AGからCremophor(登録商標)ELの商品名で市販されている)、PEG−40ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40、BASFグループの登録商標)、(2−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン、ポリエチレングリコールtert−オクチルフェニルエーテル(Triton X−100(商標)、The Dow Chemical Companyの商標)、ポリエチレングリコール(15)−ヒドロキシステアレート(Solutol(登録商標)HS15、BASFグループの登録商標)、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンを含む。
該表面安定剤は、市販されている、および/または、当該技術分野において知られている技術により調製することもできる。これらの表面安定剤の大半は、既知の医薬賦形剤であり、参照により具体的に組み込まれる、American Pharmaceutical AssociationおよびThe Pharmaceutical Society of Great Britainにより共同出版されたHandbook of Pharmaceutical Excipients(R. C. Roweら(編)、第5版、The Pharmaceutical Press、2006)中に詳細に記載されている。
賦形剤
本発明の組成物は、集合的に担体と呼されている、1種またはそれより多い、非毒性の生理学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルをさらに含むこともできる。該組成物は、これに限定されないが、非経口注射(例えば筋肉内または皮下)をはじめとする、任意の薬学的に許容される手段による投与用に製剤化することができる。小さいサイズのアリピプラゾールプロドラッグ粒子(すなわち1000nmより小さい)は、本発明の組成物を、非経口製剤化に特に有利としている。
本発明の組成物は、クエン酸ナトリウムまたは一塩基性リン酸ナトリウム二水和物(NaH2PO4 2H2O)もしくは二塩基性リン酸ナトリウム無水物(NaH2PO4)等のキレート剤を含むことができる。該キレート剤は、磨砕プロセス中に導入された金属イオン不純物と結合し、従って、アルデヒドの形成を防止する。
本発明の組成物は、また、分散媒のpHを上昇させるために、緩衝剤を含むこともできる。ある特定の表面安定剤、特にポリソルベート20は、酸化を受けやすい可能性がある。磨砕後、該組成物中において、ポリソルベート20が酸化される場合、これは、分散媒の全体的pHを低下させる効果を有することがある。その後、薬物は、より低いpHの媒体により可溶性となることがあり、結果的に、オスワルド(Oswald)熟成の発生等のプロセスにより粒子サイズの成長につながる可能性がある。したがって、緩衝剤は、任意のpH降下を相殺し、そして、この効果の発生を防止するために、含有させることができる。本発明の組成物と共に使用することができる、緩衝剤には、クエン酸ナトリウムまたは一塩基性リン酸ナトリウム二水和物(NaH2PO4 2H2O)もしくは二塩基性リン酸ナトリウム無水物(NaH2PO4)が含まれる。
本発明の組成物は、また、表面安定剤または任意の他の構成物質の酸化を防止するために、酸化防止剤を含むことができる。クエン酸は、効果的な酸化防止剤として、使用することができる。
本発明の組成物は、また、生理食塩水、糖またはポリオール等の等張化剤を含むことができる。
上述のように、本発明の組成物は、分散液として製剤化することができ、その場合、本発明の粒子は、分散媒中に分散されている。該分散媒は、水および/または上述の賦形剤のいずれかを含むことができる。アリピプラゾールプロドラッグと適合性である場合には、油または他の非水性媒体を使用することができる。好ましくは、該分散媒は、水または水系媒体である。
あるいは、本発明の組成物は、投与に先立ち、分散媒中に分散される、乾燥形態の粒子として提供することもできる。そのような実施態様において、該組成物は、好ましくは、1つまたはそれより多い、上述の賦形剤を含み、そして、投与に先立ち、水中で復元される。
本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物を調製する方法
本発明は、さらに、本発明にかかるアリピプラゾールプロドラッグ組成物を調製する方法に関する。
該方法は、(a)組成物中に、安定剤の吸着成分および遊離成分の両方が存在することを保証するために、該組成物に添加される、少なくとも1種の安定剤の量を計算するステップを含む。この計算は、例えば、本明細書中に記載される、遊離表面安定剤の量を概算するための方法を使用して実施することができる。該方法は、さらに、(b)光散乱法により決定される、1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するアリピプラゾールプロドラッグ粒子の集団を作製するステップを含む。これは、後述される、小さな粒子を生成する方法のいずれかを使用して行うことができる。好ましい方法は、磨砕である。該方法は、さらに、(c)表面安定剤の吸着成分が、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の表面上に吸着するように、ある量の表面安定剤をアリピプラゾールプロドラッグ粒子の集団と組み合わせるステップを含む。アリピプラゾールプロドラッグの粒子への表面安定剤の吸着は、1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するアリピプラゾールプロドラッグの粒子を含む組成物を提供するのに十分な時間および条件下で、該粒子に、少なくとも1種の表面安定剤を接触させることにより達成することができる。ステップ(b)およびステップ(c)は、以下ならびに例中において、詳細に記述される、存在する安定剤と共に、アリピプラゾールプロドラッグを磨砕することにより、同時に実施することができる。該方法は、さらに、(d)表面安定剤の遊離成分の量を試験するために、該組成物の試料を静置するステップ、(e)アリピプラゾール ラウロキシル粒子およびそれに吸着した表面安定剤を、試料中の分散媒から分離して、上清を形成するステップ、そして、(f)組成物中に、安定剤の遊離成分が確かに存在することを検証するために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置を使用して、上清中の表面安定剤の量を測定するステップを含むことができる。該方法は、さらに、(g)アリピプラゾールプロドラッグ粒子および表面安定剤を分散媒と組み合わせて、分散アリピプラゾールプロドラッグ組成物を形成するステップを含むことができる。さらなる可能なステップには、(h)アリピプラゾールプロドラッグ粒子を、粒径が、少なくとも約100nm大きい、体積基準粒子サイズ(Dv50)を有する、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の追加的な集団と組み合わせるステップ、ならびに、(i)分散アリピプラゾールプロドラッグ組成物を、注射デバイス(例えば、プレフィルドシリンジ、自己注射器、無針シリンジまたはデュアルチャンバシリンジ)内に充填するステップが含まれる。デュアルチャンバシリンジが使用される場合、該方法は、(g)アリピプラゾールプロドラッグ組成物をデュアルチャンバシリンジの一方のチャンバ内に充填し、デュアルチャンバシリンジの他方のチャンバに第2の組成物を充填する追加的なステップを含むことができる。第2の組成物は、異なる体積基準粒子サイズ(Dv50)を有する第2のアリピプラゾールプロドラッグ組成物であることができ、あるいは、非アリピプラゾール活性構成成分、例えば、非定型抗精神病薬であることも可能であろう。
本発明の組成物は、例えば、磨砕または研砕(湿式磨砕を含むがこれに限定されない)、均質化、沈殿、凍結、テンプレート エマルション(template emulsion)法、超臨界流体法、ナノ−エレクトロスプレー法、またはそれらの任意の組合せを使用して作製することができる。ナノ粒子組成物を作製する例示的方法は、’684特許において説明されている。ナノ粒子組成物を作製する方法はまた、全て参照により具体的に組み込まれる、米国特許第5,518,187号、「Method of Grinding Pharmaceutical Substances」;米国特許第5,718,388号、「Continuous Method of Grinding Pharmaceutical Substances」;米国特許第5,862,999号、「Method of Grinding Pharmaceutical Substances」;米国特許第5,665,331号、「Co-Microprecipitation of Nanoparticulate Pharmaceutical Agents with Crystal Growth Modifiers」;米国特許第5,662,883号、「Co-Microprecipitation of Nanoparticulate Pharmaceutical Agents with Crystal Growth Modifiers」;米国特許第5,560,932号、「Microprecipitation of Nanoparticulate Pharmaceutical Agents」;米国特許第5,543,133号、「Process of Preparing X-Ray Contrast Compositions Containing Nanoparticles」;米国特許第5,534,270号、「Method of Preparing Stable Drug Nanoparticles」;米国特許第5,510,118号、「Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles」;および米国特許第5,470,583号、「Method of Preparing Nanoparticle Compositions Containing Charged Phospholipids to Reduce Aggregation」中に、記述されている。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るための磨砕
本発明にかかるアリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るための、アリピプラゾールプロドラッグの磨砕は、アリピプラゾールプロドラッグが難溶性である液体分散媒中に、粒子を分散させ、続いて、粉砕媒体の存在下、機械的手段を適用し、所望の体積基準粒子サイズ(Dv50)まで、アリピプラゾールプロドラッグの粒子径を低減することを含む。分散媒は、例えば、水、ベニバナ油、エタノール、t−ブタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、ヘキサン、またはグリコールであることができる。好ましい分散媒は、水である。
アリピプラゾールプロドラッグ粒子は、少なくとも1種の表面安定剤の存在下、その径を低減することができる。あるいは、アリピプラゾールプロドラッグ粒子は、研砕の後、1種またはそれ以上の表面安定剤と接触させることもできる。該粒径低減プロセス中、希釈剤等の他の化合物を、アリピプラゾールプロドラッグ/表面安定剤組成物に添加することもできる。分散液は、連続的またはバッチ形式で製造することができる。
粉砕媒体は、好ましくは、実質的に球形状である粒子、例えば、セラミックビーズ、または、本質的にポリマーもしくはコポリマー樹脂からなるビーズを含むことができる。あるいは、該粉砕媒体は、その表面に付着したポリマーまたはコポリマー樹脂のコーティングを有するコアを含むことができる。
