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JP6586882B2 - 位相差フィルム、位相差フィルムの製造方法、この位相差フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、この画像表示装置を使用した3d画像表示システム - Google Patents
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JP6586882B2 - 位相差フィルム、位相差フィルムの製造方法、この位相差フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、この画像表示装置を使用した3d画像表示システム - Google Patents

位相差フィルム、位相差フィルムの製造方法、この位相差フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置、この画像表示装置を使用した3d画像表示システム Download PDF

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Description

本発明は、基材と、配向層と、液晶化合物を含む位相差層とを含む位相差フィルム、その製造方法、それを用いた画像表示装置等に関する。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが提供されている。ここで、フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の画像と、左目用の画像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の画像と左目用の画像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図13は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図13の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。なお、これにより液晶表示パネルの画面は、例えば短辺が垂直方向で長辺が水平方向である帯状の領域により、右目用の画像を表示する領域と左目用の画像を表示する領域とに交互に区分される。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面に、パターン状の位相差層を備えた位相差フィルムであるパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なお、ここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45°と−45°、又は0°と+90°の組み合わせが採用される。なおこの図13の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理することにより光配向層を作製し、この光配向層の配向規制力により液晶層を配向させて硬化させることにより、パターン位相差フィルムを作製する方法が開示されている。
また各種ディスプレイの表面に使用されるいわゆる偏光板用表面材では、種々の光反射防止方法が採用されており、その反射防止方法の1つに、低屈折率の薄膜(いわゆるクリア系反射防止表面材である)を透明基材の一方の面に形成することにより、0.5%以下の低ヘイズ(曇り度)のクリア系反射防止層を形成し、透明感を確保して反射率を低減する方法が採用されている。このクリア系反射防止表面材による反射防止に関しては、特許文献3等に種々の工夫が提案されている。このクリア系の表面材料による反射防止は、低屈折率の材料による表面膜を反射防止対象の表面に作製することにより、この表面層の表側面で反射する反射光と、この表面層の下層側面で反射する反射光との干渉により反射光の光量を低減して反射防止を図るものである。
ところで、パターン位相差フィルム(以下「位相差フィルム」という。)等の光学フィルムにおいては、その位相差層と、配向層との屈折率差が大きいことに基づいて、その屈折率の差から生じる薄膜干渉によってムラが生じ、干渉縞が発生するという問題がある。これにより位相差層と基材や配向層との屈折率差から発生する干渉縞を有効に抑制することができる位相差フィルムが求められている。
干渉縞の発生に関しては、例えば特許文献4に、屈折率差や膜の厚みムラに起因する干渉ムラに対して、透明基材の他方の面上にハードコート層と低屈折率層を設けることで、その干渉ムラを軽減するという光学フィルムが開示されている。また、添加材を添加して屈折率の調整を行うというような研究もなされているが、そのフィルムの配向性を低下させてしまうという問題がある。したがって、配向性を維持したまま干渉縞の発生を抑制する位相差フィルムが求められている。
またパターン位相差フィルム等の光学フィルムにおいても、透明基材上の一方の側の面へのクリア系反射防止層の形成により反射防止を図るようにすれば、画像表示パネルに配置して高品位の画像を表示できると考えられる。しかしながらパターン位相差フィルム等の光学フィルムにクリア系反射防止層を適用して反射防止を図る場合には、反射防止層の他の例である防眩層(アンチグレア:AGともいう。一般的にヘイズが1.0%以上)を形成する場合と比べて、位相差層と透明基材との薄膜干渉による干渉縞が見えやすくなるという問題があった。これによりクリア系反射防止層を形成して反射防止を図る場合にあっても、このような干渉縞の発生を有効に抑制することができる位相差フィルムが求められている。
特開2005−049865号公報 特開2012−042530号公報 特開2007−272132号公報 特開2012−237928号公報
本発明は、上述したような状況に鑑みてなされたものであり、位相差フィルムにおいて、配向性を維持しながら、位相差層と配向層との屈折率差から発生する干渉縞を有効に抑制することができるようにすることを目的とする。
また位相差フィルムにおいて、位相差層と基材やパターン配向層との膜の屈折率差から発生する干渉縞を有効に抑制することができるようにすることを目的とする。
またさらにパターン位相差フィルム等の光学フィルムに関して、クリア系反射防止層を形成して反射防止を図る場合にあっても、干渉縞の発生を有効に抑制することができるようにすることを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、配向層中に高屈折率のエポキシモノマーを所定割合で含有させることで、その配向性を維持しながら、干渉縞の発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
また本発明者は、位相差層中に低屈折率材料であるアルコキシシランを所定割合で含有させることで、クリア系反射防止層を形成して反射防止を図る場合にあっても、干渉縞を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
またさらに本発明者は、位相差層中で低屈折率の所定の微粒子を含有させることによって、クリア系反射防止層を形成して反射防止を図る場合にあっても、干渉縞を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、基材と、光配向材料を含有する配向層と、液晶化合物を含有する位相差層とを含む位相差フィルムであって、前記配向層は、前記光配向材料100質量部に対し、屈折率1.60以上のエポキシモノマーを3.0質量部以上8.0質量部以下の割合で含有する位相差フィルムである。
(2)また本発明は、上述した(1)の発明において、前記エポキシモノマーは、その屈折率が1.70以上である位相差フィルムである。
(3)また本発明は、上述した(1)又は(2)の発明において、光軸測定したときの、標準偏差(σ)で定義される光軸の面内バラツキが、1.5未満である位相差フィルムである。
(4)また本発明は、上述した(1)、(2)、(3)の何れかの発明において、前記配向層が、配向パターンを有する位相差フィルムである。
(5)また本発明は、(1)から(4)の何れかに記載の位相差フィルムを備える偏光板である。
(6)また本発明は、(1)から(4)の何れかに記載の位相差フィルムを備える画像表示装置である。
(7)また本発明は、(6)に記載の画像表示装置を備える3D画像表示システムである。
(8)また本発明は、基材と、光配向材料を含有する配向層と、液晶化合物を含有する位相差層とを含む位相差フィルムの製造方法であって、前記光配向材料100質量部に対して屈折率1.60以上のエポキシモノマーを3.0質量部以上8.0質量部以下の割合で含有する配向層組成物を用い、前記基材上に該配向層組成物を塗工して硬化させることで前記配向層を形成する位相差フィルムの製造方法である。
(9)本発明は、基材と、配向層と、液晶化合物を含有する位相差層とを含む位相差フィルムであって、前記位相差層は、前記液晶化合物100質量部に対してアルコキシシランを2.0質量部以上14.0質量部以下の割合で含有する位相差フィルムである。
(10)また本発明は、上述した(9)の発明において、前記アルコキシシランの屈折率が1.50以下である位相差フィルムである。
(11)また本発明は、上述した(9)又は(10)の発明において、光軸測定したときの、標準偏差(σ)で定義される光軸の面内バラツキが、1.5未満である位相差フィルムである。
(12)また本発明は、上述した(9)から(11)の何れかの発明において、前記配向層が、配向パターンを有する位相差フィルムである。
(13)また本発明は、(9)から(12)の何れかに記載の位相差フィルムを備える偏光板である。
(14)また本発明は、(9)から(12)の何れかに記載の位相差フィルムを備える画像表示装置である。
(15)また本発明は、(14)に記載の画像表示装置を備える3D画像表示システムである。
(16)また本発明は、基材と、配向層と、液晶化合物を含有する位相差層とを含む位相差フィルムの製造方法であって、前記液晶化合物100質量部に対してアルコキシシランを2.0質量部以上14.0質量部以下の割合で含有する液晶組成物を用い、前記配向層上に該液晶組成物を塗工して硬化させることで前記位相差層を形成する位相差フィルムの製造方法である。
(17)また本発明は、反射防止層、透明基材、配向層、重合液晶を含む位相差層、が順次積層されており、前記位相差層により透過光に位相差を与える位相差フィルムであって、
前記反射防止層は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層であり、
前記位相差層は、前記重合液晶の屈折率より低い屈折率を有する微粒子を含有することを特徴とする位相差フィルムである。
(17)によれば、微粒子によって位相差層の屈折率を低下させて透明基材の屈折率に近付けることによって、干渉縞の発生を抑制することができる。
(18)また本発明は、(17)の発明において、前記微粒子の屈折率は1.3以上1.7以下である位相差フィルムである。
(18)によれば、より効果的に干渉縞の発生を抑制することができる。
(19)また本発明は、(17)又は(18)の発明において、前記微粒子の平均粒径は前記位相差層の膜厚より大きい位相差フィルムである。
(19)によれば、位相差層の表面に凹凸を形成でき反射光を散乱できるので、より効果的に干渉縞の発生を抑制することができる。
(20)また本発明は、(17)から(19)の何れかの発明において、前記微粒子がシリカであって、前記位相差層中の微粒子の含有量が0.01質量%以上10質量%以下である位相差フィルムである。
(20)によれば、所望の屈折率と表面凹凸を形成できるので、より効果的に干渉縞の発生を抑制することができる。
(21)また本発明は、(17)から(20)の何れかの発明において、前記位相差層の表面粗さRaが3nm以上200nmである位相差フィルムである。
(21)によれば、所望の表面凹凸を形成できるので、より効果的に干渉縞の発生を抑制することができる。
(22)また本発明は、(17)から(21)の何れかの発明において、前記透明基材がアクリル系樹脂であり、厚さが80μm以下である位相差フィルムである。
(22)によれば、厚さが80μm以下と薄いことで液晶表示装置とパターン位相差フィルムの位相差層が近接され、3D表示の視野角を拡大することが可能となる。
(23)また本発明は、前記配向層が、配向パターンを有する請求項17から22の何れかに記載の位相差フィルムである。
(24)また本発明は、(17)から(23)の何れかに記載の位相差フィルムを備える偏光板。
(24)によれば、位相差フィルムを偏光子に直接貼合するような構成に適用した場合、位相差層の屈折率調整により偏光子の粘着層と位相差層の界面反射が低減され、干渉縞が低減するという効果を奏する。
(25)また本発明は、(17)から(23)の何れかに記載の位相差フィルムを備える画像表示装置である。
(26)また本発明は、(25)に記載の画像表示装置を備える3D画像表示システムである。
上記のように透明基材の厚さが薄い場合には、特に位相差層とフィルム界面による干渉縞がより見え易くなってしまうが、(25)や(26)によれば、微粒子添加によって位相差層の屈折率を低下させて透明基材の屈折率に近付けることによって、干渉縞の発生を抑制することができる画像表示装置や3D画像表示システムを提供できる。
(27)また本発明は、反射防止層、重合液晶を含む位相差層、配向層、透明基材、が順次積層されており、前記位相差層により透過光に位相差を与える位相差フィルムであって、
前記反射防止層は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層であり、
前記位相差層は、前記重合液晶の屈折率より低い屈折率を有する微粒子を含有することを特徴とする位相差フィルムである。
(10)によれば、微粒子によって位相差層の屈折率を低下させて透明基材の屈折率に近付けることによって、干渉縞の発生を抑制することができる。
