[1]実施例
図1は実施例に係る映像表示装置1の全体構成を表す。映像表示装置1は、飛行しながら空中に映像を表示する装置である。映像表示装置1は、4つの回転翼11を備え、各回転翼11を回転させて飛行するいわゆるマルチコプターやクアッドコプターと呼ばれるマルチローター式の回転翼機である。各回転翼11は、いずれも本実施例では2枚のブレードを有するローターであり、後述するモータが生じさせる回転力を推進力に変えて自装置を空中で移動、すなわち飛行させる。
映像表示装置1は、4つの回転翼11を有する飛行機構10と、電源部20と、距離情報取得部30と、映像表示部40と、囲み部材80とを備える。飛行機構10は、各回転翼11の回転により揚力を発生させて自装置(映像表示装置1のこと)を空中で移動させる機構、すなわち自装置を飛行させる機構である。飛行機構10は本発明の「機構」の一例である。飛行機構10は、例えば各回転翼11を同じ回転数で回転させることで自装置を上昇及び下降させ、各回転翼11の回転数を変えることで回転数が少ない回転翼11側に自装置を傾けて水平方向に移動させる。飛行機構10は、前述した4つの回転翼11の他に、4つのモータ12と、4つのESC(Electronic Speed Controller)13と、フライトコントローラ14と、受信機15とを備える。
モータ12は、回転可能に支持されたシャフトと、そのシャフトを回転させる回転機構とを有し、回転機構は、永久磁石などの磁界発生部材、電流を流すコイル及びそれらを格納する筐体を有する。モータ12としては、例えば、直流電流でシャフトを回転させ、半導体スイッチを用いてコイルに流れる電流の向きを変えるブラシレスモータが用いられる。各モータ12のシャフトには、上記の回転翼がそれぞれ固定されており、モータ12がシャフトを回転させることで回転翼が回転する。
ESC13は、モータ12に電気的に接続され、入力された電流を増幅してモータ12に供給するとともに、電流の向きの変更などを行ってモータ12の回転を制御する。フライトコントローラ14は、4つのESC13とそれぞれ電気的に接続され、各ESC13の動作を制御することで、映像表示装置1の飛行を制御する。具体的には、フライトコントローラ14は、各モータ12の回転数を制御して、映像表示装置1の上昇、下降、水平移動、ホバリング、着陸、指定したルートの飛行などを可能とする。
受信機15は、フライトコントローラ14と電気的に接続されており、外部のリモコン操縦機から送信されてきた操縦信号を受信してフライトコントローラ14に供給する。操縦信号とは映像表示装置1の上昇や下降、水平移動などの飛行方法を指示する信号である。フライトコントローラ14が供給された操縦信号が表す指示に従って飛行を制御することで、リモコン操縦機を操作する操縦者が意図したように映像表示装置1を飛行させることが可能となる。4つのモータ12、4つのESC13、フライトコントローラ14及び受信機15は、4つの回転翼11を回転させて自装置の飛行を制御する飛行制御部16として機能する。
電源部20は、飛行機構10及び映像表示部40と電気的に接続されており、これらの各部を作動させる電力を供給する。電源部20は、バッテリー21と、バッテリーアラーム22と、BEC(Battery Eliminator Circuit)23とを備える。バッテリー21は、リチウムポリマーバッテリーであり、蓄えた電力を前述の各部に供給する。バッテリーアラーム22は、過放電によるバッテリー21の損傷を防ぐため、バッテリー21の電圧を測定し、例えば設定値よりも電圧が下がったらアラームを鳴らして操縦者に報知する。BEC23は、バッテリー21に蓄積された電力を映像表示部40に供給する回路である。
距離情報取得部30は、自装置(映像表示装置1)とユーザとの距離を表す距離情報を取得する。距離情報取得部30は本発明の「第1取得部」の一例である。距離情報取得部30は、複数のデジタルカメラ31と、制御部32とを備える。デジタルカメラ31は、自装置の周囲を撮影し、撮影した周囲の画像を表す画像データを制御部32に供給する。制御部32は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を備える。
制御部32は、デジタルカメラ31により撮影された画像を解析して、その画像に写っているユーザについての距離情報を取得する。制御部32は、例えば、撮影された画像から周知の顔認識技術を用いてユーザの顔を抽出し、抽出した顔の大きさからユーザまでの距離を算出する。制御部32は、ユーザの顔が複数抽出された場合には、例えばそのうち最も近いユーザまでの距離を算出する。なお、制御部32は、その場合に最も遠いユーザまでの距離を算出してもよいし、全てのユーザまでの距離をそれぞれ算出してその平均値を算出してもよい。距離情報取得部30は、この算出によりユーザまでの距離を表す情報を距離情報として取得し、取得した距離情報を後述するシングルボードコンピュータ41に供給する。
映像表示部40は、発光体であるLED(Light Emitting Diode)を複数有し、複数のLEDが発する光により映像を表示する。映像表示部40は、シングルボードコンピュータ41と、モータドライバ42と、DC(Direct Current)モータ・フォトリフレクタ43と、回転・通信部44と、LEDドライバ45と、スリップリング46と、シリアルLEDテープ47と、環状部材48とを備える。
シングルボードコンピュータ41は、CPU、RAM及びSDメモリーカード等を備え、CPUが、RAMをワークエリアとして用いてSDメモリーカードに記憶されたプログラムを実行することによって、モータドライバ42及びLEDドライバ45の動作を制御する。また、本実施例では、シングルボードコンピュータ41は、距離情報取得部30から供給された距離情報に基づく制御をLEDドライバ45に対して行う。
モータドライバ42は、DCモータ・フォトリフレクタ43の動作を制御する。具体的には、モータドライバ42は、回転の開始、回転の停止、回転速度などを制御する。モータドライバ42は、シングルボードコンピュータ41からの指示に基づいてこれらの制御を行う。
DCモータ・フォトリフレクタ43は、直流電流により駆動力を生じさせるモータと、モータの回転速度を表す値を測定するセンサであるフォトリフレクタとを備える。フォトリフレクタが測定した値はモータドライバ42を介してシングルボードコンピュータ41に供給される。シングルボードコンピュータ41は、供給された値に基づいて、モータの回転速度を目的の値とするように制御する。
