本発明に係る音響システムは、複数の音響機器を備えたシステムであり、音声信号を外部機器に出力するか、若しくは音として出力することから音声出力システムなどとも言える。この音響機器としては、スピーカ機器、音声アンプ、音声処理装置などが挙げられる。上記音声アンプはスピーカ機器に接続され、スピーカ機器に対して音声を出力する。また、上記音声処理装置は、音声信号に様々な処理を施し、アナログ又はデジタルの音声信号として出力する装置を指す。音響機器は、外部から無線通信又は有線通信により送信された音声信号を受信する通信部を有する。音響システムには、無線の通信部を有する音響機器と有線の通信部を有する音響機器が混在してもよい。
また、音声信号を音響機器に対して出力するソース機器としては、CD(Compact Disc)プレーヤ、SACD(Super Audio CD)プレーヤ、BD(Blu-ray Disc;登録商標)プレーヤ、HDD(Hard disk drive)プレーヤなどの各種音声再生装置や、テレビ装置、ラジオ、設置型PC(Personal Computer)、モバイルPC、タブレット端末、携帯電話機(スマートフォンと呼ばれるものも含む)、さらにはインターネットラジオ放送とも呼ばれるストリーミング配信サービスの受信機などが挙げられる。ここで、音声再生装置としては、ネットワーク上のサーバに格納された楽曲ファイルをネットワーク経由で受信し、スピーカ機器に有線/無線で伝送するようなネットワークプレーヤも挙げられる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る音響システムについて説明する。以下では、基本的に本発明に係る音響機器としてスピーカ機器を例に挙げて説明するが、以下の説明は、上記音響システムに含まれる本発明に係る音響機器としては音声アンプ(AVアンプに含まれることもある)や他の音声処理装置も同様に援用できる。また、上記音響システム内に複数種類の音響機器が混在しても構わない。また、以下において「発音スピーカ機器」として説明する機器は、音響機器としてスピーカ機器が採用された場合における、上記音響システム内の音声(音声信号である場合も含む)を出力中の音響機器(出力中機器)を指す。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る音響システム(以下、本システム)の一構成例を示すブロック図である。
本システムは、複数のスピーカ機器2と、それら複数のスピーカ機器2に対して音声信号を無線通信で送信するソース機器1と、を備える。但し、上述のように無線通信の代わりに有線での通信を採用することもできる。なお、図1ではこれら複数のスピーカ機器2の中の1つのみを図示しているが、ソース機器1とスピーカ機器2が1対多の関係で設けられていればよい。また、各スピーカ機器2は、ソース機器1から送信された音声信号が示す音声を出力することが可能となっていればよい。
ソース機器1は、その全体を制御する制御部10を備えると共に、無線通信部15を備える無線送信機である。制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成される。無線通信部15を備えることにより、ソース機器1を、スピーカ機器2に対して音声信号を無線通信で送信する無線送信機として機能させることができる。
また、本構成例のソース機器1は、出力対象の音声コンテンツ(音声信号)を入力するために音声入力部を備える。なお、音声信号とは、音や音楽(楽曲)等を示す信号を指す。この音声入力部の例として、ここでは音声入力端子11、通信部12、及び音声入力処理部13を備えた例を挙げるが、音声入力端子11と通信部12とは一方が設けられていればよい。
音声入力端子11としては、例えばHigh-Definition Multimedia Interface(HDMI;登録商標。以下同様。)端子など、様々な規格の入力端子が適用できる。通信部12は、有線、無線を問わず、LAN(Local Area Network)、Wi−Fi、Blutoothなどの規格に基づき外部と通信して音声コンテンツを受信するための部位である。通信部12により例えばインターネットラジオ放送を受信するように構成することもできる。無論、通信部12と無線通信部15とは双方Wi−Fi規格を採用するなど同じ規格を用いることもできるが、その場合には音声信号の受信と送信とでの混信を避けるためにMAC(Media Access Control address)アドレス等の識別子を異ならせておけばよい。
音声入力処理部13は、音声入力端子11又は通信部12から入力された音声信号に対し、後述する信号処理部14での処理フォーマットに合うように変換する部位であり、例えばアナログ信号をデジタル信号に変換する処理などを行う。また、ソース機器1には、上記音声入力端子11や通信部12に加えて、若しくはそれらの一方又は双方の代わりとして、音声コンテンツを格納する記憶装置とその記憶装置から音声コンテンツを読み出して再生処理する音声再生部とを備えることもできる。
さらに、ソース機器1は、音声入力処理部13から出力された音声信号に対して所定の信号処理を行う信号処理部14を備える。信号処理部14での所定の信号処理としては、例えば入力された音声信号に対し、ユーザ操作に応じて音質を変更する処理、音場を作成する処理など、各チャンネルの音声信号を送信前に補正する補正処理が挙げられる。無論、信号処理部14での信号処理は、後述する信号処理部22での所定の信号処理とは異なる処理である。なお、信号処理部14や後述の信号処理部22はDSP(Digital Signal Processor)で構成されることが多い。
