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JP6604960B2 - バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するための医用画像解析 - Google Patents
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JP6604960B2 - バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するための医用画像解析 - Google Patents

バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するための医用画像解析 Download PDF

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Description

本願は、「Image Analysis Algorithm to Score Assay Stained Tissue Slides(アッセイ染色組織のスライドグラスを採点する画像解析アルゴリズム)」と題する2014年2月21日出願の米国仮特許出願第61/943271号に基づき優先権を主張する。
本主題開示は、医療診断のための画像化に関する。より具体的には、本主題開示は、スライドグラス上でバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を自動的に識別することに関する。
デジタル病理学の分野では、組織切片、血液、細胞培養物など、生物学的試料は、1つまたは複数の染色剤によって染色し、染色された試料を見る、または画像化することによって解析することができる。さらなる臨床情報と組み合わせて染色された試料を観測すると、病気の診断、治療に対する反応の予後および/または予測の査定、および病気と闘う新薬の開発の支援を含む、様々なプロセスの実施ができるようになる。本明細書で使用するとき、目的物または対象物は、染色剤によって識別される試料の特徴である。目的物または対象物は、抗体、分子プローブまたは非特異性の染色剤によって見分けられる興味あるタンパク質、タンパク質小片、核酸または他の物体とすることができる。具体的に見分けられるそれら目的物は、この主題開示ではバイオマーカーということができる。いくつかの染色剤は、特にバイオマーカーを対象としない(たとえば、しばしば使用される対比染色剤のヘマトキシリン)。ヘマトキシリンは、塩基性/陽性化合物であり、それは、陰電荷を含む酸性または好塩基性化合物(リン酸骨格から生じる核酸構成要素が負に帯電しているので、酸性/陰性であるDNAおよびRNAなど)と結合し、それと塩を形成し、かつそれらをダークブルーまたはバイオレットに染色する。ヘマトキシリンは、その対象物と一定の関係を有しているが、大部分のバイオマーカーは、ユーザの選択による染色剤によって識別することができる。つまり、特定のバイオマーカーは、アッセイの特定の要求に依存する様々な染色剤を使用して可視化することができる。染色に続いて、アッセイは、組織試料の内容のさらなる解析のために画像化することができる。全体のスライドグラスの画像は、通常、全スライドグラス画像または簡単に全スライドグラスという。
ある種の細胞などの対象物をカウントすることなど、全スライドグラスの定量的解析、またはスライドグラス上のすべての細胞に関する染色反応の定量化は、人間の観察者にとって実行可能でない。通常、全スライドグラスは、数千〜数十万個の細胞を含み、そのすべてまたはその一部だけが、手元の解析問題について関連し得る。画像解析、コンピュータビジョンおよびパターン認識からの方法は、自動化される定量的解析のために使用することができる。
画像解析を被る全スライドグラス画像の一例は、cMETアッセイ(またはMETとして知られている)である。METは、非小細胞肺がん(NSCLC)を含む多くの固形悪性腫瘍中で増幅する、突然変異する、または過剰発現すると知られている受容体チロシンキナーゼ(RTK)である。がん中の異常なMET活性化は、不十分な予後と相関し、異常に活性化されたMETは、腫瘍成長、血管形成および転移を誘発する。たとえば、偏平上皮がん(SQCC)の大部分は、正常な肺組織または気管支上皮よりかなり低い、またはそれと同様のレベルでMet mRNAのタンパク生成物を発現させる。さらにまた、SQCCは、特徴として、選択的なスプライシングによって生成される5’の部分的に欠失を受けた転写物に相当する異型Met mRNAを過剰発現させる。それにひきかえ、腺がん(ADC)および大細胞未分化ガン中のMet mRNAおよびそのタンパク生成物の発現は、異種である。つまりNSCLCのこれらの亜型の約35%および20%で、Met mRNAおよびそのタンパク生成物が過剰発現される。ADCの中で、中間レベルから高レベルのMet免疫反応性が非常に高い程度の腫瘍分化と相関していた。さらにまた、Met免疫反応性の亢進は、腫瘍の進展縁におけるがん細胞中でしばしば注目された。それゆえ、Metは、肺がん細胞浸潤および分化中で役目を果たすと観測されている[Lung Cancer、1998年4月、20(1):1〜16、「Differential expression of Met/hepatocyte growth factor receptor in subtypes of non−small cell lung cancers(非小細胞肺がんのサブタイプ中におけるMet/肝細胞成長因子受容体の特異発現)」、Tsao MS1、Liu N、Chen JR、Pappas J、Ho J、 To C、 Viallet J、Park M、Zhu H著]。
cMETアッセイは、非腫瘍性で悪性の細胞の膜質および細胞質の領域を染色する。NSCLC中のMET発現のカテゴリ化は、半定量的であり、かつ染色度および陽性率(percentage positivity)の評価を含むことができる。
これらの基準の手作業による査定は、困難または不可能であり、HER2およびEGFRなどのアッセイに関する、また乳がんおよび胃がんなどの他のがんの組織タイプに関する他のIHC(免疫組織化学(immunohistochemistry))的に染色された組織のスライドグラス中での膜質および細胞質領域の検出および採点と同様である。
本発明の目的は、独立請求項に規定するように、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するための向上した医用画像解析方法、コンピュータプログラム製品およびシステムを提供することである。本発明の実施形態は、従属請求項で与えられる。本発明の実施形態は、それらが互いに排他的でない場合、自由に互いに組み合わすことができる。
一態様では、本発明は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するための医用画像解析方法に関する。この方法は、
− 第1のデジタル画像および第2のデジタル画像をメモリ中に読み込むステップであって、
第1および第2のデジタル画像は、第1のスライドグラスの同じエリアを描写し、
第1のスライドグラスは、第1の染色剤によって、および第2の染色剤によって染色されている多数の腫瘍細胞を含み、
第1の染色剤は、選択的に細胞核を染色し、第2の染色剤は、選択的に特定のバイオマーカーを染色し、
腫瘍細胞中のバイオマーカーの有無および/またはその量は、特定のがんサブタイプに属する腫瘍細胞を示し、
第1のデジタル画像の光強度値は、腫瘍細胞中の第1の染色剤の量と相関し、
第2のデジタル画像の光強度値は、腫瘍細胞中の第2の染色剤の量と相関する、ステップと、
− 第1のデジタル画像中で光強度を解析することによって複数の細胞核および前記細胞核の位置情報を識別するステップと、
− 第2のデジタル画像中で光強度を解析することによって、および識別された細胞核の位置情報を解析することによってバイオマーカーを含む細胞膜を識別するステップであって、
たとえば、位置情報は、識別された細胞核の近くに位置しない細胞膜を識別するために、および識別された細胞核を囲繞していない前記識別された細胞膜を除去する、またはそれらをさらに処理しないようにするために使用することができる、ステップと、
− 前記エリア中のバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するステップであって、
バイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、1つの識別された細胞核とその識別された細胞核を囲繞する1つの識別された細胞膜の組み合わせである、ステップとを含む。
前記特徴は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別する非常に正確な方法を提供することができるので、有利になり得る。単一画像解析ステップ中で腫瘍細胞を識別する代わりに、細胞核および細胞膜が識別され、完全な細胞を識別するためのベースとして使用される。これは、細胞核および膜のより独特の特徴を評価することができ、細胞核または細胞膜を識別するように特に適合させる画像解析アルゴリズムを使用することができるので、正確さを高めることができる。さらに、細胞核および細胞膜を互いに独立して識別する代わりに、細胞膜を識別するプロセスも、既に識別された細胞核の位置情報を考慮に入れる。これは、その形状または他の性質が細胞膜と同様である染色アーチファクトを、たとえば前記染色アーチファクトが識別された細胞核の1つからの最大距離内に位置していない場合、アーチファクトとして識別することができるので、正確さを著しく高めることができる。識別された細胞核の位置情報を使用すると、それによって細胞膜識別の正確さを高めることができ、それは、また、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞識別の正確さを高めることができる。
実施形態によれば、本方法は、がんのサブタイプ分けに使用される。方法は、スコアを計算するステップをさらに含む。スコアは、前記エリア中に含まれる識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞に属する識別された細胞膜の光強度値の導関数として計算される。スコアは、識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞中のバイオマーカーの量を示す。方法は、たとえばスクリーンまたはプリンタを介してスコアを出力するステップを含む。スコアは、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞中のバイオマーカーの量を示すので、かつバイオマーカーの量は、特定のがんサブタイプまたは特定の予後を示すことができるので、スコアも、がんサブタイプおよび/または予後、たとえば悪性腫瘍、患者の余命などを示すことができる。実施形態によれば、計算されたスコアは、識別された細胞膜の光強度値および細胞質構造の光強度値の導関数である。
それに加えて、または別法として、方法は、
− 前記エリア中に含まれる識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を自動的にカウントするステップと、
− カウント結果を出力するステップとを含む。所与の組織サンプル中のバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の数も、がんサブタイプ分けおよび/または予後に関する貴重な情報をもたらすことができる。
実施形態によれば、第1のスライドグラスのエリアは、第1のスライドグラスの全部の表面である。それゆえ、第1および第2のデジタル画像は、前記スライドグラスの全部の表面をカバーすることができ、それぞれが、全スライドグラス画像または全スライドグラス画像の派生物になり得る。
他の実施形態によれば、第1のスライドグラスのエリアは、第1のスライドグラスの1つまたは複数の、手動により、または自動的に選択された部分からなる。各選択された部分は、また、「視野」、「FOV:field−of−view」ということができる。
実施形態によれば、第1のスライドグラスは、全腫瘍組織の切片を含む。
実施形態によれば、第1の染色剤は、選択的に核酸を染色する染色剤である。たとえば、第1の染色剤は、ヘマトキシリンとすることができる。ヘマトキシリンは、第1のスライドグラスの腫瘍細胞がそれから導かれた組織サンプルに、ヘマトキシリン染料含有溶液として適用することができる。具体的には、ヘマトキシリン染料含有溶液は、ヘマトキシリンおよびエオシン染料含有溶液とすることができる。
実施形態によれば、第2の染色剤は、3、3’−ジアミノベンジジン(DAB)である。
実施形態によれば、バイオマーカーは、細胞膜中に、および/または細胞膜の細胞質ゾル側にもっぱら、または主に含まれるタンパク質である。たとえば、バイオマーカーは、膜タンパク質、膜タンパク質の膜貫通領域または膜タンパク質の細胞質ゾル領域になり得る。
実施形態によれば、バイオマーカーは、肝細胞成長因子受容体(cMET)である。cMETアッセイは、cMETバイオマーカーを第2の染色剤、たとえばDABによって選択的に染色するために使用することができる。代替の実施形態によれば、バイオマーカーは、HER2(ヒト上皮増殖因子受容体2、erb−B2、c−erbB2)またはEGFR(上皮増殖因子受容体)である。それに応じて、HER2アッセイまたはEGFRアッセイは、HER2またはEGFRバイオマーカーを第2の染色剤、たとえばDABによって選択的に染色するために使用することができる。それゆえ、様々な異なるバイオマーカーに対してバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を正確に識別し、かつ様々な異なるがんタイプについてがんのサブタイプ分けを自動的に適用することが可能になり得る。
実施形態によれば、方法は、
− 第1のスライドグラスから画像データを取得するステップであって、
画像データは、マルチスペクトル未処理ピクセルを含み、
たとえば、画像データは、スライドグラスのエリアから取られたRGB生画像であり得る、ステップと、
− スペクトルデコンボリューション演算を適用することによってマルチスペクトル未処理ピクセルのスペクトル分離を実施し、それによって第1のデジタル画像および第2のデジタル画像を生成するステップとをさらに含む。第1のデジタル画像は、第1の染色剤、たとえばヘマトキシリンによって染色された細胞核を強調する。第1のデジタル画像は、HTXチャネル画像ともいうことができる。第2のデジタル画像は、第2の染色剤、たとえばDABによって染色されたバイオマーカーを含む細胞膜およびいずれかの細胞質ゾル構造を強調する。それゆえ、第2のデジタル画像は、「DABチャネル画像」ともいうことができる。
実施形態によれば、方法は、第2のスライドグラスのさらなるデジタル画像をメモリ中に読み込むステップを含む。第1のスライドグラスは、腫瘍組織の第1の組織切片中に含まれる腫瘍細胞を含む。第2のスライドグラスの腫瘍細胞は、前記腫瘍組織の第2の組織切片中に含まれ、第1および第2の組織切片は、隣接したひと続きの組織切片である。さらなるデジタル画像は、1つまたは複数の医療注釈を含む。たとえば、注釈は、医師の手作業による注釈であり得る、または画像解析ソフトウェアアプリケーションによって自動的に生成された注釈でもよい。たとえば、第2のスライドグラスは、H&E(ヘマトキシリン&エオシン)で染色された腫瘍組織サンプルの注釈付きの腫瘍画像であり得る。
方法は、さらなるデジタル画像を第1および/または第2のデジタル画像に自動的にマッピングするために、さらなるデジタル画像の光学的特徴を第1または第2のデジタル画像の光学的特徴と自動的に比較するステップをさらに含む。たとえば、光学的特徴は、線、エッジまたは隅部の構造情報、あるいは比較された画像から抽出されたいずれかの他の種類の構造情報であり得る。光学的特徴は、たとえば、さらなるデジタル画像中に、第1および/または第2のデジタル画像中に、または前記第1または第2の画像がそれから導かれた元のRGB画像中に描写することができる細胞構成要素または細胞または組織構造またはアーチファクトの抽出された構造情報とすることができる。前記マッピングプロセスは、また、「マーカー間登録アルゴリズム」ということができる。マーカー間登録アルゴリズムは、たとえば、「11th International Symposium on Biomedical Imaging(ISBI)(生物医学的画像化に関する第11回国際シンポジウム)、2014IEEE、2014年4月29日〜2014年5月2日」に述べられている。マーカー間登録アルゴリズムに関する他の例は、「a comparison of soft−tissue implanted markers and bony anatomy alignments for image−guided treatments of head−and−neck cancers(頭部および頸部がんの画像誘導治療のための軟組織に移植されたマーカーと骨構造アラインメントの比較)」、Zeidan OA他著、Int J Radiat Oncol Biol Phys、2010年3月1日;76(3):767−74.doi:10.1016/j.ijrobp.2009.02.060.Epub 2009年5月7日に与えられている。マーカー間登録アルゴリズムに関するさらなる例は、本願の詳細な記述中に与えられる。
マッピング後、さらなるデジタル画像の注釈が、マッピングされた第1および/または第2のデジタル画像中の対応する領域に自動的に移動される。それによって、さらなるデジタル画像中の注釈は、第1および/または第2の部分画像の対応する領域にマッピングされる。具体的には、注釈は、第2のデジタル画像、DABで染色されたcMET画像にマッピングすることができる。
実施形態によれば、方法は、非腫瘍細胞の細胞核を識別するために、第1のデジタル画像中で識別された細胞核のスペクトルおよび/または形状特徴を自動的に解析するステップをさらに含む。たとえば、第1のステップで第1のデジタル画像中において斑点を識別することができる。「斑点(blob)」は、本明細書で使用するとき、たとえば、いくつかの性質、たとえば強度またはグレー値が一定である、または値の規定の範囲内で変化するデジタル画像の領域とすることができる。斑点中のすべてのピクセルは、ある意味で互いに同様であると見なすことができる。たとえば、斑点は、デジタル画像上の位置の関数の導関数に基づく微分法および局所的極値に基づく方法を使用して識別することができる。細胞核の斑点は、そのピクセルおよび/またはその概略形状によって、その斑点が恐らく第1の染色剤によって染色された細胞核によって生成されたということが示される斑点である。たとえば、斑点を細胞核の斑点として、またはいずれかの他の構造、たとえば染色アーチファクトとして識別すべきかどうかを決定するために、斑点の放射相称を評価することができる。たとえば、斑点の形状が長く、放射相称性でない場合、前記斑点は、細胞核の斑点としてではなく、むしろ染色アーチファクトとして識別することができる。実施形態に依存して、「細胞核の斑点(nuclear blob)」であると識別された斑点は、1セットのピクセルを表すことができ、それは、候補細胞核として識別され、前記細胞核の斑点が細胞核を表すのかどうかを決定するために、さらに解析することができる。いくつかの実施形態では、いずれかの種類の細胞核の斑点は、「識別された細胞核」として直接使用される。いくつかの実施形態では、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞に属さない細胞核を識別するために、および既に識別された細胞核のリストから前記識別された非腫瘍細胞核を取り除くために、または最初から識別された細胞核のリストに前記細胞核を追加しないようにするために、除去動作が識別された細胞核または細胞核の斑点に対して適用される。たとえば、細胞核または細胞核の斑点が腫瘍細胞の細胞核であるのかどうかを決定するために、識別された細胞核の斑点のさらなるスペクトルおよび/または形状特徴を解析することができる。たとえば、リンパ球の細胞核は、他の組織細胞、たとえば肺細胞の細胞核より大きい。腫瘍細胞が肺組織から導かれた場合、リンパ球の細胞核は、その最小のサイズまたは直径が正常な肺細胞の細胞核の平均的なサイズまたは直径よりかなり大きいすべての細胞核の斑点を識別することによって、識別される。リンパ球の細胞核と関連する識別された細胞核の斑点は、1セットの既に識別された細胞核から取り除くことができる(すなわち除去される)。非腫瘍細胞の細胞核を除去することによって、方法の正確さを高めることができる。また、バイオマーカーに依存して、非腫瘍細胞は、ある程度バイオマーカーを発現させることができ、したがって第1のデジタル画像中で、腫瘍細胞に由来しない強度信号を生成することができる。既に識別された細胞核全体から腫瘍細胞に属さない細胞核を識別して除去することによって、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別する正確さを高めることができる。
