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JP6575607B2 - ロボットシステム及び制御方法 - Google Patents
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JP6575607B2 - ロボットシステム及び制御方法 - Google Patents

ロボットシステム及び制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、ロボットシステム及び制御方法に関する。
特許文献1には、アームの先端においてナットランナを把持し、該ナットランナを回転させることによりねじ締め作業を行うダブルアーム型ロボットが開示されている。
特開昭61−38882号公報
ロボットを利用したねじ締め作業において、ねじ締め精度の更なる向上が望まれる場合がある。そこで本開示は、ねじ締め精度を向上させることができるロボットシステム及び制御方法を提供することを目的とする。
本開示の一形態に係るロボットシステムは、多関節アームを有するロボットと、ねじ部を有する締結部材を緩める方向に回転させながら締結部材を移動させるようにロボットを制御することと、締結部材がねじ締め開始位置に到達するのに応じて、締結部材を締める方向に回転させるようにロボットを制御することと、を実行するように構成されたコントローラと、を備える。
本開示の一形態に係る制御方法は、多関節アームを有するロボットを用い、ねじ部を有する締結部材を緩める方向に回転させながら締結部材を移動させるようにロボットを制御することと、締結部材がねじ締め開始位置に到達するのに応じて、締結部材を締める方向に回転させるようにロボットを制御することと、を含む。
本開示によれば、ねじ締め精度を向上させることができる。
ロボットシステムの全体構成を示す模式図である。 ナットランナを示す斜視図である。 ナットランナに含まれるビット部の断面図である。 コントローラのハードウェア構成図である。 逆回転制御及び正回転制御を説明するための図である。 第2移動制御の繰り返し処理を説明するための図である。 ねじ締め処理を示すフローチャートである。 第1移動制御を示すフローチャートである。 第2移動制御を示すフローチャートである。 正回転制御を示すフローチャートである。
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[ロボットシステム]
本実施形態に係るロボットシステム1は、ワークW(被締結部材)に対してねじ締め作業を自動実行するものである。ねじとは、円筒又は円錐等の面に沿って螺旋状の溝を設けた固着具であり、外表面にねじ山が形成された雄ねじ、又は、内表面にねじ山が形成された雌ねじである。ねじ締め作業とは、少なくともいずれか一方にねじが形成された締結部材及び被締結部材を締結する作業である。本実施形態では、締結部材であるボルト3、及び、被締結部材であるワークWのねじ穴4の双方にねじ部が形成されており、当該ボルト3とワークWとを締結する例を、ねじ締め作業の一例として説明する。なお、ワークWには必ずしもねじ穴4が形成されていなくてもよく、この場合、ボルト3がワークWに穴を開けながら締結されてもよい。また、本実施形態では、締結部材がボルト3(雄ねじ)であり、被締結部材がワークW(雌ねじであるねじ穴4が形成されたもの)であるとして説明するが、例えば、締結部材が雌ねじ(ナット)であり、被締結部材がワーク(雄ねじ)であってもよい。
ねじ締め作業を自動実行するとは、ボルト3をワークWのねじ穴4に締結する作業のうち、少なくとも、ねじ締めのためにボルト3を回転させる作業(詳細は後述)を自動で実行することをいう。ねじ締め作業は、例えば、ワークWを含む物を組み立てる際の一工程として行われる。
図1に示すように、ロボットシステム1は、ロボット2と、ロボット2を制御するためのコントローラ9とを備える。
[ロボット]
(多関節アーム)
ロボット2は、多関節アーム15を有するシリアルリンク型のロボットである。以下、多関節アーム15の具体的な構成例を示す。多関節アーム15は、基台10と、旋回部20と、多関節アーム15を構成するアーム30(第1アーム),40(第2アーム)と、リスト70と、エンド部80と、モータ100(第1モータ),200(第2モータ),300(第3モータ),400,500,600とを有している。
基台10は床面に固定され、ロボット2全体を支持する。以下、基台10以外の各部の説明において、「基端」は基台10側の端を意味し、「先端」は基台10の逆側の端を意味する。
旋回部20は基台10上に設けられ、基台10を通る鉛直な軸線Ax1まわりに回転可能である。旋回部20にはアーム30の基端部が接続されている。
アーム30は、旋回部20とアーム30との接続部を通る軸線Ax2まわりに回転可能である。軸線Ax2は軸線Ax1に直交している。アーム30の先端部にはアーム40の基端部が接続されている。
アーム40は、アーム30とアーム40との接続部を通る軸線Ax3まわりに揺動可能である。軸線Ax3は軸線Ax2に平行である。アーム40の先端部にはリスト70の基端部が取り付けられている。アーム40の先端部及びリスト70は、アーム40の中心軸線に沿う軸線Ax4まわりに旋回可能である。
リスト70は、アーム40とリスト70との接続部を通る軸線Ax5まわりに揺動可能である。軸線Ax5は、軸線Ax4に直交している。リスト70の先端部にはエンド部80が設けられている。
エンド部80は、リスト70の先端部に中心軸線CL2に沿う軸線Ax6まわりに旋回可能である。エンド部80には、リスト70の逆側からエンドエフェクタが装着可能とされている。エンドエフェクタは、エンド部80に一体化されていてもよい。
