JP6571999B2 - 燃焼機器 - Google Patents
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Description
この特許文献1のファンヒータでは、図1に示されているように、筐体内の中央部に燃焼部5が設けられており、この燃焼部5の熱で高温部6aを加熱し、高温部6aと低温部6cの温度差により、熱電発電機6がゼーベック効果を発揮して起電力を生成している。そして、この起電力で送風機3を駆動させ、筐体の下部に設けられた吹出口8から温風を吹き出させている。
この点、熱電発電機6で生成する送風機3を起動させるための起電力は、高温部6aと低温部6cとの間に所定の温度差(例えば300℃)を必要とするため、直ぐに送風機3を起動させることができない。そこで、特許文献1では、蓄電池12を用い、そこに熱電発電機6からの電気を蓄えて、起動時の電力を確保するようにしている。
そこで、発明者は、蓄電池12は用いず、そして送風機3の起動が遅くても問題がないように、筐体の上部に吹出口を配置する方法を考えた。この方法によれば、送風機が起動するまでの間、燃焼部5から燃焼熱が出続けたとしても、筐体上部の吹出口からその熱を逃がすことができる。従って、筐体の内部温度上昇による部品の熱損傷や、使用者が筐体に触れることで生じる火傷等を防止することができる。
そして、このように吹き出し口が上部にあると、例えば吹き出し口の下流に対流ファンがあるようなファンヒータでは、対流ファンは吹き出し口から反対に空気を引き込んでしまう結果になるが、本発明の送風ファンは燃焼室の上部開口の上流に配置され、上部開口から出る燃焼熱を吹き出し口から押し出すため、吹き出し口が筐体の上部にあっても、燃焼熱に送風ファンの風を当てて温風として吹き出し口から吹き出させることができる。
しかも、吹き出し口の下端部周辺と燃焼室との間には、送風ファンにより生ずる吹き出し口側に向かって上昇する空気流の侵入を阻む封止部材が設けられているため、燃焼室の上部開口から吹き出し口に向かう温風の流れを阻害するような上昇流を防止することができる。すなわち、送風ファンの駆動によって筐体内を流れる空気流には、燃焼室上部を通って上部開口から出る燃焼熱を吹き出し口から押し出すように流れる空気流(主流)の他に、燃焼室の側面を通って燃焼室の正面に回りこむ空気流も発生する。この燃焼室の正面に回りこんだ空気流は、燃焼室正面を上昇して吹き出し口に向かって流れる空気流となる。そこで、この上昇する空気流の侵入を封止部材で阻むことで、吹き出し口からは温風の流れを乱すことなく吹き出させることができる。
また、封止部材は、燃焼室の正面壁から吹き出し口の下端部までを塞ぎ、吹き出し口側へ向かって下降するように傾斜している。
これによれば、封止部材は、燃焼室の正面壁から吹き出し口の下端部までを下降するように塞いでいるので、この封止部材と、燃焼室の正面壁と、で筐体内部の空間を画すことで、吹き出し口方向へ導いた温風を効率よく吹き出し口から排出させることができる。
また、放熱口から落下してきた異物が、燃焼室の正面壁と吹き出し口との間を通って、下に落ちるのを抑制すると共に、封止部材に落下してきた異物を吹き出し口から取り出し易くすることもできる。
上記構成によれば、吹き出し口よりもさらに上側に燃焼熱を外部に放出することが可能な放熱口を有しているため、送風ファンの駆動前に発生した燃焼熱を、この放熱口から放出して、筐体の過熱をより効果的に防止することができる。
また、燃焼室の上部開口と放熱口との間に、燃焼熱が放熱口から抜けるのを抑え、この抑えられた燃焼熱を送風ファンの風で押し出すことによって吹き出し口の方向に向かわせる変向部が設けられている。ここにいう「燃焼熱が前記放熱口から抜けるのを抑え」とは、燃焼室の上部開口から放熱口に向かう燃焼熱の流れに所要の抵抗を与えることを意味し、送風ファンの起動前において、燃焼室の上部開口から放熱口に向かう燃焼熱の流路を完全に塞ぐことを意味するものではない。従って、このような変向部が設けられることにより、送風ファンの起動前は、燃焼室の上部開口から上昇する燃焼熱を放熱口から放出することができる。そして、送風ファンの駆動時には、放熱口に向かう流れが抑えられた燃焼熱に対して送風ファンの風を当てて、温風となった熱の流れを吹き出し口の方向にベクトルを変えさせ、放熱口があったとしても、温風を効果的に吹き出し口から放出することができる。
