JP6573455B2 - 顆粒状除草剤および顆粒状除草剤の製造方法 - Google Patents
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また顆粒状の除草剤は、水田、畑に均一に分散させるために、その顆粒サイズを小さくする検討が進められている。
このため、安定性が高く、長期間除草性能を持続できる顆粒状除草剤の開発が求められていた。
これに対し本発明者らは、顆粒状除草剤の形状およびサイズを所定のサイズとし、特定の成分を有する顆粒状除草剤を形成することで、安定性が高く、長期間除草性能を持続できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明の顆粒状除草剤は、塩素酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび結着剤を含む。塩素酸ナトリウムは、化学式NaClO3で表され、ナトリウムの塩酸塩である。炭酸水素ナトリウムは、化学式NaHCO3で表され、ナトリウムの炭酸水素塩であり、重曹とも呼称される。いずれも除草効果を有する化合物である。
塩素酸ナトリウムは、高い除草効果を有する。一方炭酸水素ナトリウムは、高い耐燃焼性を有する。そのため、塩素酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを同時に含有することで、高い耐燃焼性と高い除草性を同時に実現できる。
またチキソトロピー性を有する化合物の中でも、結着剤としてベントナイトを用いることが好ましい。ベントナイトは入手が容易であり、低コストで顆粒状除草剤を作製することができる。
本発明の顆粒状除草剤は、全体の80質量%以上の顆粒が略球状である。略球状とは、顆粒における最も長い径(以下、「最長径」という)と、同顆粒における最も短い径(以下、「最短径」という)が、最長径/最短径=1.0〜1.5の範囲にある形状を指す。
顆粒が略球状であることにより、燃焼性及び爆発性に対する安定性が増す原因については不明であるが、体積対表面積の割合が変化することに起因するものであると考えられる。また顆粒が略球状であれば、物理的な衝撃に対して力が分散されるため、物理的な安定性も高くなる。すなわち、顆粒が輸送・保管・製造などあらゆる工程において割れてしまうことを抑制し、所定の除草成分の持続性を維持することができる。
従来、顆粒の形状については、特に何もしなければ俵状に形成される。そのため、略球状にするためには、俵状の顆粒を略球状に変化させる工程を行う必要があり、工程数の増加につながる。そのため、形状を当該形状にすることは、当業者が通常の知識に基づいて容易に発想されるものではなく、あえて工程を増やしてでも当該形状にしたという点が本発明において非常に重要な点である。
本発明の顆粒状除草剤は、その粒径が2mm以上である。ここで、「顆粒の粒径が2mm以上である」とは、目開き2mmの網ふるい(日本工業規格Z8801の「標準ふるい」に規定する網ふるいで、目開き2mmのものをいう)に顆粒の集合を入れ、回転させながら毎分160回の打振を与えてふるった場合に、当該網ふるいを30分間で通過するものが10質量%以下であることを意味する。この試験方法は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年二月十七日自治省令第一号)の第一号第一項に準ずる、粉粒に該当するか否かの試験方法である。
顆粒状除草剤の粒径が2mm以上であれば、除草効果を長期間持続することができる。また形状が略球状であるため、それぞれの顆粒状除草剤が割れ難く、畑等に顆粒状除草剤を分散させた際に、各顆粒状除草剤の除草効果の持続性を一定とすることができる。
従来、顆粒状除草剤のサイズは分散性を高めるために小さくすることが一般的であった。またサイズが大きくなればそれだけ、顆粒状除草剤の内部まで乾燥させるために時間を要し、生産性が低下してしまう。そのため、サイズを大きくするということは、当業者が通常の知識に基づいて容易に発想されるものではない。すなわち、従来の方向性に反し、かつ生産性の低下を犠牲にしても、サイズを大きなものとしたという点が本発明において非常に重要な点である。
本発明の顆粒状除草剤の製造方法は、塩素酸ナトリウムと、炭酸水素ナトリウムと、結着材とを含む混合物に、水を加えて混練する混練工程と、混合された混合物を押し出し、ペレットを形成する押し出し工程と、前記ペレットの形状を最長径/最短径=1.0〜1.5を満たすように造粒する造粒工程と、造粒した顆粒を2mm以上のサイズに分ける分類工程と、分類後の顆粒を乾燥させる乾燥工程とを含む。
従来の顆粒状除草剤では形状を特に重要視していないため、当該造粒工程を含まない。これに対し、本発明では造粒工程を含むことで、燃焼性及び爆発性に対する安定性や物理的な力に対する安定性を高くすることができる。すなわち、安定性に優れ、長期間除草性能を持続できる顆粒状除草剤を提供することができる。このように、従来なかった工程を追加することは、生産効率の低下を招く恐れがあるため、当業者が通常の知識に基づいて容易に発想されるものではない。