信号処理部14は、信号処理後の音声信号を無線通信部15に渡し、無線通信部15に無線伝送を実行させる。無論、このような制御は制御部10が行うようにしてもよい。無線通信部15は、信号処理部14から入力した音声信号を、各スピーカ機器2に無線通信で送信する。
さらに、本構成例のソース機器1は、ユーザ操作を受け付けてその操作信号を制御部10に渡す操作部16と、各種情報を表示する表示部17と、を備える。操作部16としては、ソース機器1の本体に設けられたボタン、リモコンからの赤外線信号やBlutooth等の短距離無線の信号を受信する受信部、タブレットや携帯電話機(スマートフォンを含む)や携帯情報端末等の携帯端末装置3や設置型の端末装置から無線通信により制御信号を受信する受信部などが挙げられる。これらの受信部としては通信部12を利用してもよい。表示部17では、操作部16での操作に係わる情報(例えば選択対象となるコンテンツや入力ソース、変更対象となる音量や音質などの情報)や操作部16での操作結果を表示する。また、携帯端末装置3や設置型の端末装置にソース機器1の機能を搭載することもでき、その場合、上記のような受信部は設けなくてもよく、また操作部16及び表示部17はタッチパネルで構成することもできる。
制御部10は、操作信号に応じた制御信号を例えば無線通信部15で無線搬送波に重畳するなどして、スピーカ機器2側に伝送することで、ソース機器1側からスピーカ機器2を制御することができる。
一方、スピーカ機器2は、その全体を制御する制御部20を備えると共に、無線通信部21を備える無線送受信機である。制御部20は、例えばCPU等で構成される。無線通信部21を備えることにより、スピーカ機器2を、ソース機器1から無線通信で送信された音声信号を受信する無線受信機として機能させることができる。音声信号の伝送に無線通信を用いることで、スピーカ機器とプレーヤやアンプ等のソース機器とが無線で繋がれることになるため、ケーブルを引き回す必要が無く、便利である。
無線通信部15と無線通信部21との間の無線通信は、双方向通信である。音声信号のデータや上記制御信号のような制御信号(コマンド)以外に、各種のパラメータも送受信される。
さらに、スピーカ機器2の無線通信部21は、他のスピーカ機器との間で情報をやり取りするために、上記他のスピーカ機器と直接又はソース機器1(や別途設けたサーバ装置)を介して間接的に無線通信が可能に構成されている。無線通信部21の代わりに有線通信部により上記他のスピーカ機器と通信可能に構成してもよい。また、本システム内の各スピーカ機器2の無線通信部21(及びソース機器1の無線通信部15等)がメッシュネットワークを形成しておいてもよい。なお、上記他のスピーカ機器は、スピーカ機器2と同様に制御部20、無線通信部21、及び後述の人感センサ28を備えていればよく、音声出力性能に関連する後述のスピーカ部25等の機能は機器間で異なっていてもよい。以下では上記他のスピーカ機器もスピーカ機器2と同じ符号を用いて説明する。
本構成例のスピーカ機器2は、スピーカ部25を備えると共に、信号処理部22、音量調整部23、アンプ部(AMP)24、及び操作部26を備える。信号処理部22は、無線通信部21で受信した音声信号に対し、例えば各種フィルタ処理等の所定の信号処理を施し、音量調整部23に出力する。また、信号処理部22では、上記所定の信号処理の前又は後に、音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータ(DAC)を有する。なお、このDACは音量調整部23側に設けられていてもよい。
ここで、上記所定の信号処理に必要なパラメータは、信号処理部22(又は制御部20)の内部のメモリなどに格納されており、必要に応じて読み出される。また、制御部20又は信号処理部22は、ソース機器1からの上記操作信号に応じた制御信号に基づき、及び/又は後述の操作部26で受け付けたユーザ操作に基づき、上記のパラメータを書き換えることが可能なように構成してもよい。
音量調整部23は、入力した音声信号をAMP24に渡すと共に、スピーカ部25から出力する音声の音量を調整する。AMP24は、音量調整部23を介して信号処理部22から出力された音声信号を増幅し、スピーカ部25に出力する。
操作部26は、ユーザ操作を受け付けてその操作信号を制御部20に渡す部位であり、例えば、スピーカ機器2の本体に設けられたボタンや通信部27が挙げられる。通信部27は、リモコンからの赤外線信号やBlutooth等の短距離無線の信号を受信する受信部、タブレットやスマートフォンや携帯情報端末などの携帯端末装置3、或いは設置型PC等の設置型の端末装置から無線通信により制御信号を受信する受信部などを指す。なお、共通の携帯端末装置3を用いた例を挙げたように、通信部27で受信する信号を送信する側の機器は、ソース機器1側の操作部16の例として挙げた受信部で受信する信号を送信する側の機器と共通化を図ることが好ましい。
また、スピーカ機器2には表示部17と同様に各種情報を表示する表示部も併設することが好ましい。これにより、操作部26での操作に係わる情報(例えば選択対象となるコンテンツや入力ソース、変更対象となる音量や音質などの情報)や操作部26での操作結果を表示することが可能になる。
