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JP6580466B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤに起因したノイズの1つとして、トレッドパターンに起因したパターンノイズが知られている。特に、トレッド部に形成された周方向溝とこれに交差する横方向溝とによって形成されるブロックパターンにおいては、タイヤの転動に伴ってブロックが路面に接地する際に、ブロックのタイヤ周方向の一端部が路面を叩くことによって打撃音が生じる。さらに、ブロックが路面から離脱する際には、ブロックのタイヤ周方向の他端部が路面を蹴り出すことによって蹴り出し音が生じると共に、接地時に変形していたブロックの変形が復元することによって変形復元音が生じる。このような、打撃音、蹴り出し音、変形復元音等の衝撃音が、パターンノイズとして、ブロックの形成ピッチと車速とに基づいた周波数で生じる。
パターンノイズを低減する方法として、例えば特許文献1には、ブロック接地面のタイヤ周方向端部のうち、タイヤの転動に伴って、最初に接地する際に踏み込む領域(以下、踏み込み側領域と称する)と最後に離脱する際に蹴り出す領域(以下、蹴り出し側領域と称する)とを結ぶ帯状部分以外の部分に多数の穴を形成し、上記帯状部分に接地圧を負担させることによって該部分に衝撃音を集中的に生じさせる一方で、該領域以外(穴が形成された部分)では接地圧を低減させることによって衝撃音を低減させて、この結果、ブロック全体として、パターンノイズを低減することが開示されている。
また、特許文献2〜4には、ブロック接地面に穴を形成することが開示されており、いずれもブロックの耐摩耗性の向上を目的としている。
特開2007−090980号公報 特開2006−168498号公報 特開平04−085108号公報 特開2002−248906号公報
しかしながら、特許文献1の場合、踏み込み時及び蹴り出し時に接地圧が集中する上記帯状部分において衝撃音が増大してしまうので、パターンノイズの低減としては不十分となる場合がある。また、特許文献2〜4の場合、いずれも穴をブロックの接地面の広範囲にわたって形成するものであり、ブロックの剛性が過度に低下する場合があり、この結果、ブロックが接地時に座屈してしまい、接地面との間のすべり量が増大することになり、特に蹴り出し側領域における摩耗量が増大するために、ブロックの偏摩耗性(トーヒール摩耗)が悪化する場合がある。
すなわち、特許文献1〜4はいずれも、ブロック接地面に穴等のパターン要素を形成することを開示しているものの、パターンノイズの低減と偏摩耗性の向上とを両立できるものではない。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、パターンノイズを低減しつつ、偏摩耗性を向上できる空気入りタイヤを得ることを目的とする。
本発明は、トレッド部を周方向に延びる複数の周方向溝とこれに交差する複数の横方向溝とによって区画された複数のブロック部を備えた空気入りタイヤであって、前記ブロック部は、接地時における踏み込み側に位置しており、径方向内径側に向けて凹設された1又は複数のパターン要素が形成された、踏み込み側領域と、接地時における蹴り出し側に位置しており、1又は複数の前記パターン要素が形成された、蹴り出し側領域と、前記踏み込み側領域と前記蹴り出し側領域との間に位置しており、前記パターン要素が形成されておらず平坦に形成された、中央領域と、にタイヤ周方向に3つの領域に区分されており、前記パターン要素は、前記横方向溝から離間している、ことを特徴とする。
ここで、パターン要素とは、ブロック部にタイヤ径方向内径側に延びる空隙部、切り欠き部を形成するものが含まれ、例えば、穴、ディンプル、サイプとして形成される。
本発明によれば、パターン要素によって、踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の剛性を適度に低減させることができ、接地時及び離脱時において適度に撓ませることができる。したがって、ブロックの踏み込み時(接地時)における打撃音が低減し、及び蹴り出し時(離脱時)には、蹴り出し音が低減すると共に、ブロックの変形復元が緩やかになることによって変形復元音が低減する。したがって、パターンノイズが低減する。
一方、中央領域にはパターン要素が形成されていないので、中央領域の剛性が低下することがないので、踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の剛性を低減させつつも、ブロック全体の剛性が過度に低下することを抑制でき、これによって、接地時にブロックが座屈することがない。さらに、蹴り出し側領域の剛性を低下させることによって、蹴り出し領域における、せん断力をブロック全体で負担しやすくなる。この結果、離脱時において、蹴り出し側領域における、すべり量が低減されるので、蹴り出し側領域の摩耗が抑制されてトーヒール摩耗が低減する。したがって、耐偏摩耗性が向上する。