(28) さらに本発明は、反射防止層、透明基材、配向層、重合液晶を含む位相差層、が順次積層されており、前記位相差層により透過光に位相差を与える位相差フィルムであって、
前記反射防止層は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層であり、
前記透明基材の屈折率をn1、前記配向層の屈折率をn2、前記位相差層の屈折率をn3とした場合に、
n1<n2<n3であって、
n1とn3の平均値であるnAVE=(n1+n3)/2に対して、
AVE+0.01>n2>nAVE−0.01
を満たすことを特徴とする位相差フィルムである。
(28)によれば、配向層の屈折率を、透明基材の屈折率と位相差層の屈折率との略中間値とすることで、干渉縞の発生を抑制することができる。
(29)また本発明は、(28)の発明において、前記透明基材が、厚さが80μm以下のアクリル系樹脂である位相差フィルムである。
(29)によれば、厚さが80μm以下と薄いことで液晶表示装置とパターン位相差フィルムの位相差層がより近接され、3D表示の視野角を拡大することが可能となる。
(30)また本発明は、(28)又は(29)の発明において、前記配向層の屈折率n2が1.53以上1.56以下である位相差フィルムである。
(30)によれば、透明基材がアクリル系樹脂で屈折率が1.50付近の場合に特に効果的に干渉縞の発生を抑制することができる。
(31)また本発明は、(28)から(30)の何れかの発明において、前記配向層が、光2量化型の高分子材料で構成されている位相差フィルムである。
(31)によれば、光2量化型の高分子材料の屈折率を選択することで、干渉縞の発生を抑制することができる。
(32)また本発明は、(28)から(31)の何れかの発明において、前記配向層が、光2量化型の高分子材料と、屈折率を調整する添加剤とを含有する位相差フィルムである。
(32)によれば、光2量化型の高分子材料の屈折率に加えて、添加剤によって所望の屈折率に調整することができる。
(33)さらに本発明は、(28)から(32)の何れかの発明において、前記配向層が、配向パターンを有する位相差フィルムである。
(34)さらに本発明は、(28)から(33)の何れかに記載の位相差フィルムを備える偏光板である
(35)さらに本発明は、(28)から(33)の何れかに記載の位相差フィルムを備える画像表示装置である。
(35)によれば、配向層の屈折率を調整して、透明基材の屈折率と位相差層の屈折率との略中間値とすることで、干渉縞の発生を抑制することができる。
(35)さらに本発明は、(35)に記載の画像表示装置を備える3D画像表示システムである。
(37)さらに本発明は、反射防止層、重合液晶を含む位相差層、配向層、透明基材、が順次積層されており、前記位相差層により透過光に位相差を与える位相差フィルムであって、
前記反射防止層は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層であり、
前記透明基材の屈折率をn1、前記配向層の屈折率をn2、前記位相差層の屈折率をn3とした場合に、
n1<n2<n3であって、
n1とn3の平均値であるnAVE=(n1+n3)/2に対して、
AVE+0.01>n2>nAVE−0.01
を満たすことを特徴とする位相差フィルムである。
(37)によれば、配向層の屈折率を、透明基材の屈折率と位相差層の屈折率との略中間値とすることで、干渉縞の発生を抑制することができる。
本発明によれば、配向層にエポキシモノマーを所定割合で含有させることで、良好な配向性を維持したままで、膜の屈折率差から発生する干渉縞を有効に抑制することができる。
また本発明によれば、位相差層にアルコキシシランを所定割合で含有させることで、膜の屈折率差から発生する干渉縞を抑制することができる。しかも、このように位相差層に添加物を添加した場合でも、良好な配向性を維持したままで、干渉縞を有効に抑制できる。
また本発明によれば、クリア系反射防止層を形成して反射防止を図る場合にあっても、干渉縞の発生を抑制できる。
パターン位相差フィルムの一例を示す概略図である。 パターン配向層の一例を示す概略図である。 パターン位相差フィルムの製造工程の一例を示す概略図である。 光配向方式によって配向パターンを形成する手法を模式的に示した図である。 第2実施形態に係るパターン位相差フィルムの一例を示す概略図である。 第3実施形態に係るパターン位相差フィルムの一例を示す概略図である。 パターン位相差フィルムの製造工程の一例を示す概略図である。 図6の拡大断面図である。 他の例によるパターン位相差フィルムを示す拡大断面図である。 第4実施形態に係るパターン位相差フィルムの一例を示す概略図である。 図10の拡大断面図である。 他の例によるパターン位相差フィルムを示す拡大断面図である。 パッシブ方式による三次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
<第1実施形態>
<画像表示装置及び画像表示システム>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)に、パターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。またこれによりこの実施形態に係る3D実施形態では、所望のソース源より3D画像表示に係る映像コンテンツを提供して画像表示装置で表示し、対応する円偏光メガネを装着して3D映像コンテンツを視聴する。なおこれにより画像表示装置は液晶表示パネルが適用されることを前提とするものの、この液晶表示パネルの出射面側に設けられる直線偏光板と貼り合せて、パターン位相差フィルムを含むようにして偏光板を供給するようにしてもよい。
<1−1.位相差フィルムの構成>
パターン位相差フィルム1は、パターン状の位相差層を備えた位相差フィルムであり、基材11と、配向パターンを有する配向層であるパターン配向層12と、液晶化合物を含有する位相差層13とを含むものである。そして、このパターン位相差フィルム1においては、パターン配向層12に、高屈折率のエポキシモノマーを所定割合で含有することを特徴としている。
[基材]
基材11は、透明フィルム材であり、パターン配向層12を支持する機能を有し、長尺に形成されている。
基材11は、位相差が小さいことが好ましく、面内位相差(面内レターデーション値、以下「Re値」ともいう。)が、0nm以上10nm以下の範囲内であることが好ましく、0nm以上5nm以下の範囲内であることがより好ましく、0nm以上3nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。Re値が10nmを超えると、パターン配向層を用いたフラットパネルディスプレイの表示品質が悪くなる可能性がある点で好ましくない。
Re値とは、屈折率異方体の面内方向における複屈折性の程度を示す指標をいい、面内方向において屈折率が最も大きい遅相軸方向の屈折率をNx、遅相軸方向に直交する進相軸方向の屈折率をNy、屈折率異方体の面内方向に垂直な方向の厚さをdとしたとき、
Re[nm]=(Nx−Ny)×d[nm]
で表わされる値である。Re値は、例えば位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器社製)を用い、平行ニコル回転法により測定することができる。また、本明細書においては、特に別段の記載をしない限り、Re値は波長589nmにおける値を意味するものとする。
基材11の可視光領域における透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明フィルム基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。このようなフレキシブル材としては、アクリル系ポリマー、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類等を例示することができる。
上述したフィルムの中でも、セルロース誘導体は、光学的等方性に優れ、光学的特性に優れたパターン配向層を製造することができる。具体的に、セルロース誘導体としては、特に限定されないが、工業的に広く用いられて入手が容易である点で、セルロースエステルを用いることが好ましく、セルロースアシレート類を用いることがより好ましい。
セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものでよい。
低級脂肪酸エステルの中でも、セルロースアセテートを特に好適に用いることができる。セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5%以上62.5%以下(置換度:2.6以上3.0以下)のTACを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定及び計算により求めることができる。なお、TACの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上述した方法により求めることができる。
また、PMMA等のアクリル系ポリマー(アクリル系基材)は、その屈折率が1.40から1.60程度であり、基材の厚さ方向に屈折率差がなく、寸法収縮率の対湿度依存性が低い。そのため、例えばTACに比べてフィルム厚さを薄くすることができ、3Dパネルの視野角拡大に貢献できる。
基材11の厚さは、パターン配向層を用いて製造される位相差フィルムの用途等に応じて、当該位相差フィルムに必要な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、25μm以上125μm以下の範囲内であることが好ましく、40μm以上100μm以下の範囲内であることがより好ましく、40μm以上80μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。厚さが25μm未満であると、位相差フィルムに必要な自己支持性を付与できない場合があり好ましくない。一方で、厚さが125μmを超えると、位相差フィルムが長尺状である場合、長尺状の位相差フィルムを裁断加工して枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があり好ましくない。
基材11は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
[パターン配向層]
図2は、パターン配向層2の概略図である。パターン配向層2は、基材11上にパターン配向層用組成物(配向層組成物)を塗工(塗膜)して硬化させて得られた硬化物からなり、このパターン配向層2によりパターン配向層12が形成される。
パターン配向層2は、2種類の配向パターン(第1配向領域12A,第2配向領域12B)を交互に有する。このパターン配向層2における配向パターンは、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を用い光照射によって配向させる光配向方式により形成することができ、パターン配向層12となる。なお、紫外線硬化樹脂を基材11に塗布し、その紫外線硬化樹脂の表面に対して微細な凹凸形状からなる配向パターンが付された賦型用金型を用いて配向パターンを転写し、その後、紫外線硬化樹脂を硬化させる賦型UV方式によって形成することもできる。
光配向方式によってパターン配向層12を形成する場合、パターン配向層12は、パターン配向層用組成物(配向層組成物)を含有し、この配向層組成物は、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料を含む。
(光配向材料)
ここで、光配向材料とは、偏光紫外線の照射により配向規制力を発現できる材料をいう。配向規制力とは、光配向材料を含む配向層を形成し、この配向層上に重合性液晶化合物(「棒状化合物」ともいう。)からなる層(位相差層13)を形成したとき、その液晶化合物を所定の方向に配列させる機能をいう。
光配向材料としては、偏光を照射することにより配向規制力を発現するものであれば特に限定されるものではない。このような光配向材料は、シス−トランス変化によって分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。パターン位相差フィルム1においては、上述した光異性化材料及び光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光反応材料を用いることがより好ましい。光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になり、配向規制力の経時安定性において優れる。
また、光反応材料は、光二量化反応が生じることによって配向規制力を発現する光二量化型材料、光分解反応が生じることによって配向規制力を発現する光分解型材料、光結合反応が生じることによって配向規制力を発現する光結合型材料、及び光分解反応と光結合反応とが生じることによって配向規制力を発現する光分解−結合型材料等に分けることができる。パターン位相差フィルム1においては、上述した光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光二量化型材料を用いることがより好ましい。
光二量化型材料としては、光二量化反応を生じることにより配向規制力を発現できる材料であれば特に限定されないが、配向規制力が良好である点から、光二量化反応を生じる光の波長が280nm以上であることが好ましく、280nm以上400nm以下の範囲内であることがより好ましく、300nm以上380nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
