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JP6573766B2 - ブラスめっきワイヤの製造方法およびブラスめっきワイヤの製造装置 - Google Patents
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ブラスめっきワイヤの製造方法およびブラスめっきワイヤの製造装置 Download PDF

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本発明は、ブラスめっきワイヤの製造方法およびブラスめっきワイヤの製造装置(以下、単に「製造方法」および「製造装置」とも称す)に関し、詳しくは、従来よりも簡便に、製造コストを低減することができるブラスめっきワイヤの製造方法およびブラスめっきワイヤの製造装置に関する。
一般に、ブラスめっきワイヤは、直径約5.5mmの高炭素鋼ロッドからなるワイヤ材を原材料とし、所定の中間線径まで繰り返し乾式伸線を加える乾式伸線工程と、得られたワイヤ材にパテンティング処理を加えるパテンティング処理工程と、パテンティング処理後のワイヤ材に銅、亜鉛を順次めっきし、その後熱を加えて銅−亜鉛合金(ブラス)とするブラスめっき工程と、得られたブラスめっきワイヤ材に連続湿式伸線加工を施す連続湿式伸線工程と、を経ることにより製造されている。
しかしながら、ブラスめっきワイヤ材は、連続湿式伸線工程における潤滑性が悪いという問題を有している。この問題は、特に連続湿式伸線工程の初期段階に顕著である。この理由としては、ブラスめっきワイヤ材の表面に凹凸が存在すること、ブラスめっき処理における熱拡散処理時に生じた酸化亜鉛が表面に存在していること、が知られている。連続湿式伸線工程において、ブラスめっきワイヤ材の潤滑性が悪いと、連続湿式伸線工程で、ブラスめっきワイヤ材の断線や連続湿式伸線に用いるダイスの寿命の低下等が生じやすくなる。したがって、ブラスめっきワイヤ材の伸線速度の向上も難しく、また、ブラスめっきワイヤ材の伸線加工に要する電力も大きくなってしまう。
最終伸線加工速度を向上し、ブラスめっきワイヤ材の加工工程全体の生産性を向上させるために、特許文献1では、ワイヤ材にパテンティング処理を行い、次いでワイヤ材を酸洗し、その後ブラスめっき処理を行い、さらに電解化成処理によりりん酸塩被膜を形成し、乾式伸線加工あるいは湿式伸線加工を行う、ブラスめっきワイヤ材の高速加工が提案されている。
特開2002−1419号公報
しかしながら、特許文献1で提案されているブラスめっきワイヤの製造方法は、ブラスめっきワイヤ材に、電解化成処理によるりん酸塩被膜を形成する工程を含んでいるため、設備および製造工程が複雑になるといった問題を有している。また、廃液処理が必要となるため製造コストが高くなってしまうため、実用上好ましくはない。
そこで、本発明の目的は、従来よりも簡便に、製造コストを低減することができるブラスめっきワイヤの製造方法およびブラスめっきワイヤの製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ブラスめっきワイヤ材に所定の潤滑被膜処理液を用いて潤滑被膜処理を行うことにより、連続湿式伸線に先立つ湯洗処理、酸化亜鉛低減処理等の前処理を省くことができ、また、潤滑被膜付着量が少なくても十分な潤滑性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のブラスめっきワイヤの製造方法は、ワイヤ材にブラスめっき処理を施すブラスめっき工程と、得られたブラスめっきワイヤ材を所定の線径まで伸線する連続湿式伸線工程と、を有するブラスめっきワイヤの製造方法において、
前記ブラスめっき工程後、前記連続湿式伸線工程前に、有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液で潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理工程を有し、
前記有機ケイ素化合物が、下記化学式(I)、
Y〜Si−(OR)3−n (I)
(ここで、Yはビニル基、アミノ基、またはメルカプト基を表し、(OR)は加水分解性のアルコキシ基を表す。)で表されるものであることを特徴とするものである。
本発明の製造方法においては、前記潤滑被膜の付着量は0.05〜1.0mg/mとすることが好ましい。また、本発明の製造方法においては、前記潤滑被膜処理工程の後、乾燥工程を有することが好ましい。
本発明のブラスめっきワイヤの製造装置は、連続湿式伸線装置と、該連続湿式伸線装置の入線側に、潤滑被膜処理液を貯留する潤滑被膜処理槽を有する潤滑被膜処理装置と、を備え、ブラスめっきワイヤ材が、前記潤滑被膜処理装置と前記連続湿式伸線装置とに順に通線可能であり、
前記潤滑被膜処理液が下記化学式(I)、
Y〜Si−(OR)3−n (I)
(ここで、Yはビニル基、アミノ基、またはメルカプト基を表し、(OR)は加水分解性のアルコキシ基を表す。)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とするものである。
