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JP6582709B2 - 印刷装置 - Google Patents
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JP6582709B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、キャリッジを移動させて印刷を行う印刷装置に関する。
シリアル型の印刷装置は、インク等の液体を吐出する画像形成ヘッドが搭載されたキャリッジと、用紙を搬送する搬送機構と、を有している。印刷装置における印刷処理では、キャリッジの移動と用紙の搬送とを組み合わせることで、用紙に画像を形成していく。
両面印刷のような画像の記録態様や、印刷装置内での搬送経路の形状のため、用紙の端が上方に浮き上がり、浮き上がった用紙が画像形成ヘッドに干渉する場合がある。用紙と画像形成ヘッドとが干渉した状態でキャリッジまたは用紙が移動すると、用紙と画像形成ヘッドとの間にこすれを生じさせる。また、画像形成ヘッドにはインクがミスト状に付着している場合があり、このインクが用紙を汚す場合がある。
引用文献1および引用文献2は、用紙が挟持される位置に比べて上流側に配置されたセンサーと、このセンサーからの検知をもとにキャリッジを退避させる機能とを備えた印刷装置が開示されている。引用文献に開示された発明では、用紙の搬送方向における後端がセンサーを通過すると、機能はキャリッジを退避させることで、用紙と画像形成ヘッドとの間のこすれを回避している。
特開2013−233700号公報 特開2002−36671号公報
引用文献に開示された発明のように、用紙の挟持が解除されるタイミングを、センサーを用いて判定する方法では以下の問題が生じる。用紙の1回の搬送量がセンサーと挟持位置との距離よりも長い場合、用紙の後端がセンサーを通過するタイミングは用紙の搬送途中となる。このような場合、1回分の用紙の搬送が完了した後では、上述したこすれや用紙の汚れがすでに生じている場合がある。また、1回分の用紙の搬送途中に、センサーが用紙を検知すると、用紙の搬送を停止させてキャリッジを退避させる必要がある。このような場合、キャリッジの退避後に搬送を再開させる必要が生じ、処理が複雑となる。
本発明は、上記課題に鑑み、こすれや用紙の汚れが生じる可能性を低減することを目的としたキャリッジの退避動作を、より適切に行うことが可能な印刷装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、画像形成ヘッドを搭載したキャリッジと、用紙を搬送する搬送機構と、搬送中の用紙の有無を検知する検知器と、キャリッジを用紙の搬送領域内と搬送領域外とに移動させるキャリッジ移動機構と、印刷データを取得する取得部と、用紙のサイズの指定を受け付ける制御部と、を備え、搬送機構は、キャリッジの上流側かつ検知器の下流側で用紙を挟持する挟持体を有している。
また、制御部は、次に用紙を搬送する距離である搬送距離を決定し、用紙が検知器により検知されている第一の場合、指定された用紙サイズに基づいて用紙の次の搬送距離が、用紙が挟持体からはずれる距離であるか否かを判定し、用紙が検知器により検知されていない第二の場合、用紙が検知されなくなったタイミングに基づいて推定した用紙サイズに基づいて用紙の次の搬送距離が、用紙が挟持体からはずれる距離であるか否かを判定する。そして、制御部は、搬送距離を挟持体から用紙が外れない距離であると判定した場合、キャリッジが搬送領域内に位置する状態で用紙を搬送距離だけ移動させ、搬送距離を挟持体から用紙が外れる距離であると判定した場合、キャリッジを搬送領域外に移動させた後、用紙を搬送距離だけ移動させる。
ここで、「用紙」とは、植物製の紙の他、動物性の紙や樹脂シート等も含む概念である。
「用紙サイズ」とは、用紙の種類に応じた長さ以外にも、キャリッジの位置の基準となる原点から用紙後端(搬送経路における上流側の端)までの距離を示すオーバーライド量を含む概念である。
「搬送領域」とは、搬送機構によって搬送される用紙が通過する印刷装置内の空間を意味する。
「搬送領域外」とは、印刷装置内において上記の搬送領域以外の空間を意味する。
「挟持体」は、用紙を挟持するものであればどのようなものであってもよく、ローラーにより用紙を上下から挟むものや、他の機構を用いて挟持するものであってもよい。
「取得部」は、印刷データを取得する機能を備えるものであれどのようなものであってもよく、着脱可能な外部メモリと接続してこの外部メモリに記憶された印刷データを取得するものや、外部の端末やサーバーと有線または無線を介して接続し、この端末やサーバーが記憶する印刷データを取得するものであってもよい。
制御部が搬送距離を決定する手法は、印刷データに含まれる情報や、印刷データのを解析した結果に基づいて決定するものの他、画像が形成される用紙の位置に応じて決定されるものであってもよい。
上記のように構成された発明では、挟持体の上流側に配置された検知器による用紙の検知結果に応じて、キャリッジを退避させる判定手法を切り替えるため、キャリッジの退避動作をより適切に行うことが可能となる。特に、制御部が決定する送り量の変化が顕著となる状態においても、用紙の後端側が検知されているか否かに応じて、次の送り量が用紙をニップから外す距離であるか否かの判定を適切に行うことが可能となる。
印刷装置の構成を説明する図。 印刷装置の内部構成を示す斜視図。 印刷処理においてメインコントローラ20が実行する処理を説明するフローチャート。 搬送機構60により搬送される用紙Pとキャリッジ70の移動とを説明する図。 ステップS4、S5、S6においてメインコントローラ20により行われるキャリッジ70の退避判定を説明する図。 一例としてステップS5においてメインコントローラ20が実行する処理を説明するフローチャート。 一例としてステップS6においてメインコントローラ20が実行する処理を説明するフローチャート。 第2の実施形態にかかる印刷装置110の構成を示す図。 印刷データに含まれる退避情報を説明する図。 第2の実施形態において、図3のステップS5において実施される処理を説明するフローチャート。 第3の実施形態において、メインコントローラ20が実行する印刷処理を説明するフローチャート。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態:
(1)印刷装置の構成
(2)印刷処理
(3)作用・効果
2.第2の実施形態:
3.第3の実施形態:
4.その他の実施形態:
1.第1の実施形態:
(1)印刷装置の構成
図1は、印刷装置の構成を説明する図である。図2は、印刷装置の内部構成を示す斜視図である。
図1に示す印刷装置100は、利用者による操作入力を受け付けるタッチパネル部11と、外部メモリ200が着脱可能に取り付けられるメモリアダプター12と、本発明の制御部として機能するメインコントローラ20と、モータードライバー31、32、33と、ヘッドコントローラ40と、印刷機構部50と、を有している。印刷機構部50には、画像形成ヘッド75、キャリッジ70、および搬送機構60と、を備えている。
以下では、キャリッジ70が往復移動する方向を主走査方向D1とし、用紙Pが搬送される方向を搬送方向D2と記載する。また、印刷装置100の上下の方向を高さ方向D3と記載する。さらに、主走査方向D1において向きを特定する場合にD11、D12と、搬送方向D2において向きを特定する場合にD21、D22と、高さ方向D3において向きを特定する場合にD31、D32と、それぞれ記載する。
印刷装置100では、タッチパネル部11が利用者の操作を受け付けると、メインコントローラ20は印刷機構部50を駆動させて印刷処理を開始する。この印刷処理では、搬送機構60による用紙Pの搬送方向D2での搬送と、キャリッジ70による画像形成ヘッド75の主走査方向D1での往復移動とを組み合わせながら、用紙Pに対して画像が形成されていく。
タッチパネル部11は、メインコントローラ20の入出力ポートに接続されており、メインコントローラ20に対して利用者の操作に応じた信号を出力する。
メモリアダプター12は、メインコントローラ20に接続されており、外部メモリ200に記憶された印刷データをメインコントローラ20に出力することができる。この第1の実施形態では、メモリアダプター12とメインコントローラ20とで、本発明の取得部が実現される。
メインコントローラ20は、タッチパネル部11の駆動を制御するタッチパネルコントローラ21と、外部メモリ200に記憶された印刷データを読み取るメモリコントローラ22と、ネットワークに接続するネットワークIF23と、ROM24と、RAM25と、CPU26とを備えている。CPU26は、メインコントローラ20を構成する各部とバスを介して接続されており、各部の駆動を制御することができる。
タッチパネルコントローラ21は、タッチパネル部11とCPU26との間に接続されており、タッチパネル部11からCPU26への操作信号の出力や、CPU26からタッチパネル部11への制御信号の出力を行う。メモリコントローラ22は、メモリアダプター12とCPU26との間に接続されており、CPU26からの制御信号に応じて、外部メモリ200に記憶された印刷データの読み出しや、外部メモリ200への印刷データの書き込みを行う。ネットワークIF23は、ネットワークとCPU26とを接続し、このネットワーク上に接続されているスマートフォン等の端末やサーバーとの通信を可能にする。
ROM24には、CPU26が印刷処理の際に実行するプログラムやデータが記憶されている。各プログラムやデータはRAM25に展開され、CPU26からの読み出しを受けて、本発明に係る処理が実現される。
メインコントローラ20は、出力ポートを介してモ−タードライバー31、32、33に接続されている。キャリッジ用モータードライバー31は、印刷機構部50のキャリッジ移動機構(後述)を駆動するためのモーター93に接続されており、CPU26からの制御信号を受けてキャリッジ70の位置制御を行うことができる。搬送用モータードライバー32は、印刷機構部50の搬送機構60を駆動するためのモーター92に接続されており、CPU26からの制御信号を受けて搬送機構60の駆動を制御することができる。給紙用モータードライバー33は、印刷機構部50の給紙部51を駆動するためのモーター91に接続されており、CPU26からの制御信号を受けて給紙部51の駆動を制御することができる。
メインコントローラ20の出力ポートには、ヘッドコントローラ40が接続されている。ヘッドコントローラ40は、印刷機構部50の画像形成ヘッド75に接続されており、CPU26からの制御信号を受けて、画像形成ヘッド75のインクの吐出を制御することができる。
図1、図2に示す印刷機構部50は、用紙Pを筐体内部に給紙する給紙部51と、給紙部51により給紙された用紙Pを搬送する搬送機構60と、キャリッジ70と、キャリッジ70を移動させるキャリッジ移動機構72と、画像形成ヘッド75と、用紙Pを支持するプラテン76と、排紙ローラー対81、82と、モーター91、92、93と、を有している。
この実施形態において搬送経路と記載するときは、給紙部51、搬送機構60、および排紙ローラー対81、82の順序で用紙が搬送される経路を意味するものとする。
給紙部51は、用紙Pの束がセットされる給紙トレイ52と、給紙トレイ52にセットされた用紙Pの束から給紙対象となる1枚を他の用紙から分離する分離ローラー53と、を有している。給紙トレイ52は、筐体の上部に配置されており、用紙Pの束をセットする収容部を備えている。分離ローラー53は、搬送経路において搬送機構60の上流側に配置されている。分離ローラー53は、モーター91の駆動に応じて回転し、周面で接触した被印刷対象の用紙Pを搬送経路に給紙する。
搬送機構60は、給紙された用紙Pを搬送経路内で搬送する第一搬送ローラー対61、62および第二搬送ローラー対63、64と、を備えている。第一搬送ローラー対61、62は、搬送経路において給紙部51より下流側(D21側)であって、第二搬送ローラー対63、64よりも上流側(D22側)に配置されている。第二搬送ローラー対63、64は、搬送経路において第一搬送ローラー対61、62よりも下流側(D21側)であって、キャリッジ70よりも上流側(D22側)に配置されている。