このような光二量化型材料としては、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又はシンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマーが挙げられる。その中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、本実施の形態において用いられる光配向材料は、1種類のみであってもよく、2種類以上を用いてもよい。
(高屈折率材料)
さてここで、通常一般的なパターン配向層を構成する配向層の屈折率は1.54程度である。一方で、重合性液晶の屈折率は、1.55から1.75程度であり、パターン配向層の屈折率に比べて高い。このことから、パターン配向層と位相差層との屈折率差により、位相差層と基材との薄膜干渉によるムラが生じ、干渉縞が発生することがある。
そこで、本実施の形態に係るパターン位相差フィルム1では、パターン配向層12において、高屈折率材料、具体的には、偏光露光しても液晶化合物の配向に寄与しないものであって、高屈折率のエポキシモノマーを所定の割合で含有させることを特徴とする。このようなパターン配向層12は、配向層組成物中に光配向材料と共に、所定の割合でエポキシモノマーを含有させて、その配向層組成物を用いて基材11上に塗工することで得ることができる。
パターン位相差フィルム1においては、このようにして、パターン配向層12に高屈折率のエポキシモノマーを所定の割合で含有させることで、パターン配向層12の屈折率を効果的に高めて、上述したパターン配向層12と位相差層13との屈折率差による干渉縞の発生を抑制することができる。これにより、パターン配向層12や位相差層13を構成する材料の選択の幅を狭めることなく、有効に干渉縞を抑制することができる。
しかも、このエポキシモノマーは、パターン配向層12に添加させても、位相差層13における液晶化合物の配向性に影響を与えることない。したがって、配向を乱すことなく良好な配向性を維持したままで、干渉縞を有効に抑制することができる。具体的には、このパターン位相差フィルム1では、光軸測定したときの微小領域における光軸の面内バラツキ(光軸に垂直な面内のバラツキ)が標準偏差(σ)で1.5未満である、良好な配向性を維持した位相差フィルムとなる。なお、光軸のバラツキは、光軸の標準偏差(σ)(単位:°)で定義することができる。
エポキシモノマーとしては、特に限定されないが、例えば特開2012−102228号公報に開示されている化合物(当該公報に記載の式(1)で示される化合物)であるフルオレン骨格を有する2官能タイプのエポキシモノマーを挙げることができる。
具体的に、この高屈折率のエポキシモノマーは、その屈折率が1.60以上である。また、このエポキシモノマーの屈折率は1.70以上であることがより好ましい。屈折率が1.60未満であると、屈折率の調整が困難になるとともに十分に干渉縞の発生を抑制できない可能性がある。
また、そのパターン配向層12における高屈折率エポキシモノマーの含有量も重要となり、パターン配向層12中に含まれる光配向材料100質量部に対して3.0質量部以上8.0質量部以下の範囲とする。また、この含有量は、光配向材料100質量部に対して3.0質量部以上7.0質量部以下の範囲であることが好ましく、5.0質量部程度であることがより好ましい。含有量が3.0質量部未満であると、パターン配向層12の屈折率を十分に高めることができず干渉縞の発生を有効に抑制することができない。一方で、含有量が8.0質量部を超えると、干渉縞を有効に抑制できなくなるだけでなく、その配向性を低下させる可能性があり好ましくない。
(溶媒)
配向層組成物中に用いる溶媒は、光配向材料や上述した高屈折率エポキシモノマーを所望の濃度に溶解できるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(以下「IPA」という。)等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、溶媒は、1種類であってもよいし、2種類以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
また、溶媒の量は、例えば光配向材料100質量部に対して600質量部以上3900質量部以下であることが好ましい。600質量部未満であると、光配向材料を均一に溶かすことができない可能性があり好ましくない。溶媒の量が3900質量部を超えると、その溶媒の一部が残存し、基材11上に配向層組成物を塗工したときに残存した溶媒が基材11に含浸して、光配向性と基材11に対する密着性の両方が低下してしまい好ましくない。
[位相差層]
位相差層13は、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(棒状化合物)を含有する。
(液晶化合物)
液晶化合物は、屈折率異方性を有し、配向パターンに沿って規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す液晶化合物を用いることがより好ましい。
ネマチック相を示す液晶化合物としては、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶化合物は、柔軟性に優れるため、このような液晶化合物を用いることによってパターン位相差フィルム1を透明性に優れたものにすることができる。
液晶化合物は、上述したように分子内に重合性官能基を有する。重合性官能基を有することにより、液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくくなる。また、液晶化合物は、分子内に三次元架橋可能な重合性官能基を有することがより好ましい。三次元架橋可能な重合性官能基を有することにより、配列安定性をより一層に高めることができる。なお、「三次元架橋」とは、液晶性分子を互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることをいう。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、あるいはカチオン重合性官能基等が挙げられる。ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。その中でも、プロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらにまた、液晶化合物は、末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶化合物を用いることにより、例えば、互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れたパターン位相差フィルム1を形成することができる。
液晶化合物の量としては、パターン配向層12上に塗布する塗布方法に応じて、位相差層形成用塗工液(液晶組成物)の粘度を所望の値に調整できるものであれば特に限定されないが、液晶組成物中の量として5質量部以上40質量部以下の範囲内であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下の範囲内であることがより好ましい。5質量部未満であると、液晶化合物が少なすぎるために、位相差層13への入射光を適切に配向できない可能性があり好ましくない。一方で、30質量部を超えると、位相差層形成用塗工液の粘度が高くなりすぎるため、作業性が劣るため好ましくない。
また、液晶化合物は、1種類のみを用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。例えば、液晶化合物として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶化合物と片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶化合物とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)及び光学特性を任意に調整できる。また、信頼性確保の観点からは両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶化合物を用いることが好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つで液晶化合物を用いることが好ましい。
(溶媒)
上述した液晶化合物は、通常、溶媒に溶かされている。溶媒としては、液晶化合物を均一に分散できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(以下「IPA」という。)等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、溶媒は、1種類であってもよいし、2種類以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
溶媒の量は、液晶化合物100質量部に対して66質量部以上900質量部以下であることが好ましい。溶媒の量が66質量部未満であると、液晶化合物を均一に溶かすことができない可能性があり好ましくない。一方で、900質量部を超えると、溶媒の一部が残存し、信頼性が低下する可能性、及び均一に塗工できない可能性があり好ましくない。
(他の化合物)
また、液晶組成物は、必要に応じて他の化合物を含むものであってもよい。他の化合物としては、上述した液晶化合物の配列秩序を害するものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤及びシランカップリング剤等を挙げることができる。なお、例えば、レベリング剤としてシリコーン系の高分子量レベリング剤を添加する場合においての添加量は、0.1%以上1%未満程度である。
(位相差層の厚さ)
位相差層13の厚さとしては、特に限定されるものでないが、適切な配向性能を得るためには、500nm以上2000nm以下であることが好ましい。
<1−2.位相差フィルムの製造方法>
次に、パターン位相差フィルム1の製造方法について説明する。なお、以下では、光配向方式によってパターン位相差フィルム1を形成する場合の製造方法について説明するが、パターン位相差フィルム1は賦型UV方式によって形成されたものであってもよい。
図3は、パターン位相差フィルム1の製造工程の流れを模式的に示す図である。先ず、(A)ロール31に巻き取った長尺フィルムから基材11を提供し、この基材11上にパターン配向層用組成物(配向層組成物)32を塗工する配向層組成物塗工処理を行う。続いて、(B)その配向層組成物を乾燥機33で熱硬化させて薄膜状のパターン配向層形成用層12’を形成するパターン配向層形成用層形成処理を行う。続いて、(C)パターン配向層形成用層12’に対して紫外線照射装置34,35から紫外線を照射する紫外線照射処理を行う。これら(A)〜(C)の処理によってパターン配向層12が形成される。
続いて、(D)位相差層形成用の重合性液晶組成物を含有する位相差層形成用塗工液の供給装置36から位相差層形成用塗工液13’を塗工し、位相差層形成用層を形成する位相差層形成用塗工液塗工処理を行う。その後、(E)レベリング装置37を用いて、位相差層形成用層の層厚を均一にするレベリング処理を行う。その後、(F)乾燥機38を用いて位相差層形成用塗工液13’の塗膜に含まれる液晶化合物を液晶相形成温度以上に加温することで、上述したパターン配向層12が有する、右目用の領域に対応する第1配向領域12Aと、左目用の領域に対応する第2配向領域12Bとの異なる配向方向に沿って、液晶化合物を配列させる配向処理を行う。この配向処理によって位相差層形成用層が位相差層13となる。
その後、(G)冷却機39を用いて、基材11/パターン配向層12/位相差層13からなる積層体を冷却する冷却処理を行い、(H)紫外線照射装置40を用いて、重合性液晶化合物に紫外線を照射する。そして、(I)フィルムを巻き取りリール41に巻き取った後、所望の大きさに切り出す切断処理を行う。以上のような工程を経てパターン位相差フィルム1が作製される。
[(A)配向層組成物塗工処理]
先ず、ロール31に巻き取った長尺フィルムから基材11を提供し、この基材11上にパターン配向層用組成物32を塗工する配向層組成物塗工処理を行う。
〔基材の提供〕
基材11の提供にあたっては、長尺フィルムを連続的に搬送できるものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な搬送手段を用いる方法を用いることができる。具体的には、ロール状の長尺フィルムを供給する巻き出し機及び長尺フィルムを巻き取る巻き取り機等を用いる方法、ベルトコンベア、搬送用ロール等を用いる方法を挙げることができる。また、エアの吐出と吸引とを行うことにより、長尺配向層形成用フィルムを浮上させた状態で搬送する浮上式搬送台を用いる方法であってもよい。また、搬送時においては、所定のテンションを加えた状態で搬送することが好ましく、これにより、より安定的に連続搬送することができる。
搬送手段の色としては、長尺フィルムに紫外線が照射される部位に配置される場合には、長尺フィルムを透過した紫外線を反射しない色であることが好ましい。具体的には、黒色であることが好ましい。このような黒色とする方法としては、例えば、表面をクロム処理する方法を挙げることができる。
ロール31の形状としては、安定的に長尺フィルムを搬送することができるものであれば特に限定されるものではないが、長尺フィルムに紫外線が照射される部位に配置される場合には、長尺フィルムの表面と、紫外線照射装置との距離を一定に保つことができるものであることが好ましく、通常、真円形状であることが好ましい。
ここで、基材11に対しては、ロール31から引き出して、順次、防眩処理(AG処理)や反射防止処理(AR処理)等を施すことで、基材11の表面に防眩層や反射防止層を形成することができる。
〔配向層組成物32の塗工〕
配向層組成物32を塗工するにあたり、塗工方法としては、ダイコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法等を用いることができる。これら塗工方法により配向層組成物32を基材11に塗工することで、パターン配向層形成用層12’を形成する。
