以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、本発明の説明においては、椅子の座に座った着座者を基準にして「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を定義する(言い換えると、着座者から見て「上」及び「下」,「前」及び「後」,並びに「左」及び「右」を意味する)。
図1〜図3に本発明を適用した椅子の一実施形態の概略を示す。本実施形態の椅子は、脚体1と、脚体1に支持されたメインフレーム5と、背凭れ9が取り付けられたシンクロフレーム8と、座7が取り付けられた座受部材(座フレームあるいは座アウターシェルと呼ぶ)6とを有し、メインフレーム5に対してシンクロフレーム8並びに前リンク30を介在させて座7及び背凭れ9を同期させてロッキング可能に搭載されている。
本実施形態の椅子の脚体1は、脚羽根タイプの脚ベース2と、当該脚ベース2の中心部に立設する脚柱3とを有する。
また、本実施形態の脚ベース2は、樹脂によって一体に成形された、基部10と複数本の脚羽根20とを有する。
なお、脚ベース2の素材としての樹脂としては、具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、ガラス繊維入りナイロンが用いられ得る。
基部10には、座を支持する脚柱3が嵌め込まれて取り付けられる。
具体的には、基部10に、横断面(言い換えると、平面視)が円形で上下方向の貫通孔11が設けられ、当該貫通孔11に脚柱3が嵌合されて固定される。
本実施形態では、シリンダ18と当該シリンダ18に対して昇降可能であるロッド19とを有するガススプリングによって脚柱3が構成され、基部10に設けられた貫通孔11にシリンダ18が嵌合して固定されることによって脚ベース2に対して脚柱3(即ち、ガススプリング)が固定される。
ここで、基部10及び貫通孔11に関連する構造のうち、貫通孔11の上端側の部分11aと下端側の部分11bとは、脚ベース2の成形や脚体1としての組み立てにおける都合などが考慮されて設けられるものであり、本発明に関係する構造ではなく、したがって本発明にとって必須の構成ではない。なお、これら上端側部分11aと下端側部分11bとはこれらの間の部分と比べて横断面(平面視)における径が大きく形成されており、これら上端側部分11a及び下端側部分11bの内周面は、貫通孔11に脚柱3が嵌合されて固定された状態において脚柱3の外周面と接触せず、脚柱3の固定には寄与しない。
すなわち、図6や図7に示す例における対象部分は、貫通孔11のうちの上端側部分11aと下端側部分11bとの間の部分であり、具体的には、符号12で示す範囲を構成する周壁の内周面(言い換えると、内壁)の構造である。
以下では、脚ベース2の基部10のうちの符号12で示す範囲のことを、当該符号12で示す範囲の内壁、すなわち、貫通孔11のうちの上端側部分11aと下端側部分11bとの間の部分を構成する内壁を含めて「脚柱支持筒部12」と呼ぶ。
そして、本実施形態では、脚柱支持筒部12の内周面(言い換えると、基部10の貫通孔11を構成する内壁)が、全周に亙って脚柱3の外周面と接触する上下一対の接触部12A,12Bと、これら上下一対の接触部12A,12Bの間において脚柱3の外周面と接触しない非接触部12Cとを有するものとして構成される。
脚柱支持筒部12の内周面(貫通孔11を構成する内壁)を構成する上下一対の接触部12A,12Bは、それぞれ、上側から下側にいくに連れて横断面における内径が次第に小さくなるテーパ状に形成される。
したがって、上下一対の接触部12A,12Bは、それぞれ、下方側にいくに連れて貫通孔11の平面視における中心位置(即ち、軸心位置)に向けて次第に迫り出す斜面として、言い換えると、下向きの荷重を受け支え得るように傾斜する面として形成される。
すなわち、本実施形態では、上下一対の接触部12A,12Bが、どちらも、下方側にいくに連れて横断面における内径が縮小するテーパ状に形成されるようにしている。言い換えると、上下一対の接触部12A,12Bは、どちらも、下方側にいくに連れて内方に向けて次第に縮径する傾斜をなす環状のテーパ部として形成される。
一方、本実施形態において脚柱3を構成するガススプリングのシリンダ18は、横断面における外径が一定である(即ち、太さが一定である)上部円柱部18Aと、横断面における外径が上部円柱部18Aの外径よりも小さい径で一定である下部円柱部18Bと、外周面の上端が上部円柱部18Aの外周面の下端と段差無く連接して連続すると共に外周面の下端が下部円柱部18Bの外周面の上端と段差無く連接して連続する中間傾斜部18Cとを有する。
すなわち、本実施形態では、中間傾斜部18Cが、上側から下側にいくに連れて横断面における外径が次第に小さくなるテーパ状、つまり、下方側にいくに連れて外径が縮小するテーパ状に形成されるようにしている。
そして、脚柱3を構成するガススプリング(シリンダ18,ロッド19)が脚ベース2の基部10に設けられた貫通孔11に上方から挿入された際に、シリンダ18のうちの中間傾斜部18Cが脚柱支持筒部12に嵌合して固定される。
このとき、脚柱支持筒部12の内周面のうちの上下一対の接触部12A,12Bが中間傾斜部18Cの外周面と接触し、これら上下一対の接触部12A,12Bによってシリンダ18が受け支えられる。
具体的には、上下一対の接触部12A,12Bは下方側にいくに連れて横断面における内径が縮小するテーパ面であると共にシリンダ18の中間傾斜部18Cは下方側にいくに連れて横断面における外径が縮小するテーパ面であるので、脚柱3としてのガススプリングが貫通孔11に上方から挿入されると、シリンダ18の中間傾斜部18Cがこれを受け支えるように傾斜している上下一対の接触部12A,12Bと当接(言い換えると、面接触)し、シリンダ18の中間傾斜部18Cの外周面にかけられる下向きの荷重が上下一対の接触部12A,12Bの内周面によって外周方向から受け支えられて支持される。
これにより、脚柱3としてのガススプリングが、貫通孔11に嵌合して脚柱支持筒部12に固定され、延いては脚ベース2に固定される。
図7は、図6に示す例における脚柱支持筒部12の内周面(言い換えると、貫通孔11を構成する内壁)の構造を、上側接触部12A,下側接触部12B,及び非接触部12Cの形状の相互関係が分かり易いように、傾斜の態様を強調するなどして模式的に表したものである。
図7において、上側接触部12Aとしての、下方側にいくに連れて貫通孔11の平面視における中心位置(即ち、軸心位置)に向けて次第に迫り出す斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角をθ1とする。なお、傾斜角は、鉛直方向の基準線Vからの反時計回りの回転角として定義する。
そして、下側接触部12Bとしての、下方側にいくに連れて貫通孔11の平面視における中心位置(軸心位置)に向けて次第に迫り出す斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角もθ1である。
なお、上側接触部12Aとしての斜面や下側接触部12Bとしての斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角θ1は、特定の大きさに限定されるものではなく、脚柱3の外周面にかけられる下向きの荷重を上下一対の接触部12A,12Bの内周面によって外周方向から受け支えて支持するために必要とされる傾斜角度などが考慮された上で適当な大きさに適宜調整される。
また、上側接触部12Aとしての斜面の延長方向と下側接触部12Bとしての斜面の延長方向とが一致するように、上側接触部12Aと下側接触部12Bとは相互に調整されて形成される。図7では、具体的には、上側接触部12Aとしての斜面の延長方向と下側接触部12Bとしての斜面の延長方向とは、どちらも、仮想直線Fに一致する。
そして、仮想直線Fは、貫通孔11に嵌合した状態の脚柱3の外周面(具体的には、ガススプリングのシリンダ18のうちの中間傾斜部18Cのテーパ面)の位置・形状と一致する。
すなわち、上下一対の接触部12A,12Bとしての斜面(具体的には、下方側にいくに連れて内径が縮小するテーパ面)が、どちらも、脚柱3の外周面(具体的には、下方側にいくに連れて外径が縮小するテーパ面)を表す仮想直線Fと一致するように形成され、これにより、脚柱3の外周面(シリンダ18の中間傾斜部18C)が、これを受け支えるように傾斜している上下一対の接触部12A,12Bと当接(面接触)するようになる。