そして、本実施形態の特徴として、各スピーカ機器2には、人感センサ28が設置されているか、若しくは接続されている。人感センサ28がスピーカ機器2の内部に設置されているか、外部に有線又は無線で接続されているかは問わないが、スピーカ機器2の設置場所などに応じて適宜、使い分けるようにすることが望ましい。一般的に、人感センサ28がスピーカ機器2の本体と別筺体にして離間設置可能とすることが、センシング位置と発声位置とを任意に配置できるため、好ましいと言える。離間設置する場合の人感センサ28の設置場所は、天井やドア近辺など、人の入退室を検知し易い場所であれば何処でもよい。
人感センサ28は、センサ部とそのセンサ部を制御部20に接続するためのインターフェースとを有する。人感センサ28の種類としては、例えば赤外線センサ、超音波センサ、可視光センサなどのアクティブ型センサが挙げられるが、赤外線又は可視光のカメラ(及び人物認識部)などのパッシブ型センサであってもよい。なお、アクティブ型の人感センサ28としては、物体に直接反射させる直接反射型センサが用いられることが設置の容易性などの点から望ましいが、反射鏡を別途設置した反射型センサであってもよいし、送信部と受信部とが別筐体に設けられた透過型センサであってもよい。
以上のように、本システムは人感センサ付きのMRAシステムであると言える。
そして、本実施形態の主たる特徴として、人感センサ28における人の感知(検知)/不感知は、次のような処理(シームレス音声出力処理と呼ぶ)に用いられる。
まず、発音スピーカ機器は、その発音スピーカ機器に対応する人感センサ28が人を感知しなくなった場合、本システム内に含まれる全てのスピーカ機器のうち他のスピーカ機器の一部又は全てに対して、不感知を示す情報(以下、不感知情報)を送信する。ここで、発音スピーカ機器とは、本システム内に含まれる全てのスピーカ機器のうち音声を出力中のスピーカ機器を指す。そして、その不感知情報を受信した上記他のスピーカ機器のうちの少なくとも1台は、上記音声を出力させる。このときの音声出力は、後述するように一時的であってもよい。特に、本実施形態における各スピーカ機器2は、不感知情報の通知先のスピーカ機器2が予め登録されており、不感知情報を予め定められたスピーカ機器2に対してのみ送信するものとする。
このようなシームレス音声出力処理を実現する本システムにおける各スピーカ機器(しばしば「SP」と略す)2について、或る1台に着目して説明する。当該SP2は、ソース機器1から受信した音声信号が示す音声を出力可能で、且つ人感センサ28が設置又は接続されたスピーカ機器であって、次の送信部及び出力制御部を備えると言える。
上記送信部は、当該SP2で音声を出力中に、当該SP2に対応する人感センサ28が人を感知しなくなった場合、上記音声を出力可能で且つ他の1又は複数のSP2(同様に人感センサが設置又は接続された機器)のうちの一部又は全てに対して、不感知情報を送信する。上記送信部は、無線通信部21及び制御部20で例示できる。
また、上記出力制御部は、制御部20の一部として例示でき、上記他の1又は複数のSP2のいずれかから不感知情報を受信した場合、その不感知情報の送信元のSP2で出力中の音声を出力させる制御を行う。特に本実施形態では、各SP2は不感知情報を予め定められたSP2に対してのみ送信することから、上記他の1又は複数のSP2のいずれかとは、予め当該SP2に対して定められた他のSP2を指すことになる。
図2の模式図を参照し、当該SP2における音声出力状態の遷移例について説明する。
当該SP2は、ユーザが音声コンテンツの再生操作を行うことで発音状態になる。各SP2は、通常、自己に実装された人感センサ28による人の感知情報に基づき、SP2の発音状態を、人が居る状態では発音、人が居ない状態では消音となるような制御(以下、制御Pと呼ぶ)を行ってもよい。この制御Pを採用し、当該SP2に対応する人感センサ28が人を感知した場合にも、当該SP2は発音状態になる。
一方で、当該SP2は、自己が消音状態で近隣のSP2から不感知情報の通知を受けた場面では、一時的に発音を開始する。なお、不感知情報としては、例えば状態変化信号“Disappear”など所定の信号を予め定めておけばよい。その後、当該SP2は、自己の人感センサ28が人を感知すれば発音を継続し、一方で所定時間(以下、第1の所定時間と呼ぶ)経過して自己の人感センサ28が人を感知できなければ消音する。
つまり、各音声出力状態間の遷移は上記制御Pを採用した場合、図2に示すようになる。具体的には、発音状態では、SP2が自己の人感センサ28で人が居る状態を感知している間は他の状態に遷移せず、人が居ない状態を感知した場合、消音状態に遷移する。消音状態では、SP2が自己の人感センサ28で人が居ない状態を感知している間は他の状態に遷移せず、ユーザが再生操作を行った場合や人が居る状態を感知した場合、発音状態に遷移する。また、消音状態では、近隣のSP2から上記不感知情報を受信した場合、プレ発音状態(一時的発音状態)に遷移する。プレ発音状態では、SP2が自己の人感センサ28で人が居る状態を感知した場合、発音状態に遷移し、人が居る状態を感知しないままで第1の所定時間が経過した場合、消音状態へと遷移する。