第一搬送ローラー対61、62と第二搬送ローラー対63、64とは、それぞれモーター92の駆動により回転する駆動ローラー61、63と、駆動ローラー61、63の回転に従動して回転する従動ローラー62、64とを備えている。用紙Pは、駆動ローラー61、63および従動ローラー62、64の回転に応じて駆動ローラー61、63と従動ローラー62、64との間に引き込まれ、ニップ(挟持)される。
なお、搬送機構60が第一搬搬送ローラー対61、62と第二搬送ローラー対63、64とを備えることは一例に過ぎず、搬送機構60が第二搬送ローラー対63、64のみを備える構成であってもよい。
搬送経路において、第一搬送ローラー対61、62と第二搬送ローラー対63、64との間には、用紙Pの有無を検知する用紙センサー90が配置されている。用紙センサー90の出力端は、メインコントローラ20のCPU26に接続されている。用紙センサー90は、第一搬送ローラー対61、62と第二搬送ローラー対63、64との間に用紙Pが存在する場合、CPU26に「紙あり」とする用紙検知信号を出力する。一方、用紙センサー90は、第一搬送ローラー対61、62と第二搬送ローラー対63、64との間に用紙Pが存在しない場合、CPU26に「紙なし」とする用紙検知信号を出力する。用紙センサー90は、無接触式のセンサーや接触式のセンサーを用いることができる。
図1に示す搬送機構60では、用紙センサー90が用紙Pの有無を検知する検知器として機能する。また、第二搬送ローラー対63、64が、キャリッジ70の上流側(D22側)かつ検知器(用紙センサー90)の下流側(D21側)で用紙Pを挟持する挟持体に対応している。そして、以下では、第二搬送ローラー対63、64が用紙Pをニップ(挟持)する位置をニップ位置NPとも記載する。
キャリッジ70は、搬送方向D2の後方(D22側)において走査方向D1に伸びるガイド軸71に摺動可能に支持されている。キャリッジ70の高さ方向D3での上部(D31側)にはインクカートリッジ202が着脱可能に搭載され、下部(D32側)には画像形成ヘッド75が取りつけられている。画像形成ヘッド75は、主走査方向D1に配列してインクを吐出するノズル列と、ノズル列にインクを吐出するための圧力を生じさせるアクチュエータとを備えている。ノズル列は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの色毎に主走査方向D1に配列している。アクチュエータは、ヘッドコントローラ40からの制御信号に応じて駆動する。
キャリッジ70の後方(D22側)には、キャリッジ70を主走査方向D1に沿って往復移動させるキャリッジ移動機構72が取りつけられている。図1、2で示すキャリッジ移動機構72は、モーター93の駆動により回転するプーリーと、このプーリーに掛けられた無端ベルトとを備えている。無論、キャリッジ移動機構72は図2に示すものに限定されず、キャリッジ70を往復移動させるものであればどのようなものであってもよい。
以下では、キャリッジ移動機構72により移動するキャリッジ70の経路のうち、用紙Pが通過する空間を搬送領域AIと、用紙Pが通過しない空間を搬送領域外AOと記載する。図2では、搬送領域AIは主走査方向D1での幅が、用紙Pと同じ幅の領域であり、搬送領域外AOは主走査方向D1において搬送領域AIの図中右側(D12側)に位置する領域である。例えば、搬送領域外AOとして画像形成ヘッド75にキャッピングを行う機構が取りつけられた位置を流用するものであってもよい。
プラテン76は、搬送経路において画像形成ヘッド75と対向するよう配置されている。用紙Pは下面側(D32側)をプラテン76により支持された状態で搬送機構60により搬送される。
排紙ローラー対81、82は、搬送経路においてキャリッジ70よりも下流側(D21側)に配置されており、用紙Pを筐体の外部に排出する。排紙ローラー対81、82は、不図示のモーターの駆動により回転する駆動ローラー81と、駆動ローラー81の回転に従動して回転する従動ローラー82とを備えている(なお、図2では不図示)。
(2)印刷処理
次に、印刷装置100により実施される印刷処理を説明する。図3は、印刷処理においてメインコントローラ20が実行する処理を説明するフローチャートである。図4は、搬送機構60により搬送される用紙Pとキャリッジ70の移動とを説明する図である。図3において、メインコントローラ20はステップS4で用紙Pの有無を判定し、ステップS4の結果に応じてステップS5またはS6のいずれかの退避判定を選択する。
図4は、はがきサイズの用紙Pを搬送する場合を示している。また、図4で示す例では、キャリッジ70に配置された画像形成ヘッド75は、用紙Pに対して搬送方向D2の先端PF側(画像形成領域GA1)と、後端PE側(画像形成領域GA2)で画像を形成し、それ以外の領域には画像を形成しないものとする。
図3のステップS1では、メインコントローラ20は、搬送機構60に用紙Pを頭出し位置HPまで搬送させる(頭出し処理)。図4(a)に示すように、頭出し位置HPは搬送方向D2において、用紙Pの先端PFが用紙センサー90により検知される位置に対応している。また、原点SPは、搬送方向D2においてキャリッジ70の位置の基準となる点を示している。例えば、原点SPとして画像形成ヘッドの180番ノズル(搬送方向D2においてD21側の先端のノズル)の位置を用いることができる。
ステップS2では、メインコントローラ20は、1走査分の印刷を行わせる。ステップS2での印刷では、キャリッジ70の主走査方向D1での移動に合わせて、画像形成ヘッド75は1走査分のドットを用紙Pに形成していく。なお、この実施形態では、頭出し処理後に印刷を開始する構成としているが、これ以外にも、頭出し後に用紙Pを所定距離だけ搬送した後に印刷を開始するものであってもよい。