上記構成によれば、変向部は吹き出し口側へ向かって下降するように傾斜しているので、変向部の上に落ちた異物を吹き出し口側に向って転がし易くなる。そして異物が変向部上を転がると、変向部の先端は、奥行き方向について、封止部材の後端よりも吹き出し口側に配置されているので、封止部材の上に落下して、それを吹き出し口から容易に取り出すことができる。
上記構成によれば、正面壁の上端部が変向部の先端よりも送風ファン側に位置し、かつ傾斜しているので、送風ファンの駆動前において放熱口から落下してきた塵や埃などの異物が燃焼室の上方を浮遊していても、この異物を燃焼室の上部開口の中に入れずに、正面壁の上端部に当てさせた後に封止部材の上に落すことができる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、以下の図において、同一の符号を付した箇所は特に言及がない限り同様の構成であるから重複する説明は省略する。
これらの図において、ファンヒータ10は、好ましくは、持ち運び可能な大きさとされ、外部電源がない場所であっても使用が可能とされている。
ファンヒータ10は、筐体12、燃料供給部20、燃焼室30、後述する熱電変換素子を備えた熱電変換装置としての熱電変換ユニット40、及び送風ファン50、この送風ファン50の冷却空気が送られる低温空間S2等を有している。
〔筐体の概要〕
図1ないし図3を参照する。
筐体12は、例えばスチールに耐熱塗装が施して形成されており、全体的に矩形状とされ、持ち運びが便利なように側面12Bに取っ手が設けられている。
この筐体12内部には、図2に示すように、燃料供給部20と燃焼室30が配置されており、そして、背面12Cに送風ファン50が取付けられている。
図2に示すように、筐体12の背面12Cには、開閉自在な扉27を有し、この扉27を開けてガスボンベ22の出し入れが可能とされている。
〔天面部について〕
このように、天面部14は平坦な面が無いので、ファンヒータ10の上には、一般的な意味で鍋等の器具を置くことが防止されることで安全が図られている。
このような高温時にのみ発色、もしくは変色する塗料の成分としては、例えば、可逆性タイプのサーモクロミック機能材料として、無機化合物では、Ag2HgI4やCu2HgI4等のAg,Cu,Hg,Pbなどの重金属のヨウ化物や錯体が実用化されている。また、有機化合物では、縮合芳香環置換エチレン誘導体、コレステリック液晶や3,6−ジメトキシフルオラン、ローダミンBラクタムなどを用いることができる。特に、有機化合物系材料の場合は50〜100℃の範囲で変色性を示すので好ましい。
燃料供給部20は燃焼室30のバーナー32に燃料を供給するための部分である。
本発明の燃焼機器に用いられる燃料にはガスや灯油等を利用することができるが、本実施形態の場合の燃料はガスであり、さらに、図2に示すように、燃料を供給するための燃料源を、燃料供給部20に対して着脱可能なように、圧縮された液化ガスが収容されたカートリッジ式ガスボンベ22とされている。
なお、ガスボンベ22が加熱されてその内部圧力が異常に上昇した時、安全機構が作動して外れるように、ボンベ接続部23とガスボンベ22との着脱はマグネットとされている。このボンベ接続部23は、図1の操作摘み部28と接続されている。
燃焼火炎中には、火炎検出装置が配置されている。この実施形態では、例えば、火炎検出装置として図2で模式的に示す熱電対26を用いることができ、バーナー32の燃焼中は、熱電対の温接点26aが加熱され、火炎以外の箇所に配置された冷接点26bとの間に温度勾配を生じるので、該熱電対26に起電力が生じる。この電力は電磁弁で構成されたガス弁33の電磁石を駆動して開弁状態に保持するので、バーナー32からは燃焼ガスが出続け、燃焼が持続される。バーナー32としては、例えば、ブンゼンバーナーを用いることができる。