モータ100は、軸線Ax1まわりに旋回部20を旋回させるための動力を発生する。図1のモータ100は旋回部20に設けられているが、これに限られず、基台10に設けられていてもよい。
モータ200は、軸線Ax2まわりにアーム30を揺動させるための動力を発生する。図1のモータ200はアーム30の基端部に設けられているが、これに限られず、旋回部20に設けられていてもよい。
モータ300は、軸線Ax3まわりにアーム40を揺動させるための動力を発生する。図1のモータ300はアーム40の基端部に設けられているが、これに限られず、アーム30の先端部に設けられていてもよい。
モータ400は、軸線Ax4まわりにアーム40を旋回させるための動力を発生する。モータ400は、例えばアーム40の基端部に設けられていてもよい。
モータ500は、軸線Ax5まわりにリスト70を揺動させるための動力を発生する。モータ500は、例えばアーム40に設けられていてもよい。
モータ600は、軸線Ax6まわりにエンド部80を旋回させるための動力を発生する。モータ600は、例えばアーム40に設けられていてもよい。
(ナットランナ)
ロボット2は、上記エンドエフェクタの一例として、多関節アーム15のエンド部80に装着可能なナットランナ81(ねじ締め機構)を更に有してもよい。ナットランナ81は、エンド部80に一体化されていてもよい。ナットランナ81は、基部82と、ビット部83(保持部)と、モータ84とを有している。図2及び図3も参照しながら、ナットランナ81の詳細について説明する。
基部82は、エンド部80に着脱可能に設けられており、ビット部83を保持する。基部82がエンド部80に装着された状態において、エンド部80に対する基部82の相対位置は不変となる。基部82の先端部は、ビット部83を着脱可能とされている(図2(c)参照)。モータ84は、ボルト3を回転させる(基部82に対してボルト3を回転させる)ための動力を発生する。モータ84は、ボルト3を保持するビット部83に回転駆動を与えることにより、ボルト3を回転させる。モータ84は、例えば基部82に設けられていてもよい。
ビット部83は、基部82に対して着脱可能であり、ボルト3を保持する。図3に示すように、ビット部83は、基端側から先端側に向かって、接続部83aと、回転伝達部83bと、吸着部83cと、チップ83dとを有している。接続部83aは、基部82に接続される部分である。回転伝達部83bは、モータ84からのトルクをチップ83dに伝える部分である。吸着部83cは、チップ83dのまわりの空間を減圧することにより、ボルト3をチップ83d側に吸着する部分である。チップ83dは、ボルト3の頭部に組み合うように構成されており、ボルト3と共に回転する。ボルト3がチップ83dに組み合った状態において、チップ83dに対するボルト3の相対位置は不変となる。
チップ83dは、ボルト3の頭部に組み合った状態で、ボルト3にトルクを伝達可能であればどのようなものであってもよい。チップ83dの具体例としていは、ボルト3の頭部の十字穴に挿入されるプラスビット、ボルト3の頭部のすりわり(マイナス穴)に挿入されるマイナスビット、ボルト3の頭部の六角穴に挿入される六角ビット、ボルト3の頭部を受け入れるソケット等が挙げられる。
ロボット2は、ロボット2の姿勢に対応してボルト3の位置が一義的に定まるように構成されている。具体的には、ロボット2は、ボルト3を保持している状態において、多関節アームの最先端の関節である、リスト70とエンド部80との接続部から、ボルト3までの距離が一定となるように構成されている。換言すると、ロボット2は、エンド部80を基準とした座標系におけるボルト3の位置が一定となるように構成されている。
より具体的に、ナットランナ81は、基部82に対するチップ83dの位置を変動させる緩衝機構を有していない。このため、基部82に対するチップ83dの位置は実質的に不変である。上述のように、エンド部80に対する基部82の相対位置は不変であり、チップ83dに対するボルト3の相対位置も不変である。従って、基部82に対するチップ83dの位置が不変であることで、エンド部80を基準とした座標系におけるボルト3の位置が一定となる。
[コントローラ]
コントローラ9は、ロボット2を制御する。具体的には、コントローラ9は、ワークWに対してねじ締め作業が実行されるように、ロボット2を制御する。すなわち、コントローラ9は、ワークWのねじ穴4にボルト3が締結されるように、ロボット2を制御する。
コントローラ9は、モータ100〜600の駆動を制御することにより、旋回部20、アーム30,40、リスト70、及びエンド部80の、位置及び姿勢を設定する。また、コントローラ9は、モータ84の駆動を制御することにより、ビット部83に回転駆動を与え、ボルト3を回転させる。
コントローラ9は、ねじ部を有するボルト3を逆回転させながらボルト3を移動させるようにロボット2を制御することと、ボルト3がねじ締め開始位置であるねじ穴4に到達するのに応じて、ボルト3を正回転させるようにロボット2を制御することと、を実行するように構成されている。なお、ボルト3を逆回転させるとは、ボルト3をねじ締め作業における緩める方向に回転させることをいう。また、ボルト3を正回転させるとは、ボルト3をねじ締め作業における締める方向に回転させることをいう。
ロボットシステム1は、コントローラ9のユーザインターフェースとしてコンソール8を更に備えていてもよい。コンソール8は、コントローラ9に接続されており、ユーザからコントローラ9への入力情報を取得し、コントローラ9からユーザへの出力情報を表示する。コンソール8の具体例としては、キーボード、マウス及びモニタが挙げられる。コンソール8は表示部と入力部とが一体化したティーチングペンダントであってもよいし、タッチパネルディスプレイであってもよい。
以下、コントローラ9の具体的な構成例について説明する。コントローラ9は、機能モジュールとして、探索制御部91と、締め込み制御部92と、位置判定部93と、姿勢調節部94と、を有している。
