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JP6580902B2 - 鍵盤楽器の鍵 - Google Patents
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本発明は、鍵盤楽器の鍵に関する。
プラスチック製の電子ピアノの鍵は、成形を容易にするため下部が開口した箱型になっており、強度を持たせるため必要な箇所にリブを設けている。このため、鍵の下面には複数の孔部が形成される。
この孔部を利用して鍵に錘を取り付け、鍵のタッチ感を調整する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された錘は、全体がゴム等の弾性材料で形成されており、直方体形状に形成された本体部と、この本体部上に設けられた複数のヒダ部とを備えている。このうちヒダ部は、孔部への押込方向に沿った本体部の側面のうち、互いに反対側に位置する一対の側面上に、孔部への押込方向に沿って並設されている。
このように構成された錘は、各鍵のタッチ感に合わせた重さとなるように大きさを調整して切断され、鍵の孔部に押し込まれる。この押し込みの際、ヒダ部は、その押込方向とは逆方向に曲がる。そのため、錘は、この曲がりによる復元力によって孔部内で突っ張り、孔部から抜けないように抜け止めされる。
特開2015−114597号公報
しかし、錘は、以下のような要因があると、孔部内で位置がずれたり、最悪の場合、孔部から脱落したりする可能性がある。
要因としては、例えば、材料のバラツキや温度変化によって錘の弾性力が弱くなってしまうこと、グリス等が孔部に付着することによって錘が孔部内で滑りやすくなってしまっていること、錘の成形不良によりヒダ部の形状に異常があること、演奏時に鍵がピアノ本体に繰り返し衝突すること等が挙げられる。
本発明は、上記点に鑑み、錘が脱落し難い鍵を提供することを目的とする。
請求項1に記載した鍵盤楽器の鍵は、演奏者が演奏の際に触れる側を表側とした場合に、裏側に向かって開口する孔部を有する鍵本体部と、弾性変形可能な材料で形成され、前記孔部に押し込まれて抜止される錘部と、前記孔部内に形成された突起状の脱落抑止部であって、前記錘部を前記孔部に押し込むときに前記錘部が弾性変形して乗り越えることが可能であり、かつ、乗り越えた前記錘部が前記孔部から抜けることを抑止可能な高さを有する脱落抑止部とを備える。
これによると、錘部は、鍵本体部が有する孔部に押し込まれると、孔部内で突っ張るなどして鍵本体部に抜止されるだけでなく、脱落抑止部によっても抜止される。
しかも、脱落抑止部は、錘部が弾性変形すれば乗り越えられる高さなので、錘部は、脱落抑止部に邪魔されることなくスムーズに孔部内に押し込まれる。
したがって、本発明の鍵盤楽器の鍵は、抜け止めが二重になされるので、錘部が鍵本体部から脱落することを抑止することができ、それにもかかわらず、錘部を孔部内にスムーズに押し込むことができる。
次に、鍵盤楽器の鍵には、請求項2に記載したように、孔部内に形成される突起状のズレ抑止部であって、脱落抑止部よりも孔部の開口から見て奥側に設けられ、脱落抑止部よりも高さが低いズレ抑止部が備えられていてもよい。
これによると、錘部は、孔部に押し込まれたとき、錘の厚み寸法が小さい等の理由で、鍵の脱落抑止部の上端と錘の下端との間に隙間ができてしまったときにも、ズレ抑止部が食い込んで上下のガタツキを抑止できる。
したがって、鍵盤楽器の鍵は、錘部が鍵本体部から脱落することをさらに抑止するとともに錘のガタツキを抑止することができる。
次に、鍵盤楽器の鍵が備える錘部は、請求項3に記載したように、錘本体部と、孔部に押し込まれる際に脱落抑止部に対向する錘本体部の面上に設けられ、錘部を孔部に押し込む方向に沿って並んだ複数のヒダ部とを備えるものでもよい。
これによると、錘部は、脱落抑止部を超えるとき、錘本体部が弾性変形するのに加えて、ヒダ部が押込方向とは反対方向に曲がって錘部全体の幅を縮める。
したがって、本発明の鍵盤楽器の鍵は、錘本体部だけが弾性変形する場合に比べて、脱落抑止部に邪魔されることなくスムーズに孔部内に押し込むことができる。
また、鍵本体部が孔部内にズレ抑止部を備える場合、脱落抑止部を超えて広がったヒダ部の間にズレ抑止部が嵌り込み、この嵌り込みによって前記のような上下のガタツキを抑止できる。