これは、好都合であり得る、というのは、cMETは、いくつかの非膜質の構造(またはアーチファクト)を非特異的に染色することができるからである。しかし、それらのアーチファクトは、第1のデジタル画像中で細胞核を識別することによって、かつ第2のデジタル画像中において検出された細胞核のまわりで強度値を選択的に調べることによって、識別して取り除くことができる。
「腫瘍(tumor)」は、本明細書で使用するとき、必ずしも悪性のがん細胞からならない。「腫瘍」は、身体組織の異常な成長によって特徴付けられる隣接する細胞の塊であり、腫瘍は、それから作られる。それゆえ、腫瘍細胞は、あるがんタイプの悪性のがん細胞とすることができるが、また、良性の組織の塊または腫れ物の非悪性の細胞とすることができる。それゆえ、「腫瘍細胞」は、たとえば、単に、スライドグラス上の腫瘍切片がそれから導かれた組織と同じ細胞タイプの細胞とすることができ、たとえば肺腫瘍組織の薄片中に含まれる「肺細胞」、結腸腫瘍組織の薄片のための「結腸細胞」などである。
「バイオマーカー陽性の腫瘍細胞(biomarker−positive tumor cell)」は、本明細書で使用するとき、たとえば、その細胞膜(および/またはその受け入れた細胞膜タンパク質の細胞質ゾル領域)がバイオマーカーを含む腫瘍細胞とすることができる。正確さを高めるために、実施形態によれば、それら腫瘍細胞だけが、第1の染色剤を介して識別された細胞核と第2の染色剤を介して識別されたバイオマーカーを有する細胞膜の組み合わせからなり、それによって、細胞膜が前記細胞核を囲繞するバイオマーカー陽性の腫瘍細胞として識別される。「識別された細胞膜(identified−cell membrane)」は、本明細書で使用するとき、細胞膜および細胞膜の細胞質ゾル側に延びるいずれかの種類の細胞質ゾルの膜タンパク質領域もカバーする。使用されるバイオマーカーに依存して、バイオマーカーは、細胞膜に完全に限定することができる、および/または、たとえば、細胞膜の近くに、その細胞質ゾル側に位置決めることができる。
それに加えて、または別法として、方法は、非腫瘍細胞の細胞膜を識別するために、第2のデジタル画像中で識別された細胞膜のスペクトルおよび/または形状特徴を自動的に解析するステップを含む。たとえば、いくつかの非腫瘍細胞、たとえばリンパ球の円周は、肺がん細胞または結腸ガン細胞の円周より大きくなり得る。また、いくつかの非腫瘍細胞、たとえば間質細胞は、腫瘍細胞、たとえば肺腫瘍細胞または結腸腫瘍細胞の形状と著しく異なり得る。腫瘍細胞は、それほど分化していなくて丸い形状を示すことがしばしばであるが、たとえば間質細胞の形状は、長いことがしばしばである。非腫瘍細胞に属すると識別されている細胞膜は、第2のデジタル画像中で識別された細胞膜の全体から取り除く(除去する)ことができる。既に識別された細胞膜の全体から腫瘍細胞に属さない細胞膜を識別し除去することによって、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別する正確さを高めることができる。
実施形態によれば、バイオマーカー陽性の細胞は、その識別された細胞核も、その識別された細胞膜もどちらも非腫瘍細胞に属すると識別されなかった場合だけ、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞として識別される。非腫瘍細胞の細胞膜として識別された細胞膜を含む、および/または非腫瘍細胞の細胞核として識別された細胞核を含むバイオマーカー陽性の細胞は、識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の全体から除去され、その後識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞に関するスコアが計算される、および/またはその数がカウントされる。あるいは、非腫瘍細胞の細胞膜および/または細胞核を含むバイオマーカー陽性の細胞は、最初からバイオマーカー陽性の腫瘍細胞として識別されない。
実施形態によれば、第1のデジタル画像中で光強度を解析することによる細胞核の同定は、細胞核を識別するために、第1のデジタル画像中で光強度に対してセグメンテーション、閾値化および/または放射相称ベースの細胞核検出アルゴリズムを自動的に適用するステップを含む。
隆起検出ベースの細胞膜検出およびマスクベースの改善
実施形態によれば、細胞膜の同定は、
− 第2のデジタル画像物体中でバイオマーカーを含む物体を識別し、中間画像を出力するために、第2のデジタル画像に対して隆起検出アルゴリズムを適用するステップであって、
中間画像は、バイオマーカーを含む識別された物体を示し、
たとえば、バイオマーカーを含むいずれかの種類の物体は、形状が隆起状であって任意選択で予め定めた閾値を超える光強度を有する隆起検出オブジェクトによって検出することができ、
たとえば、隆起検出は、第2のデジタル画像中で局所的強度の最大値を取り出し、それらを結合して連続線を形成することに基づくことができ、
用語「隆起検出」および「ストローク検出」は、本明細書で同義語として使用する、ステップと、
− 第2のデジタル画像に対して閾ベースのセグメンテーションアルゴリズムを適用することによって、第2のデジタル画像および識別された細胞核の位置情報から2進法改善マスクを生成するステップであって、
2進法改善マスクでは、その強度がセグメンテーションアルゴリズムの閾より小さく、識別された細胞核のいずれかの1つからの最大距離の外側に位置するすべてのピクセルは、マスクピクセルであり、
たとえば、閾ベースのセグメンテーションアルゴリズムは、Otsu閾値化アルゴリズムとすることができる、ステップと、
− 中間画像に対して2進法改善マスクをマッピングして適用し、それによってマスクピクセルにマッピングされた中間画像中のピクセルのすべての強度値が除去される、またはマスクされるステップであって、
マスクを適用するステップの結果は、マスクされた画像の生成であり、
マスクされた画像は、バイオマーカーを含み、識別された細胞核のいずれかからの最大距離(たとえば12μm)内に位置する物体を選択的に示す、ステップと、
− 細胞膜を識別するために、マスクされた画像に対して流域セグメンテーションアルゴリズムを適用し、それによってマスクされていないピクセルの強度値を入力として選択的に取るステップとを含む。
任意選択で、方法は、改善された画像を出力するステップをさらに含み、改善された画像は、中間画像の派生物であり、流域セグメンテーションアルゴリズムによって識別された、識別された細胞膜を含む。流域セグメンテーションアルゴリズムがマスクされた画像のマスクされていないピクセルだけに対して適用されたので、また、改善された画像は、2進法改善マスクのマスクピクセルによってマスクされなかった第2のデジタル画像の領域中で識別された細胞膜を選択的に含む。
これは、好都合になり得る、というのは、ピクセルが識別された細胞核のいずれかからの最大距離内に位置するのかどうかの情報は、改善マスクを生成するとき考慮され、したがってまた細胞膜同定ステップに影響を及ぼすからである。それゆえ、膜同定の正確さおよびバイオマーカー陽性の腫瘍細胞同定の正確さを、高めることができる。
Otsu閾値化アルゴリズムは、また「Otsuの方法」として知られ、大域的な閾値化アプローチであり、その目的は、2つ以上のグループ(またクラスと呼ばれる)にピクセルを割り当てる際に被る平均誤差を最小にすることである。たとえば、一方のクラスは、その強度値が強度閾を超えるピクセルのクラスとすることができ、他方のクラスは、その強度値が強度閾より小さいピクセルのクラスとすることができる。他方のクラスのピクセルは、すべてマスクピクセルになる。第1のクラスのピクセルは、それらが識別された細胞核のいずれかの1つからの最大距離の外側に位置する場合、マスクピクセルだけになる(たとえばOtsuの方法に続く後のステップで)。Otsu閾値化アルゴリズムは、クラス間の分散、統計的判別解析で使用される測定値を最大にする。うまく閾値化されたクラスは、それらのピクセルの強度値に関しはっきりと区別でき、逆にいうと、それらのピクセルの強度値に関しクラスの間を最良に分離する閾は、最良(最適な)閾である。
たとえば、Otsu閾値化アルゴリズムは、第2のデジタル画像が、ピクセル、たとえばマスクしないものとする高い強度のピクセルと、マスクするものとする低い強度のピクセルとの2つのクラスを含むと仮定することができる。それは、第2のデジタル画像のヒストグラムから2つのクラスを分離する最適な閾を計算し、したがって前記2つのクラスが組み合わされる幅(クラス内の分散)が、最小である。Otsu閾値化アルゴリズムの使用は、有益なものになり得る、というのは、それは、画像のヒストグラム、すなわち容易に得られる1次元アレイにおいて実施される計算に完全に基づくからである。
実施形態によれば、2進法改善マスクの生成は、
− 第2のデジタル画像中で、または第2のデジタル画像の改善されたバージョン中でほぼ細胞サイズの細胞状斑点を識別し、前記識別された細胞状斑点の幾何学的中心を決定し、決定された幾何学的中心を追加で識別された細胞核として使用するステップと、および/または
− 非腫瘍細胞の細胞核から生じた細胞核の斑点を識別するために、第1のデジタル画像中で細胞核の斑点の形態学的な解析を実施し、前記識別された細胞核の斑点から導かれたすべての識別された細胞核を除去するステップであって、
たとえば、前記非腫瘍細胞核のすべてのピクセルは、マスクピクセルにすることができ、
それに加えて、または別法として、前記識別された細胞核は、第1のデジタル画像を解析することによって識別されている細胞核の全体から取り除くことができる、ステップと、および/または
− そのサイズが解析される腫瘍細胞の通常の細胞核の直径の予め定めた割合、たとえば80%より小さいサイズに相当する細胞核の斑点を識別するために、第1のデジタル画像中で細胞核の斑点のサイズ解析を実施するステップであって、
多くの腫瘍細胞について、通常の細胞核直径は、1〜2μmであり、
前記識別された細胞核の斑点から導かれたすべての識別された細胞核を除去し、
たとえば、前記のより小さい細胞核のすべてのピクセルは、マスクピクセルにすることができ、
それに加えて、または別法として、前記識別されたより小さい細胞核は、第1のデジタル画像を解析することによって識別されている細胞核の全体から取り除くことができる、ステップと、および/または
− 前記細胞核の斑点が、その全光強度が第1の強度閾より低い第1のデジタル画像の第1の画像区画中に位置する場合、さらに、第2のデジタル画像の対応する第2の画像区画の全光強度が第2の強度閾より低い場合、第1のデジタル画像中で識別された細胞核の斑点から導かれたすべての識別された細胞核を除去するステップであって、
たとえば、スライドグラス中の前記区画のサイズは、100μm×100μmまたはそれより大きく、たとえば200μm×200μmになり得る、ステップとを含む。この除去するステップは、十分な強度の信号を欠いているより広い画像領域中で、すなわち細胞核が十分に染色された細胞を含まないより広い画像領域中で強度信号を除去することを可能にし得る。前記第1の画像区画のすべてのピクセルは、マスクピクセルになる。
流域アルゴリズムの使用は、有益になり得る、というのは、それは、結合されたセグメンテーション境界を含む安定したセグメンテーション結果を生じ、セグメンテーションプロセス中に知識ベースの制約を組み込むための簡単なフレームワークをもたらすからである。知識ベースの制約は、たとえば、リングまたはウォールが、細胞膜の候補として考えられる識別された細胞核を囲繞する必要があるということとすることができる。
流域アルゴリズムは、デジタル画像のピクセルの強度値を地形起伏中の高度値として解釈するアルゴリズムである。地形起伏上に落下する水滴は、進路に沿って流れて最終的に局所的な最低点に達する。起伏の流域は、水滴の隣接する集水流域の境界に対応する。そのような画像の地形的な解釈で、3つのタイプのピクセル(ポイント)が存在する。すなわち、a)地域の最低点に属するピクセル、b)水滴が、それらのピクセルのいずれかの場所に置かれた場合、単一の最低点に確実に落ちることになるはずの場所のピクセル、c)水が2つ以上のそのような最低点に等しく落ちる可能性があるはずの場所のピクセルである。特定の地域の最低点に関し、条件b)を満たす1セットのピクセルは、集水流域またはその最低点の流域と呼ばれる。条件c)を満たすピクセルは、地形学的な表面上に頂点の線を形成し、分水界線と称される。流域ベースのセグメンテーションアルゴリズムの主たる目的は、分水界線を見つけることである。基本的なアイデアは、全地形の各地域の最低点(集水流域)が一定速度で溢れるということである。区別できる集水流域中の上昇水がまさに混合しようとするとき、混合を防止するためにダムを構築する。溢れる状態は、ダムの上部だけが水位線の上で見えるときの段階に最終的に達する。これらのダムの境界は、分水界線に相当する。したがって、それらは、流域セグメンテーションアルゴリズムによって抽出された(接続された)境界である。分水界線は、所望のセグメンテーション結果である。分水界線は、接続された経路を形成し、それゆえ連続した境界が領域の間に与えられる。前記境界は、細胞膜として識別される。
実施形態によれば、流域セグメンテーションアルゴリズムは、マーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムである。流域セグメンテーションアルゴリズムの適用は、
− 中間画像上に第1のデジタル画像中で識別された細胞核をマッピングするステップと、
− マッピングされ識別された細胞核のそれぞれのまわりで整合したリングまたはダム構造を識別する目的でマーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムをマスクされていないピクセルに対して適用するために、流域マーカーとしてマッピングされ識別された細胞核のそれぞれを使用するステップと、
− 識別されたリングまたはダム構造を識別された細胞膜として使用するステップとを含む。
マーカーベースの流域アルゴリズムは、2つの主なステップを含む。すなわち、
− デジタル画像中で流域マーカーを識別するための前処理するステップと、
− 識別された流域マーカーが地域の最低点と唯一認められたものであるという制限の下で、流域セグメンテーションアルゴリズムをデジタル画像に対して適用するステップとを含む。たとえば、識別された細胞核は、流域マーカーとして、すなわち上記で述べた流域セグメンテーション手続きによってそのまわりで分水界線を識別することができる局所的最低点と唯一認められたものとして使用することができる。前処理するステップは、
− 第1のデジタル画像中で識別された細胞核を中間画像にマッピングするステップと、
− マッピングされ識別された細胞核のそれぞれを流域マーカーとして使用するステップとを含む。次いで、流域セグメンテーションアルゴリズムは、識別された細胞核が地域の最低点と唯一認められたものであるという制限の下で、中間デジタル画像に対して適用される。
マーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムを使用することは、有益であり得る、というのは、流域セグメンテーションアルゴリズムの直接の適用(何らマーカーなしに)は、ノイズおよびデジタル画像の他の局所的不規則性のためにオーバーセグメンテーションに繋がる恐れがあるからである。オーバーセグメンテーションは、アルゴリズムの結果を実際上役に立たないものにするほど十分深刻なものになる恐れがある。マーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムは、追加の知識をセグメンテーション手続き中に持ち込むように設計された前処理するステップ(マーカー同定)を組み込むことを通じて認められる地域の最低点の数を制限することによって、この問題を解決することができる。追加の知識は、本明細書で「流域マーカー」といわれるマーカーの形で提供される。
流域マーカーは、流域アルゴリズムが適用されるデジタル画像に属する、またはそれにマッピングされたデジタル画像の接続された構成要素である。前記デジタル画像の接続された構成要素は、流域セグメンテーションアルゴリズムをデジタル画像に対して適用するとき、地域の最低点と唯一認められたものを構成する。それゆえ、デジタル画像中の流域マーカーの数および位置は、局所的最低点と認められるものの数および位置を決定する。
実施形態によれば、第2のデジタル画像および中間デジタル画像がそれから導かれた元のRGB画像は、オーバーセグメンテーションをもたらす恐れがある中間デジタル画像中の局所的最低点の数を減少させるために、平滑化フィルタによって平滑化される。あるいは、中間デジタル画像が平滑化される。それゆえ、流域アルゴリズムは、平滑化された中間デジタル画像に対して適用される。
実施形態によれば、隆起検出アルゴリズムによる細胞膜の同定は、バイオマーカーを含むいずれかの種類の物体を識別するために、隆起検出アルゴリズムを第2のデジタル画像またはその改善されたバージョンに対して適用するステップを含む。本技術分野で既知の様々な隆起または線同定アルゴリズムを使用することができる。
いくつかの実施形態によれば、隆起検出アルゴリズムを適用するステップは、
− 第2のデジタル画像中の各ピクセルPについて、1セットの隣接するピクセルp1〜p8の強度値を識別するステップと、
− ピクセルPの強度が、1セットの隣接するピクセルp1〜p8の強度値に関し、局所的最大値である場合、ピクセルPは、バイオマーカーを含む物体を表すと決定するステップとを含む。バイオマーカーが染色された細胞膜として識別されているピクセルPの全体は、識別された細胞膜を構成することができる。
隆起検出アプローチと改善マスクの組み合わせを使用することは、正確さを高めることができる、というのは、識別された細胞核の位置情報を含む改善マスクは、第2のデジタル画像中でバイオマーカー陽性の腫瘍細胞に恐らく属さない強度信号を除去するために使用されるからである。さらに、マーカーベースの流域セグメンテーションアプローチを使用するとき、細胞核の位置情報は、識別された細胞核の中心を流域マークとして使用することによる細胞膜検出の正確さを高めるために使用することができる。
スポークベースの膜検出
実施形態によれば、細胞膜の同定は、スポーク検出アプローチとして実施される。スポーク検出アプローチは、
− 第1のデジタル画像中で識別された細胞核を第2のデジタル画像にマッピングするステップと、
− 第2のデジタル画像中にマッピングされ識別された細胞核のそれぞれについて、前記マッピングされ識別された細胞核の細胞膜を識別するために、第2のデジタル画像においてマッピングされた細胞核の中心と前記中心から放射状に延びる線に沿ったピクセルとの間の相対強度差を評価するステップとを含む。
実施形態によれば、マッピングされ識別された細胞核のそれぞれに関する細胞膜の同定は、
