以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の警報器を詳細に説明する。
図1〜図3に示されるように、本実施形態の警報器Aは、スイッチ部Sが設けられた基板B(図7および図8参照)を収容する筐体1と、筐体1の外周に沿って筐体1の正面F側に設けられた幅広の押しボタン2とを備えている。
警報器Aは、外部環境の異常を検出して警報を行う。本実施形態の警報器Aは、図1および図2に示されるように、外部環境の変化を検知するセンサ部(図示せず)と、センサ部の出力に基づいて外部環境の変化を判定し、異常発生時に警報音を発する警報部11と、警報器Aの給電状態や、異常状態をLED等の光源(図示せず)からの光により表示する表示部12とを有している。センサ部、警報部11および表示部12用の光源などは、外部電源または内蔵した電池から供給される電圧により作動する。
本実施形態では、警報器Aは家庭の台所などに設置され、LPガスを検知する半導体式センサなどのセンサ部により、LPガスの漏洩を監視する。LPガス用の警報器の場合、LPガスの比重は空気よりも高いため、壁面のうち床面側(ユーザの足元側)、たとえば床面から約30cmの高さに設置される。なお、本発明の警報器はLPガス用の警報器に限定されるものではなく、警報器の設置位置は特に限定されるものではない。たとえば、警報器の検知対象は、LPガス以外であってもよく、センサ部として、可燃性ガスセンサ、都市ガスセンサ、COセンサ、火災センサなどを使用してもよい。LPガス以外の他の用途の警報器の場合は、警報器を天井や壁面の上部側に設置してもよい。また、センサ部は、半導体式センサに限定されるものではなく、公知の、接触燃焼式、電気化学式、固体電解質式、赤外線式センサであってもよく、検知対象に応じて適宜組み合わせて使用されてもよい。
筐体1は、上述したセンサ部、警報部11のスピーカー(図示せず)、表示部12の光源、これらが接続される基板B等、警報器Aに設けられる各種部材を収容する。筐体1は、本実施形態では、図1〜図3に示されるように、略直方体状に形成され、略直方体状の短辺側が鉛直方向となるように壁面に取り付けられる。筐体1の材料は特に限定されないが、たとえば、難燃性の合成樹脂から形成することができる。なお、筐体1の形状は図示する形状に限定されるものではなく、たとえば略円筒状(筐体1の正面F側から見たときに略円形)等、他の形状としてもよい。また、筐体1は、本実施形態では、図1および図3に示されるように、正面側筐体1Aと背面側筐体1Bとから構成され、正面側筐体1Aと背面側筐体1Bとが接合されることにより、筐体1を構成している。本実施形態では、正面側筐体1Aは、図1〜図3に示されるように、筐体1の設置時における上部側が、正面Fに向かって高さが低くなるように傾斜している(筐体1が壁面の上側に取り付けられる場合には、筐体1の下部側が、正面Fに向かって高さが高くなるように傾斜する)。そのため、ユーザが表示部12からの光を確認しやすい。
筐体1に設けられる押しボタン2は、たとえば、警報の一時的な停止の際や、警報器Aの動作チェックなどの際に押圧される。押しボタン2は、筐体1と同様にその材料は特に限定されないが、たとえば、難燃性の合成樹脂製とすることができる。押しボタン2は、図1〜図3に示されるように、筐体1の外周に沿って筐体1の正面F側に幅広に設けられる。なお、本明細書でいう「幅広」とは、たとえば、略直方体状の筐体1の場合には、筐体1の四辺のうちの一辺の長さ全体にわたって、または、一辺の長さの大部分(たとえば、一辺の長さの60%以上、好ましくは80%以上)にわたって形成されていることをいい、略円形の筐体の場合には、押しボタンの外周部分における円弧部分の中心角が、60〜180°、好ましくは90°〜180°程度のものをいう。本実施形態では、押しボタン2は、筐体1の設置時の高さ方向(図2中、上下方向)に幅広に(細長く)形成されているが、たとえば、押しボタン2は筐体1の設置時の水平方向(図2中、左右方向)に幅広に形成されていてもよい。このように、押しボタン2が筐体1の外周に沿って幅広に形成されることにより、暗所など視界が悪い場所でも、おおよその操作で押しボタン2の操作が可能になり、押しボタン2の押圧操作が容易になる。なお、以下では、押しボタン2の細長く伸びる方向を押しボタン2(または後述する本体部21)の長手方向Lと呼ぶ(図1〜図3参照)。