回転・通信部44は、DCモータ・フォトリフレクタ43が生じさせる駆動力により回転する棒状のシャフトを有する。このシャフトには、後述する環状部材48が固定される。また、このシャフトは、通信線としての機能を有し、後述するシリアルLEDテープ47の信号線が接続されて、各LEDとLEDドライバ45との通信を仲介する。
LEDドライバ45は、映像表示部40が備える複数のLEDの発光を制御する。具体的には、LEDドライバ45は、発光の開始、発光の停止、発光時の光量などを制御する。LEDドライバ45は、シングルボードコンピュータ41からの指示に基づいてこれらの制御を行う。スリップリング46は、LEDドライバ45及び回転・通信部44とそれぞれ電気的に接続され、回転・通信部44のシャフトが回転している状態でもLEDドライバ45から回転・通信部44に向けて電力及び信号を伝達する。
シリアルLEDテープ47は、信号線と、その信号線に沿って1列に並べられ且つそれぞれがその信号線に接続された複数のLEDと、信号線及び複数のLEDを接着させたテープとを備える。複数のLEDは、信号線から供給される信号により個別に発光が制御される。環状部材48は、棒状の部材を環状に形成した部材であり、その外周側にシリアルLEDテープ47が貼り付けられている。このため、シリアルLEDテープ47が備える複数のLEDは環状に配置されている。環状部材48は、前述のとおり回転・通信部44が有するシャフトに固定されているので、DCモータ・フォトリフレクタ43が生じさせた駆動力によりシャフトとともに回転する。
シリアルLEDテープ47及び環状部材48は、複数のLEDが並べて設けられた枠体50を形成する。枠体50は、環状部材48と同様に環状の形をしている。枠体50は、決まった軌道を繰り返し移動するように設けられている。決まった軌道とは、枠体50を移動させる駆動力を生じさせる駆動機構(本実施例ではDCモータ・フォトリフレクタ43及び回転・通信部44等を有する機構)に対する位置及び向きが決まっている軌道のことをいう。
本実施例では、枠体50は、回転軸の周囲に配置されてこの回転軸を中心として回転可能に支持されており、この回転軸を中心にして回転する。つまり、枠体50は、この回転により自身が描く軌道を同じ回転方向に繰り返し回転移動する。なお、ここでいう回転軸は、シャフトなどの棒状の物体ではなく、回転の中心となる仮想の直線のことである。
また、枠体50は、飛行機構10及び電源部20を取り囲むように、これらの各部の周囲に配置されている。枠体50は、回転軸を中心として回転軸の周囲を回転することで、飛行機構10及び電源部20の周囲を回転することにもなる。枠体50は、回転軸を中心にして回転しても、飛行機構10及び電源部20には接触しない大きさ及び配置となっている。つまり、枠体50が回転移動する軌道の内側に飛行機構10及び電源部20が収まるようになっている。
シングルボードコンピュータ41、モータドライバ42、DCモータ・フォトリフレクタ43及び回転・通信部44は、前述した回転軸を中心に枠体50を回転させる制御を行う回転制御部60として機能する。シングルボードコンピュータ41、LEDドライバ45及びスリップリング46は、枠体50が前述した決まった軌道を移動する際に、複数のLEDが発する光が映像を表すようにそれら複数のLEDの発光時期を制御する発光制御部70として機能する。発光制御部70は、本実施例では、枠体50が回転軸を中心に回転する際に各LEDの発光時期を制御する。
囲み部材80は、枠体50を囲んで配置され、枠体50及び他の各部と他の物体との接触を防ぐ構造体である。枠体50及び囲み部材80の配置や形状については、図2及び図3を参照して説明する。
図2は上から見た映像表示装置1を表す。ここでいう「上から見る」とは、鉛直に上昇又は下降するときの姿勢となっている映像表示装置1を鉛直上方から見ることを意味する。映像表示装置1は、電源部20などを格納する直方体の箱である筐体2を備える。筐体2の上面は正方形の形をしている。筐体2が有する4つ側面には、回転翼11−1、11−2、11−3、11−4をそれぞれ支持するアーム部3−1、3−2、3−3、3−4(それぞれを区別しない場合は「アーム部3」という)が設けられている。
各回転翼11は各アーム部3の先端(筐体2から離れた方の端)に設けられている。図2(a)では、アーム部3−1及び3−3に重なるようにして枠体50が表されている。枠体50は、図2のように上から見ると、図2(b)に表すように筐体2の上面の中心点を通る回転軸B1を中心に回転可能に設けられている。図2では、この回転軸B1に沿った方向である回転軸方向D1が鉛直に沿った方向になっており、図2に表す映像表示装置1が回転軸方向D1から見た映像表示装置1にもなっている。
囲み部材80は、複数の縦環状部材81と、複数の横環状部材82と、それらを結合させているジョイント83とを備える。これらについては図3も参照して後ほど詳しく説明する。
図3は図2(a)の矢視A−Aに見た映像表示装置1を表す。図3に表す映像表示装置1は、鉛直に上昇又は下降するときの姿勢となっている。図3では、鉛直及び水平方向を矢印で表している。この姿勢では、回転軸方向D1が鉛直に沿った方向になっている。つまり、映像表示装置1は、回転軸方向D1を鉛直に向けた姿勢で鉛直に上昇又は下降する。筐体2の内部には、フライトコントローラ14、受信機15、バッテリー21、バッテリーアラーム22、BEC23、制御部32、シングルボードコンピュータ41、モータドライバ42、LEDドライバ45及びスリップリング46が設けられている。アーム部3の鉛直上方には、モータ12及びESC13が設けられている。
DCモータ・フォトリフレクタ43は、DCモータ431と、フォトリフレクタ432とを備え、筐体2の外側に固定されている。回転・通信部44は、プーリー441と、シャフト442と、ベアリング443とを備える。プーリー441は、DCモータ431の回転力をシャフト442に伝達する滑車である。シャフト442は、長手方向を鉛直に沿った方向に向けて配置された円柱形の軸であり、プーリー441を介して伝達される回転力によって回転する。また、シャフト442は、例えば金属で形成されており、前述したように通信線として機能する。シャフト442の鉛直上方の端はスリップリング46に接触しており、LEDドライバ45からの電力及び信号を受け取る。
シャフト442には枠体50が備える環状部材48が固定されている。環状部材48は、12本の真っ直ぐな金属線481と、それらの金属線481同士を接続する12個のジョイント482とを備え、それら(複数の金属線481及び複数のジョイント482)を環状に組み上げて、正12角形の形に形成されている。