一般に、好適なポリマーまたはコポリマー樹脂は、化学的および物理的に不活性であり、実質的に、金属、溶媒およびモノマーを含んでなく、かつ、粉砕中に欠ける、または圧壊されるのを回避することができるようにするために十分な硬度および脆性を有する。好適なポリマーまたはコポリマー樹脂には、架橋ポリスチレン、例えば、ジビニルベンゼンにより架橋されたポリスチレン;スチレンコポリマー;ポリカーボネート;ポリアセタール、例えば、Delrin(TM)(E.I. du Pont de Nemours and Co.);塩化ビニルポリマーおよびコポリマー;ポリウレタン;ポリアミド;ポリ(テトラフルオロエチレン)、例えば、Teflon(登録商標)(E.I. du Pont de Nemours and Co.)、および他のフッ素ポリマー;高密度ポリエチレン;ポリプロピレン;セルロースエーテルおよびエステル、例えば、酢酸セルロース;ポリヒドロキシメタクリレート;ポリヒドロキシエチルアクリレート;ならびにシリコーン含有ポリマー、例えば、ポリシロキサン等を含む。該ポリマーは、生分解性であることができる。例示的な生分解性ポリマーまたはコポリマーは、ポリ(ラクチド)、ラクチドおよびグリコリドのポリ(グリコリド)コポリマー、ポリ酸無水物、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(N−アシルヒドロキシプロリン)エステル、ポリ(N−パルミトイルヒドロキシプロリン)エステル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カプロラクトン)、ならびにポリ(ホスファゼン)を含む。生分解性ポリマーまたはコポリマーの場合、媒体由来の混入物自体は、有利にも、体から排除することが可能な、生物学的に許容される生成物にin vivoで代謝することができる。
粉砕媒体の径は、好ましくは、約0.01〜約3mmの範囲である。微粉砕の場合、粉砕媒体の径は、好ましくは約0.02〜ら約2mm、より好ましくは約0.03〜約1mmである。ポリマーまたはコポリマー樹脂は、約0.8〜約3.0g/cm3の密度を有することができる。
好ましい粉砕プロセスにおいては、アリピプラゾールプロドラッグ粒子は、連続的に作製される。そのような方法は、本発明にかかるアリピプラゾールプロドラッグ組成物を磨砕チャンバ内に連続的に導入するステップ、チャンバ内にある間に本発明にかかるアリピプラゾールプロドラッグ組成物を粉砕媒体と接触させて、本発明にかかる組成物のアリピプラゾールプロドラッグ粒子径を低減するステップ、磨砕チャンバから連続的にアリピプラゾールプロドラッグ組成物を取り出すステップを含む。該粉砕媒体は、二次プロセスにおいて、例えば、単純な濾過、メッシュフィルターまたはスクリーンを通した篩い分け等の、知られている分離技術を使用して、本発明にかかる磨砕されたアリピプラゾールプロドラッグ組成物から分離される。遠心分離等の他の分離技術もまた使用することができる。
Nanomill(登録商標)01ミルを使用する、例示的磨砕プロセスは、以下のステップを含む。
1.医薬品有効成分(API)、表面安定剤および組成物に必要な他の賦形剤の量の計算。
2.清浄なバイアル内で賦形剤を秤量するステップ、内容物を数秒間ボルテックスするステップ、その後、内容物を短期間静置するステップを含む、連続相または分散媒の調製。10×ビヒクルの調製には、例えば、塩化ナトリウムを、クエン酸緩衝液中に溶解させることができる。濾過後、ビヒクルは、次いで滅菌容器内に移され、そして、涼しい場所で保存することができる。
3.APIの秤量、およびAPIの磨砕チャンバ内への移送。
4.チャンバ内のAPIへの分散媒の添加。
5.表面を確実に湿潤させるための内容物の混合。
6.粉砕媒体の秤量および該媒体の磨砕チャンバへの添加。
7.該媒体のほとんどを確実に湿潤させるためのチャンバ内容物の混合。
8.NanoMill上へのチャンバの設置および冷却浴の接続。
9.最低設定で5分間のミルの運転。
10.所望の打突の速度および時間での内容物の磨砕。
11.磨砕された組成物の捕集。Nanomill(登録商標)01ミルを使用する場合、10μm捕集管、または100〜150μmの範囲のメッシュサイズを有するステンレス鋼スクリーンを具える10mLステンレス鋼捕集槽を使用した遠心分離により、200nmより小さな平均粒子径を有する組成物が、最適に捕集されることが分かっている。250nmより小さな平均粒子径を有する組成物の場合、まず23Gニードルを使用してNCDの大半を収集し、次いで、残ったスラリーを10μm捕集管を使用して遠心分離し、その後、2つの部分を合わせるのが最適である。
表面安定剤として、ポリソルベート20を使用する、例示的な製剤は、NanoMillを使用して、2%(w/w)ポリソルベート20中、30%(w/w)の投入量でアリピプラゾールラウロキシルの結晶を磨砕することにより調製することができる。投薬濃度は、その後、得られた分散液をビヒクルで希釈することにより達成することができる。力価は、HPLCにより正確に決定することができる。
湿式磨砕は、NanoMill(登録商標)0.01磨砕システムを使用して、ポリスチレンビーズ(Polymill(登録商標)500粉砕媒体)と共に、安定化表面改質剤を含有する水性ビヒクル中で行うことができる。磨砕シャフトの打突の速度、磨砕体積および磨砕時間は、所望の粒子サイズが達成されるまで、様々な実験的構成に従って、適合させることができる。約30%(w/w)のAPI投入量で、適切なフィルター(10μmポリスチレンまたは100μm金属メッシュ)を通して分散液をポンピングすることにより、「原料」製剤を捕集することができる。固体投入量、表面安定剤濃度、磨砕温度、磨砕シャフトの打突の速度、磨砕体積および磨砕時間は、所望の粒子径が達成されるまで、様々な実験的構成に従って、適合させることができる。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るための沈殿
本発明にかかるアリピプラゾールプロドラッグ組成物を形成する別の方法は、微小沈殿(microprecipitation)によるものである。これは、いかなる微量の毒性溶媒、あるいは、可溶化された重金属不純物も含まない、1種またはそれより多くの表面安定剤および1種またはそれより多くのコロイド安定性向上表面活性剤の存在下で、難溶性活性薬剤の安定な分散液を調製する方法である。かかる方法は、例えば、(1)アリピプラゾールプロドラッグを好適な溶媒中に溶解するステップ;(2)ステップ(1)からの製剤を、少なくとも1種の表面安定剤を含む溶液に添加するステップ;(3)適切な非溶媒を使用して、ステップ(2)からの製剤を沈殿させるステップを含む。この方法に続いて、存在する場合には、任意の形成された塩が透析または透析濾過により除去され、また、既知の手段により分散液を濃縮することができる。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るための均質化
活性薬剤組成物を調製する、例示的均質化方法は、米国特許第5,510,118号、「Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles」に記載されている。そのような方法は、アリピプラゾールプロドラッグ粒子を液体分散媒中に分散させるステップ、続いて、分散液を均質化に供して、アリピプラゾールプロドラッグの粒子径を所望の体積基準粒子サイズ(Dv50)に低減するステップを含む。アリピプラゾールプロドラッグ粒子は、少なくとも1種の表面安定剤の存在下、粒径を低減させることができる。あるいは、アリピプラゾールプロドラッグ粒子は、研砕の前または後に、1種またはそれより多くの表面安定剤と接触させることができる。アリピプラゾールプロドラッグ粒子径低減プロセスの前、その間、またはその後に、希釈剤等の他の化合物を、アリピプラゾールプロドラッグ/表面安定剤組成物に添加することができる。分散液は、連続的またはバッチ形式で製造することができる。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るための低温技法
本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物を形成する別の方法は、液体中への噴霧凍結(SFL)によるものである。この技術は、液体窒素等の低温液体中に注入される、表面安定剤を含むアリピプラゾールプロドラッグの有機または有機−水溶液を含んでいる。アリピプラゾールプロドラッグ溶液の液滴は、結晶化および粒子成長を最小限に抑えるのに十分な速度で凍結し、そして、1000nmより小さな粒径のアリピプラゾールプロドラッグ粒子が製剤化される。溶媒系および加工条件の選択に依存して、アリピプラゾールプロドラッグ粒子は、様々な粒子形状を有することができる。単離ステップにおいて、窒素および溶媒は、アリピプラゾールプロドラッグ粒子の凝集または熟成を回避する条件下で除去される。
SFLを補完する技術として、大幅に向上した表面積を有する、同等のアリピプラゾールプロドラッグ粒子の形成に、超高速凍結(URF)を使用することができる。URFは、低温基板上の、表面安定剤を含むアリピプラゾールプロドラッグの有機または有機−水溶液を含む。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るためのエマルション技法
本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物を形成する別の方法は、テンプレート エマルションによるものである。テンプレート エマルションは、制御された粒子径分布および急速溶解性能を有するナノ構造化アリピプラゾールプロドラッグ粒子を形成する。この方法は、調製され、次いで、アリピプラゾールプロドラッグおよび表面安定剤を含む非水溶液で膨潤された、水中油エマルションを含む。アリピプラゾールプロドラッグの粒子径分布は、アリピプラゾールプロドラッグの投入に先立つ、エマルション液滴の粒径の直接的な結果であり、このプロセスにより、制御および最適化することができる特性である。さらに、溶媒および安定剤の選択された使用により、オストワルド熟成がない、または抑制された状態である、エマルション安定性が達成される。その後、溶媒および水を除去し、そして、安定化されたアリピプラゾールプロドラッグ粒子が回収される。加工条件の適切な制御により、様々なアリピプラゾールプロドラッグの粒子形状を達成することができる。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を作製する超臨界流体法
アリピプラゾールプロドラッグ組成物はまた、超臨界流体の使用を採用する手法を用いて作製することができる。そのような方法において、少なくとも1種の表面安定剤もを含有することができる、溶液またはビヒクル中に、アリピプラゾールプロドラッグは、溶解される。該溶液および超臨界流体は、次いで、粒子形成槽内に同時に導入される。表面安定剤は、ビヒクル中に事前に添加されていなかった場合、粒子形成槽に添加することができる。超臨界流体の作用により、ビヒクルの分散および抽出が実質的に同時に生じるように、温度および圧力は、制御される。超臨界流体として有用であると記述されている、化学物質は、二酸化炭素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、キセノン、エチレン、クロロトリフルオロメタン、エタン、およびトリフルオロメタンを含む。
ナノ粒子を作製する、既知の超臨界法の例は、1997年4月24日に公開されたPaceらに対する国際特許出願第WO97/14407号を含み、これは、溶液中に化合物を溶解し、次いで、適切な表面安定剤の存在下で、該溶液を、圧縮ガス、液体または超臨界流体中に噴霧することにより調製される、100nm〜300nmの平均粒径を有する非水溶性生物活性化合物の粒子に言及している。
同様に、Cooperらに対する米国特許第6,406,718号は、超臨界流体の作用により、ビヒクルの分散および抽出が実質的に同時に生じるように、その中の温度および圧力が制御されている粒子形成槽内への、超臨界流体、および、溶液または懸濁液状の、少なくともプロピオン酸フルチカゾンを含有するビヒクルの同時導入を含む、粒子状プロピオン酸フルチカゾン生成物を形成するための方法を記述している。超臨界流体として有用であると記載されている、化学物質は、二酸化炭素、亜酸化窒素、六フッ化硫黄、キセノン、エチレン、クロロトリフルオロメタン、エタン、およびトリフルオロメタンを含む。該超臨界流体は、任意選択で、1種またはそれより多くの改質剤、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリルまたはそれらの任意の混合物を含有することができる。超臨界流体改質剤(または共溶媒)は、超臨界流体に添加された場合、臨界点での、またはその付近での超臨界流体の固有特性を変化させる化学物質である。Cooperらによれば、超臨界流体を使用して生成されたプロピオン酸フルチカゾン粒子は、1〜10μm、好ましくは1〜5μmの粒子径範囲を有する。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物を得るために使用される、ナノ−エレクトロスプレー法。