押しボタン2は、図4および図5に示されるように、押圧時に操作される本体部21と、筐体1内部に向かって延びる第1および第2のアーム22a、22b(以下、第1および第2のアームをまとめて単にアーム22という場合がある)と、第1および第2のアーム22a、22bにそれぞれ設けられた係合部23とを備えている。一方、押しボタン2が取り付けられる筐体1は、第1および第2のアーム22a、22bが挿入される開口部13(図4参照)と、筐体1内部に設けられた、係合部23と係合する第1および第2の被係合部14a、14b(図6および図7参照。以下、第1および第2の被係合部14a、14bをまとめて単に被係合部14と呼ぶ場合がある)と、本体部21により押圧され、スイッチ部Sを作動させるように構成された押圧部15(図4参照)とを備えている。
本体部21は、押しボタン2のうち、ユーザにより操作される幅広の押圧部位である。本体部21は、筐体1の外周に沿って幅広に形成されるものであれば、その形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では、図2、図4および図5に示されるように、正面F側から見たときに、互いに略平行に長手方向Lに沿って延びる長辺および短辺と、長辺と短辺とを、本体部21の長手方向両端においてラウンドして繋いでいる一対の湾曲部を有した形状を呈している。本実施形態では、図3〜図5に示されるように、本体部21のうち、筐体1の外周に沿う部分は、本体部21の正面側の平坦な部分から、押圧方向P(図1および図3参照)における押圧側に向かって土手状に湾曲した縁部21aが形成されている。そのため、本実施形態では、本体部21の裏面21d(図5参照)の縁部21aの内側には、図5に示されるように空間が形成されており、この縁部21aの内側の空間には、後述する防虫機構と、押圧部15に接触可能な接触体21b(本実施形態では、長手方向Lに沿って配置された2つの接触体21b)が設けられている。また、本体部21の外周のうち、長辺側(後述する段差部17bに対向する部位)には、縁部21aは形成されておらず、長辺側からは、図5に示されるように、第1および第2のアーム22a、22bと、後述する押圧部用開口16の開口縁に係合する突部24とが延びている。
また、筐体1は、本実施形態では、図4に示されるように、押しボタン2の本体部21が取り付けられるボタン取付部17を有し、本体部21は、ボタン取付部17に取り付けられる。ボタン取付部17は、図4に示されるように、筐体1の正面Fに略平行で、正面Fよりも押圧方向Pで凹むように形成された取付面17aと、正面Fと取付面17aとの間の段差部17bとを含んでいる。取付面17aは、本体部21の裏面21dと対向するように形成されている。本実施形態では、図4に示されるように、取付面17aに押圧部15および後述する防虫機構が設けられている。また、取付面17aには、押圧部15を設けるための押圧部用開口16が形成され、本実施形態では、図4に示されるように、押圧部15は、取付面17aの長手方向Lの中央部に形成された押圧部用開口16内に配置されている。押圧部用開口16は、図4および図9(a)に示されるように、取付面17aを押圧方向Pに貫通して形成され、筐体1内部と連通している。押圧部用開口16の内側には、押圧部用開口16の開口縁からわずかに離間して押圧部15が配置されている。
押圧部15は、本実施形態では、本体部21が押圧されたときに、基板B上に設けられたスイッチ部Sを作動させるように構成され、図7および図8に示されるように、本体部21(接触体21b)とスイッチ部Sとの間に設けられる。より具体的には、押圧部15は、図4、図7および図8に示されるように、筐体1の段差部17bから押圧方向Pの押圧側に向かって延びた後、略U字状に湾曲した板バネ部151と、板バネ部151と連続して設けられ、本体部21の接触体21bと当接可能な被当接部152と、被当接部152から押圧方向Pの押圧側に向かって、すなわち、スイッチ部Sに向かって延びるスイッチ操作部153とを備えている。これにより、本体部21が押圧されると、被当接部152が接触体21bから押圧されて、板バネ部151が弾性変形するとともに、スイッチ操作部153がスイッチ部Sを押圧して、押しボタン2による操作が行われる。なお、本実施形態では、図4および図9(a)に示されるように、被当接部152は、接触体21bと同様に、長手方向Lに沿って配置された2つ設けられ、2つの被当接部152a、152bのそれぞれに対応して2つの板バネ部151が形成されている。したがって、2つの被当接部152のいずれかが2つの接触体21bのいずれかから押圧されることにより、スイッチ操作部153に押圧力が伝わりやすい。なお、本実施形態では、2つの被当接部152a、152bは、板状体154(図4および図9(a)参照)により長手方向Lで連結されており、2つの被当接部152a、152bの長手方向Lにおける中間部において、板状体154からスイッチ操作部153が突出している(図6参照)。
