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JP6580875B2 - 建具 - Google Patents
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本発明は、開口枠に収納された障子を開口枠に対して見込み方向に障子を移動させて開閉する建具に関する。
店舗や住宅等の建物に設けられる窓では、建物の躯体に固定された開口枠と障子を構成する框体との間をアームで連結し、このアームを介して框体を見込み方向に移動させることで障子を開閉するすべり出し窓や縦すべり出し窓等の建具が広く用いられている。
例えば特許文献1には、各枠や框を室内側の樹脂枠や樹脂框のそれぞれ室外側に金属枠や金属框を設けた構成からなる複合構造の建具において、金属枠の金属框と対向する内面に金具をねじ止めし、この金具に防火用の熱膨張性部材を設けた構成が開示されている。
特開2013−144877号公報
ところで、上記特許文献1の構成のような樹脂と金属との複合構造の建具の場合と異なり、樹脂枠及び樹脂框で構成された樹脂窓の建具は火災等の熱や火炎の影響を一層受け易く、より十分な防火構造を構築する必要がある。特に樹脂窓の建具では、火災等の熱の影響で障子が大きく反った際には、障子の外面と開口枠の内面との間の隙間が拡大して熱や火炎の貫通孔となるため、この貫通孔の発生を防止する必要がある。さらに、開口枠と框体との間を連結するアームの取付部付近では熱膨張性部材の設置場所の確保や設置した熱膨張性部材を円滑に膨張させることが難しい場合があり、樹脂窓の場合にはこの部分に十分な防火構造を設けておく必要がある。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、樹脂製の開口枠及び樹脂製の框体で障子を構成した構造であって十分な防火性能を確保することができる建具を提供することを目的とする。
本発明に係る建具は、建物の躯体に固定される樹脂製の開口枠と、樹脂製の障子を構成する框体との間をアームで連結し、前記アームを介して前記框体を前記開口枠の見込み方向に移動させることで障子を前記開口枠に対して開閉させる建具であって、前記開口枠の縦枠及び横枠のうち少なくとも一方には、その長手方向に亘って延在する中空部が設けられると共に、該中空部には前記躯体に対して固定される金属製の補強材が挿入され、前記アームは、前記中空部に配設された取付板又は前記補強材に対して前記開口枠の板厚部分を挟んで連結された金属製の取付ステイにより、前記框体と対向する前記開口枠の内面に取付固定され、前記開口枠の内面の長手方向で前記取付ステイと重なる位置には、前記補強材に対して該開口枠の板厚部分を挟んで固定されることで、前記開口枠と前記框体との間に形成された見付け方向の隙間に介在する遮炎金具が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、防火性能の確保が難しいアームの取付ステイと重なる位置に開口枠と框体との間の見付け方向の隙間に介在する遮炎金具を設けている。このため、火災等の熱の影響で障子が大きく反った場合であってもこの隙間が火炎や熱の貫通孔となることを防止でき、樹脂製の開口枠及び樹脂製の框体で障子を構成した構造でありながらも十分な防火性能を確保することができる。しかも遮炎金具は、開口枠の中空部に挿入され、躯体に対して固定された金属製の補強材に対して固定されているため、火災等で開口枠が軟化し或いは焼失した場合であっても脱落せず、その防火性能を維持することができる。
本発明に係る建具において、前記遮炎金具は、前記開口枠の内面から前記框体に向かう見付け方向に沿って突出した遮炎板部を有する構成であってもよい。そうすると、この遮炎板部によって開口枠と框体との間の隙間を塞ぐことができる。
本発明に係る建具において、前記遮炎金具は、遮炎板部から屈曲形成された補強板部を有する構成であってもよい。そうすると、遮炎金具の強度を高めることができる。