環状部材48に貼り付けられているシリアルLEDテープ47の信号線は、シャフト442と接触している。シャフト442は、この信号線を介して各LEDとLEDドライバ45との通信を仲介する。ベアリング443は、環状部材48が固定されている位置よりも鉛直下方側でシャフト442に回転可能に取り付けられており、そのベアリング443には囲み部材80が固定されている。これにより、シャフト442が、囲み部材80を支持しつつ囲み部材80とは別に回転するようになっている。
筐体2の鉛直上方には支持部材4が設けられている。支持部材4は、長手方向を回転軸方向D1(枠体50の回転軸B1に沿った方向)に向けて配置された円柱形の部材である。支持部材4には、ベアリング5が回転可能に取り付けられており、そのベアリング5には環状部材48が固定されている。これにより、支持部材4は、環状部材48を支持しつつ環状部材48とは別に回転するようになっている。支持部材4のベアリング5の取り付け位置よりも鉛直上方には、囲み部材80が固定されている。
図3では、前述した囲み部材80が備える複数(本実施例では2つ)の縦環状部材81、複数(本実施例では6つ)の横環状部材82及びジョイント83が表されている。縦環状部材81及び横環状部材82は、いずれも、例えば針金のように細い金属線を環状に形成した部材である。縦環状部材81は、自身が形成する環で囲まれた平面が鉛直に沿うように配置されており、横環状部材82は、自身が形成する環で囲まれた平面が水平方向に沿うように配置されている。
囲み部材80が備える環状部材は細い金属線で形成されているため、複数のLEDを囲み部材80越しに見てもそれら複数のLEDが発光することで表示される映像を認識できるようになっている。言い換えると、囲み部材80は、枠体50を囲んで配置されているが、映像を完全に隠してしまうということはなく、囲み部材80越しに映像を視認させることが可能な形状を有している。
囲み部材80には、複数のデジタルカメラ31が取り付けられている。囲み部材80には配線が設けられており、各デジタルカメラ151はこの配線と図1に表す回転・通信部44を介して制御部32と電気的に接続されている。複数のデジタルカメラ31は、それぞれ異なる方向にレンズを向けて取り付けられている。これにより、自装置の周囲の各方向のうち、ユーザの顔を抽出可能な方向を増やしている。
以上の構成により、回転制御部60が枠体50を回転させ、発光制御部70が複数のLEDの発光を制御することで、各LEDが発した光の残像によって表される映像が表示される。
図4は表示された映像の一例を表す。図4では、空中で静止している(ただし回転翼11や枠体50は回転している)映像表示装置1をユーザが水平方向に見た場合の映像が表されている。図4では、枠体50に設けられた48個のLEDをLED01からLED48までの符号を振って表している。
映像表示装置1は、枠体50を回転させることで表示面C1を形成している。表示面C1は、シャフト442を軸にして回転する枠体50が作り出す回転体(正12角形を回転させたときの回転体)の表面である。枠体50の周囲には囲み部材80が配置されているため、表示面C1には囲み部材80の一部が重なって見えることになるが、図4では、映像を見やすくするために囲み部材80のうち表示面C1に重なって見える部分を省略している。
図4の例では、映像表示装置1が、表示面C1に「E」という文字を表示している。この場合、発光制御部70は、各LEDを、斜線を引いた矩形で表された領域(LED07、LED11であれば領域D71、D111)を通過する期間に発光させ、上下を二点鎖線で挟まれた領域(LED03、07、11であれば領域D32、D72、D112)を通過する期間には発光させないように制御する。例えばLED07は、領域D71を通過する間でも常に現在位置(つまり一点)で光を発しているだけであるが、LED07が通過した後も少しの間残像が残るため、領域D71の全体が光って見えるようになっている。
図1に表すシングルボードコンピュータ41は、上記のとおり表示される映像の明るさを所定の状況に応じて変化させる変化部90として機能する。変化部90は、本実施例では、距離情報取得部30により取得された距離情報が表す距離(自装置とユーザとの距離。以下「ユーザ距離」という)を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させる。変化部90は、本実施例ではPWM(Pulse Width Modulation)制御(LEDの発光と発光停止とを光が瞬かない程度の速さで繰り返し行い、発光時間の割合(これをデューティ比という)を増減させて明るさを調節する制御)により各LEDの明るさを変化させることで映像の明るさを変化させる。変化部90は、ユーザ距離と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて映像の明るさを変化させる変化処理を行う。
図5は明るさテーブルの一例を表す。図5の例では、「第1閾値未満」というユーザ距離に「デューティ比−10%」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「第1閾値以上第2閾値未満」には「標準」が、「第2閾値以上第3閾値未満」には「デューティ比+10%」が、「第3閾値以上」には「デューティ比+20%」が対応付けられている(第1閾値<第2閾値<第3閾値とする)。変化部90は、距離情報取得部30により取得された距離情報が表すユーザ距離が第1閾値未満である場合には、各LEDが発光するときのデューティ比を10%小さくするよう、発光制御部70に指示する。これにより、表示される映像の明るさが、変化部90による指示がない場合に比べて暗くなる。
変化部90は、取得された距離情報が表すユーザ距離が第1閾値以上第2閾値未満である場合には発光制御部70に対して指示を行わない。この場合、発光制御部70は通常の制御を行って標準の明るさの映像を表示させる。変化部90は、取得された距離情報が表すユーザ距離が第2閾値以上第3閾値未満である場合には、各LEDが発光するときのデューティ比を10%大きくするよう、発光制御部70に指示する。これにより、表示される映像の明るさが、変化部90による指示がない場合に比べて明るくなる。
変化部90は、取得された距離情報が表すユーザ距離が第3閾値以上である場合には、各LEDが発光するときのデューティ比を20%大きくするよう、発光制御部70に指示する。これにより、表示される映像の明るさが、ユーザ距離が第2閾値以上第3閾値未満である場合よりもさらに明るくなる。