一方、非接触部12Cは、上下一対の接触部12A,12Bとしての斜面の延長方向を表すと共に脚柱3の外周面の位置・形状と一致する仮想直線Fに一致したり仮想直線Fよりも貫通孔11の軸心位置側に突出したりしないように、言い換えると、仮想直線Fよりも凹むように、したがって、脚柱3の外周面と接触することがないように形成される。
本実施形態では、具体的には、非接触部12Cも、上側接触部12Aや下側接触部12Bと同様に、上側から下側にいくに連れて横断面における内径が次第に小さくなるテーパ状の斜面として形成される。
そして、非接触部12Cとしての斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角をθ2とすると、上側接触部12Aとしての斜面や下側接触部12Bとしての斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角θ1との関係として、非接触部12Cが仮想直線Fよりも凹んで脚柱3の外周面と接触しないように、θ2<θ1を満たすように調整される。
なお、非接触部12Cとしての斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角θ2は、特定の大きさに限定されるものではなく、0≦θ2<θ1を満たす範囲で適宜調整されることが好ましい。ここで、θ2=0は、非接触部12Cとしての面(即ち、貫通孔11のうちの非接触部12C部分の内周面)が鉛直面になっている状態である。
ここで、上下一対の接触部12A,12Bとしての斜面の鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角θ1及び非接触部12Cとしての斜面の鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角θ2は、あくまで例として挙げると、2.5°≦θ1≦3.5°,1.0°≦θ2≦2.0°とすることが考えられ、さらに具体的にはθ1=3.0°,θ2=1.5°とすることが考えられる。
上下一対の接触部12A,12Bの傾斜角θ1や非接触部12Cの傾斜角θ2が上述の範囲や値に設定されることにより、上下一対の接触部12A,12Bの内周面による外周方向からの支持力が適切に発揮され、その上で、上側の接触部12Aの下端と非接触部12Cの上端とが連接してこれらが連続する面として形成され且つ、非接触部12Cが脚柱3の外周面と接触しないように構成される。
図6や図7に示す例では、付け加えると、上側接触部12Aと非接触部12Cとはそれぞれの下端と上端とが連接して傾斜角度が変化するものの段差無く連続する傾斜面として形成され、非接触部12Cと下側接触部12Bとはそれぞれの下端と上端との間に段差d2が存在する面として形成される。
そして、図6や図7に示す例のように構成されることにより、貫通孔11のうちの、上端側の部分11a及び脚柱支持筒部12が上方からの抜き型によって成形可能になると共に、下端側の部分11bが下方からの抜き型によって成形可能になる。したがって、樹脂製の脚ベース2の成形が簡便に行われ得る点で好ましい。
ただし、非接触部12Cとしての斜面の、鉛直方向の基準線Vに対する傾斜角θ2については、場合によってはθ2<0であっても構わない。ここで、θ2<0は、下方側にいくに連れて鉛直方向の基準線Vよりも脚柱支持筒部12の外周に向けて次第に傾斜している状態、すなわち、下方側にいくに連れて横断面における内径が次第に拡大する状態である。
また、非接触部12Cの態様は、要は上側接触部12Aとしての斜面及び下側接触部12Bとしての斜面の延長方向を表す仮想直線Fよりも凹んでいれば良く、図6や図7に示す例における態様に限定されるものではない。
具体的には例えば、図8Aに示すように、上側接触部12Aと非接触部12Cとがそれぞれの下端と上端との間に段差d1が存在する面として形成され、非接触部12Cと下側接触部12Bとがそれぞれの下端と上端とが連接して傾斜角度が変化するものの段差無く連続する傾斜面として形成されるようにしても良い。
また、図8Bに示すように、上側接触部12Aと非接触部12Cとがそれぞれの下端と上端との間に段差d1が存在する面として形成されると共に、非接触部12Cと下側接触部12Bとがそれぞれの下端と上端との間に段差d2が存在する面として形成されるようにしても良い。
以上の構成を備える脚柱支持筒部12を有する椅子の脚ベース及びこの脚ベースを備える椅子によれば、脚柱3の外周面と接触する上下一対の接触部12A,12Bの間において脚柱3の外周面と接触しない非接触部12Cを有するようにしているので、脚柱支持筒部12の内周面の起伏,歪みや脚柱3を構成する部品の直径のばらつきが非接触部12Cによって吸収され、これにより、上下一対の接触部12A,12Bを脚柱3としてのガススプリングのシリンダ18の外周面に確実に密着させることができ、椅子の脚柱3と樹脂製の脚ベース2との取付部である基部10の貫通孔11におけるがたつきを防止することが可能になる。このため、成形において生じる個体間のばらつきを矯正する必要がなく、したがって、製造工程において矯正する作業が必要とされず、製造にかかる手間を低減させることが可能になる。
なお、上述の実施形態では上側接触部12Aと下側接触部12Bとのどちらもが環状のテーパ部として形成されて周方向に切れ目無く全周に亙って連続して形成されるようにしているが、上側接触部12Aや下側接触部12Bの構成態様は上述の実施形態における態様に限定されるものではなく、上側接触部12Aや下側接触部12Bには周方向と直交する方向(即ち、上下方向)若しくは斜交する方向(即ち、上下以外の方向)の切れ目が設けられるようにしても良い。
また、上述の実施形態では上側接触部12Aと下側接触部12Bとのどちらもが下方側にいくに連れて貫通孔11の平面視における中心位置(即ち、軸心位置)に向けて次第に迫り出す斜面として形成されるようにしているが、上側接触部12Aや下側接触部12Bの形態は上述の実施形態における形態に限定されるものではなく、上側接触部12Aと下側接触部12Bとのうちのどちらか一方若しくは両方ともが鉛直面として形成されるようにしても良い。
また、上述の実施形態における脚柱支持筒部の構造は種々の脚ベースに対して広く適用され得るものであり、脚ベースの構成態様は上述の実施形態における脚ベース2の具体的な構造に限定されるものではなく、さらに言えば脚羽根タイプの脚ベースに限定されるものではなく、例えば、中心位置に脚柱支持筒部12を一体のものとして含む全体として円盤状或いは円錐状や山形の脚ベースに対しても適用され得る。
また、上述の実施形態における脚柱支持筒部の構造は種々の脚柱に対して広く適用され得るものであり、脚柱の構成態様は上述の実施形態における脚柱3の具体的な構造に限定されるものではなく、さらに言えばガススプリングに限定されるものではなく、例えば、昇降機能を有しない単なる棒状部材によって構成される脚柱に対しても適用され得る。
一方、複数本の脚羽根20は、それぞれ、基端部20aが基部10に連接し、且つ、長手方向が基部10を中心とする放射方向に沿うように配設される。
本実施形態では、五本の脚羽根20が放射状に配設され、各々の先端部20bの下面にキャスタ4が備えられる。
そして、本実施形態では、脚羽根20の基端部20a側は接地しておらず、先端部20bにおいて下面側のキャスタ4を介して接地している。なお、脚羽根20の先端部20bにキャスタ4が備えられることは必須の構成ではなく、例えばスペーサやクッション材などが備えられるようにしても良く、或いは、脚羽根20の先端部20bが凸状に形成されるなどした上で直接接地するようにしても良い。つまり、脚羽根20の基端部20a側は直接にも間接にも接地せず、先端部20b側が直接にまたは間接に接地するように構成される。
脚羽根20は、長手方向に伸びて対向して設けられる一対の側板21,21と、これら側板21,21の上端部を連接するように設けられる頂部22とを有する。
すなわち、脚羽根20は、長手方向と直交する縦断面視において、下向きに開口する山形の構造を備えるものとして形成される。