前記パターン要素は、タイヤ径方向に延びる穴として構成されていることが好ましい。
本構成によれば、パターン要素を容易に形成できる。
前記中央領域は、タイヤ周方向長さが前記ブロック部のタイヤ周方向長さの1/3以上1/2以下であることが好ましい。
本構成によれば、中央領域が過度に小さくなることがないのでブロック全体の剛性を確保でき、接地時にブロックが座屈することを防止できる。
前記パターン要素は、複数形成されており、前記横方向溝側に位置する前記パターン要素部は、深さが前記中央領域側に位置する前記パターン要素部よりも深く形成されていることが好ましい。
本構成によれば、ブロック部の横方向溝側の剛性を効果的に低減させることできると共に、中央領域側の剛性が過度に低下することを防止できる。従って、踏み込み時、蹴り出し時における騒音を低減しつつも、偏摩耗性を向上できる。
前記パターン要素は、タイヤ軸線方向から見て、前記ブロック部の前記横方向溝によって画定された横溝側壁部に沿って平行に延びていることが好ましい。
本構成によれば、摩耗時においても、パターン要素によって形成された空隙部とブロック部の横溝側壁部の壁面との間の位置関係(距離)を維持できるので、摩耗が進行した時でも、踏み込み側領域及び蹴り出し側領域の剛性を安定して低減できる。
特に、横溝側壁部がタイヤ径方向に対して傾斜している場合において、パターン要素を平行に傾斜させることで、摩耗時においても剛性を安定して低下させることができる。例えば、横溝側壁部がタイヤ径方向内径側に広がるように傾斜している場合に、パターン要素をタイヤ径方向に平行に延びるように形成した場合、摩耗が進行するにつれてパターン要素による空隙部と横溝側壁部の壁面との間の距離が増大することとなり、踏み込み側領域及び蹴り出し側領域における、パターン要素による剛性の低減効果が変化してしまう。
また、好ましくは、前記パターン要素は、前記踏み込み側端部領域又は前記蹴り出し側端部領域において、タイヤ周方向に複数段で形成されており、前記複数段で形成されたパターン要素のうち前記横方向溝側に位置する前記パターン要素は、前記トレッド部の表面における開口が前記中央領域側に位置する前記パターン要素よりも大きい。
また、好ましくは、前記ブロック部は、蹴り出し側又は踏み込み側の端部に位置する幅方向縁部のタイヤ周方向における位置が変化している部分を有し、前記パターン要素は、前記踏み込み側端部領域又は前記蹴り出し側端部領域においてタイヤ幅方向に複数形成されており、前記複数のパターン要素のうち、前記ブロック部の前記幅方向縁部のうち前記中央領域から離間するようにタイヤ周方向に最も突出した部分に形成された前記パターン要素は、前記トレッド部の表面における開口が、当該パターン要素が形成された前記踏み込み側領域又は前記蹴り出し側領域における残余のパターン要素よりも大きい。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、パターンノイズを低減しつつ、耐偏摩耗性を向上できる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部に形成されたトレッドパターンを展開して示す平面図。 図1のブロックの平面図。 図2のIII−III線に沿ったブロックの断面図。 穴の配置数をタイヤ周方向で変更した変形例を示すブロックの平面図。 図4Aの更なる変形例を示すブロックの平面図。 穴の配置数をタイヤ幅方向で変更した変形例を示すブロックの平面図。 図5Aの更なる変形例を示すブロックの平面図。 穴の大きさを変更した変形例を示すブロックの平面図。 図6Aの更なる変形例を示すブロックの平面図。 穴の深さを変更した変形例を示すブロックの断面図。 図7Aの更なる変形例を示すブロックの断面図。 穴を傾斜させた変形例を示すブロックの断面図。 図8Aの更なる変形例を示すブロックの断面図。 横溝側壁部が傾斜したブロックにおける変形例を示すブロックの断面図。 図9Aの更なる変形例を示すブロックの断面図。 穴の形状を深さ方向で変形した変形例を示すブロックの断面図。 図10Aの更なる変形例を示すブロックの断面図。 穴の開口形状を変更した変形例を示すブロックの平面図。 図11Aの更なる変形例を示すブロックの平面図。 比較例1に係るブロックの平面図。 比較例2に係るブロックの平面図。 比較例3に係るブロックの平面図。 実施例1に係るブロックの平面図。 実施例2に係るブロックの平面図。 実施例3に係るブロックの平面図。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2を展開して示す平面図である。図1に示されるように、トレッド部2には、タイヤ周方向に延びる複数の主溝(周方向溝)3と、主溝3に交差してタイヤ幅方向に延びる複数の横溝(横方向溝)4と、が形成されており、これらの主溝3及び横溝4によって、複数のブロック(ブロック部)5が区画されている。