なお、造粒工程は、必ずしも前述のペレットを形成する押し出し工程や後述する乾燥工程と別に行う必要はなく、例えば実質的に造粒工程に相当するような操作を押し出し工程または乾燥工程で行うことで、顆粒の形状を造粒してもよい。
得られた顆粒状除草剤は当該サイズ、形状であるため、除草効果を長期間持続することができる。
乾燥工程では、顆粒状除草剤のサイズが大きいため内部まで乾燥させるのに時間を要し、生産性が低下してしまう。そのため、サイズを大きくするということは、当業者が通常の知識に基づいて容易に発想されるものではない。
塩素酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)とベントナイトを重量比50:37:13の割合で混合した。混合された混合物100に対し、さらに水を重量比9加えて、混練工程を行い均一化した。混練された物質を押し出し機に通して、排出口から排出することでペレットを作製した。その際、均一なペレットを作製するために、排出口の直径を2.5mmとした。排出口から排出されたペレットをさらに、マルメライザー(ダルトン社製:登録商標)に投入し造粒した。そして、造粒された顆粒を190℃の乾燥機にかけ、水分量を1.0%以下まで乾燥し顆粒状除草剤を得た。
実施例2は、実施例1と炭酸水素ナトリウムとベントナイトの比率を変更した点が異なる。具体的には、塩素酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)とベントナイトを重量比50:30:20の割合で混合した。混合された混合物100に対し、さらに水を重量比9加えて、混練工程を行い均一化した。混練された物質を押し出し機に通して、排出口から排出することでペレットを作製した。その際、均一なペレットを作製するために、排出口の直径を2.5mmとした。排出口から排出されたペレットをさらに、マルメライザー(ダルトン社製:登録商標)に投入し造粒した。そして、造粒された顆粒を190℃の乾燥機にかけ、水分量を1.0%以下まで乾燥し顆粒状除草剤を得た。
実施例3は、実施例2と混練時の水分量を変更した点が異なる。具体的には、混合された混合物100に対し、さらに水を重量比12加えて、混練工程を行い均一化した。その他の点は、実施例2と同一とした。
塩素酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)とベントナイトを重量比50:30:20の割合で混合した。混合された混合物100に対し、さらに水を重量比6加えて、混練工程を行い均一化した。混練された物質を押し出し機に通して、排出口から排出することでペレットを作製した。その際、均一なペレットを作製するために、排出口の直径を2.0mmとした。排出口から排出されたペレットをさらに、マルメライザー(ダルトン社製:登録商標)に投入し造粒した。そして、造粒された顆粒を190℃の乾燥機にかけ、水分量を1.0%以下まで乾燥し顆粒状除草剤を得た。
比較例2は、造粒工程を行っておらず、さらに混練時の水分量を変更した点が比較例1と異なる。具体的には、混練時の水分量を9とした。その他の点は、比較例1と同様とした。
比較例3は、造粒工程を行っていない点が比較例1と異なる。その他の点は、比較例1と同様とした。
・粒径の測定方法
目開き2mmの網ふるい(日本工業規格Z8801の「標準ふるい」に規定する網ふるいで、目開き2mmのものをいう)に顆粒の集合を入れ、回転させながら毎分160回の打振を与えて30分間ふるい、ふるいの下に落ちた粒子が10質量%以下であった場合、顆粒の粒子径が2mm以上であるとした。
・粒子の形状
得られた顆粒状除草剤のうち10gをとり、定規を用いた目視にて、各粒子の最長径と最短径を測定した。最長径/最短径=1〜1.5の範囲に収まる粒子を略球状とみなし、全量のうち略球状に該当する粒子の質量%を測定した。
・水中崩壊性
水中崩壊性とは、水中における粒の崩壊性を測定したものであり、測定手段は平成14年1月10日付け13生産第3987号農林水産省生産局長通知に準拠した方法で測定した。具体的には、直径9cmのガラス製シャーレに水(3硬度水)50mlを入れて静置し、供試粒剤5粒をほぼ均一になるように投入する。投入直後から供試粒剤が原型をとどめなくなるまでの時間を測定した。
ここで、3硬度水は、炭酸カルシウム0.3077g、酸化マグネシウム0.092gを少量希塩酸に溶かしたのち、砂浴上で蒸発乾固して塩酸を除去し、水1Lに希釈する。この水は硬度30度となるため、使用に際して10倍希釈することで、3硬度水を得ることができる。