本発明に係る建具において、少なくとも前記遮炎板部又は前記補強板部には、加熱された場合に前記隙間に向かって膨張する第1の熱膨張性部材が設けられた構成であってもよい。そうすると、火災等の熱を受けた際には開口枠と框体との間の隙間に向かって第1の熱膨張性部材が膨張するため、この隙間をより確実に塞ぐことができ、隙間が火炎や熱の貫通孔となることをより確実に防止できる。
本発明に係る建具において、前記開口枠は、前記取付ステイが取付固定される前記内面である見込み面と、該見込み面から前記障子に向かって突出することで前記障子の戸当たりとなる見付け面とを有し、前記遮炎金具は、前記見付け面に配置される前記遮炎板部と、該遮炎板部から屈曲形成され、前記見込み面に配置されて前記補強材に対して固定される固定板部とを有する構成であってもよい。そうすると、遮炎板部を開口枠と框体との間の隙間に介在させた状態で遮炎金具を開口枠の内面に対して容易に固定することができる。しかも、遮炎金具を開口枠の見付け面によって隠すことができ、遮炎金具が建具の外観上で目立たなくなる。
本発明に係る建具において、前記開口枠は、前記縦枠と前記横枠との間を溶着によって接合した溶着部を有し、前記遮炎金具は、前記溶着部と干渉しない位置に配置された構成であってもよい。このように溶着部での凹凸形状を避けて遮炎金具を配置すると、遮炎金具を安定してがたつきなく取付固定することができる。
本発明に係る建具において、前記補強材には、加熱された場合に前記隙間に向かって膨張する第2の熱膨張性部材が設けられた構成であってもよい。そうすると、当該建具が火災等の熱を受けた際には、遮炎金具に設けた第1の熱膨張性部材が膨張した後、中空部の内部で補強材に設けた第2の熱膨張性部材が膨張するため、これら熱膨張性部材を時間差を持って膨張させることができる。その結果、より長時間に亘って開口枠と框体との間の隙間を膨張した熱膨張性部材によって塞いでおくことができる。
本発明によれば、火災等の熱の影響で障子が大きく反った場合であっても開口枠と框体との間の隙間が火炎や熱の貫通孔となることを防止でき、樹脂製の開口枠及び樹脂製の框体で障子を構成した構造でありながらも十分な防火性能を確保することができる。しかも遮炎金具は、躯体に対して固定された金属製の補強材に対して固定されているため、火災等で開口枠が軟化し或いは焼失した場合であっても脱落せず、その防火性能を維持することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る建具を室内側から見た正面図である。 図2は、図1に示す建具の縦断面図である。 図3は、図1に示す建具の横断面図である。 図4は、図3に示す一方の縦枠及び一方の縦框の周辺部を拡大した横断面図である。 図5は、図4中のアーム及びその関連部品を省略した横断面図である。 図6は、遮炎金具の構成図であり、図6(A)は、平面図であり、図6(B)は、側面図である。 図7は、開口枠の一方の縦枠に取付固定されたアーム付近を下方から見上げた斜視図である。 図8は、開口枠の一方の縦枠に取付固定された遮炎金具付近を室外側から見た背面図である。
以下、本発明に係る建具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建具10を室内側から見た正面図であり、図2は、図1に示す建具10の縦断面図であり、図3は、図1に示す建具10の横断面図である。
図1〜図3に示すように、建具10は、建物の躯体12の開口部12aに固定される開口枠14と、開口枠14の内側に開閉可能に支持された障子16とを備える。本実施形態では、横長形状の開口枠14の見込み方向室外側へと障子16をすべり出し可能に組み付けたすべり出し窓の建具10を例示する。
開口枠14は、上下の横枠である上枠14a及び下枠14bと、左右の縦枠14c,14dとを四周枠組みすることで矩形の開口部を形成したものである。上枠14a、下枠14b及び縦枠14c,14dは、塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂を押出成形した部材である。これら上枠14a、下枠14b及び縦枠14c,14dは、所定長さで端部を45度に切断した同一の枠部材によって形成され、その断面形状は同一となっている。開口枠14は、上枠14a、下枠14b及び縦枠14c,14dの45度に切断された端部同士が適宜突き合わされ、溶着されることで互いに接合されている。上枠14a、下枠14b及び縦枠14c,14dは、それぞれくぎやねじ等の固定具15を用いて躯体12に固定される。