したがって、本発明の鍵盤楽器の鍵は、ズレ抑止部を備える場合、錘部が鍵本体部から脱落することを更に抑止するとともに錘のガタツキを抑止することができる。
錘部の斜視図である。 図2(A)は、内部構造を透過図で示した鍵本体部の正面図である。図2(B)は、図2(A)のIIB−IIB断面図である。 鍵本体部の裏面斜視図である。 図4(A)は、鍵内部構造を透過図で示した鍵の正面図である。図4(B)は、図4(A)のIIIB−IIIB断面図である。
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形の電子ピアノの鍵1は、鍵本体部3と、錘部5とを備えている。
錘部5について、図1を用いて説明する。
錘部5は、鉄粉を混ぜたゴムからなり、錘本体部50と複数のヒダ部52とを有している。
錘本体部50は、直方体状に形成されている。
複数のヒダ部52は、錘5の後述する孔部30(図2参照)への押込方向(図1中の矢印イの方向)に沿った側面(錘本体部50の厚みを構成する面)のうち、互いに反対側に
位置する一対の側面上で、押込方向イに沿って並設されている。
各ヒダ部52は、押込方向イに対して垂直な方向に沿った線状に形成されている。またこれらヒダ部52は、全体の断面形状(各ヒダ部52の長手方向(図1中の矢印ロの方向)に垂直な断面形状)が鋸の刃状となるように、各ヒダ部52は、その断面形状が直角三角形状に形成されている。
また、錘本体部50の上面には、両面テープ54が貼り付けられている。
鍵本体部3について、図2及び図3を用いて説明する。
鍵本体部3には、上述した錘部5を取り付けるための孔部30をはじめとする、リブ39で区切られた複数の孔部が形成されている。これら孔部は、演奏者が演奏の際に触れる側を表側とした場合に、裏側に向かって開口するものである。鍵本体部3の重心は、その長手方向の中央部分に位置し、孔部30は、この重心よりも演奏者側に設けられている。
この孔部30を形成する鍵本体部3の内側壁面であって、鍵1の並び方向に垂直な各壁面上には、孔部30の内側に向かって突設された突起状の脱落抑止部32及び一対のズレ抑止部34を備えている。これら脱落抑止部32及びズレ抑止部34は、鍵本体部3の長手方向に沿って長尺な形状に形成されている。また、脱落抑止部32及び一対のズレ抑止部34は、押込方向(図2中の矢印イの方向、孔部30の開口31から錘部5を押し込む方向)に沿って並設されている。
脱落抑止部32は、孔部30の開口31の付近に設けられ、ズレ抑止部34よりも高さが高い突起状物である。この脱落抑止部32は、錘部5を孔部30に押し込むときに錘部5が弾性変形して乗り越えることが可能であり、かつ、乗り越えた錘部5が孔部30から抜けることを抑止可能な高さに形成されている。つまり、脱落抑止部32は、孔部30を構成する各壁面に設けられた脱落抑止部32の先端間の距離が、錘本体部50の幅よりも狭くなるように、高さを調整して形成されている。また、脱落抑止部32は、脱落抑止部32が設けられた壁面の押し込み時の変形やヒダ部52等を考慮して、孔部30を構成する各壁面に設けられた脱落抑止部32の先端間の距離が、錘本体部50が弾性変形すれば通過できるような距離となるように、高さを調整して形成されている。
ズレ抑止部34は、開口31から見て脱落抑止部32よりも孔部30の奥側に設けられ、脱落抑止部32よりも低い高さとなるように形成されている。
以上説明した鍵本体部3への錘部5の取り付けについて説明する。
錘部5を鍵本体部3へ取り付ける場合、まず、鍵1の静荷重が適用される音の段階に応じて鍵本体部3の先端から23mmの位置で、静荷重が45g〜80gとなるように適当な大きさに錘部5を切断する。
そして、錘部5を鍵本体部3の孔部30に押し込む。このとき、錘部5は、脱落抑止部32に当たるが、錘本体部50が弾性変形するとともにヒダ部52が押込方向イとは逆方向に曲がって、脱落抑止部32を乗り越える。
その後、錘部5は、図4に示すように、孔部30内に収められると、錘部5が孔部30から抜けることを抑止可能な高さに脱落抑止部32が形成されているので、脱落抑止部32によって抜け止めされる。