エレクトロスプレーイオン化では、非常に細い、帯電した、通常は金属の、キャピラリを通して、液体が押し出される。この液体は、通常、分析物よりはるかに揮発性である、多量の溶媒中に溶解された、所望の物質、例えば、アリピプラゾールプロドラッグを含有する。揮発性の酸、塩基または緩衝剤もまた同様に、しばしばこの溶液に添加される。分析物は、プロトン化形態で、またはアニオンとして、溶液中にイオンとして存在する。同じ電荷は反発するため、該液体は自らをキャピラリから押し出し、そして、差渡し約10μmの微小液滴のミストまたはエアロゾルを形成する。このエアロゾル液滴のジェットは、少なくとも部分的に、テイラーコーンおよびこのコーンの先端からのジェットの形成を含むプロセスにより生成される。ときには、窒素ガス等の中性キャリアガスが、液体の霧化を促進し、そして、微小液滴中の該中性溶媒の蒸発を助長するために、使用される。微小液滴が蒸発して、空気中に浮遊する際、帯電した分析物分子が互いにより近くに押し付けられる。同電荷の分子が互いにより近付くため、該滴は不安定となり、そして、液滴は再び分裂する。これを引き起こすのは、帯電した分析物分子間の反発クーロン力であるため、これはクーロン分裂と呼ばれる。このプロセスは、分析物が溶媒を含まず、単独のイオンとなるまで繰り返される。
ナノテクノロジーにおいて、エレクトロスプレー法は、表面上に単一粒子を、例えばアリピプラゾールプロドラッグ粒子を、堆積させるために使用することができる。これは、コロイドを噴霧し、平均的に液滴当たり2つ以上の粒子が存在しないことを確実にすることにより達成される。引き続く、取り囲んでいる溶媒の乾燥により、結果として、単一アリピプラゾールプロドラッグ粒子のエアロゾルストリームとなる。ここで、プロセスのイオン化特性は、応用には重要ではないが、しかし、粒子の静電的沈降において利用することができる。
粒子径の評価
本発明の組成物の粒子径は、希釈剤として水または希薄表面安定剤溶液を用いる、光散乱法等の手法を使用して測定することができる。測定は、顕微鏡法を使用して検証することができる。粒子径分布は、Horiba 950粒子径分析器を使用して、湿潤懸濁液として決定することができる。体積基準粒子サイズ(Dv50)は、本明細書中においては、粒子の平均体積直径により表される。粒子径測定はまた、PCS(動的光散乱測定)を使用して実施することもできる。
光散乱法に加えて、以下で説明されるように、粒子径を決定するための他の方法がある。
光学顕微鏡法は、Leica DMR顕微鏡において、100×倍率で位相差光学系を使用して行うことができる。画像分析は、Axiovisionソフトウェアを使用して実施することができる。
走査型電子顕微鏡法(SEM)は、Phenom Pro G2等の好適な走査型電子顕微鏡を使用して行うことができる。約0.5mg/mLに希釈した製剤を9mm Pelconカーボン接着タブ上に滴下し、続いて、一晩空気乾燥することにより、試料を、調製することができる。該試料は、Denton Vacuum Desk Vスパッタ装置を使用して、スパッタコーティングすることができる(2回)。
遊離表面安定剤
本発明の組成物中に、適切な量の遊離表面安定剤が存在することを保証するために、以下の理論を用いて、添加する必要がある、表面安定剤の量の概算を達成することができる。以下の略語が使用されることに留意されたい:SA=表面積、NP=ナノ粒子、PS=粒子径。遊離表面安定剤の存在は、SAstabilizer/SAAvailableの式に従って近似的に予測することができる。得られる値が1に等しい場合、系は表面安定剤で飽和されている。得られる値が1より小さい場合、系は飽和されてなく、したがって、利用可能ないかなる遊離表面安定剤も存在しないことを示す。値が1より大きいと決定される場合、系は飽和しており、そして、遊離安定剤が利用可能である。
上記の式において、SAavailableは、所与の質量において、利用可能な原薬の全表面積である。SAstabilizerは、薬物粒子の表面に吸着している、安定剤頭部基の表面積である。これらの値は、薬物粒子の推定半径に基づき、全表面積を導き出すことにより計算することができる。該半径(r)は、薬物粒子が球状であるという仮定を用いた場合、単に体積基準粒子サイズ(Dv50)の値を入手し、2で除すことにより、計算される。次いで、使用された薬物の質量(M)を1つの薬物粒子の質量で除すことにより決定される、粒子の数(N)を、得られた値に乗ずる。1つの粒子の質量は、なお、Vnp=4πr3/3である、1つの粒子の体積(Vnp)、を乗ずることで、原薬の密度(σ)から計算することができる。
N=M/σ*Vnp
1つのナノ粒子の表面積=SANP=4πr2
全表面積=SAtotal=N*SANP
表面安定剤頭部基の充填に起因して、全ての表面積が利用可能なわけではない。これは、ナノ粒子が球であると仮定し、そして、該表面上において、六方最密充填(HCP)構造が、最大の充填を与えると仮定することにより、モデル化することができる。(このモデルにおいて、安定剤頭部基がそうであると仮定される)二次元円における、HCPは、0.9069である(すなわち、表面の90.69%は、被覆されている)。
SAavailable=SAtotal*0.9069
SAstabilizer=薬物表面に吸着した安定剤頭部基の表面積。
SAstabilizerの値は、以下のように計算することができる。まず、該組成物中に含有される、安定剤の質量を、使用される安定剤のモル数に変換する。次いで、これを使用して、存在する安定剤分子の数、すなわち、モル数*NA(NAは、アボガドロ数=6.022*10−23mol−1である)を計算する。次いで、安定剤分子の数に、頭部基の表面積を乗ずる。ポリソルベート20の頭部基面積は、脂肪族C12鎖の表面積であると見做す。頭部基面積の値は、文献から計算することができ、表面におけるこの基の配向に依存する(Tween surfactants: Adsorption, self-organization, and protein resistance: Lei Shen、Athena Guo、Xiaoyang Zhu;Surface Science 605 (2011) 494-499)。
上述の手法は、添加すべき、表面安定剤の量の概算上の指針を提供する。
遊離表面安定剤の測定
遊離表面安定剤の量は、組成物が生成された後に、熱重量分析(TGA)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の手法を使用して決定することができる。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物中の表面安定剤の遊離成分を決定するための方法は、(i)粒子およびそれに吸着した表面安定剤を分散媒から分離させて、上清を形成するステップ、(ii)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置を使用して、該上清中の表面安定剤の量を測定するステップを含むことができる。
HPLCは、例えば、C8カラムによる逆相HPLC分析を使用して、遊離表面安定剤の量を決定するために使用することができる。この例示された方法は、移動相として、35%の10mMリン酸カリウム緩衝液(pH2.5)および65%のアセトニトリル、ならびに240nmでのUV検出を用いる、均一溶出液法である。薬物生成物は、再懸濁され、遠心分離/濾過されて、原薬および「結合した」ポリソルベート20を除去する。「遊離」ポリソルベート20の量は、ポリソルベート20標準溶液に対して定量される。
本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物の使用および治療方法
本発明はまた、(a)約1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するアリピプラゾールプロドラッグまたはその塩の粒子と;(b)少なくとも1種の表面安定剤とを含む、安定なアリピプラゾールプロドラッグ組成物を投与するステップを含む、必要としている哺乳動物を治療する方法を提供する。
本発明のアリピプラゾールプロドラッグ組成物は、これらに限定されないが、統合失調症、双極性障害に付随する急性躁病および混合エピソード、ならびに他の統合失調症様の病気、大鬱病性障害(MDD)をはじめよする、精神疾患および障害等のCNSの疾患および障害の治療、また自閉性障害に付随した過敏症の治療において有用であることができる。該方法は、精神疾患または障害等の中枢神経系の障害に対する、ヒトを含む哺乳動物の治療を含むことができ、そのような治療は、精神科的治療を含むことができる。治療は、本発明にかかるアリピプラゾールプロドラッグを含む組成物の哺乳動物への投与を含むことができる。
本発明の組成物は、これに限定されないが、(例えば、筋肉内または皮下への)非経口をはじめとする、任意の薬学的に許容される手法で投与することができる。
非経口注射に好適な組成物は、生理学的に許容される無菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルション、ならびに、無菌注射溶液または分散液に復元するための無菌粉末を含むことができる。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油等)、およびオレイン酸エチル等の注射用有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持、ならびに、界面活性剤の使用により維持することができる。
該組成物は、任意の薬学的に許容される形態で投与することができるが、しかし、注射製剤が好ましい。
例えば、注射製剤は、ボーラスまたはデポを形成するように、筋肉内または皮下注射剤として投与することができ;デポは、例えば、対象の組織中に徐々に、および着実に溶解することにより、延長された作用期間を可能とすることができる。したがって、注射製剤は、皮下、筋肉内、腹腔内等の注射後に、アリピプラゾールプロドラッグの制御放出を可能にするように構成することができる。例えば、粒子径および賦形剤濃度は、約24時間より長い、約3日間より長い、約5日間より長い、約7日間より長い、約10日間より長い、約14日間より長い、約20日間より長い、約30日間より長い、約2ヶ月間より長い、約3ヶ月間より長い、もしくは約4ヶ月間より長い、またはこれらの値の間の任意の期間、制御放出をもたらすように調節することができる(例えば、対象におけるアリピプラゾールプロドラッグの血液レベルが有効治療ウィンドウ内に維持される)。該組成物は、注射されたデポ剤が、約2週間〜約24週間、約2週間〜約6週間、約2週間〜約4週間、または約1週間〜約4週間の期間、治療レベルのアリピプラゾールプロドラッグを放出し得るように製剤化することができる。
中枢神経系障害の治療においては、必要な治療量の薬物をin vivoで送達し、そして、迅速に、および一貫した様式で、薬物を生分解性とする、薬物投薬形態を提供することが有用である。これらの目標は、上述のようなデポ剤の形成により(例えば、筋肉内注射により)、本明細書中に記載のアリピプラゾールプロドラッグ組成物の注射製剤を使用して達成することができる。いくつかの実施態様において、薬物は、デポ剤から血流中に一定の速度で放出され、従って、適切な投薬量の薬物を、延長された期間にわたり、連続的に患者に提供する。この方法(例えばデポ注射)はまた、改善された患者コンプライアンスをもたらす。例えば、錠剤、カプセル剤等を摂取することを覚える、または決定するための、日々煩わしさに対して、月1回の単回注射は、患者に、その月の適切な治療投薬量を提供する。