図2に示すように、上枠14aは、見込み面に障子16が配置される障子配置部18と、障子配置部18の室内側から内方に向かって突出した突出部20と、障子配置部18の室外側から突出した水切り部22とを有する。突出部20は、その室外側見付け面が障子16の戸当たりとなる。
上枠14aには、その長手方向に亘って延在する中空部24が設けられている。中空部24にはアルミニウムやスチール、ステンレス等の金属板を略コ字状に形成した補強材25が長手方向に亘って挿入されている。補強材25の鉛直部分の室外側面及び下側水平部分の内面(下面であって中空部24内側面と対向する面)には、加熱されると膨張する熱膨張性部材26が設けられている。熱膨張性部材26は熱により膨張する不燃性又は難燃性の部材であり、例えば熱膨張性の黒鉛含有の発泡材にあたる。
図2及び図3に示すように、障子配置部18、突出部20、水切り部22及び中空部24は、下枠14b及び縦枠14c,14dにも設けられている。
下枠14b及び縦枠14c,14dの中空部24には、上枠14aの補強材25とは形状が異なる補強材27が長手方向に亘って挿入されている。補強材27は、アルミニウムやスチール、ステンレス等の金属板を略コ字状に形成すると共に、2辺の先端に屈曲形状を設けたものである。縦枠14c,14dの補強材27の内方を向いた見込み面(中空部24内側面と対向する面)には、帯状の熱膨張性部材26a,26bが見込み方向に並んで設けられている(図3参照)。熱膨張性部材26a,26bは熱により膨張する不燃性又は難燃性の部材であり、例えば熱膨張性の黒鉛含有の発泡材にあたる。
図3に示すように、縦枠14c,14dの中空部24の長手方向で所定位置には、後述するアーム28の取付用の裏板となる取付板30が配設されている。取付板30は、補強材25,27と同様にアルミニウムやスチール、ステンレス等の金属板を略コ字形状に形成したものであり、補強材25,27よりも短尺である。
障子16は、内側に配設される面材32と、面材32の四周縁部を囲む框体34となる上下の横框である上框34a、下框34b及び左右の縦框34c,34dとを框組みして構成したものである。
面材32は、四周縁部に設けられたスペーサを介して一対のガラス板32a,32bを互いに間隔を隔てて対面配置した2層の複層ガラスである。本実施形態の場合、室外側に配置されるガラス板32aを網入りの厚板ガラスとし、室内側に配置されるガラス板32bを薄板ガラスとしている。
上框34a、下框34b及び縦框34c,34dは、塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂を押出成形した部材である。これら上框34a、下框34b及び縦框34c,34dは、所定長さで端部を45度に切断した同一の框部材によって形成され、その断面形状は同一となっている。框体34は、上框34a、下框34b及び縦框34c,34dの45度に切断された端部同士が適宜突き合わされ、溶着されることで互いに接合されている。
図2に示すように、上框34aは、見込み面に面材32が配置される面材配置部36と、面材配置部36の室外側壁部となる押縁38と、当該上框34aの上面室外側から上方に突出した突出部40とを有する。押縁38は、面材配置部36に配置された面材32の縁部を室外側から保持するように装着される。
