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JP6572118B2 - 光部品構造 - Google Patents
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Description

本発明は、光通信用の光部品に関し、より詳細には、例えばフォトダイオード(PD)などの光半導体素子が設けられた半導体基板と、レンズなどの光学部品が設けられた光学部品基板とを接合した光部品構造に関する。
従来、例えば光通信用受信モジュールにおいては、光−電気変換のための光半導体素子としてフォトダイオード(PD:Photo Diode)が使われているが、近年の通信容量の増大に対応して高速な応答特性が求められている。
高速応答に対応するための手段の一つとして、PDの接合面積を縮小して接合容量を低減化する手法が一般的に用いられる。
しかし、接合面積はPDとして光を吸収できる面積(受光面積)と同義のため、接合面積を縮小することは、信号光とPDの光結合の効率の低下や、受信モジュールとして実装する場合の実装トレランス(部品の実装位置や方向などの許容誤差範囲)の低下につながるという問題があった。
この問題を解決するために、表面にPDの構成されたPD基板(半導体基板)の裏面に、光学部品として例えばレンズを集積して、PD基板裏面から信号光を集光することで、PDの接合面積が小さくても結合感度低下やトレランス低下を低減できる光部品の構造が実現されている(非特許文献1を参照)。
(従来例1)
図1に従来例1として、このような光部品の断面構造を示す。
図1において、半導体基板であるPD基板1の表面(上面)には、n型半導体層2、i型半導体で形成された光吸収層3、p型半導体層4の積層構造により光半導体素子としてのフォトダイオード(PD)が構成されている。n型半導体層2の左右端部、およびp型半導体層4の上にはそれぞれコンタクト電極を介して配線電極5,6が形成されて、PD基板1の裏面(下面)側より入射した入射光7を光電変換した電気信号が取り出される。
前述の様に、入射光7が入射するPD基板1の裏面(下面)側の、PDに光軸が対応する位置には、光学部品としてレンズ8が形成されており、少なくともレンズ8の表面(下面)には、入射光(信号光)の界面に於ける反射を防止するため、誘電体多層膜などで構成された反射防止膜(AR膜:Anti−Reflection)9が設けられている。
このようなレンズ8は、下記非特許文献1にあるようにPD基板1のエッチングなどにより形成することができる。
しかし、このPDの半導体基板裏面に直接レンズを集積する方法では、半導体基板裏面の加工のために、エッチング条件の制御や、そのレンズ形状の面内厚み分布にあわせたエッチング量の制御などに高い精度が必要であるという問題があった。
また、レンズ以外にミラー、プリズムなどのような光学部品を同時に形成するには、半導体基板をレンズとは異なる形状に加工する必要があるため、レンズ形成とは異なるエッチング条件(加工条件)が必要になり、更に工程が複雑化するという問題もあった。
これらの問題に対応するために、PDなどの光半導体素子を形成する半導体ウエハ(半導体基板)と、レンズやミラー、プリズムなどの光学部品を形成したウエハ(光学部品基板)を別々に作製し、それぞれをウエハ接合して複合的な機能を有する光部品を作製する形態が考えられる。
(従来例2)
図2に示す従来例2において、図1と同じ構成要素は同じ番号で示すが、基本的な相違点は、図2ではPDが構成された半導体基板であるPD基板1とは別の光学部品基板21の下面(裏面)側に、レンズ8が形成されている点である。光学部品基板21の材料は、入射光7(信号光)に対して透明であれば半導体である必要は無く、例えばガラスや透明なプラスチックとすることができる。
図1と同様に、光学部品基板21の下面側の少なくともレンズ8の表面には反射防止膜(AR膜)9が設けられている。また図2の光学部品基板21では、その上面側にもPD基板1との接合部における反射防止のため反射防止膜(AR膜)22が設けられており、接着剤などを硬化させて形成した接合層23を介してPD基板1の下面に接合されている。