− ベクトルともいわれる1セットの線を識別されマッピングされた細胞核の中心にマッピングするステップであって、
前記線のそれぞれが前記中心から始まり、最大長さの閾まで外側に放射状に延び、
たとえば、最大長さの閾は、腫瘍細胞の最大の期待される半径に設定することができ、
たとえば、最大長さの閾は、12μmまたは10μmとすることができ、
前記閾は、腫瘍細胞が放射相称でないことがある可能性に対処するために、多くの腫瘍細胞の平均半径より大きくすることができ、
細胞核の中心から延びる、4、優先的に16または32本より多い線があり得、
2つの隣接する線の間の角度が、0〜360度の間で均一に、たとえば16本の線について22.5°でサンプルされることがある、ステップと、
− 第1の強度閾T1および第2の強度閾T2を設けるステップであって、
前記値は、バイオマーカーおよび/または第2の染色剤の特定の組み合わせが使用されるとき受け取られる既知の通常の強度値に基づき、ユーザが設定することができる、ステップと、
− 前記線のそれぞれについて、第2のデジタル画像中で最大強度値を決定するステップであって、
通常高い強度値も有する前記最大強度値のピクセルに隣接する1セットの接続されたピクセルは、膜領域の候補として識別することができる、ステップと、
− 前記細胞核の中心から延びるすべての線について識別されたすべての最大強度値のメジアンMedianMax_Iを決定するステップと、
− 前記線のそれぞれについて、第2のデジタル画像中の最小強度値を決定するステップと、
− 前記細胞核の中心から延びるすべての線について識別されたすべての最小強度値のメジアンMedianMin_Iを決定するステップと、
− 第2のデジタル画像中でマッピングされ識別された細胞核の中心の強度Center_Iを決定するステップと、
− 前記線のそれぞれ中で、MedianMax_Iが中心の決定された強度(Center_I)より大きい少なくとも第1の強度閾(T1)である場合、かつすべての最小強度値のメジアンが中心の決定された強度(Center_I)より小さいせいぜい第2の強度閾(T2)である場合だけ、前記線内で最大強度値を有する隣接する1セットのピクセル(上記で言及した候補の膜領域ピクセル)を細胞膜の部分として識別するステップと、
− 細胞膜の部分であると識別された1セットのピクセルを追加のピクセルによって補完するステップであって、
追加のピクセルは、識別された1セットのピクセルの未接続のサブセットを接続し、
それゆえ、追加のピクセルは、細胞核のマッピングされた中心から延びる線のそれぞれ内で候補の膜領域を接続することができ、それによって識別するものとする細胞膜を表すピクセルの接続されたリングを生成する、ステップと、
− 補完された1セットのピクセルを前記マッピングされ識別された細胞核の識別された細胞膜として戻すステップとを含む。
細胞の中心に関する相対強度値および最大値と最小値のメジアンを使用することは、有益になり得る、というのは、このアプローチは、染色アーチファクトに関連し、細胞膜中に含まれたバイオマーカーの絶対量中の差に関連していない可能性がある異なる腫瘍細胞の強度差に対してロバストであり得るからである。
実施形態によれば、計算されたスコアは、膜完全性スコアである。膜完全性スコアの計算は、
− 第2のデジタル画像中で、かつそれぞれの識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞それぞれについて、ピクセルの周辺ベルトを識別するステップであって、
ピクセルの周辺ベルトは、識別された細胞膜に沿って中心を置き、
たとえば、ピクセルのベルトは、前記細胞の識別された細胞膜中に含まれるすべてのピクセルをピクセルの予め定めた数、たとえば2ピクセルだけ、細胞中心の方向および細胞外空間の方向の両方で拡大することによって識別することができ、
識別された細胞膜は、ストロークベースのアプローチを介して、または上記に述べたスポークベースのアプローチを介して識別している可能性がある、ステップと、
− 第2のデジタル画像中で、かつ各識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞について、その光強度が強度閾値を超えるピクセルのベルト中のピクセルの割合を決定するステップであって、
割合は、識別された膜の完全性を示す、ステップと、
− その決定された割合が、前記細胞の細胞膜が不完全に識別されたことを示す場合、識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を任意選択で除去するステップとを含む。
実施形態によれば、ピクセルの予め定めた数は、前記ベルトの厚さが第1のスライドグラスの1μmをカバーするように選ばれる。いくつかの実施形態によれば、第1または第2のデジタル画像中の1ピクセルは、スライドグラスの0.2〜0.4μmに相当することができる。
たとえば、ピクセルのベルト中の各ピクセルは、ピクセルが染色されたバイオマーカーを含む薄片切片から生じた場合、期待される強度値を反映する予め定めた強度閾値と比較することができる。強度閾値は、バイオマーカーおよび使用される第2の染色剤によって決まる。ベルトのピクセルの80%以上が前記予め定めた強度閾値より高い強度値を有する場合、前記周辺ベルトによってカバーされた細胞膜は、完全であると見なされる。20%より多いが80%より少ないベルトのピクセルが前記予め定めた強度閾値より高い強度値を有する場合、前記周辺ベルトによってカバーされた細胞膜は、部分的に完全であると見なされる。20%より少ないベルトのピクセルが前記予め定めた強度閾値より高い強度値を有する場合、前記周辺ベルトによってカバーされた細胞膜は、不完全である、または存在しないと見なされる。
膜完全性スコアを計算することは、腫瘍細胞同定の正確さを評価し推定することに役立つことができる。流域アプローチは、たとえば、バイオマーカー信号を観察することができないはずであるスライドグラスの均等な領域をカバーすることができる識別された分水界線に沿って「人工ダム」を自動的に生成し延ばすことができる。そのような腫瘍細胞について完全性スコアを計算することによって、前記腫瘍細胞をバイオマーカー陽性の細胞であると安全に見なすには、その信号が実際弱すぎるということを決定することができる。そのような腫瘍細胞は、細胞膜が不完全である、またはそれがない腫瘍細胞として、完全性スコアの計算ステップによって識別することができる。そのような腫瘍細胞は、バイオマーカー陰性の腫瘍細胞として再分類することができる。さらに、細胞膜が不完全である、またはそれがない腫瘍細胞は、腫瘍細胞がバイオマーカーを発現させていない、または非常に限られた量でバイオマーカーを発現させているというヒントとして識別することができる。さらに、完全性スコアを計算することは、いずれかの計算された強度に基づくスコアの質を査定することを可能にし得る。
実施形態によれば、スコアは、膜強度スコアである。膜強度スコアの計算は、
− 第2のデジタル画像中で、かつ各識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞それぞれについて、前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の識別された細胞膜内に位置決められる、および/または識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の前記識別された細胞膜によって囲繞された細胞質の領域内に位置するすべてのピクセルの光強度を測定するステップと、
− 腫瘍細胞が属するがんタイプを予測するために、および/または病気の進行を予測するために、すべての識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の少なくとも1つの予め定めた割合、たとえば50%について測定された光強度を1つまたは複数の閾値と比較するステップとを含む。
さらなる態様では、本発明は、前の実施形態のいずれかの1つによる方法を実施するプロセッサによって実行可能なデジタル的にコード化された命令を格納する有形の非一時的な記憶媒体に関する。
さらなる態様では、本発明は、医用画像解析システムに関し、このシステムは、プロセッサおよびプロセッサに結合されるメモリを含む。メモリは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに動作を実施させる命令を格納するために使用され、その動作は、
− 第1のデジタル画像および第2のデジタル画像をメモリ中に読み込むことであって、
第1および第2のデジタル画像は、第1のスライドグラスの同じエリアを描写し、
第1のスライドグラスは、第1の染色剤によって、および第2の染色剤によって染色されている多数の腫瘍細胞を含み、
第1の染色剤は、細胞核を選択的に染色し、
たとえば、第1の染色剤は、いずれかの種類の細胞の細胞核を非特異的に染色することができ、それゆえ腫瘍細胞さらにまた非腫瘍細胞を染色することができ、
第2の染色剤は、特定のバイオマーカーを選択的に染色し、腫瘍細胞中のバイオマーカーの有無および/または量が特定のがんサブタイプに属する腫瘍細胞を示し、
第1のデジタル画像の光強度値が、腫瘍細胞中の第1の染色剤の量と相関し、
第2のデジタル画像の光強度値が、腫瘍細胞中の第2の染色剤の量と相関する、読み込むことと、
− 第1のデジタル画像中で光強度を解析することによって複数の細胞核および前記細胞核の位置情報を識別することと、
− 第2のデジタル画像中で光強度を解析することによって、および識別された細胞核の位置情報を解析することによってバイオマーカーを含む細胞膜を識別することと、
− 前記エリア中でバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別することであって、
バイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、1つの識別された細胞核とその識別された細胞核を囲繞する1つの識別された細胞膜の組み合わせである、識別することとを含む。
さらなる態様では、本発明は、アッセイを採点するためのシステムに関する。このシステムは、プロセッサおよびプロセッサに結合されるメモリを含む。メモリは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに動作を実施させる命令を格納するために使用され、その動作は、
− 画像の一部分中で複数の細胞核を識別することと、
− 複数の細胞核の中の1つまたは複数の細胞核のいずれかの囲繞領域を膜と関連付けることができるのかどうかを決定することであって、
前記1つまたは複数の細胞核と膜とに明らかな関連があると、ポジティブに染色された細胞があると決定される、決定することとを含む。
実施形態によれば、画像の一部分は、ヘマトキシリン画像上の注釈付きの全腫瘍領域である。
実施形態によれば、注釈付きの領域は、マーカー間登録アルゴリズムを使用して対応するひと続きの切片のcMET画像にマッピングされる。
実施形態によれば、動作は、全腫瘍領域についてスライドグラスレベルのスコアを計算することをさらに含む。
実施形態によれば、画像の一部分は、cMET画像上の注釈付きの視野である。
実施形態によれば、動作は、視野についてスライドグラスレベルのスコアを計算することをさらに含む。
実施形態によれば、前記1つまたは複数の細胞核の囲繞領域を膜と関連付けることができるのかどうかを決定することは、ストローク検出動作を実施することを含む。
実施形態によれば、ストローク検出動作は、
− 中心ピクセルのまわりにピクセルのアレイを有する前記中心ピクセルの相対強度を測定することと、
− 相対強度を閾と比較することであって、
その閾を満足させる、または超えると、ピクセルは、膜と関連付けられる、比較することとを含む。
実施形態によれば、前記1つまたは複数の細胞核の囲繞領域を膜と関連付けることができるのかどうかを決定することは、スポーク検出動作を実施することを含む。
実施形態によれば、動作は、細胞核の検出および膜の決定を改善することをさらに含む。
実施形態によれば、改善することは、Otsu閾値化を使用して画像のDABチャネル上にマスクを生成することをさらに含む。
実施形態によれば、改善することは、
− 検出された細胞核および決定された膜の1つまたは複数にマスクを適用することと、
− マスクの適用に基づきいずれかの検出された細胞核および膜を取り除くこととをさらに含む。
実施形態によれば、動作は、膜強度スコアまたは完全性スコアの少なくとも1つを計算することをさらに含む。
実施形態によれば、動作は、強度スコアまたは完全性スコアに基づき全スコアに依存したカテゴリ中に画像をビニングすることをさらに含む。
実施形態によれば、画像をカテゴリ中にビニングすることは、全スコアが閾を満足させるのかどうかに依存する。
さらなる態様では、本発明は、アッセイを採点するためのシステムに関する。このシステムは、プロセッサおよびプロセッサに結合されるメモリを含む。メモリは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに動作を実施させる命令を格納するために使用され、その動作は、
− IHC画像の視野中で識別された腫瘍細胞核の範囲内で検出された構造が膜または細胞質の特徴と関連するのかどうか決定することであって、
前記検出された構造が膜または細胞質の特徴と関連するとき、識別された腫瘍細胞核は、ポジティブに染色された細胞であると見なされる、決定することと、
− 強度特徴または完全性特徴の少なくとも1つに基づき複数のポジティブに染色された細胞に基づきIHC画像を採点することとを含む。
実施形態によれば、動作は、識別された腫瘍細胞核の範囲内で構造を検出するために、ストローク検出動作を使用することをさらに含む。
実施形態によれば、動作は、識別された腫瘍細胞核の範囲内で構造を検出するために、スポーク検出動作を使用することをさらに含む。
実施形態によれば、動作は、DABチャネルから生成された閾マスクに基づき識別された膜特徴を改善することをさらに含む。
さらなる態様では、本発明は、動作を実施するプロセッサによって実行されるコードを格納する有形の非一時的な記憶媒体に関し、その動作は、
− IHC画像中で識別された細胞核の近辺内でいくつかの膜特徴を識別することであって、
細胞核は、IHC画像からデコンボリューションされたヘマトキシリンチャネル中で識別され、
いくつかの膜特徴は、前記IHC画像からデコンボリューションされたDABチャネル中で識別される、識別することと、
− 識別された、いくつかの膜特徴に基づきIHC画像を採点することとを含む。画像は、スコアに基づき、4つのカテゴリの1つにビンニングされる。
本発明の実施形態は、膜質および細胞質の領域を染色するIHCアッセイ、たとえばc−MET IHCアッセイによって染色された組織のスライドグラスの画像を解析し、採点するためのシステムおよびコンピュータで実施される方法を提供し、これは、解析および採点するために、全腫瘍領域または1セットの腫瘍状視野を選択し、画像の視野中で細胞核状構造を検出し、細胞核状構造が腫瘍細胞核であるのかどうかを識別するために細胞核状構造、たとえば細胞核の斑点を解析し、視野中で膜および細胞質構造の少なくとも1つを検出し、スポーク検出方法またはストローク検出方法の一方または両方を使用して視野中の膜および細胞質構造の少なくとも1つを識別された腫瘍細胞核の少なくとも1つと関連付け、膜および細胞質構造の少なくとも1つが腫瘍細胞核と関連するとき、膜および細胞質構造の少なくとも1つと腫瘍細胞核との関連は、細胞がポジティブに染色されていると見なされ、膜および細胞質の画像の強度特徴の少なくとも1つを計算し、ポジティブに染色された細胞を、どれほど細胞が染色されているのかを示すカテゴリにビニングすることによって実施される。いくつかの分類されたポジティブに染色された細胞に基づき、(0、1+、2+、3+)のスライドグラスレベルの臨床スコアを計算することができる。
1つの例示の実施形態では、主題開示は、アッセイを採点するためのシステムを提供し、このシステムは、プロセッサおよびプロセッサに結合されるメモリを含み、メモリは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに動作を実施させるデジタル的にコード化された、および/またはコンピュータ可読命令を格納するためのものであり、この動作は、
− 画像の一部分中で複数の細胞核を識別することと、
− 複数の細胞核の中の1つまたは複数の細胞核のいずれかの囲繞領域を膜と関連付けることができるのかどうかを決定することであって、
前記1つまたは複数の細胞核と膜とに明らかな関連があると、細胞は、ポジティブに染色されていると決定される、決定することとを含む。
「関連(association)」は、本明細書で使用するとき、たとえば、識別された膜が識別された細胞核からの予め定めた最大距離内に位置することを、および/または識別された細胞核を囲繞する、またはそれからの予め定めた最大距離内に位置することという基準が、膜として、具体的にはポジティブに染色された細胞の細胞膜として、識別されるための必要条件であるということを必然的に伴うことができる。
「ポジティブに染色された細胞(positively stained cell)」は、本明細書で使用するとき、たとえば、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞、すなわち、その膜およびさらなる任意選択のいくつかの細胞質構造がバイオマーカーを含み、それによってバイオマーカーが適切な染色剤、たとえばDABによって染色されている腫瘍細胞である。いくつかの実施形態では、スライドグラス上の組織切片中に含まれるすべての細胞が、デフォルトで腫瘍細胞と見なされ、バイオマーカーを含む膜が識別された細胞核の近くで識別された場合、その組み合わせは、いくらかの非腫瘍細胞、たとえば間質細胞が存在することがあるとしても、ポジティブに染色された腫瘍細胞と見なされ、その非腫瘍細胞は、このアプローチでは、また「腫瘍細胞」と見なされる。他の実施形態では、追加の除去するステップが、たとえば細胞核のサイズまたは形状のために非腫瘍細胞として識別される細胞核および対応する細胞を除去するために、たとえば細胞核の同定中に使用される。
別の例示の実施形態では、主題開示は、アッセイを採点するためのシステムを提供し、このシステムは、プロセッサおよびプロセッサに結合されるメモリを含み、メモリは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに動作を実施させるコンピュータ可読命令を格納するものであり、その動作は、
− IHC画像の視野中で識別された腫瘍細胞核の範囲内で検出された構造が膜または細胞質の特徴と関連しているのかどうかを決定することであって、
前記検出された構造が膜または細胞質の特徴と関連しているとき、識別された腫瘍細胞核は、ポジティブに染色された細胞と見なされる、決定することと、
− 強度特徴または完全性特徴の少なくとも1つに基づき複数のポジティブに染色された細胞に基づきIHC画像を採点することとを含む。
また、別の例示の実施形態では、主題開示は、動作を実施するプロセッサによって実行されるコンピュータ可読コードを格納する有形の非一時的なコンピュータ可読媒体を提供し、その動作は、
− IHC画像中で識別された細胞核の近辺内でいくつかの膜特徴を識別することであって、
細胞核は、IHC画像からデコンボリューションされたヘマトキシリンチャネル中で識別され、
いくつかの膜特徴は、前記IHC画像からデコンボリューションされたDABチャネル中で識別される、識別することと、
− 識別された、いくつかの膜特徴に基づきIHC画像を採点することであって、
画像は、スコアに基づき4つのカテゴリの1つにビニングされる、採点することとを含む。
次の実施形態では、図面を参照して例としてだけで本発明をより詳細に述べる。