主溝3は、タイヤ周方向に平行に延びている。横溝4は、トレッド部2のタイヤ幅方向の中央においてタイヤ幅方向に延びる中央部横溝4Aと、中央部横溝4Aのタイヤ幅方向の両側に連続してタイヤ幅方向外側へ、タイヤ幅方向に対して傾斜して延びる一対の側部横溝4Bと、を含んでいる。そして、トレッド部2のタイヤ幅方向の中央には、主溝3と中央部横溝4Aとによって長方形状のブロック5Aが形成され、トレッド部2のタイヤ幅方向の両側には、主溝3と側部横溝4Bとによって平行四辺形状のブロック5Bが形成されている。
次に、ブロック5Bを例として、ブロック5の構成について具体的に説明する。図2は、ブロック5Bの1つを拡大して示している。図2に示すように、ブロック5は、タイヤ周方向において、タイヤ回転方向Rの進み側に位置する踏み込み側領域51と、タイヤ回転方向Rの遅れ側に位置する蹴り出し側領域53と、踏み込み側領域51と蹴り出し側領域53との間に位置する中央領域52との3つの領域に区分されている。
なお、踏み込み側領域51は、ブロック5が路面に接地していない状態からタイヤ1の転動に伴って路面に最初に接地し始める領域であり、蹴り出し側領域53は、ブロック5が接地している状態からタイヤ1の回転に伴って路面から最後に離脱する領域である。
踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53には、複数のパターン要素6が形成されており、中央領域52には、パターン要素6は形成されておらず平坦に形成されている。パターン要素6とは、ブロック5の接地面からタイヤ径方向内径側に向けて凹設されたものであり、ブロック5の表面からタイヤ径方向内径側に延びる、空隙部又は切り欠き部として形成されている。本実施形態では、パターン要素6は穴として形成されているが、この他、例えばディンプル、サイプ等で形成してもよい。
なお、ブロック5は、タイヤ周方向において点対称に形成されており、踏み込み側領域51のタイヤ周方向長さL1及び蹴り出し側領域53のタイヤ周方向長さL3は、それぞれブロック5のタイヤ周方向長さL0の1/4以上1/3以下の長さとなるように構成されており、中央領域52のタイヤ周方向長さL2は、ブロック5のタイヤ周方向長さL0の1/3以上1/2以下の長さになるように構成されている。
ここで、ブロック5のタイヤ周方向長さL0とは、タイヤ周方向において、ブロック5の最もタイヤ回転方向Rの進み側に位置する端部と、最もタイヤ回転方向Rの遅れ側に位置する端部との間の長さであり、図2に示すように平行四辺形状のブロック5Bの場合、タイヤ周方向の両端部に位置する鋭角な角部55,56間のタイヤ周方向成分の長さを意味する。
パターン要素6の開口形状は、本実施形態では円形状とされ、その大きさは、小石等の異物が噛み込み難いような大きさに形成されており、具体的には、開口面積が0.8mm以上50mm以下に設定されている。また、パターン要素6は、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53において、周方向に2段で、複数同じ大きさで形成されている。
また、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53それぞれにおける、パターン要素6による開口率は、5%以上50%以下に設定されている。ここで、開口率とは、ブロック5の踏み込み側領域51又は蹴り出し側領域53の表面積に対する、全てのパターン要素6の総開口面積の割合として定義されている。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図であり、パターン要素6をタイヤの軸線方向から見た断面を示している。図3に示すように、パターン要素6は、タイヤ径方向に同じ形状で延びており、ブロック高さHの10%以上90%以下の深さDに形成されている。
また、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53それぞれにおける、パターン要素6による空隙率は、5%以上50%以下に設定されている。ここで、空隙率とは、ブロック5の踏み込み側領域51又は蹴り出し側領域53の全容積に対する、全てのパターン要素6の総容積の割合として定義されている。
上述したように、ブロック5において、タイヤ周方向における踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53に複数のパターン要素6を形成したので、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を効果的に低減させることができる。
したがって、ブロック5の踏み込み時(接地時)には、踏み込み側領域51の撓みによって、踏み込みによる衝撃が低減すると共に、ブロック5の蹴り出し時(路面からの離脱時)には、蹴り出し側領域53の撓みによって、蹴り出しによる衝撃が低減すると共に、ブロックの変形復元を緩やかにできる。よって、接地時に踏み込み側領域における打撃音が低減されると共に、離脱時に蹴り出し側領域における蹴り出し音及び変形復元音が低減される。