言い換えると、脚羽根20は、対向して設けられる一対の側板21,21と頂部22とによって囲まれると共に下向きに開口する中空部を有するものとして形成される。
そして、脚羽根20の側板21が、上側部分21Aよりも下側部分21Bの方が厚いものとして構成される。
本実施形態では、具体的には、脚羽根20の側板21の厚み寸法が、上側部分21Aの厚み寸法よりも下側部分21Bの厚み寸法の方が厚くなるように構成されている。
また、本実施形態では、図9に示すように、側板21の上側部分21Aは厚み寸法がt1で一定であるようにした上で、側板21の下側部分21Bの厚み寸法が上側部分21Aの厚み寸法t1よりも大きいものとして構成される。
本実施形態では、さらに、図9に示すように、側板21の下側部分21Bは、上側部分21Aとの連接部から下側にいくに連れて厚み寸法が次第に増加する部分、具体的には、下側部分21Bの上端(即ち、上側部分21Aの下端との連接部)から厚み寸法の最大値t2の寸法線の位置までの部分、を有するものとして構成される。
ただし、側板21の上側部分21Aや下側部分21Bのそれぞれの厚み寸法は、一定であるようにしても良く、或いは、図10に示すように、変化するようにしても良い。
したがって、側板21の上側部分21Aの厚みと下側部分21Bの厚みとの間の関係として以下のi乃至iiiが挙げられる。
i) 下側部分21Bの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt2)が上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)よりも大きい。(なお、下側部分21Bの厚み寸法の最小値と上側部分21Aの厚み寸法の最小値(図9に示す例ではt1)との間の関係は問わない。)
ii) 下側部分21Bの厚み寸法の最小値が上側部分21Aの厚み寸法の最小値(図9に示す例ではt1)以上であり、且つ、下側部分21Bの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt2)が上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)よりも大きい。
iii) 下側部分21Bの厚み寸法の最小値が上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)以上であり、且つ、下側部分21Bの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt2)が上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)よりも大きい。
ここで、着座によって脚ベース2に荷重がかけられた際に脚羽根20における局所的な応力集中を回避するという観点や脚羽根20の長手方向と直交する方向の縦断面の全体で荷重を適切に分担するという観点から、側板21の上側部分21Aの厚みと下側部分21Bの厚みとの間の関係としては上記iiiが好ましい。
上記iiiは、言い換えると、下側部分21Bの何れの部分においても下側部分21Bの厚み寸法は上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)以上であり、且つ、下側部分21Bの少なくとも一部において下側部分21Bの厚み寸法が上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)よりも大きいという縦断面構成である。
ここで、上側部分21Aの厚み寸法や下側部分21Bの厚み寸法は、特定の値に限定されるものではなく、着座によって脚ベース2に荷重がかけられた際に脚羽根20における局所的な応力集中を回避することや脚羽根として必要とされる設計強度を確保すること並びに脚羽根20の長手方向と直交する方向の縦断面の全体で荷重を適切に分担することなどが考慮された上で適当な値に適宜設定される。
具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、上側部分21Aの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt1)が4.0〜5.5 mm 程度であると共に、下側部分21Bの厚み寸法の最大値(図9に示す例ではt2)が6.5〜8.0 mm 程度であるように設定されることが考えられる。なお、このとき、下側部分21Bの下端の厚み寸法(図9に示す例ではt3)は4.5〜6.0 mm 程度であるように設定されることが考えられる。
そして、応力集中の回避,設計強度の確保,及び荷重の適切な分担の全てを良好に達成するためには、図9に示す縦断面構成として、上側部分21Aの厚み寸法t1が4.5 mm で一定且つ下側部分21Bの厚み寸法の最大値t2が7.0〜7.6 mm に設定されることが好ましく(なお、合わせて、下側部分21Bの下端の厚み寸法t3が5.0〜5.7 mm に設定されることが好ましい)、また、t1=4.5 mm 且つt2=7.6 mm に設定されることが一層好ましい(なお、合わせて、t3=5.7 mm に設定されることが好ましい)。
各厚み寸法t1,t2,t3が上記の値に設定されることにより、脚羽根20の長さ寸法が330 mm 以上であっても、さらに言えば345 mm 程度であっても、応力集中の回避,設計強度の確保,及び荷重の適切な分担が良好に達成される(なお、脚羽根20の長さ寸法が概ね360 mm 程度までは少なくとも良好に達成される)。しかも、脚羽根20の長手方向と直交する方向の縦断面における全幅寸法Wを、従来汎用されている樹脂製の脚羽根の全幅寸法と同等の35 mm 程度若しくはそれよりも小さくする(つまり、35 mm 以下にする)ことができる。すなわち、従来汎用されている樹脂製の脚羽根としては長さ寸法が大きくても330 mm 程度が多いのに対し、上述の構成を備える脚羽根20によれば、従来汎用されている樹脂製の脚羽根以上に脚羽根20の長手方向の寸法を大きくしながらも、重量が極端に増大したり外観が損なわれたりすること無く強度を確保することが可能になる。
なお、脚羽根20の長さ寸法は、平面視における、貫通孔11(脚柱支持筒部12)の中心位置(即ち、軸心位置)から、先端部20bのキャスタ4の支持軸の軸心位置若しくは接地部分の重心位置までの寸法のことである。
なお、上側部分21Aと下側部分21Bとの境界位置(これにより、側板21の上下方向における上側部分21Aと下側部分21Bとの比率が特定される)は、特定の位置に限定されるものではなく、着座によって脚ベース2に荷重がかけられた際に脚羽根20における局所的な応力集中を回避することや脚羽根として必要とされる設計強度を確保すること並びに脚羽根20の長手方向と直交する方向の縦断面の全体で荷重を適切に分担することなどが考慮された上で適当な位置に適宜設定される。具体的には例えば、側板21の上下方向における全体寸法に対する下側部分21Bの割合が、概ね30〜70 % 程度の範囲に設定されることが好ましく、40〜60 % 程度の範囲に設定されることが一層好ましい。
なお、椅子の脚ベースの脚羽根としては、対向して設けられる一対の側板21,21によって主に基本剛性が得られるようにすると共に不足するねじれ強度を補強するためにこれら一対の側板21,21と交差する方向に延びてこれら一対の側板21,21間を連結するサイドリブやクロスリブと呼ばれる構造を更に有するようにしても良い。
この場合のサイドリブ,クロスリブは、一対の側板21,21間を連結するものであれば、側板21の長手方向に対し、傾斜する方向に設けられるようにしても良く、或いは、直交する方向に設けられるようにしても良い。
以上の構成を備える脚羽根20を有する椅子の脚ベース及びこの脚ベースを備える椅子によれば、脚羽根20の側板21が上側部分21Aよりも下側部分21Bの方が厚いようにしているので、椅子に着座した際に脚ベース2にかかる荷重を、脚羽根20の全体で、具体的には脚羽根20の長手方向と直交する方向の縦断面の全体で、適切に分担することができ、サイドリブを多数設けたり脚羽根20の外形寸法を大きくしたり(言い換えると、脚羽根20全体を太くしたり)することなく樹脂製の脚羽根20の長手方向の寸法を大きくすることが可能になる。このため、樹脂製の脚羽根の長手方向の寸法を大きくしながらも重量が極端に増大したり外観が損なわれたりすること無く強度を確保することが可能になる。なお、上述の実施形態における脚羽根の構造は脚羽根タイプである種々の脚ベースの脚羽根に対して広く適用され得るものであり、脚ベースのうちの基部の構成態様は上述の実施形態における基部10の具体的な構造には限定されない。