本発明の製造装置においては、好適には、前記潤滑被膜処理装置と前記連続湿式伸線装置との間に、乾燥装置を備える。
本発明によれば、従来よりも簡便に、製造コストを低減することができるブラスめっきワイヤの製造方法およびブラスめっきワイヤの製造装置を提供することができる。
本発明の一好適な実施の形態に係るブラスめっきワイヤの製造方法を用いたブラスめっきワイヤの製造方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
本発明のブラスめっきワイヤの製造方法は、ワイヤ材にブラスめっき処理を施すブラスめっき工程と、得られたブラスめっきワイヤ材を所定の線径まで伸線する連続湿式伸線工程と、を有する。図1は、本発明の一好適な実施の形態に係るブラスめっきワイヤの製造方法を用いたブラスめっきワイヤの製造方法のフローチャートである。図示例においては、まず、ワイヤ材に乾式伸線工程1にて乾式伸線処理を施し、次いで、パテンティング工程2で、得られたワイヤ材に対してパテンティング処理を施し、その後、ブラスめっき工程3で、ワイヤ材にブラスめっき処理を施している。本発明のブラスめっきワイヤの製造方法においては、ブラスめっき工程3後、連続湿式伸線工程6前に、有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液で潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理工程4を有する。
有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液にてブラスめっきワイヤ材に潤滑被膜処理を行うことで、連続湿式伸線に先立つ湯洗処理や、酸化亜鉛低減処理等の前処理を省いても、連続湿式伸線工程6において、十分な潤滑性を得ることができる。また、本発明の潤滑被膜処理工程4は、ブラスめっきワイヤ材を潤滑被膜処理液に接触させるだけでよいため、電解化成処理のように大掛かりな設備を必要とせず、また、製造工程が複雑になるようなこともない。ブラスめっきワイヤ材を潤滑被膜処理液に接触させる方法としては、潤滑被膜処理液を貯留してある浴等にブラスめっきワイヤ材を通線して浸漬させればよいが、これに限られるものではない。これ以外にも、ブラスめっきワイヤ材に潤滑被膜処理液をスプレーする方法や、流し掛ける方法、または刷毛塗り等でもよい。
本発明の製造方法に係る潤滑被膜処理液中の有機ケイ素化合物としては、下記化学式(I)、
Y〜Si−(OR)3−n (I)
で表される、いわゆるシランカップリング剤が好適である。ここで、Yはビニル基、アミノ基、メルカプト基等の有機官能基等を表し、(OR)は加水分解性のアルコキシ基等を表す。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
また、有機ケイ素化合物を溶解させる溶媒としては、ブラスめっきの前処理に適当な溶媒、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができ、これら溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これら溶媒に有機ケイ素化合物を溶解させ、ブラスめっき表面に付着させる場合、溶媒のpHが有機ケイ素化合物の付着安定性に影響するが、これらの溶媒のpHは、一般に2〜7の範囲が好ましい。
本発明の製造方法に係る潤滑被膜処理液における有機ケイ素化合物の濃度は、特に制限はないが、1〜200g/L、好ましくは、5〜150g/L、より好ましくは10〜100g/Lである。有機ケイ素化合物の濃度が1g/L未満であると、潤滑被膜処理液とブラスめっきワイヤ材との接触時間を長くする必要があり生産性の観点から好ましくない。一方、有機ケイ素化合物の濃度が200g/L超とすると、後述する、潤滑被膜の付着量に調整することが困難になる。
本発明の製造方法に係る潤滑被膜処理液は、有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液であればよく、その他の成分については、通常の潤滑被膜処理液と同様のものを用いることができ、特に制限されるものではない。特には、油性剤、極圧添加剤および界面活性剤等の通常の湿式潤滑液成分に加えて、銅および亜鉛を含有することが好ましい。好適には、脂肪酸、リン酸、アミン、リン酸エステル、界面活性剤、防錆剤、防腐剤を含んだ反応型潤滑被膜処理液である。
本発明の製造方法に係る潤滑被膜処理液においては、特に、ケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウムを主成分とする潤滑被膜処理液を好ましく用いることができる。炭素数12〜26の飽和脂肪酸と亜鉛、カルシウム、バリウム、リチウム、アルミニウムおよびマグネシウムからなる金属群から選ばれる少なくとも1種との塩と、融点が70℃以上である天然ワックスおよび合成ワックスのうちのいずれか一方または双方と、を含むことがより好ましい。特にはさらに、硫酸塩、ホウ酸塩、モリブデン酸塩およびタングステン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