主題開示の例示の実施形態による、IHCスライドグラスを採点するためのシステム100を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、2つの出力画像を提供するために、分離されるまたはデコンボリューションされる全スライドグラス画像221を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、異なるFOV選択を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、異なるFOV選択を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、アッセイの画像を採点するための方法を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、アッセイの画像を採点するための方法を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、アッセイの画像を採点するための方法を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、膜検出のための方法および前記方法の結果を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、膜検出のための方法および前記方法の結果を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、膜検出のための方法および前記方法の結果を描写する図である。 主題開示の例示の実施形態による、FOV選択および結果描写のための例示のインターフェースを描写する図である。 FOV選択および結果描写のための例示のインターフェースを描写する図である。
本明細書に開示するシステムおよび方法は、膜質および細胞質の領域を染色するIHCアッセイによって染色された生物学的試料または試料をその上に有するデジタル化されたスライドグラスを採点するための自動化された画像解析アルゴリズムおよびワークフローに関する。本発明は、c−MET IHCアッセイによって染色された全NSCLCスライドグラスに関し、例示する目的で述べる。しかし、開示する動作は、本開示を考慮すると当業者に明らかになるように、膜質および細胞質の染色剤と細胞核の対比染色剤のいずれかの他の組み合わせに適用可能とし得る。
「対比染色剤(counterstain)」は、たとえば、細胞核を染色するための染色剤とすることができる。たとえば、対比染色剤は、バイオマーカーを含む膜および細胞質の構成要素を彩色するために使用される染色剤に関して対比色のものとすることができる。実施形態によれば、細胞核は、対比染色剤によってのみ可視化され、バイオマーカーを染色するために使用される染色剤によっては可視化されない。いくつかの実施形態によれば、対比染色剤は、「第1の染色剤」の例であり、バイオマーカーを染色するための染色剤は、「第2の染色剤」の例である。
図1は、主題開示の例示の実施形態による、IHCスライドグラスを採点するためのシステム100を描写する。システム100は、メモリ110を含み、それは、コンピュータ101に結合されるプロセッサ105によって実行される複数の処理モジュールまたは論理命令を格納する。複数の処理モジュール111〜118の1つまたは複数の実行は、画像化サブシステム102から画像データを受け取ることによって引き起こすことができる。コンピュータ101は、プロセッサ105およびメモリ110に加えて、また、キーボード、マウス、タッチペンおよびディスプレイ/タッチスクリーンなど、ユーザ入出力装置を含む。次の論述で述べるように、プロセッサ105は、メモリ110に格納された論理命令を実行する。画像化サブシステム102は、染色する、および/または画像化するプラットフォームのいずれかの組み合わせを含むことができる。たとえば、サンプルは、明視野の画像化のための色を生じる染色剤または蛍光画像化のための蛍光団と関連する1つまたは複数の異なるバイオマーカーを含む染色アッセイの適用によって染色しておくことができる。染色アッセイは、明視野の画像化のための色を生じる染色剤、蛍光画像化のための有機蛍光団、量子ドット、または量子ドットと一緒の有機蛍光団、あるいは染色剤、バイオマーカーのいずれかの他の組み合わせ、および観察する、または画像化する装置を使用することができる。
実施形態によれば、第1および/または第2の染色剤は、明視野の画像化のための色を生じる染色剤、蛍光画像化のための有機蛍光団、量子ドット、または量子ドットと一緒の有機蛍光団とすることができる。
さらにまた、通常のサンプルは、サンプルに染色アッセイを適用し、染色されたサンプルをもたらす自動化された染色/アッセイプラットフォーム中で処理される。染色/アッセイプラットフォームとして使用するのに適切な様々な市販製品が市場に存在し、1つの例が、譲受人のVentana Medical Systems、Inc.の登録商標Discoveryの製品である。
画像化サブシステム102は、顕微鏡上にカメラを、または顕微鏡および/または画像化構成要素を有する全スライドグラススキャナ、たとえば倍率が20倍または40倍のVentana iScan HTまたはiScan Coreoスキャナをさらに含むことができる。1つの例示の実施形態では、画像化サブシステム102は、人の患者からの組織サンプルのひと続きの切片に対応する全スライドグラス画像をデジタル化する、またはスキャンするために使用することができる。組織サンプルは、肺のそれとすることができ、ひと続きの組織切片は、少なくともcMETアッセイ、ならびにヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)アッセイによって染色することができる。タンパク質発現、たとえば非腫瘍性の(非悪性の)および悪性の細胞の両方中のMET発現を定量化するために、c−METタンパク質を対象とするアッセイ、たとえばc−MET IHCアッセイが開発されている。アッセイは、対象とした治療学に対して好ましく反応する可能性があるNSCLC患者を選択するために使用することができる。アッセイは、自動化された染色プラットフォーム、たとえばBENCHMARK XTおよびBENCHMARK ULTRA上で、および/またはDAB検出キットとともに利用することができ、たとえばホルマリンで固定され、パラフィンに包埋された(FFPE)組織(たとえばヒト組織)の切片中でのc‐METタンパク質の細胞内領域(すなわち細胞質および膜の領域)の半定量的検出を対象とし、膜質および細胞質の細胞領域を染色する。たとえば、DABがc−METアッセイ中で第2の染色剤として使用される場合、DABは、細胞膜に接近したところで膜質および細胞質の細胞領域を染色することができ、これは、たとえば、DAB検出キットによって、DABが細胞膜タンパク質c‐METの細胞質ゾル領域に選択的に結び付けられるからである。包埋の方法は、変えることができる。NSCLC中のMET発現の分類は、半定量的であり、染色度および陽性率の評価が必要である。たとえば、陽性率は、バイオマーカーを発現させ、したがって「バイオマーカー陽性の腫瘍細胞」として検出することができる腫瘍組織切片中の腫瘍細胞の割合とすることができる。
全スライドグラスのデジタル化された画像は、ネットワークまたはいずれかの他の通信手段を介して提供することができる。画像は、どのどれぐらい多くの特定の抗体分子が、特定の免疫性細胞の腫瘍マーカーまたはバイオマーカーなど、組織上のある結合部位または対象物に結び付いているのかに関する情報と、さらにまた染色に使用される化学薬品の濃度、染色する際組織に適用される化学薬品の反応時間および/または組織年令、定着方法、期間、サンプルがどのように包埋されたのか、切断されたのかなど、組織の解析前条件を含む、染色プラットフォームに関するいずれかの情報とを提供することができる。1つまたは複数のアッセイの画像は、それに格納されたモジュールによって処理するために、メモリ110に供給することができる。画像は、たとえば、RGB画像とすることができる。画像中の染色剤の組み合わせを分離するために、画像化サブシステム102から受け取った全スライドグラス画像上の2つ以上の染色剤の線形の組み合わせである2つ以上の画像をもたらすために、カラーデコンボリューションモジュール111を呼び出すことができる。たとえば、分離されて、またはデコンボリューションされて、それぞれがDAB(ブラウン)チャネル222(または「DABチャネル画像」222)およびH&E(対比染色剤)チャネル223(または「H&Eチャネル画像」223)を表す、2つの出力画像をもたらす全スライドグラス画像221を描写する図2Aを参照されたい。実施形態によれば、DABチャネル画像は、「第2のデジタル画像」の例であり、H&Eチャネル画像は、「第1のデジタル画像」の例である。DABチャネル(3、3’−ジアミノベンジジン)が通常ブラウンであり、他の染色剤/対比染色剤チャネルは、異なる色のものとすることができるが、全スライドグラス画像221などのRGB画像は、デコンボリューションすることができ、それぞれ個々のカラーチャネルが、画像222および223に示すように、ピクセル毎に0〜255の間の1次元強度値を与えるために、グレースケールバージョンで表すことができる。言い換えると、DABチャネルおよびH&Eチャネル画像は、それらの元の色で描写する必要がなく、グレースケールで査定され、デコンボリューションされた画像は、使用される特定の染色剤の「強度」または「強さ」を表す。
全スライドグラススキャナを20/40倍の所望の倍率で使用して全スライドグラスをデジタル化することができる、あるいは病理学者が、画像解析のためにスライドグラスをデジタル顕微鏡の下で精密に調べ、領域を選択し、それらの領域だけを捕らえることができる、いずれかである。いくつかの実施形態によれば、第1および第2のデジタル画像によってカバーされるスライドグラスのエリアは、全スライドグラスとすることができる、または病理学者によって選択されたすべての領域の全体とすることができる。また、腫瘍組織検出アルゴリズムが、画像解析を介して検査される前記領域を自動的に選択することが可能である。FOV選択モジュール112は、本明細書でさらに述べるように、さらなる解析のために視野(FOV)を選択するインターフェースになる。簡単にいうと、本明細書で述べるいずれかの画像解析動作は、入力画像の全腫瘍領域に対して、または学習を受けた病理学者または他の操作員によってハイライトされた特定の領域(FOV)に対して実施することができる。デジタル化されたスライドグラス、たとえば全スライドグラスは、メモリまたは記憶装置中に、たとえば局所的画像フォルダに、またはリモート画像サーバにセーブされ、メモリまたは記憶装置からオープンされてビューワ、たとえば全スライドグラスのビューワ(たとえばVirtuoso、ImageViewerまたはVersoのような)および/またはスライドグラス管理アプリケーションで精密に調べられる。病理学者または資格のある専門家は、異なる倍率で全スライドグラスを注意深く移動して精密に調べることに基づき、解釈および採点するためにデジタル化された全スライドグラス上の十分な数の代表的な腫瘍領域(視野、FOV)に注釈を付ける。病理学者が全体的なスライドグラスの解釈のために使用するマーカー発現を反映するように、注釈付きの代表的なフィールドが選択される。注釈は、ビューワアプリケーション中で提供される注釈ツールを使用して出される。注釈は、いずれかの特定の倍率(解像度)で作成することができる。
注釈は、第2のスライドグラス、すなわちヘマトキシリンおよびエオシン(「H&E」)によって染色されている腫瘍組織切片を含むスライドグラスのH&E画像に割り当てることができる。前記H&E画像の注釈は、別のスライドグラス(「第1のスライドグラス」)のエリアから導かれた第1および/または第2のデジタル画像にマッピングして移動させることができる。他のスライドグラスは、第1および第2の染色剤によって、たとえばヘマトキシリンおよびDABによって染色されている腫瘍組織切片を含む。マッピングを可能にするために、第1および第2のスライドグラスの腫瘍組織切片は、隣接したひと続きの組織切片であることが必要である。
たとえば、図2Bおよび2Cは、異なるFOV選択を描写する。図2Bは、H&E画像224上の注釈付きの全腫瘍FOV選択226を描写し、マーカー間登録動作が、全腫瘍の注釈226を、同じ組織サンプルのひと続きの切片に対応するcMET画像225に移動させるために使用される。言い換えると、注釈226は、病理学者によって、またはセグメンテーション、閾値化、エッジ検出などの自動化された画像解析動作を使用して、H&E画像224に対して実施され、注釈226は、cMET画像225の対応する領域に自動的にマッピングされる。注釈付きの領域226だけが、解析され、本明細書で述べる動作で採点される。
図2Cに描写する代替の実施形態では、cMET画像227の特定の領域228は、解析のために、学習を受けた病理学者または他の操作員によって選択される。注釈228がcMET画像自体に対して出されるので、マーカー間登録動作は、必要でないことがある。cMET画像は、画像、たとえば第1のスライドグラスのエリアのRGB画像である。cMET画像は、本明細書でさらに述べるように、その後分離する、またはデコンボリューションすることができ、それによってスコアを生成するために使用される第1および第2のデジタル画像が生成される。したがって、デコンボリューションモジュール111およびFOV選択モジュール112は、いずれかの特定の順序で実行する必要がなく、1つのモジュールは、必要の際、別を呼び出すことができる。
視野は、H&E画像からcMET画像など、1つまたは複数の隣接する画像に登録する、または移動させることができる。たとえば、染色剤およびマーカーの異なる組み合わせを用いるアッセイにわたる登録動作は、同一出願人による同時継続の欧州特許出願第WO2014140070A2号を参照してさらに述べる方法など、マーカー間アルゴリズムを使用し、その出願の内容は、参照によってその全体が本明細書に援用される。援用される特許出願の該当セクションは、デジタル画像登録プロセスを述べており、そのプロセスは、
− 単一患者の隣接する組織切片の1セットのデジタル画像から第1の組織切片の第1のデジタル画像を選択するステップと、
− そのセットから第2の組織切片の第2のデジタル画像を選択するステップと、
− 第1のデジタル画像と第2のデジタル画像の間で組織構造をマッチングするステップと、
− 第1のデジタル画像に対して出された注釈を第2のデジタル画像に自動的にマッピングするステップとを含む。
第1のデジタル画像は、染色剤および画像化モードを使用して得られた画像から導くことができ、第2のデジタル画像は、第1のデジタル画像と比べて異なる染色剤、異なる画像化モード、またはその両方を使用して得られた画像から導くことができる。染色剤、たとえば第1および/または第2の染色剤は、ヘマトキシリンおよびエオシン染色剤(「H&E」染色剤)、免疫組織化学染色剤(「IHC」染色剤)、または蛍光性染色剤から選ぶことができる。たとえば、細胞核を染色するために使用される第1の染色剤は、ヘマトキシリンとすることができ、バイオマーカーを染色するために使用される第2の染色剤は、DABとすることができる。画像化モードは、明視野の顕微鏡法または蛍光性顕微鏡法から選ぶことができる。組織構造をマッチングすることは、粗登録モードを含むことができ、そのモードは、
− デジタル画像から第1のグレーレベル組織の前景画像を生成し、別のデジタル画像から第2のグレーレベル組織の前景画像を生成するステップと、
− 第1のグレーレベル組織の前景画像から第1の組織の2進法エッジマップを計算し、第2のグレーレベル組織の前景画像から第2の組織の2進法エッジマップを計算するステップと、
− 第1の2進法エッジマップと第2の2進法エッジマップを位置合わせするための大域的な変換パラメータを計算するステップと、
− 第1のデジタル画像および第2のデジタル画像を、第1および第2のグレーレベル組織の前景画像が、大域的な変換パラメータに基づきそれから生成された両方のデジタル画像を包含する共通の大きいグリッドにマッピングするステップとを含む。たとえば、第1のグレーレベル組織の前景画像がそれから生成されたデジタル画像は、第1のスライドグラスのデジタル画像とすることができ、以下では「第1のスライドグラスのデジタル画像」という。他のデジタル画像は、第2のスライドグラスのデジタル画像とすることができ、以下では「第2のスライドグラスのデジタル画像」という。大域的な変換パラメータを計算するステップは、第1の2進法エッジマップと第2の2進法エッジマップの間のアフィンマッピングを生成するために、モーメントベースのマッピング方法を使用するステップをさらに含むことができる。第1のデジタル画像と第2のデジタル画像の位置合わせを改善するために、微登録モードを使用することができる。微登録モードは、
− 第1のグレーレベル組織の前景画像がそれから生成されたデジタル画像に注釈を付けるステップと、
− 第2のグレーレベル組織の前景画像がそれから生成されたデジタル画像中の対応する場所に共通の大きいグリッドに対する注釈をマッピングするステップと、
− 2進法の組織エッジマップに基づき面取り距離をマッチングするステップを使用して場所を更新するステップとを含む。組織エッジの2進法マップの縮小バージョンを使用することができ、その方法は、粗いモード登録に関連するマッチングするステップを向上させる最小コストウィンドウを選択するステップをさらに含むことができる。
面取り距離をマッチングするステップは、2つの異なる画像からのエッジポイントの最適適合の発見を、それらの間の一般化距離を最小にすることによって可能にする。1つの画像のエッジポイントは、どのようにして画像を互いに対して幾何学的に変形させることができるのかを記述する、1セットのパラメトリック変換方程式によって変換される。面取り距離をマッチングするステップを適用するステップは、有益であり得る、というのは、その方法は、迅速であって不完全な入力データを扱うことができると気付かれているからである。
視野を指定し、画像にわたる視野を登録するとき、たとえば、RGB全スライドグラス画像から分離された、またはデコンボリューションされたヘマトキシリンチャネル画像(それは、「第1のデジタル画像」の例とすることができる)中で腫瘍細胞の数をカウントするために、細胞核検出モジュール114を呼び出すことができる。細胞核検出は、セグメンテーション、閾値化など、いずれかの既知の細胞核検出方法を使用することができる。1つの例示の実施形態では、放射相称ベースの細胞核検出動作が使用される。放射相称動作は、同一出願人による同時継続の特許出願第WO2014140085A1号にさらに述べられている。これらの動作は、組織試料スライドグラス、たとえば免疫組織化学(IHC)アッセイによって染色された試料を自動的に解釈し採点するステップを含むことができる。画像の領域または全体の画像(たとえばデジタルの全スライドグラス画像)は、全スライドグラスと関連する情報および特性、および定量的解析のために選択される特徴に少なくとも部分的に基づき解析することができる。全スライドグラス画像は、スライドグラスの領域(たとえばラベル、マーカー、空白のエリアを除くスライドグラスのすべての領域)を含む組織のすべて、または実質的にそのすべての画像と見なされる。スライドグラスの領域(たとえばスライドグラスの特定の組織領域)または全スライドグラス中の細胞構造(たとえば細胞核の物体、細胞核シード(seed)および/または膜)および細胞は、スライドグラスの領域を含む組織と関連するデータに関する情報に少なくとも部分的に基づき識別することができる。前記「領域」は、また、「エリア」といわれる。細胞タイプを識別し、定量的解析を実施するために、細胞をカウントすることができ、これらの細胞の局所的および大域的な特徴の様々なタイプを計算することができる。特徴の計算は、スライドグラスの注釈付きの領域からの情報だけでなく全スライドグラス(たとえば多数の倍率で解析されたスライドグラスの組織を含む領域)からの情報も使用することができる。