段差部17bは、本実施形態では、図4に示されるように、正面Fおよび取付面17aのそれぞれに対して垂直に形成された部位である。本実施形態では、この段差部17bに開口部13が第1および第2のアーム22a、22bの間隔に対応する間隔で形成されている。なお、開口部13は、アーム22を筐体1内に挿入することができれば、特にその位置は限定されず、ボタン取付部17の他の部位(たとえば取付面17a)に形成されていてもよい。また、本実施形態では、取付面17aに形成された押圧部用開口16は、図4に示されるように、段差部17bまで延びており、本体部21の突部24(図5参照)が係合して、押しボタン2の筐体1への取り付けをより確実に行う。
筐体1の開口部13に挿入されるアーム22は、図4および図5に示されるように、本体部21の長手方向Lの両端部側から、押しボタン2の押圧方向Pおよび長手方向Lに対して略垂直方向(以下、アーム22の挿入方向Iという)に筐体1内部に向かって延びている。アーム22の自由端側(自由端近傍)には係合部23が設けられており、係合部23は、筐体1内部の被係合部14と係合するように構成されている。係合部23および被係合部14が係合することにより、アーム22の離脱、すなわち、押しボタン2の筐体1からの離脱が防止される。そして、本実施形態では、押しボタン2を溶着によってではなく、係合により筐体1に固定可能であるため、溶着設備が不要となる。そのため、溶着ミスなど、押しボタン2の筐体1への取付時にミスが生じにくいため、製造コストの低減が可能になる。
アーム22の係合部23が、被係合部14に係合して取り付けられると、本体部21を押圧することによりスイッチ部Sの操作が可能になる。より具体的には、本体部21を押圧すると、アーム22の自由端側が被係合部14に支持されて、アーム22が、被係合部14に支持された箇所を支点として撓み、アーム22の揺動が可能になる。なお、アーム22の材料は特に限定されないが、たとえば可撓性を有する樹脂材料により形成される。
ここで、本実施形態では、図4および図6に示されるように、押圧部15は、本体部21の長手方向Lにおいて、第1および第2のアーム22a、22bが係合する第1および第2の被係合部14a、14bの間に位置している。したがって、たとえば、図10の模式図に示されるように、たとえば本体部21の長手方向Lの一方側の端部(図10中の点X)を押圧したときは、主に第1のアーム22aが、第1の被係合部14aと接続された部位を支点(図10中に参照符号S1で示す)として撓んで押圧方向Pに沿って揺動する。一方、たとえば本体部21の長手方向Lの他方側の端部(図10中の点Y)を押圧したときは、主に第2のアーム22bが、第2の被係合部14bと接続された部位を支点(図10中に参照符号S2で示す)として撓んで押圧方向Pに沿って揺動する。また、たとえば本体部21の長手方向Lの中央部(図10中の点Z)を押圧したときは、第1および第2のアーム22a、22bの両方が、支点S1、S2を支点として撓んで揺動する。したがって、本体部21の長手方向Lの端部を押圧したときは、第1および第2のアーム22a、22bのうちのいずれかが主として撓み、押圧部15が長手方向Lで、第1および第2のアーム22a、22bの間(第1および第2の被係合部14a、14bの間)に位置しているため、幅広の本体部21の端部を押したとしても確実にスイッチ部Sに本体部21の操作が伝わる。よって、幅広の押しボタン2の任意の場所を押圧してもスイッチ部Sを操作することができるため、本実施形態の構造は幅広の押しボタン2に非常に適した構造となる。
