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JP6584153B2 - インサートの埋設方法 - Google Patents
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本発明は、コンクリート構造物に被固定部材を固定するインサートを該コンクリート構造物に埋設する方法に関する。
周知のようにコンクリート構造物、例えばトンネルやボックスカルバートのコンクリート壁・天井などにはセラミック製のインサートが埋設され、該インサートに所望の被固定部材が締結されている。
このインサートは、あらかじめコンクリート打設前に型枠の内側に取り付けられている。このとき一般的なインサートは、軸方向に形成された雌ねじ孔に固定用ボルトを螺入させて型枠に取り付けられている。
この作業工程を説明すれば、まず二人の作業員のうち一方が型枠の内側に入ってインサートを持って型枠の取付孔と前記雌ねじ孔の位置を合わせる。つぎに型枠の外側に居る他方の作業員が、取付孔を介して固定用ボルトを雌ねじ孔に螺入させてインサートを型枠に片持ち状に取り付ける。
その後に型枠内にコンクリートを打設し、コンクリート硬化後に固定用ボルトを取り外してインサートをコンクリートに埋設させる。ここで埋設されたインサートの雌ねじ孔には、例えば足場用の支持ボルトや天井の吊りボルトなどの被固定部材が締結される。
ところが、従来の固定用ボルトを用いる場合には、施工時に必ず二人の作業員が必要なため、一人の作業員では施工できず、作業員の配置効率などに改善の余地があり、この点を改善すべく特許文献1のインサート提案されている。
図6に基づき概略を説明すれば、インサート1は、雌ねじ孔2を有するインサート本体3と、雌ねじ孔2に連通する連通孔4a,4bが軸方向に形成されたスリーブ5a,5bとを備え、プラスチックホルダ(取付用治具)8により型枠6に着脱自在に取り付けられている。このプラスチックホルダ8は、一端部の雄ねじ部9と他端部のストッパー10とを備え、ストッパー10は弾性変形自在な一対のストッパー片10aを備えている。
このインサート1の埋設方法としては、雄ねじ部9を連通孔4a,4bに通して雌ねじ孔2に螺入させた後にストッパー10を取付孔7に挿通する。このときストッパー片10aの先端部が型枠6の外面に当接し、プラスチックホルダ8の抜け止めとなってインサート1が型枠6に取り付けられる。その後に型枠6内にコンクリートを打設し、コンクリート乾燥後に工具によりプラスチックホルダ8を回転させて両者2,9の締結を緩め、プラスチックホルダ8を取り外す。
特開2003−27597
確かに前記埋設方法によれば、型枠6の内側からストッパー10を取付孔7に挿通すればよいので、作業員一人でインサート1を型枠6に取り付けることは可能である。
しかしながら、前記埋設方法は、プラスチックホルダ8を用いているため、型枠6の厚さがストッパー片10aとスリーブ5b間の距離よりも大きいと、インサート1を型枠に取り付けることができない。一方、型枠6の厚さが前記距離よりも小さいと、型枠6がぐらつき不安定となり易く、またコンクリートノロ(液状コンクリート)が連通孔4a,4bや雌ねじ孔2に侵入し、損傷を与えるおそれもある。
そのため、型枠6にインサート1を取り付ける際は、雄ねじ部9の雌ねじ孔2に対する螺入量を増減させて前記距離を調整しなければならない。これでは作業工程が増加し、却って作業効率悪化の一因となるおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされ、コンクリート構造物にインサートを埋設する際、取付用治具のインサートへの螺入量を調整することなく、作業員一人でインサートを型枠に取り付け可能とすることを解決課題としている。
本発明は、コンクリート構造物に被固定部材を固定するインサートを、型枠と取付用治具とを用いてコンクリート構造物に埋設する方法であって、前記取付治具の一端側の外周に形成された雄ねじ部を前記インサートの雌ねじ部に螺入させる第1工程と、前記型枠に形成された取付孔に前記取付治具の他端側を圧入し、該他端側の外周を前記取付孔の内周に圧着させる第2工程と、前記型枠内へのコンクリート打設後に前記雄ねじ部を前記雌ねじ部から螺出させる第3工程と、を有することを特徴とする。