探索制御部91は、ボルト3を逆回転させながら移動させるように、ロボット2を制御する。探索制御部91は、ボルト3を保持したロボットを制御する。探索制御部91による制御は、ボルト3がねじ穴4に到達するまで継続的に行われる。探索制御部91は、第1移動制御と、第2移動制御とを行う。
探索制御部91は、最初に第1移動制御を行う。第1移動制御は、基準位置(詳細は後述)にセットされたボルト3を、ワークW側へ向かう第1方向に沿って移動させ、ワークWに到達させるようにロボット2を制御する処理である。図5(a)は基準位置にセットされたボルト3を示している。本実施形態では、ワークWの上面に形成されたねじ穴4にボルト3を締結する例を説明するため、上述したワークW側へ向かう第1方向とは下方向である。以下、第1移動制御においてボルト3を移動させる第1方向をZ方向、当該Z方向に交差する方向をX方向及びY方向として説明する場合がある。
探索制御部91は、第1移動制御においてボルト3がねじ穴4とは異なる位置でワークWに到達した場合(図5(d)参照)に、第2移動制御を行う。第2移動制御は、上記異なる位置を囲む所定の範囲内の箇所をターゲットにして、ボルト3を移動させるようにロボット2を制御する処理である。探索制御部91は、ボルト3がねじ穴4に到達するまで、第2移動制御を繰り返す。
締め込み制御部92は、ボルト3がねじ穴4に到達するのに応じて、ボルト3を正回転させるようにロボット2を制御する。締め込み制御部92は、ボルト3を正回転させると共に、ボルト3がねじ穴4の方向に押し込まれる(ねじ込まれる)ようにロボット2を制御する(図5(c)参照)。締め込み制御部92は、ボルト3を正回転させる際に、ボルト3のねじ込みが進行するのに応じてボルト3の回転速度を高く(例えば段階的に高く)してもよい。締め込み制御部92は、ボルト3のねじ込み初期段階においては仮締め処理を行い、ねじ込みが所定位置まで進んだ段階で本締め処理を行ってもよい。本締め処理におけるボルト3の回転速度は、仮締め処理におけるボルト3の回転速度よりも高い。締め込み制御部92は、ボルト3のねじ込みが進行するのに応じてボルト3の移動速度(下降速度)が高くなるようにロボット2を制御する。
位置判定部93は、ボルト3がねじ穴4に到達したか否かを判定する。位置判定部93は、ボルト3がワークWに接した状態にて、ボルト3とワークWとが対向する方向(すなわちZ方向)におけるボルト3の位置(すなわち高さ)に基づいて、ボルト3がねじ穴4に到達したか否かを判定してもよい。
位置判定部93は、ボルト3を介してロボット2に伝わる反力に基づき、ボルト3とワークWとが接しているか否かを判定してもよい。位置判定部93は、例えば、ロボット2における基端側のモータであるモータ100,200,300のトルクに基づいて、上述した反力を導出してもよい。
姿勢調節部94は、上述した反力の上昇を抑制するように、ロボット2の姿勢を調節する。姿勢調節部94は、例えば反力が所定値よりも大きくならないように、ロボット2の姿勢を調節してもよい。姿勢調節部94は、ロボット2の姿勢を調節することを、例えば、外力への追従を可能とするサーボフロート制御により実行する。サーボフロート機能は、例えば、モータ100〜600の少なくとも何れか(例えばモータ100,200,300)のトルクにリミットを設けることで実現可能である。例えばモータに供給する電流にリミットを設けることで、当該モータのトルクにリミットを設けることができる。なお、「リミットを設ける」とは、当該リミットを超えないように制御することを意味する。
姿勢調節部94は、上述した第1移動制御の実行中には、ロボット2の姿勢を調節することを、Z方向の反力に対して実行し、Z方向に交差するX方向及びY方向に対しては実行しなくてもよい。すなわち、姿勢調節部94は、第1移動制御の実行中には、Z方向の反力が所定値よりも大きくならないように、モータ100,200,300のトルクを制御し、Z方向のサーボフロート機能を有効化してもよい。
姿勢調節部94は、上述した第2移動制御の実行中及び締め込み制御部92による制御中には、ロボット2の姿勢を調節することをZ方向の反力、並びに、Z方向に交差するX方向及びY方向の反力に対して実行してもよい。すなわち、姿勢調節部94は、第2移動制御の実行中及び締め込み制御部92による制御中には、Z方向、X方向、及びY方向の反力が所定値よりも大きくならないように、モータ100,200,300のトルクを制御し、Z方向、X方向、及びY方向のサーボフロート機能を有効化してもよい。
コントローラ9のハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成される。コントローラ9は、ハードウェア上の構成として、例えば図4に示す回路900を有する。回路900は、プロセッサ901と、メモリ902と、ストレージ903と、入出力ポート904と、ドライバ905とを有する。ドライバ905は、ロボット2の各種アクチュエータを駆動するための回路である。入出力ポート904は、外部信号の入出力を行うのに加え、ドライバ905に対する信号の入出力も行う。プロセッサ901は、メモリ902及びストレージ903の少なくとも一方と協議してプログラムを実行し、入出力ポート904を介した信号の入出力を実行することで、上述した機能モジュールを構成する。
なお、コントローラ9のハードウェア上の構成は、必ずしもプログラムの実行により機能モジュールを構成するものに限られない。例えばコントローラ9は、専用の論理回路により、又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)によりこれらの機能モジュールを構成するものであってもよい。
[ねじ締め処理]