また、本実施形態では、警報器Aの設置状態において、押しボタン2のうち、ユーザからの距離が近い側、またはユーザが操作しやすい側が、ユーザからの距離が遠い側、またはユーザが操作しにくい側よりも押圧操作しやすく構成されている。たとえば、LPガス用の警報器のように、壁面の下方に警報器Aが設置される場合、押しボタン2のうち、上方側の部分が、下方側の部分よりも押圧操作しやすく構成される。より具体的には、本実施形態では、図1および図3に示されるように、本体部21の長手方向Lの一方の端部側に、長手方向Lの一方の端部に向かうにつれて、筐体1の背面との距離が近付くように傾斜したテーパー面21cが形成されている。このように、テーパー面21cが形成されていることにより、LPガス用の警報器のように、壁の足元付近に警報器Aが設置されている場合などに、ユーザが斜め上から押しボタン2を押すときに押しやすくなる。すなわち、ユーザが指などで本体部21を押す際に、足元付近にある本体部21を警報器Aが設置された壁面に対して垂直方向に押さなくても、テーパー面21cに対して斜め上から押すことにより、テーパー面21cに加わった押圧力の分力が、押圧方向Pに作用する。したがって、警報器Aが足元付近や、壁面の高い位置に設置されている場合であっても、押しボタン2の押圧操作が容易となる。なお、テーパー面21cの傾斜角度は特に限定されないが、たとえば、筐体1の正面Fに対する角度が120〜150°程度であることが好ましい。
また、第1および第2のアーム22a、22bの形状は特に限定されないが、本実施形態では、図4および図5に示されるように、第1および第2のアーム22a、22bは板状に形成されている。より具体的には、図4に示されるように、板状の第1および第2のアーム22a、22bの平坦面が、筐体1の正面Fと略平行になるように本体部21から延びている。
また、本実施形態では、第1および第2のアーム22a、22bに形成された係合部23は、図5に示されるように、板状の第1および第2のアーム22a、22bそれぞれの一方の面から突出して形成されている。より具体的には、係合部23は、略矩形板状の第1および第2のアーム22a、22bの筐体1の背面側を向く面の側縁から、略U字状に突出している。係合部23が略U字状に突出して形成されることにより形成された係合部23の孔部には、後述する被係合部14の係合爪C(図11(a)参照)が係合する。なお、本実施形態では、略U字状に突出する係合部23を有するアーム22を、筐体1の開口部13に挿入しやすくするために、図4および図6に示されるように、段差部17bに形成された開口部13に連通するガイド孔18が形成されている。このガイド孔18は、取付面17aにアーム22の挿入方向Iに沿って形成されて、開口部13に連通している。ガイド孔18は、係合部23を挿入可能な幅を有し、係合部23がガイド孔18に入った状態で、アーム22を挿入方向Iにスライドさせることにより、容易にアーム22を開口部13に向かって安定して挿入することができ、警報器Aの組付性が向上する。
係合部23が係合する被係合部14は、係合部23が係合可能であれば特に形状は限定されないが、本実施形態では、図8、図11(a)および(b)に示されるように、第1および第2の被係合部14a、14bのそれぞれが、板状の第1および第2のアーム22a、22bを押圧方向Pで挟持する一対の挟持部H1、H2と、第1および第2のアーム22a、22bの側面と当接可能に筐体1の内面部から突出し、第1および第2のアーム22a、22bの長手方向Lの移動を規制する立設部Eとを備えている。一対の挟持部H1、H2は、そのいずれかまたは両方により、本体部21が押圧されたときに、板状のアーム22を保持して、アーム22の撓みを許容する。また、立設部Eが第1および第2のアーム22a、22bの側面と当接可能に設けられていることにより、アーム22を筐体1に取り付けた後、押しボタン2が筐体1に対して長手方向Lで移動することが規制される。より具体的には、第1のアーム22aは、第1の被係合部14aの立設部Eにより、長手方向Lのうちの一方への移動(図8中、上方向への移動)が規制され、第2のアーム22bは、第2の被係合部14bの立設部Eにより、長手方向Lのうちの他方への移動(図8中、下方向への移動)が規制される。したがって、押しボタン2の長手方向Lでのガタつきが無くなり、押しボタン2の押圧方向Pへの操作が安定する。