他方、ロッキング機構におけるシンクロフレーム8は、図15に示すように、メインフレーム5の脚柱3が連結される脚柱受部31よりも僅かに前方において、軸受部40を貫通するシンクロフレーム回転軸32によって鉛直面に沿って揺動可能に連結されている。また、シンクロフレーム8は、図17に示すように、シンクロフレーム回転軸32よりも前方で上下方向に二股状に分岐され、上側がてこリンク部8aとして、下方が反力ばね受部8bとして形成されている。即ち、シンクロフレーム8は、斜め上前方へと延出するてこリンク部8aが座アウターシェル6の後方寄りの中央付近に回転自在に連結され、斜め下前方へと延出する反力ばね受部8bが反力付与機構受軸33を介して反力付与機構37の後端部を支えるように設けられている。他方、座アウターシェル6の前方は、図11に示すように、メインフレーム5の前端に設けられた軸受ブラケット部38に揺動自在に備えられている前リンク30によって、好ましくは水平面よりも上で尚且つ鉛直面に達しない範囲、例えば20゜〜30°から90°未満の間で揺動自在に支持されている。そして、着座者が背凭れ9に凭り掛かった際に、シンクロフレーム回転軸32を中心とするシンクロフレーム8の後傾動作によって、てこリンク部8aで座アウターシェル6を斜め上後方向へ持ち上げながら座アウターシェル6の前方に連結された前リンク30を引き起こして座アウターシェル6全体を持ち上げると共に反力付与機構37のコイルばね36を縮めて反力を発生させるように設けられている。即ち、本実施形態のロッキング機構は、体重対応式反力付与機構とコイルばね36を利用した反力付与機構37とを併用している。
メインフレーム5は、シンクロフレーム8及び前リンク30を介して背凭れ9及び座7を揺動自在に支持すると共に脚体1に回転可能に搭載させるためのものであり、少なくともシンクロフレーム8と座アウターシェル6とを支持する部位と剛性を備えれば良く、特定の構造や形状、材質などに限定されるものではない。本実施形態の場合、メインフレーム5は、図15及び図16に示すように、例えば、脚柱3の頂部に締まり嵌めによって固定される脚柱受部31と、反力付与機構37の前端を受支える前端板39、シンクロフレーム回転軸32を回転自在に支える軸受部40、前リンク30を回転自在に支える軸受ブラケット部38及びシンクロフレーム8との間でロック機構76を構成する部材の一方(例えば係合孔77を有する後壁部41)並びに反力付与機構37を配置する空所42とを備えている。
メインフレーム5とシンクロフレーム8との間には、シンクロフレーム8が後傾すると圧縮されてシンクロフレーム8を起立させようとする反力を発生させる反力付与機構37が設けられている。反力付与機構37は、例えば、図11及び図15に示すように、同軸上に配置された前後のばねマウント34,35とコイルばね36により構成され、メインフレーム5の中央直下に配置されている。例えば、後ばねマウント35を介してシンクロフレーム5の先端の反力付与機構受軸33と、前ばねマウント34を介してメインフレーム5の先端の前端板39との間に配置されている。前ばねマウント34には図示していない調節ねじの先端の球面が嵌り込む凹部34a及びメインフレーム5の逆U形の軸受部(図示省略)に係合する軸部34bが、後ばねマウント35には反力付与機構受軸33と係合する半円状のフック35aが設けられている。例えば、メインフレーム5の前端から垂下する前端板39にはねじ孔39aと先端が球面に形成された調節ねじ(図示省略)が備えられ、調節ねじの前端板39からの後方への突出量を変えることでコイルばね36の初期圧縮量を調節し、発生する反力の強さを調節可能とされている。また、調節ねじ21の先端の球面は前ばねマウント34に設けられる凹部34aとの間で球面座を構成している。
以上のように構成されたロッキング機構によれば、着座者が背凭れ9に凭り掛かると、コイルばね36を押し縮め(背凭れに反力を与え)ながら背凭れ9及びシンクロフレーム8がシンクロフレーム回転軸32を中心に後傾する。同時に、シンクロフレーム8の先端のてこリンク部8a及び前リンク30の揺動によって座アウターシェル6が後方へ引き上げられるため、座5にかかる着座者の体重が背凭れ9を押し戻す力に変換されてシンクロフレーム8に反力として作用する。このため、体重の重い人ほど背凭れを後傾させるのに大きな力が必要になり、体重の軽い人ほど背凭れを後傾させるのに小さな力で済む。つまり、背凭れを後傾させる力に対するロッキング反力として着座者の体重に応じた大きさのものを得ることができる。その反面、着座者が上体を起こそうとすると、体重に起因するロッキング反力の作用と共にコイルばね36が伸びて背凭れを起こす方向にシンクロフレーム8を回転させる。
本実施形態の場合、ロッキング機構は、メインフレーム5の下を覆う前カバー5a、後カバー5b、及びメインフレーム5の上を覆う上カバー5cによって外観に露出しないように配慮されている。また、本実施形態における脚体1は、例えば放射状に広がる5本の脚ベース2の先端にキャスタ4を備える、所謂回転脚と呼ばれるものであるが、場合によっては固定脚であっても良い。
なお、本実施形態では椅子の背凭れ9の後傾に連動して座7を上昇させることにより背凭れ9を押し戻そうとする力を発生させる体重対応式反力付与機構とばねを利用した反力付与機構37とを併用するシンクロロッキング機構に適用した例を挙げて説明しているが、本発明が適用される椅子はこれに特に限られるものではなく、体重対応式反力付与機構とコイルばねを有する反力付与機構37とのいずれか一方のみを有する椅子、例えば背凭れ9の後傾と連動して座7が後方へ移動しながら後端側が沈み込む非体重感知式のシンクロロッキング機構や、背凭れ9のみが単独で後傾するロッキング機構あるいは座7のみがロッキング動作を行うロッキング機構、さらにはロッキング機構を有しない椅子にも適用可能であることは言うまでもない。また、本発明が適用され得るメインフレーム5,座アウターシェル6,シンクロフレーム8などの各構成部材の具体的な形状や態様は、上述の実施形態におけるものに限られるものではなく、椅子の用途やデザインなどを踏まえて適宜選択される。
前述のロッキング機構に搭載される座7は、例えば、図12〜図14に示すように、メインフレーム5に対して前リンク30及びシンクロフレーム8を介在させて揺動可能に支持されている座アウターシェル6と、芯材となるインナーシェル44と、その上に載置されるクッション並びに該クッションを覆う上張地とから構成される。インナーシェル44には、4隅に前後方向へのスライド用スリット45が設けられ、該スリット45を貫通するスライダパーツ46が座アウターシェル6側にねじ止めによって固定されている。したがって、座アウターシェル6に対してその上のインナーシェル44を含む座7がスリット45に沿って前後にスライド可能に載置される。この座7の前後方向へのスライドは、座アウターシェル6側に前後方向に配置されている複数の位置決め用孔47と、インナーシェル44から出没するストッパ48との嵌合によって規制される。ストッパ48は座のウレタンクッションの弾力で上下動するものであり、座アウターシェル6の外に突出したストッパ48の頭を座アウターシェル6に向けて押すことで位置決め用孔47からストッパ48が飛び出してロックが解除されるように設けられている。
座7は、メインフレーム5の前端部に備えられた一対の前リンク30によって両端が支持されている座前方支持軸49に対して座アウターシェル6の前方が回転自在に支持されると共に、座後方支持軸50によって座アウターシェル6の中程が揺動可能にシンクロフレーム8のてこリンク部8aに回転自在に連結支持されている。これにより、シンクロフレーム8の揺動に伴って座7の後方が前後しながら昇降すると共に前方が前後にスライドしながら揺動し、背凭れ9及び座7が連動してロッキング動作を行う。