筋肉内または皮下投与用のアリピプラゾールプロドラッグの例示的な注射製剤は、1000nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有し、かつ、所望の有効性の期間中、体積基準粒子サイズ(Dv50)を維持するのに十分な量でその表面上に吸着された、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート80、ポリソルベート40、ポリソルベート20)、低分子量ポビドン、レシチン、d−アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、またはドキュセートナトリウム、メチルおよびプロピルパラベン、モノラウリン酸ソルビタン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デオキシコール酸ナトリウム、アルキルサッカリド、二官能性ブロックコポリマー、d−アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ゼラチン、アルブミン、リゾチーム、シクロデキストリン(例えばベータヒドロキシシクロデキストリン)ならびにゲル形成ポリマー等(ただしこれらに限定されない)の1種または複数種の表面安定剤を有している、アリピプラゾールプロドラッグ粒子を含み。非経口投与用に製剤化された、そのようなアリピプラゾールプロドラッグ組成物は、精神疾患および障害等の、様々な種類のCNS疾患または障害の治療における、アリピプラゾールプロドラッグの有効性を向上させることができる。
非経口注射に好適な組成物は、生理学的に許容される無菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルション、および無菌注射溶液または分散液に復元するための無菌粉末を含むことができる。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油等)、およびオレイン酸エチル等の注射用有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒子径の維持、ならびに、界面活性剤の使用により維持することができる。
アリピプラゾールプロドラッグ組成物はまた、保存、湿潤、乳化、および分散剤等の、アジュバントを含むことができる。微生物の成長の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等により、保証することができる。また、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム等を含むことも、望ましくなり得る。モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の、吸収を遅延させる薬剤の使用により、該注射医薬形態の長期吸収をもたらすことができる。
さらに、アリピプラゾールプロドラッグの従来の形態と比較して、より高濃度のアリピプラゾールプロドラッグの形態が、より小さい注射投薬サイズ(ひいては、より小さい体積)で送達できることが予想される。これは、投与時の患者へのいかなる不快感も最小限に維持されることが保証する。
該組成物はまた、保存、湿潤、乳化、および分散剤等のアジュバントを含むことができる。微生物の成長の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等により保障される。また、等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を含むことも、望ましくなり得る。モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の、吸収を遅延させる薬剤を使用することにより、該注射医薬形態の長期吸収をもたらすことができる。
これに限定されないが、米国特許をはじめとする、本明細書中において参照される、全ての公開されている文献は、参照により具体的に組み込まれる。
例
以下の例は、本発明を例証するために提供される。しかしながら、本発明は、これらの例中に記載される、特定の条件または詳細に限定されないことは、理解されるべきである。
パーセンテージ(%)の表現で明記される、全ての単位は、本明細書中において、重量パーセンテージ(%w/w)を指し、すなわち、構成物質の重量は、調製された試料の全重量のパーセンテージとして表現される。
Horibaは、LA950粒子サイズ分析器のHoriba LA910(Horiba Instruments、Irvine、California、USA)を指す。
以下の例の全てにおいて、磨砕は、10ml、50ml、または100mlのチャンバサイズを有する、NanoMill(登録商標)0.01(Alkermes Pharma Ireland Limited)において、Dow Chemical Co.(Michigan、米国)により供給された、500μmまたは250μm Polymill(登録商標)粉砕媒体(PolyMill(登録商標)は、Alkermes Pharma Ireland Limitedの登録商標である)により実施した。
別段の表示がない限り、材料は、以下のように供給された:ポリソルベート20、クエン酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムは、J.T.Baker(登録商標)ブランド、Avantor Performance Materials, Inc、Philadelphia、USAで、Avantor(商標)Performance Materialsから供給されている。。リン酸緩衝生理食塩水は、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物(NaH2PO4 2H2O)の場合、EMD Milliporeにより、また、二塩基性リン酸ナトリウム無水物(NaH2PO4)の場合、J.T.Baker(登録商標)ブランドで、Avantor(商標)Performance Materialsにより供給された。アルギニン−HCLは、Sigma−Aldrich Co. LLC(St.Louis、MO、USA)により供給された。アリピラゾール ラウロキシルおよびアリピプラゾール カボキシルは、米国特許第8,431,576号に記載のように、生産することができる。以下に記述される製剤は、それぞれ、固体粒子形状から生産され、アリピラゾール カボキシルの場合、磨砕前の粒子径(Dv50)は8ミクロンより大きく、アリピプラゾール ラウロキシルの場合、磨砕前の粒子径(Dv50)は、10ミクロンより大きかった。
いくつかの場合において、該組成物のいくつかの成分に対して、略語が使用される。例えば、PS20は、ポリソルベート20を示し、PBSは、リン酸緩衝生理食塩水を示し、CBSは、クエン酸緩衝生理食塩水を示す。これに限定されないが、特許をはじめとする、本明細書中において参照される、全ての公開されている文献は、参照により具体的に組み込まれる。
例1:げっ歯類動物試験
この試験の目的は、200nmより小さな体積基準粒子サイズ(Dv50)を有する、アリピプラゾール カボキシルの分散液の薬物動態特性を、より大きな粒子径のアリピプラゾール カボキシルの分散液と比較することにあった。
3つの試料を、以下のように調製した。
製剤1は、以下のステップに従って調製した。まず、13.6%(w/w)のアリピプラゾール カボキシルおよび1.6%(w/w)のポリソルベート20の粗スラリー4.66gを調製した。次いで、0.8%(w/w)のポリソルベート20、および残りのリン酸緩衝生理食塩水から調製された、10mMの緩衝溶液を添加して、前記混合物を希釈した。次いで、10mlのチャンバおよび真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01に、該スラリーを移した。該スラリーを、まず、スパチュラを用いて手動で混合した。該組成物を、2500rpm(毎分回転数)の磨砕速度で60分間磨砕した。このプロセス中の磨砕温度は、15℃であった。Vectaspin管を使用して、10℃の温度で、10分間の期間にわたり、2500rpmの磨砕速度で、得られた混合物を、選抜収集した。力価検定により決定された、最終組成物は、8.39%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20、10mMのリン酸塩緩衝剤および0.8%(w/w)の塩化ナトリウムを含んでいた。薬物対表面安定剤の比は、約5:1であった。観察媒体として水を使用して(79%TのDDH20;RI=1.57−0.01i)、Horiba LA950で粒子径分析を行い、そして、該組成物は、194nmのDv90、120nmのDv50および73nmのDv10を具える、127nmの平均粒子径を有していることが見出された。
製剤2(比較)を、本発明の組成物より大きい粒子径を有する、比較組成物として調製した。まず、13.6%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル結晶および1.6%(w/w)のポリソルベート20の粗スラリーを調製し、1時間混合した。次いで、これを、1.6%(w/w)のポリソルベート20およびリン酸緩衝生理食塩水を含む緩衝溶液で、所望の力価まで希釈した。該最終組成物は、約8.8%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20、10mMのリン酸緩衝生理食塩水、および0.8%(w/w)の塩化ナトリウムを含んでいた。最終組成物は、pH 6.9および容積モル浸透圧濃度 279を有すると決定された。Horiba LA910で粒子径分析を行い、その際、観察媒体は、0.1%(w/w)のポリソルベート20を含む水であった。分析の前に1分間にわたり、該組成物を、超音波処理に供した。該組成物は、28,000nm(28μm)の平均粒子径、52,800nm(52.8μm)のDv90および3,774nm(3.8μm)のDv10を有すると決定された。
製剤3(比較)は、本発明の技術範囲外の、追加的な組成物であった。この製剤は、8.3%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、2%(w/w)のカルボキシメチルセルロース、0.2%(w/w)のポリソルベート20、10mMのリン酸塩緩衝剤、および0.6%(w/w)の塩化ナトリウムを含んでいた。粒径測定用媒体として水および0.1%(w/w)のポリソルベート20の混合物を使用する、Horiba LA 910による粒子径分析に先立ち、該組成物を、1分間超音波処理した。該組成物は、26,200nm(26.2μm)の平均粒子径、3,616nm(3.6μm)のDv10および51,260nm(51.3μm)のDv90を有すると決定された。
3つ全ての製剤は、投薬の前に室温で保存された。6匹のラット対象を使用した。該組成物を、約20mgの有効性成分含量、65mg/mLの活性物質濃度および0.3mLの投薬体積で筋肉内に投薬した。
血漿中のアリピプラゾール濃度として測定される、薬物動態特性を、以下の表1に示す。
製剤1、2(比較)および3(比較)に対する、平均アリピプラゾール濃度曲線を、図2に示す。本発明にかかるアリピプラゾール カボキシルの製剤(製剤1)が、in vivoで観察されるTmaxに大きな変化をもたらしていることを、この試験は、実証している。この場合、Tmaxは、より大きな粒子径の比較組成物の場合の168時間から、本1000nmより小さな粒子径を有する、発明にかかる組成物の場合の6時間に短縮された(すなわち、Tmaxの1/28の低下、または、96%の低下)。
例2:げっ歯類動物試験(比較例)
1000nmを若干超える粒子径を有する、アリピプラゾール カボキシルの分散液の薬物動態特性を決定するために、更なるげっ歯類動物試験を比較例として行った。