次に、ロボットシステム1によるねじ締め処理(制御方法)について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、ねじ締め処理の手順は、ステップS1〜ステップS6を含む。コントローラ9は、まずステップS1を実行する。ステップS1では、コントローラ9が、ボルト3のピックアップ制御を行う。ピックアップ制御では、まず、制御開始指示を契機として、コントローラ9がロボット2の制御を開始する。制御開始指示は、上位のコントローラから送信されるものであってもよいし、コンソール8を介してオペレータにより入力されるものであってもよい。コントローラ9は、ナットランナ81のビット部83が、締結予定のボルト3の直上に移動するようにロボット2を制御し、ビット部83の吸着部83cを動作させるようにロボット2を制御する。これにより、ボルト3がチップ83d側に吸着され、チップ83dがボルト3の頭部に組み合う。
続いて、コントローラ9は、ステップS2を実行する。ステップS2では、コントローラ9が、ボルト3を保持したビット部83を移動させることにより、ボルト3を基準位置にセットする。基準位置とは、探索制御部91による第1移動制御を開始する際のボルト3の位置である。基準位置は、X方向及びY方向における位置がワークWのねじ穴4と一致している。そのため、第1移動制御によって基準位置からZ方向(下方向)に移動したボルト3は、通常、ねじ穴4に到達することとなる。
続いて、コントローラ9は、ステップS3を実行する。ステップS3では、コントローラ9が第1移動制御を行う。続いて、コントローラ9は、ステップS4を実行する。ステップS4では、コントローラ9がねじ締め開始位置か否かの判定(位置判定)を行う。ステップS4においてねじ締め開始位置でないと判定された場合には、コントローラ9は、ステップS5を実行する。ステップS5では、コントローラ9が第2移動制御を行う。ステップS4においてねじ締め開始位置であると判定された場合には、コントローラ9は、ステップS6を実行する。ステップS6では、コントローラ9が正回転制御を行う。以下、上述したステップS3〜ステップS6の各処理の詳細について、図8〜図10も参照しながら説明する。
(第1移動制御(ステップS3))
図8に示すように、第1移動制御の手順は、ステップS31〜S33を含む。ステップS31では、姿勢調節部94が、ボルト3を介してロボット2に伝わる反力の上昇を抑制するようにロボット2の姿勢を調節する。姿勢調節部94は、例えば、Z方向の反力が所定値よりも大きくならないように、モータ100,200,300のトルクを制御して、Z方向のサーボフロート機能を有効化する。この場合、姿勢調節部94は、X方向及びY方向のサーボフロート機能については、有効化しない。姿勢調節部94は、例えばモータに流れる電流を調節することにより、モータのトルクを調節してもよい。なお、姿勢調節部94は、上記モータ100,200,300に替えて(又は加えて)ロボット2の他のモータのトルクを制御することにより、ロボット2の姿勢を調節してもよい。コントローラ9は、当該ステップS31を、上述したステップS1の後且つステップS2の前に実行してもよい。すなわち、コントローラ9は、ボルト3を基準位置にセットする前に、Z方向のサーボフロート機能を有効化してもよい。
続いて、ステップS32では、探索制御部91が、ボルト3を逆回転させるようにロボット2を制御する。該逆回転は、ボルト3がねじ穴4に到達するまで継続的に行われる。そして、ステップS33では、探索制御部91が、基準位置にセットされたボルト3を、ワークW側へ向かうZ方向(下方向)に下降させるようにロボット2を制御する。以上が、ステップS3の第1移動制御の詳細である。
(位置判定(ステップS4))
ステップS4の位置判定では、位置判定部93が、ボルト3がねじ穴に到達したか(ねじ締め開始位置か)否かを判定する。位置判定部93は、ボルト3がワークWに接した状態にて、ボルト3とワークWとが対向する方向(すなわちZ方向)におけるボルト3の位置(すなわち高さ)に基づいて、ボルト3がねじ穴4に到達したか否かを判定してもよい。位置判定部93は、例えば、ロボット2の関節部分に設けられた角位置センサの値などに基づき、ボルト3の高さを特定してもよい。当該角位置センサとしては、例えばロータリエンコーダなどを用いることができる。
図5(b)に示すように、ボルト3がワークWに接した際に、ボルト3がねじ穴4に到達していると、ボルト3がねじ穴4の先端部分に入り込む。これに対して、図5(d)に示すように、ボルト3がねじ穴4に到達しておらずボルト3がワークWにおけるねじ穴4以外に接した場合には、ボルト3がねじ穴4に入り込まない分だけ、ボルト3がねじ穴4に到達した場合よりもボルト3の高さが高くなる。このように、ボルト3がねじ穴4に到達しているか否かによって、ワークWに接した際のボルト3の高さが異なるので、位置判定部93は、ボルト3がねじ穴4に到達しているか否かを判定することができる。
位置判定部93は、ボルト3を介してロボット2に伝わる反力に基づき、ボルト3とワークWとが接しているか否かを判定してもよい。位置判定部93は、例えば、ロボット2における基端側のモータであるモータ100,200,300のトルクに基づいて、上述した反力を導出してもよい。ロボット2に伝わる反力が大きくなると、該反力に打ち勝ってロボット2を動かす必要が生じるため、モータ100,200,300を制御するときのトルクも大きくなる。このため、モータ100,200,300のトルクに基づいて、ロボット2に伝わる反力を検出することができる。なお、位置判定部93は、上記モータ100,200,300に替えて(又は加えて)ロボット2の他のモータのトルクに基づき反力を導出してもよい。位置判定部93は、例えばモータに流れる電流から、モータのトルクを特定してもよい。以上が、ステップS4の位置判定処理の詳細である。
(第2移動制御(ステップS5))