座7のメインフレーム5への取り付けは、座アウターシェル6の底面前方に形成された軸受ブラケット部51に座前方支持軸49を貫通させて、その支持軸49の両端に前リンク30の他端側を嵌合させている。前リンク30は、メインフレーム5の前端側の軸受ブラケット部38に回転自在に支持された前リンク軸によって一端・基端側が回転自在に支持されている。したがって、前リンク軸を中心に前リンク30が回動することによって、座7の前方は前リンク30の起伏に伴って後退しながら上昇、前進しながら下降するように支持されている。
座後方支持軸50を支える座アウターシェル6の軸受ブラケット部52は、図19に示すように、座後方支持軸6を貫通させる外側の軸受部52fと座後方支持軸6を貫通させないように受け止める内側の軸受部52bとから成り、それらの間にシンクロフレーム8の左右のてこリンク部8aをそれぞれ挟み込むスリット52sを形成したものである。つまり、左右のてこリンク部8aをそれぞれ挟み込む2組みの外側軸受部52fと内側軸受部52bとから成る軸受けブラケット部52と2本の座後方支持軸50によって、座アウターシェル6とてこリンク部8aが連結されている。したがって、座後方支持軸50を貫通させるシンクロフレーム8のてこリンク部8aの孔50a部分をスリット52sに差し入れてから座後方支持軸50を外側軸受部52fからそれぞれ挿入することによって、座アウターシェル6とシンクロフレーム8とが回転自在に連結される。
この座後方支持軸50は軸受ブラケット部52の軸孔52hに挿入されるだけで、止め輪や圧入などで抜け止めが図られていない。したがって、軸受ブラケット部52の奥側には抜けないが、手前側には抜け落ちる可能性がある。そこで、この座後方支持軸50の外側には、座アウター取付キャップ53が配置されて目隠しと抜け止めが図られている。座アウター取付キャップ53は例えば図19に示すように、軸受ブラケット部52の根元部分に開けられた透孔(座アウターシェル6の厚み方向の透孔)54と外側軸受部52fの頂部に設けられた切欠き52cとにそれぞれ引っ掛けられる弾性爪53a,53bを有し、座アウターシェル6に対し着脱自在に取り付けられている。ここで、座アウターシェル6の透孔54に係合する弾性爪53aは例えば逆レ形に屈曲しており、弾性変形して透孔54を通過した後には広がって先端側が座アウターシェル6の内側に引っ掛かり抜けないように設けられている。また、外側軸受部52fの頂部の切欠き52cに引っ掛けられる弾性爪53bは、例えば切欠き52cの奥の図示していない凹部に引っ掛かる凸部を備え、凹凸の嵌合によって座アウター取付キャップ53の軸方向への抜け止めを図っている。
また、前リンク30には、図15に示すように、ストッパとして機能することにより前リンク30の一方のストローク端を定めるストッパレバー55が設けられている。このストッパレバー55は、メインフレーム5の前端面に当接して、それ以上前方へは回動しないように用いられる。例えば、メインフレーム5の前端面には、図15及び図16に示すように、前リンク30を揺動自在に支持する軸受ブラケット部38と隣接して、その外側に前リンク30と一体成形されたストッパレバー55が進入可能な溝56が設けられている。この溝56の突き当たりの壁面が度当たりとして機能し、進入するストッパレバー55が当接することで、前リンク30のそれ以上の前方への回動、即ち座7の前方の降下が阻止される。本実施形態の場合、ストッパレバー55は、図15に示すように、前リンク30に対して例えば120度ほど位相が進む関係となるように形成されており、ストッパレバー55がメインフレーム5に当接したときに、前リンク30が30°程度前に浮き上がった状態で保持されるように設けられている。
尚、シンクロフレーム8が揺動可能な角度の最大傾斜位置、即ち背凭れ9が最大限後傾できる位置を規制するダンパ43がメインフレーム5の底面側に突出するように設けられている。そして、このダンパ43にシンクロフレーム8の反力付与機構受軸33が当接したときに、それ以上のシンクロフレーム8の後傾方向への回動が妨げられるストッパ機能を果たす。ダンパ43は、干渉機能を有する素材、例えば硬質ウレタンクッションなどを頭部に備えたピン形状を成し、メインフレーム5に圧入により嵌め込むことで固定されている。
さらに、メインフレーム5の前端側には座前方支持軸49を支持する前リンク30が揺動自在に取り付けられる軸受ブラケット部38が形成されている。この軸受ブラケット部38は、メインフレーム5と一体成形されており、メインフレーム5から上方に離れた位置で前リンク30を座前方支持軸49で揺動自在に支持するようにしている。
背凭れ9は、図1や図11などに示すように、剛体の背フレーム57と可撓性のある背枠58及び背枠58に張られるメッシュ張地59並びに腰部を支えるランバープレート(図11には示されていない)60とで構成されている。剛体の背フレーム57は、図11や図21などに示すように、例えば、側面視で全体にくの字形に屈曲した背凭れ部57aと、前方へ向けて延びる下向きに湾曲した背支桿部57bとを有し、強度に優れる強化樹脂例えばガラス繊維入りナイロンや、ポリアセタール(POM),ポリプロピレン(PP),ナイロン等のポリアミド系樹脂、あるいは樹脂以外の材料例えば鉄やアルミ合金,ステンレススティール等の使用も可能である。
背フレーム57の背支桿部57bには、左右の背支桿部57bの間に跨がるように背フレーム取付座57dが一体的に形成されると共に、各先端部分にはやや上向きで前方へ向けて開放されたU字形の切欠き57fが形成されている。切欠き57fは背支桿部57bの内側の面並びに前端面に向けて開口されている。したがって、先端のU字形の切欠き57fの部分をシンクロフレーム回転軸32に引っ掛けてから同回転軸32を中心に背フレーム57を後へ倒すように回動させ、背フレーム取付座57dをシンクロフレーム8の背フレーム取付用架橋部の上に載置してビス止めによって固定することでシンクロフレーム8と背フレーム57とが一体化されている。
また、この背フレーム57の上辺には背枠58の上辺58cを取り付けるための凹部57gが複数設けられている。そして、この凹部57gに背枠58の背面側に突出した凸部(図示省略)を嵌入した状態で下からビス止めすることで一体化されている。他方、剛体の背フレーム57に対して可撓性のある柔軟な背枠58の下辺部分58aは、リンク部材62で連結されることによって前後に移動可能に支持されている。即ち、図11及び図14などに示すように、背枠58と背フレーム57とリンク部材62との間でリンク機構61を構成している。これによって、リンク部材62を回動させて後傾させることにより背枠58の下端を後方へ移動させると、背枠(背凭れ面)58がやや前傾ぎみの姿勢となる。また、リンク部材62を前傾させることにより背枠58の下端58aを前方へ移動させると、背枠(背凭れ面)58が比較的寝た状態・リラックス姿勢を採ることができる。つまり、背フレーム57の傾き(背凭れ9としての傾きと同じ)は変えずに、背凭れ面(背枠58とメッシュ張地59とで形成される面)の傾きだけを比較的前傾ぎみに起立させた状態と寝かせた状態とに切り替え可能な構造とすることができる。ここで、リンク機構61は、思案点を乗り越えて前位置、後位置に切り替えられるように設けられているので、前位置及び後位置の双方で背凭れ9に着座者が凭りかかっても、リンク部材62が背フレーム57の軸受ブラケット部57eの側面に押し当てられる方向に向けてのみ回動する。このため、背枠(背凭れ面)58の傾きが意図していないのに切り替わるという不測の事態が起こることがなく、前位置あるいは後位置で作用するそれぞれの荷重・体重に耐え得る。
上記リンク機構61を構成するリンク部材62は、図20及び図22〜図28に示すように、2分割されたA部品63とB部品64とで構成される合成樹脂成形品から成り、対偶を構成する相手側部材の軸受ブラケット部57e,58eを挟み込むように向かい合わせて締結手段例えば締結用ねじ70でねじ止めすることで一体化される構造とされている。A部品63はリンクの複数の対偶を構成する部材例えば2個の軸部65を有し、B部品64にはA部品63側から突出する2個の軸部65を受け入れる凹部66が設けられている。本実施形態では、2個の対偶を有する単リンクとして構成した例を挙げているが、これに特に限られず、場合によっては3個あるいはそれ以上の対偶を有する複式リンクとして構成しても良いことは言うまでもない。尚、A部品63とB部品64とを連結させる締結手段としては、部品の分解を可能とする締結用ねじ70の利用が好ましいが、これに特に限られるものではなく、例えば半永久締結手段としてのリベット締結や膨らんだ頭部を有する軸部と頭部より小径の孔から成る凹部との凹凸嵌合などによる締結手法、締結手段の一部あるいは全部の溶着や接着などのあらゆる締結手段を用いることができる。