製剤4(比較)は、以下のように調製した。30%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20および水の粗スラリーを調製した。次いで、10mlのチャンバおよび真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01に移す前に、これを5〜10分間混合した。次いで、500μmのPolyMill磨砕媒体を添加して、69%(w/w)の媒体投入量(media load)(4.21gの媒体)とした。これを、15℃で45〜60分の間、1500rpmで磨砕した。捕集後のこの組成物の濃度は、1.6%(w/w)のポリソルベート20中、29%(w/w)のアリピプラゾール カボキシルであった。その後、これを、1.6%(w/w)のポリソルベート20および10mMのリン酸緩衝生理食塩水を含む緩衝溶液中で、所望の力価まで希釈した。最終組成物は、リン酸緩衝生理食塩水中に、7.9%(w/w)のアリピプラゾー ルカボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20を含み、pH 7.03および容積モル浸透圧濃度 253を有していた。希釈剤として水を使用して(RI=1.57−0.01i)、Horiba 950で粒子径分析を行い、そして、平均粒子径は1080nmであり、Dv90は1,740nmであり、Dv50は1,030nmであると決定された。表面安定剤の遊離成分は、21μg/mlであると決定された。
試験は、4匹のラット対象を使用して実施した。該組成物を、20mgの有効性成分含量および0.3mLの投薬体積で筋肉内に投薬した。
全血中で測定された、平均アリピプラゾール濃度値を、以下の表2に示す。これらの値は、例1の製剤1〜3に対して得られたそれぞれの濃度曲線と、比較されるように、図2に描かれる濃度曲線中にプロットされている。
この試験から導かれるデータは、1μmを若干超える粒子径を有するアリピプラゾール カボキシルの製剤が、共に本発明の粒子径より数桁大きい粒子径を有する、製剤2(比較)および製剤3(比較)の場合にin vivoで観察されたものと、非常に類似している薬物動態特性を示すことを実証している。
例3:げっ歯類動物試験
この試験の目的は、200nm〜1000nmの間の粒子径を有するアリピプラゾール カボキシル組成物の薬物動態特性を比較することにあった。
製剤5および6は、以下に記載の製剤化の詳細に従って調製した。
製剤5の場合、15%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20および水を含む粗スラリー(全5.86g)を調製した。500μmのPolyMill磨砕媒体を添加し、総量は4.21gとなった(すなわち、69%の媒体投入量)。これを、10mlのチャンバおよび真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01に移し、そして、スパチュラを使用して5〜10分間手動で混合した。該組成物を、15℃で55分間、2500rpmで磨砕した。次いで、磨砕された組成物を、Vectaspin管を使用して収集した。捕集後の濃度は、13.7%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベートおよび残りの水であった。次いで、これを、1.6%(w/w)のポリソルベート20および10mMのリン酸緩衝生理食塩水の緩衝溶液で、所望の力価まで希釈した。最終組成物は、8.4%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20およびリン酸緩衝生理食塩水を含み;そして、6.9のpHおよび287mOsm/kgの容積モル浸透圧濃度を有していた。希釈剤として水を使用して(RI=1.57−0.01i)、Horiba 950で粒子径分析を行い;該組成物は、245nmの平均粒子径、459nmのDv90、200nmのDv50および91nmのDv10を有すると決定された。
製剤6の場合、水中に、15%(w/w)のアリピプラゾール カボキシルおよび1.6%(w/w)のポリソルベート20を含む粗スラリー(全5.86g)を調製した。500μmのPolyMill磨砕媒体を添加した(すなわち、69%(w/w)の媒体投入量または4.21g)。該スラリーを、10mlのチャンバおよび真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01に移送し、そして、スパチュラを使用して5〜10分間手動で混合した。該組成物を、1500rpmで45分間磨砕し、シリンジを使用して収集した。捕集後のそれぞれの成分の濃度は、12.9%(w/w)のアリピプラゾール カボキシル、1.6%(w/w)のポリソルベート20および水であることが決定された。これを、再び1.6%(w/w)のポリソルベート20および10mMのリン酸緩衝生理食塩水の緩衝溶液で、所望の力価まで希釈した。該最終組成物は、リン酸緩衝生理食塩水中、8.1%(w/w)のアリピプラゾール カボキシルおよび1.65%(w/w)のポリソルベート20であった。281mOsm/kgの容積モル浸透圧濃度を具え、測定されたpHは、7.0であった。粒径測定用媒体として水を用いた(RI−1.57−0.01i)、Horiba 950での粒子径分析では、該組成物の平均粒子径は、942nmのDv90、363nmのDv50、143nmのDv10を具え、475nmであると決定された。
試験は、4匹のラット対象を使用して実施した。該組成物を、20mgの有効性成分含量および0.3mLの投薬体積で筋肉内に投薬した。in vivoで測定された、様々な時点における、血漿中の平均アリピプラゾール濃度が、表3中に記載されそして、、図3に示されるアリピプラゾール濃度曲線中にプロットされている。
この試験の結果は、より小さい粒子径は、より高いアリピプラゾールの曝露を示したことを示唆している。
例4:げっ歯類動物試験
この試験は、in−vivoモデルにおけるアリピプラゾール ラウロキシルに焦点を置いた。この試験の目的は、アリピプラゾール ラウロキシルの場合、薬物動態特性の変化(例えば、立上り時間またはTmaxの短縮)が、1000μm未満の範囲への粒子径の低減により達成可能であるかどうかを検証することにあった。該試験では、本発明にかかる粒子径範囲を有するアリピプラゾール ラウロキシルの製剤の薬物動態特性を、粒径範囲が本発明の範囲外にあるアリピプラゾール ラウロキシルの製剤と比較した。
製剤7は、アリピプラゾール ラウロキシルを含でおり、以下のように調製した。まず、30%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、2%(w/w)のポリソルベート20および水の粗スラリー5.86gを調製した。10mlのバケットおよび真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01内での磨砕に先立ち、これを、5〜10分間混合した。使用した磨砕媒体は、500μmのPolyMillであった(4.21g添加、69%(w/w)媒体投入量)。組成物を、15℃で35分の期間、2500rpmで磨砕した。捕集後、磨砕された組成物を、水および10mMのクエン酸緩衝生理食塩水で、所望の力価まで希釈した。最終組成物は、10mMのクエン酸緩衝生理食塩水中に、9.2%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、0.67%(w/w)のポリソルベート20を含んでいた。pHは、6.6であると決定され、そして、容積モル浸透圧濃度は281mOsm/kgであった。希釈剤として水を使用して(RI:1.62−0.01i)、Horiba 950で粒子径分析を行い、そして、286nmのDv90、157nmのDv50、82nmのDv10を具え、平均粒子径が174nmであると決定された。
製剤8および9は、同じ磨砕されたスラリーから調製され、ただ、製剤9は、いかなる緩衝剤、等張剤または低張剤も使用せずに調製された点においてのみ、相違していた。製剤8および9の両方の粗スラリーは、30%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、2%(w/w)のポリソルベート20および水を含んでいた。粗スラリーは、全体で5.86gと計算された。10mlのバケットおよび真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01内で磨砕に先立ち、これを、5〜10分間混合した。使用した磨砕媒体は、500μmのPolyMillであった(4.21g添加、69%(w/w)媒体投入量)。組成物を、15℃で30分の期間、2500rpmで磨砕した。捕集後、製剤8の場合、磨砕された組成物を、10mMのクエン酸緩衝生理食塩水で、所望の力価まで希釈した。最終組成物は、10mMのクエン酸緩衝生理食塩水中、9.56%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、および0.67%(w/w)のポリソルベート20を含んでいた。pHは、6.3であると決定され、そして、容積モル浸透圧濃度は229mOsm/kgであった。希釈剤として水を使用して(RI:1.62−0.01i)、Horiba 950で粒子径分析を実施し、そして、649nmのDv50、1134nmのDv90、284nmのDv10を具え、平均粒子径が687nmであると決定された。製剤9の場合、希釈にはただの水を使用した。最終組成物は、水中、9.41%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、0.67%(w/w)のポリソルベート20を含んでおり、そして、6.4のpHを有していた。粒子径分布は、上記の製剤8と非常に類似していた(平均は、584nmであり、Dv50は、549nmであり、Dv90は、961nmであり、Dv10は、261nmであった)。
製剤10は、クエン酸緩衝生理食塩水中に、10%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル+2%(w/w)のポリソルベート20(LSC12−226)を含む、磨砕されていない比較製剤であった。組成物は、調製し、一晩撹拌してから投薬した。264mOsm/kgの容積モル浸透圧濃度を具え、最終pHは6.2であった。14,200nm286nmのDv90、7,500nmのDv50、7,500nmのDv10を具え、平均粒子径が17,000nmと測定された。
製剤をラットに投薬し、そして、その投薬詳細は、以下の表4に提示されている。ARI投薬量と標示された欄は、ミリグラム単位でのアリピラゾール等価投薬量値を表示している。
様々な時点にわたってin vivoで測定された平均アリピプラゾール値を、以下の表5に表記している。これらの値はまた、図4中にプロットされている。
結果は、アリピプラゾール ラウロキシルの粒子径を1000nmより小さくなるまで低減させると、14,200nmのDv50を有するより大きな粒子径の比較製剤(製剤10)と比較して、より迅速な立上りおよび短縮されたTmaxをもたらすことを示している。そのような特性は、導入製剤に関連して有用である。この試験は、1000nm未満の範囲内の粒子径の効果を検証する、アリピプラゾール ラウロキシルを用いた、更なる試験の基礎を提供した。
例5:イヌの動物試験
この試験の目的は、イヌにおいてin vivo投薬された場合の、約350nmの粒子径、約450nmの粒子径、ならびに、該粒子の混合集団を有する、アリピプラゾール ラウロキシル組成物において、得られる、それぞれの薬物動態プロファイルを調べることにあった。
製剤11:30%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、2%(w/w)のポリソルベート20および水を含む粗スラリー(全73g)を調製した。混合物を、50mlのバケットおよびペグ付シャフト(pegged shaft)を有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルで、300rpmで5分間、および1300rpmで330分間磨砕した。500μmのPolyMill磨砕媒体を使用し、そして、全媒体投入量は69%(w/w)であった。得られた混合物を、層流フード内で、5mlのシリンジおよび23ゲージ針を使用して、手作業により収集し、力価を試験し、次いで希釈した。最終組成物は、10mMのクエン酸緩衝生理食塩水中、14.3%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシルおよび1%(w/w)のポリソルベート20を含み、そして、6.3のpHおよび320mOsm/kgの容積モル浸透圧濃度を有していた。Horiba 950(粒径測定用媒体は水であった)で粒子径分析を実施し、そして、平均粒子サイズが395nmであり、Dv90が623nmであり、Dv50が368nmであり、Dv10が205nmであると、決定された。