このように、光学部品基板を半導体ウエハと切り離して作成できると、その光学部品の加工のためにモールド技術を使えるなど、受光部品に対して安価に光学部品機能を追加できるというメリットもある。
なお、このような形態の場合、信号光を図2の下側から入射して上部のフォトダイオードの光吸収部で吸収させるには、接合層23の少なくとも入射光の通過する経路部分(光路)は信号光に対して透明である必要があり、信号光の波長に対して硬化時に透過率の高い接着剤を使う必要がある。
S.R.Cho et al, Enhanced Optical Coupling Performance in an InGaAs Photodiode Integrated With Wet-Etched Microlens, IEEE PTL(2002) Vol.14, No.3, p.378
上記図2のような接合型の光部品の構造においては、上述の様にウエハ接合に接着剤を用いる方法が一般的であるが、接着剤によるウエハ接合では、ウエハ接合面に接着剤を塗布後、圧着、硬化することにより接合層を形成するため、ウエハ接着の界面に空気によるボイド(泡)が形成される可能性がある、という課題がある。
このような接合部のボイドの発生、その密度、形状、発生位置については、製造時の微妙な条件が関与するため、これらを完全に制御することは困難である。
しかしながら、光半導体素子と光部品を結ぶ信号光の、基板間接合部を渡る光路上にボイドが形成されると、その形状や発生位置に応じて光が屈折し、例えばPDへの光結合効率が低下するという不具合が生じる。
PDの光結合効率の変動は光通信用受信モジュールの性能の変動に直結するため、チップの段階で検査・選別し、不具合のあるものは除外しておくことが望ましい。
しかし、ボイドの有無を検査して不具合のあるものを選別・除外するためには、完成した光部品の受光感度などを試験・評価する必要があり、検査・選別のための製造コストが増加するという課題がある。
このような、接合部光路上におけるボイド発生の問題は、PDとレンズの接合された受光部品に限らず、接着剤による基板接合部を有する接合型の光部品であれば共通して発生する課題であり、受光素子としてのPD以外にも、例えばLED,レーザのような発光素子、デバイスの設けられた半導体基板と、レンズ以外にも例えばミラー、プリズムなどの光学部品を有する光学部品基板を接合した光部品構造であっても同様である。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、接合型の光部品において、接着剤による接合部光路上のボイド発生の可能性をなくして、低コストで安定した性能の光部品構造を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
(発明の構成1)
表面に光半導体素子が設けられた半導体基板と、裏面に光学部品が設けられた光学部品基板とからなり、前記半導体基板の裏面と前記光学部品基板の表面を接着剤を用いて接合した光部品構造において、
前記半導体基板と前記光学部品基板間の接合部の前記光半導体素子と前記光学部品を結ぶ信号光の光路にあたる部分には接着剤がなく、
前記接合部の前記信号光の光路にあたる部分を少なくとも部分的に囲む堰体構造が形成されて光路上に接着剤が流入しないように構成されており、
前記堰体構造は、
前記光学部品基板または前記半導体基板の前記接合部の側の面上に、前記信号光の光路にあたる部分に形成された反射防止膜とは離隔して形成された別の反射防止膜からなる堰体膜から形成されている
ことを特徴とする光部品構造。
(発明の構成
発明の構成1に記載の光部品構造において、
前記光半導体素子はフォトダイオード(PD)、LED,レーザのいずれか一つまたは複数であり、
前記光学部品はレンズ、ミラー、プリズム、光導波路、回折格子(グレーティング)のいずれか一つまたは複数である
ことを特徴とする光部品構造。
(発明の構成