図23〜図24に示すリンク部材の第一の実施形態に基づいて、リンク部材の基本構造を説明する。リンクの対偶を構成する両端の軸部65並びに受部66の間には、A部品63とB部品64との間の間隙を一定に保つためのスペーサを兼ねる連結部67が設けられている。この連結部67は、リンク部材62を構成するA部品63とB部品64とのいずれか一方にA部品63とB部品64との間の間隙に相当する長さの連結部本体67aを設けると共に他方にその受部68を設けるようにしても良い。本実施形態の場合、図23及び図24に示すように、A部品63とB部品64との間の間隙に相当する長さの連結部本体67aがB部品64と一体成形される一方、A部品63に連結部本体67aの受部68が一体形成されている。つまり、連結部67は、凹部66が一体形成されているB部品64側に一体形成され、A部品とB部品とを突き合わせた際に2つの軸部65の間に連結部67が配置されるように構成されている。そして、A部品63と対向するB部品64の連結部本体67aの先端面には凹部67b(あるいは凸部)が形成され、これと対向するA部品63には凸部(あるいは凹部)から成る受部68が形成され、凸部68と連結部本体67aの先端面の凹部67bとを互いに嵌合させて印籠継手を構成することにより、正確な位置決めと強度とを確保するように設けられている。勿論、このような凹凸67b,68の嵌合によらなくとも、締結用ねじ70によるねじ締結だけで連結部67を介在させてA部品63とB部品64とを一体化しても良い。尚、連結部67は、2つの軸部65の間で少なくとも一方の部材から突出したものに限られず、A部品63とB部品64の双方から突出するように形成されても良い。例えば、A部品63とB部品64の双方に適宜長さの連結部67をそれぞれ一体成形により設けてA部品63とB部品64との中間で互いに連結部67同士を突き合わせて接合するようにしても良いし、A部品63とB部品64の双方にA部品63とB部品64との間の間隙に相当する長さの連結部67をそれぞれ設けて複数箇所で連結するようにしても良いし、場合によってはA部品63とB部品64のいずれか一方に複数の連結部67を設けるようにしても良い。
また、図23及び図24に示すように、B部品64の連結部本体67aには雌ねじ69が形成されており、対向するA部品63の凸部から成る受部68には締結用ねじ70を通すための透孔71が形成されている。したがって、A部品63とB部品64とを連結部67の凹凸嵌合並びに軸部65と凹部66との嵌め合わせによって位置決めしてから、連結部67において締結用ねじ70で締結することにより一体化される。本実施形態では、連結部本体67aに凹部67bと雌ねじ69を設け、連結部67の受部68側に凸部と透孔71とを設けるようにしているが、これに特に限られるものではなく、連結部本体67aに凸部が、受部68側に凹部が設けられても良いし、連結部本体67a側に透孔71、受部68側の凸部に雌ねじ69を設けるようにしても良い。
A部品63及びB部品64は、樹脂によって形成されている。本実施形態では、ポリアセタール(POM),ポリプロピレン(PP),ナイロン等のポリアミド系樹脂、あるいはガラス繊維入りナイロン等の使用も可能である。なかでも、軸部65を一体成形する部品は、摺動性の良い樹脂材料例えばポリアセタールなどで成形することが好ましい。この場合における他方の部品は必ずしもPOMで形成する必要はなく、十分な摺動性を備えていない剛性の高い合成樹脂で成形するようにしても良い。
また、リンク部材には、図25〜図28の第二の実施形態に示すように、リンク部材のいずれか一方の部品、例えば背フレーム57と背枠58との間に取り付けた状態において外側となるB部品64に、図25に示すように、リンク部材62を揺動させるためのレバー部品72が備えられてリンク部材62を直接駆動できるように設けても良い。例えば、レバー部品72とB部品64との間に必要に応じて意匠的要素のレバーリング73を介在可能な構造としている本実施形態の場合、図26及び図28に示すように、外側に配置されるB部品64の外側のボス部64aに矩形状の軸部64bを備える一方、レバー部品72のボス部72aに矩形状の凹部72bを形成し、矩形状の軸部64bと凹部72bとを嵌め合わせることで、B部品64とレバー部品72とを回転不能に組み付け可能としている。また、本実施形態の場合、B部品64の矩形軸部64bの先端に切欠き64dが形成される一方、レバー部品72の矩形状凹部72bの入り口付近の内面には矩形軸部64bの切欠き64dに嵌まり込むキー部72cが突出するように一体形成されている。これによって、B部品64の矩形軸部64bとレバー部品72の矩形凹部72bとを嵌合させたときに、同時に切欠き64dとキー部72cが嵌合して、B部品64に対してレバー部品72が空転しないように設けられている。さらに、B部品64の軸部64bの中心には止めねじ90を通すための透孔64eが設けられ、レバー部品72の矩形凹部72bの奥側にはねじ孔72dが形成されている。したがって、B部品64の内側の面から締結用ねじ90を軸部64bの透孔64eに貫通させてレバー部品72のねじ孔72dにねじ込むことで、レバー部品72とB部品64とをレバーリング73を介在させた状態で強固に一体化することができる。尚、レバーリング73には、図26に示すように、矩形軸部64bの根元の端面に形成されている複数の凹部64cと嵌合する凸部73aがレバーリング73の対向する面に複数箇所例えば90度おきに4箇所形成されている。
本実施例の場合、リンク部材62とレバー部品72との間に意匠部品(レバーリング)73を介在させるため、リンク部材62とレバー部品72とを別体に成形し、連結することで一体化しているが、これに特に限られるものではない。レバーリング73を装着する必要がない場合には射出成形によってリンク部材62例えばB部品64とレバー部品72とを予め一体成形しても良いし、リンク部材62そのものがレバーで駆動する必要がない場合にはレバーそのものを設ける必要がない。尚、リンク部材62を揺動させるためのレバー部品72は、リンク部材62とは別個に設けるようにしても良いが、リンク部材62に直結する方が操作機構が簡単で構造がシンプルになると共にリンク部材62を容易に楽に回せる。また、レバー部品72は、操作を容易にするため使用状態において椅子の外側となるリンク部品例えばB部品64に設けるようにしているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては外部から簡単に操作されないようにするために、敢えて使用状態において椅子の内側となるA部品63にレバーを備えるようにしても良い。
A部品63とB部品64との間には、一方の対偶を構成する部品となる背フレーム57の軸受ブラケット部57e並びに他方の対偶を構成する部品となる背枠58の軸受ブラケット部58eをそれぞれ収容する空所が軸部65の周りに形成される。これらの空所は、相手側部品たる軸受ブラケット部57e,58eの部分を揺動可能(干渉しない空間)に収納するための空間であり、本実施形態の場合、中央の連結部67を除いて開放された空間を形成するようにしている。これに関連して、連結部67の形状は、基本的には任意形状を取り得るものであるが、相手側部品たる軸受ブラケット部57e,58eの輪郭形状に影響を受けるものでもある。他方、リンク部材62の全体の機械的強度を考慮すれば、可能な限り太く、幅広く形成することが望ましい。そこで、本実施形態の場合、図24及び図27などに示すように、背フレーム57側の軸受けブラケット部57eの円弧状の外周面が水平となっているのに対し、背枠58側の軸受ブラケット部58eの円弧状の外周面が内側よりも外側の半径が小さくなるように傾斜した面に形成されていることから、これに対応させて連結部67の形状は、背フレーム57側の軸受ブラケット部57eに取り付けられる軸部65に対向する面が軸部65と平行なほぼ平面形を成しているのに対し、背枠58の軸受ブラケット部58eに取り付けられる軸部65に対向する面が軸部65に対し非平行な円錐面(背枠58の軸受ブラケット部58eの円弧状の外周面とは母線が平行となる面)に形成されている。