上框34aには、その長手方向に亘って延在する中空部41,42が室内外方向に並設して設けられている。各中空部41,42にはアルミニウムやスチール、ステンレス等の金属板を略コ字状に形成した補強材43,44が長手方向に亘って挿入されている。中空部41の補強材43の鉛直部分の室内外側の見付け面には、それぞれ熱膨張性部材26が設けられている。中空部42の補強材44の上側水平部分の外面(上面であって中空部42内側面と対向する面)には、一対の熱膨張性部材26,26が見込み方向に並んで設けられている。また、中空部42の上壁の上面(上枠14aの障子配置部18と対向する面)には、補強材44に設けられた熱膨張性部材26と該上壁を挟んで対向するように熱膨張性部材26が設けられている。
図2及び図3に示すように、面材配置部36、押縁38、突出部40及び中空部41,42は、下框34b及び縦框34c,34dにも設けられている。
下框34b及び縦框34c,34dは、一方の中空部41には補強材43が長手方向に亘って挿入され、他方の中空部42には補強材44とは形状が異なる補強材45が長手方向に亘って挿入されている。補強材45は、アルミニウムやスチール、ステンレス等の金属板を略コ字状に形成すると共に、1辺の先端に屈曲形状を設けたものである。
下框34b及び縦框34c,34dでは、補強材43の鉛直部分の室内側の見付け面に熱膨張性部材26が設けられている。下框34bでは、補強材45の鉛直部分の室内側の見付け面にも熱膨張性部材26が設けられている(図2参照)。縦框34c,34dの補強材45の外方(縦枠14c,14d側であって中空部42内側面と対向する面)を向いた見込み面には、帯状の熱膨張性部材26c,26dが見込み方向に並んで設けられている(図3参照)。熱膨張性部材26c,26dは熱により膨張する不燃性又は難燃性の部材であり、例えば熱膨張性の黒鉛含有の発泡材にあたる。縦框34c,34dでは、補強材45の室内側の見付け面にも熱膨張性部材26が設けられている。また、縦框34c,34dの中空部42の縦枠14c,14dに対向する外壁の見込み面(縦枠14c,14dの障子配置部18と対向する面)には、補強材45に設けられた熱膨張性部材26c,26dと該外壁を挟んで対向するように熱膨張性部材26eが設けられている。
障子16は、框体34の面材配置部36に面材32が装着された後、その室外側に押縁38を装着することで面材32が保持されている。このような障子16が開口枠14の障子配置部18に装着されると、左右の縦枠14c,14dと左右の縦框34c,34dとの間がそれぞれアーム28によって連結される(図3参照)。これにより、障子16はアーム28の支持作用下に開閉可能な状態で開口枠14の内側に配設され、図2中の上框34aA,34aBや下框34bAに示すように、室外側へと移動しながら開閉される。下框34bの室内側には、障子16を開閉操作する際に操作するハンドル46が配設されている。
次に、アーム28の具体的な取付構造及びその周辺部に備えられた防火構造について説明する。
図4は、図3に示す一方の縦枠14c及び一方の縦框34cの周辺部を拡大した横断面図であり、図5は、図4中のアーム28及びその関連部品を省略した横断面図である。
図4に示すように、アーム28は、一端側が縦框34cと対向する縦枠14cの障子配置部18に位置する内面(見込み面)48に取付固定され、他端側が縦枠14cの内面48と対向する縦框34cの外面(見込み面)50に取付固定されることで縦枠14cと縦框34cとの間を連結している。
図4に示すように、縦枠14cは、躯体12に対して断面L字状の取付金具52を介して固定具15によって固定される。取付金具52には、縦枠14cの板厚部分を挟んで中空部24内の補強材27がねじ、リベットやボルトナット等の連結具53によって固定され、この補強材27と取付板30との間が同様に連結具54によって固定される。これら補強材27及び取付板30は、縦枠14cを上枠14a及び下枠14bと溶着接合する前に中空部24内に挿入される。取付板30は、縦枠14cの内面48に配置されるアーム28の一端側の取付金具である取付ステイ28aに対し、中空部24の壁部の板厚部分を挟んで連結具55によって固定される。これによりアーム28が縦枠14cの内面48に取付固定される。