また実施例2及び実施例3、または比較例2と比較例3を比較すると、混練時の水分量が多くなることで得られる粒の形状が大きくなることがわかる。また形状が略球状であれば、水中崩壊性が緩やかであり、除草性能を長時間維持できることがわかる。
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた顆粒状除草剤について、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年二月十七日自治省令第一号)の記載に基づいた各試験を実施した。危険物の判定フローチャートについては、図2に記載する。図2における「粉粒状」とは2mm以上の粒子と同義である。
(1)過塩素酸カリウムを標準物質とした大量燃焼試験を実施したところ、結果は不燃であった。
(2)鉄管試験を実施したところ、結果は不爆であった。
実施例1〜3の除草剤は、同省令に定めるところの「粉粒状」には該当しない固体である。その上で上記(1)(2)の試験結果を考慮すると、実施例1の除草剤は、消防法に定めるところの非危険物に該当した。よって、燃焼性や爆発性の点から安定な化合物であり、また法規制上の取り扱いも容易である。
実施例2及び3の顆粒状除草剤も実施例1と同様の試験を行い、同様の結果が得られた。
比較例1〜3のそれぞれの除草剤の消防法に基づいた評価を行った。まず比較例1について、以下の検討を行った。
(1)臭素酸カリウムを標準物質とする燃焼試験を実施したところ、結果は燃焼時間126秒であり、標準物質の燃焼時間(38秒)以上であった。
(2)過塩素酸カリウムを標準物質とする燃焼試験を実施したところ、結果は燃焼時間69秒であり、標準物質の燃焼時間(208秒)以下であった。
(3)落球式打撃感度試験を塩素酸カリウム50%爆点で10回測定したところ、すべて不爆であった。
(4)落球式打撃感度試験を硝酸カリウム50%爆点で10回測定したところ、すべて爆であった。
比較例1の除草剤は、同省令に定めるところの「粉粒状」に該当する固体である。上記(1)〜(4)の結果を考慮すると、比較例1の除草剤は消防法に定めるところの第二種酸化性固体に該当した。よって実施例1の除草剤と比較すると、難燃性や爆発性の点から不安定であり、法規制上の取り扱い制限も種々生じるものである。
(1)過塩素酸カリウムを標準物質とした大量燃焼試験を実施したところ、結果は不燃であった。
(2)鉄管試験を実施したところ、結果は爆であった。
比較例2の除草剤は、同省令に定めるところの「粉粒状」に該当しない固体である。上記(1)(2)の結果を考慮すると、比較例2の除草剤は消防法に定めるところの第三種酸化性固体に該当した。よって実施例1の除草剤と比較すると、難燃性や爆発性の点から不安定であり、法規制上の取り扱い制限も種々生じるものである。
(1)臭素酸カリウムを標準物質とする燃焼試験を実施したところ、結果は燃焼時間126秒であり、標準物質の燃焼時間(38秒)以上であった。
(2)過塩素酸カリウムを標準物質とする燃焼試験を実施したところ、結果は燃焼時間69秒であり、標準物質の燃焼時間(208秒)以下であった。
(3)落球式打撃感度試験を塩素酸カリウム50%爆点で10回測定したところ、すべて不爆であった。
(4)落球式打撃感度試験を硝酸カリウム50%爆点で10回測定したところ、すべて爆であった。
比較例3の除草剤は、同省令に定めるところの「粉粒状」に該当する固体である。上記(1)〜(4)の結果を考慮すると、比較例3の除草剤は消防法に定めるところの第二種酸化性固体に該当した。よって実施例1の除草剤と比較すると、難燃性や爆発性の点から不安定であり、法規制上の取り扱い制限も種々生じるものである。
Claims (4)
- 40質量%〜60質量%の塩素酸ナトリウムと、25質量%〜40質量%の炭酸水素ナトリウムと、10質量%〜30質量%の結着材とを含み、前記結着材が、カオリンまたはベントナイトであり、
その80質量%以上の形状が、最長径/最短径=1.0〜1.5を満たし、
粒径が2mm以上である顆粒状除草剤。 - 40質量%〜60質量%の塩素酸ナトリウムと、25質量%〜40質量%の炭酸水素ナトリウムと、10質量%〜30質量%の結着材とを含み、前記結着材が、カオリンまたはベントナイトである混合物に、水を加えて混練する混練工程と、
混合された混合物を押し出し、ペレットを形成する押し出し工程と、
前記ペレットの形状を最長径/最短径=1.0〜1.5を満たすように造粒する造粒工程と、
造粒した顆粒を2mm以上のサイズに分ける分類工程と、
分類後の顆粒を乾燥させる乾燥工程とを含む顆粒状除草剤の製造方法。 - 前記混練工程において、前記混合物の総重量に対して、7/100〜20/100の重量の水を加える請求項2に記載の顆粒状除草剤の製造方法。
- 前記押し出し工程における押し出し速度を、300cm/sec〜450cm/secとする請求項2または3に記載の顆粒状除草剤の製造方法。
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