図9に示すように、第2移動制御の手順は、ステップS51〜S55を含む。ステップS51では、姿勢調節部94が、サーボフロート機能を無効化する。なお、コントローラ9は、当該ステップS51を実行しなくてもよい。すなわち、コントローラ9は、サーボフロート機能を無効化しなくてもよい。続いて、ステップS52では、探索制御部91がボルト3を保持したビット部83を移動させることにより、ボルト3を基準位置にセットする。すなわち、探索制御部91は、第1制御においてボルト3がワークWに接した位置から、上方向にボルト3を移動させて基準位置にボルト3がセットされるように、ロボット2を制御する。
上述したように、基準位置は、ねじ穴4の直上となるように事前に設定された位置である。しかしながら、例えば、ビット部83に吸着されたボルト3が何らかの理由で傾いた場合や、ねじ穴4が形成されたワークWが何らかの理由で位置ずれした場合などにおいては、基準位置の直下がねじ穴4とならない場合がある。この場合、第1制御において基準位置からボルト3が下降すると、ボルト3はねじ穴4とは異なる位置でワークWに到達することとなる。
第2移動制御では、基準位置の直下の位置を囲む、所定の範囲内の箇所をターゲットにして、ボルト3を移動させるようにロボット2を制御する。第2移動制御では、例えば、基準位置の直下の位置を中心とした所定の範囲内の箇所がターゲットとされてもよい。
例えば、図6に示すように、第1移動制御においてワークWに到達した位置がねじ穴4とは異なる位置MRであった場合、探索制御部91は、当該異なる位置MRを中心とした所定半径の円の円周上の8つの位置NR1〜NR8を新たなターゲットとして特定する。探索制御部91は、新たなターゲットとして特定した位置NR1〜NR8の遷移順序(ターゲット順序)を決定する。
そして、ステップS53では、探索制御部91が、ターゲット順序が1番の新たなターゲットの直上へ、ボルト3を移動させるようにロボット2を制御する。この場合、探索制御部91は、ボルト3を、基準位置からX方向及びY方向にのみ移動させるようにロボット2を制御する。なお、コントローラ9は、上述したステップS52を実行せずに、ステップS51の後にステップS53を実行してもよい。すなわち、コントローラ9は、基準位置への移動を行わずに、第1移動制御においてボルト3がワークWに到達した位置から、新たなターゲットの直上へ直接移動してもよい。
続いて、ステップS54では、姿勢調節部94が、Z方向、X方向、及びY方向の反力が所定値よりも大きくならないように、モータ100,200,300のトルクを制御して、Z方向、X方向、及びY方向のサーボフロート機能を有効化する。更に、ステップS55では、探索制御部91が、新たなターゲットの直上にセットされたボルト3を、Z方向(下方向)に下降させるようにロボット2を制御する。以上が、ステップS5の第2移動制御の詳細である。
なお、探索制御部91は、第2移動制御において、ターゲット順序が1番のターゲットにボルト3を移動させても、ステップS4の位置判定においてボルト3がねじ穴に到達していないと判定された場合には、ターゲット順序が2番のターゲットにボルト3を移動させるように、再度、第2移動制御を行う。このように、コントローラ9は、ボルト3がねじ穴4に到達するまで第2移動制御を繰り返すように構成されている。なお、探索制御部91は、上述した位置NR1〜NR8をターゲットにしてボルト3を移動させても、ボルト3がねじ穴4に到達しなかった場合には、上記異なる位置MRを中心とした、更に半径が大きい円の円周上の位置AN1〜AN8(図6参照)を新たなターゲットとして特定してもよい。
(正回転制御(ステップS6))
図10に示すように、正回転制御の手順は、ステップS61〜S69を含む。ステップS61では、姿勢調節部94が、Z方向、X方向、及びY方向のサーボフロート機能を有効化する。なお、コントローラ9は、すでにZ方向、X方向、及びY方向のサーボフロート機能が有効化されている場合には、ステップS61を実行しなくてもよい。続いて、ステップS62では、締め込み制御部92が、ボルト3を仮締め正回転させるようにロボット2を制御する。仮締め正回転とは、正回転であって、後述する本締め正回転よりも回転速度が低い正回転である。続いて、ステップS63では、締め込み制御部92が、モータ84のトルクが所定の仮締めトルクに到達するまで、ボルト3を下降させるようにロボット2を制御する。なお、仮締め正回転の際にボルト3を下降させる速度は、後述する本締め正回転の際にボルト3を下降させる速度よりも低い。
ステップS64では、締め込み制御部92が、ボルト3が所定の仮締め完了位置に到達したか否かを判定する。締め込み制御部92は、ボルト3とワークWとが対向する方向(すなわちZ方向)におけるボルト3の位置(すなわち高さ)に基づいて、ボルト3が仮締め完了位置に到達したか否かを判定してもよい。締め込み制御部92は、例えば、ロボット2の関節部分に設けられた角位置センサの値などに基づき、ボルト3の高さを特定してもよい。
ステップS64において仮締め完了位置であると判定された場合には、締め込み制御部92が、ボルト3を本締め正回転させるようにロボット2を制御する(ステップS65)。本締め正回転とは、正回転であって、仮締め正回転よりも回転速度が高い正回転である。つづいて、ステップS66では、締め込み制御部92が、モータ84のトルクが所定の本締めトルクに到達するまで、ボルト3を下降させるようにロボット2を制御する。なお、本締め正回転の際にボルト3を下降させる速度は、仮締め正回転の際にボルト3を下降させる速度よりも高い。