図2を参照する。
図において、筐体12の内部は中央部からやや後方位置で、内部空間を区分するように垂直に配置された区分壁29により、奥行き方向Xに関して図の左側の前側領域と、図の右側の後側領域とに2つの空間を区分している。前側領域が燃焼室30を有する高温空間S1であり、後側領域が低温空間S2である。
燃焼室30は燃料ガスが燃焼する高温空間S1を有し、この高温空間S1にバーナー32及びイグナイタ電極34が配設されている。そして、燃料供給部20から供給された燃料ガスはバーナー32に送られるようになっている。図3に示すように、バーナー32は、例えば、高温空間S1の横幅方向Yに長い棒状であり、その長手方向に複数の炎口32aを一列に並べることで、高温空間S1の横幅方向Yに沿って一列に満遍なく火炎を形成するようにしている。
また、燃焼室30の正面壁30bの一部又は全体は耐熱ガラスで形成され、図1ののぞき窓16から内側が視認できる構成とされている。
図2に示す正面壁30bの上端部は、送風ファン50側(背面12C側)に向って上昇するように傾斜する壁面でなり、これにより、吹き出し口18に向かう空気流路の整流壁37になると共に、燃焼室30内を上昇する空気流の流路断面積を狭めている。
区分壁29の上端部は機器前方に向かって90度折れ曲がり、水平に伸びる邪魔板39が設けられている。
さらに、この上部開口82と放熱口14aとの間には、送風ファン50の駆動時に上部開口82からの燃焼熱が放熱口14aから抜けるのを抑え、この抑えられた燃焼熱を送風ファン50からの風によって吹き出し口18の方向に向かわせる変向部71が設けられている。
具体的には、変向部71は、筐体12の上部において、天面部14に至る位置には、機器の後部を基端として、機器の前方(吹き出し口18側)へ向かって僅かに下降する様に傾斜する板状として形成されている。
そして、変向部71よりも正面側は上方へ抜ける開口72となっており、送風ファン50が駆動するまでの燃焼熱はこの開口72を抜けて天面14に向かい放熱口14aから抜けるようになっている。これに対して、変向部71と邪魔板39の間は、背面12Cの外気を取り込む吸気口53と前面12Aの吹き出し口18とをつないで温風を放出するための主流路の一部を構成する空気流路83となり、送風ファン50の駆動後、上部開口82から出る燃焼熱は、その流れが送風ファン50による冷却空気で吹き出し口18方向にベクトルを変えると共に、該冷却空気と混ざった温風となり、吹き出し口18から前方に、外部へ向けて、吹き出すようになっている。
このようにして、変向部71があることによって、送風ファン50の駆動前と駆動後の上部開口82からの燃焼熱の流れが変わるようになる。
具体的には、送風ファン50は、吸気口53と吹き出し口18とをつなぐ主流路(上記温風吹き出し機能を果たすための図の空気流AR4の流路)において、燃焼室30の上部開口82よりも上流に配置され、吸気口53から外気を筐体12内に取り入れて、低温側ヒートシンク44に向かって冷却用の空気を送ると共に、吹き出し口18に向かって空気を送る機能を果たす。図2に示す送風ファン50は、好ましくは、モータ52の駆動により、軸流方向(図のX方向と同じ)に沿って送風するプロペラ51を有する軸流ファンである。
この送風ファン50は、外部電源を用いずに、図3の熱電変換ユニット40により生じた熱起電力で駆動する。
図4と図5は、この空間を正面壁30bだけ取り外した状態にて具体的構成を示したものである。
図3に戻ると、送風ファン50の風は、側面壁30c,30dの外側を、AR1,AR1で示すように筐体12の内部壁面流のように前方へ回り込むようになっている。つまり、燃焼室30は相当に加熱されているために、燃焼室30の側面壁30c,30dと筐体12の内壁との間に空気の層を設けることによって、燃焼室30からの熱が筐体12の外面へ移動するのを防止するのであり、このため、筐体12の外面はバーナー32の燃焼中も過度に熱くなることが無い。