前記第2工程の一態様としては、前記取付治具の他端側に形成された螺旋状のヒダ部を前記取付孔の内周に圧着させてもよい。また、前記第2工程の他の態様としては、前記ヒダ部の前記型枠を乗り越えた部分を前記型枠の外面にストッパーとして係止させてもよい。
前記第3工程の一態様としては、前記ヒダ部を前記螺出の方向と反対方向に撓ませてもよい。また、前記第3工程の他の態様としては、前記取付治具の他端側の先端に形成された頭部を工具で回転させて、前記雌ねじ部から前記雄ねじ部を螺出させることができる。
本発明によれば、コンクリート構造物にインサートを埋設する際、取付用治具のインサートへの螺入量を調整することなく、作業員一人でインサートを型枠に取り付けることができる。
本発明の実施形態に係るインサートの埋設方法において、取付用治具を用いてインサートを型枠に取り付けた状態を示す縦断面図。 (a)は取付用治具の側面図、(b)は(a)のA−A断面図。 (a)は同取付用治具をインサートに螺入させる作業工程を示す縦断面図、(b)は同取付用治具を装着したインサートを型枠(9mm厚)に取り付ける作業工程を示す縦断面図、(c)は(b)の作業工程が完了した状態を示す縦断面図、(d)はコンクリート打設後の同取付用治具とインサートと型枠との状態を示す縦断面図、(e)はソケットレンチで同取付用治具とインサートとの締結を緩める作業工程を示す一部縦断面図、(f)は同取付用治具が外れる状態を示す縦断面図。 図3(c)のC部拡大図。 (a)は同取付用治具をインサートに装着して12mm厚の型枠に取り付けた状態の縦断面図、(b)は同6mm厚の型枠に取り付けた状態の縦断面図。 特許文献1のインサートの縦断面図。
以下、本発明の実施形態に係るインサートの埋設方法を説明する。このインサートは、例えば橋の橋脚などのコンクリート構造物に埋設され、足場用の支持ボルトなどの被固定部材をコンクリート構造物に固定するために用いられる。
≪インサート,型枠、取付用治具≫
図1および図2に基づき前記埋設方法に用いる取付用治具,インサート,型枠を説明する。図1中の11は取付用治具を示し、12はセラミック製のインサートを示し、13は金属製の型枠を示している。
インサート12は、雌ねじ穴15が形成された卵形のインサート本体14と、雌ねじ穴15に連通する連通孔16が軸方向に沿って形成された管状のスリーブ17と、スリーブ17の開口端部に接着などで固着された環状のシール部(例えばゴムシールなど)19とを有している。また、型枠13には、取付孔18が貫通形成され、取付孔18の内周縁にシール部19が圧接する。
取付用治具11は、略筒状に形成され、インサート12をコンクリート構造物に埋設する際、型枠13にインサート12を着脱自在に取り付けている。具体的には取付用治具11は、雌ねじ穴15に螺入する一端側の雄ねじ部20と、取付孔18に圧入される他端側の弾性変形可能なヒダ部21と、両者20,21間の中間部22と、前記他端側の先端に頭部として形成された六角部24とを有している。また、取付用治具11は、例えばナイロン系などの樹脂製が好ましく、靱性があり撓むものであれば、材料は特に限定されない。
ヒダ部21は、前記他端部側の外周面に雄ねじ部20と異なるピッチの螺旋状に形成され、周方向90度の位置にそれぞれ形成された各スリット25により4つのヒダ21a群に分割され、各ヒダ21aが撓み易くなっている。このヒダ21a群の長さは型枠13の厚さよりも大きく設定され、ヒダ21aが軸方向に沿って次々に配置されている。
この各ヒダ21aは、縦断面略三角形状に形成され、図2(a)(b)に示すように、圧入方向P側を傾斜面としたテーパが施され、弾性変形により圧入方向Pと反対方向に撓み易くなっている。なお、中間部22のヒダ21a群側の外周にはシール部19に内接する一対の環状突出部23が形成されている一方、六角部24はソケットレンチSのレンチ部Lに嵌合可能となっている。
≪前記埋設方法の作業工程≫
図3および図4に基づき前記埋設方法の作業工程を説明する。ここでは一例として型枠13に埋設型枠(コンクリートと一体として取り外されない型枠)を使用し、ボックスカルバートなどのコンクリート構造物を製作する際の埋設方法について説明する。