上記硫酸塩等としては、例えば、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、ホウ酸カリウム(四ホウ酸カリウム等)、ホウ酸ナトリウム(四ホウ酸ナトリウム)、ホウ酸アンモニウム(四ホウ酸アンモニウム等)、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、飽和脂肪酸の金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウムを好適に使用することができる。
さらに、ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、カルナウバワックス等を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、潤滑被膜の付着量は0.05〜1.0mg/mが好ましい。本発明の製造方法に係る潤滑被膜処理液を用いて形成した潤滑被膜は、少量でもその性能を十分に発揮できるためであり、また、潤滑被膜の付着量を上記範囲とすることで、後に続く連続湿式伸線に持ち込む潤滑被膜成分の量が少なくて済むためである。すなわち、潤滑被膜の付着量を上記範囲とすることで、連続湿式伸線に用いる湿式潤滑液の成分のバランスを崩すことなく、湿式潤滑液の劣化を防止することができる。潤滑被膜の付着量は、潤滑被膜処理液中の有機ケイ素化合物の濃度と、ブラスめっきワイヤ材と潤滑被膜処理液との接触時間で調整することができる。例えば、有機ケイ素化合物が高濃度の潤滑被膜処理液の場合、接触時間を短くすればよく、一方、有機ケイ素化合物が低濃度の潤滑被膜処理液の場合、接触時間を長くすればよい。
本発明の製造方法においては、潤滑被膜処理工程4の後、乾燥工程5を設けてもよい。有機ケイ素化合物を含む潤滑被膜処理液は、化学反応により潤滑被膜を形成するので塗布後の乾燥は必須ではない。しかしながら、潤滑被膜処理液を乾燥させることにより、潤滑被膜の密着性を向上させることができるとともに、潤滑被膜成分の湿式潤滑液への持ち込みを低減することができる。乾燥条件は、例えば、60〜150℃で10〜60分にて行うか、または、常温で放置することにより行えばよい。
本発明の製造方法は、ブラスめっきワイヤの製造方法においては、ブラスめっき工程3後、連続湿式伸線工程6前に、有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液で潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理工程4を、好ましくは、その後に乾燥工程5を有するものであれば、それ以外の工程については、特に制限はない。例えば、ブラスめっき工程前に行われる、ワイヤ材に熱間圧延を加える乾式伸線工程1、乾式伸線工程を経たワイヤ材にパテンティング処理を行うパテンティング工程2等の工程については、従来から行われてきた条件を適用することができる。また、本発明の製造方法が適用されるワイヤ材の線径や材質等についても、特に制限されるものではなく、公知のものであればいずれも使用可能である。特には、本発明の製造方法においては、炭素含有量0.7質量%以上の高炭素ワイヤ材に好適に適用することができる。
次に、本発明のブラスめっきワイヤの製造装置について説明する。
本発明のブラスめっきワイヤの製造装置は、連続湿式伸線装置と、この連続湿式伸線装置の入線側に、潤滑被膜処理液を貯留する潤滑被膜処理槽を有する潤滑被膜処理装置と、を備え、ブラスめっきワイヤ材を、潤滑被膜処理装置および連続湿式伸線装置に、順次通線可能な構造を有している。すなわち、上述の本発明の製造方法に好適に用いることができるものである。したがって、使用する潤滑被膜処理液は、本発明の製造方法に用いるものと同じものを好適に用いることができる。
本発明の製造装置においては、潤滑被膜処理装置と連続湿式伸線装置との間に、乾燥装置を備えることが好ましい。上述のとおり、本発明の製造装置を用いて、本発明の製造方法を実施するにあたっては、有機ケイ素化合物を含む潤滑被膜処理液は、化学反応により潤滑被膜を形成するので塗布後の乾燥は必須ではない。しかしながら、潤滑被膜処理液を乾燥させることにより、潤滑被膜の密着性を向上させることができるとともに、潤滑被膜成分の湿式潤滑液への持ち込みを、さらに低減させることができる。乾燥条件としては、例えば、60〜150℃で10〜60分にて行うか、または、常温で放置することにより行えばよい。