次に、図3A〜図4を参照しながら、本システムにおいて4台のSP2を異なる部屋に配置した場合の具体例を説明する。図3Aは、この場合における音声出力状態の様子の一例を示す図、図3Bは、図3Aの音声出力状態から人が移動した場合の音声出力状態の様子の一例を示す図、図3Cは、図3Bの音声出力状態から第1の所定時間が経過した後の音声出力状態の様子の一例を示す図、図3Dは、図3Cの音声出力状態から更に時間が経過し、他の部屋に人が入ってきた場合の音声出力状態の様子の一例を示す図である。図4は、本システムにおいて図3A〜図3Dのような人の移動がある場合のシームレス音声出力処理の一例を説明するためのフロー図である。
図3A〜図3Dに示すように、4つの部屋A〜Dに設置されたSP2をそれぞれ、人感センサ28a〜28dが外部接続されたSP2a〜2dとする。なお、便宜上、SP2a〜2dはそれぞれSP−A〜Dとも呼び、人感センサ28a〜28dはそれぞれ人感センサA〜Dとも呼ぶものとする。この例では、まず部屋Bのみで音声を出力するものとし、また部屋Bは部屋Cに近い位置にあり、部屋A,Dから遠い位置にあるものとする。
まず、部屋Bにて、ユーザによる再生操作或いは人感センサ28bでの人の不感知から感知への移行により、図3Aの状態のようにSP2b(SP−B)からその音声を出力させる(ステップS1)。
人感センサ28b(人感センサB)は、少なくともその出力開始時点から、人の感知から不感知への移行を監視し(ステップS2)、感知している場合、SP2bは音声出力をそのまま継続し(ステップS3)、ステップS2に戻る。ステップS2で不感知になった場合(つまり音声出力中の部屋Bから人が居なくなったことを検知した場合)、図3Bで例示するように、SP2bが音声出力を停止し(ステップS4)、近隣のSP(この例ではSP2c:SP−C)に不感知を通知する(ステップS5)。ステップS4,S5の順序は問わない。
SP2cは、この通知を受信し(ステップS6)、図3Cで例示するように、人が居なくても同じコンテンツをソース機器1から受信してその音声の出力(発音)を行う(ステップS7)。その後、SP2cは、発音してから第1の所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS8)、NOの場合、人感センサ28cで人を感知したか否かを判定する(ステップS9)。図3Dで例示するように、第1の所定時間が経過する前に人感センサ28cが人を感知した場合(ステップS9でYESの場合)、SP2cは発音を継続する(ステップS10)。一方で、ステップS8でYESの場合、SP2cは消音する(ステップS11)。
以上、本システムによれば、発音中のSPにおいて人が不感知となる前には、他のSPではその人が聴取するための音声を出力していないため、システム全体としての発音時に要する電力量を低減させることができる。さらに、本システムによれば、人が発音中のSPの設置場所から別のSPの設置場所へ移動しても、その移動先の人感センサが人を感知してからではなく感知する前に発音を開始するため、その人(ユーザ)に音が途切れた感を与えずシームレスに聴取させることができる。これにより、ユーザは故障などを疑うことなく、余計な心労を伴わずに済むだけでなく、例えば移動を伴いながら家事をする際にも音楽を楽しむことができ、自分が居る所だけで音楽が鳴るのでエコでありながら、家中で音が鳴っているような錯覚を伴い、ユーザに深い心理的満足感を与えることができる。また、家中で音が鳴っているような錯覚を伴わせることができることで、コンテンツによっては、より深い心理的満足感を得られる。さらに、本システムによれば、以上のような効果を低コストで得ることができる。
また、図4の処理例で例示したように、不感知情報の受信により音声を出力させる他のSP2は、不感知情報を受信してから或いは上記音声を出力してから、第1の所定時間が経過しても、対応する人感センサ28で人を感知しなかった場合には上記音声の出力を停止し(つまり一時的に音声を出力し)、上記第1の所定時間の経過前に、対応する人感センサ28で人を感知した場合には上記音声の出力を継続することが好ましい。これにより、電力消費量を更に低減させることができる。
また、発音中のSP2は、人を感知しなくなってから直ちに音を止めることが電力消費量を更に低減させる点で好ましいと言えるが、その人が例えば廊下に出た状態のときにも音が聞こえることがシームレスと言う点では好ましいと言える。よって、発音SP2は、停止する際にも一定時間発音状態を保ってから停止を行ってもよい。つまり、発音SPは、不感知情報を送信した後、所定時間(以下、第2の所定時間)経過後に上記音声の出力を停止するようにしてもよい。
また、各SP2で行われる発音の開始時には、徐々に所定の大きさまで音量を上げていく「フェードイン」という方法を用いてもよいし、発音の停止時には、徐々に音量を下げていく「フェードアウト」という方法を用いてもよい。つまり、発音状態と消音状態の間の遷移は、直ちに音を止めるのではなく、SP2がフェードイン・フェードアウトなどの処理を行ってもよい。
また、上記制御P(少なくとも人が居る状態では発音する制御)を採用することで、例えばSP2bで不感知により発音を停止した後に再度部屋Bにユーザが戻ってきた場合にも対応することができる。
本発明に係る音響機器としてスピーカ機器を採用しない場合について補足する。なお、ここで補足する内容は他の実施形態についても同様である。