この場合にインサート12は、次の作業工程(1)〜(4)を経てコンクリート27に埋設される。なお、図3および図4の取付例では、9mm厚の型枠13が用いられているものとする。
(1)型枠13の内側において取付用治具11をインサート12に装着する。この装着に際しては、図3(a)に示すように、スリーブ17の連通孔16に取付用治具11の雄ねじ部20を対向させる。
この状態のまま取付用治具11の雄ねじ部20を連通孔16に挿通し、その後に取付用治具11を矢印X方向に回転させて、雄ねじ部20を雌ねじ穴15に螺入させる。これにより雄ねじ部20が雌ねじ穴15に締結され、取付用治具11がインサート本体14に固定される。
(2)取付治具11を装着したインサート12を型枠13に取り付ける。この取り付けに際しては、図3(b)に示すように、取付用治具11の六角部24を型枠13の取付孔18に対向させる。
この状態のままインサート12を矢印Y方向に回転させてヒダ部21の形成された取付用治具11の他端側を取付孔18にねじ込む。このとき取付用治具11の他端側の外径は取付孔18の内径よりも若干大きいものの、弾性変形により各ヒダ21aが圧入方向Pと反対方向に撓むため、取付孔18に簡単にねじ込むことができる。この作業工程により、図3(c)に示すように、ヒダ部21の形成された他端側が取付孔18に圧入され、六角部24が取付孔18から型枠13の外側に露呈する。
図4に基づき前記圧入後の状態を説明する。図4のヒダ21a群中、環状突出部23側の最上段〜第4段のヒダ21aは取付孔18内に配置されている。このうち第2段〜第4段のヒダ21aは取付孔18の内周面に圧接し、取付用治具11の圧入方向Pの反対方向(インサート12側の方向)への引き抜きに対する抵抗を生じさせている。
また、第5段のヒダ21aは、型枠13を乗り越えて同方向への抜け止め用ストッパーとして型枠13の外面に係止している。このときヒダ部21はスリット25で分割されているため、ヒダ21aの単位で容易に型枠13を乗り越えて係止することができる。
ただし、図4では第5段のヒダ21aが係止しているものの、規格や寸法誤差などで型枠13の厚さが相違する場合、あるいは取付用治具11に寸法誤差などがある場合には、他の位置のヒダ21aが係止する。このときヒダ部21は螺旋状なため、いずれかのヒダ21a群のヒダ21aが係止することとなる。
図5に基づき一例を説明する。まず、図5(a)に基づき12mm厚の型枠13に取付用治具11を取り付けた場合を説明する。ここでは図5(a)のF側に表されたヒダ21a群の前記圧入後の状態を説明する。この場合には環状突出部23側の最上段〜第5段のヒダ21aが取付孔18の内周面に圧着する一方、第6段のヒダ21aがストッパーとして型枠13の外面に係止している。
つぎに図5(b)に基づき6mm厚の型枠13に取付用治具11を取り付けた場合を説明する。ここでは図5(b)中のF側に表されたヒダ21a群の前記圧入後の状態を説明する。この場合には環状突出部23側の最上段および第2段のヒダ21aが取付孔18の内周面に圧着する一方、第3段のヒダ21aがストッパーとして型枠13の外面に係止している。
そうすると、特許文献1のように雄ねじ部20の螺入量を調整することなく、インサート12を回転させてヒダ部21の形成された他端側を取付孔18にねじ込むだけで型枠13に取り付けることができる。
したがって、一人の作業員でインサート12を型枠13に簡単に取り付けることができ、この点でインサート12の埋設作業の作業工程が簡素化され、作業効率が改善される。また、型枠13への取付後は、両環状突出部23がシール部19に内接して支持するため、インサート12の姿勢が安定する。
(3)図3(d)に示すように、型枠13の内側にコンクリート27を流し込んでコンクリート打設する。ここで連通孔16および雌ねじ穴15は、シール部19にシールされ、さらに両環状突出部23がシール部19に内接して二重にシールされている。この点でコンクリートノロ(液状コンクリート)の侵入を確実に阻止でき、両者15,16の損傷が防止されている。