半導体基板の表面に光半導体素子を形成するステップと、
光学部品基板の裏面に光学部品を形成するステップと、
前記光学部品基板の表面または前記半導体基板の裏面に、反射防止膜を形成するステップと、
前記光学部品基板の表面または前記半導体基板の裏面に、前記光学部品と前記光半導体素子を結ぶ信号光の光路にあたる部分を少なくとも部分的に囲み、基板接合用の接着剤の光路への流入を防ぐ堰体構造を、前記反射防止膜とは離隔して形成された別の反射防止膜として形成するステップと、
前記光学部品基板の表面または前記半導体基板の裏面に、前記堰体構造から離隔して接着剤パターンを形成するステップと、
前記光学部品基板と前記半導体基板を圧着接合し、接着剤を硬化して基板接合部を形成するステップと
からなる光部品構造の製造方法。
以上記載した本発明によれば、接合型の光部品において、接合部光路上のボイド発生の可能性をなくして、低コストで安定した性能の光部品構造をを提供することが可能となる。
従来例1の光部品の断面構造を示す図である。 従来例2の光部品の断面構造を示す図である。 本発明の実施例1の光部品のウエハ接合前後の断面構造を示す図である。 本発明の実施例1の光部品のPD基板(表面)を示す図である。 本発明の実施例1の光部品の光学部品基板(表面=接合面)を示す図である。 本発明の実施例2の光部品のウエハ接合前後の断面構造を示す図である。 本発明の実施例2の光部品の光学部品基板(表面=接合面)を示す図である。 本発明の実施例2の光部品の光学部品基板(表面=接合面)の別の例を示す図である。
(概要)
前述の様に、ウエハ接合を用いた光部品では、基板間の接合部の光路上に接着剤のボイドが発生して光結合効率が低下する、という課題があった。
ウエハ接合のためには接着剤を用いる必要があるが、接着剤のボイドが光路上になければ本課題は発生しないことから、接合部の光路上に接着剤がない構造とすればよい。
したがって、接着剤をフォトリソグラフィーなどによりパターニングして、光路部分をはずして接着剤を塗布して、接合後の基板接合部の光路にあたる部分には接着剤がないようにする。
また、単に塗布時に接着剤がないようにするだけでは、接合時の基板押圧操作などにより、光路部分に接着剤がはみ出してくる恐れもあるので、接合時にウエハ接合面の光路上に接着剤が流入しないように、接合部の光路周辺への接着剤のはみ出しを堰き止める構造(堰体構造)を形成する。
このような堰体構造として例えば、光学部品を設けた光学部品基板または半導体基板のウエハ接合面に凹凸加工を施して、光路に接着剤がはみ出すことを防ぐ光部品構造を実現することができる。
このような凹凸加工としては、基板そのものに直接、凹凸加工を施して堰体構造とすることもできるが、基板の接合部側の面には通常、接合面における信号光の反射損失を低減するために反射防止(AR)膜が設けられるので、これを利用して堰体構造を構成することもできる。
以下、光路に接着剤がはみ出すことを防ぐ堰体構造として、反射防止(AR)膜をパターニングして堰体膜とする実施例と、AR膜上にパターニングされた金属などの堰体膜を形成する実施例を示す。
(実施例1)
図3に、本発明の実施例1の光部品のウエハ接合前後の断面構造を示す。
図3(a)はウエハ接合前の状態であり、図3(b)は上下に押圧して接合したウエハ接合後の状態である。PD基板1については、InP系の半導体を用いたPDを例に挙げる。このPDは、次に示す方法で形成できる。
まず、高抵抗なInPからなるInP基板1の表面上に、例えば有機金属気相成長(MOVPE)法などのエピタキシャル成長法を利用し、n型InP層2、ノンドープ(i型)InGaAs層3、p型InGaAs層4を形成する。
次に、公知のフォトリソグラフィーおよびエッチング技術により、上述したp型InGaAs4、ノンドープInGaAs3,n型InP層2をメサ型に加工し、次いで、n型InP層2およびp型InGaAs層4に、各々オーミック接触するコンタクト電極を形成する。
さらに図4に示すように、PDの形成されたPD基板1の表面上に、Auなどからなるメタル板で構成された配線電極5,6を、フォトリソグラフィーとリフトオフ技術、真空蒸着技術などにより形成する。