細胞は、選択された視野に少なくとも部分的に基づき画像および/または全体のスライドグラスを採点するために、および/または全スライドグラス(すなわちスライドグラスの領域を含む組織のすべて)と関連する情報またはデータに少なくとも部分的に基づき全スライドグラスを採点するために、自動的にカウントし、分類することができる。スコアは、スライドグラスの解釈のために使用することができる。一実施例によれば、システムは、信頼性があり再現性があるスライドグラス解釈を支援する目的で組織についての情報を決定するために、識別された細胞核の物体および/または細胞核を正確にカウントすることができる。一実施形態では、システムは、たとえば生物学的試料(たとえば腫瘍組織)を採点するために、識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞内に含まれる識別された細胞核、および/またはネガティブに染色され識別された細胞核の物体、および/または非腫瘍細胞として識別されている、識別されたバイオマーカー陽性の細胞内に含まれる細胞核をカウントする。いくつかの実施形態では、オーバーレイ画像が生成され、それによって対象物からの試料の画像中で興味ある特徴にラベルを付ける。
別の実施例によれば、システムは、信頼性があり再現性があるスライドグラス解釈を支援する目的で組織についての情報を決定するために、細胞核の物体を正確にカウントすることができる。一実施形態では、システムは、たとえば生物学的試料(たとえば腫瘍組織)を採点するために、ポジティブに染色された細胞核の物体および/またはネガティブに染色された細胞核の物体をカウントする。いくつかの実施形態では、オーバーレイ画像が生成され、それによって対象物からの試料の画像中で興味ある特徴にラベルを付ける。
組織の採点は、組織サンプルについて予後を予測する、および/または生成するように実施することができる。いくつかの実施形態では、病理学者は、スライドグラスのスコアを承認する、または否認することができる。スライドグラスのスコアが否認された場合、自動化されたスコアは、手作業によるスコア(たとえば目視検査に少なくとも部分的に基づくスコア)に置き換えることができる。システムは、マーカー毎に、たとえばバイオマーカー毎に1セットの学習用または基準のスライドグラスに少なくとも部分的に基づき学習を受けた分類者を有することができる。マーカーの1セットの学習用スライドグラスは、すべての所望のデータ変動性を表すことができる。バイオマーカー毎に分類者を学習させるために、異なるセットのスライドグラスを使用することができる。それに応じて、単一のバイオマーカーについて、学習後、一人の分類者が得られる。異なるバイオマーカーから得られる画像データの間に変動性があるので、まだ見ていないテストデータに対してより良い能力を確保するように、異なる分類者が異なるバイオマーカー毎に学習を受けることができ、バイオマーカータイプのテストデータが知られることになる。学習を受けた分類者は、スライドグラス解釈のために、たとえば組織タイプ、染色プロトコルおよび興味ある他の特徴中の学習用データ変動性をどれぐらい最適に扱えるのかに少なくとも部分的に基づき選択することができる。
システムは、画像の特定の領域を、その領域内の情報に、さらにまたその領域外の情報に少なくとも部分的に基づき解析することができる。いくつかの実施形態では、マルチステージの2進法分類者は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞の細胞核およびバイオマーカー陽性の非腫瘍細胞(たとえばリンパ球および間質の細胞)の細胞核を識別することができる。バイオマーカー陽性の非腫瘍細胞の細胞核は、識別された細胞核の全体から除去され、さらなる改善ステップでは、残された識別された細胞核の位置情報だけが、細胞膜を識別するために、第2のデジタル画像とともに解析される。識別された細胞膜が、バイオマーカー陽性の非腫瘍細胞の細胞核であるとして除去されている細胞核を囲繞する場合、前記細胞膜は、識別された細胞膜の全体から除去され、識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の全体が、それに応じて更新される。いくつかの実施形態によれば、さらなる分類で、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、背景細胞、すなわち非常に弱い細胞核の斑点強度を有する細胞から区別することができ、その弱い強度は、第1のスライドグラス中の背景層に属する前記細胞によって引き起こされている可能性がある。たとえば、ブラウンに染色された細胞核を有し、強度値が最小閾レベル以上であるバイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞として維持することができる。ブラウンに染色された細胞核を有し、強度値が前記最小閾レベルより低いバイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、背景細胞または細胞質の赤み(blush)として識別することができる。識別された背景細胞および細胞質の赤みは、次のステップで除去される。スコア(たとえば全スライドグラスのスコア)は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞/バイオマーカー陽性の非腫瘍細胞の数に少なくとも部分的に基づき決定することができる。実施形態によれば、細胞核を識別するために、最初に、細胞核の斑点が、第1のデジタル画像中で強度値を解析することによって識別される。検出された細胞核の斑点毎に、平均斑点強度、色および検出された細胞核の斑点のエリアおよび形状などの幾何学的特徴を計算することができ、細胞核の斑点は、腫瘍細胞核と、非腫瘍細胞、たとえば間質およびリンパ球の細胞の細胞核とに分類される。間質およびリンパ球の細胞の細胞核がそれに基づき識別された細胞核の斑点は、プロセス中の後のステップから排除することができる。それゆえ、識別された細胞核の全体は、最初から非腫瘍細胞の細胞核を含んでいない可能性がある、または非腫瘍細胞の細胞核は、後のステップで識別された細胞核の全体から取り除くことができる。このモジュールによって出力された識別された細胞核の数は、カウントされた腫瘍細胞核の数によって明らかになるように、FOV中で検出されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の総数に相当する。全スライドグラスの採点のために使用される腫瘍細胞核の総数は、すべての解析された領域中で検出された腫瘍細胞核のカウントの集計である。
さらなる実施形態によれば、システムは、画像の特定の領域を、その領域内の情報と、さらにまたその領域外の情報とに少なくとも部分的に基づき解析することができる。いくつかの実施形態では、マルチステージの2進法分類者は、ポジティブおよびネガティブの細胞核を識別することができる。ポジティブ細胞核は、ネガティブ細胞核、リンパ球、間質と区別することができる。さらに、ネガティブ細胞およびリンパ球は、間質と区別することができる。次いで、リンパ球は、ネガティブ細胞核と区別される。さらなる分類では、ポジティブ細胞は、背景細胞と区別することができる。たとえば、ポジティブ細胞がブラウンに染色された細胞核を有する場合、背景細胞は、細胞質の赤みである可能性があり、それは、除去することができる。スコア(たとえば全スライドグラスのスコア)は、ポジティブ/ネガティブの細胞核の数に少なくとも部分的に基づき決定することができる。要約すると、検出された細胞核毎に、平均斑点強度、色および検出された斑点のエリアおよび形状などの幾何学的特徴を計算することができ、斑点は、腫瘍細胞核、間質およびリンパ球の細胞に分類される。間質およびリンパ球の細胞は、プロセス中の後のステップから排除することができる。このモジュールによって出力された細胞の数は、カウントされた腫瘍細胞核の数によって明らかになるように、FOV中で検出された腫瘍の総数に相当する。全スライドグラスの採点のために使用される腫瘍細胞核の総数は、すべての解析された領域中で検出された腫瘍細胞核のカウントの集計である。
図2Dは、上記に述べた放射相称検出動作を使用して検出されたIHC画像中の複数の細胞核を描写する。
図1に戻って参照すると、また、細胞膜に対応するストロークを発見するために、膜または細胞質検出モジュール115を実行することができる。「細胞質検出」は、たとえば細胞膜タンパク質の細胞質の領域の検出に関する。膜検出モジュール115によって実施される動作は、図3A〜3Bに関してさらに述べる。全体的に、細胞膜検出は、DAB(3、3’−ジアミノベンジジン)チャネルに対して実施され、本明細書で「2進法改善マスク」ともいわれる粗マスクによって有効にされ、それは、膜検出が実施される膜質の領域を識別する、DABチャネルに対するOtsuセグメンテーション(これは本技術分野で既知である)を介して生成される。言い換えると、膜検出は、膜質の構造を検出するために、DABチャネルの画像閾値化に基づきスポークまたはストロークモデルを使用している。代替の実施形態では、DABチャネルの代わりに、膜検出は、入力RGB画像中のレッドチャネルの反転バージョンに対して、またはブラウンチャネル画像のいずれかの他の推定に対して実施することができる。ブラウンチャネル画像は、「第2のデジタル画像」の例とすることができる。
改善モジュール116は、結果の実現可能性を決定するために、マスクとともに細胞核および細胞膜検出の結果に対する相関動作を実施する。モジュールは、細胞膜が細胞核対比染色剤を取り囲んでいるのかどうか、または対比染色剤が細胞膜によって取り囲まれている時に基づき誤った検出を除去する。これらの動作は、検出モジュール114および115からの出力画像のオーバーレイに基づく、すなわち第1および第2のデジタル画像のオーバーレイまたは「マッピング」に基づくことができる。たとえば、細胞核の斑点(たとえば細胞核候補として働き、細胞核を識別するために解析される第1のデジタル画像中の均質強度の領域)の中心が、第2のデジタル画像の対応する領域にマッピングされる。第2のデジタル画像中の細胞核の斑点の前記マッピングされた中心から8つ以上の方向に放射状に広がるベクトルは、検出された細胞核のまわりで細胞膜領域を探し求めるために、用いることができる。
実施形態によれば、また、ブラウンマスク、すなわち、2進法改善マスクは、空領域、すなわち細胞核または細胞膜が全くない領域を一掃する助けになる。改善動作は、偽の細胞核検出をなくす形態学的な動作をさらに含む。改善モジュールは、改善された膜/細胞質の検出マスクを出力し、それは、たとえば、図4A〜4Bでさらに述べるように、改善され向上した2進法改善マスクとして働くことができる。
その後、視野および/または画像を採点する目的で各検出された(「識別された」)細胞核がどれぐらい完全に周辺を、またはどれぐらい良く取り囲まれているのか、および検出結果の強度を決定するために、完全性および強度の計算モジュール117および採点/ビニングモジュール118が呼び出される。視野および/または画像は、たとえば第1および第2のデジタル画像がそれから導かれたスライドグラスのエリアとすることができる。スコアは、閾に晒すことができ、それは、さらに本明細書で述べるように、ゼロ、弱い、中間および強いを表すカテゴリへの各画像のビニングを有効にする。これらのスコアおよびカテゴリは、完全な円周の割合および検出結果の強度に基づく。これらのモジュールからの出力は、完全に、また、部分的に染色された細胞核および膜を描写する結果画像をもたらす。
上記に述べたように、モジュールは、プロセッサ105によって実行されるロジックを含む。「ロジック(Logic)」は、本明細書で使用するとき、本開示の始めから終わりまで、プロセッサの動作に影響を及ぼすように用いることができる命令信号の形態を有するいずれかの情報および/またはデータをいう。ソフトウェアは、そのようなロジックの一例である。プロセッサの例は、コンピュータプロセッサ(処理ユニット)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラおよびマイクロコントローラなどである。ロジックは、メモリ210などのコンピュータ可読媒体に格納された信号から形成することができ、メモリ210は、例示の実施形態では、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリ―メモリ(ROM)、消去可能/電気的消去可能プログラマブルリードオンリ―メモリ(EPROM/EEPROM)、フラッシュメモリなどとすることができる。ロジックは、また、デジタルおよび/またはアナログのハードウェア回路、たとえば論理AND、OR、XOR、NANDおよび他の論理動作を含むハードウェア回路を含むことができる。ロジックは、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせから形成することができる。ロジックは、ネットワークに接続して、サーバまたはサーバのコンプレックスでプログラミングすることができる。具体的なロジックユニットは、ネットワーク上の単一論理位置に限定されない。さらにまた、モジュールは、いずれかの特定の順序で実行する必要がない。各モジュールは、実行するのに必要なとき、別のモジュールを呼ぶことができる。
図3は、主題開示の例示の実施形態による、アッセイの画像を採点するための方法を描写する。この例示の実施形態で述べる動作は、システム100に関して述べた構成要素または同様の機能を果たす他の構成要素を使用することができる。たとえば、画像化サブシステムは、人の患者からの組織サンプルのひと続きの切片に対応する全スライドグラス画像をデジタル化する、またはスキャンするために使用することができる。組織サンプルは、肺のそれとすることができ、ひと続きの組織切片は、少なくともcMETアッセイ、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)アッセイによって染色することができる。たとえば、cMETアッセイは、第2の染色剤、たとえばDABによってMETタンパク質バイオマーカーを染色するために使用することができ、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)アッセイは、第1の染色剤、ヘマトキシリンによって細胞核を染色するために使用することができる。1つまたは複数のスライドグラス(そのいずれかが、たとえば「第1のスライドグラス」ということができる)の画像は、分離またはカラーデコンボリューションモジュールに提供することができ、図2Aに示すように、それぞれがDAB(ブラウン染色剤)チャネル画像と、H&E(対比染色剤)チャネル画像ともいわれる第1のデジタル画像とを描写する2つの分離した画像がもたらされる。DAB(ブラウン染色剤)チャネル画像は、第2のデジタル画像の例として見なすことができ、H&E(対比染色剤)チャネル画像は、第1のデジタル画像の例として見なすことができる。
全スライドグラスは、所望の倍率20/40倍で全スライドグラススキャナを使用してデジタル化することができる、または病理学者が、デジタル顕微鏡下でスライドグラスを精密に調べ、画像解析のための領域を選択し、それらの領域だけを捕らえることができる。全腫瘍切片または特定の切片など、視野を選択し、登録アルゴリズムを使用して登録することができる。視野は、たとえばヘマトキシリンとエオシンの組み合わせによって染色され、それによって第2のスライドグラスが第1のスライドグラスの腫瘍組織切片の隣接したひと続きの切片である腫瘍組織切片を含む第2のスライドグラスのさらなる画像から選択することができる。第2のスライドグラスのさらなる画像および元の画像、および/または第1のスライドグラスの第1および/または第2のデジタル画像は、互いに対してマッピングし、登録アルゴリズムを使用して登録することができる。登録アルゴリズムは、第2のスライドグラスのさらなる画像からの注釈を元のRGB画像および/または第1のスライドグラスの第1および第2のデジタル画像に移動させるために実施することができる。同じ方法は、注釈が全腫瘍注釈からのものであるのかFOV注釈からのものであるのかに関係なく、適用可能である。
どちらの場合でも、方法は、膜質および細胞質の領域がTRUE、それ以外はすべてどこでもFALSEと設定されるDABチャネル画像からのマスク(S301)、または「2進法マスク画像」または「2進法改善マスク」の生成から始めることができる。DABチャネルをセグメンテーションするために、1セットの学習用例から選択された低い閾値を使用することができる。強度値が閾より大きいすべてのピクセルは、TRUE、それ以外はFALSEと設定される。
たとえば、マスク中では、その強度値が動的に決定された閾より大きい第2のデジタル画像の領域は、TRUEと設定され、これは、ピクセルが、「マスクピクセル」にならないということを意味する。ピクセルをFALSEと設定することは、前記ピクセルが「マスクピクセル」になるということを意味する。強度が高い領域は、通常、バイオマーカーが位置決めされ、第2の染色剤によって染色された細胞膜に隣接する膜質および細胞質の領域に対応する。
染色アーチファクトによるFALSE検出(すなわち誤って検出された細胞)を取り除くために、簡単な3×3ピクセルメジアンのフィルタが、たとえば3ピクセルがスライドグラス中で1μmに相当する画像解像度で使用されるが、フィルタサイズは変えることができる。細胞核サイズより小さい、いずれかの小さな穴をなくすために、形態学的な画像のオペレータを使用することができる。DAB強度画像は、2進法改善マスクを使用してマスクされる。それによって、たとえば、改善された画像は、第2のデジタル画像またはその派生物、たとえば上記で言及した中間画像とデジタル改善マスクの組み合わせから生成することができる。改善された画像は、第2のデジタル画像の改善されたバージョンであり、そこでは強度がより高いいくつかの領域が、それらがバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の細胞膜に関連することが不可能である、またはありそうにないので、マスクされる。
実施形態によれば、細胞核検出(S302)は、いずれかの既知の細胞核検出方法を使用してH&Eチャネル中で腫瘍細胞の数をカウントするステップを含む。例示の実施形態では、放射相称ベースの細胞核検出動作を使用することができる。検出された細胞核について、平均斑点強度、色および検出された斑点のエリアおよび形状などの幾何学的特徴が計算され、斑点が腫瘍細胞核、間質およびリンパ球の細胞に分類される。間質およびリンパ球の細胞は、アルゴリズム中の後のステップから排除することができ、ステップ(S301)の2進法マスクの外側に含まれるすべての細胞核シードは、さらなる画像解析から排除される。いくつかのさらなる実施形態によれば、細胞核検出(S302)は、いずれかの既知の細胞核検出方法を使用してH&Eチャネル画像、たとえば第1のデジタル画像中で腫瘍細胞の数をカウントするステップを含む。例示の実施形態では、放射相称ベースの細胞核検出動作を使用することができる。たとえば、細胞核の斑点は、第1のステップで識別することができる。検出された細胞核の斑点毎に、および/または検出された細胞核毎に、平均斑点強度、色および検出された細胞核の斑点のエリアおよび形状などの幾何学的特徴が計算され、細胞核の斑点が、腫瘍細胞核および非腫瘍細胞の細胞核、たとえば間質の細胞およびリンパ球細胞の細胞核に分類される。非腫瘍細胞の、たとえば間質およびリンパ球の細胞の細胞核は、アルゴリズム中で後のステップから排除することができる。さらに、ステップ(S301)の2進法マスクの外側に含まれる、すなわち2進法改善マスクのマスクピクセルによってマスクされる、すべての識別された細胞核および/または細胞核シードは、識別された細胞核として見なされず、さらなる画像解析から排除される。
図3Bは、H&Eチャネル画像322からの細胞核検出の結果を細胞核検出の結果332を描写する画像に対して描写する。