そして、送風ファン50からの冷却空気は、低温空間S2において熱電変換ユニット40の低温側ヒートシンク44を冷却しつつ、図3に示すように、燃焼室30より両側外側でかつ筐体の壁面内側において機器の前方に向かう、空気流AR1,AR1となり、また、図2に示すように、低温空間S2において上方に向かう空気流AR4となって空気流路83を通り抜けるのである。
かくして、上部開口82を抜ける燃焼熱を有する空気流AR2は、空気流路83を通り抜けた空気流AR4により、吹き出し口18に適切に導かれることになる。
図3にAR1で示すように、送風ファン50からの送風が図2のAR4として筐体内を通過するだけでなく、正面壁30bの前面(吹き出し口18側)に回り込み、これにより図2に示すように該正面壁30bと筐体の間をAR3として上昇する。封止部材81は、この上昇流AR3の侵入を阻むことで筐体10の上部に送られないようにする。これにより、空気流路83を通過する空気流AR4の吹き出し口18に向かう勢いを上昇流AR3が阻害する事態を防止できる。また、上昇流AR3により筐体10の上部領域に熱がこもり、内部温度上昇による部品の熱損傷などを効果的に防止できる。
これに加えて、封止部材81は、燃焼室30の正面壁30bから吹き出し口18の下端部18aまでを塞いでいるので、この封止部材81と、燃焼室30の正面壁30bと、上述した変向部71とで筐体12内の上部開口82と吹き出し口18との間の空間S5を画すことで、吹き出し口18方向へ導いた温風を効率よく吹き出し口18から排出させることができる。
しかも、機器を運転していない時などに、天面部14の放熱口14aから機器内部に落下する埃や塵等の異物が入った際には、変向部71上に落下したものは、傾斜面に沿って開口72に移動される。この異物等は、開口72を抜けて封止部材81に落ちる。そうすると、この異物等は、封止部材81の傾斜面に沿って、機器前面の吹き出し口14から外部に排出される。このように、封止部材81は、筐体12内に侵入した異物等を適切に案内して機器外部に排出する異物排出部としての機能も発揮する。
また、封止部材81の先端部81bは、吹き出し口18の最下段よりも上方にして、異物を取り出し易くしつつ、折り曲げ加工されて上昇流AR3が吹き出し口18から吹き出すことを防止している。
この実施形態では、熱電変換装置は、例えば熱電変換ユニット40として構成されている。
熱電変換ユニット40は図2から理解されるように、区分壁29に固定されている。固定方法は後述する。
熱電変換ユニット40は、図2、図4、図5にその配置位置が示されていて、図10には熱電変換ユニットの水平断面が示されている。
これらを適宜参照しながら、その構成例を説明する。
図2において燃焼室30(高温空間S1)に露出している熱電変換素子41の高温部41a(図6参照)に接続された高温側ヒートシンク43と、低温空間S2に露出している熱電変換素子41の低温部41b(図6参照)に接続された低温側ヒートシンク44は、それぞれ同じ材料で形成されたヒートシンクであり、熱伝導性の良好な金属、例えば鉄、銅、アルミニウム等から選ばれる材料が用いられている。
ここで、熱電変換素子41は、ゼーベック効果を利用して熱起電力を発生するゼーベック素子(半導体素子)を用いている。このような熱電変換素子41は、n型半導体とp型半導体を貼り合わせて形成されており、加熱されると異種半導体の境界間でキャリア移動が行われ、起電力を生じる。
この場合、電流の電位差をV、高温側と低温側の温度差をΔTとすると、
V=aΔT(aはゼーベック係数)
が成立し、高温側と低温側の温度勾配が大きい程、生成される起電力による電圧は大きくなる。
図において、熱電変換ユニット40は、厚みの薄い正方形もしくは矩形でなる熱電変換素子41と、熱電変換素子41の高温部41aと低温部41bを挟み込むように密着して配置されるふたつの伝熱部材42a,42bと、これらを表裏から挟むように密着固定される高温側ヒートシンク43およびそれより大きな低温側ヒートシンク44と、高温側ヒートシンク43を囲み、内部に熱電変換素子41および伝熱部材42を収容する枠部材45と、枠部材45の開口内周に収容され、熱電変換素子41に対する各ヒートシンク43,44の密着力を付与する付勢部材46と、低温側ヒートシンク44に対して固定されるとともに、熱電変換素子41、伝熱部材42、高温側ヒートシンク43、枠部材45を間において押さえ込む固定部材62とを有している。