最後に、PD基板の裏面を研磨して所望の厚みになるように調整し、PD基板1は完成する。
一方、光学部品基板21については、例えば、公知のガラスモールド技術等を用いて、ガラス基板の裏面(下面)を所望の形状(図3ではレンズ8の形状)に加工することで光学部品が作製される。
ガラスモールド技術とは、金属等で作製された金型に、ガラス材料(プリフォーム)を入れ、加熱して軟化させた後、プレスをすることで、任意の形状にガラス材料を加工する技術である。光学部品基板21の材料がプラスチックであれば、より加工は容易である。
このようにして形成された光学部品基板21の、接合面とは反対側の面(裏面、下面)には、従来と同様に信号光が入射されるときに、なるべく反射が発生しないように、少なくともレンズ8の表面を含む部分に反射防止(AR)膜9を形成することが望ましい。
また、本実施例1においては、PD基板1の材料であるInPと、光学部品基板21の材料であるガラスが接着された場合に、接合面においてもなるべく反射が発生しないように、光学部品基板21の上面(表面、接合面)にもAR膜39(工程上、図示せず)を形成しておく。
AR膜39は、周知の方法により例えば、誘電体多層膜をスパッタ装置を用いてスパッタリングすることにより形成することができる。
さらに本実施例1では、上記で形成した光学部品基板21の上面(表面、接合面)のAR膜39を、公知のフォトリソグラフィーとエッチングにより図5で示すように、レンズ光軸を中心に円形に形成された反射防止のためのAR膜39aと、その外側に離隔して円環状に形成された堰体構造としての堰体膜であるAR膜39bとにパターン加工する。
この様にパターン加工することによって、図3(b)のウエハ接合後の状態に示すように、PD直下の光路上の円形AR膜39aの外側に、円環状に空気層30が設けられ、さらにその外側に堰体膜として円環状にAR膜39bが残されて堰体構造を形成することができる。
こうすることで接合時に仮に、最外郭の円環状AR膜39bを越えて接着剤23aが流入しても、空気層30が緩衝帯となり、信号光の光路である中心の円形AR膜39a部分にまで接着剤が流入することを防ぐことが可能な堰体構造を実現でき、接着剤によるボイドが基板接合部の光路上に発生しないようにできる。
さらに、図5で示すように、接合前の光学部品基板21の上面(表面、接合面)上には、感光性ポリイミド等のフォトリソグラフィーによりパターニングが可能な樹脂(接着剤23a)を、パターニングしておく。このとき、光路であるPD直下の部分には、接着剤がないようにパターンを設ける。
図3(a)および図5で示すように、接着剤23aのパターンは光路部分を囲むものの、接合操作によるはみ出しを考慮して、円環状のAR膜39b(堰体膜)の外周には達しないように、間隔を空けて離隔してパターニングし、その分量も調節しておくのが望ましい。
信号光ビームの通過する接合層の光路部分には接着剤は存在しないから、従来のような硬化後の接着剤の透明性に関する制約も無く、硬化後の接着剤の透明度が低くても使用可能であり、使用し得る接着剤の自由度も大きい。
また、基板接合部における信号光7の光路の断面形状は円形である前提で、反射防止膜(AR膜)の形状は、図にあわせて円形、円環状と表現したが、光路の光ビームの断面形状は必ずしも円形であるとは限らないから、AR膜39a、AR膜39bの形状も、光路の光ビームの断面形状に合わせたものであってよいことは明らかである。
さらには、上記堰体構造としての堰体膜は、光路部分への接着剤の流入を防げればよいのであるから、信号光の光路部分を完全に囲む環状であることも必要ではなく、接着剤のパターンなどを考慮して光路部分への接着剤の流入を防げる程度に、少なくとも部分的に光路部分を囲む1ないし複数の部分からなる堰体膜で形成された堰体構造であっても良い。
このように形成されたPD基板1と、光学部品基板21を、公知のウエハ接合技術により接着剤をパターニングして塗布後、圧着、硬化させて接合層23を形成し一体化させる(図3(b))。
