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JP6575826B2 - 車両用ドア - Google Patents
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Description

本発明は、乗員が降車する際にその足部とドアの干渉を軽減することによりスムーズな降車動作が可能な車両用ドアに関する。
従来から、車両用ドアの車室側に配設されたドアトリムに飲料ボトルや小さい荷物等を収容するためのドアポケット等が設けられている。例えば特許文献1のように、ドアポケットはドアアームレストより下方のドアトリム下側部分に設けられる。また、ドアポケットは、特許文献2のようにドアトリムを車外側に凹入させた凹入壁部に底部及び対向壁部を設けて形成される。
また、車両用ドアには、車載オーディオ等の音声を出力するためのスピーカを収容するためのスピーカ収容部が設けられている。乗員がスピーカに触れて操作等をすることはないので、スピーカ収容部は乗員が座席に着座した状態で手が届かないドアトリム下部側に設けられることが多い。
このようにドアトリムは、その下部側に荷物等の収容部とスピーカ収容部を設けるために、車室側に進出するように形成されるので車両用ドアの厚みが増加し、車両用ドアを開けたときの車両側面の開口部が狭くなっている。
特開2007−216700号公報 特開2009−119964号公報
乗員が車両用ドアを開けて降車する際に、最初にドア側の下肢を車外に出し足部を着地させて上体を移動させる。しかし、車両用ドアの厚みによりこのドアを開けたときの車両側面の開口部が狭くなっているため、足部の着地までの動作がスムーズにできない虞があり好ましくない。
一方、降車時の足部の着地までの動作には、大腿部の回転移動が含まれている。本発明者は、この大腿部の回転移動には回転移動し難い回転角範囲があること見出した。その回転角範囲は、乗員が車室から車両のサイドシルを超えて車外に足部を出す動作のときに相当する。その故、乗員の意図通りに動作を行うことが困難なため、サイドシルやドアトリムと足部とが干渉し易く、乗員が降車をスムーズに行えない虞がある。
本発明の目的は、降車をスムーズに行うことが可能な車両用ドアを提供することである。
請求項1の発明は、車両の側面開口部を開閉可能なように前端部分が前記車両のピラー部にヒンジ結合されると共に、アームレストと前記アームレストよりも下側の車室側下部に荷物の収容部を備えた車両用ドアにおいて、前記車両用ドアに隣接する座席の座面部の後部の車幅方向中央部に設定されたヒップポイントを回転中心として、前記座面部に着座した標準体格の乗員が前記車両用ドアを開けて降車する際に前記車両用ドア側の屈曲させた下肢を車外に出すために前記下肢の大腿部を回転移動させたとき、前記車両用ドアの車室側下端近傍部に、前記下肢の足部と干渉しないように前記収容部の下部の車室側の一部を車外側へ凹入させた干渉軽減凹部が設けられたことを特徴としている。
上記構成によれば、前端部分がヒンジ結合された車両用ドアを開けて乗員が降車する場合に、ヒップポイントを中心にその車両用ドア側の下肢の大腿部を車両用ドア側に回転移動させる。このとき、大腿部と共に移動する足部と車両用ドアとの衝突を回避可能なように、車両用ドアのアームレストよりも下側の荷物の収容部の下部の車室側の一部を車外側へ凹入させた干渉軽減凹部が設けられたので、収容部の容量減少を抑えながら車両用ドアと足部との干渉を軽減できる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記干渉軽減凹部は、前記大腿部が前記車両の前後方向に平行なときの回転角を0°とした場合に、所定の中間開度の前記車両用ドアの少なくとも50°を中央とした前記大腿部の所定の回転角範囲に対応する部分に設けられたことを特徴としている。
上記構成によれば、車両用ドアを所定の中間開度にしたときに、大腿部を回転移動し難い少なくとも50°を中央とした大腿部の所定の回転角範囲に対応する車両用ドア部分に干渉軽減凹部を設けたので、車両用ドアと足部との干渉を軽減できる。また、干渉軽減凹部による収容部の容量減少が所定の回転角範囲に限られるので、収容部の容量減少を抑えることができる。
請求項3の発明は、請求項2において、前記干渉軽減凹部は、前記回転角範囲の中央に対応する部分が凹形状の頂部となるように設けられたことを特徴としている。
