JP6583732B2 - 保存可能な海草類播種体の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、一態様において、
〔1〕海草類を海上より播種するための海草類播種体であって、
前記海草類播種体は、製鋼スラグと海底堆積物との混合土壌からなり、
前記製鋼スラグが前記混合土壌中に50〜95質量%で含まれ、
前記混合土壌が500kPa以上の硬度を有することを特徴とする海草類播種体に関する。
また、本発明の海草類播種体は、一実施の形態において、
〔2〕上記〔1〕の海草類播種体であって、
前記製鋼スラグが、脱炭スラグであることを特徴とする。
また、本発明の海草類播種体は、一実施の形態において、
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載の海草類播種体であって、
前記海草類がアマモであることを特徴とする。
また、本発明は、別の態様として、
〔4〕海草類を海上より播種するための海草類播種体の製造方法であって、
製鋼スラグと海底堆積物とを混合することにより混合土壌を作製する工程であって、前記製鋼スラグが前記混合土壌中に50〜95質量%で混合し、500kPa以上の硬度を有する混合土壌を作製する工程を含む、製造方法に関する。
また、本発明は、別の態様として、
〔5〕海草類を海上より播種するための海草類播種体の保存方法であって、
上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の海草類播種体、または、上記〔4〕に記載の製造方法により得られた海草類播種体の表面に海草類の種子を付着させる工程と、
前記工程により得られた海草類播種体を好気的な塩分30〜35psuの海水中に保存することを特徴とする、保存方法に関する。
また、本発明は、別の態様として、
〔6〕藻場の造成方法であって、
上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の海草類播種体、または、上記〔4〕に記載の製造方法により得られた海草類播種体の表面に海草類の種子を付着させる工程と、
前記工程により得られた海草類播種体を海上より蒔く工程と
を含む、造成方法に関する。
また、本発明の藻場の造成方法は、一実施の形態において、
〔7〕藻場の造成方法であって、
上記〔5〕に記載の保存方法により得られた海草類播種体を海上より蒔く工程と
を含む、造成方法に関する。
また、本発明の藻場の造成方法は、一実施の形態において、
〔8〕上記〔6〕または〔7〕に記載の藻場の造成方法であって、
前記海草類の種子を表面上に付着した海草類播種体を、海上より播く工程の前に、淡水、または、低塩分、嫌気的もしくは発芽至適水温の海水に浸ける工程であって、海底へ着底後の発芽を促進する工程
を含む、造成方法に関する。
アマモ播種体の要件
平均粒子0.8〜5mm程度の粒子状製鋼スラグと海底堆積物からなるアマモ播種体。なお、本明細書において、播種体というときは、製鋼スラグと海底堆積物との混合土壌であって、海草類の種子を表面に付着させる前の状態にあるものをいい、播種体の表面に、海草類の種子を付着して使用するものである。本発明の播種体においては、製鋼スラグの割合が高いため、つなぎである海底堆積物(具体的には、浚渫土など)が少なくなる。よって、製鋼スラグの粒子径が大きすぎると構造内に空間が生じ、崩壊しやすくなってしまう。播種体の大きさは、例えば、1cm×1cm程度のサイズで作るため、製鋼スラグの粒子径5mm程度以下のサイズを用いることが好ましい。アマモ播種体1個の大きさは数センチ角程度で、1個当たり複数個のアマモ種子を播種体の表面上に付着させる。種子は、播種体の内部に混合されずに表面に付着するため、播種体の硬度によらず、海底において発芽・成長することができる。アマモ播種体は船上や浅場等からばらまいて使用し、沈降着床させる。種子が海底に埋まる最適な深さは約2cmといわれているので、播種体一つ当たりのサイズは播種体の堆積物への沈み込みを考慮して播種海域の堆積物の硬度によって変化させることが好ましい。
発明者らは、製鋼スラグの一種である脱炭スラグと浚渫土を混合した土壌が、海水に浸しておくことでさらに固結がすすむことを実験的に確認している。本発明の海草類播種体に用いられる製鋼スラグは特に制限されない。しかしながら、脱炭スラグは他の製鋼スラグ、例えば、脱リンスラグと比べて、浚渫土との混合により土壌硬度が上がりやすく、崩れにくい播種体を作りやすい。そのため、好ましくは、製鋼スラグとしては脱炭スラグを用いることが好ましい。そこで、アマモ播種体の成形法として、アマモ播種体を適切なサイズに成形した後、海水に浸けて固結させる方法と、シート状もしくは棒状にして海水を添加もしくは海水に浸すことであらかじめ固結させたアマモ播種体の塊を適切なサイズに切り分ける方法が適用できる。しかし、固結後に切り分けると播種体の崩壊やアマモ種子の脱離の恐れがあるため、未固結の状態での適切なサイズへの成形法が好ましい。