また、本実施形態では、図8、図11(a)および(b)に示されるように、一対の挟持部H1、H2は、長手方向Lに沿って互いに略平行に延び、立設部Eが、一対の挟持部H1、H2を押圧方向Pでつなぐように形成されている。図8および図11(b)に示されるように、第1および第2の被係合部14a、14bのそれぞれは、一対の挟持部H1、H2および立設部Eにより、第1および第2のアーム22a、22bの挿入方向Iに垂直な断面が略コ字状となるように形成されている。このように、一対の挟持部H1、H2と立設部Eとによって形成された断面略コ字状の被係合部14の内側に、板状のアーム22が挿入される。また、図11(a)、(b)および図12に示されるように、一対の挟持部H1、H2のうちの一方(本実施形態では挟持部H1)の自由端に係合爪Cが形成され、係合部23が、第1および第2のアーム22a、22bの挿入時に、第1および第2のアーム22a、22bの挿入方向Iで係合爪Cを乗り越えて、係合爪Cと係合する。このように構成することにより、板状のアーム22は、開口部13から挿入されることにより、略コ字状の被係合部14の内部に入って挟持部H1、H2により挟持されるとともに、被係合部14の係合爪Cと係合部23とが係合する(図11(a)参照)。したがって、押しボタン2の筐体1への組み付けが容易であり、かつ、アーム22(押しボタン2)の抜けが防止される。
また、本実施形態では、図11(a)および(b)に示されるように、係合爪Cは挟持部H1の自由端の端面に形成され、係合部23は、図5に示されるように、アーム22の自由端からわずかに本体部21側にずれた位置に設けられている。そのため、図12に示されるように、略コ字状の被係合部14の内側にアーム22の先端がわずかに入った後に、係合部23と係合爪Cの係合が開始する。したがって、アーム22の先端が挟持部H1、H2に挟持されて押圧方向Pにおいてアーム22が安定した状態で、挿入方向Iにアーム22が押し込まれる。また、立設部Eにより長手方向Lでもアーム22が安定するため、アーム22の係合部23を係合爪Cに係合させる際の挿入が安定して、第1および第2のアーム22a、22bが同時に係合して、確実かつ容易に押しボタン2を筐体1に取り付けることができる。
つぎに、防虫機構について説明する。本実施形態の警報器Aは、上述したように、アーム22が筐体1内部に向かって延び、筐体1内部に接続され、筐体1(ボタン取付部17の段差部17bおよび/または取付面17a)にアーム22が挿入される開口部13を有している。また、本実施形態の警報器Aの幅広の押しボタン2の場合、押圧方向Pの押圧ストロークが長くなる傾向にあるため、押しボタン2と筐体1(ボタン取付部17)との間の隙間が大きくなる傾向にある。この隙間が大きい場合には、虫が外部から筐体1内に侵入し、たとえば、筐体1内部の回路のショートなど、電子機器に悪影響をもたらす可能性がある。以下に説明する防虫機構が設けられる場合は、このような押しボタン2と筐体1との間の隙間から虫が侵入するのを防止する。以下、防虫機構について説明する。
防虫機構は、図4および図5に示されるように、ボタン取付部17(本実施形態では取付面17a)に設けられ、開口部13を取り囲む筐体側壁部19と、本体部21の裏面21dに設けられ、アーム22の基端部を取り囲む押しボタン側壁部25とを備えている。
筐体側壁部19は、本実施形態では、図4に示されるように、段差部17b(および/または取付面17a)に形成された開口部13の周囲に形成され、取付面17aから略垂直方向に立ち上がる壁部である。筐体側壁部19は、押しボタン2が筐体1に取り付けられた際に、押しボタン側壁部25とともに、開口部13全体を取り囲むように構成されている。したがって、筐体側壁部19は、開口部13の少なくとも一部を覆っていればよい。
本実施形態では、筐体側壁部19は、図9(a)および(b)に示されるように、アーム22の挿入方向Iに略平行な一対の壁体19a、19bを含んでいる。そのため、一対の壁体19a、19bの間で、板状に形成されたアーム22を挿入方向Iに案内可能となっており、アーム22の挿入を容易にしている。なお、本実施形態では、筐体側壁部19は、略平行な一対の壁体19a、19bと、一対の壁体19a、19bを結ぶように配置され、一対の壁体19a、19bに対して略垂直に長手方向Lに延びる壁体19cとを有しているが、筐体側壁部19の形状は図示する形状に限定されるものではない。
押しボタン側壁部25は、本実施形態では、図5に示されるように、アーム22の基端部を取り囲み、アーム22が開口部13に挿入された後に、筐体側壁部19とともに開口部13全体を取り囲む。具体的には、図13(a)に示されるように、筐体側壁部19と押しボタン側壁部25とは、押しボタン2を筐体1に取り付けた際に、押圧方向Pで重なりを持つような高さで形成される。押しボタン側壁部25は、図9(a)および(b)に示されるように、筐体側壁部19に沿って、隣接して設けられている。ここで、「筐体側壁部19に沿って」とは、押しボタン側壁部25が、筐体側壁部19に対応した形状を呈していることをいう。