製剤12:アリピプラゾール ラウロキシル30%(w/w)、表面安定剤としての2%(w/w)のポリソルベート20および水を含む粗スラリー(全73g)を調製した。1.6%(w/w)のアルギニンHClを、緩衝剤として添加した。組成物を、50mlのバケットおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルで、500μmのPolyMill媒体を使用して、69%(w/w)の媒体投入量で磨砕した。磨砕温度は15℃に維持した。組成物を、300rpmで5分間磨砕し、引き続き、1300rpmで335分間磨砕した。次いで、磨砕された組成物を、層流フード内で、5mlのシリンジおよび23ゲージ針を使用して手作業により収集し、力価を試験し、次いで希釈した。その後、組成物を、アルギニン−HCL溶液で所望の力価まで希釈した。最終組成物は、14.9%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、1%(w/w)のポリソルベート20および1.6%(w/w)の塩酸アルギニンを含んでいた。粒径測定用媒体として水を使用して、Horiba 950で粒子径分析を実施し、そして、平均粒子径が465nmであり、Dv90が794nmであり、Dv50が447nmであり、Dv10が231nmであると決定された。182mOsm/kgの容積モル浸透圧濃度を具え、pHは5.7と測定された。
製剤13:この組成物は、それに基づき、導入剤を、より大きな粒子径の成分と組み合わせる、本発明にかかる組成物の特性を決定するために調製された。混合粒子径集団は、製剤11からの粒子を、粒径が19,000nmの粒子と組み合わせることにより調製した。該マイクロメートルサイズの粒子は、30%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシルを2%(w/w)のポリソルベート中に混合し、混合物を一晩放置することにより調製した。
製剤11の粒子およびマイクロメートルサイズの粒子は、1:1の重量比で混合され、そして、クエン酸緩衝生理食塩水を使用して所望の濃度まで希釈した。最終組成物は、73.5mg/mlの製剤11、73.5mg/mlのマイクロメートルサイズの粒子、10mMのCBS、および水を含んでいた。全体で、投薬された組成物は、クエン酸緩衝生理食塩水中、10.3%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、1%(w/w)のポリソルベート20を含み、そして、6.6のpHおよび324mOsm/kgの容積モル浸透圧濃度を有していた。
製剤11、12および13の一部を、安定性試験のために保管した。安定性試験から導かれるデータを、以下の表6に要約する。データは、組成物が3ヶ月の試験期間にわたり安定であることを示している。
イヌの動物試験において、投薬されたイヌの数は、製剤当たり4匹であった。イヌは、筋肉内に投薬された。薬物動態分析用の試料は、投薬から672時間(28日)後まで、投薬から一定間隔で収集した。
各試料のそれぞれにおける、アリピプラゾールの濃度を測定した。全血中で測定された(試験における全てのイヌに対する)平均薬物動態パラメータは、以下の表7に提示されている。
結果は、約20ミクロンの粒子径を有するより大きな製剤と比較して、製剤11、12および13は、Tmaxまでの短縮された時間を示すことを示している。製剤11の場合、プロドラッグ部分に対する比較的高い早期曝露が観察された。製剤13の場合、アリピプラゾール濃度の迅速な立上りが観察され、続いて、観察された期間を通して、アリピプラゾール濃度の延長された補填が観察された。図5は、in vivoで測定された平均アリピプラゾール濃度を表示している。
例6:イヌの動物試験
より大きなアリピプラゾールプロドラッグ粒子径を有する組成物と比較して、本発明にかかる組成物の薬物動態特性における、より迅速な立上りおよび短縮されたTmaxを示唆している、上述の試験の知見に立脚して、この試験の目的は、本発明の組成物を定義している、1000nm未満の範囲内の様々なアリピプラゾールプロドラッグ粒子径を使用することの影響を、より具体的に検証することにあった。さらにまた、この試験は、本発明により特定される、粒径範囲(1000nmより小さい)の製剤と、アリピプラゾール ラウロキシルのより大きな粒子径の製剤との混合物を使用することにより達成することが可能な薬物動態プロファイルを決定することを目的とした。
製剤14:13%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル組成物、および表面安定剤として使用される、1.3%(w/w)のポリソルベート20を含む粗スラリー(全53g)を調製した。したがって、アリピラゾール ラウロキシル対表面安定剤の比は、約10:1であった。緩衝剤として、10mMのクエン酸緩衝生理食塩水を添加した。組成物を、100mlのチャンバ体積を有するNanomill 0.01内で、真直ぐな(ペグ無の)シャフトを使用して、973rpmの磨砕速度で15℃の温度で240分間磨砕した。使用した媒体は、500μmのPolymill磨砕媒体であり、媒体投入量は69%であった。Horiba LA950での最終粒子径分析では、110nmの平均粒子径、164nmのDv90、103nmのDv50および67nmのDv10が決定された。
製剤15:まず、15%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として使用される、1%(w/w)のポリソルベート20を含む粗スラリー(5.86g)を調製した。したがって、アリピラゾール ラウロキシル対安定剤の全体的な比は、15:1であった。緩衝剤として、クエン酸緩衝生理食塩水を添加した。組成物を、10mlのチャンバ体積を有する、Nanomill 0.01内で、真直ぐなシャフトを使用して、2500rpmの磨砕速度で15℃の温度で105分間磨砕した。使用した媒体は、500μmのPolymill磨砕媒体であり、媒体投入量は69%であった。Horiba LA950で測定された最終組成物の平均粒子径は192nmであり、347nmのDv90、153nmのDv50、77nmのDv10を具えている。
製剤16は、約100nmの体積基準粒子サイズ(Dv50)を有する組成物(上記製剤16)100mgと、約20μm(20,000nm)の体積基準粒子サイズ(Dv50)を有するより大きな粒子径のアリピラゾール ラウロキシルの組成物100mgとの混合物であった。緩衝剤として、クエン酸緩衝生理食塩水を添加した。
製剤17:13%(w/w)のアリピプラゾール ラウロキシルを含む粗スラリー(53g)を調製した。表面安定剤として、ポリソルベート1.3%(w/w)および2%(w/w)のデキストロースを添加した。アリピプラゾール ラウロキシル対安定剤の全体的な比は、約10:1であった。緩衝剤としてアルギニンを添加した。組成物の磨砕は、100mlのチャンバ体積および真直ぐなシャフトを有する、NanoMill 0.01を使用して行った。磨砕速度は973rpmであり、15℃で240分間組成物を磨砕した。磨砕媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。媒体投入量は69%であった。Horiba LA950で測定された平均粒子径は、105nmであり、155nmのDv90、97nmのDv50、65nmのDv10を具えている。
試験においては、製剤当たり合計4匹のイヌを使用し、投薬は全て筋肉内投与であった。製剤14は、100mgのアリピラゾールまたは147mgのアリピプラゾール ラウロキシルと等価のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり1.1mlであった。製剤15は、100mgのアリピラゾールまたは147mgのアリピプラゾール ラウロキシルと等価のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり1mlであった。製剤16は、200mgのアリピプラゾール(混合物中の、各100mgが各粒子径成分に由来する)または147mgのアリピプラゾール ラウロキシルと等価のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり2.1mlであった。製剤17は、100mgのアリピラゾールまたは147mgのアリピプラゾール ラウロキシルと等価のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり1.1mlであった。薬物動態分析用の試料は、投薬から672時間(28日)後まで、投薬から一定間隔で収集した。
収集した全血の試料を分析した。アリピプラゾール ラウロキシルおよびアリピプラゾールの濃度を測定した。アリピプラゾールに対する平均濃度値を、以下の表8中に示す。
図6は、製剤14〜17について、イヌモデルにおいてin vivoで測定された平均アリピプラゾール濃度を表示している。粒径約20ミクロンのアリピプラゾール ラウロキシル製剤と比較して、製剤14〜17の全てが、短縮された立上り時間およびTmaxを有することが認められた。
例7:イヌの動物試験
この例の目的は、動物モデルにおける、様々なアリピプラゾール組成物に対する薬物動態パラメータを決定することにあった。この試験は、特に、イヌにおいて、in vivoで測定されるアリピプラゾールプロドラッグおよびアリピプラゾールのレベルに対する、表面安定剤の投薬レベルおよび量の効果に焦点を置いた。
製剤18:まず、表面安定剤として、ポリソルベート20が2%(w/w)のレベルで使用されている、粗スラリー(116g)を調製した。クエン酸塩緩衝剤を、15:1の量で使用した。組成物の磨砕は、100mlのチャンバ体積およびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01を使用して実施した。磨砕は、最初に3100rpmの速度で45分間、その後、700rpmで20分間行った。磨砕温度は15℃であった。500μmのPolyMill磨砕媒体を使用した。媒体投入量は89%であった。全有効性成分含量は、100mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、296.8nmのDv90値、166.1nmのDv50値、および84.0nmのDv10値を有することが見出された。
製剤19:まず、表面安定剤として、ポリソルベート20が1%(w/w)のレベルで使用されている、粗スラリー(58g)を調製した。クエン酸塩緩衝剤を、28:1の量で使用した。50mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01ミルで磨砕を実施した。磨砕速度は、962rpmで180分間であり、これをその後、450rpmで60分間に低下させた。磨砕プロセスを、8℃から10℃の間の温度で行われた。使用した媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。全媒体投入量は89%であった。全有効性成分含量は、300mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、679.1nmのDv90値、242.6nmのDv50値、および88.1nmのDv10値を有することが見出された。
製剤20:まず、表面安定剤として、ポリソルベート20が2%(w/w)のレベルで使用されている、粗スラリー(116g)を調製した。クエン酸塩緩衝剤を、15:1の量で使用した。磨砕は、100mlのチャンバ体積およびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01ミルを使用して実施した。磨砕速度は、3100rpmで45分間、および700rpmで20分間であった。磨砕温度は15℃であった。使用した媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。媒体投入量は89%であった。全有効性成分含量は、300mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、296.8nmのDv90値、166.1nmのDv50値、および84.0nmのDv10値を有することが見出された。