ステップS3では、メインコントローラ20は、送り量Rを決定する。送り量Rは、搬送機構60が1回の搬送動作で用紙Pを搬送する距離を示す値である。「1回の搬送動作」とは、次の1走査分のドットの形成までの間に、搬送機構60が用紙Pを搬送方向D2の前方D21側に搬送する動作を示している。送り量Rの決定は、例えば、メインコントローラ20が印刷データを解析することにより行われる。この実施形態では、送り量Rが搬送距離に相当している。
図4では、送り量Rを搬送方向D2に伸びる矢印の長さにより示している。送り量Rに付された符号1、2、3、4、…Nは、各回での送り量Rを示す識別子である。図4(b)では、画像形成領域GA1と画像形成領域GA2との間での搬送に該当するN回目の搬送時の送り量R(N)は、他の送り量R(1)〜R(4)に比べて長くなっている。この実施形態では、メインコントローラ20が実施するホワイトスキップにより、送り量Rが変化している。ホワイトスキップは、メインコントローラ20が印刷データの解析結果から画像形成領域GA1と画像形成領域GA2との間にドットが形成されない領域を判定し、この領域での送り量Rを多くするよう搬送機構60を制御する処理である。これ以外にも、メインコントローラ20が送り量Rを可変する要因の一例として、用紙Pの後端PE側での印刷時において用紙Pを確実に排紙するための送りの増加等がある。
ステップS4、S5、S6では、ステップS3で決定された送り量Rが、用紙Pの第二搬送ローラー対63、64のニップ(ニップ位置NP)から外れる距離であるか否かを判定する。図5は、ステップS4、S5、S6においてメインコントローラ20により行われるキャリッジ70の退避判定を説明する図である。図5に示す原理をもとに、用紙Pの次の送り量Rが、用紙Pをニップから外す距離であるか否かの判定が行われる。
次の送り量Rが用紙Pを第二搬送ローラー対63、64のニップから外す距離であるか否かを判定するために、メインコントローラ20は、ニップ位置NPから用紙の後端PEまでの長さ(判定対象値DV1、DV2)と、送り量Rとを比較する判定処理を行う。次の送り量Rが、図5(a)に示す判定対象値DV1よりも短い場合、この送り量Rでの搬送により用紙Pの後端PEはニップ位置NPを通過しないため、この送り量Rを、用紙Pをニップ位置NPから外さない距離と判定する。一方、次の送り量Rが、図5(a)に示す判定対象値DV1よりも長い場合、この送り量Rでの搬送により用紙Pの後端PEがニップ位置NPを通過するため、この送り量Rを、用紙Pをニップ位置NPから外す距離であると判定する。
また、この実施形態では、メインコントローラ20は、キャリッジ70の原点SPから用紙Pの後端PEまでの長さ(オーバーライド量OV)を実測できるか否かに基づいて、対象判定値DVの算出方法を切り替えている。オーバーライド量OVの基準となる用紙Pの後端PEの位置は、用紙センサー90からの用紙検知信号の変化(「用紙あり」から「用紙なし」への変化)のタイミングに基づいてその位置が確定する。
図5(a)に示すように、用紙センサー90が用紙Pを検知している場合、用紙Pの後端PEの位置は確定せず、オーバーライド量OVを実測することができない。このような場合、メインコントローラ20は、指定された用紙長さPLに基づいて判定対象値DV1を算出(予測)する(ステップS5)。ここで、「指定された用紙長さPL」とは、印刷装置100に対して設定された用紙サイズをもとに得られる用紙長さをいう。
図5(b)に示すように、用紙Pの後端PEが用紙センサー90を通過するタイミングで用紙センサー90の出力が変化すると(「用紙あり」から「用紙なし」への変化)、このタイミングを利用して用紙Pの後端PEの位置が確定する。そのため、確定したオーバーライド量OVをもとに判定対象値DV2を決定することができる(ステップS6)。例えば、判定対象値DV2は、用紙センサー90が用紙なしを検知したタイミングにおいて、搬送方向D2におけるニップ位置NPから用紙Pの後端PE(または用紙センサー90)までの距離を初期値として決定することができる。
ここでは、ステップS4において、用紙センサー90が用紙Pを検知しているとして(ステップS4:YES)、メインコントローラ20が行う退避判定(ステップS5)を説明する。
図6は、一例としてステップS5においてメインコントローラ20が実施する処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理により、用紙Pが用紙センサー90により検知されている第一の場合での、用紙サイズに基づいて用紙Pの次の送り量Rが、用紙Pがニップからはずれる距離であるか否かの判定が実現される。
ステップS51では、メインコントローラ20は、以下の式(1)をもとに判定対象値DV1を算出(予測)する。
判定対象値DV1=用紙長さPL−Smap/原点間距離SO−累積送り量CR1
… (1)
Smap/原点間距離SOは、搬送方向D2でのニップ位置NPからキャリッジ70の原点SPまでの距離。累積送り量CR1は、印刷処理が開始されてから前回の搬送処理までの送り量Rの総和を示す。また、この累積送り量CR1には、頭出し処理における送り量を加えるものであってもよい。そのため、判定対象値DV1は、用紙サイズで示される用紙の搬送方向D2での長さから、用紙先端が検知器で検知されてから現在までの用紙の累積の搬送距離を引いた値を基に算出される第一の長さに相当する。
ステップS52では、メインコントローラ20は、判定対象値DV1をステップS3で決定した送り量Rと比較する。判定対象値DV1が送り量R以上なら(ステップS52:YES)、ステップS53では、メインコントローラ20は「非退避」の判定を行う。すなわち、メインコントローラ20は今回の送り量Rでは用紙Pの後端PEがニップ位置NPを通過しない(すなわち、用紙Pがニップからはずれない)と判定する。一方、判定対象値DV1が送り量R未満なら(ステップS52:NO)、ステップS54では、メインコントローラ20は「退避」の判定を行う。すなわち、メインコントローラ20は、今回の送り量Rで用紙Pがニップから外れると判定する。