図6はユーザ距離と映像の明るさとの関係の一例を表す。この例では、発光制御部70が標準の明るさの映像を表示させると、ユーザ距離が第1閾値以上第2閾値未満の場合にユーザにとって見やすい明るさになっているものとする。この場合、ユーザ距離が第1閾値未満になると、LEDの光が眩しくて映像が見にくくなるので、変化部90は映像が暗くなるように映像の明るさを変化させている。また、ユーザ距離が第2閾値以上(第3閾値未満)になると、LEDの光が十分に届かずに映像が暗くて見えにくくなるので、変化部90は映像が明るくなるように映像の明るさを変化させている。
さらにユーザ距離が第3閾値以上になると、LEDの光がさらに届かなくなって映像が暗くて見えにくくなるので、変化部90は映像がより明るくなるように映像の明るさを変化させている。いずれの場合も、ユーザ距離に応じて映像の明るさを変化させることで、映像の明るさが一定の場合に比べて映像が見えやすくなっている。このように、本実施例によれば、発光体により映像を表示する映像表示装置において、映像の明るさが一定の場合に比べて、映像表示装置とユーザとの距離(本実施例における所定の状況)が変わっても映像を見やすくすることができる。
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
[2−1]環境光
変化部90は、ユーザ距離以外の状況に応じて映像の明るさを変化させてもよい。本変形例では、変化部90が映像表示装置の周囲の光の状況に応じて映像の明るさを変化させる。
図7は本変形例の映像表示装置1aの全体構成を表す。映像表示装置1aは、図1に表す距離情報取得部30に代えて、環境光情報取得部30aを備える。環境光情報取得部30aは、自装置の周囲の光(以下「環境光」という)の状況を表す環境光情報を取得する。環境光情報取得部30aは本発明の「第2取得部」の一例である。環境光情報取得部30aは、例えば、環境光の強さを表す情報を環境光情報として取得する。環境光情報取得部30aは、光センサ31aと、制御部32aとを備える。光センサ31aは、フォトダイオード等を備え、光の強さを測定する(単位は例えばlux(ルクス))センサである。
図8は水平方向に見た映像表示装置1aを表す。光センサ31aは、映像表示装置1aの囲み部材80の鉛直上方に取り付けられている。光センサ31aは、囲み部材80の配線及び回転・通信部44を介して制御部32aと電気的に接続されている。光センサ31aは、測定した光の強さを表す信号を制御部32aに供給する。制御部32aは、光センサ31aから供給された信号に基づき、測定された光の強さを算出する。環境光情報取得部30aは、この算出により自装置の周囲の光の強さを表す情報を環境光情報として取得し、取得した環境光情報を変化部90に供給する。
変化部90は、こうして環境光情報取得部30aにより取得された環境光情報が表す光の状況を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させる。変化部90は、環境光の強さと映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて変化処理を行う。
図9は本変形例の明るさテーブルの一例を表す。図9の例では、「第1閾値未満」という環境光の強さに「デューティ比−20%」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「第1閾値以上第2閾値未満」には「デューティ比−10%」が、「第2閾値以上第3閾値未満」には「標準」が、「第3閾値以上」には「デューティ比+10%」が対応付けられている。これらの環境光の強さは、例えば暗い方から夜間、夕方、曇り時、晴天時の光の状況を表しているものとする。
変化部90は、環境光情報取得部30aにより取得された環境光情報が表す環境光の強さと図9に表す明るさテーブルとを用いて、実施例と同様に映像の明るさを変化させる。この例では、発光制御部70が標準の明るさの映像を表示させると、例えば曇り時の日中(環境光の強さが第2閾値以上第3閾値未満)の場合にユーザにとって見やすい明るさになる。また、例えば夕方から夜になって周囲が暗くなると、映像の明るさを一定にしていては、周囲の明るさの割にLEDの光が強すぎて、かえって映像が見にくくなってくる。そのため、変化部90は、環境光の強さが弱くなるに連れて映像も暗くなるようにして、周囲の明るさと合うように映像の明るさを変化させている。
また、晴天時の日中だと、映像の明るさを一定にしていては、周囲の明るさの割にLEDの光が弱すぎて映像が見にくくなる。そのため、変化部90は、環境光の強さが強くなるとLEDの光を強くして映像が明るくなるように映像の明るさを変化させている。いずれの場合も、環境光の強さに応じて映像の明るさを変化させることで、映像の明るさが一定の場合に比べて映像が見えやすくなっている。このように、本変形例によれば、発光体により映像を表示する映像表示装置において、映像の明るさが一定の場合に比べて、環境光の強さ(本変形例における所定の状況)が変わっても映像を見やすくすることができる。
なお、環境光情報としては、環境光の強さだけでなく、例えば太陽が出ていて逆光及び順光が生じる状況を表す情報が用いられてもよい。この場合の映像表示装置1aについて図10を参照して説明する。
図10は鉛直上方から見た映像表示装置1aを表す。映像表示装置1aは、複数の光センサ31aを備える。複数の光センサ31aは、囲み部材80の横環状部材82に一定の間隔で取り付けられており、この例では12方向における光の強さが測定されるようになっている。環境光情報取得部30aは、これら複数の光センサ31aが測定した光の強さの最大値と最小値との差が閾値以上である場合、逆光及び順光が生じる状況であると判断する。
環境光情報取得部30aは、この状況を判断すると、測定した光の強さが最大であった光センサ31aが取り付けられている位置を表す情報を環境光情報として変化部90に供給する。変化部90は、太陽の方向と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて映像の明るさを変化させる。
図11は本変形例の明るさテーブルの別の一例を表す。図11の例では、「順光」という太陽の方向に「デューティ比+20%」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「斜光」には「標準」が、「逆光」には「デューティ比+10%」が対応付けられている。変化部90は、環境光情報が供給されると、逆光及び順光が生じる状況なので、映像の表示面のうち、順光になる部分ではデューティ比を20%増加させ、逆光になる部分ではデューティ比を10%増加させ、それぞれ映像が明るくなるように映像の明るさを変化させる。