パターン配向層形成用層12’の厚さとしては、所望の平面性を達成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、0.1μm以上10μm以下の範囲内であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下の範囲内であることがより好ましく、0.1μm以上3μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
ここで、本実施の形態においては、配向層組成物32として、光配向材料と共に、屈折率が1.60以上のエポキシモノマーを、光配向材料100質量部に対して3.0質量部以上8.0質量部以下の範囲で含有する組成物を用いる。このような配向層組成物32を基材11上に塗工してパターン配向層12を形成することで、そのパターン配向層12に添加したエポキシモノマーによりパターン配向層12の屈折率を高めることができ、パターン配向層12上に形成する位相差層13との屈折率差による干渉縞の発生を有効に抑制することができる。
[(B)パターン配向層形成用層形成処理]
パターン配向層形成用層形成処理では、乾燥機33を用いて基材11に塗工した配向層組成物32を熱硬化させる。この処理では、配向層組成物32が塗工された基材11を乾燥機33に導き、その配向層組成物32を熱硬化させた後、半乾きの状態で次の工程に送出する。
配向層組成物32の硬化温度としては、100℃以上130℃以下であることが好ましい。硬化温度が100℃未満であると、配向層組成物32を均一に熱硬化できず、薄膜が不均一になる可能性があるため好ましくない。一方で、硬化温度が130℃を超えると、基材11や薄膜が収縮する可能性があるため好ましくない。
また、配向層組成物32の硬化時間としては、1分以上10分未満であることが好ましい。硬化時間が1分未満であると、熱硬化できず、薄膜が不均一になる可能性があるため好ましくない。一方で、硬化時間が10分以上であると、ハジキや欠点が発生する可能性や、基材11や薄膜が収縮する可能性があるため好ましくない。
[(C)紫外線照射処理]
続いて、パターン配向層形成用層12’に対して紫外線を照射する紫外線照射処理を行う。この紫外線照射処理では、先ず、図4の(A)に示すように、右目用の領域に対応する第1配向準備領域12’Aを遮光せず、左目用の領域に対応する第2配向準備領域12’Bだけを遮光したマスク21を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)をパターン配向層形成用層12’に向けて照射することにより、遮光されていない第1配向準備領域12’Aを所望の方向に配向させる。次に、図4の(B)に示すように、第1配向準備領域12’Aだけを遮光し、第2配向準備領域12’Bを遮光しないマスク22を介して、1回目の照射とは偏光方向が90°異なる直線偏光により紫外線をパターン配向層形成用層12’に向けて照射し、遮光されていない第2配向準備領域12’Bを所望の方向に配向させる。これら2回の紫外線照射により、2種類の配向パターンが形成される。
図4の例では、まず第1配向準備領域12’Aに偏光紫外線を照射し、その後、第2配向準備領域12’Bに偏光紫外線を照射しているが、この順番に限るものではなく、まず第2配向準備領域12’Bに偏光紫外線を照射し、その後、第1配向準備領域12’Aに偏光紫外線を照射してもよい。また、図4では、1回目の照射及び2回目の照射の両方でマスク21,22を用いているが、1回目の照射だけでマスク21を用い、2回目の照射ではマスク22を用いない手法により行ってもよい。
マスクのパターン、すなわちパターン照射のパターンは、右目用の領域に対応する第1配向領域12A(図2参照)と、左目用の領域に対応する第2配向領域12B(図2参照)とを安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、帯状パターン、モザイク状パターン、千鳥配置状パターン等のパターン形状とすることができる。その中でも、帯状のパターンであることが好ましく、特に、長尺フィルムの長手方向に互いに平行な帯状のパターンであること、すなわちパターン照射が長尺フィルムの長手方向に互いに平行な帯状のパターンに偏光紫外線を照射するものであることが好ましい。
また、マスクのパターン幅、すなわち、偏光紫外線の照射幅及び照射間隔(非照射幅)としては、同一であってもよく、あるいは異なっていてもよいが、右目用の領域に対応する領域の幅と左目用の領域に対応する領域との幅は同一であることが好ましい。また、カラーフィルタのストライプラインと位置を合わせる場合は、右目用の領域に対応する領域及び左目用の領域に対応する領域が形成されたパターンと、そのカラーフィルタのストライプパターンとが対応関係となるような幅で照射されることが好ましい。
例えば、三次元表示用途の場合には、そのパターン幅は、50μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましく、100μm以上800μm以下の範囲内であることがより好ましい。なお、ここでいうパターン幅は、基材11が安定収縮状態である場合の、パターン配向層12のパターン幅を指す。
マスクを構成する材料としては、所望の開口部を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、紫外線による劣化がほとんどない金属や石英等を挙げることができる。具体的には、SUS等の金属基板をエッチング加工、レーザー加工、又は電鋳加工によりパターンニングし、さらに必要に応じてニッケルメッキ等の表面処理を施したものを用いることができる。また、ソーダライムガラスや石英からなる基板上に、エマルジョン(銀塩)や、クロムからなる遮光膜を有するものとすることができる。
その中でも、合成石英にCrをパターニングしたものであることが好ましい。温度変化、湿度変化等に対する寸法安定性と紫外線透過率に優れ、パターン配向層用組成物の硬化物からなるパターン配向層形成用層12’に精度良く紫外線を照射でき、結果として精度の高いパターン配向層12を形成することができる。
合成石英マスクの厚さとしては、寸法精度良くパターンを形成できるものであれば特に限定されるものではないが、1mm以上20mm以下の範囲内であることが好ましく、5mm以上18mm以下の範囲内であることがより好ましく、9mm以上16mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。厚さが上述の範囲内であることにより、撓まないものとすることができ、寸法精度の高いものとすることができる。また、フォトマスクとしてのハンドリング性の点からも好ましい。
偏光紫外線の偏光方向は、右目用の領域に対応する領域に対する偏光方向と、左目用の領域に対応する領域に対する偏光方向とが異なるものであれば特に限定されるものではないが、両者の間で90°異なるものであることが好ましい。第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとの間で屈折率が最も大きくなる方向(遅相軸方向)を互いに直交する関係とすることができ、三次元表示が可能な表示装置をより好適に製造できる。
90°異なる方向とは、長尺状のパターン位相差フィルム1を切り出した位相差フィルムを用いて三次元表示が可能な表示装置を形成した際に、精度良く三次元表示を行うことができるものであれば特に限定されるものではない。通常、90°±3°の範囲内であることが好ましく、90°±2°程度の範囲内であることがより好ましく、90°±1°程度の範囲内であることがさらに好ましい。
偏光紫外線は、集光されていてもよいし、集光されていないものであってもよいが、パターン照射が搬送用ロール上の長尺フィルムに対して行われるような場合、すなわち、偏光紫外線が照射される領域内で、偏光紫外線の光源からの距離の差が生じる場合には、搬送方向に対して集光されていることが好ましい。これにより、光源からの距離による影響を低減し、パターン精度良く配向領域を形成することができる。
偏光紫外線の波長は、光配向材料等に応じて適宜設定されるものであり、一般的な光配向材料に配向規制力を発現させる際に用いられる波長とすることができ、具体的には、波長が210nm以上380nm以下、好ましくは230nm以上380nm以下、さらに好ましくは250nm以上380nm以下の照射光を用いることが好ましい。
偏光紫外線の生成方法としては、偏光紫外線を安定的に照射できる方法であれば特に限定されるものではないが、一定方向の偏光のみが通過できる偏光子を介して紫外線照射する方法を用いることができる。このような偏光子としては、偏光光の生成に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、スリット状の開口部を有するワイヤーグリッド型偏光子や、石英板を複数枚積層してブリュースター角を利用して偏光分離する方法や、屈折率の異なる蒸着多層膜のブリュースター角を利用して偏光分離する方法を用いるもの等を挙げることができる。
偏光紫外線の照射量(積算光量)としては、所望の配向規制力を有する配向領域を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、波長310nmである場合には、5mJ/cm以上500mJ/cm以下の範囲内であることが好ましく、7mJ/cm以上300mJ/cm以下の範囲内であることがより好ましく、10mJ/cm以上100mJ/cm以下の範囲内であることがさらに好ましい。このような照射量とすることで、十分な配向規制力を有する配向領域を形成することができる。
薄膜に対して偏光紫外線を照射する際、薄膜の温度が一定となるように温度調節することが好ましい。配向領域を精度良く形成することができるからである。薄膜の温度は、15℃以上90℃以下であることが好ましく、15℃以上60℃以下であることがより好ましい。温度調節の方法としては、一般的な加熱・冷却装置等の温度調節装置を用いる方法を挙げることができる。
[(D)位相差層形成用塗工液塗工処理]
次に、位相差層形成用塗工液塗工処理では、形成したパターン配向層12上に、位相差層形成用塗工液の供給装置36から位相差層形成用塗工液を塗工する。塗工方法としては、パターン配向層12上に位相差層形成用塗工液からなる塗膜を安定的に塗布できる方法であれば特に限定されるものではなく、(A)配向層組成物塗工処理で説明したものと同じものを例示できる。
位相差層13は、液晶化合物が含有されることにより、位相差性を発現するものになっているところ、その位相差性の程度は、液晶化合物の種類及び当該位相差層13の厚さに依存して決定される。したがって、位相差層形成用層の厚さとしては、所定の位相差性を達成できる範囲内であれば特に限定されるものではなく、パターン位相差フィルム1の用途等に応じて適宜決定することができる。
[(E)レベリング処理]
続いて、レベリング装置37を用いて、位相差層形成用層の層厚を均一にするレベリング処理を行う。位相差層形成用層は、その後に形成される位相差層13の面内位相差がλ/4分に相当するような範囲内の厚さとなるように、位相差層形成用塗工液を塗布することが好ましい。これにより、第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bを通過する直線偏光を、互いに直交関係にある円偏光にすることができ、結果として、より精度良く三次元映像を表示することができる。
位相差層13の面内位相差がλ/4分に相当するような範囲内の距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、液晶化合物の種類により適宜決定される。一般的な液晶化合物を用いる場合、当該距離は0.5μm以上2μm以下の範囲内となるが、これに限られるものではない。
[(F)配向処理]
続いて、位相差層形成用塗工液の塗膜に含まれる液晶化合物を、パターン配向層12に含まれる第1配向領域12A及び第2配向領域12Bの異なる配向方向に沿って、液晶化合物を配列させる。液晶化合物を配列させる方法としては、所望の方向に配列させることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、乾燥機38を用いて液晶化合物を液晶相形成温度以上に加温する方法等が挙げられる。
この配向処理によって形成される位相差層13のパターンは、パターン配向層12のパターンと同一となり、右目用の領域に対応する第1配向領域12A上には、右目用の領域に対応する第1位相差領域13Aが形成され、左目用の領域に対応する第2配向領域12B上には、左目用の領域に対応する第2位相差領域13Bが形成される。
[(G)冷却処理]
その後、冷却機39を用いて、基材11/パターン配向層12/位相差層13からなる積層体を冷却する冷却処理を行う。この冷却処理は、例えば積層体が室温になる程度まで行えばよい。
[(H)硬化処理]
続いて、重合性液晶化合物を重合し硬化させる硬化処理を行う。重合性液晶化合物を重合させる方法としては、重合性液晶化合物が有する重合性官能基の種類に応じて任意に決定すればよいが、適量の重合開始剤を加えて活性放射線の照射により硬化させる方法が好ましい。その活性放射線としては、重合性液晶化合物を重合することが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光又は可視光を使用することが好ましく、具体的には、パターン配向層12を形成する際に用いた紫外線と同様とすることができる。このような硬化処理を行うことで、液晶化合物が互いに重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができ、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた位相差層13を形成できる。
[(I)パターン位相差フィルム1の作製]