その後、ダイシングによってチッピングされ、光学部品とPDが備わった受光部品が完成する。
本実施例1の構造では、信号光の光路となる部分に接着剤がないことから、原理上、信号光に影響するボイド発生は無く、万一、堰体膜であるAR膜39bを乗り越えて接着剤が流入しても、緩衝層として空気層30が信号光の反射防止膜であるAR膜39aに達するのを防ぐため、ボイド発生の可能性はほぼゼロとすることができ、ボイドによる光結合効率の低下を想定した検査が不要になり、光部品製造の低コスト化に寄与する。
(実施例2)
図6に、本発明の実施例2の光部品のウエハ接合前後の断面構造を示す。
図6の実施例2においても、図3の実施例1と同様にPD基板1上にPDを作製する(図6(a))。ただし、研磨の後にPD基板下部の空気層60から信号光がPD基板に入射してもなるべく反射が発生しないように、PD基板1の下面にもAR膜69aを形成しておく(図6(b))。
一方、光学部品基板21についても、実施例1と同様に例えばガラス基板を用いて、その下面に、レンズ8とAR膜9を作製するが、光学部品基板21の上面(表面、接合面)にも、光学部品基板21から空気層60へ信号光7が透過した場合に、なるべく反射が発生しないようにAR膜69bを設ける。また、この接合面のAR膜69bは、実施例1とは異なり図6及び図7のように光学部品基板21の上面全面に設けられ、図5のようなパターン加工はしない。
図6の実施例2では、この接合面のAR膜69bの表面上に、公知のフォトリソグラフィーとリフトオフ技術、あるいはめっき技術により、図7に示すように光軸を中心とした円環状にパターン加工した金属などで構成された円環状の堰体膜70を堰体構造として形成する。
この堰体膜70が、実施例1で記載した最外郭の円環状のAR膜39bと同じ堰体構造としての機能を担い、接合時に接着剤23aのはみ出しによる光路中心部分への流入を防止する。
実施例1の堰体構造である堰体膜(円環状のAR膜39b)においては、反射防止膜としての光路上の円形AR膜39aと同じプロセスで形成されていたため、光反射防止作用を考慮して厚みなどを決定する必要があり制約があったが、実施例2の堰体膜70はAR膜とは別の単層膜であるため、光反射防止作用を考慮することなく、接着剤のはみ出しを防ぐために最適の厚さ、材質の構造を簡単に形成することができる。
図6(b)のウエハ接合後の断面図に示すように本実施例2においては、実施例1と異なり、PD直下の信号光7の光路中心部分に空気層60が設けられているが、PD基板1と光学部品基板21の両方において、その接着面側にAR膜69a、69bが形成されていることから、空気層60による信号光7の反射は無視できると考えてよい。
なお、実施例2のPD直下部分の空気層60は、実施例1の空気層30よりも容積が大きいので、仮に接着剤23aが堰体膜70を越えて多少はみ出しても光路への影響は相対的に少ないが、逆に容積が大きいため、温度変化などによる空気層60内の空気の膨張・収縮が問題となる場合がある。
この場合においては、図8で示すように、PD直下の空気層60部分からチップの外周へ空気の通路が確保されるように、円環状の堰体膜70の円周の一部を切り欠いて、切り口部分を基板外へ延長して引き出し、空気層60の空気通路として光部品構造外部に連通した、ヘアピン型に形成した堰体膜80としても良い。
本実施例2の構造においても実施例1と同様に、堰体膜の基本形状は円環形状に限定されるものではなく、信号光の光路にあたる部分を少なくとも部分的に囲む1ないし複数の部分からなる堰体膜で形成された堰体構造であっても良い。
また、本実施例2の構造においても実施例1と同様に、信号光の光路となる部分に接着剤がないことから、原理上、信号光に影響するボイド発生は無く、万一、堰体膜70、または80を乗り越えて接着剤が流入しても空気層60が広いため、信号光の光路部分に達するのは防がれ、ボイド発生の可能性はほぼゼロとすることができ、ボイドによる光結合効率の低下を想定した検査が不要になり、光部品製造の低コスト化に寄与する。
(他の実施例)