ステップS55では、メインコントローラ20は、累積送り量CR1にステップS3で次の決定された送り量Rを加えて累積送り量CR1を更新する。
図3に戻り、ステップS5での判定結果が「非退避」である場合(ステップS7:NO)、ステップS9では、メインコントローラ20は、決定された送り量Rに従って用紙Pを搬送する用紙搬送処理を行う。なお、ステップS5での判定結果が「退避」であれば(ステップS7:YES)、メインコントローラ20はステップS8に進む。
ここでは、非退避の判定であると仮定し、ステップS9に進む。ステップS9では、メインコントローラ20は、搬送機構60に送り量Rで用紙Pを搬送させる。ステップS10では、画像形成ヘッド75にキャリッジ70の移動に伴う1走査分の印刷を行わせる。
終了条件に該当していなければ(ステップS11:NO)、ステップS3に戻り、メインコントローラ20は、次回の送り量Rを決定する。終了条件は、例えば、印刷データを構成する全てのドットの形成が終了した場合や、紙詰まり等のエラーが生じた場合である。
ステップS3では、メインコントローラ20は、印刷データの解析結果をもとに次の送り量Rを決定する。ステップS3〜S5、S7、S9〜S11の各処理は、用紙センサー90が用紙Pの検知を維持し、ステップS3で決定された送り量Rが判定対象値DV1よりも短い場合に継続される。その結果、用紙Pの印刷位置が後端PE側に移動していく。
用紙Pの搬送が継続し、用紙Pの後端PE側が用紙センサー90を通過すると、用紙センサー90が用紙Pを検知していない状態となる(ステップS4:NO)。この状態により、用紙Pの後端PEの位置にともなうオーバーライド量OVが確定する。ステップS6では、メインコントローラ20は、オーバーライド量OVに基づく実測値(判定対象値DV2)による退避判定を行う。
図7は、一例としてステップS6においてメインコントローラ20が実行する処理を説明するフローチャートである。このフローチャートで示す処理により、用紙Pが用紙センサー90により検知されていない第二の場合の、用紙Pが検知されなくなったタイミングに基づいて推定した用紙サイズに基づく、用紙Pの次の送り量Rが用紙Pがニップからはずれる距離であるか否かの判定が行われる。
ステップS61では、メインコントローラ20は、以下の式(2)をもとに判定対象値DV2を取得する。
判定対象値DV2=センサー/Smap間距離SS−累積送り量CR2
… (2)
ここで、センサー/Smap間距離SSは、搬送方向D2における用紙センサー90からニップ位置NPまでの距離を示す。累積送り量CR2は、用紙センサー90が用紙Pを検知しなくなったタイミングからの送り量Rの総和を示す。そのため、判定対象値DV2は、用紙が検知されなくなったタイミングに基づいて推定した用紙サイズで示される用紙の搬送方向の長さから、用紙が検知されなくなったタイミングから現在までの用紙の累積の搬送距離を引いた値を基に算出される第二の長さに対応する。センサー/Smap間距離SSを用いる以外にも、用紙センサー90が用紙Pを検知しなくなったタイミングで、メインコントローラ20がオーバーライド量OVを取得し、このオーバーライド量を使用するものであってもよい。
ステップS62では、メインコントローラ20は、判定対象値DV2をステップS3で決定した送り量Rと比較する。判定対象値DV2が送り量R以上なら(ステップS62:YES)、ステップS63では、メインコントローラ20は「非退避」の判定を行う。すなわち、メインコントローラ20は次の送り量Rでは用紙Pがニップから外れないと判定する。一方、判定対象値DV2が送り量Rよりも短ければ(ステップS62:NO)、ステップS64では、メインコントローラ20は「退避」の判定を行う。すなわち、メインコントローラ20は、次の送り量Rで用紙Pがニップから外れると判定する。
ステップS65では、メインコントローラ20は、累積送り量CR2にステップS3で決定された送り量Rを加えて、累積送り量CR2を更新する。
図3に戻り、ステップS7では、ステップS6での判定結果がキャリッジ70を退避させるものである場合(ステップS7:YES)、ステップS8では、メインコントローラ20は、キャリッジ70を搬送領域外AOに退避させる。用紙Pの曲りは、ニップが解除された後の一定期間が最も大きく、その後、下方(D32側)に収束するため、キャリッジ70の搬送領域外AOへの退避後に一定の遅延時間を設けるものであってもよい。このように構成することで、キャリッジ70と用紙Pとの干渉を確実に抑制することができる。
ステップS12では、メインコントローラ20は、搬送機構60に用紙Pを送り量Rで搬送させる。例えば、第二搬送ローラー対63、64のニップから外れた用紙Pは、排紙ローラー対81、82に受け渡される。
ステップS13では、メインコントローラ20は、画像形成ヘッド75およびキャリッジ移動機構72の駆動を制御し、用紙Pに画像を形成させる。そして、終了条件が成立していない場合(ステップS14:NO)、ステップS15では、メインコントローラ20は、送り量Rを決定する。そして、ステップS12に戻り、メインコントローラ20はステップS15で決定した送り量Rで用紙Pを搬送させる。
ステップS13において1走査分の印刷を行った後、終了条件が成立した場合(ステップS14:YES)、処理を終了する。そして、排紙ローラー対81、82により用紙Pが印刷装置100の外部に排出される。
(3)作用・効果
以上説明したようにこの第一の実施形態では、挟持体の上流側に配置された用紙センサー90による用紙Pの検知結果に応じて、キャリッジを退避させる判定手法を切り替えるため、キャリッジ70の退避動作をより適切に行うことが可能となる。特に、はがきの宛名面の印刷において、用紙Pの先端PF側と用紙の後端PE側の間に画像が形成されない領域が多く、ホワイトスキップにより用紙Pの送り量Rの変化が顕著となる。このような場合でも、用紙Pの後端PE側が検知されているか否かに応じて、次の送り量Rが用紙Pをニップから外す距離であるか否かの判定を適切に行うことが可能となる。