一方、中央領域52には、パターン要素6が形成されておらず平坦に形成されているので、中央領域52の剛性が低下することがない。これによって、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53にパターン要素6を形成しつつも、ブロック5全体の剛性が過度に低下することがなく、接地時においてブロック5の座屈が抑制される。
さらに、蹴り出し側領域53に形成したパターン要素6によって、蹴り出し側領域53の剛性が低下し、これによって、蹴り出し時において、蹴り出し側領域53が撓みやすく、せん断力をブロック5全体で負担しやすくなる。この結果、蹴り出し時において、蹴り出し側領域53における、すべり量が低減されるので、蹴り出し側領域53の摩耗が抑制されて、この結果、トーヒール摩耗量が低減する。
したがって、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53にのみパターン要素6を形成し、中央領域52にはパターン要素6を形成しないことによって、タイヤのパターンノイズを効果的に低減しつつも、偏摩耗性(トーヒール摩耗)を向上できる。
また、パターン要素6が形成されていない中央領域52の周方向長さL2は、少なくともブロック長さL0の1/3の長さであるので、ブロック5の剛性が過度に低下することがない。一方、パターン要素6が形成されている、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の周方向長さL1,L3は、ブロック長さL0の少なくとも1/4の長さであるので、ブロック5の剛性を適度に低下させることができ、踏み込み時及び蹴り出し時の衝撃音を効果的に抑制できる。
また、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53は、パターン要素6による開口率が、5%以上50%以下となるように形成されているので、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を適度に低減させることができる。すなわち、開口率が5%より小さいと踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を効果的に低減させることができず、衝撃音の低減が不足する。一方、開口率が50%より大きいと踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性が過度に低下してしまい、却ってすべり量が増大してしまい、この結果、摩耗量が増大してしまう。
同様に、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53は、パターン要素6による空隙率が、5%以上50%以下となるように形成されているので、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を適度に低減させることができる。すなわち、空隙率が5%より小さいと踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を効果的に低減させることができず、衝撃音の低減が不足する。一方、空隙率が50%より大きいと踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性が過度に低下してしまい、却ってすべり量が増大してしまい、この結果、摩耗量が増大してしまう。
また、パターン要素6を、穴として形成することによって容易に形成できる。しかしながら、パターン要素6を、上述したように、穴の他にディンプルやサイプとして形成してもよい。
上記実施形態では、パターン要素6をタイヤ周方向に2段に形成したが、この他、図4Aに示すようにタイヤ周方向に1段に形成してもよく、図4Bに示すようにタイヤ周方向に3段に形成してもよい。いずれの場合であって、各パターン要素6が互いにつながることがなく、且つ、中央領域52に形成されなければ、過度にブロック5の剛性が低下することがなく、ブロック5の摩耗性の悪化を抑制できる。
また、図5Aに示すように、パターン要素6を、ブロック5の、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53におけるタイヤ幅方向の一端部側にのみ形成してもよい。特に、平行四辺形状のブロック5Bにおいては、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53のうち、先に路面に接触し最後に路面から離脱する鋭角な角部55,56に形成することによって踏み込み時及び蹴り出し時の衝撃音をより効果的に抑制しやすい。
また、図5Bに示すように、パターン要素6を、ブロック5の、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53における、タイヤ幅方向の中央部にのみ形成してもよい。これによっても、ブロック5の踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を効果的に低減しつつも、ブロック5の角部の剛性を維持しやすく、角部の欠けを抑制できる。