また、縦框34cの外面50に配置されるアーム28の他端側の取付金具である取付ステイ28bは、補強材43に対して中空部41の壁部の板厚部分を挟んで連結具56によって固定される。これにより、アーム28が縦框34cの外面50に取付固定される。さらに、面材配置部36において面材32の縁部を保持するコ字形状の脱落防止金具57と補強材43との間が、中空部41の壁部の板厚部分を挟んで連結具58によって固定される。
従って、縦枠14c及び縦框34cでは、躯体12から面材32までの間が金属製の部品である取付金具52、連結具53、補強材27、連結具54、取付板30、連結具55、取付ステイ28a、アーム28、取付ステイ28b、連結具56、補強材43、連結具58及び脱落防止金具57によって連結されており(図4参照)、縦枠14d及び縦框34dについても同様な構造となっている(図3参照)。なお、図3及び図5では、図面の見易さを確保するため、連結具53〜56,58等の図示を省略している。
このように、建具10は開口枠14及び障子16の框体34を樹脂製とした樹脂窓であり、火災等の熱を受けて開口枠14や框体34が軟化し或いは焼失すると、障子16や面材32が脱落する懸念がある。そこで、上記のように躯体12から面材32までの間を金属製の部品で連結し、障子16や面材32の脱落を防止している。また建具10では、框体34の左右両端側が室外側に向かって熱反りを生じると、框体34と開口枠14との間の見付け方向の隙間G(図4及び図5参照)が拡大するが、この場合にはその周囲に設けた熱膨張性部材26a〜26eが膨張して隙間Gを塞ぐ。その結果、突出部20,40が焼失した場合であっても拡大した隙間Gが熱や火炎の貫通孔となることを防止できる。
ところが、アーム28の取付ステイ28aを設けた部分では、縦枠14c,14dの内面48が取付ステイ28aによって覆われると共に、取付板30によって補強材27の長手方向一部に切欠き27a(図8参照)も必要となる。このため、隙間Gの縦枠14c,14d側を塞ぐためには、補強材27に設けた熱膨張性部材26a,26bだけでは不十分となる懸念がある。そこで、建具10では、縦枠14c,14dのアーム28付近に遮炎金具60を設けると共に、この遮炎金具60に熱膨張性部材26fを設け、その防火構造を補強している。
図6は、遮炎金具60の構成図であり、図6(A)は、平面図であり、図6(B)は、側面図である。図7は、開口枠14の一方の縦枠14cに取付固定されたアーム28付近を下方から見上げた斜視図であり、図8は、開口枠14の一方の縦枠14cに取付固定された遮炎金具60付近を室外側から見た背面図である。なお、図8では、各部品の構造を明示するため、縦枠14cの中空部24内に配置される補強材27及び取付板30のうち、補強材27は破線で図示しているが取付板30は実線で図示している。また、以下では遮炎金具60について一方の縦枠14cに設けた構成を代表的に説明するが、他方の縦枠14d側の遮炎金具60は縦枠14c側のものと左右対称であるため詳細な説明を省略する。
遮炎金具60は、アルミニウムやスチール、ステンレス等の金属板で形成されている。図6(A)及び図6(B)に示すように、遮炎金具60は、上下方向に延在する帯板状の遮炎板部60aと、遮炎板部60aと直交するように屈曲形成され、遮炎板部60aより幅狭である補強板部60bと、補強板部60bの一端部から突出した固定板部60cとを有する。遮炎金具60は、遮炎板部60aと補強板部60b及び固定板部60cとの間が屈曲されることで断面L字状に形成されているため、高い部品強度を有する。遮炎板部60aの室外側見付け面には、その長手方向に亘って熱膨張性部材26fが設けられている。
図5及び図7に示すように、遮炎金具60は、縦枠14cの内面48の長手方向で取付ステイ28aと重なる位置に設けられる。具体的には、遮炎金具60は、遮炎板部60aが縦枠14cの突出部20の室外側見付け面に配置され、補強板部60b及び固定板部60cが縦枠14cの見込み面である内面48に配置される。そして、固定板部60cに形成された孔部60dを通したねじ、リベットやボルトナット等の取付具62を中空部24の壁部の板厚部分を挟んで補強材27に対して固定する。この際、遮炎金具60は、補強材27の熱膨張性部材26a,26bの隙間G側への膨張を妨げない位置に配置されている(図5及び図7参照)。また、遮炎金具60の補強板部60bは、アーム28の取付ステイ28aの取付位置を位置決めするガイドとなる(図7参照)。