ステップS67では、締め込み制御部92が、ボルト3が所定の本締め完了位置に到達したか否かを判定する。ステップS67において本締め完了位置であると判定された場合には、姿勢調節部94がサーボフロート機能を無効化し(ステップS69)、一連のねじ締め作業が完了する。一方で、ステップS64において仮締め完了位置でないと判定された場合、及び、ステップS67において本締め完了位置でないと判定された場合には、締め込み制御部92は、ねじ締めに失敗したと判断し(ステップS68)、ボルト3を緩めて取り出し、処理を終了する。以上が、ステップS6の正回転制御の詳細である。
[本実施形態の効果]
以上に説明したように、ロボットシステム1は、多関節アーム15を有するロボット2と、ロボット2を制御するコントローラ9とを備える。コントローラ9は、ねじ部を有するボルト3を逆回転させながらボルト3を移動させるようにロボット2を制御することと、ボルト3がねじ穴4に到達するのに応じて、ボルト3を正回転させるようにロボット2を制御することと、を実行するように構成されている。
ロボットシステム1では、ボルト3がねじ穴4に到達するまで、ボルト3が逆回転させられる。すなわち、ボルト3は、ねじ穴4を探索する段階において逆回転している。ボルト3を回転させながらねじ穴4を探索することにより、ボルト3が回転していない場合と比較して、ボルト3の姿勢を安定させることができる。このことで、ボルト3が傾いた状態でねじ穴4に到達することを抑制することができる。また、例えばボルト3を正回転させながらねじ穴4を探索した場合には、ねじ穴4に対してボルト3の位置がずれていた場合に、ボルト3がねじ穴4に対して斜め締めされることが問題となる。この点、ロボットシステム1では、ねじ穴4に到達するまではボルト3が逆回転しているため、ねじ穴4に対してボルト3が締め付けられることがなく、斜め締めを抑制することができる。以上、ロボットシステム1によれば、ボルト3の移動時の姿勢が安定すると共に、ボルト3の斜め締めが抑制されることにより、ねじ締め精度を向上させることができる。
コントローラ9は、ボルト3がワークWに接した状態にて、ボルト3とワークWとが対向する方向(Z方向)におけるボルト3の位置に基づいて、ボルト3がねじ穴4(ねじ締め開始位置)に到達したと判定するように構成されていてもよい。ボルト3がワークWに接した状態において、ボルト3がねじ穴4に到達している場合(図5(b)参照)と、到達していない場合(図5(d)参照)とでは、ボルト3のZ方向の位置(高さ)が異なるので、当該ボルト3の高さに基づいてねじ穴4への到達を判定することにより、ねじ締め開始のタイミングを単純な手法で的確に検出することができる。
コントローラ9は、ボルト3を介してロボット2に伝わる反力に基づき、ボルト3とワークWとが接しているか否かを判定するように構成されていてもよい。ロボット2の内部情報を用いることにより、ボルト3とワークWとが接したか否かを単純な構成で的確に判定することができる。
ロボット2は、駆動用のモータ100〜600を有し、コントローラ9はこれらのモータのトルクに基づいて、反力を導出してもよい。モータのトルクは反力に応じて上昇するので、モータのトルクに基づき反力を導出することにより、ボルト3とワークWとが接したか否かを単純な構成で的確に判定することができる。
更に、コントローラ9は、旋回部20を旋回させるためのモータ100、アーム30を揺動させるためのモータ200、及び、アーム40を揺動させるためのモータ300のトルクに基づいて、反力を導出してもよい。このように、旋回部20を含む基側の3軸のトルクに基づいて反力を導出することにより、反力を高感度に検出できる。
コントローラ9は、反力の上昇を抑制するようにロボット2の姿勢を調節することを更に実行するように構成されていてもよい。これにより、ボルト3を押し付ける力が過大とならないように制御しながらねじ締めを行うことができ、ばね等の機械的な緩衝機構を用いない簡易な構成で、ロボット2によるねじ締めを行うことができる。
ボルト3を逆回転させながらボルト3を移動させるようにロボット2を制御することは、ボルト3をワークW側へ向かうZ方向に沿って移動させ、ワークWに到達させるようにロボット2を制御する第1移動制御と、第1移動制御にて、ボルト3がねじ穴4とは異なる位置でワークWに到達した場合に、当該位置を囲む所定の範囲内の箇所をターゲットにしてボルト3を移動させるようにロボット2を制御する第2移動制御と、を含み、コントローラ9は、第1移動制御の実行中には、反力の上昇を抑制するようにロボット2の姿勢を調節することをZ方向の反力に対して実行し、Z方向に交差するX方向及びY方向の反力に対しては実行しないように構成され、第2移動制御の実行中には、反力の上昇を抑制するようにロボット2の姿勢を調節することをZ方向、X方向、及びY方向の反力に対して実行するように構成されていてもよい。
第1移動制御においてボルト3がねじ穴4とは異なる位置でワークWに到達した場合に、第2移動制御が行われる。基準位置の直下にはねじ穴4が配置されるように事前設定されている。そのため、何らかの理由により第1移動制御に失敗した場合であっても、基準位置の直下(第1移動制御においてボルト3が到達した、ねじ穴4とは異なる位置)の周辺に、ねじ穴4が配置されている可能性が高いと考えられる。よって、第2移動制御では、第1移動制御においてボルト3が到達した位置を囲む所定の範囲内の箇所がターゲットとされることが好ましい。第1移動制御において、X方向及びY方向に対してもサーボフロート機能が有効にされると、トルク倣い動作により、ワークWに到達したボルト3のX方向及びY方向における位置がずれるおそれがある。この場合には、第2移動制御におけるターゲットが、基準位置の直下の周辺位置とならず、第2移動制御におけるねじ穴4の探索精度を悪化させるおそれがある。この点、第1移動制御において、Z方向のサーボフロート機能のみが有効にされることにより、第2移動制御におけるターゲットを設定する際の基準となる位置がずれにくくなり、第2移動制御におけるねじ穴4の探索精度を担保することができる。一方で、第2移動制御においては、X方向及びY方向に対してもサーボフロート機能が有効にされることにより、トルク倣い動作によって、X方向及びY方向に探り動作が行われ、X方向及びY方向における位置をずらしながら、広範囲でねじ穴4を探索することができる。すなわち、第2移動制御においてねじ穴4に到達し易くすることができる。