伝熱部材42は、特にアルミニウムの鋳造品等でなるヒートシンクの接触面における微細な凹凸面などに充填されることで、むらなく密着されるような均一な面、つまり平坦面を作り出すものである。このため、熱伝導率に優れた合成樹脂等の液剤を塗布するなどして得ることができるもので、例えば、シリコーングリース等を使用することができる。
高温側および低温側の各ヒートシンク43,44の構成については既に説明した通りであり、高温側ヒートシンク43が、低温側ヒートシンク44よりも小さくされている理由は2つあり、ひとつは、送風ファンの駆動に必要とされるための十分な熱勾配を迅速に得られるように熱容量を変えるためである。もうひとつの理由は、既に説明した二段階の燃焼時に、ともに、バーナー32の火炎により、熱電変換素子41を損傷しない程度に火炎とヒートシンクとの距離を保つために高温側ヒートシンク43の大きさを決定するためである。熱電変換素子41の耐熱温度(本実施形態の場合、250℃)を超えた過熱による故障を防止しなければならない。なお、熱電変換素子41の高温部41aは送風ファン50の駆動と報知手段59(ファンヒータが駆動していることを報知する手段であり、図1参照)の点灯を維持できるだけの温度であれば足り(例えば、220℃)、熱電変換素子41の耐熱温度を超えないように、送風ファン50が駆動した後は高温側ヒートシンク43を冷却するようにしてもよい。
これら図7ないし図10、および図4、図5を参照しながら、固定部材62について説明する。
固定部材62は、段付き凹部を有する金属枠でなる枠状体であり、この枠状体と低温側ヒートシンク44との間に付勢部材46と枠部材45を介在させ、そして、付勢部材46を高温側ヒートシンク43側(低温側ヒートシンク44側)に押さえつけることで、その付勢力により、付勢部材46や枠部材45だけではなく、高温側ヒートシンク43、伝熱部材42、及び熱電変換素子41も位置決め固定している。これにより、付勢力をもって押さえつけられた高温側ヒートシンク43は、その主面が熱電変換素子41の高温部41aの主面と密着するようになる。なお、固定部材62は、例えば板金製品である。
以上のようにして、高温側ヒートシンク43と低温側ヒートシンク44は、図6に示す熱電変換素子41の高温部41aと低温部41bとに可能な限り広い面積で密着するので、熱電変換効率が向上する。さらに、湾曲櫛部46aは、高温側ヒートシンク43と密着する領域を増やすようにして撓みながら、低温側ヒートシンク44側に付勢力を発揮させているので、例えば固定部材62やこの固定部材62を取付ける燃焼室30の背面壁30eが経年使用による熱変形をして、高温側ヒートシンク43を押さえつける湾曲櫛部46aの撓み方が変わったとしても、高温側ヒートシンク43を押さえ続けることができる。しかも、湾曲櫛部46aはフィン43aの間に入って、基部43bの中央領域を押さえつけて、基部43bと熱電変換素子41の中央領域との密着を高めているので、基部43bと熱電変換素子41との熱変形による中央領域の浮き上がりを防止することができる。かくして、高い熱電変換効率を長期間持続でき、性能の低下を防止できる。
即ち、図5及び図7に示すように、固定部材62の帯状部67,67には、その各外縁の中間付近で背面壁30e側に向かって折り返されて、先端が屈曲された掛止片66,66が形成されている。この掛止片66,66は、図5に示す背面壁30eの小さな縦スリットでなる固定孔29aに差し込んで、全体をやや下にスライドさせることで、引っかけられるようになっており、これにより熱電変換ユニット40を燃焼室の背面壁30e(区分壁29)に接続して容易な組み立てが可能となる。
本実施形態の場合、高温側ヒートシンク43が早く加熱されて、送風ファン50の起動時間を短縮できるように、以下の種々の工夫がなされている。