また、錘部5は、孔部30内に収められると、脱落抑止部32を超える時にすぼんだヒダ部52が広がって孔部30内で突っ張るので、抜け止めされる。また、錘部5は、その突っ張ったヒダ部52が脱落抑止部32に引っ掛かるので、抜け止めされる。
また、錘部5は、孔部30内に収められ、ヒダ部52が孔部30内で広がると、ヒダ部52の間にズレ抑止部34が嵌り込むので、上下方向のガタツキが抑止される。
さらに、錘部5は、孔部30内に収められると、両面テープ54が孔部30内に貼り付くので、抜け止めされる。
以上説明したように、本実施形態の鍵盤楽器の鍵1は、ヒダ部52の突っ張り以外に、抜け止めが何重にもなされるので、錘部5が脱落することを抑止することができるとともに上下方向のガタツキが抑止される、それにもかかわらず、錘部5を孔部30内にスムーズに押し込むことができる。
特許請求の範囲に記載した用語のうち、ズレ抑止部は、錘部が孔部内でずれることを抑止する機能部である。また、ヒダ部は、錘本体部に設けられたひだ状の機能部である。
その他の実施形態について説明する。
(1)上記実施形態で説明した錘部5はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
(2)上記実施形態では、錘部5を構成する材料としてゴムを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば熱可塑性エラストマーなどの軟質樹脂を用いてもよいし、弾性材料であればどのようなものを用いてもよい。また、上記実施形態ではゴム中に金属粉を混入したが金属粉に限られるものではなく、一切混入しなくてもよい。
(3)上記実施形態では、錘本体部50の孔部30への押込方向イに垂直な一対の面の周囲に位置する側面のうち、錘本体部50を挟んだ一対の側面にヒダ部52を設けたが、他の一対の側面にもヒダ部52を設けてもよい。またそれぞれの二対に設けても良い。
(4)上記実施形態では、錘本体部50が直方体形状であるがこれに限るものではない。例えば円柱状である場合、ヒダ部52は、錘本体部50を孔部30内に押し込む押込方向イを軸とする軸周りの側面の一部又は全部に設けてもよい。押込方向イの回りに等間隔に2箇所ないし3箇所設けてもよい。
(5)上記実施形態では、錘部5は、鍵本体部3に取り付けたときに、鍵本体部3の静荷重が45g〜80gとなる重さとなるよう構成したが、静荷重が50g〜70g、さらに53〜57gとしてもよい。
(6)上記実施形態では、鍵盤楽器として電子ピアノを例に挙げたが、これに限られる
ものではない。例えば電子オルガン、シンセサイザーなどでもよい。
(7)上記実施形態で説明した錘部5は、押出成形によって製造し、押出成形時に適当な大きさに切断してもよいし、各鍵本体部3に取り付ける直前に適当な大きさに切断してもよい。また、はじめから切断する必要のない大きさに成形されていてもよい。
(8)上記実施形態では、錘部5は両面テープ54を備えているが、両面テープ54はなくてもよい。
1… 鍵 3… 鍵本体部 5… 錘部 30… 孔部 31… 開口 32… 脱落抑止部
34… ズレ抑止部 39… リブ 50… 錘本体部 52… ヒダ部
54… 両面テープ

Claims (2)

  1. 演奏者が演奏の際に触れる側を表側とした場合に、裏側に向かって開口する孔部を有する鍵本体部と、
    弾性変形可能な材料で形成され、前記孔部に押し込まれて抜け止めされる錘部と、
    前記孔部内に形成された突起状の脱落抑止部であって、前記錘部を前記孔部に押し込むときに前記錘部が弾性変形して乗り越えることが可能であり、かつ、乗り越えた前記錘部が前記孔部から抜けることを抑止可能な高さを有する脱落抑止部と
    前記孔部内に形成される突起状のズレ抑止部であって、前記脱落抑止部よりも前記孔部の開口から見て奥側に設けられ、前記脱落抑止部よりも高さが低い前記ズレ抑止部とを備えることを特徴とする鍵盤楽器の鍵。
  2. 請求項1に記載の鍵盤楽器の鍵であって、
    前記錘部は、
    錘本体部と、
    前記孔部に押し込まれる際に前記脱落抑止部に対向する前記錘本体部の面上に設けられ、前記錘部を前記孔部に押し込む方向に沿って並んだ複数のヒダ部と
    を備えることを特徴とする鍵盤楽器の鍵。
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