メインコントローラ20は、キャリッジ70を搬送領域外AOに移動させて用紙Pを搬送させた後は、搬送機構60によるニップから用紙Pがはずれる距離であるか否かの判断を行わないため、印刷処理に要する時間を短縮することができる。
2.第2の実施形態:
この第2の実施形態では、メインコントローラ20は、用紙センサー90が用紙Pを検知する第一の場合では、印刷データに含まれる退避情報EIに基づいて用紙Pの送り量Rが、用紙がニップからはずれる距離であるか否かを判定する構成が第1の実施形態と異なる。この第2の実施形態においても、用紙センサー90が用紙を検知しない第二の場合では、退避情報EIを用いることなく、用紙Pが検知されなくなったタイミングに基づいて用紙の送り量Rが用紙Pをニップから外す距離であるか否かを判定する。
図8は、第2の実施形態にかかる印刷装置110の構成を示す図である。この第2の実施形態に係る印刷装置110は、第1の実施形態と同様、タッチパネル部11と、メモリアダプター12と、本発明の制御部として機能するメインコントローラ20と、各モータードライバー31、32、33と、ヘッドコントローラ40と、本発明の画像形成ヘッド75、キャリッジ70、および搬送機構60を備える印刷機構部50とを有している。
印刷装置110のメインコントローラ20は、PC250と接続するPCIF27を備えている。メインコントローラ20は、PCIF27を介してPC250から印刷データを取得することができる。PC250は、印刷装置150が処理可能な印刷データを生成するプリンタードライバーを有している。この第2の実施形態では、PCIF27が本発明の取得部を実現する。
図9は、印刷データに含まれる退避情報EIを説明する図である。PC250から供給される印刷データには、所定の走査番号での印刷のタイミングでキャリッジ70を退避させるための退避情報EIが含まれている。この退避情報EIが示す走査番号は、走査番号に対応する用紙Pの搬送で、用紙Pがニップから外れるタイミングに対応している。そのため、図9に示す退避情報EIでは、先頭(1番目)からN番目の走査番号で行われる印刷において、キャリッジ70を退避させることを示している。この第2の実施形態では、メインコントローラ20は、退避情報EIを解析することで、次の送り量Rが用紙Pをニップから外す距離であるか否かを予測することができる。
次に、この第2の実施形態においてメインコントローラが実行する印刷処理を説明する。図10は、第2の実施形態において、図3のステップS5において実施される処理を説明するフローチャートである。図10に示す処理は、図3のステップS5において実行される処理であるため、図3を流用して説明を行う。
図3のステップS1では、メインコントローラ20は、頭出し処理を行う。ステップS2では、メインコントローラ20は、画像形成ヘッド75にキャリッジ70の移動を伴う1走査分の印刷を行わせる。ステップS3では、メインコントローラ20は、送り量Rを決定する。
ステップS4、S5、S6では、次の送り量Rが、用紙Pの第二搬送ローラー対63、64のニップ(ニップ位置NP)から外れる距離であるか否かを判定する。ステップS4において、用紙センサー90が用紙Pを検知している場合(ステップS4:YES)、ステップS5では、メインコントローラ20は印刷データに含まれる退避情報EIを用いた予測による退避判定を行う。
図10のステップS151では、退避情報EIが今回の走査番号に該当するものであれば(ステップS151:YES)、ステップS152では、メインコントローラ20はキャリッジ70を退避と判定する。一方、メインコントローラ20は退避情報EIが今回の走査番号に該当するか否かを判定する。退避情報EIが今回の走査番号に該当するものでなければ(ステップS151:NO)、ステップS153では、メインコントローラ20はキャリッジ70を非退避と判定する。
図3に戻り、ステップS5での判定結果が「非退避」であれば(ステップS7:NO)、ステップS9では、メインコントローラ20は、決定された送り量Rに従って用紙Pを搬送する用紙搬送処理を行う。また、ステップS5で取得された判定結果が「退避」であれば(ステップS7:YES)、ステップS8では、メインコントローラ20は、キャリッジ70を搬送領域外AOに退避させる。その後、ステップS9では、メインコントローラ20は、搬送機構60に決定された送り量Rに従って用紙Pを搬送させる(用紙搬送処理)。
一方、ステップS4において、用紙センサー90が用紙Pを検知していない場合(ステップS4:NO)、ステップS6では、メインコントローラ20は、実測値(判定対象値DV2)による退避判定を行う。この第2の実施形態においても、メインコントローラ20は、用紙センサー90からの用紙検知信号の変化のタイミングにもとに得られる実測値(判定対象値DV2)を送り量Rと比較することでキャリッジ70の退避を判定する。
ステップS7では、ステップS6での判定結果がキャリッジ70を退避させるものである場合(ステップS7:YES)、ステップS8では、メインコントローラ20は、キャリッジ70を搬送領域外AOに退避させる。
ステップS12では、メインコントローラ20は、用紙搬送機構60に用紙Pを送り量Rだけ搬送させる。ステップS13では、メインコントローラ20は、画像形成ヘッド75にキャリッジ70の移動を伴う1走査分の印刷を行わせる。その後、終了条件が成立していない場合(ステップS14:NO)、ステップS15では、メインコントローラ20は、送り量Rを決定する。そして、ステップS12に戻り、メインコントローラ20はステップS15で決定した送り量Rで用紙Pを搬送させる。一方、ステップS13において1走査分の印刷を行った後、終了条件が成立した場合(ステップS14:YES)、処理を終了する。
以上説明したようにこの第2の実施形態では、外部の端末から送信される印刷データに含まれる退避情報EIを用いてキャリッジ70の退避を行う印刷装置においても、本発明を適用することが可能となる。
3.第3の実施形態:
メインコントローラ20は、キャリッジ70を搬送領域外AOに移動させて用紙Pを搬送させた後に、再度、第二搬送ローラー対63、64から用紙が外れたか否かを判定するものであってもよい。そして、第二搬送ローラー対63、64から用紙Pが外れている場合、メインコントローラ20は、用紙Pの次の送り量Rがニップから外れる距離であるか否かの判断を行わず、第二搬送ローラー対63、64から用紙が外れていない場合、用紙Pの次の送り量Rが第二搬送ローラー対63、64から用紙Pが外れる距離であるか否かの判断を行う構成としてもよい。
図11は、第3の実施形態において、メインコントローラ20が実行する印刷処理を説明するフローチャートである。この第3の実施形態においては、印刷装置100のハードウェア構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図11のステップS21では、メインコントローラ20は、頭出し処理を行う。ステップS22では、メインコントローラ20は、画像形成ヘッド75にキャリッジ70の移動を伴う1走査分の印刷を行わせる。ステップS23では、メインコントローラ20は、送り量Rを決定する。
ステップS24、S25、S26では、次の送り量Rが、用紙Pの第二搬送ローラー対63、64のニップ(ニップ位置NP)から外れる距離であるか否かを判定する。ステップS24において、用紙センサー90が用紙Pを検知している場合(ステップS24:YES)、ステップS25では、メインコントローラ20は予測値(判定対象値DV1)による退避判定を行う。また、この第3の実施形態のステップS25において、判定対象値DV1の取得に使用する用紙Pの搬送方向D2での長さ(図6のステップS51の用紙長さPL)を、指定されている用紙Pの長さと比べて短い値としてもよい。指定されている用紙の長さと比べて短い用紙の長さを使用して判定対象値DV1を得ることで、搬送機構60が搬送する用紙Pの長さが指定されている用紙よりも短い場合でも、キャリッジ70の退避判定を適切に行うことができる。
一方、ステップS24において、用紙センサー90が用紙Pを検知していない場合(ステップS24:NO)、ステップS26では、メインコントローラ20は、実測値(判定対象値DV2)による退避判定を行う。この第3の実施形態においても、メインコントローラは、用紙センサー90からの用紙検知信号の変化のタイミングにもとに得られる実測値(判定対象値DV2)を送り量Rと比較することでキャリッジ70の退避を判定する。
ステップS25またはステップS26での判定結果が「非退避」であれば(ステップS27:NO)、ステップS29では、メインコントローラ20は、決定された送り量Rに従って用紙Pを搬送する用紙搬送処理を行う。
ステップS25またはステップS26での判定結果が「退避」であれば(ステップS27:YES)、ステップS28では、メインコントローラ20は、キャリッジ70を搬送領域外AOに退避させる。ステップS32では、メインコントローラ20は、用紙搬送機構60に用紙Pを送り量Rだけ搬送させる。ステップS33では、メインコントローラ20は、画像形成ヘッド75にキャリッジ70の移動を伴う1走査分の印刷を行わせる。
ステップS34では、メインコントローラ20は終了条件を判定する。終了条件が成立していない場合(ステップS34:NO)、ステップS35では、メインコントローラ20は、用紙Pの後端PEがニップから外れているか否かを判定する。そのため、この第3の実施形態では、キャリッジ70の退避処理後(ステップS28)に、再度、用紙Pがニップから外れているか否かを判断している。
例えば、搬送機構60により実際に搬送される用紙Pの長さがユーザによって指定された用紙長さPLよりも長い場合、ステップS25による予測値による判定において「退避」と判定された場合でも、搬送後の用紙Pの後端PEがニップ位置NPを通過しない場合がある。また、搬送機構60の滑りによる送り量Rの誤差により、搬送後の用紙Pの後端PEがニップ位置NPを通過しない場合がある。このような場合、用紙Pの搬送を継続すると、ある走査番号において、キャリッジ70搬送領域AIに位置する状態で用紙Pの後端PEのニップが解除され、用紙Pとキャリッジ70とが干渉することとなる。このような場合においても、用紙Pとキャリッジ70との干渉を予防するため、退避処理後に用紙センサー90による用紙Pの検知を判定している。
メインコントローラ20による用紙Pの後端PE側がニップから外れているか否かの判定は、用紙センサー90の出力を用いて判定するものであってもよい。これ以外にも、第二搬送ローラー対63、64の下流側(D21側)設けられたセンサーを用いて用紙Pの後端PEを検知するものであってもよい。また、第二搬送ローラー対63、64を駆動するモーター92の負荷に応じた消費電流の変化をもとに、用紙Pのニップが解除されているか否かを判定するものであってもよい。
用紙Pがニップから外れていない場合(ステップS35:NO)、ステップS23に戻り、コントローラ20は次の送り量Rを決定する。そして、ステップS24での用紙センサー90による用紙の検知の有無に応じて、退避判定が行われる(ステップS25、S26)
一方、ステップS34において、用紙Pがニップから外れている場合(ステップS35:YES)、ステップS36では、メインコントローラ20は、送り量Rを決定する。そして、ステップS32に戻り、メインコントローラ20は、搬送機構60にステップS36で決定した送り量Rで用紙Pを搬送させる。そのため、用紙Pがニップから外れている場合、再度の用紙検知が行われないこととなる。そして、終了条件が成立した場合(ステップS34:YES)、印刷処理を終了する。
以上説明したようにこの第3の実施形態によれば、第1の実施形態で奏する効果に加えて以下の効果を奏する。キャリッジ70を退避させた後、再度、用紙Pのニップから外れているか否かを判定することで、指定された用紙サイズの不一致や搬送誤差に伴う用紙Pがニップから外れていない場合を検知することができる。そのため、用紙Pがキャリッジ70と干渉するのを確実に予防することができる。
4.その他の実施形態:
本発明は様々な実施形態が存在する。
搬送機構60としてローラー対を用いたことは一例に過ぎず、用紙Pを挟持できる機構であれば、ローラー対以外にもどのようなものを用いてもよい。