続いて、フィルムを巻き取りリール41に巻き取る。その後、フィルムを所望の大きさに切り出す。以上のような工程を経て、パターン位相差フィルム1が作製される。
〔実施例〕
以下、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1−1]
基材として、表面に防眩処理が施されたアクリルフィルム40μm(屈折率1.48)を用い、その裏面側に、硬化後の膜厚が200nmとなるように、ポリビニルシンナメート(PVCi)基を有する光配向材料100質量部と、屈折率1.70であるエポキシモノマー(フルオレン骨格を有する2官能タイプのエポキシモノマー、商品名:オクゾールCG−500,大阪ガスケミカル)3.0質量部とを、酢酸イソブチルを含む混合溶媒に溶解させて固形分比率5%とした光配向層組成物を用いてダイコート法により塗布した。そして、100℃で調整した乾燥機内で2分間乾燥させ、溶媒を蒸発させるとともに組成物を熱硬化させて光配向層(屈折率1.57)を形成した。
続いて、この光配向層に対して、積算光量が40mJ/cmの偏光紫外線を原反の搬送方向と平行な方向に約500μm間隔のパターン状に照射して、厚さ200nmのパターン配向層を形成した。なお、偏光紫外線は、偏光軸がフィルムの搬送方向に対して±45度の角度を持ったものとした。
次に、形成したパターン配向層上に、光重合性ネマチック液晶の液晶組成物(固形分30%、溶剤としてMIBKを使用)をダイコート法により塗布して乾燥させ、その後、紫外線照射により重合させて厚さ1μmの位相差層(屈折率1.60)を形成し、位相差フィルムを得た。
[実施例1−2]
実施例1−1と同じエポキシモノマーを光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例1−3]
実施例1−1と同じエポキシモノマーを光配向材料100質量部に対して7.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−1]
屈折率1.61である高屈折率樹脂(商品名:HIC−GL,共栄社化学(株)製)を光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−2]
屈折率1.61である高屈折率樹脂(商品名:HIC−GL,共栄社化学(株)製)を光配向材料100質量部に対して7.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−3]
屈折率1.79である無機粒子含有樹脂(商品名:ASR−179S50,共栄社化学(株)製)を光配向材料100質量部に対して3.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−4]
屈折率1.53であるエポキシエステル(商品名:M−600A,共栄社化学(株)製)を光配向材料100質量部に対して3.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−5]
屈折率1.53であるエポキシエステル(商品名:M−600A,共栄社化学(株)製)を光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−6]
屈折率1.62であるアクリレート(商品名:EA−0200,大阪ガスケミカル(株)製)を光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−7]
屈折率1.48であるPETA(商品名:PET−30,日本化薬(株)製)を光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−8]
屈折率1.49であるDPHA(商品名:A−DPH,新中村化学工業(株)製)を光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−9]
屈折率1.49であるアクリルポリマー(商品名:バナレジン GH−1203,新中村化学工業(株)製)を光配向材料100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−10]
実施例1−1と同じエポキシモノマーを光配向材料100質量部に対して2.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例1−11]
実施例1−1と同じエポキシモノマーを光配向材料100質量部に対して9.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例1−1と同様にして位相差フィルムを得た。
≪評価≫
実施例及び比較例にて得られた位相差フィルムについて、干渉縞の発生の程度及び配向性を評価した。
干渉縞に関しては、黒アクリル板に位相差層面側を貼合し、蛍光灯下にて基材側からの干渉縞の目視評価(外観評価)を行い、干渉縞発生が大幅に改善されたものを『◎』、干渉縞発生がやや改善されたものを『○』、干渉縞発生の改善効果が少なかったものを『△』、干渉縞発生の改善効果が全くなかったものを『×』として、『◎』及び『○』のものを良好、『△』及び『×』のものを不良と評価した。なお、『−』は干渉縞の発生について評価できなかったことを示す。
配向性に関しては、位相差測定装置AxoStep(アクソメトリクス社製)を用いて9点の測定サンプルについて光軸測定したときの、その微小領域における光軸の面内バラツキに基づいて評価した。光軸のバラツキは、測定したサンプルの光軸の標準偏差(σ)で定義され、σ値(単位:°)が1.0未満を『◎』、1.0以上1.5未満を『○』、1.5以上2.0未満を『△』、2.0以上を『×』として、『◎』及び『○』のものを配向性が良好、『△』及び『×』のものを配向性が不良と評価した。
下記表1に、パターン配向層への添加化合物及びその添加量(光配向材料100質量部に対する割合)と、位相差フィルムの干渉縞の発生及び配向性についての評価をまとめて示す。
Figure 0006586882
表1の実施例の結果に示されるように、パターン配向層にエポキシモノマーを含有させた実施例1−1〜1−3における位相差フィルムでは、効果的に干渉縞の発生が抑制され、また配向性も良好なものであった。
一方で、エポキシモノマーに代えて、高屈折率樹脂(屈折率1.61)や無機粒子含有樹脂(屈折率1.79)、エポキシエステル(屈折率1.53)、アクリレート(屈折率1.62)を位相差層に含有させた比較例1−1〜1−6では、例えばその高屈折率樹脂を7.0質量部含有させた比較例1−2やアクリレートを5.0質量部含有させた比較例1−6の場合には、干渉縞の発生を低減させる効果が見られたものの配向性が低下してしまい、その他では、干渉縞の発生を有効に抑制することができなかった。
また、高屈折率のエポキシモノマーをパターン配向層に含有させた場合であっても、その含有量が2.0質量部(比較例1−10)であると、干渉縞の発生の抑制効果は小さくなることが分かる。また、その含有量が9.0質量部(比較例1−11)であると、干渉縞の発生の抑制効果は十分に高いものの、配向性の低下がみられることが分かった。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係るパターン位相差フィルム101の一例を示す図である。この実施形態では、このパターン位相差フィルム101により画像表示装置、3D画像表示システムが構成される。パターン位相差フィルム101は、基材111と、配向パターンを有する配向層であるパターン配向層12と、液晶化合物を含有する位相差層113とを含むものである。そして、このパターン位相差フィルム101においては、位相差層113に、アルコキシシランを所定割合で含有することを特徴としている。
[基材]
基材111は、第1実施形態について上述したパターン位相差フィルムに係る基材11と同一に構成される。
[パターン配向層]
パターン配向層112は、第1実施形態について上述した高屈折率のエポキシモノマーを含有していない点を除いて、第1実施形態について上述したパターン配向層12と同一に構成される。なお高屈折率のエポキシモノマーを含有するように構成してもよい。
[位相差層]
位相差層113は、アルコキシシランを所定割合で含有する点を除いて、第1実施形態について上述した位相差層13と同一に構成される。
(低屈折率材料)
ここで、各層の屈折率を検討すると、一般的に、基材の屈折率は、例えば基材としてTAC基材を用いた場合には1.48程度であり、また、パターン配向層を構成する配向膜の屈折率は1.54程度である。一方で、重合性液晶の屈折率は、一般的には、1.55から1.75程度であり、基材やパターン配向層の屈折率に比べて高い。このことから、基材やパターン配向膜と位相差層との屈折率差により、位相差層と基材との薄膜干渉によるムラが生じ、干渉縞が発生することがある。
そこで、本実施の形態に係るパターン位相差フィルム101では、位相差層113において、低屈折率材料、具体的には、分子量が300以下であるアルコキシシランを所定の割合で含有させることを特徴とする。このような位相差層113は、重合性液晶組成物中に液晶化合物と共に、所定の割合でアルコキシシランを含有させて、その液晶組成物を用いてパターン配向層12上に塗工することで得ることができる。
パターン位相差フィルム101においては、このようにして、位相差層113にアルコキシシランを所定の割合で含有させることで、位相差層113の屈折率を効果的に低下させて、上述した膜の屈折率差による干渉縞の発生を抑制することができる。このアルコキシシランは、位相差層113内において一定の分布を形成して、これにより位相差層113の屈折率を効果的に低下させるものと考えられる。このようなパターン位相差フィルム101によれば、基材111やパターン配向層12、位相差層113を構成する材料の選択の幅を狭めることなく、有効に干渉縞を抑制することができる。
しかも、このようなアルコキシシランによれば、位相差層113に添加させても、液晶化合物の配向性に影響を与えることなく、良好な配向性を維持したままで干渉縞を有効に抑制することができる。具体的には、このパターン位相差フィルム101では、光軸測定したときの微小領域における光軸の面内バラツキ(光軸に垂直な面内のバラツキ)が標準偏差(σ)で1.5未満である、良好な配向性を維持した位相差フィルムとなる。なお、光軸のバラツキは、光軸の標準偏差(σ)(単位:°)で定義することができる。
ここで、アルコキシシランとは、アルコキシ基と共に、アルキル基、フェニル基等のアリール基を官能基として有する化合物であり、またそれら官能基の末端をフッ素等によりハロゲン置換したものを含む。具体的に、このアルコキシシランとしては、特に限定されないが、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アルコキシシランの屈折率としては、使用する基材やパターン配向層の種類によっても好適な範囲は異なるが、1.50以下であることが好ましく、1.48以下であることがより好ましい。屈折率が1.50を超えると、屈折率の調整が困難になるとともに十分に干渉縞の発生を抑制できない可能がある。例えば、例えば基材111としてTAC基材を用いる場合においては、そのTAC基材の屈折率が1.48程度であることから、1.48以下の屈折率のアルコキシシランを用いることが好ましい。なお、アルコキシシランの屈折率の下限値としては、特に限定されるものではない。ただし、屈折率が低いアルコキシシランは入手困難であることから、およそ1.30程度以上とするとよい。
また、その位相差層113におけるアルコキシシランの含有量も重要となり、位相差層113中に含まれる液晶化合物100質量部に対して2.0質量部以上14.0質量部以下の範囲とする。また、この含有量は、液晶化合物100質量部に対して3.0質量部以上7.0質量部以下の範囲であることが好ましく、5.0質量部程度であることがより好ましい。含有量が2.0質量部未満であると、位相差層113の屈折率を十分に低下させることができず干渉縞の発生を有効に抑制することができない。一方で、含有量が14.0質量部を超えると、干渉縞を有効に抑制できなくなるだけでなく、その配向性を悪化させる可能性があり好ましくない。
(溶媒)
低屈折率材料であるアルコキシシランは、通常、溶媒に溶かされている。溶媒としては、液晶化合物等を均一に分散できるものであれば特に限定されるものではなく、第1実施形態について上述した各種の溶剤を適用することができる。
溶媒の量は、液晶化合物100質量部に対して66質量部以上900質量部以下であることが好ましい。溶媒の量が66質量部未満であると、液晶化合物を均一に溶かすことができない可能性があり好ましくない。一方で、900質量部を超えると、溶媒の一部が残存し、信頼性が低下する可能性、及び均一に塗工できない可能性があり好ましくない。
<2.位相差フィルムの製造方法>
パターン位相差フィルム101は、第1実施形態について上述したパターン位相差フィルム1と同一に作成することができる。
なお本実施の形態においては、位相差層形成用塗工液、すなわち液晶組成物として、液晶化合物と共に、アルコキシシランを液晶化合物100質量部に対して2.0質量部以上14.0質量部以下の範囲で含有する組成物を用いる。このような液晶組成物をパターン配向層12上に塗工して位相差層113を形成することで、その位相差層113に添加したアルコキシシランによって位相差層113の屈折率を低下させて、膜の屈折率差による干渉縞の発生を抑制することができる。
[実施例2−1]
基材として、表面に防眩処理が施されたTACフィルム60μm(屈折率1.48)を用い、その裏面側に、硬化後の膜厚が200nmとなるように、ポリビニルシンナメート(PVCi)基を有する光配向材料を含有した光配向膜組成物(溶剤として酢酸イソブチルを使用)をダイコート法により塗布した。そして、100℃で調整した乾燥機内で2分間乾燥させ、溶媒を蒸発させるとともに組成物を熱硬化させて光配向膜(屈折率1.56)を形成した。