また、図6A及び図6Bに示すように、1つのブロック内において、複数のパターン要素6の大きさをそれぞれ異ならせてもよい。すなわち、図6Aに示すように、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53に形成されたパターン要素6のうち、横溝4側に位置するパターン要素6を、開口が中央領域52側に位置するパターン要素6よりも大きく形成してもよい。これによって、ブロック5の横溝4側の剛性を効果的に低減させることできると共に、中央領域52側の剛性が過度に低下することを防止できる。従って、踏み込み時、蹴り出し時における騒音を低減しつつも、ブロック5全体の剛性が過度に低下することを防止してトーヒール摩耗量の増大を抑制できる。
また、図6Bに示すように、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53に形成されたパターン要素6のうち、タイヤ幅方向の一端部側に位置するパターン要素6を、開口が大きく形成してもよい。特に、平行四辺形状のブロック5Bにおいては、先に路面に接触し最後に路面から離脱する鋭角な角部55,56において、パターン要素6を大きく形成することによって踏み込み時及び蹴り出し時の衝撃をより効果的に抑制しやすい。
また、図7A及び図7Bに示すように、ブロック5内において、複数のパターン要素6の深さをそれぞれ異ならせてもよい。すなわち、図7Aに示すように、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53に形成されたパターン要素6のうち、横溝4側に位置するパターン要素6の深さをより深くするように形成してもよい。これによって、ブロック5の横溝4側の剛性を効果的に低減させることできると共に、中央領域52側の剛性が過度に低下することを防止できる。従って、踏み込み時、蹴り出し時における騒音を低減しつつも、ブロック5全体の剛性が過度に低下することを防止してトーヒール摩耗量の増大を抑制できる。
また、図7Bに示すように、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の一方の領域についてのみ、複数のパターン要素6の深さを異ならせてもよい。
また、図8A及び図8Bに示すように、パターン要素6をタイヤ径方向に対して傾斜させてもよい。図8Aにはパターン要素6をタイヤ径方向内径側に進むにつれて中央領域52側に傾斜させた場合を示しており、図8Bにはパターン要素6をタイヤ径方向内径側に進むにつれて横溝4側に傾斜させた場合を示している。
また、図9A及び図9Bに示すように、ブロック5の壁部のうち、横溝4によって画定された横溝側壁部57がタイヤ径方向に対して傾斜している場合において、タイヤ軸線方向から見て、パターン要素6を、横溝側壁部57に沿って概ね平行に延びるように傾斜させてもよい。図9Aには、タイヤ径方向内径側に広がるように形成されたブロック5が示されており、パターン要素6は、横溝側壁部57の傾斜に沿って傾斜するように形成されている。
これによって、摩耗時においても、パターン要素6によって形成された空隙部と横溝側壁部57との間の位置関係(距離)を略一定に維持することができるので、摩耗時においても踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を安定して低減できる。
逆に、横溝側壁部57が下広がりとなるように傾斜している場合に、パターン要素6をタイヤ径方向に平行に延びるように形成した場合、摩耗時にはパターン要素6による空隙部と横溝側壁部57との間の距離が増大することとなり、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53における剛性の低下代が変化、特に横溝4近傍における剛性の低下代が減少することになる。
また、図9Bに示すように、パターン要素6を、複数の穴部を組み合わせて屈曲するように形成してもよく、また図示は省略するが、パターン要素6を湾曲させるように形成してもよい。このようにパターン要素6を形成することによって、パターン要素6の形成の自由度が増大し、ブロック5の踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の剛性を、例えばその横溝側壁部57の形状に合わせて、好適に低減させやすい。
また、図10A及び図10Bに示すように、パターン要素6を、深さ方向で形状を変化させてもよい。すなわち、図10Aに示すように、パターン要素6を深さ方向に進むにつれて断面形状が小さくなるように形成してもよい。これによって、パターン要素6に噛み込んだ異物を、ブロック5の接地及び離脱時の変形によって排出させ易くなっている。