本発明の製造装置においては、潤滑被膜処理槽内の潤滑被膜処理液量を制御すべく、水位計を設けて潤滑被膜処理液の原液供給量を制御することが好ましい。また、潤滑被膜処理槽内の潤滑被膜処理液の濃度を制御すべく、電導度計等のセンサーを設けて、潤滑被膜処理液の原液供給量および水の供給量を制御することも好ましい。これにより、常に安定した潤滑被膜を形成することが可能となり、連続湿式伸線を安定して行うことができるようになる。または、本発明の製造装置においては、一度に複数本のブラスめっきワイヤ材を処理できる構造とすることが好ましい。これにより、ブラスめっきワイヤの生産効率を上げることができる。
本発明の製造装置においては、連続湿式伸線装置と、この連続湿式伸線装置の入線側に、潤滑被膜処理液を貯留する潤滑被膜処理槽を有する潤滑被膜処理装置と、を備え、ブラスめっきワイヤ材が、潤滑被膜処理装置および連続湿式伸線装置に、順次通線可能であれば特に制限はない。例えば、連続湿式伸線装置は、従来から用いられている既知の連続湿式伸線装置を用いることができる。また、潤滑被膜処理装置は潤滑被膜処理液を貯留でき、かつ、ブラスめっきワイヤ材に潤滑被膜処理液を塗布できるものであればよい。さらに、乾燥装置としても従来から用いられている乾燥装置を用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜4、比較例1〜3および従来例>
連続湿式伸線装置と、この連続湿式伸線装置の入線側に、潤滑被膜処理液を貯留する潤滑被膜処理槽を有する潤滑被膜処理装置と、を有するブラスめっきワイヤの製造装置を用いて、直径1.53mmのブラスめっきワイヤ材を、21個のダイスを用いて直径0.24mmまで連続湿式伸線した。この際、湯洗、酸化亜鉛低減処理等の前処理は行わなかった。
潤滑被膜の付着量は、下記表1に従って、潤滑処理液槽に入れる潤滑被膜処理液の濃度および潤滑処理槽中でのブラスめっきワイヤの浸漬時間で調整した。潤滑被膜処理液の有機ケイ素化合物の濃度およびケイ酸ナトリウムの濃度は、水溶液1Lに含有する固形分の質量で表した。また、ブラスめっきワイヤ材の潤滑性の向上効果は、従来例の伸線電力を基準とした伸線電力低減度で評価した。したがって、従来例での伸線電力低減度は0となる。評価結果は、比較例1を100とした指数で表している。この値が大きいほど効果が大きいことを示す。
なお、実施例1〜4で用いた潤滑被膜処理液の組成は、従来例で用いた潤滑被膜処理液に有機ケイ素化合物を加えたものであり、比較例で用いた潤滑被膜処理液の組成は、従来例で用いた潤滑被膜処理液に有機ケイ素化合物に代えて、ケイ酸ナトリウムを加えたものである。なお、従来例で用いた潤滑被膜処理液は、りん酸塩と油性成分の混合水溶性潤滑剤である。
Figure 0006573766
実施例1、2および3は、潤滑被膜付着量が0.05〜1.0mg/mの範囲内と非常に少ないにもかかわらず、比較例1〜3よりも大きな電力低減度が得られた。一方、実施例4は、実施例1〜3と同様に有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液を用い、被膜付着量を本発明の範囲を超えて大きくした例である。被膜付着量を1.0mg/mよりも大きくしても、電力低減度は大きくならない。かえって潤滑被膜成分の湿式潤滑剤への持ち込み量が増えるので、湿式潤滑剤の成分バランスが崩れ、潤滑性能が劣化し易くなっていることがわかる。
1 乾式伸線工程
2 パテンティング工程
3 ブラスめっき工程
4 潤滑被膜処理工程
5 乾燥工程
6 連続湿式伸線工程

Claims (5)

  1. ワイヤ材にブラスめっき処理を施すブラスめっき工程と、得られたブラスめっきワイヤ材を所定の線径まで伸線する連続湿式伸線工程と、を有するブラスめっきワイヤの製造方法において、
    前記ブラスめっき工程後、前記連続湿式伸線工程前に、有機ケイ素化合物を含有する潤滑被膜処理液で潤滑被膜を形成する潤滑被膜処理工程を有し、
    前記有機ケイ素化合物が、下記化学式(I)、
    Y〜Si−(OR) 3−n (I)
    (ここで、Yはビニル基、アミノ基、またはメルカプト基を表し、(OR)は加水分解性のアルコキシ基を表す。)で表されるものであることを特徴とするブラスめっきワイヤの製造方法。
  2. 前記潤滑被膜の付着量が0.05〜1.0mg/mとする請求項1記載のブラスめっきワイヤの製造方法。
  3. 前記潤滑被膜処理工程の後、乾燥工程を有する請求項1または2記載のブラスめっきワイヤの製造方法。
  4. 連続湿式伸線装置と、該連続湿式伸線装置の入線側に、潤滑被膜処理液を貯留する潤滑被膜処理槽を有する潤滑被膜処理装置と、を備え、ブラスめっきワイヤ材が、前記潤滑被膜処理装置と前記連続湿式伸線装置とに順に通線可能であり、
    前記潤滑被膜処理液が下記化学式(I)、
    Y〜Si−(OR) 3−n (I)
    (ここで、Yはビニル基、アミノ基、またはメルカプト基を表し、(OR)は加水分解性のアルコキシ基を表す。)で表される有機ケイ素化合物を含有することを特徴とするブラスめっきワイヤの製造装置。
  5. 前記潤滑被膜処理装置と前記連続湿式伸線装置との間に、乾燥装置を備えた請求項4記載のブラスめっきワイヤの製造装置。
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