上記構成によれば、回転角範囲の中央の最も大腿部を回転移動し難い角度に対応する部分が、干渉軽減凹部の最も凹入した頂部となるように干渉軽減凹部が設けられたので、車両用ドアと足部との干渉を軽減できる。
本発明の車両用ドアによれば、乗員の降車時に足部との干渉を軽減可能にして、降車をスムーズに行うことが可能である。
車両の平面図である。 車両用ドアを除いた車両の側面図である。 本発明の実施形態における前席右側の車両用ドアの車室内側の平面図である。 図3のIV−IV線要部断面図である。 大腿部の回転移動を説明する要部平面図である。 大腿部の回転移動における股関節の関節受動抵抗を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による車両用ドアについて説明する。
図1、図2に示すように、車両1の左右の側面には、乗員が車両1に乗降するための側面開口部2が夫々設けられ、側面開口部2を開閉可能な車両用ドアとして前席右側ドア3a、前席左側ドア3b、後席右側ドア3c、後席左側ドア3dが配設されている。車両1は、車両用ドアの下側の車幅方向両端部分で前後に延びる左右1対のサイドシル5と、車幅方向に延びて1対のサイドシル5を連結する複数のクロスメンバ(図示略)と、1対のサイドシル5の間を架け渡すように配設されて車室と車外を仕切るフロアパネル(図示略)を備えている。車室内には右側前席6a、左側前席6b、後部座席7が配設され、これらの座席に乗員が着座可能である。車両1は略左右対称の構造なので、車両1の右側の部分について説明し、車両1の左側の部分の説明を省略する。
車両1の右側の側面開口部2は、サイドシル5の前端部分に立設されたヒンジピラー10(ピラー部)と、ヒンジピラー10の上端部分から上方且つ後方に傾斜状に延びるフロントピラー11と、フロントピラー11の後端部分から後方に延びるルーフサイドレール12と、サイドシル5の後端部分に立設されてルーフサイドレール12の後端部分に接続されたリアピラー13により囲まれ、サイドシル5の中間部分に立設されてルーフサイドレール12の中間部分に接続されたセンタピラー14により前後に区画されている。
前席右側ドア3aは、その前端部分がヒンジピラー10(ピラー部)にヒンジ結合され、このヒンジ結合の軸心回りに回動させることによりセンタピラー14の前側の区画を開閉可能である。また、所定の中間開度や全開位置で維持可能なようにヒンジピラー10に連結されたドアチェッカー16を前席右側ドア3aの前端部分に備えている。前席右側ドア3aの後端部分には、センタピラー14に設けられたドアストライカー(図示略)に係合して前席右側ドア3aを閉じた状態に維持するドアロッカー15(図3参照)が設けられている。同様にセンタピラー14の後側の区画を開閉可能なように、後席右側ドア3cはその前端部分がセンタピラー14にヒンジ結合されている。
次に、図3、図4に基づいて車両用ドアについて前席右側ドア3aを例に説明する。
前席右側ドア3aは本体部20とその上側のサッシュ部21と有し、本体部20とサッシュ部21で囲まれた窓部にウインドガラス22が開閉可能に配設されている。本体部20の車室側には、ドアロッカー15によるドアロックを解除するためのドアインナハンドル23、アームレスト24、ウインドガラス22の開閉操作等を行う操作部25、ドアを閉じるために把持可能な取手部26等を備え、これらは乗員が操作し易いように本体部20の上部に配設されている。また、本体部20の車室側下部には、スピーカ27aを収容可能なスピーカ収容部27、飲料ボトル等の荷物を収容可能なドアポケット部28等を備えている。
本体部20は車外側から順にドアアウタパネル31、ドアインナパネル32、ドアトリム33で構成されている。ドアインナパネル32に作業用に設けられた開口部は、パネル部材32aで覆われている。ドアトリム33はドアインナパネル32から車室側に進出するように形成され、ドアインナパネル32とドアトリム33の間にスピーカ収容部27とドアポケット部28が設けられている。
スピーカ収容部27に収容されたスピーカ27aはドアインナパネル32に装着され、ドアトリム33によって車室側が覆われている。ドアトリム33のスピーカ27aに対向する部分には、スピーカ27aから出力された音声を通すための複数の孔が開けられている。尚、ドアトリム33のスピーカ27aの対向部分に開口部を形成し、この開口部に例えばメッシュ状のカバー部材を配設してもよい。