膜検出(S303)は、各細胞のDABで染色されたMETマーカー陽性の膜および細胞質の区画を検出する。膜検出(S303)は、図4A〜4Cに関してさらに述べるように、DABチャネル中で選択されたピクセルのまわりのピクセル内で膜ストロークを検出するステップを含む。バイオマーカーを含む膜質および細胞質の構造は、ポジティブ染色チャネル画像(たとえば「DABチャネル画像」または「第2のデジタル画像」の別の例)中で検出される。この方法の例示の実施形態は、ステップ(S301)でのようにDABチャネルの画像閾値化に基づき、いずれかのポジティブに染色された細胞を求めて膜質の構造および細胞質の領域を検出するために、スポークモデルまたはストロークモデルを使用している。この動作は、識別された細胞核を細胞と関連付けるために、ヘマトキシリンチャネル画像(これは「第1のデジタル画像」の例とすることができる)中で検出された細胞核(S302)を囲繞する膜質および細胞質の検出と関連付けるステップをさらに含む。たとえば、このステム(stem)は、識別された細胞核を細胞膜と関連付け、それによってバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するために、第1のデジタル画像中で検出された細胞核を、第2の染色剤によって染色された膜タンパク質の細胞質ゾルの領域を含むいずれかの識別された細胞膜と関連付けるステップを含むことができる。
マーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムがその後に続くストロークベースの膜検出方法は、図4A〜4Cに関してさらに述べるように、
− 画像中の局所的最大値を取り出すことによってDABチャネル中で膜ストロークを検出するステップと、
− 検出された細胞核シードを囲繞する膜質および細胞質の領域の検出と関連付けるために、流域マーカーベースのアプローチを使用するステップとを含む。
たとえば、マーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムがその後に続くストロークベースの膜検出方法は、
− 第2のデジタル画像中で局所的最大値を取り出すことによってDABチャネル画像(前記第2のデジタル画像)中で細胞膜ストロークを検出するステップと、
− 第1のデジタル画像中で識別された細胞核を第2のデジタル画像にマッピングするステップであって、
識別された細胞核は、流域マーカーとして使用される、ステップと、
− 検出された(または「識別された」)細胞核を第2のデジタル画像から生成された流域トポロジ―の局所的なトポロジ―の最小値と関連付けるために、および識別するものとする細胞膜の囲繞する膜質および細胞質の領域を表す分水界線を識別するために、マーカーベースの流域画像セグメンテーションアプローチを使用するステップとを含む。実施形態に依存して、マーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムは、元の第2のデジタル画像に対して直接適用する、またはより好ましくは、第2のデジタル画像の改善されたバージョン(2進法改善マスクによって生成される)に適用される。さらに、元の第2のデジタル画像またはデジタル画像の改善されたバージョンは、マーカーベースの流域アルゴリズムを適用する前に、平滑化アルゴリズムによって平滑化することができる。
それゆえ、流域マーカーベースのアプローチは、
− ステップ(S302)で検出された細胞核シードをマーカーとして使用するステップと、
− 膜ストローク画像を改善するステップ(図4Cに示すように)と、
− それを異なる細胞にセグメンテーションするステップと、
− 図3Cに例示するような最終細胞膜検出マスクを出力するステップとを含む改善動作(S304)の一部とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、何ら細胞核シードを取り囲んでいない、2進法マスク中の閉じた斑点領域について、斑点の幾何学的中心が追加のシードとして加えられる。
いくつかの他の実施形態によれば、細胞核シードを何ら取り囲んでいない、および/または識別されマッピングされた細胞核を何ら取り囲んでいない、2進法マスク中の閉じた斑点領域(たとえば識別された細胞膜内のエリア)について、斑点の幾何学的中心(それは、たとえば2進法改善マスク中の識別された細胞膜の幾何学的中心とすることができる)が追加の細胞核シードとして加えられる。たとえば、追加のシードは、既に識別された細胞核の全体に加えられる、追加して識別された細胞核である。
改善するステップ(S304)は、セグメンテーションし、採点することができる(S305)、細胞膜および細胞核の検出を伴う疑似色付きのオーバーレイ画像を出力するステップを含む。改善動作(S304)は、第2のデジタル画像から空領域を一掃するために、検出動作からの出力画像のオーバーレイの組み合わせに基づき、ブラウンマスク(「2進法改善マスク」)を使用してFALSE検出を除去することができる。
図3Cは、入力画像324(膜ストロークが検出された画像、たとえば膜ストローク検出アプローチを介して識別されている細胞膜を含むデジタル画像)、332(検出された、すなわち識別された細胞核を含むデジタル画像)、および改善動作中に入力として使用され、改善されたデジタル画像335を出力することになり、また、「改善された膜/細胞質のマスク」ということができる333(DABマスク−「2進法改善マスク」)を描写する。改善されたデジタル画像335は、識別された細胞核または細胞核の物体の一部でない、または識別された細胞核または細胞核の物体を取り囲んでいないピクセルを膜ストローク画像324から取り除くことによって生成される。これは、細胞核の中心を発見し、細胞核の中心のまわりのすべての細胞膜ピクセルを探し求めるために最大半径の入力パラメータを使用することによってできるようになる。捜索は、0〜360度の角度で最小半径から最大半径まで円形状で放射状に外側に向けて実施される。間引き動作は、マスク333に基づくストローク検出ベースの細胞膜画像324に対することができ、細胞膜が検出された最終画像335をもたらすことになる。
結果として生じた改善された膜画像335は、スライドグラスのスコア計算動作(S305)を使用して解析され、それは、
− 検出された結果、具体的には検出された細胞膜の完全性および強度を計算するステップと、
− 閾に基づきスコアを1つまたは複数のスコアカテゴリ中にビニングするステップとを含む。
たとえば、一度マーカー陽性(この場合MET陽性、HER2で染色されたスライドグラス中ではHER2陽性)の腫瘍細胞が前のステップで識別されると、各細胞について、膜/細胞質染色の円周における割合が、染色の平均DAB強度およびすべての対比染色された腫瘍細胞検出とともに計算される。たとえば、各腫瘍細胞について、膜/細胞質染色の円周における割合が、染色の平均DAB強度およびすべての対比染色された腫瘍細胞検出とともに計算される。これは、たとえば、各腫瘍細胞について、識別された細胞膜に沿って中心を置く円周ピクセルベルト内に含まれるピクセルの円周における割合を、前記ベルト中のすべてのピクセルの染色の平均DAB強度およびすべての対比染色された腫瘍細胞検出とともに計算するように、実施することができる。検出および各細胞についての膜完全性および強度の測定値に基づき、スライドグラスのスコアが、具体的なマーカー解釈ガイドラインに基づき計算される(S305)。具体的なマーカー解釈ガイドラインは、バイオマーカーの種類および/または使用される染色剤について具体的であり得る。
腫瘍細胞毎に、膜質および細胞質の領域中のDABチャネル中のピクセル強度のメジアンまたは近似のメジアン(またはいずれかの統計的な測定値、たとえば、平均またはメジアン)、2つの異なる採点属性、つまり膜完全性および膜強度が、たとえば、腫瘍細胞毎に計算される。実施形態によれば、計算は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞毎に選択的に実施され、バイオマーカー陰性の腫瘍細胞は、細胞膜が不完全である、またはそれがないことを示すスコアおよび/または「非染色」強度値を示すスコアが直ちに割り当てられる。
膜完全性スコア
膜完全性は、ポジティブに染色された細胞核領域のまわりで円周の領域のまわりの膜質の領域の広さを測定し、円周の詰まり方に対する2つの閾に基づき、これらの3つの可能な順序ラベル(「完全」、「部分的に完全」、「なし」)の1つが割り当てられる。
たとえば、細胞毎に、具体的には識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞毎に、識別された細胞膜に沿って中心を置くピクセルのベルト中のDABチャネル画像中のピクセル強度のメジアンまたは近似のメジアン(またはいずれかの統計的測定値、たとえば、平均またはメジアン)が計算される。
次のステップで、前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞に対する強度閾が前記メジアンに従って計算される。たとえば、細胞特有の強度閾は、光強度のメジアン(または他の使用される統計的測定値)の50%とすることができる。
次いで、2つの異なる採点属性、すなわち膜完全性および膜強度が識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞毎に計算される。
膜完全性は、前に述べたようなメジアン強度値に基づき前記細胞について計算されている強度閾より高い強度を有するピクセルのベルト内でピクセルの割合として測定することができる。ピクセルのベルトは、前記識別されたバイオマーカー陽性の細胞の識別された細胞核を囲繞し、前記識別された細胞核を囲繞する識別された細胞膜に沿って中心を置いている。識別された細胞膜中のDABで染色されたバイオマーカーの量が多いほど、前記ピクセルのベルト内のピクセルの強度値がより高くなる。各識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、円周の詰まり方に対する2つの閾に基づきこれらの3つの可能な順序ラベル(「完全」、「部分的に完全」、「なし」)の1つが割り当てられる。採点は、次のロジック、
− if 円周の詰まり方のパーセンテージ(「割合」)>「完全の閾」 then 完全性=「完全」;
− Else if 円周の詰まり方のパーセンテージ>「部分的な完全の閾」 then 完全性=「部分的」;
− Else 完全性=「なし」
を使用することができる。
「円周の詰まり方のパーセンテージ(「割合」)」は、その強度値が前記細胞のピクセルベルトのメジアン強度値の細胞特有の強度閾(たとえば50%の)を超えるベルトピクセルの割合である。
一実装形態で使用される例示の閾値は、完全の閾=80%、部分的な閾=20%である。
膜強度スコア
膜強度は、腫瘍細胞の膜および細胞質の領域中でポジティブマーカー染色の測定値であり、ポジティブマーカー強度値(DABピクセル値、0〜255のスケールに基づく)を平均し、3つの強度閾、すなわち強い、中間、弱いを使用することによって計算され、その強度閾に基づき膜強度がビニングされる。
たとえば、膜強度は、細胞膜タンパク質の細胞膜および細胞質の領域中でのポジティブバイオマーカー染色の測定値として計算することができる。膜強度スコア(「膜強度」)は、前記細胞の細胞核を囲繞し、前記細胞の識別された細胞膜に沿って中心を置くピクセルのベルト中に含まれるすべてのピクセルのポジティブバイオマーカー強度値(DAB画像ピクセル値、たとえば0〜255のスケールに基づく)を平均することによって計算される。優先的に、ピクセルベルトの幅が膜タンパク質の細胞質ゾル領域もカバーするように、ピクセルベルトの幅が選ばれる。たとえば、ピクセルのベルトは、スライドグラス上で1μmをカバーすることができる。たとえば、いくつかの画像解像度で、ベルトは、3ピクセルの幅を取ることができる。前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞のそれぞれ毎に計算されて平均された強度値は、3つの強度閾、すなわち強い、中間、弱いに従ってこれらの4つの可能なカテゴリ、すなわち強い、中間、弱いまたは染色なしの1つにビニングされる(「分類される」)。膜強度スコア決定は、次のロジック、
− if(膜強度>強い強度閾) then 膜強度=強い;
− Else if(膜強度>中間の強度閾) then 膜強度=中間;
− Else if(膜強度>弱い強度閾) then 膜強度=弱い;
− Else 膜強度=染色なし
を使用することができる。例示の実装形態では、学習用データセット中で見られる染色および組織の変動性に基づき、使用されるこれらの閾値は、強い強度閾=150、中間強度閾=75および弱い強度閾=30である。
採点用ガイドラインは、NSCLC組織スライドグラス中でのc‐MET採点に特有である、すなわち、バイオマーカーがc‐METであり、評価されることになるがんタイプがNSCLCである場合である。同じバイオマーカーについて他の組織タイプまたは様々な組織タイプに対する他のバイオマーカー(HER2、EGFR)では、採点用ガイドラインは、異なる。表1は、主題開示の例示の実施形態につき、採点用ガイドラインを示す。
いくつかの実施形態によれば、第1のスライドグラスの調査エリア中の腫瘍細胞の全体が決定される。腫瘍細胞の全体は、バイオマーカー陽性およびバイオマーカー陰性の腫瘍細胞を含む。バイオマーカー陰性の腫瘍細胞は、それぞれ使用されるバイオマーカーを全く発現させていない、または含んでいない、あるいは第2のデジタル画像中で結果として生じた強度値によってバイオマーカー陽性の細胞膜を識別することが可能でない、それゆえバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別することが可能でない程度にだけ含む、腫瘍細胞とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、いくつかのがんサブタイプがバイオマーカーを含まない、または極めて少なくほとんど量を検出できない程度だけ含む場合は少なくとも、第1のスライドグラスのエリアの腫瘍細胞の全体は、スライドグラス中に含まれるすべての細胞またはすべての細胞核をカウントすることによって決定することができる。前記カウントするステップは、たとえば第1のデジタル画像に対して実施することができる。いくつかの実施形態では、すべての(バイオマーカー陽性およびバイオマーカー陰性の)腫瘍細胞の数は、第1のステップですべての腫瘍細胞をカウントし、第2のステップで前記スライドグラスの前記エリア中に含まれるすべての非腫瘍細胞、たとえばリンパ球または間質の細胞をカウントし、腫瘍細胞のカウント数から非腫瘍細胞のカウント数を減算することによって決定することができる。表1で言及される「腫瘍細胞」は、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞およびバイオマーカー陰性の腫瘍細胞の両方を含み、上記に述べたカウントアプローチのいずれかの1つによって決定することができる。少なくとも細胞膜の同定が可能であり、それゆえバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の同定が可能である程度に、バイオマーカーがすべての腫瘍細胞中で発現されるということを安全に仮定することができる場合(これは、バイオマーカーおよび使用される染色システムによって決まる)、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞の数および腫瘍細胞の数は、同一であると見なすことができ、バイオマーカー陽性の腫瘍細胞のカウント数は、すべての腫瘍細胞の数として使用することができる。
Figure 0006604960
完全性および強度を使用して、スコアは、各細胞に割り当てられ、画像は、スコア閾を満足させる細胞の割合に基づきビニングされる。この文脈での各「細胞」は、たとえば、スライドグラスの調査エリア中に含まれる各腫瘍細胞、具体的に各バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を意味する。スコア閾は、組織サイズ、染色変動性および染色プロトコルに基づき、学習用データによって規定され、手続きを実施する異なる研究所に依存する独自のものとすることができる。したがって、閾は変化することができ、0〜255の範囲とすることができる。異なる採点基準が、バイオマーカーの異なるタイプについて存在する。出力されたバイオマーカースコアは、(0、1+、2+、3+)の4つのビニングされたスコアであり、それは、患者がマーカー陽性または陰性(たとえばMET陽性またはMET陰性、HER2陽性またはHER2陰性)であるという臨床診断評価を与えるために使用される。結果として生じるオーバーレイ画像が、図6に示すように、スコア結果とともにビューワに出力される(S306)。
図4A〜4Cは、主題開示の例示の実施形態による、膜検出のための方法および前記方法の結果を描写する。方法は、本明細書でさらに述べるスポーク同定動作とは対照的に、ストローク同定動作に基づく。この方法は、フィルタマスクサイズが所与であり、ガウスフィルタを使用する画像平滑化動作(S401)から始めることができる。たとえば、ガウスフィルタは、第1のスライドグラスのエリアのRGBデジタル画像に対して適用することができる。5×5ピクセルの通常のマスクサイズを使用することができる。カラーデコンボリューション(S402)が平滑化されたRGB画像に適用され、それによって図2Aに示す2つの染色画像、すなわち対比染色された細胞核を強調する「HTXチャネル画像」(これは、第1のデジタル画像の例として見なすことができる)およびMET陽性で、DABによって染色された膜/細胞質の染色された細胞を強調するDABチャネル画像(これは、第2のデジタル画像の例として見なすことができる)を生成する。具体的には、染色されたバイオマーカーを含む可能性がある膜タンパク質および細胞質ゾルの膜タンパク質の領域は、「ポジティブに染色された細胞膜」として包含することができる。DABチャネル画像中に、明るい染色された細胞膜領域が、最初に画像中ですべての可能なストロークを取り出すために、ストローク検出技法を使用して検出される。
いくつかの実施形態によれば、ストローク検出は、「隆起検出」または「線検出」アプローチに基づく。隆起または線検出アプローチは、強度の鋭い局所的変化を検出することに基づく画像セグメンテーション方法である。線は、線の両側の背景の強度が線ピクセルの強度より極めて大きい、または極めて小さいエッジ区間として見ることができる。
他の実施形態によれば、細胞膜のストローク検出は、DAB画像(「第2のデジタル画像」の例)中で各ピクセルPについて位置を計算することによって、膜ストロークに属するピクセルを識別するステップを含む。図4Bを見ると、ピクセルp1〜p8のアレイが描写されている。これらのピクセルの位置は、ひし形状で互いに対向する。ピクセルPは、その強度が(p1〜p8)の強度に比べて局所的最大値である場合、ストロークの一部として見なされる。これは、閾比較(S404)によって実施することができる。ピクセルPがすべてのピクセルp1〜p8について閾を満足させる場合、それは、ストロークピクセルとして加えられ、さらなるピクセル(S406〜S407)が、もしあれば、選択され、上記に述べたようにストロークピクセルであるのかどうかが評価される。このアプローチでは、区分けされたピクセルは、その長さおよび幅が1つのピクセルと等しい線として見なすことができる。たとえば、第2のデジタル画像中では、前記識別されたストロークピクセルの全体は、識別された細胞核の位置情報を考慮に入れずに、識別された細胞膜の全体を表す。それゆえ、ストロークピクセルの全体は、いくつかの染色アーチファクトを含むことができる。すべてのストロークピクセルを検出したとき、方法は、さらに本明細書で述べるような改善に進むことができる。たとえば、その中心が第2のデジタル画像にマッピングされた識別された細胞核のいずれかの1つからの最大距離内に位置していないすべてのストロークピクセルをマスクするために、第2のデジタル画像から2進法改善マスクを生成して、ストロークピクセルの全体に適用することができる。