続いて、この光配向膜に対して、積算光量が40mJ/cmの偏光紫外線を原反の搬送方向と平行な方向に約500μm間隔のパターン状に照射して、厚さ200nmのパターン配向層を形成した。なお、偏光紫外線は、偏光軸がフィルムの搬送方向に対して±45度の角度を持ったものとした。
次に、形成したパターン配向層上に、屈折率1.37で分子量136.9であるアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン)(商品名:KBM13,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有する光重合性ネマチック液晶(重合液晶単独の屈折率1.62,商品名:licrivue(登録商標)RMS03−013C,メルク社製)の液晶組成物(希釈溶媒としてMIBK使用)をダイコート法により塗布して乾燥させた。その後、紫外線照射により重合させて厚さ1μmの位相差層を形成し、位相差フィルムを得た。
[実施例2−2]
屈折率1.42で分子量262.5であるアルコキシシラン(デシルトリメトキシシラン)(商品名:KBM3103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例2−3]
屈折率1.35で分子量218.2であるアルコキシシラン(トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)(商品名:KBM7103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例2−4]
屈折率1.42で分子量262.5であるアルコキシシラン(デシルトリメトキシシラン)(商品名:KBM3103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して3.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例2−5]
屈折率1.42で分子量262.5であるアルコキシシラン(デシルトリメトキシシラン)(商品名:KBM3103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して7.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[実施例2−6]
屈折率1.42で分子量262.5であるアルコキシシラン(デシルトリメトキシシラン)(商品名:KBM3103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して10.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−1]
屈折率1.39で分子量570.3であるアクリルモノマー(商品名:LINC−162A,共栄社化学(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−2]
屈折率1.45で分子量114.1であるアクリルモノマー(商品名:ライトエステルM−3F,共栄社化学(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−3]
屈折率1.43で分子量236.3であるシランカップリング剤(商品名:KBM403,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−4]
屈折率1.42で分子量221.4であるシランカップリング剤(商品名:KBE903,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−5]
Si系レベリング剤(商品名:BYK323,BYK社製)を液晶化合物100質量部に対して0.15質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−6]
Si系レベリング剤(商品名:BYK323,BYK社製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−7]
Si系レベリング剤(商品名:KP341,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して0.15質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−8]
Si系レベリング剤(商品名:KP341,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して5.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−9]
屈折率1.42で分子量262.5であるアルコキシシラン(デシルトリメトキシシラン)(商品名:KBM3103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して1.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
[比較例2−10]
屈折率1.42で分子量262.5であるアルコキシシラン(デシルトリメトキシシラン)(商品名:KBM3103,信越化学工業(株)製)を液晶化合物100質量部に対して15.0質量部の割合で含有させたこと以外は、実施例2−1と同様にして位相差フィルムを得た。
≪評価≫
実施例及び比較例にて得られた位相差フィルムについて、干渉縞の発生の程度及び配向性を評価した。
干渉縞に関しては、黒アクリル板に位相差層面側を貼合し、蛍光灯下にて基材側からの干渉縞の目視評価(外観評価)を行い、干渉縞発生が大幅に改善されたものを『◎』、干渉縞発生がやや改善されたものを『○』、干渉縞発生の改善効果が少なかったものを『△』、干渉縞発生の改善効果が全くなかったものを『×』として、『◎』及び『○』のものを良好、『△』及び『×』のものを不良と評価した。
配向性に関しては、位相差測定装置AxoStep(アクソメトリクス社製)を用いて9点の測定サンプルについて光軸測定したときの、その微小領域における光軸の面内バラツキに基づいて評価した。光軸のバラツキは、測定したサンプルの光軸の標準偏差(σ)で定義され、σ値(単位:°)が1.0未満を『◎』、1.0以上1.5未満を『○』、1.5以上2.0未満を『△』、2.0以上を『×』として、『◎』及び『○』のものを配向性が良好、『△』及び『×』のものを配向性が不良と評価した。
下記表1に、位相差層への添加化合物及びその添加量(液晶化合物100質量部に対する割合)と、位相差フィルムの干渉縞の発生及び配向性についての評価をまとめて示す。
Figure 0006586882
表1の実施例の結果に示されるように、位相差層にアルコキシシラン(屈折率1.35〜1.42)を含有させた実施例2−1〜2−6における位相差フィルムでは、効果的に干渉縞の発生が抑制され、また配向性も良好なものであった。
一方で、アルコキシシランに代えて、アクリルモノマーを位相差層に含有させた比較例2−1、2−2では、その絶対屈折率が1.4前後とアルコキシシランと同等であっても、干渉縞の発生を抑制することができないことが分かる。また同様に、同等の絶対屈折率を有するシランカップリング剤やSi系レベリング剤を位相差層に含有させた場合(比較例2−3〜2−8)においても、効果的に干渉縞の発生を抑制することができないことが分かる。また、これらレベリング剤等を実施例におけるアルコキシシランと同等の添加量(5.0質量部程度)で添加すると、配向しなくなることが分かった。
また、アルコキシシラン(屈折率1.42)を位相差層に含有させた場合であっても、その含有量が1.0質量部、15.0質量部であると(比較例2−9、比較例2−10)、干渉縞の発生の抑制効果は小さくなることが分かり、さらに含有量が多すぎると配向性の低下がみられることが分かった。
<第3実施形態>
<1.パターン位相差フィルムの構成>
図6は、本発明の第3実施形態に係るパターン位相差フィルム201の一例を示す図である。この実施形態では、このパターン位相差フィルム201により画像表示装置、3D画像表示システムが構成される。
ここで、パターン位相差フィルム1は、基材212の一方の面上に、配向層213、位相差層214が順次設けられる。図示しないが、必要に応じてさらに感圧接着剤層、セパレータフィルムが積層されていてもよい。この場合、パターン位相差フィルム1は、セパレータフィルムを引き剥がして感圧接着剤層が露出され、感圧接着剤層により画像表示パネルのパネル面に貼り付けられて保持される。
基材212として、本発明においては、PMMAなどのアクリル系透明基材が好ましく用いられる。アクリル系透明基材の屈折率は1.40から1.60程度である。アクリル系透明基材は、基材厚さ方向に屈折率差がなく、寸法収縮率の対湿度依存性が低い材料であるのでTACに比べてフィルム厚さを薄くでき、3Dパネルの視野角拡大に貢献できる。アクリル系透明基材フィルムの厚さは、好ましくは120m以下、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは80μm以下である。しかしながら、フィルム厚さが薄くなることによって、逆に位相差層と透明基材との干渉縞が見え易くなるという課題が発生しやすくなる。
パターン位相差フィルム1は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層214が形成され、この液晶材料の配向を配向層213の配向規制力によりパターニングする。なおこの液晶分子の配向を図6では細長い楕円により誇張して示す。このパターニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域、第1位相差領域)13Aと左目用の領域(第2の領域:第2位相差領域)13Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、たとえば、光配向材料により光配向材料層が作製された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向材料層に直線偏光による紫外線を照射し、これにより光配向の手法を適用して配向層213が形成される。ここで、この光配向材料層に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域13Aと左目用の領域13Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層214に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域13A及び左目用の領域13Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこの光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」(Rolic technologies Ltd.社製)の商品名により既に市販されている。
また、位相差層に用いられる重合性液晶としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、あるいはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。中でも、プロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらにまた、液晶材料は、末端に上記重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶材料を用いることにより、例えば、互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた上記を形成できるからである。なお、本発明においては片末端に重合性官能基を有する液晶材料を用いた場合であっても、他の分子と架橋して配列安定化することができる。
さらにこの実施形態において、パターン位相差フィルム1は、基材212の他方の面に、反射防止層215が順次設けられる。なお、図示しないが、必要に応じて、反射防止層215上に保護フィルムが形成されていてもよい。保護フィルムは、生産過程において、この反射防止層215の他の部位への張り付きを防止し、さらには生産過程、搬送過程において、パターン位相差フィルム1の傷つきを防止するために配置される。保護フィルムは、その後の工程である光学特性(欠陥)の検査の妨げにならないように、透明であって、かつ配向性の小さなフィルムが適用される。より具体的に、ポリエチレンフィルム、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム等を適用することができる。
本発明における反射防止層215は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層である。反射率(Y値)としては2%以下であることが好ましい。なお、基材と低反射率層との間にハードコート層などが更に積層されていてもよい。クリア系反射防止層とは、上記のように、反射防止層の他の例である防眩層(アンチグレア:AGともいう。一般にヘイズが1%以上)とは異なり、クリア系反射防止層は低ヘイズであるので干渉縞が見え易い。なお、本発明におけるヘイズ値は、透明基材上に反射防止層を積層した状態で測定した値であり、ここで、一般に透明基材自体のヘイズは0.5%以下程度である。なお、本発明においては、パターン位相差フィルム1のヘイズも0.5%以下であることが好ましい。
クリア系反射防止層としては、上記の特許文献3や4に記載されているものでヘイズ値が0.5%以下であるものを選択すればよく特に限定されない。市販品としては、TAC基材ベースのクリアLR CV−LC(富士フイルム社製)や、ReaLook(日油社製)などが使用できる。