コントローラ9は、ボルト3がねじ穴4に到達するまで第2移動制御を繰り返すように構成されていてもよい。コントローラ9は、例えば図6に示すように、第1移動制御において到達した、ねじ穴4とは異なる位置MRを中心とした所定半径の円周上の位置NR1〜NR8を新たなターゲットとして特定し、ターゲット順序を決めて、ねじ穴4に到達するまで、位置NR1〜NR8へボルト3を順次遷移させる。このように新たなターゲットへのボルト3の遷移を繰り返すことにより、ボルト3を高確率でねじ穴4に到達させることができる。
コントローラ9は、反力の上昇を抑制するようにロボット2の姿勢を調整することを、旋回部20を旋回させるためのモータ100、アーム30を揺動させるためのモータ200、及び、アーム40を揺動させるためのモータ300のトルク制御により実行するように構成されていてもよい。旋回部20を含む基側の3軸のトルク制御を行うことにより、反力に対する応答性を高めることができる。
コントローラ9は、ボルト3を正回転させる際に、ボルト3のねじ込みが進行するのに応じてボルト3の回転速度を高くするように構成されていてもよい。ボルト3をねじ穴4にねじ込む際においては、ねじ込みの初期段階ほど、ねじ穴4におけるボルト3の可動範囲が広く、ボルト3の位置ずれにより斜め締めが発生しやすい。この点、初期段階においては、ボルト3の回転速度を低くすることにより、トルク制御による倣い動作をより確実に作用させながら、斜め締めを好適に抑制することができる。一方で、ボルト3の位置が概ね定まっているねじ込みの後期段階においては、ボルト3の回転速度を高くすることにより、迅速にねじ締めを行い、作業時間を短縮することができる。
コントローラ9は、ボルト3を正回転させる際に、ボルト3のねじ込みが進行するのに応じて、ボルト3の回転速度を段階的に高くするように構成されていてもよい。具体的には、本実施形態では、ねじ込みの初期段階では仮締め処理が行われ、ねじ込みの後期段階では仮締め処理におけるボルト3の回転速度よりも高い本締め処理が行われる。回転速度を段階的に高くすることにより、ねじ込みの進行に応じた回転速度の変更を簡易且つ適切に行うことができる。
ロボット2は、ロボット2の姿勢に対応してボルト3の位置が一義的に定まるように構成されていてもよい。これにより、ロボット2の姿勢に基づいて、ボルト3の位置を簡易且つ高精度に特定することができる。
ロボット2は、ボルト3を保持している状態において、多関節アーム15の最先端の関節からボルト3までの距離が一定となるように構成されていてもよい。これによって、単純に、ロボット2の位置のみからボルト3の位置を特定することが可能となり、より簡易な構成で、ボルト3の位置を特定することができる。
ロボット2は、エンド部80に装着可能なナットランナ81を更に有し、ナットランナ81は、エンド部80に着脱可能な基部82と、基部82に対して着脱可能であり、ボルト3を保持するビット部83と、ボルト3を基部82に対して回転させるモータ84とを有し、基部82から、ビット部83により保持されたボルト3までの距離が一定となるように構成されていてもよい。ナットランナ81を用いることにより、ロボット2によるねじ締めを簡易且つ適切に行うことができる。また、ナットランナ81を用いてねじ締めを行う際において、基部82からボルト3までの長さが変わらないので、単純に、ロボット2の位置のみからボルト3の位置を特定することが可能となり、簡易な構成で、ボルト3の位置を特定することができる。
なお、基部82からボルト3までの長さが不変になるとは、ビット部83において、ボルト3の軸方向に伸縮するスピンドルユニット等のばね機構が設けられていないことを意味している。ばね機構が設けられていないことにより、ばね機構が設けられた場合と比較して、ボルト3とねじ穴4のねじ山同士の不完全な噛み込みが発生し易くなることが考えられる。この点、本実施形態では、上述したようにボルト3が逆回転しているので、ばね機構を用いず基部82からボルト3までの長さを不変とした場合においても、ねじ山同士の不完全な噛み込みが発生することを抑制できる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、ボルト3がワークWに接した状態にて、ボルト3とワークWとが対向する方向におけるボルト3の位置に基づいて、ボルト3がねじ穴4に到達したと判定するとして説明したがこれに限定されない。すなわち、例えば、カメラ等によってボルト3の位置を特定することにより、ボルト3がねじ穴4に到達したことを判定してもよい。
また、ロボット2はナットランナ81を有し、ナットランナ81の基部82からビット部83により保持されたボルト3までの距離が一定となるように構成されているとして説明したがこれに限定されない。すなわち、例えばナットランナのビット部にばね機構が設けられ、基部からボルトまでの距離が可変とされると共に、ばね機構の変位量を検出可能な構成を更に備えることによって、ロボットの姿勢からボルトの位置が一義的に定まるように構成されていてもよい。
また、ロボット2はナットランナ81を有し、該ナットランナ81によりねじ締めを行うとして説明したがこれに限定されず、エンド部に装着したその他のエンドエフェクタにより、ねじ締めを行ってもよい。
本開示は、ロボットを利用したねじ締め作業に利用可能である。
1…ロボットシステム、2…ロボット、3…ボルト(締結部材)、4…ねじ穴、9…コントローラ、15…多関節アーム、20…旋回部、30,40…アーム(第1アーム及び第2アーム)、80…エンド部(先端部)、81…ナットランナ(ねじ締め機構)、82…基部、83…ビット部(保持部)、100,200,300…モータ(第1モータ、第2モータ、及び第3モータ)、W…ワーク(被締結部材)。