本発明に係る音響機器として音声アンプを採用する場合、例えばスピーカ機器2におけるスピーカ部25を除いた構成を採用でき、その場合、出力した音声の信号は別途接続した通常のスピーカ装置に出力するようにしておけばよい。このような構成のシステムを採用した場合にも、システム全体(この音声アンプ及び上記通常のスピーカ装置)としての発音時に要する電力量を低減することができる。
また、本発明に係る音響機器として、音声処理装置を採用する場合、例えばスピーカ機器2におけるAMP24及びスピーカ部25(及び音量調整部23)を除いた構成を採用でき、その場合、出力した音声の信号は別途接続した通常の音声アンプに出力するようにしておけばよい。上記通常の音声アンプには通常のスピーカ装置を接続しておけばよい。このような構成のシステムを採用した場合にも、システム全体(この音声処理装置、上記通常の音声アンプ、及び上記通常のスピーカ装置)としての発音時に要する電力量を低減することができる。また、この音声処理装置としては、DACを含んでも含まなくてもよい。DACを含む場合にはアナログ信号を別途接続した通常の音声アンプに出力するようにしておけばよいが、含まない場合にはデジタル信号(光出力信号など)を別途接続したDAC付きの音声アンプに出力するようにしておけばよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図5A〜図5Cを併せて参照しながら第1の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1の実施形態の様々な例が適用できる。図5Aは、本発明実施形態に係る音響システム(以下、本システムと呼ぶ)において4台のスピーカ機器を家屋に配置した様子の一例を示す図、図5Bは、本システムにおいて、携帯端末装置により図5AのSPの配置を設定する処理の一例を説明するための図、図5Cは、図5Bの処理において設定される配置テーブルの一例を示す図である。
第1の実施形態では、各SP2について近隣のSP2が設定されていることを前提に説明したが、本実施形態ではその設定を端末装置から行うものとし、その効果としては設定が容易になる。この端末装置については上述した通り、設置型、携帯型に限らないが、以下では、携帯端末装置3を例に説明する。
本実施形態に係る携帯端末装置3は、次の設定部及び送信部を有する。上記設定部は、図5Bで例示するように携帯端末装置3に設けられた表示部に、配置情報31と各種設定ボタン32とを含むGUI(Graphical User Interface)画像を表示させるなどして、ユーザからの設定を受け付けるようなアプリケーションプログラムとして実装することができる。
上記設定部は、ユーザ操作に基づき、本システムに含まれる全てのSP2(人感センサ28付きSP2)間における人による移動経路に関する配置情報を設定する。配置情報とは、例えば図5Aのような間取りでA〜Dの位置にSP2が配置されていた場合、図5Bの配置情報31で例示したように、位置Bから位置Cへの移動距離、位置Cから位置DやAへの移動距離を指す。この例では位置Bからは直接(位置Cを通らずに)位置AやDに移動できないため、位置Bから位置AやDへの移動経路は図5Bの配置情報31として示されない。
ここで例示する配置情報31は、個別のID(図中、A〜D)を付して各SP2を表現すると共に、各SP2間の相関関係(どのSPとどのSPが近隣か)を線で表現しており、図5Aの間取りでの例を挙げている。図5Bでは表示画面を示しているため、GUI画像に含まれる配置情報31を表示しているが、このような設定により実際には図5Cで例示する配置テーブル33のような配置情報が携帯端末装置3に一時的又は変更や削除がない限り永久的に格納されることになる。配置テーブル33には、ID_A〜DのSP(つまりSP−A〜D)のそれぞれについて近隣SPの1番目から4番目までのIDを示す情報33a〜33dが含まれている。例えば情報33bはID_BのSPには近隣のSPがSP_Cしかないことを示している。但し、実際には本システムに含まれるSP2の数から1を引いた分のID(「−」で図示したように未登録IDも含む)が登録可能になっていればよい。
また、図5Bで例示する各種設定ボタン32には、SP2のIDを読み取るための「Read SP ID」ボタン、SP2を新たに追加するための「Add SP」ボタン、SP2同士を結ぶための線の始点・終点を指定するための「Connect SP」ボタン、SP2をシステムから削除するための「Delete SP」ボタン、上記線を指定して削除するための「Delete Connection」ボタンが含まれる。無論、この例に限ったものではなく、配置情報31をユーザが設定できればよい。
ここで、「Read SP ID」ボタンを押すと、例えば、携帯端末装置3に設けられたカメラが起動し、実際のSP2に付されたID(バーコードやQRコード(登録商標)等)を読み取ることで取得するようになっている。このとき併せて、事前にSPに表示されるなどして指定された位置を示す情報があれば、それも取得することで配置情報31を描くこともできる。なお、本実施形態に限らず、各SP2に設けられた人感センサ28は基本的に重複する感知エリアをもたないものとし、上記相関関係は人感センサが感知できるエリアの相関関係を指す。これにより、システム内に設けるSPの数を減らせるといったメリットもある。