先ず、図3及び図4に示すように、高温側ヒートシンク43は燃焼室30内に配置(高温空間S1に露出)されている。具体的には、高温側ヒートシンク43のフィン43aは燃焼室30の背面壁30eから正面側に向かって突出している。
また、高温側ヒートシンク43は、複数枚のフィン43aが高温空間S1の横幅方向Yに列設した状態である。
また、高温側ヒートシンク43は低温側ヒートシンク44に比べて小さく、バーナー32への燃料ガスの供給量を最大にした場合、約40秒で低温側ヒートシンク44との温度差が150℃になるようにされている。
また、バーナー32への燃料ガスの供給量を最大にし、火炎FRを最大にした状態において、高温側ヒートシンク43の主面部(正面部)はその火炎FRの先端部と対面するように配置されている。なお、高出力での燃焼時においても、火炎FRが高温側ヒートシンク43に接触しないように、バーナー32は高温側ヒートシンク43から所定の距離をおいて配置されている。
以上のように、本実施形態では、高温側ヒートシンク43をいち早く加熱して、送風ファン50の起動時間の短縮を図っているが、それでも、送風ファン50の起動にはある程度の時間が必要である。即ち、高温側ヒートシンク43と低温側ヒートシンク44との間に、例えば150℃の温度差が生じることで、半導体からなる熱電変換素子41に起電力が生じるため、該温度差が生じるまで例えば約40秒間程度が必要となる。
このため、この送風ファン50が起動するまでの時間帯、バーナー32の燃焼熱は筐体12内にこもって内部温度が上昇し、内部部品の損傷を引き起こす恐れがある。
そこで、本実施形態では、この送風ファン50の起動までの燃焼熱を外部に放出するための放熱口14aが、吹き出し口18とは別に形成されている
すなわち、放熱口14aは筐体12内に熱がこもらないように放出する機能を発揮するものであり、このことから、放熱口14aは吹き出し口18よりも上側、より好ましくは、本実施形態では、上述のように、筐体12の天面部14に形成されている。
なお、吹き出し口18も筐体12の上部に形成されており(本実施形態の場合、図2の一点鎖線の仮想線で示されるように、燃焼室30の上部開口82よりも上側の部分を有し)、これにより、吹き出し口18よりも上側の筐体内の空間S4が小さい場合であっても、送風ファン50が起動するまでの熱は、放熱口14aからだけではなく、吹き出し口18からも逃げられるようにしている。
次に、本実施例における運転状態の報知装置の構成例について説明する。
図1及び図2に示すように、ファンヒータ10では、バーナー32の燃焼により、温風を得るだけでなく、同時に熱電変換ユニット40により起電力を得て、送風ファン50の風を起し、これにより、ファンヒータとしての温風の吹き出しを実現している。
ここで、ファンヒータ10においては、そのような運転状態を外部からモニタすることができるように、報知装置59を備える。
ところが、ファンヒータ10内には電池等の内蔵電源は備えておらず、報知装置59を電気で動作するようにした場合には、熱電変換ユニット40による駆動電流を、送風ファンのファンモータ52に与えるだけでなく、その回路を分岐して報知装置59にも駆動電流を供給し、これを運転モニタとして作動させるのが好ましい。
ところが、ファンヒータ10が燃焼を終えた直後は、筐体12内の燃焼室30の温度は急激には常温にならず、余熱が存在するために、熱電変換ユニット40の高温側と低温側にはしばらく熱勾配が残り、40秒程度の時間は熱電変換ユニット40が起電力を生成し続けることから、ファンヒータ10の運転を終了しているにもかかわらず、報知装置59は運転を継続していると表示してしまい、場合によっては、使用者はファンヒータ10の駆動を切ったにもかかわらず、いまだ運転していると勘違いする可能性があるという不都合がある。
図11は、報知装置59の電気的構成を示すブロック図である。
図において、熱電変換ユニット40は、図6の給電コード41cを用いて、図示のような回路を形成しており、熱電変換ユニット40から、ゼーベック効果による駆動電流が送風ファンのファンモータ52に与えられることで、送風ファン50を駆動している。