ドアポケット部28は、ドアトリム33がドアインナパネル32側に凹入状に形成された凹入部34と、ドアトリム33の下端部分から車室側に進出し上方に屈曲して形成された壁部35の間にポケット状部材36を配設して形成されている。尚、ドアポケット部28は、ドアトリム33に底部及び壁部となる部材を取り付けて又はドアトリム33と一体成形して形成することもできる。ドアインナパネル32の下端近傍部とドアトリム33の下端近傍部分は、前席右側ドア3aを閉じたときにサイドシル5の段付き形状に沿う形状に形成されている。
次に、図5、図6に基づいて、右側前席6aの乗員を例にして降車時の大腿部の回転移動について説明する。
右側前席6aの座面部40に着座した標準体格の乗員は、前席右側ドア3aを開けて降車する際に、前席右側ドア3a側の屈曲させた右側下肢41を車外に出すためにその大腿部42を持ち上げながら車外方向に回転移動させる。右側下肢41の足首から先の部分である足部44は、大腿部42に下腿部43を介して繋がっており、大腿部42の回転移動と共に移動する。開状態の前席右側ドア3aは、後側ほど側面開口部2から離れて、ドアトリム33とサイドシル5との間のスペースが広くなる。
大腿部42の回転移動は、座面部40の後部の車幅方向中央部に設定されたヒップポイントHPを回転中心にして行われ、平面視で大腿部42が車両1の前後方向に平行な状態の回転角θを0°として足部44全体がサイドシル5の車外側に出て着地できるまで回転移動させる。尚、標準体格とは、例えば成人男性の平均的な体格であり、その大腿部42の長さ(着座姿勢の乗員の尻から膝までの長さ)は650〜700mm程度である。また、足部44を下腿部43と共に大腿部42の回転方向と反対方向に内旋させて着地させることもあり、内旋させない場合と比べて着地時の大腿部42の回転角θが小さくなる。
このとき、大腿部42は股関節の可動域内で回転移動するが、この股関節について動かし難さの指標である関節受動抵抗を降車動作に即して計測すると、回転角θの増加と共に関節受動抵抗の値が増加する。そして回転角θ=50°近傍で関節受動抵抗の値がピークとなって動かし難さを感じない所定の安楽閾値L0よりも大きくなる。大腿部42をさらに回転移動させていくと、ドアトリム33とサイドシル5との間のスペースが広くなってドアトリム33と足部44との干渉が生じ難くなる。そのため乗員が大腿部42を下方又は上方に移動させて楽な姿勢で回転移動させることができるようになるので、関節受動抵抗の値が小さくなる。以上のように、乗員は、大腿部42を回転移動させたときに関節受動抵抗の値が安楽閾値L0よりも大きくなる回転角θ=50°近傍で回転移動のし難さを感じる。そして回転移動し難いので乗員の意図通りの回転移動ができず、足部44とドアトリム33が衝突・干渉し、スムーズな降車動作が阻害される虞がある。
また、車両用ドアの開度によっても降車時の足部と車両用ドアとの干渉の程度が異なる。例えば前席右側ドア3aの全開時には、前席右側ドア3aのドアの厚みによって狭くなった開口部であってもサイドシル5とドアトリム33との間のスペースが十分大きくなる。それ故、大腿部42の回転移動に伴って移動する足部44とドアトリム33との干渉は発生し難いが、前席右側ドア3a等を全開にできる場合は多くない。
一方、ドアチェッカー16により維持される所定の中間開度は、一般的な幅(例えば2300mm)を有する駐車スペースに駐車した場合に、車両1の車幅や前席右側ドア3aの大きさ等に応じて隣接する駐車スペースの駐車車両に衝突しない開度に設定される。所定の中間開度は、車両用ドアを閉じた状態を0°としたときに、前席右側ドア3aでは例えば30°に設定され、後席右側ドア3cでは例えば35°に設定されている。この所定の中間開度で乗員が降車する場合が最も多いと考えられ、大腿部42の回転移動によりドアトリム33と大腿部42の干渉は生じないが、足部44とドアトリム33の干渉が発生する状況になっている。
このような足部44とドアトリム33の干渉を軽減するために、図3〜図5に示すように車両用ドアの車室側下端近傍部に相当する前席右側ドア3aのドアトリム33の下端近傍部の少なくとも一部に、車室側に進出させたドアトリム33の車室側部分(ドアポケット部28の壁部35、スピーカ収容部27のスピーカ27aに対向する部分)を車外側へ凹入させた干渉軽減凹部38を備えている。干渉軽減凹部38は、ドアトリム33の上下方向に凹形状の頂部を有する略円弧状に形成されると共に、ドアトリム33からドアインナパネル32側向かうドア厚方向に凹形状の頂部を有する略円弧状に形成されている。干渉軽減凹部38の上下方向の頂部とドア厚方向の頂部は、ドア前後方向の位置が一致する。