図12は表示面のうち順光、逆光、斜光になる部分の一例を表す。この例では、最大の光の強さを測定した光センサを中心に90度の範囲が順光となる部分とし、その反対側の90度の範囲が逆光となる部分としている。なお、順光及び逆光において映像を明るくする度合いは、上記の例に限らない。逆光の方が順光よりも映像を明るくしてもよいし、どちらも同じだけ映像を明るくしてもよい。
[2−2]飛行高度
変化部90は、自装置の高度に応じて映像の明るさを変化させてもよい。
図13は本変形例の映像表示装置1bの全体構成を表す。映像表示装置1bは、図1に表す距離情報取得部30に代えて、高度情報取得部30bを備える。高度情報取得部30bは、自装置の高度を表す高度情報を取得する。高度情報取得部30bは本発明の「第3取得部」の一例である。高度情報取得部30bは、高度センサ31bと、制御部32bとを備える。高度センサ31bは、気圧センサ等を備え、気圧の違いに基づいて高度を測定するセンサである。
高度センサ31bは、測定した高度を表す信号を制御部32bに供給する。制御部32bは、高度センサ31bから供給された信号に基づき、測定された高度を表す高度情報を生成する。高度情報取得部30bは、こうして高度情報を取得し、取得した高度情報を変化部90に供給する。変化部90は、高度情報取得部30bにより取得された高度情報が表す高度を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させる。変化部90は、飛行高度と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて変化処理を行う。
図14は本変形例の明るさテーブルの一例を表す。図14の例では、「第1閾値未満」という飛行高度に「標準」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「第1閾値以上第2閾値未満」には「デューティ比+10%」が、「第2閾値以上」には「デューティ比+20%」が対応付けられている。変化部90は、高度情報取得部30bにより取得された高度情報が表す自装置の飛行高度と図14に表す明るさテーブルとを用いて、実施例と同様に映像の明るさを変化させる。
図14の例では、発光制御部70が標準の明るさの映像を表示させると、映像表示装置1bがユーザの目線近くの高さ(飛行高度が第1閾値未満)の場合にユーザにとって見やすい明るさになる。そこから映像表示装置1bの飛行高度が高くなるに連れて、ユーザとの距離が遠くなっていくので、表示される映像が暗く見えにくくなっていく。そのため、変化部90は、飛行高度が高くなるに連れて映像も明るくなるようにしている。本変形例によれば、映像の明るさが一定の場合に比べて、映像表示装置の高度という周囲の状況が変わっても映像を見やすくすることができる。
[2−3]環境光と飛行高度
変化部90は、上述した環境光の状況と自装置の高度とに応じて映像の明るさを変化させてもよい。
図15は本変形例の映像表示装置1cの飛行高度と映像の明るさの一例を表す。映像表示装置1cは、図7に表す環境光情報取得部30aと図13に表す高度情報取得部30bとを備える。図15では、ユーザの目線の高さである飛行高度H1を飛行している映像表示装置1cと、ユーザが見上げる高さである飛行高度H2(H2>H1)を飛行している映像表示装置1cとが表されている。
変化部90は、飛行高度H1の場合には、表示面C1の逆光部分、斜光部分、順光部分が水平方向に並ぶように、発光制御部70に映像の明るさを指示する。変化部90は、これに対し、飛行高度H2の場合には、表示面C1の逆光部分を鉛直下方にずらし、順光部分を鉛直上方にずらすように、発光制御部70に映像の明るさを指示する。映像表示装置1cは飛行するため、飛行高度が変わると表示面C1のうちユーザから見て逆光になる部分や順光になる部分が変化する。本変形例では、そのように逆光部分及び順光部分が変化しても、変化したそれらの部分の映像が見やすくなるように映像の明るさを変化させることができる。
[2−4]現在時刻
変化部90は、現在時刻を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させてもよい。変化部90は、現在時刻が含まれる時間帯と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて変化処理を行う。
図16は本変形例の明るさテーブルの一例を表す。図16の例では、「日中」という時間帯に「標準」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「早朝・夕方」には「デューティ比+10%」が、「夜間」には「デューティ比+20%」が対応付けられている。これらの時間帯は、例えば日の出時刻の前後30分が早朝、日の入り時刻の前後30分が夕方、早朝の後で夕方の前が日中、夕方の後で早朝の前が夜間であるものとする。
変化部90は、現在時刻が含まれる時間帯に対応付けられている映像の明るさに基づいて、実施例と同様に映像の明るさを変化させる。本変形例では、上述した環境光の強さに応じて映像の明るさを変化させる例と同様に映像を見やすくすることができ、且つ、その例に比べて、環境光の強さを測定するためのセンサ等を備える必要がないので、映像表示装置を軽量化及び小型化することができる。
[2−5]表示面の明るさ
変化部90は、外部装置によって測定された自装置の表示面の明るさに応じて映像の明るさを変化させてもよい。
図17は本変形例に係る映像表示システム100の全体構成を表す。映像表示システム100は、映像表示装置1dと、表示面明るさ測定装置200とを備える。映像表示装置1dは、図1に表す各部のうち距離情報取得部30を除く各部を備える。表示面明るさ測定装置200は、表示面の明るさを測定する装置であり、飛行する映像表示装置1dを撮影可能な場所に設置されて用いられる。
表示面明るさ測定装置200は、撮影部210と、表示面明るさ測定部220と、測定結果送信部230とを備える。撮影部210は、レンズ及びイメージセンサ等を備え、周囲を撮影する。撮影部210は撮影した画像(RGBで表されている)を表示面明るさ測定部220に供給する。表示面明るさ測定部220は、供給された画像から周知の画像認識技術を用いて映像表示装置1dの表示面の画像を抽出する。表示面明るさ測定部220は、例えば、抽出した表示面の画像の各画素の輝度の合計値(平均値でもよい)を表示面の明るさを表す値として測定する。表示面明るさ測定部220は、測定した値を測定結果送信部230に供給する。測定結果送信部230は、供給された測定結果を映像表示装置1dに送信する。