遮炎金具60は、縦枠14cの内面48から障子16の縦框34cの外面50に向かう見付け方向に沿って遮炎板部60aが配置されることで、遮炎板部60aが隙間Gの一部を塞ぐように該隙間Gに介在する(図5及び図8参照)。その結果、遮炎板部60aに設けられた熱膨張性部材26fは隙間Gに向かって膨張可能な配置となる。本実施形態の場合、遮炎板部60a及び熱膨張性部材26fは障子16の戸当たりとなる縦枠14cの突出部20の室外側見付け面に配置されるため、室内側から隠されている。なお、熱膨張性部材26fは遮炎板部60aではなく補強板部60bの見込み面に設けてもよく(図5中に2点鎖線で示す熱膨張性部材26f参照)、両方に設けてもよい。
図7及び図8に示すように、遮炎金具60は、縦枠14cと上枠14aとの接合部に形成される溶着部64を避けた位置、具体的には溶着部64から数mm程度離間した位置に配置されている。通常、溶着部64は、溶着された樹脂によって凹凸形状となっているため、この溶着部64に干渉しない位置に遮炎金具60を配置することで、遮炎金具60を安定してがたつきなく取付固定することができる。
以上のように構成された建具10が火災等の熱を受けた場合、樹脂製の開口枠14及び框体34が軟化し或いは焼失すると共に、障子16が熱反りを生じて隙間Gが拡大する場合がある。特に、本実施形態の建具10は図1に示すような横長形状のため、上下の横框である上框34a及び下框34bの熱反り量が大きく、隙間Gの拡大量も大きくなる。
ところが、建具10では、上記したように躯体12に固定された縦枠14c,14dから面材32までの間が金属製の各部品で連結されているため、障子16や面材32の脱落が防止される。さらに建具10では、アーム28の周辺以外の部位では、先ず縦框34c,34dの見込み面に設けた熱膨張性部材26eが膨張して隙間Gを塞ぎ、次いで熱膨張性部材26a〜26dが膨張して隙間Gをより確実に塞ぐことができる。
一方、アーム28の周辺では、縦枠14c,14dの内面48が取付ステイ28aによって覆われているため、補強材27に設けた一方の熱膨張性部材26aの膨張が不十分となる懸念があり、また補強材27に設けられた切欠き27aのため、補強材27に設けた他方の熱膨張性部材26bを取付ステイ28aの裏側まで延出することができなくなっている(図7及び図8参照)。
しかしながら、建具10では、遮炎金具60の遮炎板部60aがアーム28と重なる位置で隙間G及びアーム28や一端側の取付金具である取付ステイ28aを見付け方向に塞ぐため、障子16が大きく熱反りした場合であっても隙間Gが火炎や熱の貫通孔となることを防止でき、樹脂製の開口枠14及び樹脂製の框体34で構成された構造でありながらも十分な防火性能を確保することができる。しかも遮炎金具60は、開口枠14の中空部24に挿入され、躯体12に対して固定された金属製の補強材27に対して固定されているため、火災等で開口枠14が軟化し或いは焼失した場合であっても脱落せず、その防火性能を維持することができる。
さらに、遮炎金具60の遮炎板部60aには、熱膨張性部材26fが設けられているため、この熱膨張性部材26fが膨張することで隙間Gをより確実に塞ぐことができる。より具体的には、建具10が火災等の熱を受けた場合、アーム28の周辺では、先ず縦框34c,34dの見込み面に設けた熱膨張性部材26eと、遮炎金具60に設けた熱膨張性部材26fとが膨張して隙間Gを塞ぐ。続いて、縦枠14c,14d及び縦框34c,34dが焼失すると、熱膨張性部材26e,26fの膨張から時間をおいて補強材27,45に設けた熱膨張性部材26a〜26dが膨張して隙間Gをより確実に塞ぐ。その結果、開口枠14と框体34との間の隙間Gを膨張した熱膨張性部材26a〜26fによって長時間に亘って塞いでおくことができ、隙間Gでの火炎や熱の通過を長時間防止できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、上記実施形態では補強材27と取付板30とを別に設けているが、取付板30を設けずに補強材27自体が取付ステイ28aの取付板の役割を担ってもよい。また、上記実施形態ではすべり出し窓の建具10を例示したが、本発明は例えば上下の横枠である上枠14a及び下枠14bと、上下の横框である上框34a及び下框34bとの間をアーム28によって連結した縦すべり出し窓の建具に対しても適用可能である。