上記送信部は、各SP2に対し、上記設定部で設定された配置情報31(実際にはそれを示す配置テーブル33)のうち、少なくとも当該SP2に対する他のSP2の人による移動経路に関する個別の情報を送信する。配置テーブル33の例では、近隣か否かを示す情報のみ保存した例であるため、携帯端末装置3の上記送信部は、例えばSP−A(ID_AのSP)に対しては、個別の情報として近隣のSP−C,Dを示すID_CとID_Dを示す情報を送信すればよい。なお、この情報の送受信は、携帯端末装置3に設けられた無線通信部とSP2側の通信部27(無線通信部21に含めることができる)とで行えばよい。無論、有線で送受信を行うような構成を採用することもできる。
そして、上記個別の情報を受けた各SP2は、その情報を内蔵された記憶部に近隣SPテーブルなどとして記憶しておけば、第1の実施形態で説明したようなシームレス音声出力処理が可能となる。例えば図3A〜図3Dの例では、位置B(部屋B)から人が居なくなった場合、SP2bが内部の近隣SPテーブルを参照して、不感知情報の送信先をSP2cに決めて送信を行う。その後、例えば位置C(部屋C)から人が居なくなった場合、SP2cが内部の近隣SPテーブルを参照して、不感知情報の送信先をSP2a,2b,2dに決めて送信を行う。これにより、人が部屋Cから部屋A,B,Dのいずれに移動しようともそれらの部屋で音声出力を事前に行っておくことができる。
次に、図5Aの間取りが1階部分であり、家屋内にSP2が設置された2階も存在する場合の設定例を説明する。図6Aは、本システムにおいて7台のSP2を2階建て家屋に配置した様子の一例を示す図、図6Bは、本システムにおいて、携帯端末装置3により図5A,図6AのSP2の配置を設定する処理の一例を説明するための図、図6Cは、本システムにおいて、携帯端末装置3により図5A,図6AのSP2の配置を設定する処理の一例を説明するための図である。
図6Aで示すように2階部分には位置E,F,GにSP2が設置されている。このうち位置Eは実際には1階と2階の中間に位置する階段部分となっている。図6Bに示す配置情報34では、1階部分における相関関係を示しており、例えば位置Cには「2F/E」と示すように位置Cが2階の位置Eに繋がっていることを同一フロアでの線表記とは異なる特別な表記(この例では波線)で示している。また、各種設定ボタン32には2階部分の相関関係を別画面で表示させるための「2F」ボタンが含まれ、これが選択されると図6Cのような配置情報35を含む画面が表示されることになる。図6Cにおける各種設定ボタン32には「1F」ボタンと「3F」ボタンとが表示されており、他のフロアについての画面への移行が可能となっている。但し、この例では3階がない(少なくとも3階にはSP2が設置されていない)ため、「3F」ボタンを選択しても配置情報は表示されない(無論、「3F」ボタンを非表示にしてもよい)。
また、上述したように、本実施形態における携帯端末装置3で例示した端末装置は、ソース機器1として機能するように構成することもできる。これにより、その端末装置から配置テーブル33の設定だけでなくコンテンツの再生及びSP2への送信も可能となる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図7を併せて参照しながら第2の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1,第2の実施形態の様々な例が適用できる。図7は、本実施形態に係る音響システムにおいて、4台のスピーカ機器を家屋に配置した場合の、携帯端末装置によりSPの配置を設定する処理の一例を説明するための図である。
本実施形態では上記第1の所定時間の設定に特徴がある。但し、第1の実施形態において、各SP2にてここで説明するような設定を直接行うこともできる。本実施形態における上記第1の所定時間は、発音SP2又は発音SP2に対応する人感センサ28と不感知情報の送信先のSP2(又はそのSP2に対応する人感センサ28)との間の、人による移動距離が長くなる程、長く設定されている。上記第1の所定時間と移動距離とは例えば比例関係になるように設定しておけばよい。
例えば、図7において配置情報36で例示するように、図5Aのような設置状況においては位置Bと位置Cとの間の距離を短い線で結び、位置Cから位置Aへの距離を次いで長い線で結び、位置Cから位置Dへの距離を最も長い線で結ぶように設定する。表示画面上での線の長さの調整は、例えば配置情報36において位置A〜Dを選択してドラッグするなどして自動的に変えるようにすればよい。
このように距離の設定をSP2の配置に応じて変え、それを各SPに送信することで、その情報を閲覧して上記第1の所定時間(プレ発音から人を感知せずに消音に至るまでの時間)を決めることができるようになる。そして、このように決定することで、例えば位置Cでの人が感知されなくなってから人が位置A,B,Dのいずれに移動するかが分からない状況において、人の移動時間を加味しただけのプレ発音状態を維持することができる。また、更なる応用例として、例えばこの状況において位置Bで人を感知した場合にSP−A,Dに感知した旨を伝えることで、SP−A,Dが第1の所定時間経過前であっても消音処理を行うように構成することもできる。
また、本実施形態では上記第2の所定時間の設定にも特徴がある。上記第2の所定時間は、第1の実施形態の例で言うところの、発音SPが近隣SPに不感知情報を送信してから消音するまでの時間となる。