図7は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材212が提供され、この基材212をロールより引き出して順次クリア系反射防止処理することによりクリア系反射防止層215が作製される(SP1−SP2)。続いてこの製造工程は、一旦、基材212をロールに巻き取って光配向層の成層工程に基材212を搬送し、又は直接に基材212を光配向層の成層工程に搬送し、光配向材料層が順次作製される(SP3)。ここで、光配向材料層は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた塗工液をダイ等により塗工した後、乾燥して作製される。
続いてこの製造工程は、露光工程により紫外線を照射して光配向層213が作製される(SP4)。ここで、露光工程では、マスクを使用した直線偏光による紫外線の照射により、右目用領域又は左目用領域に対応する領域を選択的に露光処理した後、偏光方向が直交する直線偏光による紫外線を全面に照射することにより、実行される。
続いてこの製造工程は、位相差層作製工程において、ダイ等により液晶材料の塗工液を塗工した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層214が作製される(SP5)。続いて巻き取り工程(SP6)において、クリア系反射防止層215、配向層213、位相差層214を作製してなる基材212をロールに巻き取る。これにより光学フィルムであるパターン位相差フィルムの中間製品が完成する。
この製造工程は、この中間製品であるロールを切断工程に搬送し、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される(SP7)。なおパターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルの出射面側に配置される直線偏光板と一体化して液晶表示パネルの製造工程に供給される場合もあり、この場合は、ロールから引き出された基材212に直線偏光板に係る光学機能層が設けられた後、切断工程により所望の大きさに切断される。また液晶表示パネルのパネル面への配置に係る粘着層やUV接着剤による偏光子貼合等を設ける場合もあり、この場合もロールから引き出された基材212に粘着層、セパレータフィルム等が設けられた後、切断工程により所望の大きさに切断される。この製造工程は、このようにして生産したパターン位相差フィルム1が、製品検査工程により検査されて出荷される(ステップSP8−SP9)。
<位相差層の構成>
本発明においては、位相差層214が、重合性液晶材料を重合してなる重合液晶と、所定の屈折率を有する微粒子とを含有する。ここで、上記のように、透明基材212の屈折率は、アクリル系透明基材が1.50程度、TAC基材が1.48程度であり、概ね1.45から1.55程度である。一方、重合液晶の屈折率は、1.55から1.75程度と高い。この屈折率差により、位相差層と透明基材との薄膜干渉による干渉縞が発生する。
そこで、図6の拡大断面図である図8に示すように、本発明においては、位相差層214において、重合液晶の屈折率より低い屈折率を有する微粒子214aを含有させることで、位相差層の屈折率を低下させて干渉縞を抑制する。この微粒子の屈折率は1.3以上1.7以下であることが好ましい。1.3未満だと位相差層の屈折率との差が大きいため内部散乱により白濁しやすいので好ましくなく、1.7を超えると屈折率の調整が困難であるので好ましくない。なお、透明基材との屈折率差である、透明基材の屈折率−位相差層の平均屈折率は、0.01以上0.1以下であることが、干渉縞を抑制する点から好ましい。
また、微粒子214aの平均粒径は前記位相差層の膜厚より大きくすることで、位相差層214の表面に凹凸を形成して干渉縞を抑制できる。具体的には、位相差層214の微粒子を除いた部分の平均厚さを0.7から1.3μmとして、微粒子214aの平均粒径を1.0から2.0μmとすることで凹凸を形成することが好ましい。位相差層214の微粒子を除いた部分の平均厚さ−微粒子214aの平均粒径としては0.3から1.3μmであることが好ましい。
微粒子としては特に限定されず、シリカ、アルミナ、ジルコニア、金、酸化亜鉛などが使用できるが、コスト、耐久性、屈折率の観点から、シリカ、中空シリカが好ましく用いられる。
位相差層214における微粒子の含有量は、干渉縞、ブロッキング性の観点から0.01質量%以上、ヘイズ、液晶配向性の観点から10質量%以下であることが好ましい。
微粒子の含有によって、位相差層214の表面凹凸としては、表面粗さRaが3nm以上200nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは5nm以上150nm以下であることが好ましい。
〔第3実施形態の他の例〕
なお上述した第3の実施形態においては、反射防止層215、透明基材212、配向膜3、重合液晶を含む位相差層214がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルム1の態様について説明したが、本発明はこれに限らず、他の実施形態として、図9に拡大断面図を示すように、反射防止層215、重合液晶を含む位相差層214、配向膜3、透明基材212がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルム201Aとすることができる。
このようなパターン位相差フィルム1Aにおいても、各層については、第1の実施形態と同様の構成とすることができる。つまり、反射防止層215は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層であり、反射率(Y値)としては好ましくは2%以下のものである。また、位相差層214は、重合性液晶材料を重合してなる重合液晶と、重合液晶の屈折率より低い屈折率を有する微粒子214aとを含有する。このような構成のパターン位相差フィルム1Aによれば、位相差層の屈折率を低下させて干渉縞を効果的に抑制することができる。
このパターン位相差フィルム1Aの製造方法としては、先ず、ロールに巻き取った長尺フィルムから提供された基材212に光配向材料層を作製し、露光工程により紫外線を照射して光配向層213を作製する。続いて、その光配向層上に液晶材料の塗工液を塗工した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させて位相差層214を作製する。そして、このようにして作製された、基材212、配向層213、位相差層214が順次積層されたパターン位相差フィルムに対して、その位相差層214上(配向層213とは反対側の面)に対してクリア系反射防止処理することによりクリア系反射防止層215を作製する。以上のような方法により、反射防止層215、重合液晶を含む位相差層214、配向膜3、透明基材212がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルム1Aを製造することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例3−1>
図6、図8の構成のパターン位相差フィルムを作製した。ここで、基材212及び反射防止層215は、アクリルフィルム40μm(屈折率1.50)上に形成されたクリアHC(ハードコート)と低反射防止層の積層体(10μm)である(ヘイズ0.3%)。この反射防止層と反対側の面の透明基材上に、配向層213(日産化学工業WO2011/126022(A)に記載される、光配向性基及びヒドロキシル基を有する化合物(低分子)、(B)ポリマー、架橋剤(C)の混合物)の塗工液をダイコーティングにより塗布乾燥した後、20mJ/cmの光量による直線偏光による紫外線をパターン照射して厚さ0.1μm程度の配向層213を作製した。このときの直線偏光光は、搬送方向MDに対して±45度の角度を持った光とした。
次に、位相差層214として、屈折率が1.50で平均粒径1.5μmのシリカ微粒子を固形分質量比で1%含有する光重合性ネマチック液晶(重合液晶単独の屈折率1.62:商品名:licrivue(登録商標)RMS03−013C,メルク社製)の液晶層組成物(希釈溶剤としてMIBK使用)を、ダイコーティングにより配向膜3上に塗布して乾燥させ、その後UV照射により重合させてパターン位相差フィルムを得た。
実施例3−1の位相差層214全体の屈折率は1.59、位相差層214の微粒子を除いた部分の平均厚さは1μmであった。
<実施例3−2>
実施例3−1において、屈折率が1.45で平均粒径2.0μmのシリカ微粒子を固形分質量比で0.5%含有させた以外は実施例3−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
実施例3−2の位相差層214全体の屈折率は1.55、位相差層214の微粒子を除いた部分の平均厚さは1μmであった。
<実施例3−3>
実施例3−1において、屈折率が1.40で平均粒径0.07μmの中空シリカ微粒子を固形分質量比で0.1%含有させた以外は実施例3−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
実施例3−3の位相差層214全体の屈折率は1.53、位相差層214の微粒子を除いた部分の平均厚さは1μmであった。
<実施例3−4>
図9の拡大断面図に示す構成のパターン位相差フィルムを作製した。すなわち、反射防止層215、位相差層214、配向膜3、透明基材212がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルムとしたこと以外は、実施例3−1と同様にして作製した。
具体的には、アクリルフィルム40μm(屈折率1.50)からなる透明基材上に、配向層213の塗工液をダイコーティングにより塗布乾燥した後、20mJ/cmの光量による直線偏光による紫外線をパターン照射して厚さ0.1μm程度の配向層213を作製した。次に、位相差層214として、屈折率が1.50で平均粒径1.5μmのシリカ微粒子を固形分質量比で1%含有する光重合性ネマチック液晶(重合液晶単独の屈折率1.62)の液晶層組成物を、ダイコーティングにより配向膜3上に塗布して乾燥させ、その後UV照射により重合させてパターン位相差フィルムを得た。そして、その後、得られたパターン位相差フィルムの位相差層214上にクリア系反射防止処理を施して低反射防止層を作製し、さらにクリアHC(ハードコート)(表面材)を積層してパターン位相差フィルムを作製した。なお、各層を構成する塗工液等の材料は、実施例3−1と同様のものを用いた。
実施例3−4の位相差層214全体の屈折率は1.59、位相差層214の微粒子を除いた部分の平均厚さは1μmであった。
<比較例3−1>
実施例3−1において、微粒子を含有させなかった以外は実施例3−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
比較例3−1の位相差層214全体の屈折率は1.62、位相差層214の平均厚さは1μmであった。
<試験例>
実施例3−1において、微粒子を15%含有させた以外は実施例3−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
試験例3−1の位相差層214全体の屈折率は1.57、位相差層214の平均厚さは1μmであった。
[評価]
実施例及び比較例、並びに試験例のパターン位相差フィルムについて、CIE表色系の視認反射率である反射Y値(%):(株)島津製作所製分光光度計(UV−3100PC)を用いて、入射角と反射角がそれぞれ、5度のときの反射Y値(%)を測定した。また、位相差層の表面凹凸測定による表面粗さRa値(表面粗さ測定機SE−3400(小坂研究所製))の評価と、黒アクリル板に位相差層面側を貼合し、蛍光灯下にて反射防止層側からの干渉縞の目視評価、を行った。また、ヘイズメーター(HM−150:村上色彩製)にて位相差層形成後のフィルムのヘイズ(%)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006586882
表1の結果から、位相差層214の屈折率を、透明基材212の屈折率である1.50に近付けた本発明のパターン位相差フィルムにおいては、干渉縞の発生が抑制されていることが理解できる。なお、Y値の値も低いことから、実施例においては内部反射も抑制されていることが理解できる。
<第4実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態に係る位相差フィルム301の一例を示す図である。この実施形態では、この位相差フィルム301により画像表示装置、3D画像表示システムが構成される。
ここで、パターン位相差フィルム301は、基材312の一方の面上に、配向層313、位相差層314が順次設けられる。図示しないが、必要に応じてさらに感圧接着剤層、セパレータフィルムが積層されていてもよい。この場合、パターン位相差フィルム1は、セパレータフィルムを引き剥がして感圧接着剤層が露出され、感圧接着剤層により画像表示パネルのパネル面に貼り付けられて保持される。また基材312の他方の面に、反射防止層5が順次設けられる。
パターン位相差フィルム301は、基材312、配向層313、反射防止層315が第3実施形態について上述したパターン位相差フィルム201の基材212、配向層213、反射防止層215と同一に構成される。また位相差層314は、アルコキシシランを含有していない点を除いて、第3実施形態について上述したパターン位相差フィルム201の位相差層214と同一に構成される。
これによりこの実施形態では、パターン位相差フィルム301は、反射防止層315が、ヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層により構成される。パターン位相差フィルム301は、さらに以下の条件を満足するように各層の屈折率が設定される。
<各層の屈折率>
本発明においては、透明基材の屈折率をn、配向層の屈折率をn、位相差層の屈折率をnとした場合に、
<n<nであって、
とnの平均値であるnAVE=(n+n)/2に対して、