10 建具、12 躯体、12a 開口部、14 開口枠、14a 上枠、14b 下枠、14c,14d 縦枠、15 固定具、16 障子、18 障子配置部、20,40 突出部、24,41,42 中空部、25,27,43,44,45 補強材、26,26a〜26f 熱膨張性部材、27a 切欠き、28 アーム、28a,28b 取付ステイ、30 取付板、32 面材、34 框体、34a,34aA,34aB 上框、34b,34bA 下框、34c,34d 縦框、36 面材配置部、38 押縁、48 内面、50 外面、52 取付金具、53〜56,58 連結具、57 脱落防止金具、60 遮炎金具、60a 遮炎板部、60b 補強板部、60c 固定板部、62 取付具、64 溶着部、G 隙間

Claims (7)

  1. 建物の躯体に固定される樹脂製の開口枠と、樹脂製の障子を構成する框体との間をアームで連結し、前記アームを介して前記框体を前記開口枠の見込み方向に移動させることで障子を前記開口枠に対して開閉させる建具であって、
    前記開口枠の縦枠及び横枠のうち少なくとも一方には、その長手方向に亘って延在する中空部が設けられると共に、該中空部には前記躯体に対して固定される金属製の補強材が挿入され、
    前記アームは、前記中空部に配設された取付板又は前記補強材に対して前記開口枠の板厚部分を挟んで連結された金属製の取付ステイにより、前記框体と対向する前記開口枠の内面に取付固定され、
    前記開口枠の内面の長手方向で前記取付ステイと重なる位置には、前記補強材に対して該開口枠の板厚部分を挟んで固定されることで、前記開口枠と前記框体との間に形成された見付け方向の隙間に介在する遮炎金具が設けられていることを特徴とする建具。
  2. 請求項1記載の建具において、
    前記遮炎金具は、前記開口枠の内面から前記框体に向かう見付け方向に沿って突出した遮炎板部を有することを特徴とする建具。
  3. 請求項2記載の建具において、
    前記遮炎金具は、遮炎板部から屈曲形成された補強板部を有することを特徴とする建具。
  4. 請求項記載の建具において、
    少なくとも前記遮炎板部又は前記補強板部には、加熱された場合に前記隙間に向かって膨張する第1の熱膨張性部材が設けられていることを特徴とする建具。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の建具において、
    前記開口枠は、前記取付ステイが取付固定される前記内面である見込み面と、該見込み面から前記障子に向かって突出することで前記障子の戸当たりとなる見付け面とを有し、
    前記遮炎金具は、前記見付け面に配置される前記遮炎板部と、該遮炎板部から屈曲形成され、前記見込み面に配置されて前記補強材に対して固定される固定板部とを有することを特徴とする建具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の建具において、
    前記開口枠は、前記縦枠と前記横枠との間を溶着によって接合した溶着部を有し、
    前記遮炎金具は、前記溶着部と干渉しない位置に配置されることを特徴とする建具。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の建具において、
    前記補強材には、加熱された場合に前記隙間に向かって膨張する第2の熱膨張性部材が設けられていることを特徴とする建具。
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