本実施形態における上記第2の所定時間は、発音SP2又は発音SP2に対応する人感センサ28と、不感知情報の受信により音声を出力させる他のSP2(不感知情報の送信先のSP)又は上記他のSP2に対応する人感センサ28との間の、人による移動距離が長くなる程、長く設定されている。上記第2の所定時間と移動距離とは例えば比例関係になるように設定しておけばよい。
例えば、例えば位置Cでの人が感知されなくなってから人が位置A,B,Dのいずれに移動するかが分からない状況において、人の移動時間を加味した時間だけ、発音状態を維持することができる。この例では移動可能な位置が3か所あるため、その中で最も移動時間(又は移動距離)の長い位置Dを優先し、その位置Dに対する第2の所定時間を採用すればよい。このような処理により、ある部屋を出てから、例えば次の部屋に移動し終わるまでの時間、前の部屋で継続して音を鳴らし続けることができる。これにより、部屋から部屋へのシームレスな音のつながりが可能となり、ユーザはより深い心理的満足感を得ることができる。更なる応用例として、例えばこの状況において位置Bで人を感知した場合にSP−Cに感知した旨を伝えることで、SP−Cが第2の所定時間経過前であっても消音処理を行うように構成することもできる。なお、第1,第2の所定時間のいずれか一方のみ人による移動経路が長くなる程、長く設定するだけでもよい。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図8A〜図8Dを併せて参照しながら第2の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1〜第3の実施形態の様々な例が適用できる。図8Aは、本実施形態に係る音響システム(以下、本システムと言う)において7台のSPを2階建て家屋に配置した様子の一例を示す図、図8Bは、本実施形態に係る音響システムにおいて、携帯端末装置により図8AのSPの配置を設定する処理の一例を説明するための図、図8Cは、図8Bの処理において設定される配置テーブルの一例を示す図である。
本実施形態では、不感知情報の受信により音声を出力させる他のSP2は、予め同じグループに登録されたSPに対し、上記音声を出力させるための情報を送信する。つまり、本システム内のSP2はグループ分けされており、同じグループのうち1台のSP2でプレ発音状態になった場合、そのプレ発音状態のSP2と同グループのSP2についてもプレ発音状態にする。なお、説明しないが、このグループ化の情報は上述した制御Pにも適用することができる。
図8Aで例示した配置では、位置Aに設置されたSP_Aと位置Eに設置されたSP_Eとが同じグループであり、位置Aに設置されたSP_Aと位置Fに設置されたSP_Fとが同じグループとする。このような設定は、上記設定部で可能にしておけばよく、例えば図8Bの表示画面のように、各種設定ボタン38に、位置を選んでグループを作成するための「Create Group」ボタンを含めておくことで実現できる。例えば、このボタンを選択して、同一グループに含める複数の位置を選択後、再度このボタンを選択することで1つのグループを作成することができる。グループの表記は例えば上記線とは異なる表記を行えばよく、この例では破線で囲んである。
このように作成したグループは、携帯端末装置3の記憶部において、例えば図8Cで例示するグループテーブル39として、一時的又は変更や削除がない限り永久的に格納されることになる。グループテーブル39には、ID_A〜FのSP(つまりSP−A〜F)のそれぞれについて同じグループに登録されたIDを示す情報39a〜39fが含まれている。なお、図8Cでは1番目から4番目までのIDのみを図示しているが、実際には本システムに含まれるSP2の数から1を引いた分のID(「−」で図示したように未登録IDも含む)が登録可能になっていればよい。
そして、携帯端末装置3の上記送信部は、各SP2に対し、設定されたグループ化の情報(配置情報37に含まれ、実際にはそれを示すグループテーブル39)のうち、少なくとも当該SP2に対する情報を送信する。そして、この情報を受けた各SP2は、その情報を内蔵された記憶部にグループSPテーブルなどとして記憶しておけば、グループ化に伴う処理が可能となる。
上述のようなグループ化を採用することで、グループ設定に基づき通知されたSPは、自己の人感センサ28が人を感知して居なくともプレ発音を行う。但し、このSPの自己の人感センサ28が人を感知しておらず、グループ設定に基づく通知によりプレ発音する場合は、更にこのSPを含むグループ内のSP2への通知は行わない。人が居ない又は移動する可能性のないSPにまでプレ発音が連鎖していってしまうためである。
以上のような処理により、発音SP2の箇所(位置C,Dのいずれか)で人が不感知となった場合において、図8Aの位置37eに人が来た場合、それが位置Eの人感センサ28からの死角であった場合でも位置Aの人感センサ28が感知し、位置A,EのSP2からプレ発音することができるようになる。グループからの通知によりプレ発音になった場合、その通知元の継続/停止に合わせて継続/停止を行えばよい。