(4)コンクリート27の乾燥後は、型枠13の外側において取付用治具11を取り外す作業を行う。すなわち、六角部24にソケットレンチSのレンチ部Lの先端を嵌合させ、ソケットレンチSを図3(e)の矢印Z方向に回転させる。
これにより図3(f)に示すように、雄ねじ部20が雌ねじ穴15から螺出し、型枠13を残したまま取付用治具11が矢印P´方向(圧入方向Pと同方向)に取り外され、その結果、インサート12がコンクリート27に埋設される。
このとき取付孔18の内周面に圧接するヒダ21aは、弾性変形により矢印P´方向と反対方向に撓むため、P´方向への引き抜きに抵抗が少なく、簡単に取付用治具11を取り外すことができる。ここで取り外された使用済みの取付用治具11は、再利用することができる。
その後、コンクリート27に埋設されたインサート12の雌ねじ穴15に足場ボルトなどの被固定部材が締結され、これにより被固定部材がコンクリート27に固定される。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、各請求項に記載された範囲内で変形して実施することができる。例えば前記埋設方法は、埋設型枠の使用に限定されず、コンクリート27から取り外す通常の型枠も使用することができる。この場合にはコンクリート27の打設後にソケットレンチSを用いて取付用治具11をインサート12から取り外し、その後に型枠13を外せばよい。
また、ヒダ部21はスリット25で分割することなく、螺旋状に巻回して形成してもよい。この場合、ヒダ部21はスリット25が無いため、取付孔18の縁に当たってストレスが加わるものの、型枠13を乗り越えた部分が抜け止め用ストッパーとして型枠13の外面に係止することができる。
11…インサートの取付用治具
12…インサート
13…型枠
14…インサート本体
15…雌ねじ穴(雌ねじ部)
16…連通孔
17…スリーブ
18…取付孔
19…シール部
20…雄ねじ部
21…ヒダ部(圧着手段)
21a…ヒダ
24…六角部(頭部)
27…コンクリート(コンクリート構造物)
S…ソケットレンチ(工具)

Claims (6)

  1. 雌ねじ穴が形成されたインサート本体と、前記雌ねじ穴に連通する連通孔が形成されたスリーブと、該スリーブの開口端部に固着されたシール部と、
    を備えたインサートを型枠と取付用治具とを用いてコンクリート構造物に埋設する方法であって、
    前記取付治具の一端側の外周に形成された雄ねじ部を前記インサートの雌ねじに螺入させる第1工程と、
    前記型枠に形成された取付孔に前記取付治具の他端側を圧入し、該他端側の外周を前記取付孔の内周に圧着させる第2工程と、
    前記型枠内へのコンクリートの打設後、前記取付用治具の両端部間に形成された環状突出部が前記シール部に内接する第3工程と、
    前記コンクリートの乾燥後に前記雄ねじ部を前記雌ねじから螺出させる第4工程と、
    を有することを特徴とするインサートの埋設方法。
  2. 前記第2工程において、
    前記取付治具の他端側に形成された螺旋状のヒダ部が、前記取付孔の内周に圧着することを特徴とする請求項1記載のインサートの埋設方法。
  3. 前記第2工程において、
    前記ヒダ部の前記型枠を乗り越えた部分が、前記型枠の外面にストッパーとして係止することを特徴とする請求項2記載のインサートの埋設方法。
  4. 前記第工程において、
    前記ヒダ部が前記螺出の方向と反対方向に撓むことを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のインサートの埋設方法。
  5. 前記第工程において、
    前記取付治具の他端側の先端に形成された頭部を工具により回転させて、前記雄ねじ部を前記雌ねじから螺出させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインサートの埋設方法。
  6. 前記第4工程は、前記型枠を取り外すことなく実行されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインサートの埋設方法。
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