また、本実施形態ではいずれか一方の部品、例えばA部品63に両端の対偶を構成する2つの軸部65が形成され、他方の部品えばB部品64に軸部65を受支える凹部66が形成されているが、これに特に限られるものではなく、A部品63とB部品64とにそれぞれ一方の軸部65と凹部66とを形成するようにしても良い。例えば、A部品63には上側あるいは下側に軸部65、反対側に凹部66、B部品64には下側あるいは上側に軸部65、その反対側に凹部66をそれぞれ形成するようにしても良い。また、軸部65は、本実施形態の場合、樹脂成形品としての肉厚を均一にするため有底の円筒形状とされているが、これに特に限られるものではなく、場合によっては中実の軸としても良い。また、軸部65は、場合によっては完全に貫通した状態の中空の筒状に形成して、中に金属製の回転軸を通すことを可能にしても良い。この場合においても、軸部65が一体形成されている一方の部品が摺動性の良い樹脂材料例えばPOMで構成されていれば、カラーやブッシュを用いなくとも、音が発生したり回転しづらくなったりすることがない。また、完全に貫通した軸部65とする場合に、この軸部を利用して締結用ねじやリベットによるA部品63とB部品64との締結を行うようにしても良い。この場合、連結部67における締結用ねじ70による締結と軸部65における締結とを併用して3点での締結とすることも可能であるし、場合によっては連結部67における締結用ねじ70による締結に代えて軸部65における締結のみとすることも可能である。軸部65そのものが連結部を兼ねる場合には、図示の連結部67は省かれることもある。また、軸部65とは独立した連結部67を備える場合、本実施形態では軸部65と軸部65の間に配置されている例を挙げて主に説明しているが、これに特に限られるものでなく、必要に応じて適宜位置が選択されるものであり、場合によっては軸部65と軸部65の間の領域の外側などに配置されることもある。
また、連結部本体67の揺動方向の両端には、図24及び図27に示すように、背フレーム58側の軸受ブラケット部58eと当接する度当たり面(ストッパ)67cが形成されている。この度当たり面67cは、軸受ブラケット部58eの側面に当接することにより、それ以上リンク部材62が揺動しないようにするためのものである。
以上のように、リンク部材62の対偶を構成する軸部65がA部品63とB部品64とで両持ちにされる構造となっているので、構造的に強化される。また、軸部65がA部品63あるいはB部品64と一体成形された樹脂製であるため、動きがスムーズになる。
さらに、このリンク部材62は、一方の部品特に背枠58の内側に配置されるA部品63に両対偶の2本の軸部65が一体形成されているため、背フレーム57と背枠58の双方の軸受ブラケット部57e,58eに内側から軸部65をそれぞれ通すことによって、背フレーム57と背枠58の双方の軸受ブラケット部57e,58eの位置決めが行われると共に双方の軸受ブラケット部57e,58eを貫通した軸部65にB部品64の凹部66を嵌め込むように組み付けるだけで、中央の連結部67とその受部68との嵌合も同時に行われ、組み立てが容易になる。しかも、内側のA部品63側から締結用ねじ70をねじ込んで締結を完了できるので、ねじの露出度合いも少なく外観を損なうことがあまりない。
また、本実施形態では、図11に示すように、背フレーム57と背枠58との上辺57c,58cを固定する一方、背枠58の下辺58a側と背フレーム57の背支桿部57bとの間にリンク機構61を構成して背枠58全体を上端58cを起点にして背凭れ面を寝せたり起こしたりするように変形可能としたが、これに特に限られず、場合によっては下辺58a側を固定し、上辺57c,58c側にリンク機構61を構成して背枠58の上辺58c側を背フレーム57に対して前後方向に移動可能としても良い。また、背枠58の上端58cと下端58aとを背フレーム57に固定する一方、背枠58の中間部にリンク機構61を構成し、背枠58の中間部分を前後させて変形可能にしても良い。さらに、本実施形態では、リンク機構61による切換は前位置と後位置との2位置であるが、これに特に限られるものではなく、3位置以上に切換可能としても良い。
他方、背枠58には、図1に示すように、腰部付近にはランバープレート60が取り付けられると共に背凭れ面を構成する張地59が前面の全面にわたって取り付けられている。例えば、本実施形態では、図23に示すように、背枠58の外側の周縁部分58b,58cに張地59を差し込む溝58dが連続的に形成され、比較的柔らかめの樹脂コード(図示省略)を縫い付けたメッシュ張地59の縁を樹脂コード部分毎折り返しながら溝58dに押し込むことで溝58dに引っ掛けて取り付けるようにしている。メッシュ張地59は、引っ張られながら縁が溝58dに押し込まれるので、張地59にテンションがかけられて背枠58に固定される。勿論、背凭れ9の構造は上述の背枠58と弾力性を有するメッシュ張地59との組み合わせに限られず、ウレタンなどのクッション材とそれを覆う張地とクッション材を受け支えるシェル材とで構成しても良い。
ここで、背枠58は、型構造の問題で、全周にメッシュ張地59を取り付けるための溝58dを形成することが難しいので、図32に示すように、背枠58の下辺58a部分ではメッシュ張地59を嵌め込む溝58dを備えた別部材を用意し、この別部材を背枠58の下辺58aにねじ止めすることで溝58dを全周に形成するようにしている。
別部材としての溝付きプレート74は、図30に示すように、メッシュ張地59の縁を押し込む溝58dを形成したものであり、背枠58の下辺58aにビス止めによって固定され、背枠58と一体化されるものである。この溝付きプレート74の左右の両端部には、背枠58に対して取り付けられる面よりも前方側、即ち背枠58の面に対して浮き上がる方向に変形して背枠との間に隙間を形成する段差部74aが形成されている。そして、その段差部74aには前後方向にばね性を発揮するランバープレート係止用爪75が設けられている。係止用爪75はその周囲の3方を囲む細い空所(スリット)75bが形成されることにより、ランバープレート60に対して変形可能に設けられている。また、係止用爪75の先端(下端)の背枠58に対向する面には三角形状の突起75aが先端側に底辺が配置されるように設けられている。
他方、ランバープレート60は、図31に示すように、可撓性のある合成樹脂で成形されており、着座者の腰部を支える上下左右に湾曲する曲面から成るランバーサポート部60aと、背枠58の前面側に宛がわれランバーサポート部60aを支える両側縁部60bとを有する。そして、ランバープレート60の両側縁部60bの下端には、溝付きプレート74の係合爪75と係合する透孔あるいは凹部例えば角孔60dが設けられている。また、ランバープレート60の背枠58に沿った両側縁部60bには縱リブ60eが形成されている。この縱リブ60eは、背枠58側に形成される縱溝58f(図29参照)に嵌まり込んでランバープレート60の左右方向への移動を阻止するためのものである。またランバープレート60はメッシュ張地59の背面側に配置されるため、ランバープレート60の前面側がメッシュ張地59で抑えられるので、前方へは移動しない。
これによって、ランバープレート60の両側縁部60bの下端60cを溝付きプレート74の段差部74aと背枠58との間の隙間に向けて上から挿入すると、三角形状の突起75aが空所75b内に押し込まれ、ランバープレート60の角孔60dが通過すると同時に突起75aが原位置に復帰してランバープレート60の角孔60dに係合爪75が嵌まって両者が係合される(図32参照)。その後のランバープレート60の両側縁部60bを上へ引き上げる動きに対しては、角孔60dの縁に係合爪75の突起75aが引っ掛かることにより、阻止する力が発生する。同時に、ランバープレート60の両側のリブ60eが背枠58の溝58fに嵌合し、左右方向にも位置ずれ・抜けが起きないようにされる。さらに、ランバーサポート部60aの前面側(着座者の背と面する側)にはメッシュ張地59が存在し、両側縁部60bの背面側には背枠58が存在するため、ランバープレート60の前後方向への抜け外れも阻止される。したがって、ランバープレート60が溝付きプレート74・背枠58に固定される。