利用者から特定の用紙サイズを指定された場合にのみ、メインコントローラ20がキャリッジ70の退避処理を行う構成としてもよい。例えば、用紙サイズとしてはがきサイズを指定された場合にメインコントローラ20がキャリッジ70の退避処理を行う構成としてもよい。
また、用紙Pの浮き上がりが生じやすい両面印刷においてのみ、本実施形態にかかる退避処理を実行するものであってもよい。
用紙Pが用紙センサー90により検知されていない第二の場合、用紙Pが検知されなくなったタイミングに基づいて用紙サイズを推定する手法は、上述した実施形態に記載されたものに限定されない。例えば、印刷が開始されてから用紙センサー90からの用紙検知信号が変化するまでの時間に応じて、現在搬送されている用紙サイズを判定するものであってもよい。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
11…タッチパネル部、12…メモリアダプター、20…メインコントローラ、21…タッチパネルコントローラ、22…メモリコントローラ、26…CPU、31…キャリッジ用モータードライバー、32…搬送用モータードライバー、33…給紙用モータードライバー、40…ヘッドコントローラ、50…印刷機構部、51…給紙部、52…給紙トレイ、53…分離ローラー、60…搬送機構、61、62…第一搬送ローラー対、63、64…第二搬送ローラー対、70…キャリッジ、71…ガイド軸、72…キャリッジ移動機構、75…画像形成ヘッド、76…プラテン、81、82…排紙ローラー対、90…用紙センサー、91、92、93…モーター、100…印刷装置、200…外部メモリ、202…インクカートリッジ

Claims (6)

  1. 画像形成ヘッドを搭載したキャリッジと、
    用紙を搬送する搬送機構と、
    搬送中の用紙の有無を検知する検知器と、
    前記キャリッジを前記用紙の搬送領域内と搬送領域外とに移動させるキャリッジ移動機構と、
    印刷データを取得する取得部と、
    用紙サイズの指定を受け付ける制御部と、を備え、
    前記搬送機構は、前記キャリッジの上流側かつ前記検知器の下流側で用紙を挟持する挟持体を有し、
    前記制御部は、次に用紙を搬送する距離である搬送距離を決定し、
    前記用紙が前記検知器により検知されている第一の場合、指定された前記用紙サイズに基づいて用紙の次の搬送距離が、前記用紙が前記挟持体からはずれる距離であるか否かを判定し、
    前記用紙が前記検知器により検知されていない第二の場合、前記用紙が検知されなくなったタイミングに基づいて推定した用紙サイズに基づいて用紙の次の搬送距離が、前記用紙が前記挟持体からはずれる距離であるか否かを判定し、
    前記搬送距離を前記挟持体から前記用紙が外れない距離であると判定した場合、前記キャリッジが前記搬送領域内に位置する状態で前記用紙を前記搬送距離だけ移動させ、
    前記搬送距離を前記挟持体から用紙が外れる距離であると判定した場合、前記キャリッジを前記搬送領域外に移動させた後、前記用紙を前記搬送距離だけ移動させる、ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第一の場合、前記制御部は、前記指定された用紙サイズで示される用紙の搬送方向の長さから、用紙先端が前記検知器で検知されてから現在までの用紙の累積の搬送距離を引いた値を基に算出される第一の長さが、前記用紙の次の搬送距離よりも長ければ、前記用紙の次の搬送距離が前記挟持体から前記用紙が外れない距離であると判断し、
    前記算出される第一の長さが次に用紙を搬送する搬送距離よりも短ければ、前記用紙の次の搬送距離が前記挟持体から用紙が外れる距離であると判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第二の場合、前記制御部は、前記用紙が検知されなくなったタイミングに基づいて推定した前記用紙サイズで示される用紙の搬送方向の長さから、前記用紙が検知されなくなったタイミングから現在までの用紙の累積の搬送距離を引いた値を基に算出される第二の長さが、前記用紙の次の搬送距離よりも長ければ、前記用紙の次の搬送距離が前記挟持体から前記用紙が外れない距離であると判断し、
    前記算出される第二の長さが次に用紙を搬送する搬送距離よりも短ければ、前記用紙の次の搬送距離が前記挟持体から用紙が外れる距離であると判断する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記取得部が取得する前記印刷データには、前記キャリッジを退避させるタイミングを示す退避情報が含まれており、
    前記制御部は、前記第一の場合では、前記退避情報に基づいて、前記用紙の次の搬送距離が前記用紙が前記挟持体からはずれる距離であるか否かを判定し、
    前記第二の場合では、前記退避情報を用いることなく、前記用紙の次の搬送距離が前記用紙が前記挟持体からはずれる距離であるか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、前記キャリッジを前記搬送領域外に移動させて前記用紙を搬送させた後は、前記挟持体から前記用紙がはずれる距離であるか否かの判定を行わない、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記制御部は、前記キャリッジを前記搬送領域外に移動させて前記用紙を搬送させた後に、前記挟持体から前記用紙が外れたか否かを判定し、
    前記挟持体から前記用紙が外れている場合、前記用紙の次の搬送距離が前記挟持体から用紙が外れる距離であるか否かの判定を行わず、
    前記挟持体から前記用紙が外れていない場合、前記用紙の次の搬送距離が前記挟持体から用紙が外れる距離であるか否かの判断を行う、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
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