以上、実施例1,2においては、PDの形成された半導体基板と、レンズの形成された光学部品基板を接合した受光部品について説明したが、本発明の光部品構造は接着剤で接合された接合部を有する光部品であれば適用可能であり、他の実施例として、受光素子としてのPD以外にも、LED,レーザのような発光素子である光半導体素子の設けられた半導体基板であってもよく、レンズ以外にもミラー、プリズム、光導波路、回折格子(グレーティング)などの光学部品が設けられた光学部品基板であってもよい。
これらの光半導体素子、光学部品はいずれも基板上に1つとは限らず、両基板上にそれぞれ同種または異種のものが複数設けられていてもよく、これらの素子、部品を結ぶ信号光の光路も複数あっても本発明は適用可能であることも明らかである。
また、堰体構造、堰体膜は、光学部品基板の接合部側表面(上面、接合面)に形成する構造を説明したが、半導体基板の接合部側の面(裏面、下面、接合面)に形成しても良いことも明らかである。
接着剤を塗布する面も、堰体構造、堰体膜の形成される面と必ずしも同じである必要は無く、基板接合(ウエハ張り合わせ)時の位置あわせの精度は要求されるが、接着剤を塗布する面と、堰体構造、堰体膜の形成される面を、それぞれ光学部品基板側、半導体基板側の面、またはその逆に分けることも可能である。
以上記載したように、本発明によれば、接合型の光部品において、接合部光路上のボイド発生の可能性をなくして、低コストで安定した性能の光部品構造をを提供することが可能となる。
1 PD基板(半導体基板)
2 n型半導体層、n型InP層
3 i型光吸収層、ノンドープ(i型)InGaAs層
4 p型半導体層、p型InGaAs層
5,6 配線電極
7 入射光、信号光
8 レンズ
9、22、39、39a、39b、69a、69b 反射防止膜(AR膜)
21 光学部品基板
23 接合層
23a 接着剤
30、60 空気層
70,80 堰体膜

Claims (3)

  1. 表面に光半導体素子が設けられた半導体基板と、裏面に光学部品が設けられた光学部品基板とからなり、前記半導体基板の裏面と前記光学部品基板の表面を接着剤を用いて接合した光部品構造において、
    前記半導体基板と前記光学部品基板の間の接合部の前記光半導体素子と前記光学部品を結ぶ信号光の光路にあたる部分には接着剤がなく、
    前記接合部の前記信号光の光路にあたる部分を少なくとも部分的に囲む堰体構造が形成されて光路上に接着剤が流入しないように構成されており、
    前記堰体構造は、
    前記光学部品基板または前記半導体基板の前記接合部の側の面上に、前記信号光の光路にあたる部分に形成された反射防止膜とは離隔して形成された別の反射防止膜からなる堰体膜から形成されている
    ことを特徴とする光部品構造。
  2. 請求項1に記載の光部品構造において、
    前記光半導体素子はフォトダイオード(PD)、LED,レーザのいずれか一つまたは複数であり、
    前記光学部品はレンズ、ミラー、プリズム、光導波路、回折格子(グレーティング)のいずれか一つまたは複数である
    ことを特徴とする光部品構造。
  3. 半導体基板の表面に光半導体素子を形成するステップと、
    光学部品基板の裏面に光学部品を形成するステップと、
    前記光学部品基板の表面または前記半導体基板の裏面に、反射防止膜を形成するステップと、
    前記光学部品基板の表面または前記半導体基板の裏面に、前記光学部品と前記光半導体素子を結ぶ信号光の光路にあたる部分を少なくとも部分的に囲み、基板接合用の接着剤の光路への流入を防ぐ堰体構造を、前記反射防止膜とは離隔して形成された別の反射防止膜として形成するステップと、
    前記光学部品基板の表面または前記半導体基板の裏面に、前記堰体構造から離隔して接着剤パターンを形成するステップと、
    前記光学部品基板と前記半導体基板を圧着接合し、接着剤を硬化して基板接合部を形成するステップと
    からなる光部品構造の製造方法。
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