Claims (15)

  1. 多関節アームを有するロボットと、
    ねじ部を有する締結部材が被締結部材に到達するまで、前記締結部材を緩める方向に回転させながら前記締結部材を移動させるように前記ロボットを制御することと、前記締結部材がねじ締め開始位置に到達するのに応じて、前記締結部材を締める方向に回転させるように前記ロボットを制御することと、を実行するように構成されたコントローラと、を備えるロボットシステム。
  2. 前記コントローラは、前記締結部材が前記被締結部材に接した状態にて、前記締結部材と前記被締結部材とが対向する方向における前記締結部材の位置に基づいて、前記締結部材が前記ねじ締め開始位置に到達したと判定するように構成されている、請求項1記載のロボットシステム。
  3. 前記コントローラは、前記締結部材を介して前記ロボットに伝わる反力に基づき、前記締結部材と前記被締結部材とが接しているか否かを判定することを更に実行するように構成されている、請求項2記載のロボットシステム。
  4. 前記ロボットは、少なくとも1つの駆動用のモータを有し、
    前記コントローラは、前記モータのトルクに基づいて、前記反力を導出する、請求項3記載のロボットシステム。
  5. 前記コントローラは、前記反力の上昇を抑制するように前記ロボットの姿勢を調節することを更に実行するように構成されている、請求項4記載のロボットシステム。
  6. 前記締結部材を緩める方向に回転させながら前記締結部材を移動させるように前記ロボットを制御することは、
    前記締結部材を前記被締結部材側へ向かう第1方向に沿って移動させ、前記被締結部材に到達させるように前記ロボットを制御する第1移動制御と、
    前記第1移動制御にて、前記締結部材が前記ねじ締め開始位置とは異なる位置で前記被締結部材に到達した場合に、当該位置を囲む所定の範囲内の箇所をターゲットにして前記締結部材を移動させるように前記ロボットを制御する第2移動制御と、を含み、
    前記コントローラは、
    前記第1移動制御の実行中には、前記反力の上昇を抑制するように前記ロボットの姿勢を調節することを前記第1方向の反力に対して実行し、前記第1方向に交差する方向の反力に対しては実行しないように構成され、
    前記第2移動制御の実行中には、前記反力の上昇を抑制するように前記ロボットの姿勢を調節することを前記第1方向の反力、及び前記第1方向に交差する方向の反力に対して実行するように構成されている、請求項5記載のロボットシステム。
  7. 前記コントローラは、前記締結部材が前記ねじ締め開始位置に到達するまで前記第2移動制御を繰り返すように構成されている、請求項6記載のロボットシステム。
  8. 前記ロボットは、旋回部と、前記旋回部に対して直列に接続された第1アーム及び第2アームと、前記旋回部を旋回させるための第1モータと、前記第1アームを揺動させるための第2モータと、前記第2アームを揺動させるための第3モータと、を有し、
    前記コントローラは、前記反力の上昇を抑制するように前記ロボットの姿勢を調節することを、前記第1モータ、前記第2モータ、及び前記第3モータのトルク制御により実行するように構成されている、請求項5〜7のいずれか一項記載のロボットシステム。
  9. 前記ロボットは、旋回部と、前記旋回部に対して直列に接続された第1アーム及び第2アームと、前記旋回部を旋回させるための第1モータと、前記第1アームを揺動させるための第2モータと、前記第2アームを揺動させるための第3モータと、を有し、
    前記コントローラは、前記第1モータ、前記第2モータ、及び前記第3モータのトルクに基づいて、前記反力を導出する、請求項4〜8のいずれか一項記載のロボットシステム。
  10. 前記コントローラは、前記締結部材を締める方向に回転させる際に、前記締結部材のねじ込みが進行するのに応じて前記締結部材の回転速度を高くするように構成されている、請求項5〜8のいずれか一項記載のロボットシステム。
  11. 前記コントローラは、前記締結部材を締める方向に回転させる際に、前記締結部材のねじ込みが進行するのに応じて前記締結部材の回転速度を段階的に高くするように構成されている、請求項10記載のロボットシステム。
  12. 前記ロボットは、前記ロボットの姿勢に対応して前記締結部材の位置が一義的に定まるように構成されている、請求項2〜11のいずれか一項記載のロボットシステム。
  13. 前記ロボットは、前記締結部材を保持している状態において、前記多関節アームの最先端の関節から前記締結部材までの距離が一定となるように構成されている、請求項12記載のロボットシステム。
  14. 前記ロボットは、前記多関節アームの先端部に装着可能なねじ締め機構を更に有し、
    前記ねじ締め機構は、
    前記先端部に着脱可能な基部と、前記基部に対して着脱可能であり、前記締結部材を保持する保持部と、当該締結部材を前記基部に対して回転させるモータとを有し、
    前記基部から、前記保持部により保持された前記締結部材までの距離が一定となるように構成されている、請求項13記載のロボットシステム。
  15. 多関節アームを有するロボットを用い、
    ねじ部を有する締結部材が被締結部材に到達するまで、前記締結部材を緩める方向に回転させながら前記締結部材を移動させるように前記ロボットを制御することと、
    前記締結部材がねじ締め開始位置に到達するのに応じて、前記締結部材を締める方向に回転させるように前記ロボットを制御することと、を含む制御方法。
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