図4Cは、図4Aで述べたような膜検出方法を被り、膜ストロークが検出された画像424をもたらしたDABチャネル画像423を描写する。バイオマーカー陽性の腫瘍細胞の膜質および細胞質の領域(具体的には、膜タンパク質の細胞膜および細胞質ゾルの領域)だけが染色されることが期待されるので、画像424は、DABチャネル画像(図3AのS301)に対してOtsu閾値化を適用することによって生成されたDABチャネル画像の2値化されたバージョンである、および/またはいずれかのかなりの細胞核または膜が染色されていない区分けされた領域を取り除くように形態学的に一掃された、ピクセルが分類された画像(また、本明細書で「2進法改善マスク」という)に基づき、非特異性染色および染色アーチファクトを取り除くようにさらに改善することができる。
実施形態によれば、2進法改善マスクは、細胞核の斑点が非腫瘍細胞、たとえばリンパ球または間質の細胞に関連するとその形状またはサイズによって示す第2のデジタル画像にマッピングされた細胞核の斑点の形状を形態学的に解析することによって、さらに改善することができる。そのような細胞核の斑点および前記細胞核の斑点のまわりの円周のピクセル切片も、非腫瘍細胞として識別することができ、前記非腫瘍細胞に属するピクセルは、2進法改善マスク中でマスクピクセルにすることができる。それに加えて、または別法として、第1のデジタル画像中にいずれかのかなりの細胞核の染色を含んでいない、かつ第2のデジタル画像中にいずれかのかなりの細胞核の染色を含んでいない第2のデジタル画像中のより大きい区分された領域のピクセルは、2進法改善マスク中でマスクピクセルにする。
上記に述べたストローク検出方法の代替の実施形態では、細胞膜を検出するために、スポークベースの細胞膜および細胞質のリング検出器を使用することができる。たとえば、細胞膜の検出は、第2の染色剤によって染色された細胞膜タンパク質の細胞質ゾル領域を検出するステップを含むことができる。
図5A〜5Cは、これらの動作を述べている。図5Aを参照すると、各細胞核中心、たとえば各識別された細胞核の中心で、特定の半径の囲繞円形領域中で膜および細胞質の染色された領域が解析される。前記半径は、通常、細胞の最大の期待される半径に設定される。検出された細胞核の中心は、細胞核シードの場所として見なすことができる。細胞核中心が与えられると、画像強度値が、中心から外側にオーバーレイされる1セットの放射状の線(また本明細書で「スポーク線」または「ベクトル」という)に沿って集められる。検出器は、4つのパラメータを有する。すなわち1)放射状の線の数N,たとえば16。それらの角度は、0〜360度の範囲で均等にサンプリングされる。2)各線の長さ。これは、細胞の平均半径に相当する。3)以下に述べるような2つの強度閾T1およびT2。各スポーク線に沿って、最小および最大の強度値が計算される。たとえば、各スポーク線に沿って、第2のデジタル画像またはその改善された画像中で最小および最大の強度値が計算される。特定の細胞核に関し生成されたすべての線について、すべての最大値のメジアン(MedianMax_I)およびすべての最小値のメジアン(MedianMin_I)が計算される。
図5Bは、膜として示される画像強度を有する1セットの放射状の線を示す。中心での強度をCenter_Iとすると、領域は、MedianMax_IがCenter_Iより大きい少なくともT1であり、MedianMin_IがCenter_Iより小さいせいぜいT2である場合、有効な膜としてラベルを付けられる。
いくつかの実施形態によれば、1セットの放射状の線は、識別された細胞核の中心から延びることができ(第2のデジタル画像にマッピングされた)、各線中のもっとも高い画像強度が、互いに自動的に接続され識別された細胞膜を表すように示される。検出された細胞核の中心での強度は、Center_Iである。たとえば、Center_I、MedianMin_IおよびMedianMax_Iを計算するために、第2のデジタル画像の強度値が入力として使用される。前記線内の第2のデジタル画像中でもっとも高い強度を有する前記線のそれぞれ中の1セットのピクセルは、MedianMax_IがCenter_Iより大きい少なくともT1であり、MedianMin_IがCenter_Iより小さいせいぜいT2である場合、有効な細胞膜ピクセルとして見なされ、同じ細胞核の中心の隣接する(近くの)線の他の最大強度ピクセルに接続される。いくつかの実施形態では、前記条件が満たされない場合、線の長さは、伸ばすことができ、MedianMax_IおよびMedianMin_Iは、最大の線長さに達するまで、または条件が満足されるまで、計算し直すことができる。
パラメータN、T1およびT2は、画像品質および組織外見が変化する1セットの代表的な画像についての学習に基づく検出の正確さおよび速度のために調節される。このアプローチは、膜に沿った絶対的な強度値に依存せず、しかし境界と内部領域の間の相対的差に依存するので、染色強度の変動に対してロバストである。スポークベースの検出は、膜輪郭の明確な検出を必要とせず、膜質の領域から内部細胞質の領域を分離することを試行する領域を検出するのにうまく適している。図5Cは、複数の細胞核および膜を識別するスポーク検出の結果を描写する。
完全性および/または強度のスコアを計算するために、ストロークベースの、またはスポークベースのアプローチを介して識別されている細胞膜(いずれかの染色された細胞質の膜タンパク質領域を含む)を表す第2のデジタル画像中の1セットのピクセルは、スコア計算のために使用されるピクセルのベルトを生成するために、予め定めたセットのピクセルによって拡大することができる。たとえば、識別された細胞膜ピクセルのセットは、細胞中心の方向に2ピクセルだけ拡大することができ、さらに細胞外空間の方向に2ピクセルだけ拡大することができる。拡大されたセットのピクセルは、強度および完全性スコアが計算されるピクセルベルトを構成することができる。
図6は、主題開示の例示の実施形態による、FOV選択および結果描写のための例示のインターフェースを描写する。インターフェースは、図1で述べたシステムまたはリモートシステムによって提供することができ、FOV選択および結果の描写などの動作を有効にすることができる。たとえば、インターフェースは、1つまたは複数の視野を含む画像661および画像中の各FOVについての採点結果663を描写する。
したがって、開示した動作は、代表的視野、たとえば解釈のために病理学者によって選択された視野に基づき、c−METで染色されたNSCLC組織スライドグラスを採点する画像解析システムおよび方法を提示する。さらにまた、解剖学または臨床の病理学、衰弱/肺がん診断など、医療用途に加えて。本明細書の開示した動作は、マルチスレッドの並列実装形態を有効にするハードウェアのグラフィック処理ユニット(GPU)中に移植することができる。
コンピュータは、通常、プロセッサ、オペレーティングシステム、システムメモリ、記憶装置、入出力コントローラ、入出力装置、表示装置など、既知の構成要素を含む。また、コンピュータの多くの可能な構成および構成要素が存在でき、また、コンピュータが、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、多くの他の装置を含むことができることを当業者は理解するであろう。入力装置の例は、キーボード、カーソル制御装置(たとえばマウス)、マイクロフォン、スキャナなどを含む。出力装置の例は、表示装置(たとえばモニタ、プロジェクタ)、スピーカ、プリンタ、ネットワークカードなどを含む。表示装置は、視覚情報を提供する表示装置を含むことができ、この情報は、通常、論理的であり得る、および/またはピクセルのアレイとして物理的に組織化され得る。また、入力および出力のインターフェースを設けるための様々な既知または将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含むことができるインターフェースコントローラを含めることができる。たとえば、インターフェースは、1つまたは複数のグラフィック表示をユーザに提供する、一般に「グラフィカルユーザインターフェース」といわれる(しばしばGUIといわれる)ものを含むことができる。インターフェースは、通常、当業者に既知の選択または入力の手段を使用してユーザ入力を受け取るように有効にされる。また、インターフェースは、タッチスクリーン装置とすることができる。同じまたは代替の実施形態では、コンピュータ上のアプリケーションは、「コマンドラインインターフェース」(しばしばCLIといわれる)といわれるものを含むインターフェースを用いることができる。CLIは、通常、アプリケーションとユーザの間でテキストベースの相互作用をもたらす。通常、コマンドラインインターフェースは、表示装置を介するテキストのラインとして出力を提示し、入力を受け取る。たとえば、いくつかの実装形態は、当業者に既知のUnix(登録商標) ShellまたはMicrosoft.NET Frameworkなど、オブジェクト指向型のプログラミングアーキテクチャを用いるMicrosoft Windows Powershellなど、「シェル」といわれるものを含むことができる。
当業者は、インターフェースが、1つまたは複数のGUI、CLIまたはその組み合わせを含むことができることを正しく認識するであろう。プロセッサは、Intel Corporationによって製造されるCeleron、CoreまたはPentiumプロセッサ、Sun Microsystemsによって製造されるSPARCプロセッサ、AMD Corporationによって製造されるAthlon、Sempron、PhenomまたはOpteronプロセッサなど、市販のプロセッサを含むことができる、あるいは、それは、入手できる、または入手できることになる他のプロセッサの1つとすることができる。プロセッサのいくつかの実施形態は、マルチコアプロセッサといわれ、および/または単一またはマルチコア構成で並列処理技術を用いることができるものを含むことができる。たとえば、マルチコアアーキテクチャは、通常、2つ以上のプロセッサ「実行コア」を含む。この例では、各実行コアは、多数のスレッドの並列実行ができる独立したプロセッサとして動作することができる。さらに、当業者は、一般に32または64ビットアーキテクチャといわれる形で、または現在知られている、または将来開発される可能性がある他のアーキテクチャの構成で、プロセッサを構成することができることを正しく認識するであろう。
プロセッサは、通常、オペレーティングシステムを実行し、それは、たとえば、Microsoft Corporation製のWindowsタイプのオペレーティングシステム、Apple Computer Corp.製のMac OS Xオペレーティングシステム、多くのベンダから入手できるUnix(登録商標)またはLinux(登録商標)タイプのオペレーティングシステムまたはオープンソースといわれるもの、別のまたは将来のオペレーティングシステム、またはそのある組み合わせとすることができる。オペレーティングシステムは、ファームウェアおよびハードウェアと良く知られたようにインターフェースし、プロセッサが、様々なプログラミング言語で書かれていることがある様々なコンピュータプログラムの機能を調整して実行させる上で支援する。オペレーティングシステムは、通常プロセッサと連携して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整して実行させる。また、オペレーティングシステムは、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、通信制御および関連サービスを既知の技法によってすべて実施する。
システムメモリは、所望の情報を格納するために使用することができ、かつコンピュータがアクセスすることができる様々な既知または将来の記憶装置のいずれかを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなど、情報の記憶のためのいずれかの方法または技術で実現される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不能な媒体を含むことができる。例は、いずれかの一般に入手できるランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリ―メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリ―メモリ(EEPROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、常駐ハードディスクまたはテープなどの磁気媒体、リード/ライトコンパクトディスクなどの光媒体、または他の記憶装置を含む。記憶装置は、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、取り外し可能なハードディスクドライブ、USBまたはフラッシュドライブまたはディスケットドライブを含む、様々な既知または将来の装置のいずれかを含むことができる。記憶装置のそのようなタイプは、通常、それぞれコンパクトディスク、磁気テープ、取り外し可能なハードディスク、USBまたはフラッシュドライブ、またはフロッピディスケットなど、プログラム記憶媒体から読み出す、および/またはそれに書き込む。これらのプログラム記憶媒体、または現在使用されている、または今後開発される可能性がある他のもののいずれも、コンピュータプログラム製品と見なすことができる。理解されることになるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラムおよび/またはデータを格納する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリおよび/または記憶装置と連結して使用されるプログラム記憶装置中に格納される。いくつかの実施形態では、制御ロジック(プログラムコードを含む、コンピュータソフトウェアプログラム)が格納されているコンピュータ使用可能な媒体を含むコンピュータプログラム製品が述べられている。制御ロジックは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに本明細書で述べる機能を果たさせる。他の実施形態では、いくつかの機能は、主にハードウェア使用で、たとえばハードウェア状態マシンで実施される。本明細書で述べる機能を果たすハードウェア状態マシンの実装形態は、当業者に明らかになるであろう。入出力コントローラは、人であろうとマシンであろうと、局所的であろうと遠隔であろうと、ユーザからの情報を受け取り処理するための様々な既知の装置のいずれかを含むことができる。そのような装置は、たとえば、モデムカード、無線カード、ネットワークインターフェースカード、音源カード、または様々な既知の入力装置のいずれかのためのコントローラの他のタイプを含む。出力コントローラは、人であろうとマシンであろうと、局所的であろうと遠隔であろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示装置のいずれかのためのコントローラを含むことができる。現在述べている実施形態では、コンピュータの機能的要素は、システムバスを介して互いに通信する。コンピュータのいくつかの実施形態は、ネットワークまたは他のタイプのリモート通信を使用していくつかの機能的要素と通信することができる。当業者に明らかになるように、機器制御および/またはデータ処理アプリケーションは、ソフトウェアで実装される場合、システムメモリおよび/または記憶装置中にロードしそこから実行することができる。また、機器制御および/またはデータ処理アプリケーションのすべてまたはその一部分は、リードオンリ―メモリ、または最初に機器制御および/またはデータ処理アプリケーションを、入出力コントローラを通じてロードする必要がない装置など、記憶装置の同様の装置中に常駐させることができる。機器制御および/またはデータ処理アプリケーション、またはその一部分が、プロセッサによって、実行に有利なように、システムメモリまたはキャッシュメモリ、またはその両方中に既知のようにロードすることができることを当業者は理解するであろう。また、コンピュータは、システムメモリ中に格納された1つまたは複数のライブラリファイル、実験データファイルおよびインターネットクライアントを含むことができる。たとえば、実験データは、検出された信号値、または合成による1つまたは複数のシークエンシング(SBS)の実験またはプロセスと関連する他の値など、1つまたは複数の実験またはアッセイに関するデータを含むことができる。さらに、インターネットクライアントは、ネットワークを使用して別のコンピュータ上のリモートサービスにアクセスするように有効にされるアプリケーションを含むことができ、たとえば、一般に「ウェブブラウザ」といわれるものを含むことができる。この実施例では、いくつかの一般に用いられているウェブブラウザは、Microsoft Corporation製のMicrosoft Internet Explorer、Mozilla Corporation製のMozilla Firefox、Apple Computer Corp.製のSafari、Google Corporation製のGoogle Chromeまたは本技術分野で現在既知の、または将来開発される他のタイプのウェブブラウザを含む。また、同じまたは他の実施形態では、インターネットクライアントは、ネットワークを介して生物学的アプリケーションのためのデータ処理アプリケーションなど、リモート情報にアクセスするように有効にされる専門ソフトウェアアプリケーションを含むことができる、またはその要素になることができる。
ネットワークは、当業者に周知のネットワークの多くの様々なタイプの1つまたは複数を含むことができる。たとえば、ネットワークは、通信するためにTCP/IPプロトコル群と一般にいわれるものを用いることができるローカルまたはワイドエリアネットワークを含むことができる。ネットワークは、一般にインターネットといわれる相互接続したコンピュータネットワークの世界的なシステムを含むネットワークを含むことができる、または様々なイントラネットアーキテクチャも含むことができる。また、当業者は、ネットワーク化環境中のいく人かのユーザが、ハードウェアおよび/またはソフトウェアのシステムへの/それからの情報トラフィックを制御するために、一般に「ファイアウォール」(またしばしばパケットフィルタまたはボーダープロテクションデバイスといわれる)といわれるものを用いることを好むことがあることを正しく認識するであろう。たとえば、ファイアウォールは、ハードウェアまたはソフトウェアの要素またはあるその組み合わせを含むことができ、通常、たとえばネットワーク管理者など、ユーザによって導入されるセキュリティポリシーを実施するように設計される。
本主題開示の例示の実施形態の前述の開示は、例示し記述する目的で提示してきた。包括であることを、または開示したもののまさにその形態に主題開示を限定することを意図していない。本明細書で述べた実施形態の多くの変形および修正が、上記の開示を考慮すると当業者に明らかになるであろう。主題開示の範囲は、本明細書に添付された請求項によって、およびそれらの同等物によってのみ定めるべきである。
さらに、本主題開示の代表的な実施形態を述べる際、本明細書は、本主題開示の方法および/またはプロセスをステップの特定のシーケンスとして提示してきた。しかし、本方法またはプロセスが本明細書に述べたステップの特定の順序に依存しない範囲で、本方法またはプロセスは、述べたステップの特定のシーケンスに限定すべきでない。当業者は、ステップの他のシーケンスが可能になり得ることを正しく認識するであろう。したがって、本明細書に述べたステップの特定の順序は、請求項に対する制限として解釈すべきでない。さらに、本主題開示の方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、記載された順序でのそれらのステップの実施に限定すべきでなく、当業者は、シーケンスを変更することができるが、やはり本主題開示の趣旨および範囲内に留めることができることを容易に正しく認識することができる。