この干渉軽減凹部38は、前席右側ドア3aが所定の中間開度のときに、少なくとも大腿部42の所定の回転角範囲に対応する位置に形成される。所定の回転角範囲は、関節受動抵抗に基づいて、その値がピークとなる大腿部42の回転角θ=50°を中央にして少なくとも安楽閾値L0を超える範囲を含む45°〜55°の範囲に予め設定されている。そして、関節受動抵抗の値がピークとなる大腿部42の回転角θ=50°に対応する位置に凹形状の頂部を一致させるように設けられている。
本発明の作用、効果について説明する。
例えば右側前席6aの乗員が降車するときに、ヒップポイントHPを中心に前席右側ドア3a側の屈曲した右側下肢41の大腿部42を前席右側ドア3a側へ回転移動させる。このとき、前席右側ドア3aのドアトリム33の下端近傍部に形成された干渉軽減凹部38に足部44の一部(例えば、つま先部分)を進入させてドアトリム33との干渉を軽減することができる。
また、前席右側ドア3aを所定の中間開度にしたときに、そのドアトリム33の少なくとも大腿部42を回転移動し難い回転角範囲を含む少なくとも50°を中央とした大腿部の所定の回転角範囲に対応する部分に、干渉軽減凹部38を設けられている。従って、大腿部42を回転移動し難い回転角範囲でドアトリム33と足部44との干渉を軽減できる。また、干渉軽減凹部38によるスピーカ収容部27及びドアポケット部28の容量減少がその回転角範囲に限られるので、それらの容量減少を抑えることができる。
その上、干渉軽減凹部38は、回転角範囲の中央に対応する部分が凹形状の頂部となるように設けられている。従って、大腿部42を最も回転移動し難い回転角範囲の中央に対応する部分で足部44の進入可能なスペースを最大にしてドアトリム33と足部44との干渉を軽減できる。
前席右側ドア3aを例に説明したが、後席右側ドア3cにおいても同様に干渉軽減凹部38に相当する凹部を設けることができる。さらに、車両1が左右対称の構造なので、前席左側ドア3b及び後席左側ドア3dにおいても同様の凹部を設けることができ、これらのドアに隣接する座席の乗員の降車時の足部とドアトリムの干渉を軽減してスムーズな降車動作が可能である。
干渉軽減凹部38は、大腿部42の回転移動に伴う足部44の移動によって足部44が当接したドアトリム33の当接部分が、足部44から受ける圧力によってドアインナパネル32側に凹入するように形成されてもよい。足部44とドアトリム33の干渉を軽減できると共に、干渉が無いときに凹形状が見えないので美観を向上できる。
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 :車両
2 :側面開口部
3a :前席右側ドア
5 :サイドシル
6a :右側前席
10 :ヒンジピラー
14 :センタピラー
20 :本体部
27 :スピーカ収容部
28 :ドアポケット部
32 :ドアインナパネル
33 :ドアトリム
38 :干渉軽減凹部
40 :座面部
42 :大腿部
43 :下腿部
44 :足部
HP :ヒップポイント

Claims (3)

  1. 車両の側面開口部を開閉可能なように前端部分が前記車両のピラー部にヒンジ結合されると共に、アームレストと前記アームレストよりも下側の車室側下部に荷物の収容部を備えた車両用ドアにおいて、
    前記車両用ドアに隣接する座席の座面部の後部の車幅方向中央部に設定されたヒップポイントを回転中心として、前記座面部に着座した標準体格の乗員が前記車両用ドアを開けて降車する際に前記車両用ドア側の屈曲させた下肢を車外に出すために前記下肢の大腿部を回転移動させたとき、前記車両用ドアの車室側下端近傍部に、前記下肢の足部と干渉しないように前記収容部の下部の車室側の一部を車外側へ凹入させた干渉軽減凹部が設けられたことを特徴とする車両用ドア。
  2. 前記干渉軽減凹部は、前記大腿部が前記車両の前後方向に平行なときの回転角を0°とした場合に、所定の中間開度の前記車両用ドアの少なくとも50°を中央とした前記大腿部の所定の回転角範囲に対応する部分に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア。
  3. 前記干渉軽減凹部は、前記回転角範囲の中央に対応する部分が凹形状の頂部となるように設けられたことを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア。
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