送信された測定結果は、映像表示装置1dの受信機15により受信されて変化部90に供給される。受信機15は、複数の発光体が形成する表示面C1の明るさを外部装置(本変形例では表示面明るさ測定装置200)が測定したときの測定結果を取得する機能を実現している。受信機15は本発明の「第4取得部」の一例である。変化部90は、このように受信機15によって取得された測定結果が表す表示面の明るさを所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させる。
変化部90は、表示面の明るさの測定結果と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて変化処理を行う。
図18は本変形例の明るさテーブルの一例を表す。図18の例では、「第1閾値未満」という測定結果に「デューティ比+20%」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「第1閾値以上第2閾値未満」には「デューティ比+10%」が、「第2閾値以上」には「標準」が対応付けられている。変化部90は、受信機15により取得された測定結果と図18に表す明るさテーブルとを用いて、実施例と同様に映像の明るさを変化させる。
図18の例では、測定結果が第2閾値以上と十分に表示面が明るく見えている状況では映像の明るさを変化させないが、測定結果の値が小さくなって表示面明るさ測定装置200の設置場所から見て表示面が暗く見えるようになるに連れて、表示される映像が明るくなるように変化部90が変化処理を行っている。本変形例によれば、映像の明るさが一定の場合に比べて、表示面明るさ測定装置200の設置場所から見た表示面の明るさ(本変形例における所定の状況)が変わっても映像を見やすくすることができる。
[2−6]自装置の移動速度
変化部90は、自装置の移動速度に応じて映像の明るさを変化させてもよい。
図19は本変形例の映像表示装置1eの全体構成を表す。映像表示装置1eは、図1に表す距離情報取得部30に代えて、移動速度情報取得部30eを備える。移動速度情報取得部30eは、自装置の移動速度を表す移動速度情報を取得する。移動速度情報取得部30eは本発明の「第5取得部」の一例である。
ここでいう移動速度とは、例えば映像表示装置1eが水平方向や鉛直、又は斜めの方向に移動する速度のことである。つまり、例えば映像表示装置1eが回転してもその回転速度は移動速度として扱わない。この移動速度は、映像表示装置1eの重心が移動する速度ということができる。移動速度情報取得部30eは、3軸速度センサ31eと、制御部32eとを備える。3軸速度センサ31eは、直交する3軸方向の速度を測定するセンサであり、測定した各速度の値を制御部32eに供給する。
制御部32eは、3軸速度センサ31eから供給された3軸方向の各速度の値に基づいて、自装置の移動速度を算出し、算出した移動速度を表す移動速度情報を生成する。移動速度情報取得部30eは、こうして移動速度情報を取得し、取得した移動速度情報を変化部90に供給する。変化部90は、移動速度情報取得部30eにより取得された移動速度情報が表す自装置の移動速度を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させる。変化部90は、移動速度と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて変化処理を行う。
図20は本変形例の明るさテーブルの一例を表す。図20の例では、「第1閾値未満」という移動速度に「標準」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「第1閾値以上第2閾値未満」には「デューティ比+10%」が、「第2閾値以上」には「デューティ比+20%」が対応付けられている。変化部90は、移動速度情報取得部30eにより取得された移動速度情報が表す自装置の移動速度と図20に表す明るさテーブルとを用いて、実施例と同様に映像の明るさを変化させる。
映像表示装置の移動速度が速くなるほど、LEDが発する光の残像が広い範囲に現れる一方、その分残像を暗く感じるようになり、映像が暗く見えにくくなる。図20の例では、移動速度が第1閾値未満と十分に遅く表示面が明るく見えている状況では映像の明るさを変化させないが、移動速度が速くなって表示面が暗く見えるようになるに連れて、表示される映像が明るくなるように変化部90が変化処理を行っている。本変形例によれば、映像の明るさが一定の場合に比べて、映像表示装置の移動速度(本変形例における所定の状況)が変わっても映像を見やすくすることができる。
[2−7]枠体の移動速度
変化部90は、枠体50の移動速度(例えば回転速度)に応じて映像の明るさを変化させてもよい。
図21は本変形例の映像表示装置1fの全体構成を表す。映像表示装置1fは、図1に表す距離情報取得部30に代えて、回転速度情報取得部30fを備える。回転速度情報取得部30fは、枠体50の回転速度を表す回転速度情報を取得する。回転速度情報取得部30fは本発明の「第6取得部」の一例である。
回転速度情報取得部30fは、3軸加速度センサ31fと、制御部32fとを備える。3軸加速度センサ31fは、直交する3軸方向の加速度を測定するセンサであり、枠体50に取り付けられて枠体50の3軸方向の加速度を測定する。3軸加速度センサ31fが測定した各加速度を表す加速度情報(加速度の方向及び大きさ)を制御部32fに供給すると、制御部32fは、その加速度情報に基づいて、枠体50の回転速度を算出する。枠体50は回転運動をしているので、回転中はその加速度が回転軸の方向を向いている。よって、加速度の方向が360度回転すると枠体50が1回転したことになる。
制御部32fは、加速度の情報が360度回転するのに要する時間から、枠体50が1秒間に回転する回数を回転速度として算出し、算出した回転速度を表す回転速度情報を生成する。回転速度情報取得部30fは、こうして回転速度情報を取得し、取得した回転速度情報を変化部90に供給する。変化部90は、回転速度情報取得部30fにより取得された回転速度情報が表す枠体50の回転速度を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させる。変化部90は、回転速度と映像の明るさとを対応付けた明るさテーブルを用いて変化処理を行う。
図22は本変形例の明るさテーブルの一例を表す。図22の例では、「第1閾値未満」という回転速度に「標準」という映像の明るさが対応付けられている。同様に、「第1閾値以上第2閾値未満」には「デューティ比+10%」が、「第2閾値以上」には「デューティ比+20%」が対応付けられている。変化部90は、回転速度情報取得部30fにより取得された回転速度情報が表す枠体50の回転速度と図22に表す明るさテーブルとを用いて、実施例と同様に映像の明るさを変化させる。