また、図10Bに示すように、パターン要素6を深さ方向に進むにつれて断面形状が大きくなるように形成してもよい。これによって、トレッド面に開口する面積を小さくしつつも、パターン要素6による空隙部の容積を拡大し易く、さらに小さくされた開口によって異物のパターン要素6への噛み込みを抑制し易い。また、図示は省略するが、パターン要素6を、深さ方向において拡径部と縮径部とを有するように、様々な断面形状を組み合わせてもよい。
また、図11A及び11Bに示すように、パターン要素6を、丸でなく楕円形状に形成したり、多角形状に形成したりしてもよい。図11Aに示すようにパターン要素6を楕円上に形成することによってパターン要素6の形成の自由度を高めることができる。また、図11Bに示すように、パターン要素6を多角形状に形成することで、例えばブロック5の輪郭形状に沿ったパターン要素6を形成することができ、より効率的にブロック5の剛性を低減できる。
以下の表1に示す比較例1〜3、並びに実施例1〜3の空気入りタイヤを対象に、ノイズ及び耐偏摩耗性の評価試験を行った。
Figure 0006580466
図12Aに示すように、比較例1の空気入りタイヤには、パターン要素が形成されておらず、踏み込み側領域51、中央領域52、及び蹴り出し側領域53が平坦に形成されている。
図12Bに示すように、比較例2の空気入りタイヤでは、踏み込み側領域51、中央領域52、及び蹴り出し側領域53のそれぞれに、パターン要素6としての穴が形成されている。各穴の開口面積は10mmとされ、各領域51〜53それぞれにおいて、タイヤ幅方向に3列でタイヤ周方向に2段の合計6つの穴が形成されている。
図12Cに示すように、比較例3の空気入りタイヤでは、比較例2に対して、中央領域52に形成されたパターン要素6としての穴の代わりに、タイヤ幅方向に延びるサイプ60が3本形成されていることのみ異なり、他は同一である。
図13Aに示すように、実施例1の空気入りタイヤでは、比較例2に対して、中央領域52にパターン要素6が形成されていないことのみ異なり、他は同一である。
図13Bに示すように、実施例2の空気入りタイヤでは、実施例1に対して、パターン要素6の数が異なり、具体的には、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53それぞれにおいて、タイヤ幅方向に5列でタイヤ周方向に2段の合計10個の穴が形成されている。すなわち、実施例1よりも、それぞれパターン要素6の数が多い。すなわち、実施例1に対して、パターン要素6による開口率(空隙率)が大きくなっている。
図13Cに示すように、実施例3の空気入りタイヤでは、実施例1に対して、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53に形成されたパターン要素6のうち、中央領域52側に形成されたパターン要素6の開口面積が5mmに形成されていることのみ異なり、他は同一である。すなわち、実施例1に対して、パターン要素6による開口率(空隙率)が小さくなっている。
なお、比較例2,3及び実施例1〜3において、パターン要素6による各領域51〜53における開口率及び空隙率は、5%以上50%以下に設定されている。
ノイズの評価試験では、ノイズ計測用コースを80km/hの速度で走行したときの1次ピッチピークのレベルを計測した。比較例1の場合を100として、残りの比較例2,3と実施例1〜3の性能を指数化しており、指数が低いほどノイズ性能が良好であることを示している。ここで、1次ピッチピークとは、ブロックの踏み込み側の端部が接地する(又はブロックの蹴り出し側の端部が離脱する)ときに生ずる衝撃音であって、タイヤ1周当たりのブロックの形成数(形成ピッチ)とタイヤの回転数とに基づいた周波数で生じる。
耐偏摩耗性の評価試験では、実車にて規定距離走行した際の、踏み込み側領域の摩耗量と蹴り出し側領域の摩耗量との差をトーヒール量として計測した。比較例1の場合を100として、残りの比較例2,3と実施例1〜3の性能を指数化しており、指数が高いほど耐偏摩耗性能が良好であることを示している。
パターン要素6を形成した、比較例2,3及び実施例1〜3は、いずれもノイズ性能が100より低く、パターン要素6が形成されていない比較例1よりも優れる。特に、実施例1〜3を比較して、踏み込み側領域51、蹴り出し側領域53に形成したパターン要素6による開口率(空隙率)が大きいほどノイズ性能が優れる結果となった。
これは、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53において過度に剛性が低減しない程度に、パターン要素6をより多く形成することによって、踏み込み側領域51、蹴り出し側領域53における剛性を好適に低減できるとためと考えられる。
一方、中央領域52に穴やサイプ等のパターン要素6を形成した比較例2,3では、耐偏摩耗性が100を下回り比較例1よりも悪化している。また、中央領域52に穴やサイプ等のパターン要素6を形成していない実施例1〜3では、耐摩耗性が100を上回り比較例1よりも向上している。