たとえば、筐体側壁部19が、図9(a)に示されるように、筐体1の正面Fから見たときに略コ字状の場合は、押しボタン側壁部25は、筐体側壁部19より一回り大きい(または小さい)略コ字状となり、筐体側壁部19が、湾曲した略C字状を呈する場合は、押しボタン側壁部25は、筐体側壁部19より一回り大きい(または小さい)略C字状とすることができる。また、「隣接して設けられる」は、押しボタン側壁部25と筐体側壁部19との間の壁同士の間隔が、虫が侵入することを防止できる所定の間隔以内に形成されていればよい。虫が侵入することを防止する所定の間隔は、特に限定されないが、たとえば、0.3mm以下とすることができる。なお、押しボタン側壁部25と筐体側壁部19とは、本体部21の押圧操作が可能であれば、摺動するように(隙間なく)構成してもよい。
このように、押しボタン側壁部25が、筐体側壁部19に沿って、隣接して設けられていることにより、幅広の押しボタン2の本体部21と筐体1との間に隙間(図3参照)が生じた場合であっても、アーム22を挿入するための開口部13から筐体1内部に虫が侵入することを防止することができる。より詳細に説明すると、警報器Aの外部から虫が筐体1内部に侵入するためには、図13(a)において、押しボタン側壁部25および筐体側壁部19の両方を越えて進む必要がある。しかし、図9(a)および(b)に示されるように、押しボタン側壁部25が開口部13の周囲を取り囲んでおり、図13(a)に示されるように、押しボタン側壁部25と筐体側壁部19とが隣接して設けられているため、虫は押しボタン側壁部25と筐体側壁部19とにより囲まれた空間内に侵入することができない。したがって、虫は開口部13には到達することができず、筐体1内への虫の侵入を防止することができる。
また、本実施形態では、図13(a)および(b)に示されるように、筐体側壁部19の上端(自由端)と、本体部21の裏面21dとの間、および、押しボタン側壁部25の下端(自由端)と、取付面17aとの間には、押圧方向Pへの、押しボタン2の押圧ストロークを許容する所定の間隙が形成されている。これにより、防虫用に壁部を設けている場合であっても、本体部21の押圧ストロークが確保され、筐体側壁部19および押しボタン側壁部25が幅広の押しボタン2の比較的長い押圧ストロークの妨げとなることがない。なお、ここでいう「押圧ストロークを許容する所定の間隙」は、押しボタン2の大きさや所望のストロークに応じて変動するため、特に限定されないが、たとえば、1〜2mmとすることができる。
また、本実施形態では、図4、図5および図9(a)に示されるように、取付面17aに、押圧部用開口16を取り囲む筐体側中央壁部19dが設けられ、本体部21の裏面21dに、筐体側中央壁部19dに沿って押しボタン側中央壁部26が設けられている。これにより、押圧部15を設ける際に筐体1の内部と外部とを連通させる押圧部用開口16が設けられている場合であっても、押圧部用開口16からの虫の侵入を防止することができる。
また、本実施形態では、図4、図5および図9(a)に示されるように、押しボタン側中央壁部26に、押しボタン2の浮き上がりを防止する浮き上がり防止突起PRが形成され、筐体側中央壁部19dに、浮き上がり防止突起PRに係合する浮き上がり防止凹部Rが形成されている。これにより、押しボタン2を筐体1に取り付けた際に、浮き上がり防止突起PRが浮き上がり防止凹部Rに係合して(図9(a)参照)、押しボタン2が押圧方向Pの押圧側とは反対方向に移動することが規制される。そのため、押しボタン2の浮き上がり、押しボタン2の浮き上がりによるアーム22の破損や、押しボタン2の外れなどを防止することができ、壁部に浮き上がりの防止と防虫効果の両方を持たせることができる。
つぎに、本実施形態の警報器Aの組み付けおよび本実施形態の作用効果について、より具体的に説明する。なお、以下の説明はあくまで一例であり、本発明は以下の説明により限定されるものではない。
まず、押しボタン2を筐体1に取り付けるために、図4の状態から、アーム22を開口部13に向かって挿入する。このとき、まず、アーム22に設けられた係合部23を、開口部13に連続して設けられたガイド孔18に差し込む。このとき、板状のアーム22は、筐体側壁部19の一対の壁体19a、19bの間に入る。これにより、係合部23がガイド孔18にガイドされ、板状のアーム22は一対の壁体19a、19bによりガイドされて、アーム22の開口部13への挿入を安定して行うことができる。また、アーム22の開口部13への挿入時に、押しボタン側壁部25が筐体側壁部19に沿って設けられているため、押しボタン側壁部25および筐体側壁部19がガイドとしても機能して、よりアーム22の安定した挿入が可能となる。