AVE+0.01>n>nAVE−0.01
を満たすように、前記配向層が形成されていることを特徴としている。すなわち、配向層の屈折率を、透明基材の屈折率と位相差層の屈折率との略中間値とすることで、干渉縞の発生を抑制することができる。
透明基材の屈折率nは、アクリル系透明基材で1.50程度、TACで1.48程度であり、一般には1.45から1.55程度である。一方、重合液晶の屈折率は、1.55から1.75程度と高い。この屈折率差により、位相差層の薄膜干渉による干渉縞が発生する。そこで、本発明においては、中間の配向層の屈折率を調整して両者の略中間値、具体的には中間±0.01の範囲内に調整する。
より具体的な実施態様を図10の拡大断面図である図11(a)(b)に示す。図11(a)は第1実施態様であり、図11(b)は第2実施態様である。
図11(a)は、配向層を構成する光2量化型の液晶材料自体の硬化後の屈折率を選択するものであり、例えば、アクリル系透明基材が屈折率1.50であり、位相差層の屈折率が1.60の場合には、中間値1.55±0.01の屈折率を有する液晶材料を選択するものである。配向層を構成する高分子材料には、屈折率1.72の(特許第4689201号記載の実施例1に記載される)アゾベンゼン誘導体による光配向層、屈折率1.56の(「ROP-103」(Rolic technologies Ltd.社製)末端基が水素又は光反応性基である光反応性デンドリマーなど、種々の屈折率のものが存在することが知られているので、これらのなかから本願に必要な屈折率を適宜選択することができる。
一方、図11(b)は、配向層330として、上記の高分子材料以外に屈折率調整のための添加剤330aを含有する例であり、この態様によっても配向層全体の屈折率を調整できる。添加剤330aの屈折率は適宜選択でき、上記の高分子材料自体の硬化後の屈折率が目標屈折率nより高い場合には、それより低い低屈折材料を選択すればよく、上記の高分子材料自体の硬化後の屈折率が目標屈折率nより低い場合には、それより高い低屈折材料を選択すればよい。
添加剤としては特に限定されず、シリカ、酸化アルミナ、ジルコニア、金、酸化亜鉛などが使用できるが、コスト、耐久性、屈折率の観点から、シリカ、中空シリカが好ましく用いられる。
添加剤の平均粒径は、位相差層の屈折率調整の観点から0.5μm以上、配向性、ヘイズ抑制の観点から2.5μm以下であることが好ましい。
微粒子の含有量は、屈折率調整(干渉縞)の観点から0.01質量%以上、ヘイズ、液晶配向性の観点から10質量%以下であることが好ましい。
〔第4実施形態の他の例〕
なお上述した第4の実施形態においては、反射防止層315、透明基材312、配向層313、重合液晶を含む位相差層314がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルム301の態様について説明したが、本発明はこれに限らず、他の実施形態として、図12に拡大断面図を示すように、反射防止層315、重合液晶を含む位相差層314、配向層313、透明基材312がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルム301Aとすることができる。
このようなパターン位相差フィルム301Aにおいても、各層については、第1の実施形態と同様の構成とすることができる。つまり、反射防止層315は、JISK7105によるヘイズ値が0.5%以下のクリア系反射防止層であり、反射率(Y値)としては好ましくは2%以下のものである。そして、各層の屈折率について、透明基材の屈折率をn、配向層の屈折率をn、位相差層の屈折率をnとした場合に、
<n<nであって、
とnの平均値であるnAVE=(n+n)/2に対して、
AVE+0.01>n>nAVE−0.01
を満たすように、配向層が形成されていることを特徴としている。このような構成のパターン位相差フィルム301Aによれば、配向層の屈折率を、透明基材の屈折率と位相差層の屈折率との略中間値とすることで、干渉縞の発生を効果的に抑制することができる。
このパターン位相差フィルム301Aの製造方法としては、先ず、ロールに巻き取った長尺フィルムから提供された基材312に光配向材料層を作製し、露光工程により紫外線を照射して光配向層313を作製する。続いて、その光配向層上に液晶材料の塗工液を塗工した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させて位相差層314を作製する。そして、このようにして作製された、基材312、配向層313、位相差層314が順次積層されたパターン位相差フィルムに対して、その位相差層314上(配向層313とは反対側の面)に対してクリア系反射防止処理することによりクリア系反射防止層315を作製する。以上のような方法により、反射防止層315、重合液晶を含む位相差層314、配向層313、透明基材312がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルム301Aを製造することができる。
〔実施例〕
<実施例4−1>
図11(a)の構成のパターン位相差フィルムを作製した。ここで、基材312及び反射防止層315は、アクリルフィルム40μm(屈折率1.50)上に形成されたクリアHC(ハードコート)と低反射防止層の積層体10μm(商品名ReaLook反射率1.0%:日油社製)である。この反射防止層と反対側の面の透明基材上に、配向層313(屈折率1.56の(「ROP-103」(Rolic technologies Ltd.社製)の塗工液をダイコーティングにより塗布乾燥した後、20mJ/cmの光量による直線偏光による紫外線をパターン照射して厚さ0.1μmの配向層313を作製した。このときの直線偏光光は、搬送方向MDに対して±45度の角度を持った光とした。
次に、位相差層314として、光重合性ネマチック液晶(重合液晶単独の屈折率1.60)の液晶層組成物(希釈溶剤としてMIBK使用)を、ダイコーティングにより配向層313上に塗布して乾燥させ、その後UV照射により重合させて厚さ1μmの位相差層を形成してパターン位相差フィルムを得た。
<実施例4−2>
実施例4−1において、屈折率1.52の光2量化高分子材料を用い、そこに屈折率が1.57で平均粒径1.5μmの酸化アルミナ微粒子を、屈折率調整微粒子として質量比で1%含有させて配向層全体の屈折率を1.54に調整した以外は実施例4−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
<実施例4−3>
図12の拡大断面図に示す構成のパターン位相差フィルムを作製した。すなわち、反射防止層315、位相差層314、配向層313、透明基材312がこの順で積層されてなるパターン位相差フィルムとしたこと以外は、実施例4−1と同様にして作製した。
具体的には、アクリルフィルム40μm(屈折率1.50)からなる透明基材上に、配向層313(屈折率1.56)の塗工液をダイコーティングにより塗布乾燥した後、20mJ/cmの光量による直線偏光による紫外線をパターン照射して厚さ0.1μm程度の配向層313を作製した。次に、位相差層314として、光重合性ネマチック液晶(重合液晶単独の屈折率1.60)の液晶層組成物を、ダイコーティングにより配向層313上に塗布して乾燥させ、その後UV照射により重合させて厚さ1μmの位相差層を形成してパターン位相差フィルムを得た。そして、その後、得られたパターン位相差フィルムの位相差層314上にクリア系反射防止処理を施して低反射防止層を作製し、さらにクリアHC(ハードコート)(表面材)を積層してパターン位相差フィルムを作製した。なお、各層を構成する塗工液等の材料は、実施例4−1と同様のものを用いた。
<比較例4−1>
実施例4−1において、位相差層314として、光重合性ネマチック液晶(重合液晶単独の屈折率1.58)の液晶層組成物(溶剤としてMIBK使用)を単独で用いた以外は実施例4−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
<比較例4−2>
実施例4−2において、配向層に微粒子を15%含有させた以外は実施例4−1と同様にしてパターン位相差フィルムを得た。
比較例4−2の配向層全体の屈折率は1.52であった。
[評価]
実施例4−及び比較例のパターン位相差フィルムについて、CIE表色系の視認反射率である反射Y値(%):(株)島津製作所製分光光度計(UV−3100PC)を用いて、入射角と反射角がそれぞれ、5度のときの反射Y値(%)を測定した。黒アクリル板に位相差層面側を貼合し、蛍光灯下にて反射防止層側からの干渉縞の目視評価、を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006586882
表4の結果から、配向層313の屈折率を、透明基材312の屈折率である1.50と位相差層314の1.60との中間値1.55に近付けた本発明のパターン位相差フィルムにおいては、干渉縞の発生が抑制されていることが理解できる。なお、Y値の値も低いことから、実施例においては内部反射も抑制されていることが理解できる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、垂直方向に順次右目用及び左目用の画素を設定して第1及び第2の領域を帯状に作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、右目用及び左目用の画素の割り当てを垂直方向及び水平方向に実行して、画素単位の市松模様の配置により第1及び第2の領域を設定する場合にも広く適用することができる。
また、上述の実施形態では、光配向の手法により配向層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、賦型処理により微細な凹凸形状を作製して配向層を作製する場合にも広く適用することができる。
また、上述の実施形態では、液晶表示パネルによる画像表示パネルに配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機EL素子による画像表示パネル、プラズマディスプレイによる画像表示パネルに配置する場合等にも広く適用することができる。この場合、これらの画像表示パネルからの出射光を先ず直線偏光板により直線偏光に変換した後、パターン位相差フィルムを透過させることになり、この直線偏光板とパターン位相差フィルムと貼り合せて、直線偏光板を含むようにしてパターン位相差フィルムを提供するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、パターン状の位相差層を備えた位相差フィルムであるパターン位相差フィルムに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、何ら位相差層がパターンニングされていない、例えば1/4波長板、1/2波長板等の各種Aプレート等にも広く適用することができる。またこのようなAプレートにあっては、例えば円偏光板のように、直線偏光板と組み合わせて画像表示装置に適用される場合があることにより、この直線偏光板とAプレート等を構成する位相差フィルムと貼り合せて、位相差フィルムを含むようにして偏光板を提供するようにしてもよい。
1、101、201、301 パターン位相差フィルム
11、111、212、312 基材
12、112、213、313、330 配向層
13、113、214、314 位相差層
214a 微粒子
215、315 反射防止層
330a 添加剤

Claims (10)

  1. 基材と、光配向材料を含有する配向層と、液晶化合物を含有する位相差層とを含む位相差フィルムであって、
    前記配向層は、前記光配向材料100質量部に対し、屈折率1.60以上のエポキシモノマーを3.0質量部以上8.0質量部以下の割合で含有する光配向層組成物の硬化物である位相差フィルム。
  2. 前記光配向材料は、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有する光二量化材料である請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記エポキシモノマーは、その屈折率が1.70以上である請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
  4. 光軸測定したときの、標準偏差(σ)で定義される光軸の面内バラツキが、1.5未満である請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の位相差フィルム。
  5. 前記配向層が、配向パターンを有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4の何れかに記載の位相差フィルム。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載の位相差フィルムを備える偏光板。
  7. 請求項1から請求項5の何れかに記載の位相差フィルムを備える画像表示装置。
  8. 請求項7に記載の画像表示装置を備える3D画像表示システム。
  9. 基材と、光配向材料を含有する配向層と、液晶化合物を含有する位相差層とを含む位相差フィルムの製造方法であって、
    前記光配向材料100質量部に対して屈折率1.60以上のエポキシモノマーを3.0質量部以上8.0質量部以下の割合で含有する配向層組成物を用い、前記基材上に該配向層組成物を塗工して硬化させることで前記配向層を形成する位相差フィルムの製造方法。
  10. 位相差フィルムにおける光配向材料を含有する配向層を形成するための光配向層組成物であって、
    前記光配向材料100質量部に対して屈折率1.60以上のエポキシモノマーを3.0質量部以上8.0質量部以下の割合で含有する
    光配向層組成物。
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