製剤21:まず、表面安定剤として、ポリソルベート20が3%(w/w)のレベルで使用されている、粗スラリー(116g)を調製した。クエン酸塩緩衝剤を、10:1の量で使用した。磨砕は、100mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01を使用して実施した。磨砕速度は、最初は3100rpmで4分間であり、389rpmで50分間に低下させ、次いで、3100rpmで40分間に上昇させ、最後に、450rpmで90分間に低下させた。磨砕温度は8℃であった。使用した媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。全媒体投入量は89%であった。組成物の最終有効性成分含量は、300mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、361.8nmのDv90値、151.8nmのDv50値、および76.4nmのDv10値を有することが見出された。
製剤22:まず、表面安定剤として、ポリソルベート20が2%(w/w)のレベルで使用されている、粗スラリー(全116g)を調製した。リン酸塩およびクエン酸ナトリウム緩衝剤を、15:1の量で使用した。磨砕は、100mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01を使用して実施した。磨砕速度は、最初、45分の期間は、3100rpmであり、次いで、これを700rpmで20分間に低下させた。磨砕温度は15℃であった。使用した媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。全媒体投入量は89%であった。全有効性成分含量は、300mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、306nmのDv90値、171nmのDv50値、および86nmのDv10値を有することが見出された。
製剤23:まず、表面安定剤として、2%(w/w)のレベルで使用されたポリソルベート20を含む、粗スラリー(全116g)を調製した。クエン酸塩緩衝剤を、15:1の量で使用した。磨砕は、100mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01を使用して実施した。磨砕速度は、最初、45分の期間は、3100rpmであり、次いで、これを700rpmで20分間に低下させた。磨砕温度は15℃であった。使用した媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。全媒体投入量は89%であった。全有効性成分含量は、700mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、296.8nmのDv90値、166.1nmのDv50値、および84.0nmのDv10値を有することが見出された。
製剤24:まず、表面安定剤として、2%(w/w)のレベルで使用されたポリソルベート20を含む、粗スラリー(全116g)を調製した。クエン酸塩/スクロース緩衝剤を、15:1の量で使用した。磨砕は、100mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill 0.01を使用して実施した。磨砕速度は、最初、45分の期間は、3100rpmであり、次いで、これを700rpmで20分間に低下させた。磨砕温度は15℃であった。使用した媒体は、500μmのPolyMill磨砕媒体であった。全媒体投入量は89%であった。全有効性成分含量は、300mgのアリピプラゾールと等価であった。製剤化後に測定された粒子径分布は、301nmのDv90値、168nmのDv50値、および84nmのDv10値を有することが見出された。
各製剤に対して、合計4匹のイヌを使用した。製剤は全て筋肉内投与した。製剤18は、147mgのアリピプラゾール ラウロキシル(100mgのアリピプラゾールと等価)のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり0.67mlであった。製剤19、20、21、22および24は、441mgのアリピプラゾール ラウロキシル(300mgのアリピプラゾールと等価)のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり2mlであった。製剤23は、1029mgのアリピプラゾール ラウロキシル(700mgのアリピラゾールと等価)のレベルで投薬し、投薬体積は動物当たり4.7mlであった。
全血中で測定された平均アリピプラゾール濃度を、以下の表11に示す。これらの値はまた、図7および8中にプロットされている。図7は、製剤18、20および23に対して、in vivoで測定された平均アリピプラゾール濃度を直接比較している。図8は、製剤19、20および21に対して、in vivoで測定された平均アリピプラゾール濃度を直接比較している。
各群に対して計算された、アリピプラゾールレベルに対する平均薬物動態パラメータは、以下に示す表12中にされている。
曝露に対する投薬レベルの効果に関して、得られた結果から、以下の結論に達することができる。製剤18は、100mgの投薬量のアリピラゾールを含有し、製剤23は、700mgの投薬量を含有し、製剤19〜22および24は、300mgの投薬量を含有していた。投薬量の増加は、血液中で検出されるアリピプラゾール ラウロキシル(プロドラッグ)のレベルの増加をもたらしたことが認められる。第2に、投薬量を増加させることにより、測定されるアリピプラゾールのレベルが増加したことが認められる。
全体的なプロドラッグ曝露に対する、存在するポリソルベート20のパーセンテージの効果に関して、以下が観察された。製剤19は、全組成物の1%(w/w)の、最も低いポリソルベート20のレベルを有していた。製剤18、20、22、23および24は、2%(w/w)のより高いレベルを有し、製剤21は、3%(w/w)の、最も高いレベルを有していた。組成物中のポリソルベート20のパーセンテージの増加は、投薬量のうちのより高い遊離成分をもたらすことが見出された。したがって、血液中のアリピプラゾールおよびプロドラッグのレベルは、存在するポリソルベート20のパーセンテージを増加させることにより、増加していることが見出された。
例8:イヌの動物試験
この最後のイヌの動物試験の目的は、イヌにおける単回筋肉内注射後の全血において測定されるアリピプラゾール ラウロキシルおよびアリピプラゾールのレベルに対する、粒子径ならびに活性表面安定剤との比の効果を決定することにあった。試料は、本質的に同じ構成物質から調製され、アリピプラゾール ラウロキシル粒子の粒子径が変更され、および/または存在する表面安定剤の総量が変更された。製剤は、以下のように調製した。
製剤25は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1.53%w/wのポリソルベート20(すなわち、約17:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全136g)から調製された。これに、26mMのクエン酸ナトリウムと共に、10mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)を添加した。粒径が250μmのPolymill磨砕媒体を、全媒体投入量を80%とする量で添加した。スラリーを、ペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルの100mlのチャンバ内に入れ、5℃の温度で1000rpmで合計1860分間磨砕した。投薬前の最終組成物は、113nmの平均粒子径、166nmのDv90、107nmのDv50、および69nmのDv10を有していた。
製剤26は、26%w/wのアリピプラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1.53%w/wのポリソルベート20(すなわち、約17:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全136g)から調製された。これに、26mMのクエン酸ナトリウムと共に、10mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)を添加した。粒径が500μmのPolymill磨砕媒体を、全媒体投入量が80%となるように添加した。スラリーを、100mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミル内で、5℃の磨砕温度で1000rpmで723分間磨砕した。最終組成物は、202nmの平均粒子径、366nmのDv90、167nmのDv50、および82nmのDv10を有していた。
製剤26の粘度を、25℃の温度で様々なせん断速度で決定した。1s−1のせん断速度では、粘度は約9cPであると決定された。粘度プロファイルは、ずり減粘型プロファイルに従うことが観察され、100〜1000s−1の間に、約3.5〜4cPに維持されたせん断速度を伴う、ニュートン領域が観察された。この試験は、製剤26が、組成物を注射する際、せん断速度は一般に増加する、注射製剤の状況下においては、有利な粘度特性を有することが示している。図18は、製剤26における、粘度対せん断曲線を示す。
製剤27は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として。1.53%w/wのポリソルベート20(すなわち、約17:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全136g)から調製した。これに、26mMのクエン酸ナトリウムと共に、10mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)を添加した。500μmの粒径を有する、Polymill磨砕媒体を添加し、全媒体投入量は80%であった。スラリーを、ペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルの100mlのチャンバ内に入れ、5℃の温度で1000rpmで合計538分間磨砕した。最終組成物は、445nmの平均粒子径、769nmのDv90、398nmのDv50、および180nmのDv10を有していた。
製剤28は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1.73%w/wのポリソルベート20(すなわち、約15:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全136g)から調製した。これに、26mMのクエン酸ナトリウムと共に、10mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)を添加した。粒径が250μmのPolymill磨砕媒体を、全媒体投入量を80%とする量で添加した。スラリーを、100mlのチャンバおよびペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミル内で、5℃の磨砕温度で1000rpmで合計1200分間磨砕した。最終組成物は、109nmの平均粒子径、161nmのDv90、102nmのDv50、および68nmのDv10を有することが見出された。
製剤29は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、2.6%w/wのポリソルベート20(すなわち、約10:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全136g)から調製した。これに、26mMのクエン酸ナトリウムと共に、10mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)を添加した。粒径が250μmのPolymill磨砕媒体を、全媒体投入量を80%とする量で添加した。スラリーを、ペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルの100mlのチャンバ内に入れ、5℃の温度で1000rpmで合計1200分間磨砕した。最終組成物は、113nmの平均粒子径、168nmのDv90、106nmのDv50、および68nmのDv10を有することが見出された。