ここで、本実施形態にかかるロッキング機構は、メインフレーム5とシンクロフレーム8との間にシンクロフレーム8の後傾動作時に傾動姿勢を段階的に固定可能とするロック機構76を備え、選択された後傾位置で固定されるように設けられている。ロック機構76は、例えば、図16に示すように、メインフレーム5の後壁部41に複数段の係合孔77を設け、該係合孔77に選択的に嵌合するロックプレート78をシンクロフレーム8側に出没可能に備えることにより構成される。
そこで、シンクロフレーム8は、本実施形態の場合、図17に示すように、左右一対の同一形状の平板であって、並べて配置された左右共通のシンクロフレーム8の間に跨がってこれらを連結して一体化するシンクロフレーム継金具79と反力付与機構受軸33とで互いに連結されて一体化されている。シンクロフレーム8とシンクロフレーム継金具79および反力付与機構受軸33とは、溶接付することによって一体化され、1つの構造体を構成する。尚、図中の符号32aはシンクロフレーム回転軸32を貫通させる孔である。
シンクロフレーム継金具79は、背凭れを取り付ける背フレーム固定座80と、ロック機構76のロックプレート78をスライド可能に支持するU溝形のガイド部81とを有している。背フレーム固定座80には、裏面側にナットを溶接付けすることによって背フレーム57の背フレーム取付座57dを固定するための4箇所のねじ孔83が設けられており、背フレーム57の背支桿部57bがビス止め可能にされている。また、背フレーム固定座80とU溝形ガイド部81とに跨がるように配置されるストッパ操作アーム取付マウント86を取り付けるためのねじ孔84及びワイヤ通し孔85が設けられている。そして、背フレーム固定座80の裏面側にストッパ操作アーム取付マウント86が締結ねじ86b及び係止爪86cによって固定されている。係止爪86cはU溝形ガイド部81の底に開けられた穴に挿入されてからU溝形ガイド部81の底に引っ掛けられる。ストッパ操作アーム取付マウント86は、図18に示すように、ロックプレート78と、ロックプレート78を駆動する駆動レバー87と、駆動レバー87の揺動をロックプレート78に伝達する捻りコイルばね88と、ロックプレート78を常時メインフレーム5側に向けて付勢する圧縮コイルばね89とを収容し、十字軸86aに回転自在に嵌められている駆動レバー87をワイヤ操作によって前後方向に揺動可能に支持している。尚、図中の符号78aは捻りコイルばね88を引っ掛ける孔、78bはメインフレーム5側の係合孔77に嵌合する突起である。
シンクロフレーム継金具79は、例えばU溝形ガイド部81と左右のシンクロフレーム8の間に跨がる背フレーム固定座80とを曲げ加工により一体成形したものである。勿論、U溝形ガイド部81と背フレーム固定座80とは別個に成形されてシンクロフレーム8にそれぞれ溶接付などで取り付けられても良い。U溝形ガイド部81は、単なる平板の継金具よりも強度的に剛性が高まると共に、前後の壁部81a,81bにロックプレート78を貫通させるスリット82を設けることによってロックプレート78の前端部及び後端部をスライド可能に支持する両持ち支持とすることができる。
ここで、ロック機構76には、機構中にばねを介在させることによって自己保持機能を持たせることが好ましい。自己保持機構は、例えば図18に示すように、ロッキング操作レバー(図示省略)によるワイヤ操作によってロックプレート78のスライド方向に揺動する駆動レバー87と、ロックプレート78をメインフレーム5側の係合孔77に向けて常時付勢する圧縮コイルばね89と、ロックプレート78と駆動レバー87との間に介在され駆動レバー87の動きをロックプレート78に伝達する捻りコイルばね88とを備え、ロッキング操作レバーのロック動作あるいはロック解除動作に対してロックプレート78が追従できないときには捻りコイルばね88の捻り変形により駆動レバー87とロックプレート78との連係動作を切り離すと共に駆動レバー87の変位を吸収してばね力として蓄える一方、ロックプレート78にかかるメインフレーム5との間の摩擦力が軽減されたときに捻りコイルばね88に蓄えられたばね力でロックプレート78を係合孔77に向けて押し込んだりあるいは係合孔77から抜き出させるものである。ロックプレート78と駆動レバー87とを連動させる捻りコイルばね88は、駆動レバー87がロック位置とアンロック位置との間を揺動する間に思案点を通過してロックプレート78に与えられる付勢力の向きが反転するように配置されている。つまり、ロック機構76の自己保持機能とは、ロッキング操作レバーの操作でロック状態が駆動レバー87では切り替えられたとしても、ロックプレート78が切り替えられない状況にある時には、ロックプレート78がスライドし得る状況になるまで、駆動レバー87の状態を保持することを意味する。圧縮コイルばね89は捻りコイルばね88よりも弱く、同じ方向に作用する力で先に圧縮コイルばね89が縮んだ後に捻りコイルばね88が縮む強さ関係を有していることが好ましい。
メインフレーム5の後壁部41の係合孔77は、例えば横長の矩形状の貫通孔として形成される。係合孔77は、シンクロフレーム8が揺動する方向(即ち、上下方向)に相互に間隔をあけて複数段設けられ、且つ、前記シンクロフレーム8が揺動する方向と直交する方向(即ち、左右方向)に相互に間隔をあけて複数列が並べられて設けられる。これに対応して、ロックプレート78の先端には複数列の突起78bが設けられ、同じ段の複数列の係合孔77に同時に嵌合するように設けられている。尚、本実施形態では、係合孔77は貫通孔として形成されているが、凹部であっても良い。また、係合孔77の段数及び列数、上下方向における相互の間隔は、特定の数や値に限定されるものではなく、背凭れの傾動及び固定の仕組みとして好ましい傾動範囲,傾動動作の固定可能な位置の数,及び/又は固定時の傾斜角度のピッチなどが考慮された上で適当な数や値に適宜設定されるが、本実施形態の場合、3段の係合孔77が左右方向に3列並べて形成されている。さらに、係合孔77は別部品に設けてメインフレームに取り付けるようにしても良いし、メインフレーム側にロックプレート78を備えると共にシンクロフレーム8側に係合孔77を設けるようにしても良い。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
例えば、上述の実施形態では体重感知式シンクロロッキング椅子の背凭れの背枠の下端を前後動させて背枠・背凭れ面に傾きを与える機構に本発明のリンク部材を適用した例を挙げて主に説明されているが、これに特に限定されるものではなく、相互に軸回りに回動する椅子のその他の部材間の連結に用いても良い。一例としては、シンクロフレーム8の動きと連動して座7の前方を上げ下げするための前リンク30に適用しても良い。この場合、メインフレーム5の軸受ブラケット部38と対応する位置の座アウターシェル6の裏面側に同程度の幅の軸受ブラケット部(図示省略)を設け、両軸受ブラケット部を挟むようにA部品63、B部品64とを組み合わせてねじ止めすることにより、座アウターシェル6とメインフレーム5とを含むリンク機構61が構成される。このリンク機構61の場合、左右の軸受ブラケット部を貫通する比較的長いステンレス製回転軸を必要としなくなるメリットがある。
さらに、場合によっては、背フレーム57と背枠58との上辺57c,58cをリンク部材62で連結し、背枠58の上辺58cと背フレーム57の上辺57cとの間隔を調整可能としても良い。この場合、背枠58の下辺58aは背フレーム57に対して固定されており、背枠58の撓みによって背枠58そのものの傾きが調整される。また、場合によっては、ランバープレート60の前後動、即ち腰部を支える力を調整する動きを前述のリンク部材62で行うように構成しても良い。この場合、背フレーム57の上辺57c並びに背枠58の上辺58cにそれぞれ軸受ブラケット部を形成し、該軸受ブラケット部を挟むように配置されたA部品63とB部品64とを互いの軸部65と凹部66とを嵌め合わせるように突き合わせてスペーサ兼用の連結部67を締結手段例えば締結用ねじ70で締結することによって構成される。
また、上述の実施形態ではアルミダイキャスト製メインフレームを用いているが、これに特に限定されるものではなく、メインフレームとしての支持構造と剛性とを備えていれば鋼板をプレス加工で折り曲げて成るメインフレームなどを用いても良く、特定の構造や形状などに限定されるものでないことは言うまでもない。