この熱電変換ユニット40からファンモータ52への給電回路を並列に分岐し、例えば図1の符号59に示すように筐体12の外部からファンヒータ10の運転状態を視認できる報知装置を設けることができる。
このスイッチ装置59−2はオン・オフできるものであれば差動アンプ等代替できるどのような手段を用いてもよいが、本実施形態はトランジスタを用いている。
このトランジスタ59−2のベース端子には、好ましくはアンプ59−3を介して図2で説明した火炎検出装置としてのサーモカップル等の熱電対26が接続されている。これにより、スイッチ装置59−2は熱電対26からの信号により開閉する構成とされ、具体的には、熱電対26がバーナー32の燃焼火炎を検出している間、スイッチ装置59−2はオンであり、熱電対26がバーナー32の燃焼火炎を検出しなくなると、スイッチ装置59−2はオフになって熱電変換ユニット40からLED59−1に流す駆動電流が止められる。
使用者が、操作摘み部28(図1参照)を回転することにより、図2の電磁弁でなるガス弁33を強制的に開き、引き続き操作摘み部28を同じ方向に動かすと圧電着火手段でなるイグナイタ電極34から火花放電が行われ、バーナー32から噴出する燃料ガスに点火する(図12のt1)。この時、バーナー32からの火炎により、熱電変換ユニット40の高温側ヒートシンク43が加熱されると、低温側ヒートシンク44との温度差により熱電変換ユニット40に内蔵された熱電変換素子41のゼーベック効果により、起電力が生じて送風ファン50のモータ52が駆動される。これにより、高温側ヒートシンク43は加熱され、他方、低温側ヒートシンク44は送風により冷却されるから、燃焼中は、送風ファン50の回転は維持され、同時に図11のLED59−1にも駆動電流が流れて点灯する。
これにより、図12のt1ないしt2の間、つまり、ファンヒータ10の燃焼中は、図1の報知装置59では、LED59−1の点灯が視認されるから、使用者はファンヒータ10が燃焼していることを視認できる。
そうすると、直ちに熱電対26の温度勾配は平坦になり、熱電対26の起電力は消失するので、図11のトランジスタ59−2のエミッタ側は通電しなくなり、LED59−1も図12のt2の時点で直ちに消灯する。
このように、本実施形態では、ファンヒータ10の運転停止と同時に迅速に報知装置59も運転停止を表示する。
なお、このようなスイッチ装置59−2を備えない場合、図6の高温側ヒートシンク43と低温側ヒートシンク44との温度差は、燃焼室30内の温度が下がるまでの暫くの間、熱電変換ユニット40からの起電力は消えない。このため、図11から明らかなように、図12のNТの間、LED59−1は点灯を続けることになる。したがって、使用者がファンヒータ10の運転を停止操作したにも係らず、報知装置59は「運転中」を示すから、機器の故障を疑ったり、操作摘み28を不要に回したりして、混乱を生じることになる。
しかし、本実施例によれば、そのような不都合が適切に防止できる。
図13は、本発明の第2実施形態に係るファンヒータ100の概略構成図である。
この図のファンヒータ100が、図1〜図12のファンヒータ10と異なるのは、報知装置90についてである。
即ち、報知装置90は、LEDではなく、筐体12に形成された窓部87を通して視認可能なマーカー部85と、このマーカー部85を窓部87に対して接近及び離間するように、熱電対26の起電力で移動させる移動手段部91とからなっている。
図13のマーカー部85は、筐体12の内側であって前面に隣接して配置され、本実施形態の場合は上下方向Zに移動することで、窓部87に接近している時には視認可能であり、離間している時には視認不可能とされている。マーカー部85は筐体12の前面の色とは反対色で着色されるのが好ましい。
移動手段部91は、マーカー部85に接続された棒状の連結部材80と、この連結部材80を熱電対26の起電力により上下方向Zにスライドさせる駆動部92とを有している。
本実施形態の駆動部92には、熱電対26の検出結果に基づいて弁を開閉する安全弁が用いられている(以下、「駆動部92」を「安全弁92」という)。このように安全弁92を利用することで、マーカー部85は、火炎FRを検知しない時は窓部87から離間した図のAの位置に、火炎FRを検知している時は窓部87に接近した図のBの位置に移動可能としている。