Claims (24)

  1. バイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するための医用画像解析方法であって、
    第1のデジタル画像(223)および第2のデジタル画像(222)をメモリ中に読み込むステップであって、
    前記第1および第2のデジタル画像は、第1のスライドグラスの同じエリアを描写し、
    前記第1のスライドグラスは、第1の染色剤によって、および第2の染色剤によって染色されている多数の腫瘍細胞を含み、
    前記第1の染色剤は、細胞核を選択的に染色し、
    前記第2の染色剤は、特定のバイオマーカーを選択的に染色し、腫瘍細胞中の前記バイオマーカーの有無および量が、特定のがんサブタイプに属する腫瘍細胞を示し、
    前記第1のデジタル画像の光強度値が、前記腫瘍細胞中の前記第1の染色剤の量と相関し、
    前記第2のデジタル画像の光強度値が、前記腫瘍細胞中の前記第2の染色剤の量と相関する、ステップと、
    複数の細胞核および前記細胞核の位置情報を前記第1のデジタル画像中の前記光強度を解析することによって識別するステップと、
    前記バイオマーカーを含む細胞膜を、前記第2のデジタル画像中の前記光強度を解析することによって、および前記識別された細胞核の前記位置情報を解析することによって識別するステップと、
    前記エリア中でバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別するステップであって、
    バイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、1つの識別された細胞核と前記識別された細胞核を囲繞する1つの識別された細胞膜の組み合わせである、ステップと
    第2のスライドグラスのさらなるデジタル画像をメモリ中に読み込むステップであって、
    前記第1のスライドグラスは、腫瘍組織の第1の組織切片中に含まれた腫瘍細胞を含み、
    前記第2のスライドグラスの腫瘍細胞は、前記腫瘍組織の第2の組織切片中に含まれ、
    前記第1および第2の組織切片は、隣接したひと続きの組織切片であり、
    前記さらなるデジタル画像は、医療注釈を含む、ステップと、
    前記さらなるデジタル画像を前記第1および/または第2のデジタル画像に自動的にマッピングするために、前記さらなるデジタル画像の光学的特徴を前記第1または第2のデジタル画像の光学的特徴と自動的に比較するステップと、
    前記さらなるデジタル画像の前記注釈を前記マッピングされた第1および/または第2のデジタル画像中の対応する領域に自動的に移動させるステップと
    を含む、医用画像解析方法。
  2. 前記方法は、がんサブタイプ分けのために使用され、
    前記方法は、
    スコアを計算するステップであって、前記スコアは、前記エリア中に含まれる識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞に属する識別された細胞膜の光強度値の導関数であり、前記スコアは、前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞中の前記バイオマーカーの量を示す、ステップと、前記スコアを出力するステップとをさらに含む、および/または
    前記エリア中に含まれる前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を自動的にカウントするステップと、前記カウント結果を出力するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記計算されたスコアは、識別された細胞膜の光強度値および細胞質構造の光強度値の導関数である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のスライドグラスの前記エリアは、前記第1のスライドグラスの全部の表面である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1のスライドグラスの前記エリアは、前記第1のスライドグラスの1つまたは複数の手作業で、または自動的に選択される部分からなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1のスライドグラスは、全腫瘍組織切片を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の染色剤は、核酸を選択的に染色する染色剤、たとえばヘマトキシリンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第2の染色剤は、3、3’−ジアミノベンジジン(DAB)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記バイオマーカーは、肝細胞成長因子受容体(cMET)またはHER2またはEGFRである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1のスライドグラスから画像データを取得するステップであって、
    前記画像データは、マルチスペクトル未処理ピクセルを含む、ステップと、
    スペクトルデコンボリューション演算を適用することによって前記マルチスペクトル未処理ピクセルをスペクトル分離し、それによって前記第1のデジタル画像および前記第2のデジタル画像を生成するステップとをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 非腫瘍細胞の細胞核を識別するために、前記第1のデジタル画像中で前記識別された細胞核のスペクトルおよび/または形状特徴を自動的に解析するステップ、および/または非腫瘍細胞の細胞を識別するために、前記第2のデジタル画像中で前記識別された細胞膜のスペクトルおよび/または形状特徴を自動的に解析するステップと、
    前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞についてスコアを計算する前に、および/またはその数をカウントする前に、その細胞核または細胞膜が非腫瘍細胞の構成要素と識別されたすべての識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を除去するステップとをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 第1のデジタル画像中の前記光強度を解析することによる前記細胞核の同定は、
    セグメンテーション、閾値化および/または放射相称ベースの細胞核検出アルゴリズムを前記第1のデジタル画像中の前記光強度に対して自動的に適用するステップを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記細胞膜の同定は、
    前記第2のデジタル画像中で前記バイオマーカーを含む物体を識別するために、および前記バイオマーカーを含む前記識別された物体を示す中間画像(324)を出力するために、前記第2のデジタル画像に対して隆起検出アルゴリズムを適用するステップと、
    前記第2のデジタル画像に対して閾ベースのセグメンテーションアルゴリズムを適用することによって前記第2のデジタル画像(222)から、および前記識別された細胞核の前記位置情報から2進法改善マスク(333)を生成するステップであって、
    前記2進法改善マスク中で、その強度が前記セグメンテーションアルゴリズムの閾より小さく、かつ前記識別された細胞核のいずれかの1つからの最大距離の外側に位置するすべてのピクセルが、マスクピクセルである、ステップと、
    前記中間画像に前記2進法改善マスクをマッピングし適用し、それによってマスクピクセルにマッピングされた前記中間画像中のピクセルのすべての強度値を取り除く、またはマスクするステップであって、
    前記マスクの前記適用の結果は、前記バイオマーカーを含み、かつ前記識別された細胞核のいずれかからの最大距離内に位置する物体を選択的に示す、マスクされた画像の生成である、ステップと、
    前記細胞膜を識別するために前記マスクされた画像に対して流域セグメンテーションアルゴリズムを適用し、それによってマスクされていないピクセルの強度値を入力として選択的に取る、ステップと、
    改善された画像(335)を任意選択で出力するステップであって、
    前記改善された画像は、前記中間画像(324)の派生物であり、前記識別された細胞膜を含む、ステップとを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記流域セグメンテーションアルゴリズムの適用は、
    前記中間画像(324)に前記第1のデジタル画像中で前記識別された細胞核をマッピングするステップと、
    前記マッピングされ識別された細胞核のまわりで整合したリングまたはダム構造を識別する目的でマスクされていないピクセルに対してマーカーベースの流域セグメンテーションアルゴリズムを適用するために、流域マーカーとして前記マッピングされ識別された細胞核のそれぞれを使用し、前記識別されたリングまたはダム構造を前記識別された細胞膜として使用するステップとを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記バイオマーカーを含むいずれかの種類の物体を識別するための前記隆起検出アルゴリズムは、
    前記第2のデジタル画像中の各ピクセル(P)について、1セットの隣接するピクセルの強度値を識別するステップと、
    前記ピクセル(P)の前記強度が前記1セットの隣接するピクセルの前記強度値に関して局所的最大値である場合、前記ピクセル(P)が前記バイオマーカーを含む物体を表すと決定するステップとを含む、請求項13から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記閾ベースのセグメンテーションアルゴリズムは、Otsuセグメンテーションアルゴリズムである、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記2進法改善マスク(333)の生成は、
    前記第2のデジタル画像中で近似の細胞サイズの細胞の斑点を識別し、前記識別された細胞の斑点の幾何学的中心を決定し、前記決定された幾何学的中心を追加で識別された細胞核として使用するステップと、および/または
    非腫瘍細胞の細胞核から生じた細胞核の斑点を識別するために、前記第1のデジタル画像中で細胞核の斑点の形態学的な解析を実施し、前記識別された細胞核の斑点から導かれたすべての識別された細胞核を除去するステップと、および/または
    そのサイズが解析される腫瘍細胞の通常の細胞核の直径の予め定めた割合より小さい直径に相当する細胞核の斑点を識別するために、前記第1のデジタル画像中で前記細胞核の斑点のサイズ解析を実施し、前記識別された細胞核の斑点から導かれたすべての識別された細胞核を除去するステップと、および/または
    前記細胞核の斑点が、その全光強度が第1の強度閾より低い前記第1のデジタル画像の第1の画像区画中に位置する場合、さらに、前記第2のデジタル画像の対応する第2の画像区画の全光強度が第2の強度閾より低い場合、前記第1のデジタル画像中で識別された細胞核の斑点から導かれたすべての識別された細胞核を除去するステップとを含む、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記細胞膜の同定は、スポーク検出アプローチとして実施され、
    前記スポーク検出アプローチは、
    前記第1のデジタル画像中で識別された前記細胞核を前記第2のデジタル画像にマッピングするステップと、
    前記第2のデジタル画像中で前記マッピングされ識別された細胞核のそれぞれについて、前記第2のデジタル画像中において前記マッピングされた細胞核の中心と前記中心から放射状に延びる線に沿ったピクセルとの間で相対強度差を評価するステップであって、
    前記評価は、前記マッピングされ識別された細胞核の前記細胞膜を識別するために実行される、ステップとを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記マッピングされ識別された細胞核のそれぞれについての前記細胞膜の同定は、
    1セットの線を前記識別されマッピングされた細胞核の前記中心にマッピングするステップであって、
    前記線のそれぞれが前記中心から始まり、最大長さの閾まで外側に放射状に延びる、ステップと、
    第1の強度閾(T1)および第2の強度閾(T2)を設けるステップと、
    前記線のそれぞれについて、前記第2のデジタル画像中で最大強度値を決定するステップと、
    前記細胞核の前記中心から延びるすべての線に関して識別されたすべての最大強度値のメジアン(MedianMax_I)を決定するステップであって、
    前記線のそれぞれについて、前記第2のデジタル画像中で最小強度値を決定し、
    前記細胞核の前記中心から延びるすべての線について識別されたすべての最小強度値のメジアン(MedianMin_I)を決定し、
    前記第2のデジタル画像中で前記マッピングされ識別された細胞核の前記中心の強度(Center_I)を決定する、ステップと、
    MedianMax_Iが前記中心の前記決定された強度(Center_I)より大きい少なくとも前記第1の強度閾(T1)である場合、かつすべての最小強度値の前記メジアンが、前記中心の前記決定された強度(Center_I)より小さいせいぜい前記第2の強度閾(T2)である場合のみ、前記線のそれぞれの中で、前記線内で最大強度値を有する隣接する1セットのピクセルを細胞膜の一部分として識別するステップと、
    前記細胞膜の一部分として識別された前記1セットのピクセルを追加のピクセルで補完するステップであって、
    前記追加のピクセルは、前記識別された1セットのピクセルの未接続サブセットを接続する、ステップと、
    前記補完された1セットのピクセルを前記マッピングされ識別された細胞核の前記識別された細胞膜として戻すステップとを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記スコアは、膜完全性スコアであり、
    前記膜完全性スコアの計算は、
    前記第2のデジタル画像中で各識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞それぞれについて、ピクセルの周辺ベルトを識別するステップであって、
    前記ピクセルの周辺ベルトは、前記識別された細胞膜に沿って中心を置く、ステップと、
    前記第2のデジタル画像中で各識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞について、その光強度が強度閾値を超えるピクセルの前記ベルト中のピクセルの割合を決定するステップであって、
    前記割合は、前記識別された膜の完全性を示す、ステップと、
    その決定された割合が、前記細胞の前記細胞膜が不完全であると識別されたことを示す場合、前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を任意選択で除去するステップとを含む、請求項2から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ベルトの厚さが前記第1のスライドグラスの1μmをカバーするように、ピクセルの予め定めた数が選ばれる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記スコアは、膜強度スコアであり、
    前記膜強度スコアの計算は、
    前記第2のデジタル画像中で各識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞それぞれについて、前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の前記識別された細胞膜内に位置決めされた、および/または前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の前記識別された細胞膜によって囲繞された細胞質の領域内に位置するすべてのピクセルの光強度を測定するステップと、
    前記腫瘍細胞が属するがんタイプを予測するために、および/または病気進行を予測するために、すべての前記識別されたバイオマーカー陽性の腫瘍細胞の少なくとも1つの予め定めた割合の前記測定された光強度を1つまたは複数の閾値と比較するステップとを含む、請求項2から19のいずれか一項に記載の方法。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載の方法を実施するプロセッサによって実行可能なデジタル的にコード化された命令を格納する有形の非一時的な記憶媒体。
  24. プロセッサと、
    前記プロセッサに結合されるメモリであって、
    前記メモリは、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに動作を実施させるコンピュータ可読命令を格納するものである、メモリとを含み、
    前記動作は、
    第1のデジタル画像および第2のデジタル画像をメモリ中に読み込むことであって、
    前記第1および第2のデジタル画像は、第1のスライドグラスの同じエリアを描写し、
    前記第1のスライドグラスは、第1の染色剤によって、および第2の染色剤によって染色された多数の腫瘍細胞を含み、
    前記第1の染色剤は、細胞核を選択的に染色し、
    前記第2の染色剤は、特定のバイオマーカーを選択的に染色し、
    腫瘍細胞中の前記バイオマーカーの有無および/または量は、特定のがんサブタイプに属する腫瘍細胞を示し、
    前記第1のデジタル画像の光強度値が、前記腫瘍細胞中の前記第1の染色剤の量と相関し、
    前記第2のデジタル画像の光強度値が、前記腫瘍細胞中の前記第2の染色剤の量と相関する、読み込むことと、
    前記第1のデジタル画像中で前記光強度を解析することによって複数の細胞核および前記細胞核の位置情報を識別することと、
    前記第2のデジタル画像中で前記光強度を解析することによって、および前記識別された細胞核の前記位置情報を解析することによって、前記バイオマーカーを含む細胞膜を識別することと、
    前記エリア中でバイオマーカー陽性の腫瘍細胞を識別することであって、
    バイオマーカー陽性の腫瘍細胞は、1つの識別された細胞核と前記識別された細胞核を囲繞する1つの識別された細胞膜の組み合わせである、識別することと
    第2のスライドグラスのさらなるデジタル画像をメモリ中に読み込むことであって、
    前記第1のスライドグラスは、腫瘍組織の第1の組織切片中に含まれた腫瘍細胞を含み、
    前記第2のスライドグラスの腫瘍細胞は、前記腫瘍組織の第2の組織切片中に含まれ、
    前記第1および第2の組織切片は、隣接したひと続きの組織切片であり、
    前記さらなるデジタル画像は、医療注釈を含む、読み込むことと、
    前記さらなるデジタル画像を前記第1および/または第2のデジタル画像に自動的にマッピングするために、前記さらなるデジタル画像の光学的特徴を前記第1または第2のデジタル画像の光学的特徴と自動的に比較することと、
    前記さらなるデジタル画像の前記注釈を前記マッピングされた第1および/または第2のデジタル画像中の対応する領域に自動的に移動させることと
    を含む、医用画像解析システム。
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