枠体50の回転速度が速くなったときにも、映像表示装置の移動速度が速くなったときと同様に、映像が暗く見えにくくなる。よって、変化部90が図20の例と同様に回転速度が速くなって表示面が暗く見えるようになるに連れて、表示される映像が明るくなるように変化処理を行うことで、本変形例でも、映像の明るさが一定の場合に比べて、枠体50の回転速度(本変形例における所定の状況)が変わっても映像を見やすくすることができる。
なお、枠体50は、実施例で述べたように決まった軌道を繰り返し移動するものであり、回転移動するものに限らない。その場合でも、映像表示装置が枠体50の移動速度を表す枠体速度情報を取得する取得部(本発明の「第6取得部」の一例)を備え、変化部90が、取得された枠体速度情報が表す枠体50の移動速度を所定の状況として用いて、映像の明るさを変化させればよい。
[2−8]所定の状況の組み合わせ
図15において変化部90が環境光の状況と飛行高度とを組み合わせて用いる例を説明したが、これに限らず、変化部90は、他の上述した所定の状況を組み合わせて用いてもよい。例えば、変化部90は、映像表示装置の移動速度と枠体50の回転速度の両方の状況を考慮して映像の明るさを変化させてもよい。この場合、変化部90は、映像表示装置の移動方向と枠体50の回転方向とが一致している側と反対向きになる側とで異なる変化処理を行う。
前者の側では移動速度の増加と回転速度の増加がどちらも映像を見えにくくするように働くので、変化部90は、移動速度及び回転速度が大きいほど映像を明るく変化させる。一方、後者の側では、回転速度の増加が移動速度の増加を打ち消すように働くので、変化部90は、回転速度が大きい場合には映像を明るく変化させる度合いを小さくする。
また、変化部90は、ユーザ距離と環境光の状況の両方を考慮して変化処理を行ってもよいし、さらに移動速度や回転速度を考慮して変化処理を行ってもよい。いずれの場合も、変化部90は、映像が暗く見えるように状況が変化した場合には映像を明るく変化させ、映像が明るく見えるように状況が変化した場合には映像を暗く変化させるように変化処理を行えばよい。これにより、映像の明るさが一定の場合に比べて、複数の所定の状況がそれぞれ変わっても映像を見やすくすることができる。
[2−9]状況に応じた処理
変化部90は上記の各例では所定の状況に応じた変化処理を図5等に表すテーブルを用いて行ったが、これに限らない。例えば各テーブルでは3つ又は4つの状況を映像の明るさと対応付けたが、2つでもよいし、5つ以上でもよい。また、所定の状況が数値で表される場合(ユーザ距離や環境光の強さなど)、その値を所定の式で計算して得られた値に基づいて映像の明るさを変化させてもよい。例えばユーザ距離であれば、ユーザ距離(メートル)を5で除した値をデューティ比の増加割合(%)として(ユーザ距離が50mならデューティ比を50÷5=10%増加させる)、変化処理を行うという具合である。その場合、変化部90は、映像の明るさを増減させる限度(デューティ比を30%以上は増減させないなど)を設けてもよい。
[2−10]映像の明るさの変化方法
変化部90は上記の例ではデューティ比を変化させることで映像の明るさを変化させたが、これに限らず、例えばLEDに供給する電流を変化させることで映像の明るさを変化させてもよいし、発光させるLEDの数を変化させることで映像の明るさを変化させてもよい。要するに、ユーザから見た映像の明るさが変化するのであれば、変化部90はどのような方法で映像の明るさを変化させてもよい。
[2−11]LEDの点滅制御
発光制御部70は、実施例では、例えば図4に表すLED07が領域D71を通過する期間にLED07を発光させ続けたが、この期間にLEDを点滅させてもよい。
図23は本変形例で表示される映像の一例を表す。図23では、点滅する複数のLEDにより表示された「E」という文字が表されている。この場合でも変化部90が変化処理を行うことで、映像が見えやすくなるという点は変わらない。
[2−12]枠体の回転方法1
実施例では、回転翼11及び枠体50が別々に回転したが、回転翼及び枠体が一体となって回転してもよい。
図24は本変形例の映像表示装置1gを表す。映像表示装置1gは、筐体2gと、回転翼11gと、モータ12gと、枠体50gと、力発生部120とを備える。筐体2gには、図示せぬ飛行機構の各部や電源部、映像表示部の各部が格納されている。映像表示装置1gは、1つの回転翼11gを備えるシングルローター式の回転翼機である。
回転翼11gは、シャフト111gと、ローター112gとを備える。シャフト111gは、鉛直下方の端がモータ12gの回転軸に固定され、モータ12gが生じさせる回転力により回転する。モータ12gの筐体の鉛直下方側には支持部材4g−1が固定されている。支持部材4g−1は、円柱形の部材であり、鉛直下方の端にベアリング6g−1が回転可能に取り付けられている。そのベアリング6g−1には筐体2gが固定されている。モータ12gが自身の回転軸を回転させると、その回転軸を回転させる回転機構は反作用によって回転軸とは反対向きに回転する。そのため支持部材4g−1も回転するが、ベアリング6g−1が設けられていることにより、ベアリング6g−1が設けられていない場合に比べてその回転力が筐体2gに伝わりにくくなっている。
一方、シャフト111gの鉛直上方の端には枠体50gが固定されている。これにより、枠体50gは、シャフト111gが回転すると、すなわち回転翼11gが回転すると、回転翼11gと一体になって回転するようになっている。枠体50gの鉛直下方の端には支持部材4g−2が固定されている。支持部材4g−2は、長手方向を鉛直に沿って配置された円柱形の部材であり、枠体50gとともに回転する。
支持部材4g−2の枠体50gの反対側の端(鉛直上方の端)にはベアリング6g−2が回転可能に取り付けられており、そのベアリング6g−2には筐体2gが固定されている。このため、ベアリング6g−2が設けられていない場合に比べて支持部材4g−2の回転力が筐体2gに伝わりにくくなっている。以上のとおり、筐体2gは、ベアリング6g−1及び6g−2を介して支持部材4g−1及び4g−2に繋がっているため、これらの支持部材が回転しても一緒には回転しないようになっている。また、支持部材4g−1及び支持部材4g−2は反対方向に回転するため、これらの回転力がベアリングを介して伝わったとしても、それらが打ち消し合って筐体2gに与えられる回転力を小さくしている。