別の場面として同様に、発音SP2の箇所(位置E)で人が不感知となった場合において、位置Aで人を検知した場合にも、位置E,AのSP2から発音を継続することができ、死角部分を補うことができる。別の場面として同様に、発音SP2の箇所(位置A)で人が不感知となった場合において、位置Aの人感センサ28からの死角となる位置37aで位置Fの人感センサ28が人を感知した場合でも位置F,AのSP2から発音を継続することができ、死角部分を補うことができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図9を併せて参照しながら第1の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1〜第4の実施形態の様々な例が適用できる。図9は、本実施形態に係る音響システム(以下、本システムと言う)において図3A〜図3Dのような人の移動があった場合のシームレス音声出力処理の一例を説明するためのフロー図である。
本実施形態では、第1の実施形態と異なり、発音SP2が他のSPの全てに対して不感知情報を送信し、各SP2が、不感知情報を受信した際、不感知情報の送信元のSP2に応じて、音声の出力を行うか否かを決定するものとする。このような処理でも第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図3A〜図3Dの例において、図4のステップS1〜S4と同様の処理を行う(ステップS21〜S24)。そして、ステップS24に続き、SP2bが本システム内の全てのSP(この例ではSP−A,C,D)に不感知を通知する(ステップS25)。ステップS24,S25の順序は問わない。
SP2cは、この通知を受信し(ステップS26)、自身がSP2b(SP−B)の近隣であるか否かを判定し(ステップS27)、この場合、近隣であるため、図3Cで例示するように、人が居なくても同じコンテンツをソース機器1から受信してその音声の出力(発音)を行う(ステップS28)。その後、SP2cは、ステップS8〜S11と同様の処理を行う(ステップS29〜S32)。
また、ステップS25の通知は、SP2a(SP−A)やSP2d(SP−D)でも受信し(ステップS33,S35)、それぞれにおいてSP2b(SP−B)の近隣であるかを判定して、近隣でないことが判定されるため(ステップS34,S36)、そのままプレ発音せずに処理を終了する。
(その他)
以上、説明の簡略化のために、ソース機器1から送信される音声信号が同一・モノラル信号であり、各SP2が同じ音声を出力することを前提に説明したが、送信、出力されるのは複数コンテンツ・複数チャンネルの音声であってもよい。その場合、音声入力処理部13が入力された音声信号に含まれる複数のコンテンツやチャンネルの信号を多重化する処理(或いはその逆の多重分離する処理)などを行い、無線通信部15から各コンテンツや各チャンネルの信号を送信するようにすればよい。そして、例えば、1つの部屋につき複数のスピーカ(少なくとも1つに無線通信部21等の通信部を設けると共に、各スピーカが有線又は無線で接続されている)からなるSP2を設けておき、各スピーカが自身で出力対象とするコンテンツやチャンネルの音声信号を抽出して音声出力を行えばよい。なお、1つのSP2が複数のスピーカを備える場合には各スピーカが無線通信部などの通信部を備えて、上述したグループ設定を適用することでも同様の効果が得られる。
また、例えば図1のソース機器やSPにおけるスピーカ部以外の部位は、例えばマイクロプロセッサ(又はDSP)、メモリ、バス、インターフェース、リモコン等の周辺装置などのハードウェアと、これらのハードウェア上にて実行可能なソフトウェアとにより実現できる。上記ハードウェアの一部はIC(Integrated Circuit)/ICチップセットとして搭載することができ、その場合、上記ソフトウェアは上記メモリに記憶しておければよい。また、本発明の各構成要素の全てをハードウェアで構成してもよく、その場合についても同様に、そのハードウェアの一部をIC/ICチップセットとして搭載することも可能である。
また、上述した様々な構成例における機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、SP等の音響機器やソース機器に供給し、各装置内のマイクロプロセッサ又はDSPによりプログラムコードが実行されることによっても、本発明の目的が達成される。この場合、ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した様々な構成例の機能を実現することになり、このプログラムコード自体や、プログラムコードを記録した記録媒体(外部記録媒体や内部記憶装置)であっても、そのコードを制御側が読み出して実行することで、本発明を構成することができる。外部記録媒体としては、例えばCD−ROM又はDVD−ROMなどの光ディスクやメモリカード等の不揮発性の半導体メモリなど、様々なものが挙げられる。内部記憶装置としては、ハードディスクや半導体メモリなど様々なものが挙げられる。また、プログラムコードはインターネットからダウンロードして実行することや、放送波から受信して実行することもできる。
以上、本発明に係る音響システムについて説明したが、その処理の手順を説明したように、本発明は、複数の音響機器を備えた音響システムにおける音声出力方法としての形態も採り得る。なお、上記プログラムコード自体は、換言すると、この音声出力方法を音響機器側のコンピュータに実行させるためのプログラムである。