そのままアーム22を開口部13へ挿入していくと、図12に示されるように、被係合部14の係合爪Cと、係合部23とが当接する。係合爪Cは、挿入方向Iに進むに従って徐々に高くなるようにテーパー状に形成され、係合部23の挿入方向Iの前方側(図12中、左側)もテーパー状に形成されている。これにより、係合部23が係合爪Cを乗り越えやすくなっている。そのままアーム22を挿入していくと、アーム23が撓んで係合部23が係合爪Cを乗り越えて、図11(a)および(b)に示されるように、係合部23の内側に係合爪Cが係合する。
このとき、アーム23の自由端は、図12に示されるように、被係合部14の挟持部H1、H2に挟持されているため、アーム23が押圧方向Pに移動することを規制され、安定してアーム23が挿入される。また、第1および第2のアーム22a、22bの両方が、上述したように挿入方向Iに沿ってガイドされ、押圧方向Pに移動することが規制されるため、一対のアーム22a、22bの係合部23と第1および第2の被係合部14a、14bの係合爪Cとの間の係合が、同時に行われやすくなる。したがって、一対のアーム22の係合部23のうち、一方の係合部23のみが先に係合して、他方の係合部23が係合していない状態が生じにくく、片側の係合部23だけが係合してしまって後に係合する他方の係合部23を無理やり押し込むことによる、係合部23や係合爪Cの破損を防止することができる。
また、この係合部23と係合爪Cが係合した際に、押しボタン側中央壁部26に設けられた浮き上がり防止突起PRが、図9(a)に示されるように、筐体側中央壁部19dに設けられた浮き上がり防止凹部Rに係合する。これにより、押しボタン2の本体部21が取付面17aから浮き上がる方向に移動することが規制され、本体部21が浮き上がる方向に移動してアーム22が破損したりすることが防止される。
係合部23と被係合部14との間の係合が完了すると、図8に示されるように、アーム22の側部は立設部Eにより長手方向Lへの移動が規制されている。そのため、アーム22の長手方向Lへのガタつきが無くなり、押しボタン2の押圧方向Pへの操作が安定する。また、係合部23と被係合部14との間の係合が完了すると、図9(a)、図13(a)および(b)に示されるように、押しボタン側壁部25と筐体側壁部19とが隣接して配置され、アーム22が挿入される開口部13が押しボタン側壁部25と筐体側壁部19とにより取り囲まれる。同様に、押しボタン側中央壁部26と筐体側中央壁部19dとが隣接して配置され、押圧部用開口部16が押しボタン側中央壁部26と筐体側中央壁部19dとにより取り囲まれる。したがって、筐体1の外部から、筐体1内部への虫の侵入経路が遮断され、虫の侵入を防止することが可能となる。
なお、このアーム22の係合部23と筐体1の被係合部14との間の係合は、正面側筐体1Aと背面側筐体1Bとを接合する前に行ってもよいし、正面側筐体1Aと背面側筐体1Bとを接合した後に行うこともできる。したがって、組み付け作業の自由度が高まる。
押しボタン2の筐体1への取り付けが完了すると、押しボタン2の操作が可能になる。上述したように、押しボタン2の本体部21の長手方向L中央部だけでなく、長手方向Lの両端部を押圧しても、スイッチ部Sの操作が可能となる。具体的には、図10に示されるように、本体部21の一端側の点Xの部位を押圧すると、第1のアーム22aが主として撓み、第2のアーム22bはそれほど撓まないが、押圧部15が長手方向Lで第1のアーム22aと第2のアーム22bとの間に設けられているため、第1のアーム22aの撓みにより、押圧部15が押圧される。より具体的には、押圧部15は、長手方向Lで第1のアーム22a側に設けられた第1の被当接部152aと、第2のアーム22b側に設けられた第2の被当接部152bとを有している。したがって、点Xの部位が押圧された場合は、第1のアーム22aが主として撓み、第1の被当接部152aが主として押圧されて、押圧部15全体を、板バネ部151を介して変位させる。これにより、本体部21の点Xや点Yなどの端部が押圧されたとしても、押圧部15に押圧方向Pの力が確実に伝わり、スイッチ操作部153を介してスイッチ部Sを確実に操作することができる。