力発生部120は、水平方向に働く力を発生させる機構であり、筐体2gに設けられている。力発生部120は、本実施例では、航空機における補助翼及び昇降舵の働きによって水平方向の力を発生させる。力発生部120は、第1舵面121−1及び第2舵面121−2(これらを区別しない場合は「舵面121」という)と、舵面向き制御部122とを備える。舵面121は、回転翼11gの回転により鉛直下方に吹き付ける風が当たる位置に配置される。舵面向き制御部122は、2つの舵面121の向きを制御する。
図24では、鉛直に沿って上向きを正方向とするZ軸と、第1舵面121−1から第2舵面121−2に向かう方向に沿ってこの方向を正方向とするX軸と、図24において奥から手前に向かう方向に沿ってその方向を正方向とするY軸とを表した。力発生部120は、両舵面121ともZ軸正方向側がZ軸負方向側よりもY軸負方向側に位置するように傾いた向きに制御することで、Y軸負方向に向かう水平方向の力を発生させる。力発生部120は、両舵面121ともZ軸正方向側がZ軸負方向側よりもY軸正方向側に位置するように傾いた向きに制御することで、Y軸正方向に向かう水平方向の力を発生させる。
力発生部120は、第1舵面121−1はZ軸正方向側がZ軸負方向側よりもY軸負方向側に位置するように傾いた向きに制御し、第2舵面121−2はZ軸正方向側がZ軸負方向側よりもY軸正方向側に位置するように傾いた向きに制御することで、筐体2gがZ軸負方向に見たときに時計回り方向に回転する水平方向の力を発生させる。また、力発生部120は、第1舵面121−1はZ軸正方向側がZ軸負方向側よりもY軸正方向側に位置するように傾いた向きに制御し、第2舵面121−2はZ軸正方向側がZ軸負方向側よりもY軸負方向側に位置するように傾いた向きに制御することで、筐体2gがZ軸負方向に見たときに反時計回り方向に回転する水平方向の力を発生させる。
[2−13]枠体の回転方法2
実施例では、回転翼11及び枠体50が別々に回転したが、回転翼の回転力の反作用で枠体を回転させてもよい。
図25は本変形例の映像表示装置1hを表す。映像表示装置1hは、筐体2hと、回転翼11hと、モータ12hと、枠体50hとを備える。回転翼11hは、シャフト111hと、ローター112hとを備える。シャフト111hには、ベアリング6hが回転可能に取り付けられており、ベアリング6hには枠体50hが固定されている。モータ12hの筐体の鉛直下方側には、棒状の支持部材4h−1を介して筐体2hの上面が固定されている。筐体2hの鉛直下向きの面には棒状の支持部材4h−2を介して枠体50hが固定されている。
このように、映像表示装置1hにおいては、モータ12hの筐体と、筐体2hと、枠体50hとが互いに支持部材を介して固定されており、一体となって回転するようになっている。一方、モータ12hの回転軸に固定された回転翼11hは、それら(枠体50h及び各筐体)からは独立して回転する。ただし、回転翼11hが回転すると、その反作用としてモータ12hの筐体を反対向きに回転させる力が発生する。この力により、モータ12hの筐体は回転翼11hとは反対向きに回転し、筐体2h及び枠体50hも、そのモータ12hの筐体と一体となって回転する。
[2−14]枠体
枠体は、上述した実施例や変形例で述べたものに限らない。
図26A、図26Bは本変形例の枠体の例を表す。図3に表す枠体50は環状の枠を形成する物体であったが、図26A(a)では、環が鉛直上方で途切れた枠を形成する枠体50oが表されており、図26A(b)では、環が鉛直の中央で途切れた枠を形成する枠体50iが表されている。このように、枠体は、完全な環状ではなく環が途中で途切れた形であってもよい。
図26B(c)では、底辺を鉛直上方に向けて頂点を鉛直下方に向けた三角形の形をした枠体50jが表されている。一方、図26B(d)では、円の形をした枠体50kが表されている。このように、枠体は、直線のみで形成された形をしていてもよいし、曲線のみで形成された形をしていてもよい。また、上述した実施例や変形例では鉛直に沿った回転軸を中心に枠体が回転したが、図26B(e)では、水平方向に沿った回転軸を中心に回転する枠体50lが表されている。このように、枠体の回転軸はどの方向を向いていてもよい。
また、図26B(f)では、2列に並べられたLEDが設けられた環状の枠体50mを環の径に沿った方向から見たところが表されている。枠体50mは、円筒を短く切ったような形をしており、細長い板の両端を繋いで環状に形成した形をしている。このように、枠体は棒状ではなく板状であってもよい。また、図26B(g)では、真っ直ぐな棒状の枠体50pが表されている。枠体50pは、筐体2pの鉛直下方に設けられた土台51pに固定されており、土台51pが回転することで枠体50pも回転する。このように、枠体は飛行機構や電源部の周囲を回転しなくてもよい。
図26B(h)では、枠体50pと同じく真っ直ぐな棒状の枠体50qが表されている。枠体50qは、図中の矢印に示すように一方の端を軸にした往復移動をする。そのため、枠体50qの軌道は扇の形をした軌道となる。このように、枠体は回転移動をしていなくてもよい。ただし、その場合も、決まった軌道を繰り返し移動するように枠体が設けられている必要がある。それにより、枠体に設けられた複数のLEDが発する光の残像により映像が表示されるからである。
[2−15]飛行体の形態
映像表示装置は、上述した回転翼機に限らない。例えば実施例の映像表示装置は4つの回転翼を備えるマルチローター式の回転翼機であったが、3つ以上の回転翼を備えるマルチローター式の回転翼機であってもよいし、シングルローター式又はツインローター式の回転翼機であってもよい。また、第2実施例や変形例で述べたシングルローター式の回転翼機は、ツインローター式の回転翼機であってもよい。また、同軸で回転する3つ以上のローターを備える回転翼機であってもよい。また、回転翼機ではなく、例えば動力から推力を得て前進し、固定翼により揚力を得て飛行する飛行機であってもよい。例えばホバリングが可能な模型飛行機が知られているが、そのような飛行機を用いれば、空中に静止した状態又は低速で移動する状態で映像を表示することができる。
[2−16]発光体
発光体はLEDに限らない。白熱電球や有機EL(Electroluminescence)など、光を発し且つ発光時期を制御可能な他の物体を発光体として用いてもよい。
[2−17]発光体の配置
図3等では、発光体の一例であるLEDが枠体の回転軸に対して対称に配置されており、枠体が回転すると対象に配置されたLEDが同じ軌跡を描いていたが、これに限らない。例えば各LEDが枠体の回転時に同じ軌跡を描かないようにずらして配置されていてもよい。これにより、前述したLEDが同じ軌跡を描く場合に比べて、枠体の回転軸に沿った方向の映像の走査線の密度を高めることができる。