これは、比較例2,3では、中央領域52にパターン要素6を形成したために、ブロック5全体の剛性が過度に低下してしまい、ブロック5が接地時に座屈してしまうことにより滑り量が増大する結果、却って摩耗量が増大してしまうため、耐偏摩耗性が悪化するためと考えられる。
実施例1〜3では、中央領域52にパターン要素6が形成されていないので、ブロック5全体の剛性が過度に低下することがなく、さらに蹴り出し側領域53に形成したパターン要素6によって蹴り出し側領域53の剛性を好適に低減できるので、蹴り出し時におけるブロック5のせん断変形をブロック5全体で負担することができる。この結果、蹴り出し領域53におけるすべり量が低減するので、蹴り出し領域53における摩耗量が低減し、耐偏摩耗性が向上すると考えられる。
上記実施形態では、ブロック5は、タイヤ周方向に点対称に形成されているので、空気入りタイヤ1は、回転方向指定のタイヤではない。しかしながら、ブロック5をタイヤ周方向に対して点対称に形成しなくてもよい。
上記実施形態では、ブロック5の踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53の両方にパターン要素を形成したが、踏み込み側領域51及び蹴り出し側領域53のいずれか一方の領域についてパターン要素6を形成してもよい。
また、上記実施形態では、トレッド部2における全てのブロック5について、パターン要素6を形成する場合を例にとり説明したが、これに限らず、特定のタイヤ幅方向における特定の隣接する主溝3,3間に形成されるブロック5についてのみ形成してもよく、若しくは、トレッド部2からランダムに選択したブロック5に形成してもよい。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 主溝
4 横溝
5 ブロック
6 パターン要素
51 踏み込み側領域
52 中央領域
53 蹴り出し側領域
57 横溝側壁部

Claims (7)

  1. トレッド部を周方向に延びる複数の周方向溝とこれに交差する複数の横方向溝とによって区画された複数のブロック部を備えた空気入りタイヤであって、
    前記ブロック部は、
    接地時における踏み込み側に位置しており、径方向内径側に向けて凹設された1又は複数のパターン要素が形成された、踏み込み側領域と、
    接地時における蹴り出し側に位置しており、1又は複数の前記パターン要素が形成された、蹴り出し側領域と、
    前記踏み込み側領域と前記蹴り出し側領域との間に位置しており、前記パターン要素が形成されておらず平坦に形成された、中央領域と、にタイヤ周方向に3つの領域に区分されており、
    前記パターン要素は、前記横方向溝から離間している、空気入りタイヤ。
  2. 前記パターン要素は、タイヤ径方向に延びる穴として構成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記中央領域は、タイヤ周方向長さが前記ブロック部のタイヤ周方向長さの1/3以上1/2以下である、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記パターン要素は、複数形成されており、
    前記横方向溝側に位置する前記パターン要素は、深さが前記中央領域側に位置する前記パターン要素よりも深く形成されている、請求項1から請求項のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記パターン要素は、タイヤ軸線方向から見て、前記ブロック部の前記横方向溝によって画定された横溝側壁部に沿って平行に延びている、請求項1から請求項のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記パターン要素は、前記踏み込み側端部領域又は前記蹴り出し側端部領域において、タイヤ周方向に複数段で形成されており、
    前記複数段で形成されたパターン要素のうち前記横方向溝側に位置する前記パターン要素は、前記トレッド部の表面における開口が前記中央領域側に位置する前記パターン要素よりも大きい、
    請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ブロック部は、蹴り出し側又は踏み込み側の端部に位置する幅方向縁部のタイヤ周方向における位置が変化している部分を有し、
    前記パターン要素は、前記踏み込み側端部領域又は前記蹴り出し側端部領域においてタイヤ幅方向に複数形成されており、
    前記複数のパターン要素のうち、前記ブロック部の前記幅方向縁部のうち前記中央領域から離間するようにタイヤ周方向に最も突出した部分に形成された前記パターン要素は、前記トレッド部の表面における開口が、当該パターン要素が形成された前記踏み込み側領域又は前記蹴り出し側領域における残余のパターン要素よりも大きい、
    請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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