固結前に適切なサイズに成形してアマモ播種体を作製する具体的な方法としては、製鋼スラグと海洋堆積物からなる混合土壌を適切なサイズの団子状に成形し、表面にアマモ種子を付着させた後固結させる方法や、トレイなど平らな容器に混合土壌を適切な厚みで入れて、アマモの種子を蒔き、ヘラやナイフ、格子状の型等を用いて適切なサイズに切り分けた後固結させる方法や、図1のような適切なサイズのメッシュ枠1を作製してメッシュ枠1を底板(平たい板の上やトレイの中など)に置き、メッシュのマス目の中に混合土壌を適切な厚みで入れてアマモ種子を蒔き、混合土壌をメッシュ枠1および底板ごと海水中に沈めて固結させた後に、枠を取り外すことで一度に同サイズの播種体を多数得るような方法等が利用できる。アマモ播種体のサイズを十分に小さく、たとえば8mm角などにする場合においては、播種体の奥深くにアマモの種子が保持され、アマモの胚軸や幼根の成長を阻害する恐れは少ないと思われるので、混合土壌を作る際にあらかじめアマモの種子を混ぜ込んでから成形してもよい。
なお、製鋼スラグは、海底堆積物との混合土壌中に50〜95質量%で含まれることが好ましく、60〜80質量%で含まれることがより好ましい。この範囲の割合で製鋼スラグを含むことにより、混合土壌の硬度を上げることができ、海上から播種体を蒔いた際にも、崩れることがなく海底に着底することができる。
したがって、混合土壌は一定の硬度を有することが好ましく、500kPa以上の硬度を有する。より好ましくは、600kPa以上の硬度を有するものである。ただし上記土壌硬度の基準は山中式土壌硬度計を用いて測定した圧入抵抗値である。
アマモ播種体の保存は海水中で行う。保存に使う海水の塩分(実用塩分:Practical Salinity Unit(psu))は30から35psu程度が好ましい。水温を20度〜23度や5度以下に保った海水もしくは好気的な環境に保った海水もしくはその両方の条件を満たす海水中に播種体を保存する。水温の制御には恒温培養装置内に海水に浸したアマモ播種体の入った容器を設置する方法や、恒温海水循環水槽内にアマモ播種体を沈めておく方法等が挙げられる。好気的な環境を保つ方法を使用する場合は、播種体を海水に浸すための容器は上部を開放し海水の深さを浅く保つ方法や、海水が常に循環している開放系の水槽に播種体を沈める方法あるいは空気で曝気した海水水槽に播種体を浸す方法等が使用できる。アマモ播種体作製後ただちに使用しない場合は、アマモ播種体を海水中に沈めて固める際に上述の保存条件を満たす海水を使用することで、作製と同時にそのまま放置しておけば播種体の保存もできる。
2…容器
3…アマモ種子
4…製鋼スラグおよび海底堆積物からなる混合土壌
5…アマモ種子を播種した脱炭スラグおよび浚渫土からなる混合土壌。
Claims (8)
- 海草類を海上より播種するための海草類播種体であって、
前記海草類播種体は、製鋼スラグと海底堆積物との混合土壌からなり、
前記製鋼スラグが前記混合土壌中に50〜95質量%で含まれ、
前記混合土壌が500kPa以上の硬度を有することを特徴とする
海草類播種体。 - 請求項1に記載の海草類播種体であって、
前記製鋼スラグが、脱炭スラグであることを特徴とする、海草類播種体。 - 請求項1または2に記載の海草類播種体であって、
前記海草類がアマモであることを特徴とする、海草類播種体。 - 海草類を海上より播種するための海草類播種体の製造方法であって、
製鋼スラグと海底堆積物とを混合することにより混合土壌を作製する工程であって、前記製鋼スラグが前記混合土壌中に50〜95質量%となるように混合し、500kPa以上の硬度を有する混合土壌を作製する工程を含む、製造方法。 - 海草類を海上より播種するための海草類播種体の保存方法であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の海草類播種体、または、請求項4に記載の製造方法により得られた海草類播種体の表面に海草類の種子を付着させる工程と、
前記工程により得られた海草類播種体を好気的な塩分30〜35psuの海水中に保存することを特徴とする、保存方法。 - 藻場の造成方法であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の海草類播種体、または、請求項4に記載の製造方法により得られた海草類播種体の表面に海草類の種子を付着させる工程と、
前記工程により得られた海草類播種体を海上より蒔く工程と
を含む、造成方法。 - 藻場の造成方法であって、
請求項5に記載の保存方法により得られた海草類播種体を海上より蒔く工程と
を含む、造成方法。 - 請求項6および7に記載の藻場の造成方法であって、
前記海草類の種子を表面上に付着した海草類播種体を、海上より播く工程の前に、淡水、または、低塩分、嫌気的もしくは発芽至適水温の海水に浸ける工程であって、海底へ着底後の発芽を促進する工程
を含む、造成方法。
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