また、この本体部21の押圧時において、図13(a)および(b)に示されるように、筐体側壁部19の上端(自由端)と、本体部21の裏面21dとの間、および、押しボタン側壁部25の下端(自由端)と、取付面17aとの間には、押圧方向Pへの、押しボタン2の押圧ストロークを許容する所定の間隙が形成されている。これにより、防虫用に壁部を設けている場合であっても、本体部21の押圧ストロークが確保され、筐体側壁部19および押しボタン側壁部25が幅広の押しボタン2の比較的長い押圧ストロークの妨げとなることがなく、本体部21の押圧操作時も継続して虫の侵入を防止することができる。
また、本実施形態では、図1および図3に示されるように、本体部21の端部にテーパー面21cが形成されているため、ユーザが指などで本体部21を押す際に、足元付近にある本体部21をテーパー面21cに対して斜め上から押すことにより、テーパー面21cに加わった押圧力の分力が、押圧方向Pに作用する。したがって、警報器Aが足元付近や、壁面の高い位置に設置されている場合であっても、押しボタン2の押圧操作が容易となる。また、本実施形態では、図5に示されるように、本体部21の裏面21d側に、押しボタン側壁部25が設けられており、押しボタン側壁部25は、本体部21の裏面21dの端部側に設けられている。したがって、押しボタン側壁部25は、本体部21の補強リブとしても機能する(図9(b)参照)。そのため、たとえばテーパー面21cの部分を押圧したときに、本体部21のテーパー面21cの部分がわずかに弾性変形したとしても、本体部21全体はそれほど変形せず、テーパー面21cを押圧したときに、第1のアーム22aに力が伝わり問題なく撓むことが可能となる。この場合、ユーザは、テーパー面21cを押圧するときの操作のしやすさだけでなく、テーパー面21cが弾性変形することによるクリック感を得ることもできる。また、クリック感を得るためにテーパー面21cを弾性変形しやすくしたとしても、押しボタン側壁部25が補強リブとして機能することにより、押圧操作は問題なく伝わる。したがって、ある程度の柔軟な樹脂材料を本体部21に使用したとしても、押圧時のクリック感と、確実な押圧操作を両立することができる。なお、本実施形態では、押しボタン2の本体部21にテーパー面21cを形成し、押しボタン側壁部25が補強リブとして機能するものを示したが、押しボタン2の操作しやすい側(本実施形態では押しボタン2の上側)を押圧操作しやすくする構成は、本実施形態に限定されない。たとえば、変形例として、ユーザからの距離が近い側、またはユーザが操作しやすい側となる押しボタン2の一端側が、ユーザからの距離が遠い側、またはユーザが操作しにくい側となる押しボタン2の他端側よりも、押圧操作しやすいように、押しボタン側壁部25を配置してもよい。このような押しボタン側壁部25の配置は特に限定されないが、たとえば、押しボタン2の一端側の押しボタン側壁部25を、押しボタン2の他端側よりも、補強領域が相対的に広くなるように配置したり、補強強度が相対的に高くなる形状としたり、押しボタン側壁部25の壁の厚さを相対的に厚くすることにより、押しボタン2の一端側を、押しボタン2の他端側よりも、押圧操作しやすくすることができる。
なお、上記実施形態では、アーム22は板状のものを用いたものを例示したが、アーム22は本体部21の操作時に撓むことが可能であれば、板状に限定されるものではない。たとえば、アーム22は棒状など他の形状であっても構わない。
また、上記実施形態では、係合部23を略U字状のものとして例示し、被係合部14の係合爪Cは、係合部23に係合する突出した爪状の部材として例示したが、係合部23および被係合部14の係合は、他の構造により実現しても構わない。たとえば、係合部23側を凸部とし、被係合部14側を凹部とする凹凸嵌合などにより係合させてもよい。また、係合部23および被係合部14の位置も図示するものに限定されない。
また、上記実施形態では、一対の挟持部H1、H2は、本実施形態では、挟持部H1が板状で、挟持部H2が2つのレール状の部位により構成されているが、挟持部H1、H2は、アーム22を挟持することができればよく、板状でもレール状でも、他の形状であってもよい。また、本実施形態では、挟持部H2は、筐体1の内面から突出したものを示したが、筐体1の内面自体を挟持部H2としてもよい。
また、上記実施形態では、挟持部H1、H2と立設部Eとがつながったものを示しているが、挟持部H1、挟持部H2、立設部Eのそれぞれは全て別々であってもよい。
また、上記実施形態では、防虫機構が設けられたものを示したが、防虫機構は任意であり、防虫機構を設けなくもよい。