これに対して、使用者が火炎FRを消すために操作摘み部28を回し戻して主弁77を閉じたり、或いは、火炎FRが立ち消えしたりすると、熱電対26の起電力はなくなって安全弁92は管路RX2を閉じるように下側に移動し、この動きに同調して、連結部材80を介してマーカー部85も下側にスライドしてAの位置になり、窓部87から視認不可能となる。
このように、安全弁92は、本来の安全弁92としてだけではなく、マーカー部85を上下させるための駆動手段或いはスイッチ装置としての機能も兼ねている。
ところで、この第2実施形態のマーカー部85の移動については、熱電対26からの起電力だけを利用しており、図11のように熱電変換ユニット40から生成される起電力を利用していない。従って、火炎FRがついている限り、図2に示す熱電変換素子41が故障をして送風ファン50が駆動しなくなった場合でも、図13のマーカー部85は窓部87から視認される。しかし、送風機50が駆動せずにバーナー32の燃焼熱が筐体12内にこもって内部温度が上昇すると、燃焼室30上部に配置された図示しないサーモスタットが危険な温度に到達する前に作動することで、熱電対26から電磁石94に流れる起電力を遮断して安全弁92を閉じるので、燃焼が停止する。これにより、安全弁92の動きに同調してマーカー部85も下側にスライドしてAの位置になるので、使用者は火炎FRが消失したことを把握できる。
実施形態で説明した各構成の一部は省略可能であり、また、説明しない他の構成と組み合わせることも可能である。
Claims (4)
- 筐体内に収容したバーナーを燃焼させるための燃焼室と、該燃焼室内に露出された高温側ヒートシンクを介して加熱される高温部と、前記燃焼室と反対面に位置され、送風ファンにより冷却される低温側ヒートシンクを取り付けた低温部とを備える熱電変換素子とを有しており、前記筐体に形成された吹き出し口から、前記バーナーからの燃焼熱を放出する燃焼機器であって、
前記熱電変換素子が生成する起電力により、前記送風ファンを駆動する構成であり、
前記送風ファンは、前記筐体内に外気を取り込む吸気口と前記吹き出し口とをつなぐ流路において前記燃焼室の上部開口の上流に配置され、前記上部開口から出る前記燃焼熱を、前記吹き出し口から押し出すように放出させる軸流ファンであって、
前記吹き出し口は、少なくとも前記上部開口よりもさらに上側に配置された部分を有しており、
前記吹き出し口の下端部周辺と前記燃焼室との間には、前記燃焼室の正面壁から前記吹き出し口の下端部までを塞ぎ、前記吹き出し口側へ向かって下降するように傾斜しているとともに、前記送風ファンにより生ずる前記吹き出し口側に向かって上昇する空気流の侵入を阻む封止部材が設けられている
ことを特徴とする燃焼機器。 - 前記筐体は、前記吹き出し口よりも上側に、前記高温空気を外部に抜くことが可能な放熱口を有し、
前記燃焼室の上部開口と前記放熱口との間に、前記送風ファンの駆動時に前記燃焼熱が前記放熱口から抜けるのを抑え、この抑えられた燃焼熱を前記送風ファンの風で押し出すことによって前記吹き出し口の方向に向かわせる変向部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の燃焼機器。 - 前記変向部は、前記吹き出し口側へ向かって下降するように傾斜しており、その先端は、奥行き方向について、前記封止部材の後端よりも前記吹き出し口側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼機器。
- 前記正面壁の上端部は、前記送風ファン側に向かって上昇するように傾斜しており、奥行き方向について、前記変向部の先端よりも前記送風ファン側に位置するようにしたことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃焼機器。
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