製剤30は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1%w/wのポリソルベート20(すなわち、約26:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全136g)から調製した。これに、26mMのクエン酸ナトリウムと共に、10mMのリン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)を添加した。粒径が500μmのPolymill磨砕媒体を、全媒体投入量を80%とする量で添加した。スラリーを、ペグ付シャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルの100mlのチャンバ内に入れ、5℃の温度で1000rpmで合計90分間磨砕した。最終組成物は、449nmの平均粒子径、765nmのDv90、407nmのDv50、および184nmのDv10を有することが見出された。
以下の表13に記載されるように、上述の製剤25〜30のそれぞれについて、遊離表面安定剤および溶解しているアリピプラゾール ラウロキシルのレベルを、HLPC分析を使用して実験的に決定した。製剤のいくつかにおいては、遊離表面安定剤または溶解しているアリピプラゾール ラウロキシルの量は検出レベルより小さく、表中では、<LODと略記されている。
上述の製剤25〜30のそれぞれを、4匹の雄のイヌに筋肉内投薬した。各製剤における、動物当たりの投薬レベルは、300mgのアリピプラゾールまたは441mgのアリピプラゾール ラウロキシルと等価であった。各投薬試料について、目標投薬体積は、動物当たり1.6mLであった。投薬後、以下の時点(時間)にわたり、全血を収集した:0.25、0.5、1、2、3、6、12、24、36、48、60、72、120、168、240、336、408、504、576、および672。上述の時点にわたり、全血中のアリピプラゾールおよびアリピプラゾール ラウロキシルのレベルを分析し、平均値を、それぞれ、以下の表14および表15に示す。
データは、所与の粒子径分布(例えば100nm)においては、製剤中の表面安定剤の量を増加させた場合、アリピプラゾール ラウロキシルの曝露が増加することを示している。図11および16は、製剤25、28および29のイヌへの筋肉内投薬後に決定された、アリピプラゾール ラウロキシルの曲線下面積(AUC)を図示している。同様に、アリピプラゾールの曝露は、表面安定剤の関数として、増加している(図17および12)。これは、一定の粒子径、すなわち表面積では、表面安定剤は、全ての表面が被覆されるまで、該粒子の表面に付着するという事象により説明され、製剤ビヒクル中に存在する任意の過剰の安定剤は、遊離安定剤と呼ばれる。遊離安定剤の量が増加すると、アリピプラゾール ラウロキシルの溶解度が増加する。これは、表13中に示され、図18中に図示されている、in−vitroデータにより裏付けられる。より多くのアリピプラゾール ラウロキシルが溶解する際、イヌモデルにおける曝露は増加し、そして、結果として、アリピプラゾール曝露が増加する。
より大きな粒子径、すなわち、より小さい表面積を有する製剤27および30においても、同様の挙動が観察されている(図13、19Aおよび20)。
製剤25および30は、それぞれ100nmおよび450nmという異なる粒子径を有しているにもかかわらず、この2つの製剤は、検出可能な量の遊離ポリソルベート20ならびに溶解しているアリピプラゾール ラウロキシルを有していない(図21)。その理由は、薬物対安定剤の比が異なるためである。製剤26は、薬物対安定剤の比が同じであるが、製剤25より大きい粒子径(より小さい表面積)を有する。その結果、製剤26は、より多量の遊離ポリソルベート20および溶解しているアリピプラゾールラウロキシルを有する(図21)。
図22は、製剤25、26および30における、アリピプラゾール ラウロキシルおよびアリピプラゾールのAUCを比較している。製剤26は、製剤25より小さい粒子径を有するが、アリピプラゾール ラウロキシルおよびアリピプラゾール曝露は、製剤26において、より高くなっている。これは、製剤中の遊離ポリソルベート20の量、また結果として、溶解しているアリピプラゾール ラウロキシルの量の差をもたらす、薬物対安定剤の比に対する操作に起因する。そのような操作が、より小さな粒子径がより迅速に溶解するという、溶解に対する粒子径(表面積)の効果より優っていた。
製剤25および30を比較する際にも、同様の相関を導き出すことができる。製剤25および30は、非常に異なる粒子径を有するにもかかわらず、イヌにおけるこの2つの製剤の放出プロファイルは類似している(図14、15および19B)。
図9および図10は、薬物対APIの比は一定であり、粒子径は変動している、製剤25〜27について、in vivoで測定した平均アリピプラゾール ラウロキシル濃度を表示している。製剤25(100nm)および27(450nm)と比較して、中間的な粒子径(200nm)を示す製剤26は、アリピプラゾールおよびアリピプラゾール ラウロキシルのより高い初期曝露を有する。
例9
本発明の組成物がサイズ安定性であることを実証するためにいくつかの試験を行ったが、そのいくつかを以下に記述する。
本発明にかかる組成物の安定性を評価するために、製剤31を調製した。20%アリピプラゾール ラウロキシルを含む製剤に対して、4週間の安定性試験を実施した。組成物は、14:1のアリピプラゾール ラウロキシル対表面安定剤の比を有していた。さらに、10mMのリン酸緩衝生理食塩水および26mMのクエン酸緩衝生理食塩水を、緩衝剤として添加した。図17は、製剤31の製剤安定性を実証する、様々な時点にわたる粒子径測定のプロットである。プロット中のデータにより証明されるように、組成物は、試験期間にわたり、ごく僅かな粒子径成長を示すことが見出された。
組成物の製造に加えて、以下の表16中にまとめるように、いくつかの他の製剤に関しても、安定性試験が実施された。
例10
ポリソルベート20は、表面安定剤の好ましい選択であるが、本発明はまた、代替の表面安定剤を使用して、実行することもできる。これを実証するために、ベータヒドロキシルシクロデキストリンで安定化されたアリピプラゾール カボキシル粒子を含む製剤32を調製した。調製直後の組成物は、5%w/wのアリピプラゾール カボキシルおよび10%のベータヒドロキシルシクロデキストリンを含んでいた。最終組成物は、約250nmの粒子径を有し、そして、以下の表17中に概要を示すように、4週間の期間にわたり、ごく僅かな粒子径成長を有することが実証された。
例11
記述している時点において、後述の製剤33〜36は、ヒト試験の一環として、投薬される予定がある。製剤33、34および35は、概ね、上記例8において検討されたイヌ動物試験用に調製された製剤25、26および30に非常に類似している。
製剤33は、26%w/wのアリピプラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1.53%w/wのポリソルベート20(すなわち、約17:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリーから調製する。これに、26mMのクエン酸緩衝生理食塩水と共に、10mMのリン酸塩緩衝剤(pH6.8)を添加する。製剤は、約100nm(±50nm)の投薬前の最終体積基準粒子サイズを製造するために、上で検討された製剤30と同様の様式で磨砕される。
製剤34は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1.53%w/wのポリソルベート20(すなわち、約17:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリーから調製する。これに、26mMのクエン酸緩衝生理食塩水と共に、10mMのリン酸塩緩衝剤(pH6.8)を添加する。製剤は、約200nm(±50nm)の投薬前の最終体積基準粒子サイズを製造するために、上で検討された製剤31と同様の様式で磨砕される。
製剤35は、26%w/wのアリピラゾール ラウロキシル、および表面安定剤として、1%w/wのポリソルベート20(すなわち、約26:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリーから調製する。これに、26mMのクエン酸緩衝生理食塩水と共に、10mMのリン酸塩緩衝剤(pH6.8)を添加する。製剤は、約450nm(±50nm)の投薬前の最終体積基準粒子サイズを製造するために、上で検討された製剤35と同様の様式で磨砕される。
製剤36は、10mMのリン酸塩緩衝剤(pH6.8)中の26%w/wのアリピプラゾールラウロキシル、1%w/wのポリソルベート20(26:1の薬物:表面安定剤比を形成する)を含む粗スラリーから調製する。緩衝剤として、26mMのクエン酸緩衝生理食塩水を添加する。上述の組成物を、最終粒子径が約900nm(±50nm)となるように磨砕する。製剤33〜36の組成物の詳細を、以下の表18にまとめる。
ヒトに投薬する場合の薬物動態特性において、上述の組成物のそれぞれは、より迅速な立上りおよび短縮されたTmaxを示すであろうことが予想され、そして、より大きな粒子径の製剤、特に、本明細書の、先の例中に記載の、20μmのアリピプラゾール製剤と比較して、特に、立上り時間は、大幅に改善されるであろうことが予測される。
例12
げっ歯類モデルにおける、PKに対する二次安定剤の効果:
15%w/wのアリピラゾール カボキシル、および表面安定剤として、1.6%w/wのポリソルベート20(すなわち、約9:1の活性物質対表面安定剤の比)を含む粗スラリー(全5.86g)から、製剤Xを調製した。500μmの粒径を有するPolymill磨砕媒体を添加し、全媒体投入量は69%とした。スラリーを、真直ぐなシャフトを有する、NanoMill(登録商標)0.01ミルの10mlのチャンバ内に入れ、15℃の温度で1500rpmで合計45分間磨砕した。このバッチの一部を、リン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)中の1.6%ポリソルベート20の溶液により、8%アリピラゾール カボキシルまで希釈した。最終組成物は、584nmの平均粒子径を有し、Dv50は549nmであり、Dv90は961nmであり、Dv10は261nmであった。
上記バッチの他の一部を、リン酸緩衝生理食塩水(pH6.8)中の1.6%のポリソルベート20および二次安定剤として、0.1%のプルロニックF108の溶液により、8%のアリピラゾールカボキシルまで希釈することで、製剤Yを調製した。最終組成物は、584nmの平均粒子サイズを有し、Dv50は549nmであり、Dv90は961であり、Dv10は261であった。
製剤XおよびYは、投薬の前に室温で保管された。6匹のラット対象を使用した。組成物を、約20mgの有効性成分含量、65mg/mLの活性物質濃度および0.3mLの投薬体積で筋肉内に投薬した。
製剤XおよびYにおける、平均アリピプラゾール濃度曲線を、図25に示す。該試験は、二次安定剤を添加することにより、Cmaxの大幅な変化がin vivoで観察されたことを明示した。アリピプラゾール曝露は、製剤Xと比較して、製剤Yにおいて、大幅に(5倍)増加している。
リン酸緩衝生理食塩水中に希釈された、製剤Xの液滴の顕微鏡下での観察は、凝集体の形成を示してた(図26)。一方で、製剤Yをリン酸緩衝生理食塩水中に希釈した場合、該製剤は、顕微鏡下で凝集を示していなかった。これは、筋肉内の空間に注射された際、製剤Xは、筋肉と接触する表面積を低減させる、凝集体を形成する可能を示唆しているかもしれない。一方、製剤Yは、を形成し、これが表面積接触を増加させ、したがって、曝露の増加をもたらす、筋肉の間に広がる注射剤のデポを形成する可能がある。
本発明の好ましい実施態様のいくつかを上で記載し、具体的に例示してきたが、本発明は、そのような実施態様に限定されることは意図されない。本発明の技術範囲および主旨から逸脱することなく、様々な変更を施すことができる。